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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR QUANTIFICATION OF STEROID HORMONE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/034951
Kind Code:
A1
Abstract:
A steroid hormone (e.g., estrogen) in the horny layer of the skin can be quantified by analyzing, by LC-MS, the steroid hormone in the horny layer of the skin collected by a tape stripping method. It becomes possible to measure the concentration of a steroid hormone (e.g., estrogen), which has an important function for the condition of the skin, in the skin in a simple manner.

Inventors:
HAKETA NORIKO (JP)
KAKUO SHINGO (JP)
HONMA SEIJIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/066187
Publication Date:
March 19, 2009
Filing Date:
September 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KAO CORP (JP)
HAKETA NORIKO (JP)
KAKUO SHINGO (JP)
HONMA SEIJIRO (JP)
International Classes:
G01N30/88; G01N1/04; G01N27/62; G01N30/04; G01N30/06; G01N30/72; G01N33/48; G01N33/483; G01N33/50; G01N33/76
Foreign References:
JP2007108060A2007-04-26
JP2006138786A2006-06-01
JP2006138786A2006-06-01
Other References:
LYNN K. PERSHING,ET AL.: "Feasibility of measuring the bioavailability of topical betamethasone dipropionate in commercial formulations using drug content in skin and a skin blanching bioassay", PHARMACEUTICAL RESEARCH, vol. 9, no. 1, January 1992 (1992-01-01), pages 45 - 51, XP008130179
WILLIAM J. GRIFFITHS: "Derivatisation for the characterisation of neutral oxosteroids by electrospray and matrix-assisted laser desorption/ionisation tandem mass spectrometry: the Girard P derivative", RAPID COMMUNICATIONS IN MASS SPECTROMETRY, vol. 17, no. 9, 2003, pages 924 - 935, XP008130180
MUHAMMAD ATIF KHAN,ET AL.: "Analysis of Derivatised Steroids by Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionisation and Post-Source Decay Mass Spectrometry", STEROIDS, vol. 71, no. 1, January 2006 (2006-01-01), pages 42 - 53, XP025127869
KAZUO IMAEDA,ET AL.: "Rat Hihyo Shishitsu Seibun ni Taisuru Sei Hormone no Eikyo", FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA, vol. 90, no. 3, 1 September 1987 (1987-09-01), pages 147 - 153
See also references of EP 2189788A4
Attorney, Agent or Firm:
TAJIME & TAJIME (New-Well-Ikuta Bldg. 26-28, Mita 1-chome, Tama-k, Kawasaki-shi Kanagawa 34, JP)
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Claims:
 テープストリッピング法により採取された皮膚角質層からステロイドホルモンをLC-MSで定量分析する皮膚角質層中ステロイドホルモンの定量方法。
 ステロイドホルモンがエストロゲン、プロゲステロン及びテストステロンから選ばれるいずれか1種以上である請求項1記載の定量方法。
 テープストリッピング法により採取された皮膚角質層からエストロゲンを溶媒抽出し、抽出したエストロゲンに、ペンタハロゲン化ベンジル基又はペンタハロゲン化ベンゾイル基、及び1-低級アルキルピリジニウム基を導入後、LC-MS/MSでエストロゲンを定量分析する請求項1記載の定量方法。
 テープストリッピング法により採取された皮膚角質層からプロゲステロンを溶媒抽出し、抽出したプロゲステロンにイミノ基を導入後、LC-MS/MSでプロゲステロンを定量分析する請求項1記載の定量方法。
Description:
ステロイドホルモンの定量方法

 本発明は、皮膚角質層中に存在するステ イドホルモンの定量方法に関する。

 エストロゲンは、ステロイドホルモンに する性ホルモンの一種であり、卵胞ホルモ 又は女性ホルモンとも呼ばれている。エス ロゲンは、卵巣で産生され、全身に搬送さ て細胞質内のレセプターと結合し、その結 体が核内に移動し、極微量で強力な多岐に たる生理作用を示す。例えば、皮膚に関し は、(a)血流を促進させる、(b)ヒアルロン酸 のムコ多糖類を増加させ、肌の保湿力を向 させる、(c)エラスチンやコラーゲンを増加 せることにより、皮膚に弾力性を付与する 等の重要な作用を有する。

 そこで、生体内のエストロゲンの濃度を 握する試みがなされており、例えば、血清 唾液、尿、培養細胞、臓器から得られる生 由来試料からエストロゲンを溶媒抽出し、 れにペンタハロゲン化ベンジル化合物若し はペンタハロゲン化ベンゾイル化合物を反 させた後、さらに1-低級アルキル-2-ハロゲ 化ピリジンを反応させ、得られた反応混合 をLC-MSで測定する方法がある(特許文献1)。

