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Title:
METHOD OF QUICKLY MEASURING FACTOR CAUSING EARLY FLOCCULATION OF YEAST AND A MEASUREMENT APPARATUS THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084407
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of quickly measuring a factor causing early flocculation of yeast in a brewing material characterized by comprising: (1) mixing yeast cells in the late logarithmic growth phase or thereafter with a water-extracted high molecular fraction prepared from a test material sample in a buffer and suspending the obtained mixture therein; and (2) irradiating the suspension obtained in the step (1) with visible light, photographing the scattered light with a camera device, image-analyzing the image data thus obtained and thus determining the degree of whiteness of the suspension to thereby determine the degree of sedimentation of the yeast cells in the suspension. According to this method, the factor causing early flocculation of yeast contained in the brewing material can be highly accurately, quickly and conveniently measured. Moreover, quick measurement can be carried out even in the case of using a number of specimens.

Inventors:
TADA SETSUZO (JP)
NAKAHOSHI ASUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072684
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KIRIN BREWERY (JP)
TADA SETSUZO (JP)
NAKAHOSHI ASUMI (JP)
International Classes:
C12Q1/02; A23L11/20; C12C1/00; C12M1/34; G01N21/27
Domestic Patent References:
WO2005073394A12005-08-11
WO2005073394A12005-08-11
Foreign References:
JP2006238871A2006-09-14
JP2004301629A2004-10-28
JP2004061346A2004-02-26
JPH10179190A1998-07-07
Other References:
APPL. MICROBIOL. BIOTECHNO, vol. 123, 2003, pages 197 - 205
PROC. CONGR. EUR. BREW. CONV., vol. 26, 1997, pages 53 - 60
J. AM. SOC. BREW. CHEM., vol. 47, 1989, pages 29 - 34
J. INST. BREW., vol. 97, 1991, pages 359 - 366
T. NAKAMURA ET AL., PROC. CONGR. EUR. BREW. CONV., vol. 26, 1997, pages 53 - 60
M. LIBIKI ET AL., J. AM. SOC. BREW. CHEM., vol. 64, no. 2, 2006, pages 79 - 85
Attorney, Agent or Firm:
YOSHITAKE, Kenji et al. (Room 323 Fuji Bldg.,2-3, Marunouchi 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 05, JP)
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Claims:
 醸造原料中に含まれる酵母早期凝集因子の迅速測定方法であって、
 (1) 対数増殖後期またはそれ以降の酵母と、被検原料サンプルから調製された水抽出高分子画分とを、バッファー液中で混合して懸濁させ、
 (2) 工程(1)で得られた懸濁液に対して可視光を照射して散乱された光を、カメラ装置で撮影し、得られた画像データを画像解析して、懸濁液の白色度を求めることによって、懸濁液における酵母の沈降度合いを測定する
ことを特徴とする、測定方法。
 工程(2)において、散乱された光をデジタルカメラ装置で撮影し、得られた画像データを画像解析して、数値化された懸濁液の白色度を得る、請求項1に記載の方法。
 懸濁液の白色度を、消光時の白色度を0とし、かつ、混合・懸濁直後の酵母が均一分散している懸濁液の白色度を100として、数値化する、請求項1または2に記載の方法。
 工程(2)において、懸濁液への可視光の照射を、懸濁液の真下に置かれた光源から行い、かつ、懸濁液において散乱された光を、懸濁液に対し水平方向に設置されたカメラ装置から撮影する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
 工程(1)において、複数の検体を同時に振盪することができる多検体振盪装置を用いて、複数の検体を同時に混合し懸濁させ、複数の懸濁液を得る、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
 複数の懸濁液における酵母の沈降度合いを、同時に測定する、請求項5に記載の方法。
 工程(1)において使用する酵母が、酵母を培養し、対数増殖後期もしくはそれ以降の酵母を回収したものであるか、または、該回収した酵母を更に凍結保存したものである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
 工程(1)において使用する高分子画分が、被検原料サンプルの水抽出液をエタノール沈殿することによって調製した高分子画分であるか、または、被検原料サンプルの水抽出液を透析、限外濾過、もしくはゲル濾過により分離した高分子画分である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
 工程(1)において使用する高分子画分が、被検原料サンプルの糖化液から調製された高分子画分である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
 工程(1)において使用する水抽出高分子画分の調製に際して、抽出中に被検原料サンプルを酵素処理する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
 工程(1)のバッファー液として、酢酸バッファー-CaCl 2 を用いる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
 工程(1)のバッファー液として、酢酸バッファー-CaCl 2 に、グルコース、マルトース、マンノースおよびそれらの混合物からなる群より選択される糖類成分を加えたものを使用する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
 被検原料サンプルが、大麦、麦芽、または製麦途中の大麦である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
 被検原料サンプルの水抽出高分子画分が、麦芽粉砕物を30秒間以上、水で抽出した抽出液の高分子画分であるか、または、大麦粉砕物もしくは製麦途中の大麦粉砕物を15分間以上水で抽出した抽出液の高分子画分である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
 請求項1~14のいずれか一項に記載の方法を用いることを特徴とする、醸造用原料の酵母早期凝集性の迅速判定法。
 請求項1~14のいずれか一項に記載の方法を用いて、麦芽原料、製造途中の麦芽、または製造麦芽の早期凝集性を判定することにより、麦芽製造工程を管理することを特徴とする、麦芽の製造方法。
 請求項1~14のいずれか一項に記載の方法を用いて、醸造原料の早期凝集性を判定することにより、用いる醸造原料の選択および調整を行うことを特徴とする、発酵アルコール飲料の製造方法。
 懸濁液中の菌体の沈降を連続的に定量測定するための測定装置であって、
 検体としての懸濁液を入れるための複数のキュベットもしくはバイアルを、所定の位置で水平方向に一列に保持し、かつ、必要に応じて、該キュベットもしくはバイアルを振盪してその中の懸濁液を懸濁させる、検体振盪手段と、
 一列に配置された該キュベットもしくはバイアルを撮影する、カメラ装置と、
 該カメラ装置で撮影された画像データを画像解析して、懸濁液の白色度の数値データを得る、データ処理手段と
から構成されてなる、測定装置。
 検体振盪手段が、キュベットもしくはバイアルの真下に可視光の光源を有してなる、請求項18に記載の測定装置。
 検体振盪手段において、キュベットもしくはバイアルを所定の時間振盪させた後、所定の時間静置させ、カメラ装置による撮影が行われるように、検体振盪手段とカメラ装置とを制御する制御手段をさらに含んでなる、請求項18または19に記載の測定装置。
 カメラ装置が、デジタルビデオカメラである、請求項18~20のいずれか一項に記載の測定装置。
 醸造原料中に含まれる酵母早期凝集因子の迅速測定に用いられる、請求項18~21のいずれか一項に記載の測定装置。
 請求項1~14のいずれか一項に記載の方法を実施する、請求項18~22のいずれか一項に記載の測定装置。
Description:
酵母早期凝集因子の迅速測定方 およびその測定装置 関連出願の参照

