Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF RECOVERING THALLIUM AT CEMENT MANUFACTURING FACILITY, AND RECOVERY APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110594
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method of recovering thallium contained in combustible gas that is emitted from a cement manufacturing facility, the method comprising: a trapping process to trap dust contained in combustible gas, in a combustible gas flow channel further downstream than the gas outlet of a suspension preheater (1) or the gas outlet of a demineralizer of a cement kiln (3) in the cement manufacturing facility; a rinsing process to rinse the trapped dust and obtain a slurry or an aqueous solution; and a filtering process in which a solid-liquid separation of the slurry is conducted and thallium is recovered.

Inventors:
KONISHI, Masayoshi (6-28, Rokuban-cho, Chiyoda-k, Tokyo 65, 10284, JP)
Application Number:
JP2009/054295
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
March 06, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SUMITOMO OSAKA CEMENT CO., LTD. (6-28, Rokuban-cho Chiyoda-k, Tokyo 65, 10284, JP)
住友大阪セメント株式会社 (〒65 東京都千代田区六番町6番地28 Tokyo, 10284, JP)
International Classes:
C22B61/00; B09B3/00; C01G15/00; C02F1/461; C22B7/02; C04B7/60
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (1-9-2, Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, 10066, JP)
Download PDF:
Claims:
 セメント製造設備におけるタリウムの回収方法であって、
 前記セメント製造設備のサスペンションプレヒータのガス出口またはセメントキルンの脱塩装置のガス出口より下流の燃焼ガスの流路にて該燃焼ガスに含まれる塵埃を捕集する捕集工程と、
 この捕集された塵埃を水洗してスラリーまたは水溶液を得る水洗工程と、
 このスラリーまたは水溶液を固液分離し、タリウムを回収する濾過工程とを有し、
 セメント製造設備から排出される燃焼ガスに含まれるタリウムを回収する方法。
 前記水洗工程においては、水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムを水に添加してなる強アルカリ水を用いて前記塵埃を洗浄する請求項1記載のセメント製造設備におけるタリウムの回収方法。
 前記濾過工程により得られた濾液に直流電流を通電することにより、この濾液に溶存するタリウムイオンを酸化タリウムとして析出させ、この酸化タリウムを前記濾液から分離する反応析出工程をさらに備える請求項1または2記載のセメント製造設備におけるタリウムの回収方法。
 セメント製造設備におけるタリウムの回収装置であって、
 前記セメント製造設備のサスペンションプレヒータのガス出口またはセメントキルンの脱塩装置のガス出口より下流の燃焼ガスの流路にて該燃焼ガスに含まれる塵埃を捕集する捕集手段と、
 この捕集された塵埃を水洗してスラリーまたは水溶液を得る水洗手段と、
 この水洗手段にて得られたスラリーまたは水溶液を固液分離し、前記スラリーまたは水溶液からタリウムを分離する固液分離手段とを備え、
 セメント製造設備から排出される燃焼ガスに含まれるタリウムを回収する装置。
 前記捕集手段は、前記燃焼ガスを加湿することにより、それに含まれる塵埃を凝集させて捕集する調湿塔、前記燃焼ガスに含まれる塵埃を帯電させて吸着する電気集塵機、及び前記燃焼ガスに含まれる塵埃をフィルタにより捕集するバグフィルタからなる群から選択される1種または2種以上により構成されている請求項4記載のセメント製造設備におけるタリウムの回収装置。
 前記固液分離手段により得られた濾液に直流電流を通電することにより、この濾液に溶存するタリウムイオンを酸化タリウムとして析出させ、この酸化タリウムを前記濾液から分離するタリウム分離手段をさらに備える請求項4または5記載のセメント製造設備におけるタリウムの回収装置。
Description:
セメント製造設備におけるタリ ムの回収方法及び回収装置

