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Title:
METHOD FOR RECOVERY OF SEALING AGENT FOR PUNCTUATION REPAIR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025188
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for recovering a sealing agent for punctuation repair, which comprises the steps of: injecting an absorbent (26) capable of absorbing moisture contained in the sealing agent into the inside of a pneumatic tire (10) in which a sealing agent (16) for punctuation repair has been injected, wherein the sealing agent (16) comprises a liquid component and a rubber latex dispersed in the liquid component; and collecting the solidified sealing agent (16A) and the absorbent that has absorbed moisture from the inside of the pneumatic tire. Preferably, the absorbent is injected after injecting an aggregating agent (40) to cause the aggregation and solidification of the rubber latex.

Inventors:
MINOJIMA HARUKI (JP)
HIRATA NARUKUNI (JP)
INOUE YUSUKE (JP)
YOKOI TAKASHI (JP)
EGUCHI SHINICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064250
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
August 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
MINOJIMA HARUKI (JP)
HIRATA NARUKUNI (JP)
INOUE YUSUKE (JP)
YOKOI TAKASHI (JP)
EGUCHI SHINICHI (JP)
International Classes:
B29C73/02
Foreign References:
JP2003118009A2003-04-23
JP2006063204A2006-03-09
JP2006007748A2006-01-12
JP2006007748A2006-01-12
JP2006063204A2006-03-09
JP2003118009A2003-04-23
Other References:
See also references of EP 2191957A4
Attorney, Agent or Firm:
NAKAJIMA, Jun et al. (NAKAJIMA & KATO Seventh Floor, HK-Shinjuku Bldg., 3-17, Shinjuku 4-chome, Shinjuku-k, Tokyo 22, JP)
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Claims:
 液体成分にゴムラテックスを分散させたパンク修理用シーリング剤が注入された空気入りタイヤの内部に、該シーリング剤中の水分を吸収する吸収剤を注入する工程と、前記空気入りタイヤの内部から、固化したシーリング剤と、水分を吸収した吸収剤を回収する工程とを含むことを特徴とするパンク修理用シーリング剤の回収方法。
 液体成分にゴムラテックスを分散させたパンク修理用シーリング剤が注入された空気入りタイヤの内部に、該シーリング剤中の前記ゴムラテックスを凝集させる凝集剤を注入する工程と、前記凝集剤が注入された空気入りタイヤの内部に残留する液体成分を吸収する吸収剤を注入する工程と、前記空気入りタイヤの内部から、前記凝集剤の注入により凝集して固化したゴムラテックス及び前記凝集剤の注入後に残留する液体成分を吸収した吸収剤を回収する工程とを含むことを特徴とするパンク修理用シーリング剤の回収方法。
 前記吸収剤として、シリカゲル、炭酸カルシウム、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、及びポリアクリル酸塩のいずれかを注入することを特徴とする請求項1に記載のパンク修理用シーリング剤の回収方法。
 前記吸収剤として、シリカゲル、炭酸カルシウム、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、及びポリアクリル酸塩のいずれかを注入することを特徴とする請求項2に記載のパンク修理用シーリング剤の回収方法。
 前記凝集剤として、酸と塩基との反応化合物である塩及び水溶性有機溶剤の少なくとも一方を含む薬剤を注入することを特徴とする請求項2に記載のパンク修理用シーリング剤の回収方法。
 前記凝集剤として、酸と塩基との反応化合物である塩及び水溶性有機溶剤の少なくとも一方を含む薬剤を注入することを特徴とする請求項3に記載のパンク修理用シーリング剤の回収方法。
 前記凝集剤として、酸と塩基との反応化合物である塩及び水溶性有機溶剤の少なくとも一方を含む薬剤を注入することを特徴とする請求項4に記載のパンク修理用シーリング剤の回収方法。
Description:
パンク修理用シーリング剤の回 方法

 本発明は、パンク修理用シーリング剤の 収方法に関し、具体的には、空気入りタイ がパンクしたときに応急修理に用いたシー ング剤をタイヤ内部から回収する方法に関 る。