 本願は、先行する日本国特許出願である 願2007-335976号(出願日:2007年12月27日)に基づく ものであって、その優先権の利益を主張する ものであり、その開示内容全体は参照するこ とによりここに組み込まれる。

発明の背景

発明の分野
 本発明は、ビール、発泡酒、およびウィス ーなどの発酵麦芽飲料等の製造に用いられ 醸造原料中に含まれる酵母早期凝集因子の 速な測定方法、および、該測定方法を用い 醸造原料の酵母早期凝集性の迅速判定法に する。本発明はまた、懸濁液中の菌体の沈 を連続的に定量測定するための測定装置に する。

背景技術
 ビール、発泡酒、およびウィスキーなどの 酵麦芽飲料等の醸造においては、酵母によ 主発酵の終了時に、酵母が適度に凝集沈降 る。この凝集沈降により酵母の回収が可能 なる。ところが、主発酵の終了時に、酵母 適度に凝集沈降しないと、酵母の回収量が 足してしまう一方で、逆に凝集沈降しすぎ と発酵が進まず問題となる。この酵母の凝 は、発酵の終期になりエキスが少なくなる 酵母がお互いに塊となって起こるが、この 集により酵母は培養液より底に沈降する。 の酵母自体の凝集には酵母細胞表層のレク ン様タンパク質と酵母マンナンのマンノー 糖鎖の結合の関与等が報告されている(Appl. Microbiol. Biotechno l23: 197-205, 2003)。

 このように発酵麦芽飲料等の醸造におい 、正常な発酵工程においては、酵母の凝集 降は酵母による主発酵の終了時に、発酵液 エキスが少なくなった時点に適度に起こる 、この酵母の凝集沈降について「早期酵母 集現象」(以下、「早凝現象」と言うことが ある)と呼ばれる現象が観察されることが報 されている。

 「早期酵母凝集現象」とは、酵母による 酵工程、特に発酵後期に、酵母の資化可能 糖分がまだ発酵液中に残っているにもかか らず、酵母が凝集して沈降してしまう現象 ことをいい、この早期凝集現象により、酵 が凝集・沈降してしまうと発酵の進行が停 してしまう(Proc. Congr. Eur. Brew. Conv.26:53-60,  1997)。したがって、この現象が見られると 発酵が不十分となり、製造された製品が規 外のものとなり、発酵麦芽飲料等の醸造に いて、大きな損害を蒙ることにもなる。

 この早期凝集現象は、原料麦に由来し、 芽中に含まれる高分子酸性多糖類によって き起こされると考えられている(J. Am. Soc.  Brew. Chem. 47:29-34, 1989)。そして、早期凝集現 象を引き起こす因子は、製麦工程において生 成される場合と、原料麦中にもともと存在し ている場合があることが解っている(J. Inst.  Brew., 97, 359-366, 1991;特開平10-179190号公報)。 来より、大麦を原料とする発酵麦芽飲料等 醸造においては、発酵工程における早期凝 現象を避けるために、麦芽、大麦の早期凝 性の有無を確認して、早期凝集現象を引き こさない大麦麦芽を選別し、用いることが まれる。

 麦芽、大麦等の早期凝集性の有無を確認 るためには、従来の方法としては、発酵試 による方法が採用されてきた。このような 法としては、例えば、T. Nakamuraらが開発し KY管発酵試験法(Proc. Congr. Eur. Brew. Conv.26:5 3-60, 1997や、M. Jibikiらが開発したUniversal ferm entation test(J. Am. Soc. Brew. Chem. 64(2):79 -85,  2006)などがある。しかしながら、これらの方 はいずれも、発酵試験は実際の醸造のスケ ル(発酵試験のスケール)を小規模にした試 であり、麦汁を発酵させる必要がある。さ にこれら方法では、通常、麦汁の調製に1日 発酵の進行状況から麦芽、大麦中の早期凝 因子の有無を確認するのに8日間程度必要と する。更に、製麦前の麦類の場合は、製麦お よび麦汁の調製に7日程度必要とすることか 、早期凝集因子の有無の確認のために長期 が必要とされた。