 本発明は、セメント製造設備におけるタリ ムの回収方法及び回収装置に関し、更に詳 くは、セメント製造設備から排出される燃 ガスに含まれる有用な金属の一種であるタ ウム(Tl)を、高純度で回収することが可能な 、セメント製造設備におけるタリウムの回収 方法及び回収装置に関するものである。
 本願は、2008年3月7日に、日本に出願された 願2008-057850号に基づき優先権を主張し、そ 内容をここに援用する。

 近年、地球環境の保護の高まりにより、セ ント製造設備においても産業廃棄物を有効 用することが行われている。
 この産業廃棄物には塩素等の揮発性成分が まれているので、脱塩装置等を用いて取り く必要がある。この脱塩装置は、セメント ルンと予熱機の間で揮発と凝縮を繰り返す とで濃縮した塩素等の揮発性成分を取り除 装置である。具体的には、セメントキルン 窯尻部(kiln end part)から排ガスを抽気し冷 することにより、塩素化合物を主とする揮 性成分を固化させた塩素バイパスダストを 成させ、この塩素バイパスダストを系外に 出することで、塩素をセメントキルン内か 除去する。

 ところで、この脱塩装置にて発生した塩素 イパスダストには、有用な金属であるタリ ムが含まれているので、このタリウムを回 して再利用することが望まれている。
 そこで、セメント製造工程から300℃以上か 900℃以下のセメントキルン燃焼ガスの一部 抽気し、この抽気した燃焼ガスを徐塵する となく冷却して該燃焼ガスに含まれるダス (塵埃)を捕集することにより、セメント製 工程からタリウム、鉛、セレン等の金属を 収する方法が提案されている(特許文献1)。 た、セメント製造設備のプレヒータから200 ~800℃の排ガスを抜き取り、この排ガス中か 、タリウム、鉛、カドミウム、亜鉛、水銀 の有用金属を回収する方法が提案されてい (特許文献2)。

特開2006-347794号公報

特開2007-130565号公報

 しかしながら、従来の各々の有用金属の 収方法によれば、確かに、タリウムを回収 ることはできるものの、この回収したタリ ムには、鉛、セレン、カドミウム、亜鉛、 銀、等の有用金属が多く含まれているため 、高純度のタリウムを得るためには、回収 たタリウムを再度精製する必要があった。 たがって、工程が増加し、タリウム回収に するコストが大きくなってしまうという問 点があった。

 本発明は、上記の課題を解決するために されたものであって、セメント製造設備か 排出される燃焼ガスに含まれる有用な金属 一種であるタリウムを、再度精製すること く、高純度で回収することができ、しかも タリウム回収に要するコストが安価である セメント製造設備におけるタリウムの回収 法及び回収装置を提供することを目的とす 。

 本発明は、上記課題を解決するために、次 様なセメント製造設備におけるタリウムの 収方法及び回収装置を提供した。
 すなわち、本発明のセメント製造設備にお るタリウムの回収方法は、前記セメント製 設備のサスペンションプレヒータのガス出 またはセメントキルンの脱塩装置のガス出 より下流の燃焼ガスの流路にて該燃焼ガス 含まれる塵埃を捕集する捕集工程と、
 この捕集された塵埃を水洗してスラリーま は水溶液を得る水洗工程と、
 このスラリーまたは水溶液を固液分離し、 リウムを回収する濾過工程とを有し、
 セメント製造設備から排出される燃焼ガス 含まれるタリウムを回収する。

 このタリウムの回収方法では、セメント製 設備のサスペンションプレヒータのガス出 またはセメントキルンの脱塩装置のガス出 より下流の燃焼ガスの流路にて該燃焼ガス 含まれる塵埃を捕集した後、この捕集され 塵埃を水洗してスラリーまたは水溶液とし このスラリーまたは水溶液を固液分離する
 これにより、分離された濾液中にタリウム 高純度で残留することとなり、高純度のタ ウムが容易に得られる。一方、分離された 形分は、セメント製造設備のセメント原料 して有効利用される。

 また、サスペンションプレヒータのガス 口またはセメントキルンの脱塩装置のガス 口より下流の燃焼ガスは、サスペンション レヒータから抽気した燃焼ガスと比べて温 が低いものであるから、別途冷却手段を用 て冷却する必要もなく、高純度のタリウム 効率的に得られる。