 近年の乗用車等の車両には、スペアタイ を搭載することなく、パンク修理キットを 備する場合がある。このような車両に装着 れている空気入りタイヤ(以下、単に「タイ ヤ」という場合がある。)がパンクした際に 、パンク修理キットに含まれるシーリング (補修液)をパンクしたタイヤの内部に注入す る。シーリング剤は、一般に、ゴムラテック スが分散された水溶液を主体とし、この水溶 液中に樹脂系接着剤、繊維材料、凍結防止剤 、pH調整剤、乳化剤等が添加されて構成され いる。このようなシーリング剤によりタイ のパンク穴を閉塞してタイヤを応急的に修 すれば、ガソリンスタンド等の修理施設ま 走行可能となる。

 修理施設では、シーリング剤により応急 理されたタイヤのパンクを修理し、この修 済みのタイヤを車両に再装着するか、パン 穴の状態によってはパンクしたタイヤを修 することなく廃棄することとなる。しかし タイヤ内部にシーリング剤が残ったままホ ールからタイヤを外すと、シーリング剤が 出して作業者や作業場を汚染してしまう。 た、使用後のシーリング剤は、一箇所に集 てその組成物に応じた廃液処理をする必要 ある。従って、リム解きする前にタイヤの 部からシーリング剤を抜き取る必要がある

 例えば、図5に示すように、車両から外し たタイヤ10のビードをバール等の工具20で押 広げた状態でタイヤ10とホイール12との間に 動式のポンプ22を差し込み、タイヤ10内部の シーリング剤16を廃液タンク24内に回収する 回収したシーリング剤16は、飽和食塩水など の処理剤を添加することによりラテックスを 凝集させた後、メッシュを通じて固体成分と 液体成分を分離(固液分離)する方法が提案さ ている(特許文献1参照)。

 また、シーリング剤が注入されているタ ヤ内部に食塩水等の処理剤を注入し、タイ 内部で固液分離を行った後、これらをタイ 内部から回収する方法が提案されている(特 許文献2参照)。この方法では、ラテックスな の固形成分は固化(ゲル化)できるが、他の 分は液体としてタイヤ内部に残るため、タ ヤのリム解き作業の際、液体成分の抜き取 作業が必要となる。

 また、タイヤ内部に高分子凝集剤を注入 、シーリング剤のゴム粒子の表面に高分子 集剤を吸着させることによりゲル状の凝集 としてタイヤ内壁に付着させる方法が提案 れている(特許文献3参照)。この方法では、 分子凝集剤とゴムによるネットワーク内に 分なども包含され、固体成分であるラテッ スだけでなく、液体成分も含めて凝集して イヤ内壁に付着することが記載されている

特開2006-7748号公報

特開2006-63204号公報

特開2003-118009号公報

 本発明は、空気入りタイヤの内部からパ ク修理用シーリング剤を容易に回収するこ ができる方法を提供することを目的とする

 上記目的を達成するため、本発明では、 下のパンク修理用シーリング剤の回収方法 提供される。

<1> 液体成分にゴムラテックスを分散 せたパンク修理用シーリング剤が注入され 空気入りタイヤの内部に、該シーリング剤 の水分を吸収する吸収剤を注入する工程と 前記空気入りタイヤの内部から、固化した ーリング剤と、水分を吸収した吸収剤を回 する工程とを含むことを特徴とするパンク 理用シーリング剤の回収方法。

 このような方法によれば、固化したシー ング剤と、シーリング剤中の水分を吸収し 吸収剤を回収するため、例えばリム解き作 時にシーリング剤が飛散することを防ぐと もに、シーリング剤を容易に回収すること できる。