 この早期凝集性の有無を確認するための 酵試験の期間を短縮するために、被検原料 に酵素を添加して原料麦を酵素処理し、得 れた酵素処理物または酵素処理物から分離 れた高分子画分を合成麦汁に添加して発酵 験原料とし、48時間後の発酵試験原料の濁 を測定することにより原料麦中の早期凝集 因子の有無を判定する方法が開発された(特 平10-179190号公報)。この方法により、早期凝 集因子の有無の確認のための期間が大幅に短 縮されたが、しかしながら、この方法も発酵 試験による方法であり、依然として、48時間 の発酵試験の時間が必要であった。

 国際公開WO2005/073394A1には、キュベット法 呼ばれる方法が開示されており、この方法 、麦芽から抽出した早凝因子と対数増殖後 の酵母をキュベット中で混合し、酵母の凝 ・沈降を特定の波長での吸光度により測定 る方法であり、発酵試験を必要としないも である。しかしながら、この方法は、手分 によるものであるため、多検体の処理には いておらず、また、分析を行う者の違いに る処理の正確性や測定誤差の問題を生じる 地があった。

 このため、発酵麦芽飲料等の醸造に際し 、醸造原料の早期凝集因子の有無を、より 便に、かつ短時間に測定でき、さらに、多 体の分析を迅速かつ効率的に測定できる方 の開発が依然として望まれていた。

発明の概要

 本発明者等は今般、対数増殖後期または れ以降の酵母と、麦や麦芽等の被検原料サ プルの水抽出高分子画分とを、バッファー 中で混合して懸濁させ、得られた懸濁液中 懸濁した酵母の沈降度合いを測定する場合 、懸濁液に可視光を照射して散乱された光 、デジタルビデオカメラで撮影し、得られ 画像データを画像解析して、白色度として 値化することによって、製造原料中に含ま る酵母早期凝集因子を極めて短時間に測定 き、さらに多検体を同時に測定することが きた。また、混合・懸濁処理について、多 体を同時に行うことも併せて実施すること 、全体の測定処理を、大幅に効率化でき、 の結果、多検体の測定を人手を極力かけず 自動化することにも成功した。さらに、こ ような検討に基づき、懸濁液中の菌体の沈 を連続的に定量測定するための測定装置の 発にも成功した。本発明はこれらの知見に づくものである。

 よって本発明は、醸造原料中に含まれる 母早期凝集因子を、高精度で、迅速かつ簡 に測定でき、さらに多検体を迅速に測定で る方法の提供をその目的とする。

 本発明による測定方法は、醸造原料中に含 れる酵母早期凝集因子の迅速測定方法であ て、
 (1) 対数増殖後期またはそれ以降の酵母と 被検原料サンプルから調製された水抽出高 子画分とを、バッファー液中で混合して懸 させ、
 (2) 工程(1)で得られた懸濁液に対して可視 を照射して散乱された光を、カメラ装置で 影し、得られた画像データを画像解析して 懸濁液の白色度を求めることによって、懸 液における酵母の沈降度合いを測定する
ことを特徴とするものである。

 本発明による測定方法は、好ましくは、工 (2)において、散乱された光をデジタルカメ 装置で撮影し、得られた画像データを画像 析して、数値化された懸濁液の白色度を得 ことを含んでなる。
 本発明の別の好ましい態様によれば、本発 の方法は、懸濁液の白色度を、消光時の白 度を0とし、かつ、混合・懸濁直後の酵母が 均一分散している懸濁液の白色度を100として 、数値化することを含んでなる。

 本発明の別の一つの好ましい態様によれ 、工程(2)において、懸濁液への可視光の照 を、懸濁液の真下に置かれた光源から行い かつ、懸濁液において散乱された光を、懸 液に対し水平方向に設置されたカメラ装置 ら撮影する。

 本発明の別の一つの好ましい態様によれ 、工程(1)において、複数の検体を同時に振 することができる多検体振盪装置を用いて 複数の検体を同時に混合し懸濁させ、複数 懸濁液を得る。このとき、より好ましくは 複数の懸濁液における酵母の沈降度合いを 同時に測定する。

 本発明のさらに別の一つの好ましい態様 よれば、工程(1)において使用する酵母が、 母を培養し、対数増殖後期もしくはそれ以 の酵母を回収したものであるか、または、 回収した酵母を更に凍結保存したものであ 。このときより好ましくは、回収した酵母 EDTAで洗浄されたものである。

 本発明のさらに別の一つの好ましい態様に れば、工程(1)において使用する高分子画分 、被検原料サンプルの水抽出液をエタノー 沈殿することによって調製した高分子画分 あるか、または、被検原料サンプルの水抽 液を透析、限外濾過、もしくはゲル濾過に り分離した高分子画分である。
 本発明の他の一つの好ましい態様によれば 工程(1)において使用する高分子画分が、被 原料サンプルの糖化液から調製された高分 画分である。
 本発明の別の一つの好ましい態様によれば 工程(1)において使用する水抽出高分子画分 調製に際して、抽出中に被検原料サンプル 酵素処理する。

 本発明のさらに別の一つの好ましい態様に れば、工程(1)のバッファー液として、酢酸 ッファー-CaCl 2 を用いる。

 本発明のさらに別の一つの好ましい態様に れば、工程(1)のバッファー液として、酢酸 ッファー-CaCl 2 に、グルコース、マルトース、マンノースお よびそれらの混合物からなる群より選択され る糖類成分を加えたものを用いる。

 本発明の一つの好ましい態様によれば、被 原料サンプルが、大麦、麦芽、または製麦 中の大麦である。
 本発明の別の一つの好ましい態様によれば 被検原料サンプルの水抽出高分子画分が、 芽粉砕物を30秒間以上、水で抽出した抽出 の高分子画分であるか、または、大麦粉砕 もしくは製麦途中の大麦粉砕物を15分間以上 水で抽出した抽出液の高分子画分である。