 前記水洗工程においては、水酸化ナトリウ および/または水酸化カリウムを水に添加し てなる強アルカリ水を用いて前記塵埃を洗浄 することが好ましい。
 このタリウムの回収方法では、水酸化ナト ウムおよび/または水酸化カリウムを水に添 加してなる強アルカリ水を用いて前記塵埃を 洗浄することにより、強アルカリ水により塵 埃に含まれるタリウムが容易に溶出し、タリ ウムの濃度が高いスラリーまたは水溶液が容 易に得られる。

 本発明は、前記濾液に直流電流を通電する とにより前記濾液に溶存するタリウムイオ を酸化タリウムとして析出させ、この酸化 リウムを前記濾液から分離する反応析出工 をさらに備えることが好ましい。
 このタリウムの回収方法では、濾液に直流 流を通電することにより、前記濾液に溶存 るタリウムイオンを酸化タリウムとして析 させ、この酸化タリウムを前記濾液から分 する。これにより、通常のpH調整や還元剤 投与等では沈殿し難い濾液中のタリウムを 水の電気分解とともに酸化タリウムとして 出させ、この析出物を分離することができ 。結果、濾液中のタリウムが容易に取り除 れるとともに、析出する酸化タリウムの純 が高まる。

 本発明のセメント製造設備におけるタリウ の回収装置は、前記セメント製造設備のサ ペンションプレヒータのガス出口またはセ ントキルンの脱塩装置のガス出口より下流 燃焼ガスの流路にて該燃焼ガスに含まれる 埃を捕集する捕集手段と、
 この捕集された塵埃を水洗してスラリーま は水溶液を得る水洗手段と、
 この水洗手段にて得られたスラリーまたは 溶液を固液分離し、前記スラリーまたは水 液からタリウムを分離する固液分離手段と 備え、
 セメント製造設備から排出される燃焼ガス 含まれるタリウムを回収する。

 このタリウムの回収装置では、捕集手段に り、セメント製造設備のサスペンションプ ヒータのガス出口またはセメントキルンの 塩装置のガス出口より下流の燃焼ガスの流 にて該燃焼ガスに含まれる塵埃を捕集し、 洗手段により、この捕集された塵埃を水洗 てスラリーまたは水溶液を得、固液分離手 により、このスラリーまたは水溶液を固液 離し、前記スラリーまたは水溶液からタリ ムを分離する。
 これにより、タリウムは分離された濾液中 高純度で残留することとなり、高純度のタ ウムが容易に得られる。一方、分離された 形分は、セメント製造設備のセメント原料 して有効利用される。

 前記捕集手段は、前記燃焼ガスを加湿し れに含まれる塵埃を凝集させて捕集する調 塔、前記燃焼ガスに含まれる塵埃を帯電さ て吸着する電気集塵機、及び前記燃焼ガス 含まれる塵埃をフィルタにより捕集するバ フィルタからなる群から選択される1種また は2種以上により構成されていることが好ま い。

 このタリウムの回収装置では、捕集手段 、燃焼ガスを加湿しそれに含まれる塵埃を 集させて捕集する調湿塔、燃焼ガスに含ま る塵埃を帯電させて吸着する電気集塵機、 び燃焼ガスに含まれる塵埃をフィルタによ 捕集するバグフィルタからなる群から選択 れる1種または2種以上により構成したこと より、セメント製造設備から排出される燃 ガス中の塵埃を、効率良く捕集することが 能になる。結果、塵埃の捕集効率が高まる

 本発明は、前記固液分離手段により得られ 濾液に直流電流を通電することにより、こ 濾液に溶存するタリウムイオンを酸化タリ ムとして析出させ、この酸化タリウムを前 濾液から分離するタリウム分離手段をさら 備えることが好ましい。
 このタリウムの回収装置では、タリウム分 手段により、濾液に直流電流を通電するこ により、この濾液に溶存するタリウムイオ を酸化タリウムとして析出させ、この酸化 リウムを前記濾液から分離する。これによ 、通常のpH調整や還元剤の投与等では沈殿 難いタリウムを、濾液中から容易に取り除 ことが可能になり、高純度の酸化タリウム 容易に得られる。