<2> 液体成分にゴムラテックスを分散 せたパンク修理用シーリング剤が注入され 空気入りタイヤの内部に、該シーリング剤 の前記ゴムラテックスを凝集させる凝集剤 注入する工程と、前記凝集剤が注入された 気入りタイヤの内部に残留する液体成分を 収する吸収剤を注入する工程と、前記空気 りタイヤの内部から、前記凝集剤の注入に り凝集して固化したゴムラテックス及び前 凝集剤の注入後に残留する液体成分を吸収 た吸収剤を回収する工程とを含むことを特 とするパンク修理用シーリング剤の回収方 。

 このように凝集剤と吸収剤を併用する方 によれば、リム解き作業時にシーリング剤 飛散することを防ぐとともに、シーリング 中のゴムラテックスと液体成分をより確実 分離回収することができる。従って、シー ング剤の回収を容易に行うことができると もに、回収後の処分も容易に行うことがで る。

<3> 前記吸収剤として、シリカゲル、炭 カルシウム、ポリアミド、カルボキシメチ セルロース、及びポリアクリル酸塩のいず かを注入することを特徴とする<1>又は& lt;2>に記載のパンク修理用シーリング剤の 収方法。
 これらのいずれかの材料を含む吸収剤であ ば、シーリング剤に対する吸収性能が高く 比較的少量で効率的にシーリング剤を吸収 ることができる。

<4> 前記凝集剤として、酸と塩基との反 化合物である塩及び水溶性有機溶剤の少な とも一方を含む薬剤を注入することを特徴 する<2>又は<3>に記載のパンク修理 シーリング剤の回収方法。
 このような凝集剤であれば、入手が容易で り、シーリング剤中のゴムラテックスを確 に凝集させることができる。

 本発明によれば、空気入りタイヤの内部 らパンク修理用シーリング剤を容易に回収 ることができる方法が提供される。

本発明に係る吸収剤をタイヤの内部に 入する方法の一例を示す概略図である。 タイヤ内部に注入された吸収剤を示す 略図である。 シーリング剤を吸収した吸収剤を回収 る方法の一例を示す概略図である。 本発明に係る凝集剤をタイヤの内部に 入する方法の一例を示す概略図である。 タイヤ内部のシーリング剤を回収する 来の方法の一例を示す概略図である。

 以下、図面を参照しながら、本発明につい より具体的に説明する。
 まず、パンク修理用シーリング剤(本発明で は単に「シーリング剤」という場合がある。 )について説明する。シーリング剤は、水等 液体成分にゴムラテックスがコロイド状に 散して構成されている。このようなシーリ グ剤は、現在、各種のものが市販されてい が、代表的なものとしては、例えば、NR(天 ゴム)ラテックス、SBR(スチレンブタジエンゴ ム)ラテックス、NBR(アクリルニトリル-ブタジ エンゴム)ラテックス等のゴムラテックスを むとともに、水性分散剤又は水性乳剤の状 で加えられる樹脂系接着剤が添加された水 溶液を主体とするものが挙げられる。この うな水性溶液中に、グリコール、エチレン- リコール、プロピレングリコール等の凍結 止剤、pH調整剤、乳化剤、安定剤等が一般 に添加されている。さらに、パンク穴に対 るシール性を高めるために、必要に応じて リエステル、ポリプロピレン、ガラス等か なる繊維材料、ウィスカー、炭酸カルシウ 、カーボンブラック等からなる充填剤(フィ ー)、ケイ酸塩やポリスチレンの粒子等が添 加されている。

-第1実施形態-
 図1~図4は、本発明に係るパンク修理用シー ング剤の回収方法の手順の一例(第1実施形 )を示している。本実施形態に係るパンク修 用シーリング剤の回収方法は、液体成分に ムラテックスを分散させたパンク修理用シ リング剤16が注入された空気入りタイヤ10の 内部に該シーリング剤16中の水分を吸収する 収剤26を注入する工程と、前記空気入りタ ヤ10の内部から、固化したシーリング剤16Aと 、水分を吸収した吸収剤26を回収する工程と 含む。