 本発明による醸造用原料の酵母早期凝集 の迅速判定法は、本発明による酵母早期凝 因子の迅速測定方法を用いることを特徴と る。この判定法は、典型的には、本発明に る酵母早期凝集因子の迅速測定方法を用い 、その結果から、醸造用原料が酵母早期凝 性であるか否かを判定する工程を含んでな 。

 本発明による麦芽の製造方法は、本発明 よる酵母早期凝集因子の迅速測定方法を用 て、麦芽原料、製造途中の麦芽、または製 麦芽の早期凝集性を判定することにより、 芽製造工程を管理することを特徴とする。

 本発明による発酵アルコール飲料の製造 法は、本発明による酵母早期凝集因子の迅 測定方法を用いて、醸造原料の早期凝集性 判定することにより、用いる醸造原料の選 および調整を行うことを特徴とする。

 さらに、本発明によれば、懸濁液中の菌体 沈降を連続的に定量測定するための測定装 であって、
 検体としての懸濁液を入れるための複数の ュベットもしくはバイアルを、所定の位置 水平方向に一列に保持し、かつ、必要に応 て、該キュベットもしくはバイアルを振盪 てその中の懸濁液を懸濁させる、検体振盪 段と、
 一列に配置された該キュベットもしくはバ アルを撮影する、カメラ装置と、
 該カメラ装置で撮影された画像データを画 解析して、懸濁液の白色度の数値データを る、データ処理手段と
から構成されてなる、測定装置が提供される 。

 本発明の好ましい態様によれば、前記検 振盪手段は、キュベットもしくはバイアル 真下に可視光の光源を有してなる。

 本発明の別の一つの好ましい態様によれ 、該測定装置は、検体振盪手段において、 ュベットもしくはバイアルを所定の時間振 させた後、所定の時間静置させ、カメラ装 による撮影が行われるように、検体振盪手 とカメラ装置とを制御する制御手段をさら 含んでなる。

 本発明の別の一つのより好ましい態様に れば、該測定装置において、カメラ装置は デジタルビデオカメラである。

 本発明の好ましい態様によれば、前記測 装置は、醸造原料中に含まれる酵母早期凝 因子の迅速測定に用いられる。

 本発明のより好ましい態様によれば、前 測定装置は、本発明による酵母早期凝集因 の迅速測定方法を実施するものである。

 本発明の酵母早期凝集因子の迅速測定方 によれば、発酵麦芽飲料等の醸造に際して 醸造に用いる原料の早期凝集因子の有無を 従来法のような発酵法によらず、簡便な手 で、迅速かつ正確に測定することが可能で り、また、従来の吸光度を使用するキュベ ト法に比べて、多検体を同時にかつ正確に 効率よく測定することが可能となる。キュ ット法では、酵母と水抽出高分子画分との 合方法に関しては明確な規定がなく、分析 行う者によって異なる方法で混合される可 性があるため、処理の正確性や測定誤差の 題を生じる余地があったが、本発明による 法では、処理が簡便で、多検体を同時に測 可能なため、このような懸念には配慮しな て良いと言える。さらにこの方法によれば 多検体の測定を人手を極力かけずに、処理 自動化することも可能である。このため、 発明による方法は、発酵麦芽飲料等の醸造 際して用いる、醸造原料の早期凝集性の実 的な測定・判定方法として極めて有用なも である。特に多検体を迅速かつ効率的に、 確に測定できることは、工業規模での生産 の応用に大きく期待される。本発明による 定装置についても同様である。

 また、本発明の迅速測定方法は、麦芽、 たは製麦前の大麦はもとより、収穫直後の 麦、または製麦途中の大麦、または、醸造 用いられるその他の穀類やエキス等におけ 早期凝集因子の測定に適用することができ 簡便、迅速、かつ確実な方法として、広く れらの醸造原料における早期凝集因子の有 の判定に用いることが可能なものである。 に、本発明の測定方法は、少量のサンプル 測定が可能であることから、発酵麦芽飲料 の醸造に際して、簡便に用いることができ と共に、精度の良い実用的な測定・判定方 として提供されるものである。また、本発 の早期凝集因子の測定方法は、各々の原料 とに早期凝集因子の測定を正確に把握する とができるものであるから、各々の原料ご の早期凝集性の判定が可能である。さらに 極少量の早期凝集因子の活性も測定するこ が可能であることから、それぞれの醸造原 における分割された画分ごとの早期凝集因 の測定も可能であり、その早期凝集因子の 製や特定に効果的に利用することができる

図は、カメラ装置と、キュベットもし はバイアル、光源との位置関係を示した概 図である。 図は、本発明による装置の概念図であ 。 図は、実施例1におけるモニタリング開 始10分後の画像を示す。 図は、実施例2における測定結果を示す 。 図は、バイアルを5段階に分けて測定す る場合の分け方の概念図である。 図は、実施例3における測定結果を示す 。

発明の具体的説明

酵母早期凝集因子の迅速測定方法
 本発明による測定方法は、前記したように 醸造原料中に含まれる酵母早期凝集因子の 速測定方法であって、
 (1) 対数増殖後期またはそれ以降の酵母と 被検原料サンプルから調製された水抽出高 子画分とを、バッファー液中で混合して懸 させ、
 (2) 工程(1)で得られた懸濁液に対して可視 を照射して散乱された光を、カメラ装置で 影し、得られた画像データを画像解析して 懸濁液の白色度を求めることによって、懸 液における酵母の沈降度合いを測定する
ことを特徴とする。