 本発明のセメント製造設備におけるタリ ムの回収方法は、セメント製造設備のサス ンションプレヒータのガス出口またはセメ トキルンの脱塩装置のガス出口より下流の 焼ガスの流路にて該燃焼ガスに含まれる塵 を捕集する捕集工程と、この捕集された塵 を水洗してスラリーまたは水溶液を得る水 工程と、このスラリーまたは水溶液を固液 離する濾過分離工程とを有する。よって、 純度のタリウムを容易かつ安価に得ること できる。また、分離された固形分を、セメ ト製造設備のセメント原料として有効利用 ることができ、セメント製造設備における 造コストの削減を図ることができる。

 本発明のセメント製造設備におけるタリ ムの回収装置は、セメント製造設備のサス ンションプレヒータのガス出口またはセメ トキルンの脱塩装置のガス出口より下流の 焼ガスの流路にて該燃焼ガスに含まれる塵 を捕集する捕集手段と、この捕集された塵 を水洗してスラリーまたは水溶液を得る水 手段と、この水洗手段にて得られたスラリ または水溶液を固液分離する固液分離手段 を備えている。よって、高純度のタリウム 容易かつ安価に得ることができる。また、 離された固形分を、セメント製造設備のセ ント原料として有効利用することができ、 メント製造設備における製造コストの削減 図ることができる。

本発明の一実施形態のタリウムの回収 置を付設したセメント製造設備を示す模式 である。 スラリーのpHとタリウムの濃度との関 を示す図である。

符号の説明

 1・・・サスペンションプレヒータ、1a~1d ・・サイクロン、2・・・仮焼炉(prefurnace)、 3・・・セメントキルン(cement kiln)、4・・・ リンカクーラ(clinker cooler)、5・・・スタビ イザー、6・・・電気集塵機(EP)、7・・・バ フィルタ、8・・・水洗槽、 9・・・濾過機 10・・・タリウム分離装置、11・・・反応析 出槽、12・・・タリウム分離機、13・・・煙

 本発明のセメント製造設備におけるタリウ の回収方法及び回収装置の最良の形態につ て、図面に基づき説明する。
 なお、本形態は、発明の趣旨をより良く理 させるために具体的に説明するものであり 特に指定のない限り、本発明を限定するも ではない。

 図1は、本発明の一実施形態のタリウムの回 収装置を付設したセメント製造設備を示す模 式図であり、セメント製造設備から排出され る燃焼ガスに含まれるタリウムを回収すると ともに、この燃焼ガスに含まれるカルシウム 成分をセメント原料として有効利用するタリ ウム(Tl)の回収装置を付設した例を示す。
 図1において、1は多段のサイクロン1a~1dから なるサスペンションプレヒータ、2は仮焼炉 3はセメントキルン、4はクリンカクーラ、5 スタビライザー(調湿塔(moisture-adjusting column) )、6は電気集塵機(EP)、7はバグフィルタ、8は 洗槽(水洗手段)、9は濾過機(固液分離手段) 10は反応析出槽11およびタリウム分離機12に り構成されたタリウム分離装置(タリウム分 手段)、13は煙突である。
 これらスタビライザー5、電気集塵機(EP)6、 グフィルタ7、水洗槽8、濾過機9、タリウム 離装置10により本実施形態のタリウムの回 装置が構成されている。

 スタビライザー5は、空洞の塔に燃焼ガス の入口及び出口が設けられ、この塔内に散水 装置(図示略)が設けられた装置である。この 内に、サスペンションプレヒータ1の下流側 、すなわち最上段のサイクロン1dから排出さ る燃焼ガス、あるいは、セメントキルン3の 窯尻部に設けられ塩素を抽気する脱塩バイパ ス装置(図示略)から排出される燃焼ガス、の ずれかまたは双方を導入し、この塔内で散 して導入された燃焼ガスを加湿するととも 、その温度を低下させる。この燃焼ガス中 ダスト(塵埃)は、加湿及び温度低下に伴っ 凝集して塔下部に沈降し、捕集される。こ 燃焼ガスの入口温度は200~450℃、出口温度は1 20~200℃である。

