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Title:
METHOD FOR REDUCING ELECTRIC FURNACE DUST
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/017019
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a method for reducing an electric furnace dust, comprising compressing molding a powdery mixture of an electric furnace dust, produced in an electric furnace for steelmaking, with a carbon material to prepare a briquette which is then heat reduced in a rotary hearth furnace. In this method, briquette strength high enough to withstand handling in a stage from after molding to charging into the rotary hearth furnace can be ensured, and energy necessary for drying the briquette can be reduced while preventing bursting within the rotary hearth furnace. This method comprises the step of adding and mixing a carbon material (B), a binder (C) and optionally water into an electric furnace dust (A) produced within an electric furnace (1) for steelmaking to produce a powdery mixture (D) having a water content of 0.5 to 3% by mass, and the step of compressing molding the powdery mixture (D) with a briquette machine (4) to produce a raw briquette (E), charging the raw briquette (E) as such without drying into a rotary hearth furnace (5), and heat reducing to produce a reduced iron briquette (F) and a crude zinc oxide (G).

Inventors:
SUGITATSU HIROSHI
TAMAZAWA HIROSHI
Application Number:
PCT/JP2008/063257
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOBE STEEL LTD (JP)
SUGITATSU HIROSHI
TAMAZAWA HIROSHI
International Classes:
C22B1/16; C21B13/10; C22B1/242; C22B7/02; C22B19/34
Foreign References:
JP2003129140A2003-05-08
JP2006124765A2006-05-18
JPS55123819A1980-09-24
JPS61133133A1986-06-20
JP2004076152A2004-03-11
JP2005213461A2005-08-11
JP2005097665A2005-04-14
JP2004035950A2004-02-05
Attorney, Agent or Firm:
KOTANI, Etsuji et al. (2-2 Nakanoshima 2-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 電気炉ダストの還元処理を行うための方法であって、
 製鋼用電気炉で発生する電気炉ダストに、少なくとも炭材とバインダとを添加して混合することにより、水分含有量が0.5~3質量%の粉状混合物を生成する混合工程と、
 この粉状混合物を圧縮成形して生ブリケットとする成形工程と、
 この生ブリケットを、乾燥せずにそのまま回転炉床炉に装入し、加熱還元して還元鉄ブリケットと粗酸化亜鉛とを得る還元工程と、を備える。
 請求項1記載の電気炉ダストの還元処理方法であって、
 前記混合工程では、前記炭材及びバインダに加え、生成される粉状混合物の水分含有量を0.5~3質量%の範囲内の量にするために必要な水分が添加される。
 請求項1または2記載の電気炉ダストの還元処理方法であって、
 前記回転炉床炉が前記製鋼用電気炉に隣接するように設置される。
 請求項1または2記載の電気炉ダストの還元処理方法であって、
 前記電気炉ダストが前記製鋼用電気炉から前記回転炉床炉まで空気圧送式の粉流体運搬用タンク車で輸送される。
 請求項1~4のいずれかに記載の電気炉ダストの還元処理方法であって、
 前記成形工程では、双ロール型ブリケットマシンが用いられ、その成形線圧が44kN/cm以上に設定される。
 請求項1~5のいずれかに記載の電気炉ダストの還元処理方法であって、
 前記混合工程では、前記バインダとして繊維質バインダが添加される。
 請求項1~6のいずれかに記載の電気炉ダストの還元処理方法であって、
 さらに、前記電気炉ダストを含む粒状混合物から生成された還元鉄ブリケットを当該電気炉ダストが発生した製鉄用電気炉内に戻す工程を含む。
Description:
電気炉ダストの還元処理方法

 本発明は、製鋼用電気炉で発生する電気 ダストを回転炉床炉にて還元処理する方法 関する。

 製鋼用電気炉から発生する電気炉ダスト 、鉄分だけでなく、亜鉛や鉛などの非鉄金 を含む、超微粉のダストである。このよう 電気炉ダストを有効に利用するために、従 、種々の処理方法が提案されている。

 例えば、電炉ダストに炭材を添加し水分を えてペレットに造粒し、ロータリキルンで 熱して、亜鉛や鉛を還元揮発して回収する ともに鉄分を還元して還元鉄ペレットとし 回収する方法が提案されている(例えば、特 許文献1参照)。電気炉ダストに炭材を添加し ペレット化することにより、次のような効 が得られる。
(1)ペレット内に内装される炭材が、亜鉛や鉛 の還元揮発および鉄の還元を促進する。
(2)ロータリキルンは通常、電気炉とは離れた 場所に設置されるが、電気炉の近くであらか じめペレット化し、ペレットの形でロータリ キルンまで輸送することで、輸送に際しての 微粉の飛散を防止することができる。