 本発明において、醸造原料は、ビール、 泡酒、およびウィスキーなどの発酵麦芽飲 等の製造に用いられるものであって、例え 、麦芽、または製麦前の大麦はもとより、 穫直後の大麦、または製麦途中の大麦、ま は、醸造に用いられるその他の穀類やエキ 等が挙げられる。被検原料サンプルとして 同様のものが挙げられ、好ましくは、被検 料サンプルは、大麦、麦芽、または製麦途 の大麦である。

  工程(1):
 本発明の測定方法における工程(1)において 、対数増殖後期またはそれ以降の酵母と、 検原料サンプルから調製された水抽出高分 画分とを、バッファー液中で混合して懸濁 せる。
 本発明においては、国際公開WO2005/073394A1に 載のキュベット法と同様に、酵母早期凝集 子の測定に、「対数増殖後期またはそれ以 の酵母」を使用する。「対数増殖後期また それ以降の酵母」を使用するのは、この時 に酵母が適度な凝集能を獲得し始めるため ある。

 ここで、「対数増殖後期またはそれ以降の 母」は、例えば、下記のようにして調製す ことができる。
 醸造に用いられる酵母を、通常用いられる 母用培地で培養して、酵母の増殖曲線を作 し、対数増殖後期もしくはそれ以降の段階 達した酵母(通常、8℃の培養温度で、培養 始から4~5日目のもの)を、遠心分離等により 離、回収する。回収した酵母は、例えば、0 .1M EDTAのようなキレート化合物溶液で洗浄し ておくのが望ましい。
回収した酵母は、そのまま使用しても良いが 、例えば、15%グリセロール溶液により、-80℃ で凍結保存するなどして、予め培養、回収し た酵母を凍結保存しておいても良い。このよ うにして凍結保存した酵母は、本発明の測定 方法において使用するに際して、解凍等して 調製しておくことができる。

 本発明の測定方法において使用される、「 検原料サンプルから調製された水抽出高分 画分」は、例えば、下記のようにして調製 ることができる。
 まず、大麦や麦芽等の被検原料サンプルを 要により粉砕処理し、水抽出、または通常 糖化を行う。被検原料サンプルの水抽出を うに際しては、特開平10-179190号公報に記載 れた方法に従い、被検原料サンプルをα-ア ラーゼ、β-アミラーゼ、β-グルカナーゼ、 ロテアーゼ等の添加によって酵素処理を行 ことができる。被検原料サンプルの水抽出 分子画分を調製するに際して水抽出液から 高分子画分を分離するには、エタノール沈 法、例えば、水抽出液に終濃度50%にエタノ ルを添加し、沈殿を遠心分離により回収す 方法、または、透析、限外濾過、もしくは ル濾過等により、分画、回収する方法等に って、分離、回収することができる。

 本発明の測定方法の工程(1)においては、前 酵母と、前記水抽出高分子画分とを、バッ ァー液中で混合して懸濁させる。ここで使 するバッファー液としては、酢酸バッファ -CaCl 2 を用いるのが望ましい。より好ましくはバッ ファー液は、例えば、50mM酢酸バッファー(pH4~ 4.5)-0.1%CaCl 2 のような液である。

 ここで、例えば、増殖の定常期後期に回収 たものや、工場等で回収した酵母などのよ に酵母自体が強い凝集性を有している場合 ある。使用する酵母が、このような凝集性 強い酵母であると、正常麦芽(非早凝性の麦 芽)を用いて測定する場合であっても沈んで まい、その結果、原料の非早凝性を正確に 定できなくなる虞がある。このため、酵母 体が強い凝集性を有している場合の酵母に づく凝集を抑える一方で、早凝因子に基づ 凝集にはほとんど影響を与えないようにし 、凝集性が強い酵母による測定ノイズを排 することが望ましい。そこで、本発明者等 今般さらに、酢酸バッファー-CaCl 2 に、糖類成分(例えば、単糖類、二糖類、ま はそれらの混合物)を加えたものをバッファ 液として用いることによって、この望まし ない酵母に基づく凝集ノイズを適切に抑え ことに成功した(実施例4)。これは、糖類成 が、酵母と早凝因子との結合を阻害する効 があると考えられる。

 よって、本発明の別の一つの好ましい態様 よれば、このバッファー液として、酢酸バ ファー-CaCl 2 に、糖類成分(例えば、単糖類、二糖類、ま はそれらの混合物)を加えたものを用いる。 のような加える糖類成分としては、好まし は、グルコース、マルトース、マンノース よびそれらの混合物からなる群より選択さ るものである。

 加える糖類成分がマルトースである場合 バッファー中のマルトース濃度は、0.5~1.5重 量%であることが好ましく、より好ましくは0. 8~1.2重量%であり、特に好ましくは約1重量%で る。糖類成分による酵母と早凝因子との結 の阻害効果の強さは糖類によって異なるこ が判明している。上記で挙げた糖類の場合 阻害効果の強い順に、マンノース>グルコ ース>マルトースであることが判明してい 。このため、マルトースより強い、マンノ スやグルコースを使用する場合には、使用 度を、上述のマルトースの場合の濃度より 低い濃度に設定することが可能である。

 本発明の特に好ましい態様によれば、使用 るバッファー液は、50mM酢酸バッファー(pH4~4 .5)-0.1%CaCl 2 -1%マルトースのような液である。

 また上記したように、本発明において、 のようにバッファー液に糖類成分を加える するのは、使用する酵母が凝集性の強い場 であるのが好ましい。使用する酵母が凝集 の強いものであるかは、正常麦芽であって 沈降するか否かにより容易に確認すること できる。