 電気集塵機6は、導入された燃焼ガス中のダ スト(塵埃)を、負極線による放電で帯電させ この燃焼ガスを一対の正極板間に導入する とにより、この燃焼ガス中の帯電したダス を正極板に吸着させて集塵する装置であり 導入される燃焼ガスの温度は、一般に85~180 である。
 バグフィルタ7は、通気性を有する不織布か らなる袋状のフィルタに燃焼ガスを導入し、 透過させることにより、この燃焼ガス中のダ スト(塵埃)を集塵する装置であり、導入され 燃焼ガスの温度は、一般に85~150℃である。

 水洗槽8は、スタビライザー5、電気集塵機6 びバグフィルタ7のうち1種または2種以上に 捕集されたダストを水洗してスラリー(また は水溶液)を得る装置である。具体的には、 たな水(以下、新水とも称する)を注水して貯 留し、この新水に上記のダストを投入し浸漬 ・攪拌して水洗することにより、このダスト 中のタリウムイオンを含む水溶性成分を水中 に溶出させたスラリー(または水溶液)を得る 置である。
 この水洗槽8では、新水の替わりに、セメン ト製造設備から排出される二次水を用いるこ とも可能である。

 濾過機9は、水洗槽8から排出されるタリウ イオンを含むスラリー(または水溶液)をフィ ルタによりカルシウム成分を含むケーキ(固 分)とタリウムイオンを含む濾液に分離する 置である。濾過機9としては、例えば、加圧 式の濾過機等が挙げられる。カルシウム成分 を含むケーキは、セメント原料として有効利 用される。
 反応析出槽11は、濾過機9から排出されるタ ウムイオンを含む濾液に直流電流を通電す ことにより、この濾液に溶存するタリウム オンを酸化タリウムとして析出させる装置 ある。

 タリウム分離機12は、反応析出槽11から排出 される酸化タリウムが析出した濾液を、酸化 タリウムを含むケーキ状のスラッジと濾液と に分離する装置である。タリウム分離機12と ては、例えば、クロスフロー方式の精密濾 装置、遠心分離機等が挙げられる。
 このタリウム分離機12から排出される濾液 は、微量の金属が溶存していることがある この場合、この濾液に溶存する金属をイオ 交換樹脂を用いて取り除くことが好ましい

 次に、本実施形態のタリウムの回収方法に いて、図1に基づき説明する。
 本実施形態のタリウムの回収方法は、セメ ト製造設備のサスペンションプレヒータ1の 最上段のサイクロン1dから排出される燃焼ガ 、あるいは、セメントキルン3の窯尻部に設 けられ塩素を抽気する脱塩バイパス装置(図 略)から排出される燃焼ガスに含まれるタリ ムを回収する方法である。具体的には、こ 燃焼ガスに含まれる塵埃を捕集し、この捕 された塵埃を水洗してスラリーまたは水溶 を得、このスラリーまたは水溶液を固液分 し、タリウムを回収する。

 これらの各工程について、さらに詳細に説 する。
[捕集工程]
 ダストとしては、セメント製造設備のサス ンションプレヒータ1の最上段のサイクロン 1dから排出される燃焼ガスをスタビライザー5 、電気集塵機6、バグフィルタ7のいずれか1種 または2種以上に導入して捕集されたダスト 用いる。

[水洗工程]
 水洗槽8に所定量の新水、例えば水洗する上 記のダストに対して2~4重量倍の新水を注水し て貯留し、この新水に所定量のダストを投入 し、浸漬・攪拌して水洗し、このダスト中の タリウムイオンを含む水溶性成分を水中に溶 出させたスラリー(または水溶液)とする。