 しかしながら、前記ペレットは、ロータ キルン内での転動による衝撃で容易に崩壊 粉化し、これにより、炉壁への固着物の形 や大量のダストロスの発生といった問題を じさせる。

 そこで、ロータリキルンの代わりに、ロ タリハーネス炉(回転炉床炉)を用い、水平 内で回転する炉床上にペレットを静置して 熱還元する方法が提案されている(例えば、 許文献2参照)。この方法は、ペレットを崩 ・粉化させることなく、亜鉛分等を回収す とともに、鉄分を還元鉄ペレットとして回 することを可能にする。

 しかしながら、この方法では、前記ロー リキルンを用いる方法と同様、電気炉ダス に炭材を添加し多量の水分を加えてペレッ とする必要があり、ペレット(生ペレット) 水分含有量は7~15質量%にも達する。前記特許 文献2では、生ペレットを乾燥せずにそのま 回転炉床炉に装入して加熱することが記載 れている(同文献の段落[0013]、図2)が、この うに多量に水分を含有する生ペレットをい なり高温雰囲気内に装入すると、ペレット 急速加熱されて、その内部の水分が急激に 蒸気となり、そのガス圧にてペレットが爆 (バースティング)する可能性が高い。

 このようなペレットのバースティングを 避するために、回転炉床炉の加熱帯の前段 予熱帯を設け、予熱帯にて比較的低い温度 でペレットを予熱してバースティングの発 を防止しつつペレットから水分をゆっくり 去する方法が提案されている(特許文献3参 )。しかしながら、この方法では、回転炉床 のサイズを維持した場合に電気炉ダストの 理速度が大幅に低下する一方、電気炉ダス の処理速度を確保した場合に回転炉床炉が しく大型化する問題がある。

 また、生ペレットを乾燥機にて乾燥して の水分含有量を1質量%以下にしてから回転 床炉に装入すること(特許文献4参照)も考え れる。このように十分に乾燥したペレット 回転炉床炉に装入することは、バースティ グを確実に防止するとともに、回転炉床炉 サイズを維持しつつ電気炉ダストの処理速 を確保することを可能にするが、乾燥機を 途必要とするうえ、その乾燥に必要なエネ ギを多く必要とする問題がある。

 そこで、本出願人は、電気炉ダストと炭 からなる粉状混合物をペレット化すること 代えて、当該粉状混合物を圧縮成形により リケット化して回転炉床炉に装入する方法 提案した(特許文献5参照)。

 一般的には、圧縮成形によるブリケット は転動造粒によるペレット化ほどには多量 水分を必要としないことから、前記方法に れば、乾燥機を省略するとともに、乾燥に 要なエネルギが大幅に減少することが期待 きる。

 しかしながら、成形後から回転炉床炉に装 するまでの間におけるハンドリングに耐え る強度を確保しつつ、回転炉床炉内でのバ スティングを確実に防止しうる、ブリケッ の製造条件(特に、適正水分含有量)につい は不明であった。

特開平6-174383号公報

特開平9-209047号公報

特開平11-337264号公報

特開平11-193423号公報

特開2004-76152号公報

 そこで、本発明は、製鋼用電気炉で発生 る電気炉ダストと炭材との粉状混合物を圧 成形してブリケットとし、これを回転炉床 で加熱還元処理する方法において、成形後 ら回転炉床炉に装入するまでの間における ンドリングに耐えうる強度を確保するとと に、回転炉床炉内でのバースティングを防 しつつ、ブリケットの乾燥に必要なエネル を低減することが可能な電気炉ダストの還 処理方法を提供することを目的とする。こ 目的を達成するために、本発明に係る電気 ダストの還元処理方法は、製鋼用電気炉で 生する電気炉ダストに炭材とバインダと(必 要な場合には)水分とを混合して、水分含有 が0.5~3質量%の粉状混合物とする混合工程と この粉状混合物を圧縮成形して生ブリケッ とする成形工程と、この生ブリケットを、 燥せずにそのまま回転炉床炉に装入し、加 還元して還元鉄ブリケットと粗酸化亜鉛と 得る還元工程と、を備える。