 また混合および懸濁の処理は、検体とし の懸濁液(前記酵母と、前記水抽出高分子画 分との混合物)を入れたキュベットもしくは イアルなどの容器を、攪拌、振盪などの慣 の方法を実施することによって行われる。 発明においては、好ましくは、複数の検体 同時に振盪することができる多検体振盪装 を用いて、複数の検体を同時に混合し懸濁 せ、複数の懸濁液を得る。これは、多検体 同時に測定するために有用である。ここで 多検体振盪装置は、後述するように、検体 しての懸濁液を入れるための複数のキュベ トもしくはバイアルを、所定の位置で水平 向に一列に保持でき、かつ、必要に応じて 該キュベットもしくはバイアルを振盪して の中の懸濁液を懸濁させることができるも が好ましい。

  工程(2):
 本発明の測定方法における工程(2)において 、工程(1)で得られた懸濁液に対して可視光 照射して散乱された光を、カメラ装置で撮 し、得られた画像データを画像解析して、 濁液の白色度を求めることによって、懸濁 における酵母の沈降度合いを測定する。
 従来のキュベット法では、懸濁液を分光光 計を用いてその光学密度を測定することに って、懸濁液における酵母の沈降度合いを 定したが、本発明によれば、懸濁液に対し 可視光を照射して散乱された光を、カメラ 置で撮影し、得られた画像データを画像解 することによる。このため、従来法のよう 一検体づつ手分析によって順番に測定する ではなく、多検体を並べて、同時にカメラ 置で撮影し画像データを得ることができる この画像データを画像解析することによっ 、本発明によれば、多検体を短時間で同時 測定することができる。
 さらに本発明によれば、撮影および画像解 を連続的に行うことが可能であるので、本 明による測定方法を、連続的に行うことが き、例えば、経時的変化を測定することも 能である。

 ここで懸濁液に可視光を照射するための 源は、後述するカメラ装置で撮影でき、か それによって撮影された画像データを画像 析して白色度を数値化することができるの あれば、いずれのタイプの光源でも良い。 えば、光源としては、市販の白色LED光源を 用することができる。光源の光度も同様、 発明の測定が可能である限り限定されない 、10000~30000mcd程度、例えば18000mcd程度の光度 の光を検体に照射できるものである。

 使用されるカメラ装置としては、撮影さ た画像データを画像処理装置に出力できる のであれば特に制限はない。このため通常 該カメラ装置は、デジタルカメラが望まし 、好ましくはデジタルビデオカメラである デジタルカメラの画素数としては、得られ 画像データに基づいて画像解析して白色度 求めることができれば特に制限されないが 例えば、130万画素、またはそれ以上の画素 を有するものが好ましい。

 よって、本発明による好ましい態様によ ば、工程(2)において、散乱された光をデジ ルカメラ装置で撮影し、得られた画像デー を画像解析して、数値化された懸濁液の白 度を得る。

 ここで、数値化された白色度とは、例え 、得られた画像データを画像解析して、測 すべき領域の白と黒の比率を白色度として ることができる。このとき、好ましくは、 濁液の白色度を、消光時の白色度を0とし、 かつ、混合・懸濁直後の酵母が均一分散して いる懸濁液の白色度を100とし、相対値として 数値化する。この場合、白色度が高いほど数 値も、0~100の間で大きくなる。

 また画像データの画像解析はパーソナル ンピュータと、画像中の白と黒のエリアを 値化可能な市販のソフトウエアとを組み合 せることによって行うことができる。

 本発明の好ましい態様によれば、懸濁液 の可視光の照射を、懸濁液の真下に置かれ 光源から行う。またこのとき、懸濁液にお て散乱された光は、通常、懸濁液に対し水 方向に設置されたカメラ装置から撮影する このようにすることによって、懸濁酵母に る散乱光を正確に捉えることができ、また これによって、分析を行う者の違いによる 理の正確性や測定誤差の問題も大幅に低減 ることができる。

 本発明の一つの好ましい態様によれば、工 (1)における混合および懸濁の後、必要によ 所定の時間、静置した後に、再度懸濁して ら懸濁液における酵母の沈降度合いを測定 る。ここで静置する時間は、混合された懸 液中の酵母が早凝性因子と反応し凝集塊を 成することができるのであれば、特に制限 なく、いずれの時間であってもよい。
また、静置後の懸濁の時間は、懸濁液中の酵 母凝集塊が均一に分散された状態とすること ができるのであれば、特に制限はなく、いず れの時間であってもよい。このように、一定 の静置時間と懸濁時間を設けることで、酵母 の沈降度合いが明確になり、バラツキの少な い正確で再現性の高い測定が可能となる。

 本発明の測定方法では、前記したように 懸濁液の白色度を求めることによって、懸 液における酵母の沈降度合いを測定する。 なわち、酵母の沈降度合いが大きいほど、 濁液を側面から観察すると、黒く見えるよ になり、白色度の値も小さくなる。一方、 降度合いが低く、酵母の沈降が少ないほど 懸濁液は白く見え、白色度の値も大きくな 。このようにして、白色度の値から、酵母 沈降度合いを測定することができる。

 本発明のより好ましい態様によれば、複 の懸濁液における酵母の沈降度合いを、同 に測定する。このとき、より好ましくは、 程(1)の混合・懸濁処理を、多検体同時に行 ようにする。このように工程(1)および工程( 2)を共に多検体同時に実施可能とすることに って、本発明の測定方法を人手によらず、 動化することが可能となる。