<吸収剤の注入>
 シーリング剤16によりパンク穴が応急修理 れたタイヤ10をホイール12ごと車両から取り し、このタイヤ10のタイヤバルブ14からバル ブコアを抜き取る。次いで、吸収剤26をタイ バルブ14から注入する。または、バルブ14自 体をカットして吸収剤26を注入してもよい。 収剤26の注入方法は特に限定されないが、 えば、図1に示したように漏斗等の注入手段1 8の注入口をバルブ14に差し込んで吸収剤26を 入することができる。このような方法であ ば、吸収剤26をタイヤ10の内部に容易にかつ 確実に注入することができる。
 また、他の方法として、タイヤ10のビード とリムとの間に、タイヤレバー、くさび等 挿入工具を挿入して隙間を形成し、その隙 から直接又はチューブや漏斗などの注入手 を介して吸収剤26を注入する方法や、タイヤ 10に穴を開けて吸収剤26を注入する方法等を 用してもよい。

 吸収剤26は、タイヤ10内部に残留するシー リング剤16中の水分を吸収することができれ 特に限定されないが、シリカゲル、炭酸カ シウム、ポリアミド、カルボキシメチルセ ロース、及びポリアクリル酸塩のうちいず かの材料を含む吸収剤26が好ましく、特に ポリアクリル酸塩及びカルボキシメチルセ ロースが好ましい。これらの材質の吸収剤26 であれば、シーリング剤16に対する吸収性が く、比較的少量でシーリング剤16中の水分 十分吸収することができる。なお、吸収剤26 は1種類の材料を単独で注入してもよいし、 数の種類の材料を注入してもよい。

 また、吸収剤26の形状やサイズは、バル コアを抜き取ったタイヤバルブ14から注入す ることができれば特に限定されないが、製造 容易性、取扱い性、注入容易性、吸収性など の観点から粒状又は粉状であることが好まし い。粒状又は粉状の吸収剤26を用いる場合に 、粒径は1~100μmが好ましく、10~80μmがより好 ましく、更には30~50μmが特に好ましい。この うな粒状又は粉状の吸収剤26であれば、実 的に水分を含んでいないため、シーリング 16中の水分の増加を抑えることができ、より 効率的に水分の吸収を行うことができるとと もに、吸収剤26の注入量を少なく抑えること できる。

 上記のような吸収剤26をタイヤ10内部に注 入することにより、図2に示すように、シー ング剤16中の水等の液体成分が吸収剤26に吸 される。吸収剤26の注入量は、シーリング 16に対する吸収剤26の吸収力(単位重量当たり の吸収量)、シーリング剤16の残量等を考慮し てタイヤ10内部のシーリング剤16中の水分(液 成分)を略全量吸収できるように注入する。 ここで、吸収剤26の注入量が少ないと、シー ング剤16中の水分を十分吸収することがで なかったり、吸収に長時間要して作業効率 低下を招くおそれがある。一方、吸収剤26の 注入量が多すぎる場合、シーリング剤16中の 分を短時間で吸収することができるが、吸 剤26の無駄やコストの上昇を招くおそれが る。従って、吸収剤26は、タイヤ10内部のシ リング剤16中の水分を略全量吸収すること できるとともに、吸収剤26の無駄が少なくな るように注入することが好ましい。

 例えば、シーリング剤におけるゴムラテッ ス(SBR系)が30wt%であり、吸収剤26としてシリ ゲルを用いる場合には、500gのシーリング剤 に対して、シリカゲルを好ましくは10g~50g、 り好ましくは20g~30gの範囲内で注入する。こ ような注入量とすれば、シーリング剤中の 分を比較的短時間で吸収することができる ともに、吸収剤26の無駄やコストの上昇を えることができる。
 なお、吸収剤26を注入した後、例えばタイ バルブ14にゴムキャップ等の栓を嵌めてタイ ヤ10を転がすことで、吸収剤26とシーリング 16との接触を促すことにより、シーリング剤 16の吸収を早めることができる。