 一方、角質層は、皮膚の最も外側にあっ 表皮を覆っており、細菌やウィルスの侵入 対するバリア機能、皮膚の水分や保湿成分 喪失するのを防ぐ水分維持機能、外界から 刺激を和らげる保護機能などを有している しかしながら、角質層は皮膚細胞が角化す 途中で細胞核を失った、所謂死んだ細胞で るため、角質層中のエストロゲン濃度は測 されることがなく、皮膚中のエストロゲン 度は、皮膚組織の採取あるいは採血により 定されている。

 また、ステロイドホルモンの性ホルモンに するプロゲステロンやテストステロンに関
しても同様に、これらの生体内における濃度 測定は、通常血清、唾液、尿等の採取からな
されており、これまでに角質層中から測定さ れた例はない。

特開2006-138786号公報

 これに対し、本発明は、皮膚性状に重要 働きを有するエストロゲンをはじめとする テロイドホルモンの皮膚中の濃度を、簡便 測定できるようにすることを目的とする。

 本発明者等は、細胞核内に入って種々の 理作用を示すエストロゲン等のステロイド ルモンが、意外にも、細胞核をもたない、 謂死んだ細胞である角質層に存在すること さらに、テープストリッピング法により角 層を採取し、そこに含まれるステロイドホ モン量を分析することにより、極めて簡便 、角質層中のステロイドホルモン量を計測 きることを見出した。

 即ち、本発明は、テープストリッピング により採取された皮膚角質層からステロイ ホルモンをLC-MSで定量分析する皮膚角質層 のステロイドホルモンの定量方法を提供す 。

 本発明によれば、皮膚角質層のテープス リッピングにより皮膚角質層を採取し、皮 角質層に含まれるエストロゲン等のステロ ドホルモン濃度を定量するので、被験者の 担が少ない。

 さらに、皮膚角質層は、皮膚の最外層に って皮膚内部の性状を顕著に反映すること ら、皮膚角質層中のステロイドホルモン濃 を知ることは、皮膚内部を含めた皮膚全体 性状の解析に有用となる。

 本発明は、テープストリッピング法によ 採取された皮膚角質層からエストロゲン等 ステロイドホルモンをLC-MSで定量分析する 法である。

 ここで、ステロイドホルモンはステロイ 骨格を有するホルモンをいい、特に、その 性ホルモンであるエストロゲン及びプロゲ テロン、男性ホルモンであるテストステロ の定量に好適である。なお、エストロゲン 、エストラジオール及びエストラジオール 導体をさす。

 また、テープストリッピングとは、表面 粘着剤層を有するテープを被験部位に貼付 、それを剥がして被験部位の表層をテープ 粘着面に付着させ、回収する方法である。

 本発明において、テープストリッピング を行うテープとしては、皮膚に密着後、剥 できるものであればよく、このようなテー としては、市販の粘着性テープを使用する とができる。より具体的には、その粘着剤 は、ゴム系、アクリル系、シリコン系等の 着剤とすることができ、また、粘着剤層を 持するテープ本体は、天然繊維若しくは合 繊維からなる紙若しくは布、又は、ポリエ テル、ポリイミド、ポリフェニレンサルフ イド、ポリプロピレン等からなるプラスチ クシート等とすることができる。中でも、 剤耐性及びバックグラウンド(テープより検 出されるステロイドホルモンの量)の点から リフェニレンサルファイド(PPS)が好ましい。

 一方、テープストリッピング法により採 する皮膚角質層の身体上の部位は、特に制 はなく、美容上肌性状が重要となる顔面、 、腕等とすることができる。

 テープストリッピング法に供した、皮膚 質層が付着しているテープは、裁断あるい そのままの状態で、エチルアルコール、ヘ サン、アセトン、酢酸エチル等の溶媒に浸 し、ステロイドホルモンを抽出し、抽出液 精製する。抽出液の精製方法としては、カ ム分離を行い、不純物をステロイドホルモ と分離除去することが好ましい。

 精製した抽出液中のステロイドホルモン は、後にLC-MSで定量する際の検出感度を向 させるため、適宜、置換基を導入し、ステ イドホルモンの誘導体とすることが好まし 。

 例えば、エストラジオールの検出感度を 上させるため、特開2006-138786号公報(特許文 1)に記載されているように、ペンタハロゲ 化ベンジル化合物若しくはペンタハロゲン ベンゾイル化合物をエストロゲンに反応さ てエストロゲンにペンタハロゲン化ベンジ 基又はペンタハロゲン化ベンゾイル基を導 すると共に、1-低級アルキル-2-ハロゲン化ピ リジンを反応させてエストロゲンに1-低級ア キルピリジニウムを導入する。