測定装置
 本発明によれば、前記したように、懸濁液 の菌体の沈降を連続的に定量測定するため 測定装置であって、
 検体としての懸濁液を入れるための複数の ュベットもしくはバイアルを、所定の位置 水平方向に一列に保持し、かつ、必要に応 て、該キュベットもしくはバイアルを振盪 てその中の懸濁液を懸濁させる、検体振盪 段と、
 一列に配置された該キュベットもしくはバ アルを撮影する、カメラ装置と、
 該カメラ装置で撮影された画像データを画 解析して、懸濁液の白色度の数値データを る、データ処理手段と
から構成されてなる、測定装置が提供される 。

 図1には、カメラ装置と、キュベットもし くはバイアル、光源との位置関係を示した概 念図を示した。また図2には、本発明による 置の概念図を示した。

 ここで、菌体としては、例えば、酵母、 ビが挙げられ、好ましくは、酵母である。 お本発明の測定法は、凝集して沈降しうる 物全般に適用することも可能である。

 前記検体振盪手段は、検体としての懸濁 を入れるための複数のキュベットもしくは イアルを、所定の位置で水平方向に一列に 持してなり、かつ、必要に応じて、該キュ ットもしくはバイアルを振盪してその中の 濁液を懸濁させることができるものである

 ここで、複数の(例えば、11~12本の)キュベ ットもしくはバイアルが、所定の位置で水平 方向に一列に保持されているとは、カメラ装 置により、複数のキュベットもしくはバイア ルが同時に撮影できるような、高さや位置( メラ装置に対する位置)にキュベットもしく バイアルが保持され、かつ、同時に撮影可 なように、通常は、カメラ装置の撮影され 方向とは直角に一列に配置されている場合 言う。このため、この目的の範囲で、キュ ットもしくはバイアルの位置は適宜設定す ことができる。またこの場合、キュベット しくはバイアルの高さや位置、並び方、お びカメラ装置との位置関係は、多検体をカ ラ装置で同時に撮影できる限り、適宜変更 てもよい。

 また、検体振盪手段において、必要に応 て、キュベットもしくはバイアルを振盪し その中の懸濁液を懸濁させることができる は、所定の位置に保持したキュベットもし はバイアルを振盪し懸濁液を懸濁させるこ ができる装置であれば特に制限はないが、 えば、複数のキュベットもしくはバイアル 、並列に(一列に)固定し、反転させながら 盪できる多検体振盪装置が挙げられる。好 しくは、このような多検体振盪装置は、振 速度、振盪時間、および待機時間は可変で 適宜設定できるものである。このような制 は、別途制御装置を用いて行うことができ 。制御装置等により厳密に振盪速度、振盪 間、および待機時間を制御することによっ 、分析を行う者の違いによる測定誤差を無 すことができる。制御装置としては、例え 、市販品を使用してもよい。

 さらに好ましくは、本発明の装置は、検体 盪手段において、キュベットもしくはバイ ルを所定の時間振盪させた後、所定の時間 置させ、カメラ装置による撮影が行われる うに、検体振盪手段とカメラ装置とを制御 る制御手段をさらに含んでなる。このよう 、混合、懸濁、静置、カメラ撮影までの操 を、制御することによって、測定の自動化 可能となり、分析者の違いによって生じ得 誤差をほぼ無くすことができる。さらには より最適な測定条件を見出し、設定するこ が可能となる。
 このような制御の例としては、例えば、ガ スバイアルの場合、混合2分間→放置(静置)1 5分以上→混合2分間→測定(撮影)との条件が げられ、また、キュベット型の場合、混合7 間→放置(静置)2分間→混合7分間→測定(撮 )との条件が挙げられる。

 本発明の好ましい態様によれば、検体振 手段において、キュベットもしくはバイア の真下に可視光の光源を有してなる。

 本発明において、前記データ処理手段と 、カメラ装置で撮影された画像データを画 解析して、懸濁液の白色度の数値データを ることができるものである。このような処 手段としては、例えば、パーソナルコンピ ータが挙げられる。この場合、パーソナル ンピュータは、得られた画像データの画像 析を行うことができるソフトウエア、例え 、画像中の白と黒のエリアを数値化可能な 販のソフトウエアとを組み合わせて使用す ことが好ましい。

 なお本明細書において、「約」および「 度」を用いた値の表現は、その値を設定す ことによる目的を達成する上で、当業者で れば許容することができる値の変動を含む 味である。例えば、所定の値または範囲の2 0%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5 %以内の変動を許容し得ることを意味する。

 本発明を以下の例によって詳細に説明す が、本発明はこれらに限定されるものでは い。

実験方法
  1)酵母の培養
 YEPG培地(1%Yeast Extract、2% Bactopepton、7.5% Malt ose、2.5% Glucose)で、20℃静置培養で3日間培養 た前培養液を、あらかじめ8℃に冷却してお いたYEPG培地(通常は250ml容メディウムビンに 地100ml)に1.5%濃度で添加し、スターラーで攪 しながら8℃で培養した。培養時、経時的に OD600を測定し、酵母の増殖曲線を作成し、対 増殖期、増殖曲線がねはじめた対数増殖後 (培養開始4日目)、定常期初期(培養開始5日10 時間目)のそれぞれの酵母を用いることがで るようにした。

  2)試験用酵母の調製
 培養の終了した定常期初期の酵母を、3000rpm 、5分間(4℃)の遠心により回収した。回収し 酵母は、冷水により懸濁洗浄し同様に遠心 より回収し、冷却した100mM EDTA(pH8.0)によっ 懸濁洗浄2回、冷水による懸濁洗浄2回行い、 20mlの冷水に懸濁させた。酵母液を1/200希釈し 、OD600を測定することにより酵母濃度を測定 た。また、冷水による洗浄を2回行った後、 15%のグリセロール液に懸濁し、同様に酵母液 のOD600を測定することにより酵母濃度を測定 た後、-80℃で凍結させた。