 ここで新水の注水量を上記の様に限定した 由は、注水量がダストの2重量倍以下である と、ダスト中のタリウムイオンを含む水溶性 成分の溶出が不十分なものとなり、後段の濾 過機9で濾過して得られるケーキ中に残存す タリウムイオンを含む水溶性成分が多くな からである。また得られるスラリー(または 溶液)の粘性が高くなり、後の工程へのポン プ輸送が難しくなるからである。
 また、注水量がダストの4重量倍以上である と、カルシウム成分や重金属類等のタリウム イオン以外の成分の溶出が多くなり、したが って、後段の工程においては、これらの成分 を取り除くための薬剤の使用量が多くなるか らである。

 この水洗工程では、タリウムイオンを含む 溶性成分の溶解速度を高めるために、水洗 8内の温度を40℃以上に高めてもよい。また 攪拌時間は1時間以内でよく、この攪拌時間 内で、十分タリウムイオンを含む水溶性成分 を溶出させることができる。長時間の攪拌は 、ダストに含有するカルシウム等を含む塩が 生成して沈殿物が生じる虞があるので、好ま しくない。
 この水洗工程では、水酸化ナトリウム(NaOH) よび/または水酸化カリウム(KOH)を水に溶解 た強アルカリ水溶液を用いることにより、 ストに含有するタリウムの溶出量を極大化 ることができる。
 この場合、水酸化ナトリウム水溶液や水酸 カリウム水溶液の水素イオン濃度(pH)は13~14 好ましい。

[濾過工程]
 濾過機9に水洗槽8から排出されるタリウム オンを含むスラリー(または水溶液)を導入し 、フィルタによりカルシウム成分を含むケー キ(固形分)とタリウムイオンを含む濾液に分 する。
 この分離の際に、濾過機9内のケーキに残留 するタリウムイオンを含む水溶性成分を、新 水で洗浄することが好ましい。この新水を用 いた洗浄は、濾過機9を加圧した状態でケー に一方向から新水を圧送することにより、 ない水量で効率のよい洗浄を行うことがで る。
 この洗浄のために使用する新水は、水洗さ るダスト量に対して0.5~2.0重量倍が好ましい 。

 この新水を用いた洗浄により、ケーキに残 するタリウムイオンを含む水溶性成分を十 に除去することができる。
 また、得られたケーキは、含水率が比較的 いことから、直接セメント製造設備に送ら 、他のセメント原料に混合される。この混 物は、乾燥・粉砕された後、粉末セメント 料としてセメント焼成工程にて再循環使用 れ、セメントクリンカとして焼成される。

「反応析出工程」
 反応析出槽11に濾過機9から排出されるタリ ムイオンを含む濾液を投入する。この濾液 電極を介して通電を行い、濾液中の一部の を電気分解することによって、同時に溶存 るタリウムイオンを酸化タリウムとして析 させ、微細な懸濁物質に変化させる。
 この電気分解の際、電極上に、鉛、銅、亜 等の金属が析出し、濾液中から除去される 析出した鉛等の金属は、別途定期的に陽極 から回収する。

[タリウム分離工程]
 タリウム分離機12に、反応析出槽11から排出 される酸化タリウムが析出した懸濁状の濾液 を導入して加圧・脱水し、酸化タリウムを含 むケーキ状のスラッジと濾液とに分離する。 この濾液は、反応析出槽11に送られることで 環使用される。
 このようにして得られた酸化タリウムは、9 0%以上の純度を確保することができる。した って、タリウムを高純度の酸化タリウムと て容易に得ることができる。
 また、この酸化タリウムが析出した懸濁状 濾液は、非常に微粒子でなかなか沈殿しづ いが、静置することにより、沈降分離する ともできる。