 この場合、エストラジオールのフェノー 性水酸基に選択的にペンタハロゲン化ベン ル化合物若しくはペンタハロゲン化ベンゾ ル化合物を反応させて、LC-MSでの検出感度 より高めるため、エストラジオールには、 ンタハロゲン化ベンジル化合物若しくはペ タハロゲン化ベンゾイル化合物を反応させ 後、1-低級アルキル-2-ハロゲン化ピリジンを 反応させることが好ましい。

 また、プロゲステロンの検出感度を向上 せるため、プロゲステロン3及び20位のカル ニルにケトン誘導化試薬のO-エチルヒドロ シルアンモニウムクロライド、ジラール試 Tまたはジラール試薬Pと反応させて、イミノ 誘導体とする。

 また、テストステロンの検出感度を向上 せるため、アシル化試薬でアシル誘導体と るが、ピコリノイール誘導体化を行うこと 好ましい。または2-フルオロ-1-メチルピリ ンでピリジニウム誘導体とする。

 このようにステロイドホルモンを適宜そ 誘導体とした後は、LC-MSによりステロイド ルモン誘導体を検出し、ステロイドホルモ を定量する。

 ここで、LC-MSとしては、LC-MS/MS、LC-ESI-MS/MS 、LC-APCI-MS/MS等を使用することができ、これ の測定自体は、一般的な方法によることが きる。

 また、こうして得られた皮膚角質層のス ロイドホルモン量から、皮膚内部のステロ ドホルモン量を推定することができる。し がって、本発明により測定されるステロイ ホルモン量は、皮膚性状とステロイドホル ン量との関係の研究、化粧料ないし美容方 がステロイドホルモン量に及ぼす影響の研 等に有用となる。

 以下、実施例に基づき、本発明を具体的に 明する。
実施例1
(1)皮膚角質層の採取
 テープストリッピング用テープとして、PPS ープ(ニチバン社)6cm×2.5cmのテープ5枚を4名 被験者(20代女性)A,B,C,Dの頬部に貼付後剥離し 、各被験者の皮膚角質層を採取した。

(2)試料の精製
 皮膚角質層を採取した各テープの中心1cm幅 タンパク定量用にはさみで裁断除去したも を、次のようにエタノール溶液に浸し、精 してエストラジオール定量用の試料とした

 即ち、中心1cm幅を裁断除去した各テープに エタノール25ml、及び精製操作での回収率を 判断するためのサロゲート物質としてエスト ラジオール- 13 C 4 (100pg)を添加し、50℃で3時間振とうした。抽 器でさらに10分激しく振とう後、エタノール を採取した。さらに、テープの容器に精製水 10mlおよびエタノール10mlを加え、抽出器でさ に10分激しく振とうし、エタノール水溶液 採取し、先に採取したエタノールと合わせ 。エタノールを40℃の遠心エバポレーターで 濃縮し、濃縮溶液をエタノールで4mlとした。 エタノール溶液に精製水0.5mlを添加、攪拌後 5~15℃で5時間以上(-20~-10℃では2時間程度)放 後、遠心分離した。上清にヘキサン3mlを添 、攪拌、遠心分離後、上清を捨てた。エタ ール層を遠心エバポレーターで留去した。 タノール250μlに溶解し、精製水1.25mlで希釈 、これを試料とした。

(3)エストラジオールの定量
(3-1)エストラジオール-3-ペンタフルオロベン ルエーテルの調製
 (2)で精製した試料を破砕状酸性シリカ(島津 GLC社、Bond ElutC18)に付加し、精製水2ml、30%ア トニトリル水溶液1.5mlで順次洗浄後、40%ア トニトリル水溶液2.5mlでエストラジオール- ストステロン分画を溶出し、70%アセトニト ル水溶液でプロゲステロンを溶出し、各溶 液を留去した。

 得られたエストラジオール-テストステロ ン分画に対し、HPLCでエストラジオールとテ トステロンを分離し、エストラジオール抽 物を得た。

 次に、このエストラジオール抽出物をア トニトリル50μlに溶解し、0.8%水酸化カリウ /エタノール溶液50μl、5%ペンタフルオロベ ジルブロミド/アセトニトリル溶液50μlをそ ぞれ添加後、54~57℃の反応恒温器に60分間放 し、エストラジオールとペンタフルオロベ ジルブロミドとを反応させた。