  3)麦芽水抽出高分子画分の調製
 下記のような早凝性麦芽および非早凝性麦 (正常麦芽)の各20gにそれぞれ、120mlの水を加 え、スターラーで10分間攪拌した。攪拌後、4 ℃にて8718g、10分間の遠心分離により不要画 を取り除き、上清を回収した。上清をさら ろ過して不溶画分を取り除き、等量のエタ ールを混和した。室温で10分間静置後、4℃ て11387g、10分間遠心分離により沈殿画分を回 収した。沈殿画分を10mlの熱水で懸濁し、測 サンプルとした。
  早凝性麦芽1~3: キリンビール株式会社製 麦芽評価用サンプル
  正常麦芽1~3: キリンビール株式会社製の 芽評価用サンプル

実施例1: 早凝性麦芽の識別
 上記2)で得られた凍結乾燥酵母に水を加え 所定の濃度(OD600が約200)とした酵母液を用意 、一方で、上記3)で得られた麦芽水抽出高 子画分(早凝性麦芽1~3および正常麦芽1~3)とを 用意した。
 次いで、酵母液0.075mlと、麦芽水抽出高分子 画分0.385mlとを、50mM酢酸ナトリウム(pH4.8)1.5ml よび50%塩化カルシュウム6μlに懸濁させ、全 量が3mlとなるように水で調製した。得られた 溶液を、それぞれプラスティックキュベット (10×10×45mm)に入れ、パラフィルムで上部をシ ルした。
 これらを用意した、多検体振盪装置内のフ ルダーに置き、7分間振盪→2分間静置→7分 浸透後、沈降を下記条件にてモニタリング た。

 使用する多検体振盪装置は、振盪装置部と て、キュベットを11本並列に固定でき、反 させながら振盪させることができるもので る。
 光源としては、白色LED光源(日亜化学株式会 社製,NSPW500BS)(AC100V/3A)を使用した。
 振盪装置の制御装置としては、キーエンス 製KV-16ATを使用した。
 カメラ装置としては、デジタルビデオカメ (株式会社アートレイ製、ARTCAM-130MI(150万画 ))を使用した。
 パーソナルコンピュータとしては市販のも (OS:WindoowsXP)を使用し、市販の沈殿速度解析 フトを使用した。

 結果は図3に示される通りであった。図は、 モニタリング開始10分後の画像である。
図中、右から2連ずつ、正常麦芽1、早凝麦芽1 、早凝麦芽2、正常麦芽2、早凝麦芽3、正常麦 芽3を意味する。
 また下記表1に、図の画像データを画像解析 することによって得られた白色度の数値を示 した。

実施例2: 測定時間の検討
 前記実施例1と同様にして、早凝性麦芽1の ンプルを用意した。これらを実施例1に従っ 、バイアルを5段に分けて考え(図5)、各段で モニタリングを行い、時間0分から30分まで経 時的に、白色度を測定した。

 結果は図4に示される通りであった。図中、 系列2~6とは、5段に分けた窓を通して、測定 果を表、系列2~6は順に下からの窓の位置で 結果を意味する。
 測定時間を検討した結果、いずれの段にお ても、最初の3分までに濁度は大幅に減少す るが、それ以後30分まで比較的安定であるこ が判明した。

実施例3: 測定位置の検討
 まず前記実施例1と同様にして、早凝性麦芽 および非早凝性麦芽のサンプルを用意した。 次いで、バイアルあるいはキュベットのどの 位置で比較するのが最も精度が高いか検討す るため、バイアルを5段に分けて考え(図5)、 れぞれの段のエリアごとに濁度を比較した

 結果は図6に示される通りであった。図は 4分放置後の濁度である。いずれのバイアル おいても、5段のエリアに分けて測定するこ によって、早凝性麦芽と非早凝性麦芽を判 することが可能であった。

実施例4: バッファー液の検討
 前述の「実験方法」の「1)酵母の培養」の と同様にして、酵母の培養を行い、作成し 増殖曲線の、定常期後期の培養酵母を下記 ように採取したものを下記で使用した:
    酵母1: 培養開始から7日間培養したも 、
    酵母2: 培養開始から6日16時間培養した もの。
 また対照として、定常期初期(培養開始から 5日10時間培養したもの)の培養酵母を「正常 母」として以下において使用した。
 得られた各培養酵母サンプルにそれぞれ水 加えて所定の濃度(OD600が約200)とした酵母液 を用意した。

 前述の「実験方法」の「3)麦芽水抽出高 子画分の調製」の項と同様にして、麦芽サ プルとして、「正常麦芽1」と「早凝性麦芽1 」とを用意した。

 用意した酵母液を使用し、また麦芽水抽 高分子画分として「正常麦芽1」と「早凝性 麦芽1」とを使用し、さらにバッファーとし 下記の条件のものを使用した以外は、「実 例1」と同様にして試験を行い、各場合につ ての白色度を求めた。

 結果は表2に示される通りであった。

 糖類成分を加えない場合における結果から らかなように、凝集性の強い酵母(すなわち 、酵母1および酵母2)を使用すると、酵母自体 の凝集性のために、正常麦芽を使用した場合 であっても、白色度が低下した。
 凝集性の強い酵母を使用した場合に、バッ ァー液に1%マルトースを加えると、正常麦 と、早凝性麦芽との白色度の値に明確な差 が見られるようになった。このような明確 差異が生ずる結果、使用麦芽が早凝性のも か否かが判別可能となることが明らかとな た。上記表中では、このような差異は、使 した糖類成分がマルトースで、濃度が1重量% である場合に顕著であった。