 以上説明したように、本実施形態のタリ ムの回収方法は、セメント製造設備のサス ンションプレヒータ1の最上段のサイクロン 1dから排出される燃焼ガス、あるいは、セメ トキルン3の窯尻部に設けられ塩素を抽気す る脱塩パイパス装置(図示略)から排出される 焼ガスに含まれるタリウムを回収する方法 ある。具体的には、このサスペンションプ ヒータのガス出口またはセメントキルンの 塩装置のガス出口より下流の燃焼ガスに含 れる塵埃を捕集し、この捕集された塵埃を 洗してスラリーまたは水溶液を得、このス リーまたは水溶液を固液分離し、タリウム 回収する。よって、高純度のタリウムを容 かつ安価に得ることができる。また、分離 れた固形分を、セメント製造設備のセメン 原料として有効利用することができ、セメ ト製造設備における製造コストの削減を図 ことができる。

 本実施形態のタリウムの回収装置は、セ ント製造設備のサスペンションプレヒータ ガス出口またはセメントキルンの脱塩装置 ガス出口より下流の燃焼ガスの流路にて該 焼ガスに含まれる塵埃を捕集するスタビラ ザー5、電気集塵機6およびバグフィルタ7と この捕集された塵埃を水洗してスラリーま は水溶液を得る水洗槽8と、この水洗手段に て得られたスラリーまたは水溶液を固液分離 する濾過機9と、タリウムイオンを含む濾液 直流電流を通電することにより、この濾液 溶存するタリウムイオンを酸化タリウムと て析出させる反応析出槽11とを備えている。 よって、高純度のタリウムを容易かつ安価に 得ることができる。また、分離された固形分 を、セメント製造設備のセメント原料として 有効利用することができ、セメント製造設備 における製造コストの削減を図ることができ る。

 以下、本発明のセメント製造設備におけ タリウムの回収方法について実施例を挙げ 具体的に説明するが、本発明はその要旨を えない限り、以下の実施例によって何ら制 されるものではない。

 本実施例で用いるダストとしては、セメン 製造設備のサスペンションプレヒータ1の最 上段のサイクロン1dから排出される燃焼ガス らスタビライザー5により捕集したスタビダ スト(stabi-dust)、上記の燃焼ガスから電気集塵 機6により捕集したEPダスト、上記の燃焼ガス からバグフィルタ7により捕集したバグダス の3種類のダストを用いた。
 これらのダストにおけるタリウム(Tl)の含有 量を表1に示す。
 なお、スタビダストとは、スタビライザー( 調湿塔)において捕集されたダストのことを う。

 

 通常、燃焼ガスのダスト中には、数百~数 千ppm程度のタリウムが含まれており、より微 細な粒子に付着している。このダストのタリ ウム含有率を捕集箇所毎にみれば、スタビダ ストでは500mg/kg、EPダストでは1300mg/kg、バグ ストでは2200mg/kgであるから、セメント製造 ロセスの下段に行くほど、高濃度になって ることが分かる。

 次いで、これらのダストを質量比で、ダ ト:新水=1:10となるように混合して3種類のス ラリーを作製し、各スラリーをケーキ(固形 )とタリウムイオンを含む濾液に分離した。 濾液中のタリウムの濃度を表2に示す。

 

 この表によれば、最も好ましいのは、バ ダストである。このバグダストは、タリウ 濃度が高く、粉塵捕集効率も高く、燃焼ガ からの放出も少なく、発生するダストも少 いので、タリウムの除去および回収を行う に好ましい。

 また、EPダストを、洗浄水として2種類のpH 水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いて洗浄した 。得られたスラリー中のタリウムの濃度を測 定し、EPダストを新水(pH未調整)にて水洗した 場合のスラリー中のタリウムの濃度と比較し た。
 測定結果を表3および図2に示す。

 

 表3および図2によれば、強アルカリ水を用 ることにより、ダストに含有するタリウム 溶出量、すなわちスラリー中のタリウムの 度を極大化することができることが分かっ 。
 また、このようにして回収されたタリウム 、粉末X線回折により、結晶性の良い酸化タ リウム(Tl 2 O 3 )であることが確認された。また、酸化タリ ム(Tl 2 O 3 )以外の回折線は認められず、高純度の酸化 リウム(Tl 2 O 3 )であることが確認された。