 この反応液の溶媒を窒素ガスで留去後、 製水0.75ml及びエーテル溶液4mlを加え、10分 振とうし、エストラジオールとペンタフル ロベンジルブロミドとの反応生成物をエー ルに抽出した。そして凍結法でエーテル溶 を分取し、窒素ガスでエーテルを留去する とにより、エストラジオール-3-ペンタフル ロベンジルエーテルの精製物を得た。

(3-2)エストラジオール-3-ペンタフルオロベン ルエーテル17-O-メチルピリジニウムの調製
 (3-1)で調製したエストラジオール-3-ペンタ ルオロベンジルエーテルを1時間減圧乾燥後 2%
2-フルオロ-1-メチルピリジニウムp-トルエン ルホナート/ジクロロメタン溶液200μl、10%ト エチルアミン/ジクロロメタン溶液30μlを加 て1.5時間室温で放置した。この反応液から 媒を窒素ガスで留去後、メタノール250μlに 解し、精製水1mlで希釈し、エストラジオー -3-ペンタフルオロベンジルエーテル17-O-メ ルピリジニウム溶液を得た。

(3-3)エストラジオール-3-ペンタフルオロベン ルエーテル17-O-メチルピリジニウムの定量
 (3-2)で調製したエストラジオール-3-ペンタ ルオロベンジルエーテル17-O-メチルピリジニ ウム溶液を破砕状酸性シリカ(島津GLC社、Bond
ElutC18)に付加し、精製水1ml、0.3%アンモニア水 溶液5ml、メタノール3ml、0.01%ギ酸水溶液/メタ ノール(1:1)3mlで順次洗浄後、アセトニトリル/ 10%ギ酸水溶液
(4:1)混液4mlでエストラジオール画分を溶出し 溶出液を遠心エバポレ-ターで留去した。さ らに、反応試料をアセトニトリル/0.05%ギ酸水 溶液(3 : 1)混液0.1mlに溶解し、LC-MS/MS測定試 とした。

 LC-MS/MS測定を次の条件で行った。
 1)LC部
  カラム:Xterra  3μm  2.1×100mm
  カラム温度:40℃
  移動相、流量:アセトニトリル/0.05%ギ酸水 液(3:1)混液、0.2ml/min
  注入量:20ml
 2)MS部
  MS:API-5000(アプライド バイオシステムズ)
  イオン化法:正イオン ESI
  キャピラリー電圧:3.5kv
  コーン電圧:35、40v
  コリジョンエネルギー:18ev
  イオン源温度:120℃
  測定イオン:544.4→339、110.1(Estradiol)、547.4 339(I.S.)

 このMS測定で検出されたm/z=544.4のピークに いてさらにMS測定を行うとm/z=339、110.1のピー クを得、これをSRM(selected
reaction monitoring)クロマトグラム測定すること により、エストラジオールを検出した。

 なお、このエストラジオールの定量には 内部標準物質に、重水素で標識したエスト ジオールを用いた検量線を使用した。

(4)プロゲステロンの定量
 (3-1)の70%アセトニトリルの溶出液を使用し (3-3)と同様にLC-MS/MSを用い、プロゲステロン 定量を行った。

(5)テストステロンの定量
 (3-1)でエストラジオール-テストステロン分 から分離したテストステロン溶液を使用し (3-3)と同様にLC-MS/MSを用い、テストステロン の定量を行った。

(6)角質層中のエストラジオール、プロゲステ ロン、テストステロン量の補正
(6-1)タンパク定量用サンプル調製法
 (2)で皮膚角質層を採取したテープから裁断 去した中心部の1cmをバッファー(0.1N
NaOH, 1% SDS)に浸け、70℃に設定したオーブン で2時間抽出し、タンパク定量用サンプルと した。

(6-2)タンパク定量
 タンパク定量はBCA protein assay kit(テクノケ ミカル社製PIERCE)を用いて次のように行った
 (i)Reagent AとReagent Bを50:1の割合で混合した
 (ii)96wellプレートに200μlずつ(i)を分注した。
 (iii)分注した溶液にタンパク標準液(2mg, 1.5m g, 1mg,
0.75mg, 0.5mg, 0.25mg, 0.125mg, 0.025mg, 0mg/ml BSA溶 液)またはサンプルをそれぞれ20μl添加し、37 にて30分間インキュベートした。
 (iv)プレートリーダー(BIO-RAD Model 550)にて575 nmの吸光度を測定し、タンパク濃度を定量し 。