製鉄用電気炉と、この製鉄用電気炉か 集塵される電気炉ダストを還元処理するた の本発明の実施形態に係る還元処理設備を す概略フロー図である。 前記還元処理設備におけるブリケット シンでの成形線圧と、当該ブリケットマシ により生成される生ブリケットの圧潰強度 よび落下強度との関係を示す図である。

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づ て詳細に説明する。

〔実施形態〕
 図1は、製鋼用電気炉1と、この製鋼用電気 1から集塵機2により集塵された電気炉ダスト を還元処理するための本発明の一実施形態に 係る還元処理設備とを示す概略フロー図であ る。この還元処理設備は、ミキサ3と、ブリ ットマシン4と、回転炉床炉5と、集塵機6と 備える。

 前記製鋼用電気炉1内で電気炉ダストAが 生する。この電気炉ダストAは、バグフィル などの集塵機2にて乾式で捕集され、スクリ ュコンベア、フライトコンベア、ロータリバ ルブ、気送などの手段で図示しない所定の貯 槽に一旦貯蔵される。

(混合工程)
 前記電気炉ダストAは、前記貯槽から切り出 され、これにコークス粉などの炭材Bが所定 配合され、さらに糖蜜などのバインダCが適 添加される。これらがミキサ3で混合される ことにより、粉状混合粉Dが生成される。炭 Bの配合量は、電気炉ダスト中の鉄分、亜鉛 等の金属元素が還元されるのに必要な炭素 に基づいて決定されればよい。ミキサ3での 混合の際には、必要に応じて水分が添加され る。具体的に、この水分の添加は、得られる 粉状混合物Dの水分含有量が0.5~3質量%の範囲 なるように行われる。この水分含有量を得 のに水分の添加が必要ない場合にはその添 が全く行われず、必要な場合はその必要最 限の量だけの水分が添加されて前記混合が われる。

 前記粉状混合物Dの水分含有量の下限が0.5 質量%である理由は、若干の水分量が存在す ほうが、後述のように成形される生ブリケ トEの強度をより確実に確保することができ ためである。他方、粉状混合物Dの水分含有 量の上限が3質量%である理由は、これより水 含有量が多いと、前記生ブリケットEが回転 炉床炉5に装入される際にバースティングが 生するおそれが高まるためである(後記実施 1参照)。

(成形工程)
 前記のように水分含有量が調整された粉状 合物Dは、前記ブリケットマシン(例えば双 ール型のブリケットマシン4)にて、アーモン ド形、ピロー形など所定形状の生ブリケット (以下、単に「ブリケット」ということもあ 。)Eに圧縮成形される。ブリケットマシン4 成形線圧は、十分な生ブリケットEの強度(圧 潰強度および落下強度)が得られるように、44 kN/cm以上、さらには64kN/cm以上であるのが好ま しい(後記実施例3参照)。

(還元工程)
 ブリケットマシン4で圧縮成形された生ブリ ケットEは、乾燥処理されることなく、その ま回転炉床炉5の図示しない炉床上に装入さ 、炉内を1周する間に加熱還元される。その うちの鉄分は還元鉄ブリケットFとして回収 れ、亜鉛分などの非鉄金属はバグフィルタ どの集塵機6で粗酸化亜鉛Gとして捕集される 。前記生ブリケットEの水分含有量は3質量%以 下に制限されていることから、当該生ブリケ ットEが回転炉床炉5内高温雰囲気下に装入さ ても、バースティングが発生することがな 。

 ここで、前記生ブリケットEの代わりにペ レットが成形される従来技術では、上述した ように、バースティングを回避するため、回 転炉床炉への装入の際に当該ペレットがドラ イヤなどで事前に乾燥されて水分含有量を1 量%以下に制限される。すなわち、前記ペレ トは、転動による非常に小さい圧縮力を受 てソフトに成形されるものであるため、低 水蒸気圧でもバースティングが発生しやす ことから、バースティングを防止するには 分含有量を極力低くする必要がある。

 これに対し、前記ブリケットは例えば双 ールにより非常に高い圧縮力を受けて強固 成形されるものであるため、前記ペレット 比べ、より高い水蒸気圧でもバースティン が発生することを防ぐことができる。この 由により、ペレットよりもブリケットの水 含有量を高くすることができる。