<吸収剤等の回収>
 タイヤ10内部に注入した吸収剤26にシーリン グ剤16中の水分を吸収させた後、固化したシ リング剤16A(シーリング剤の固体成分)と、 分を吸収した吸収剤26をタイヤ10の内部から 収する。
 例えば、シーリング剤16により応急処置し タイヤ10を修理して車両に再装着する場合に は、タイヤ10内部に吸収剤26を注入してシー ング剤16中の水分を吸収させた後、リム解き してホイール12を取り外す。このときシーリ グ剤16中の水分は吸収剤26に吸収されている ため、リム解き作業時にシーリング剤16が飛 することを防ぐことができる。リム解き後 タイヤ10の内壁から、水分が吸収されて固 したシーリング剤16A(吸収剤に吸収されなか た固体成分)と吸収剤26を回収することで、 収剤26に吸収されているシーリング剤16の水 分(液体成分)も併せて回収することができる

 一方、パンクしたタイヤ10を修理せずに廃 処分等する場合には、リム解き前或いはリ 解き後に、切断工具を用いて図3に示すよう ゴムタイヤ10の一部を切断してもよい。こ により切断部分から、固化したシーリング 16Aと、シーリング剤16中の水分を吸収した吸 収剤26をより容易に回収することができる。 収剤26等を回収した後のゴムタイヤ10は、焼 却等により廃棄処分するか、リサイクルする ことも可能である。
 また、タイヤ10内部から回収した吸収剤26は 、例えば専用の廃棄タンクに集めて廃棄処分 することができる。あるいは、吸収剤26に吸 されているシーリング剤16の液体成分を抽 する処理を施すとともに、回収したゴムラ ックスを再利用することも可能である。

-第2実施形態-
 第1実施形態では、シーリング剤16中の水分 吸収剤26に吸収させて固化したシーリング と、水分を吸収した吸収剤を回収する場合 ついて説明したが、タイヤ10の内部に凝集剤 40を注入してシーリング剤16中のゴムラテッ スを予め凝集させた後、吸収剤26を注入して 液体成分を吸収させて回収してもよい。すな わち、本実施形態に係るパンク修理用シーリ ング剤16の回収方法は、シーリング剤16が注 された空気入りタイヤ10の内部に該シーリン グ剤16中のゴムラテックスを凝集させる凝集 40を注入する工程と、前記凝集剤40が注入さ れた空気入りタイヤ10の内部に残留する液体 分を吸収する吸収剤26を注入する工程と、 記空気入りタイヤ10の内部から、前記凝集剤 40の注入により凝集して固化したゴムラテッ ス及び前記凝集剤40の注入後に残留する液 成分を吸収した吸収剤26を回収する工程とを 含む。

<凝集剤の注入>
 タイヤバルブ14からバルブコアを抜き取っ 後、まず、タイヤ10の内部に凝集剤40を注入 る。凝集剤40は、シーリング剤16中のゴムラ テックスを凝集させることができれば特に限 定されないが、入手の容易性、コスト、保管 及び管理の容易性等の観点から、例えば、酸 と塩基との反応化合物である塩及び水溶性有 機溶剤の少なくとも一方を含む薬剤を好適に 用いることができる。具体的には、酸と塩基 との反応化合物である塩を含む薬剤としては 、塩化ナトリウム、重曹(炭酸水ナトリウム) 塩化カリウム、硫酸ナトリウムが溶解した 溶液を好適に用いることができる。また、 溶性有機溶剤を含む薬剤としては、例えば メタノール、エタノール、プロパノール等 アルコール類やアセトンを好適に用いるこ ができる。凝集剤としては、特に塩化ナト ウム及び塩化カリウムが好ましい。