(6-3)角質層中エストラジオール、プロゲステ ン、テストステロン量の補正
 (3)~(5)で得られたエストラジオール、プロゲ ステロン、テストステロン量を、採取サンプ ル中のタンパク量で補正し、角質層中のタン パク1mg当たりのステロイドホルモン量を算出 した。

 結果を表1に示す。

 参考例1(唾液中のステロイドホルモンの測 )
 唾液(1~2ml)に内部標準品のエストラジオール -13C4(100pg)を添加後、エーテル5mLで抽出した。 ついでペンタフルオロベンジルブロミドおよ び0.8%KOHエタノール溶液(50μl)を加え50~55℃で1 間加温した。反応液を精製水1mlで希釈し、 ーテル5mlで抽出した。調製したエストラジ ール-3-ペンタフルオロベンジルエーテルを1 時間減圧乾燥後、2%
2-フルオロ-1-メチルピリジニウムp-トルエン ルホナート/ジクロロメタン溶液200μl、10%ト エチルアミン/ジクロロメタン溶液30μlを加 て1.5時間室温で放置した。この反応液から 媒を窒素ガスで留去後、メタノール250μlに 解し、精製水1mlで希釈し、エストラジオー -3-ペンタフルオロベンジルエーテル17-O-メ ルピリジニウム溶液を得た。以下、角質中 ストラジオール定量と同様に精製した後、LC -MS/MSで測定した。

 表1から、ステロイドホルモン濃度は、角 質層中と唾液中では異なり、ステロイドホル モンが皮膚性状に及ぼす影響を解析するには 、角質層中の濃度を測定することが有益であ ることがわかる。

 実施例2
(1)皮膚角質層の採取とプロゲステロン定量用 試料の調製
 4名の男性被験者E、F、G、Hの頬部の皮膚角 層を、実施例1と同様にPPSテープに採取し、 施例1に準じてプロゲステロン定量用試料を 調製した。
 即ち、切断したテープをエタノール(27mL)へ えると同時に、サロゲート物質として 13 C 3 -プロゲステロン(100pg)を添加後、50℃で2時間 とうし、エタノール相を抽出し、エタノー を留去した。得られた抽出物をメタノール2 50μLに溶解後、精製水1mLで希釈し、予め洗浄 たBond Elut C18カートリッジカラムへ負荷し 。精製水(1mL)、30%アセトニトリル水溶液(4mL) で順次洗浄後、40%アセトニトリル水溶液(3mL) エストラジオールを溶出し、次いで70%アセ ニトリル水溶液(2mL)でプロゲステロンを溶 し、プロゲステロン溶出液の溶媒を留去し 。

 得られたプロゲスロンに2%エチルヒドロ シルアンモニウムクロライド(エトキシアミ 塩酸塩)-80%アセトトニトリル溶液(100μL)を添 加し、室温で18時間放置により反応させてプ ゲステロンをイミノ化したエトキシアミン 導体とした。反応溶液に精製水(1mL)を加え ヘキサン(3mL)で抽出後、溶媒を留去した。

 次に、プロゲステロンのエトキシアミン 導体を70%アセトニトリル水溶液(100μL)に溶 し、LC-MS/MSの試料とした。

(2)プロゲステロンの定量
 上述の(1)で調製したLC-MS/MSの試料について LC-MS/MS測定を次の条件で行った。
 1)LC条件
  カラム:YMC-Pack Pro C18 RS(5μm、150x2mm、YMC、 Kyoto)
  カラム温度:40℃
  移動相(溶媒):10mMギ酸アンモニュウム:メタ ノール(1:20)の混合溶液
      流量:0.2mL/min
2)MS/MS条件
  装置:Applied Biosystems API 4000
  イオンモード:ESI-MS ホジテブ-イオン
  測定イオン:プロゲステロン(m/z)、497.5/348
         13C 3 -プロゲステロン(m/z)、500.4/351.2

 ここで、プロゲステロンの定量には、重 素で標識したプロゲステロン(溶媒:精製水) 内部標準物質とし、その検量線を使用した

 結果を表2に示す。なお、表中の数値は、 PPSテープ5枚で採取されたプロゲステロン量 示している。

 なお、ブランク試験は2回の平均で0.58pgであ り、皮膚に貼付させなかったPPSテープ5枚分 試料とした試験(ゼロ試験)は、5回の平均で1. 76pgであった。
 表2の結果から、皮膚角質層中のプロゲステ ロンを定量できることがわかる。

 本発明のステロイドホルモンの定量方法 、皮膚性状と皮膚に含まれるエストロゲン の他のホルモン量との関係の研究、それに づく化粧料ないし美容方法の研究開発等に 用である。