 回収された前記還元鉄ブリケットFは、製 鋼用電気炉1の原料の一部として、あるいは 炉への装入原料の一部として、再利用する とができる。また、粗酸化亜鉛Gは、亜鉛精 用の原料として有効利用することができる

 このように、電気炉ダストが還元鉄ブリ ットとしてリサイクルされる場合、当該還 鉄ブリケットは前記電気炉ダストが発生し 製鉄用電気炉に戻されることが好ましい。 の理由は次のとおりである。製鉄用電気炉 ら発生した電気炉ダスト中には、製鉄用電 炉で製造する鋼種に依存する合金元素とし Mn,Mo,Nb,Ni,Cu,V,Ti,Wなどが含まれ、その他にはA l,B,Co,Cr,La,Pb,Se,Te,Zrなども含まれる。これらの 元素は、前記リサイクルによって元の鋼と異 種の鋼に混じった場合には単に不純元素とな るだけであるが、元の鋼と同種の鋼に混じれ ば、経済性を高めて資源の有効活用に寄与す ることができる。例えば、高Mn合金鋼を製造 る製鋼用電気炉から発生した電気炉ダスト 多くのMnを含むため、この電気炉ダストが 種の鋼を製造する製鋼用電気炉に還元鉄と てリサイクルされることにより、Mnの有効な 回収が可能になる。一方、例えば高Cuの溶鋼 製造する製鉄用電気炉から発生した電気炉 ストにはCuが多く含まれ、この電気炉ダス が多種の鋼を製造する製鋼用電気炉に還元 として戻されることは不純元素を増加させ だけで好ましくない。従って、前記電気炉 ストを含む粒状混合物から生成された還元 ブリケットは、当該電気炉ダストが発生し 製鉄用電気炉内に戻されることが好ましい

(変形例)
 前記実施形態では、回転炉床炉5が製鋼用電 気炉1に隣接するように設置されるが、本発 は必ずしもこれに限定されず、製鋼用電気 1から離れた場所に回転炉床炉5が設置される 場合にも適用できる。

 前記製鋼用電気炉1に隣接して回転炉床炉 5が設置される場合は、製鋼用電気炉1から回 炉床炉5まで電気炉ダストAを輸送する必要 ないため、従来のように発塵防止のために レット化する必要がなく、したがって水分 添加が不要となる効果が得られる。

 一方、製鋼用電気炉1から離れた場所に回 転炉床炉5が設置される場合は、製鋼用電気 1から回転炉床炉5まで電気炉ダストAを輸送 る必要があるが、その輸送手段として例え ジェットパック車といった空気圧送式の粉 体運搬用タンク車を採用すればよい。これ より、輸送のためにペレット化する必要が くなり、水分の添加が不要となる効果が得 れる。

 前記ジェットパック車は、密閉式のタン を有するもので、粉体を乾粉のまま飛散さ ることなく輸送する機能を有する。集塵機 らジェットパック車のタンクへの電気炉ダ トの積み込みは、重力による落し込みや、 気等で電気炉ダストを流動化させながらの 送により、行われることが可能である。ま 、ジェットパック車のタンクから貯槽への 送も、空気等による電気炉ダストの流動化 よって行われることができる。

 また、前記実施形態では、ブリケット化 際しバインダCとして糖蜜が添加されるが、 ペーパフラフ、麦藁、シリコンファイバ等の 繊維質バインダが添加されることがより好ま しい。その繊維質は、生ブリケット中に分散 して当該繊維質に沿って水蒸気を抜けやすく し、ブリケット内部の水蒸気圧を緩和する。 これにより耐バースティング特性がさらに向 上する(後記実施例2参照)。

 また、前記実施形態では、1種類の電気炉 ダストAのみが用いられるが、複数種類の電 炉ダストを混合したものが用いられてもよ 。さらに、電気炉ダストに加えて、高炉ダ ト、転炉ダスト、ミルスケール等の他の製 所ダストや、鉄鉱石を混合したものを用い こともできる。