 タイヤ10内部への凝集剤40の注入方法は限 定されず、例えば液状の凝集剤40であれば、 1に示したような漏斗18のほか、図4に示すよ うな注入装置を用いて注入することもできる 。図4に示す注入装置30は、凝集剤40が貯留さ た薬液タンク32と、薬液タンク32に接続され た注液ホース34を備えている。薬液タンク32 底部には吐出口が設けられており、吐出口 注液ホース34の一端部が接続されている。ま た、薬液タンク32と注液ホースとの接続部分 は、凝集剤40の注入量を制御するための開 弁36が設けられている。注液ホース34の他端 には、タイヤバルブ14の内径よりも細い径 注入管38が接続されており、注入管38は、バ ブコアが抜き取られたタイヤバルブ14を通 てタイヤ10の内部に挿入可能となっている。

 このような構成の注入装置30を用いれば 所定量の凝集剤40をタイヤ10内部に容易に注 することができる。例えば、薬液タンク32 に飽和食塩水(凝集剤)を貯留し、タイヤバル ブ14からバルブコアを抜き取った後、注入管3 8をタイヤバルブ14を通してタイヤ10の内部に 入する。このとき、注入管38の先端部をシ リング剤16中に浸漬させることが好ましい。 次いで、開閉弁36を開放し、薬液タンク32内 凝集剤40を注液ホース34及び注入管38を通し タイヤ10内部に注入する。

 凝集剤40のシーリング剤16への添加量は、 シーリング剤16中に含まれるゴムラテックス 略全量凝集し、透明な液体成分が得られる 小量に近いほど好ましい。この凝集剤40の 小量はシーリング剤16中のゴムラテックスの 含有量に応じて変化する。具体的には、シー リング剤16におけるゴムラテックス(SBR系)が30 wt%である場合には、500gのシーリング剤に対 て50g~300g(好ましくは、80g~200g)で適宜設定さ た量の飽和食塩水を添加すれば、シーリン 剤をゴムラテックスと液体成分とに分離可 である。

 所定量の凝集剤40をシーリング剤16中に添 加した後、例えば、タイヤバルブ14にゴムキ ップ等の栓を嵌めてタイヤ10を回転させる タイヤ10内で凝集剤40が添加されたシーリン 剤16が攪拌され、凝集剤40をシーリング剤16 に均一に拡散させることができる。凝集剤4 0の添加により、ゴムラテックスのゴム粒子 表面を取り巻く安定化剤(界面活性剤等)の効 果が弱まってゴム粒子が凝集し、シーリング 剤16中にゲル状の固体成分が生成する。この 体成分の生成開始後、十分な時間(概ね10分 内)が経過すると、シーリング剤16は、タイ 10の内部でゲル状に固まった(ゲル化した)ゴ ムラテックスと、残りの水、不凍液等の液体 成分とに分離することになる。

 本実施形態のように液状の凝集剤40を用い ば、タイヤバルブ14を通してタイヤ10内への 入が容易であり、また、注入後はシーリン 剤16と効果的に反応し、短時間でゴムラテ クスを凝集させて固液分離を図ることがで る。
 ただし、凝集剤40は、粒状又は粉状などの 体状態で添加してもよい。粒状又は粉状な の固体状態の凝集剤40を用いる場合には、吸 収剤26の注入と同様に図1に示したような漏斗 18を用いることでタイヤ10内部に確実に注入 ることができる。

<吸収剤の注入>
 タイヤ10内部に凝集剤40を注入してゴムラテ ックスを凝集させた後、吸収剤26を注入する ここでは、シーリング剤16中のラテックス 凝集して既に固化しており、タイヤ10内部に 残留する液体成分のみを吸収剤26に吸収させ ばよい。ただし、液状の凝集剤40を用いた 合は、タイヤ10内部にはシーリング剤16の液 成分と凝集剤40の液体成分が残留している め、これらを合わせた液体成分の略全量を 収できるように吸収剤26を注入する。

 使用する吸収剤26や注入方法は、第1実施 態と同様のものを採用することができる。 るいは、既に凝集しているゴムラテックス 対する吸収力はほとんどないが、タイヤ内 残留する液体成分(シーリング剤の液体成分 及び凝集剤の液体成分)を吸収することがで る吸収剤も好適に使用することができる。