 また、前記実施形態では、炭材Bとしてコ ークス粉が用いられるが、石炭、オイルコー クス、木炭、木材チップ、廃プラスチック、 古タイヤ等を使用することもできる。

 また、前記実施形態では、粉状混合物Dの 水分含有量は、ミキサ3での混合に際して水 をまったく添加しないか、または、必要最 限の水分量を添加することにより、調整さ るが、もとの電気炉ダストAの水分含有量が すぎてそのまま用いると粉状混合物Dの水分 含有量が3質量%を超えてしまう場合は、電気 ダストAを事前乾燥したり、水分含有量の低 い他の電気炉ダスト等を混合することによっ て当該水分含有量が調整されればよい。また 、もとの電気炉ダストAの水分含有量が低す てそのまま用いると粉状混合物Dの水分含有 が0.5質量%を下回ってしまう場合、ミキサ3 の水分の添加に代え、またはこれに加えて 水分含有量の高い他の電気炉ダスト等を混 することにより、前記調整がされてもよい

(水分含有量の影響)
 生ブリケット(粉状混合物)の水分含有量が バースティング特性に及ぼす影響を調査す ため、以下の試験が実施された。

 この試験では、下記表1に示す平均粒径お よび化学成分をそれぞれ有する、電気炉ダス ト87.5質量部と、炭材としてのCDQ粉(コークス )12.5質量部とに、バインダとして糖蜜が所 量配合され、これに水分が添加されたもの ミキサで混合されるとともに、その水分の 加量を種々変更することにより、複数種の 状混合粉が作成された。ここで、電気炉ダ トおよびCDQ粉は、いずれも乾粉状態であっ ため特に乾燥を行わずにそのまま使用され 。

 前記各粉状混合物は、ロール直径:520mm、ロ ル幅:200mm、ポケット寸法:長さ30mm×幅25mm×深 さ7mmの回転ロールを備えた双ロール型のブリ ケットマシンにより、線圧44kN/cmで圧縮成形 れ、これにより体積約10cm 3 の生ブリケットが製造された。

 そして、耐バースティング特性を把握する め、以下の急速加熱試験が実施された。こ 試験では、4個の生ブリケットが軽量アルミ ナトレー上に載置され、N 2 雰囲気に置換された横型加熱炉中の1300℃の 熱帯へ2秒間で到達するように装入されてそ 位置で保持され、ブリケット中の鉄分の還 率が90%以上になる時間加熱された後、横型 熱炉の冷却ゾーンに移送されてN 2 雰囲気中で常温まで冷却された。この冷却後 に還元鉄ブリケットが取り出され、篩にて3.3 5mm以下(「-3.35mm」とも表示する。)の小粒子が 分離され、その小粒子の量に基づいて耐バー スティング特性が評価される。具体的には、 この3.35mm以下の小粒子の割合が5質量%以下の き、耐バースティング特性が良好(表2およ 表3における○印)であると判断される。この 評価法は、たとえ還元鉄ブリケットにクラッ クが入っていても、金属鉄が焼結し、小片に 分離していなければ、製品還元鉄ブリケット として実用に供しうることを考慮して、策定 されたものである。

 測定結果を下記表2に示す。

 前記表2の結果は、生ブリケット(粉状混 物)の水分含有量が3質量%を超えると、バイ ダを増量してもバースティングを防止する とは困難である(試験No.1-2、1-3参照)が、生ブ リケット(粉状混合物)の水分含有量を3質量% 下に制限することでバースティングを防止 きることを示している(試験No.1-1参照)。

(バインダの種類の影響)
 バインダの種類が生ブリケットの圧潰強度 よび耐バースティング特性に及ぼす影響を 査するため、以下の試験が実施された。

 バインダとして、前記実施例1の糖蜜に代 えて、下記表3に示す各種バインダが使用さ 、実施例1と同じ装置および条件で生ブリケ トが製造され、圧潰強度の測定および急速 熱試験が実施された。

 ここに、ブリケットの圧潰強度は、ISO4700 に準拠した測定試験により求められたもので ある。この測定試験は、ブリケットを横に寝 かせてその厚み方向に圧縮荷重を掛け、この ブリケットが破壊したときの最小荷重を測定 するものであり、10個のブリケットについて 測定値の平均値が前記圧潰強度として算出 れる。

 測定結果を生ブリケットの配合条件とと に下記表3に示す。この表中、前記圧潰強度 の単位である「kgf」は9.80665Nに相当する。

 前記表3の結果は、バインダを添加しない と水分含有量を本発明の規定範囲内(0.5~3質量 %)に制限しても耐バースティング特性が不良 なるために、所定量のバインダの添加が必 であることを、示している(試験No.2-6参照)

 また、前記表2および表3の結果を比較す と、糖蜜の添加によって良好な耐バーステ ング特性を得るためには3質量部程度の添加 が必要であるのに対し、繊維質バインダ(ペ ーパフラフ、麦藁、シリコンファイバ)の添 では1質量部程度の添加量で十分であり(試験 No.1-1、2-1、2-2、2-4参照)、繊維質バインダを いることで、耐バースティング特性が大幅 向上することがわかる。

(成形圧の影響)
 成形圧が生ブリケットの圧潰強度および落 強度に及ぼす影響を調査するため、以下の 験が実施された。

 この試験では、バインダとしてペーパフ フが用いられ、前記表2の試験No.2-1の配合条 件(ペーパフラフ1質量部、水分含有量1質量%) て、前記実施例1および2と同じ装置にて、 形圧のみを順次変更して生ブリケットが製 され、その圧潰強度および落下強度が測定 れた。

 ここに、生ブリケットの落下強度は、生 リケット5個を5mの高さから鉄板上に落下さ た後に6.35mmの篩でふるい分けたときの、そ 篩上の質量割合(%)である。

 測定結果を図2に示す。なお、線圧の単位 である「ton」は9.80665kNに相当する。

 図2に示すように、ブリケットマシンの成 形線圧の上昇は、その線圧が低い領域では、 生ブリケットの圧潰強度、落下強度をともに 上昇させるが、前記線圧が約4.5ton/cm以上の領 域では、前記いずれの強度も飽和する傾向が 見られ、約6.5ton/cmにて、いずれの強度ともほ ぼ最高値に到達する。この結果から、十分な ブリケット強度(圧潰強度および落下強度)を るためには、成形線圧は44kN/cm(約4.5ton/cm)以 、さらには64kN/cm(約6.5ton/cm)以上とするのが ましいことがわかる。

 以上のように、本発明は、電気炉ダスト 還元処理方法を提供する。この方法は、製 用電気炉で発生する電気炉ダストに炭材と インダと(必要な場合には)水分とを混合し 、水分含有量が0.5~3質量%の粉状混合物とす 混合工程と、この粉状混合物を圧縮成形し 生ブリケットとする成形工程と、この生ブ ケットを、乾燥せずにそのまま回転炉床炉 装入し、加熱還元して還元鉄ブリケットと 酸化亜鉛とを得る還元工程と、を含むので 電気炉ダストと炭材等からなる粉状混合物 水分含有量を適正範囲内の量にすることに り、生ブリケットのハンドリング強度を確 するとともに、事前の乾燥を省略しても回 炉床炉内でのバースティングが確実に防止 ることを可能にする。この結果、回転炉床 内で炉床上に固着物が形成されたり、大量 ダストロスが発生することを防ぎ、高歩留 安定な操業を実現することができる。また ペレット化が行われる従来方法に比べ、ブ ケット化を行う本発明に係る方法では、生 リケットの水分含有量及びその生ブリケッ の乾燥に必要なエネルギが大幅に削減され より低コストでの電気炉ダストの還元処理 可能である。

 ここで、前記回転炉床炉が前記製鋼用電 炉に隣接するように設置されれば、製鋼用 気炉から回転炉床炉まで電気炉ダストを輸 する必要がないため、従来のように発塵防 のためにペレット化する必要がなく、した って水分の添加が不要となる効果が得られ 。

 また、製鋼用電気炉から離れた場所に回 炉床炉が設置される場合でも、製鋼用電気 から回転炉床炉まで例えばジェットパック といった空気圧送式の粉流体運搬用タンク を用いて電気炉ダストの輸送を行えば、当 輸送のためにペレット化する必要がなくな 、水分の添加が不要となる効果が得られる

 また、前記成形工程において、双ロール ブリケットマシンを用い、その成形線圧を4 4kN/cm以上とすることにより、圧潰強度および 落下強度の双方について十分な強度をもつブ リケットを得ることができる。

 また、前記混合工程において、前記バイ ダとして繊維質バインダが混合されれば、 の繊維質がブリケット中に分散して水蒸気 抜けやすくすることにより、ブリケット内 の水蒸気圧を緩和して耐バースティング特 を向上させることができる。

 本発明に係る方法は、さらに、前記電気 ダストを含む粒状混合物から生成された還 鉄ブリケットを当該電気炉ダストが発生し 製鉄用電気炉内に戻す工程を含むことによ 、当該電気炉ダストに含まれる元素を効率 く回収することを可能にし、経済性の向上 び資源の有効活用に寄与することができる