<ゴムラテックス及び吸収剤の回収>
 吸収剤26を注入して液体成分を吸収させた 、タイヤ10の内部から、凝集剤40の注入によ 凝集して固化(ゲル化)したゴムラテックス び凝集剤40の注入後に残留する液体成分を吸 収した吸収剤26を回収する。回収方法は、第1 実施形態の場合と同様の方法を採用すること ができる。すなわち、回収後のタイヤの処分 に応じ、リム解きして回収するか、リム解き 前又はリム解き後にタイヤ10を切断してタイ 10内部のゴムラテックス及び吸収剤26を回収 すればよい。

 そして、回収の際、シーリング剤16中の テックスはゲル状に固化しており、液体成 は吸収剤26に吸収されている。従って、リム 解き作業時にシーリング剤16が飛散すること 防ぐことができるとともに、凝集したゲル のゴムラテックスと、吸収剤26に吸収され 液体成分を分離して回収することができる 通常、液体成分を吸収した吸収剤26は膨潤す るため、例えば、回収した吸収剤26と、ゲル したゴムラテックス(ゴム粒子)のサイズが きく異なる場合には、篩い分け等により分 回収するこができる。あるいは、ゴムラテ クスと吸収剤26を遠心分離して分別してもよ い。

 回収したゴムラテックスは、例えば、不純 の除去、脱水、乾燥等を行った後、ゴム原 として再使用(リサイクル)したり、脱水、 燥後に焼却、埋立て等することより処分す ことができる。
 一方、吸収剤26は、廃棄処分としてもよい 、吸収剤26には基本的には液体成分のみ吸収 されているため、乾燥して液体成分を蒸発さ せることで吸収剤26を再利用することもでき 。

 以上説明した本実施形態に係るシーリン 剤16の回収方法では、シーリング剤16が注入 されたタイヤ10の内部に凝集剤40を注入して ーリング剤16と混合し、シーリング剤16中か ゴムラテックスを凝集させて固化(ゲル化) せる。次いで、吸収剤26を注入し、タイヤ10 部に残留する液体成分を吸収させる。これ より、使用済みのシーリング剤16をタイヤ10 の内部で固体成分(ゴムラテックス)と液体成 とに効率的に分離することができ、しかも タイヤ10をホイール12のリムから取り外す際 にシーリング剤16が外部に飛散して作業者や 業施設等に付着することを防ぐことができ 。さらに、シーリング剤16中のゴムラテッ スと液体成分を分離回収することができる め、その後の処分を容易に行うことができ 。

 また、凝集剤40として飽和食塩水を用い ば、シーリング剤16から固液分離されたゴム ラテックス及び液体成分が強酸性や強アルカ リ性になるなど有害化することが殆どないた め、回収したゴムラテックス及び吸収剤26に する無害化等のための処理を簡単に行うこ ができる。また、飽和食塩水であれば価格 低廉であり、かつ保管及び管理についても 別の配慮をはらう必要がないため、シーリ グ剤16の回収コストを低く抑えることがで る。

 以下、本発明を実施例及び比較例につい 説明するが、本発明がこれらの実施例によ て限定されるものではない。

<実施例及び比較例>
 リム組みタイヤ(タイヤ:225/40R18、リム:18イ チ)にパンク修理用シーリング剤(SBRゴムラテ ックス30wt%)を500g注入し、タイヤバルブから ルブコアを抜き取った後、図1に示したとお 漏斗をバルブ注入口に差し込んで凝集剤/吸 収剤を注入する。注入後、タイヤチェンジャ ー(QUSHIDA製TC-520)を用いてリム解きした時のシ ーリング剤漏洩の有無を評価した。
 表1に使用した凝集剤及び吸収剤並びに評価 結果を示す。


 

 以上、本発明に係るパンク修理用シーリ グ剤の回収方法について説明したが、本発 は上記実施形態に限定されるものではない 例えば、タイヤ内部に吸収剤や凝集剤を注 する手段は図示したものに限定されず、吸 剤又は凝集剤の形態等に応じて適宜選択す ことができる。