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Title:
METHOD OF REGENERATING METAL, REGENERATED METAL, MATERIAL FOR LITHOGRAPHIC PRINTING PLATE BASE, AND LITHOGRAPHIC PRINTING PLATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084568
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of metal regeneration characterized by comprising: a melting-furnace cleaning step in which pure aluminum having an aluminum content of 99.5 wt.% or higher is melted in a melting furnace to clean the inside of the melting furnace; and a metal regeneration step in which a waste lithographic printing plate selected among unused lithographic printing plates and spent lithographic printing plates is melted in the melting furnace whose inside has been cleaned in the melting-furnace cleaning step to thereby obtain a regenerated metal. Also provided are: a regenerated metal obtained by the metal regeneration method; a material for use as a lithographic printing plate base, the material comprising the regenerated metal; and a lithographic printing plate.

Inventors:
OSADA MASAKAZU (JP)
YAMAZAKI TORU (JP)
AKIYAMA KEIJI (JP)
OKISHI YOSHIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073547
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FUJIFILM CORP (JP)
OSADA MASAKAZU (JP)
YAMAZAKI TORU (JP)
AKIYAMA KEIJI (JP)
OKISHI YOSHIO (JP)
International Classes:
B41N1/08; B22D7/00; B41N3/00; C22B7/00; C22B21/06; F27D1/00
Foreign References:
JP2005186415A2005-07-14
JP2007063583A2007-03-15
JPH07205534A1995-08-08
JP2002225449A2002-08-14
JP2005186415A2005-07-14
JP3420817B22003-06-30
Other References:
See also references of EP 2243635A4
Attorney, Agent or Firm:
NAKAJIMA, Jun et al. (NAKAJIMA & KATOSeventh Floor, HK-Shinjuku Bldg.,3-17, Shinjuku 4-chome,Shinjuku-ku, Tokyo 22, JP)
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Claims:
 アルミニウム含有量が99.5重量%以上である純アルミニウムを溶解炉で溶解させて前記溶解炉の内部を洗浄する溶解炉洗浄工程と、
 未使用平版印刷版および使用済み平版印刷版から選択される廃平版印刷版を、前記溶解炉洗浄工程で内部を洗浄した溶解炉で溶解させて再生地金とする地金再生工程と
を有することを特徴とする地金再生方法。
 前記地金再生工程においては、感光層、感光層保護材、および包装材料の合計量が1重量%以下の廃平版印刷版を用いる請求項1に記載の地金再生方法。
 前記地金再生工程において使用される廃平版印刷版のサイズは2~60cm角である請求項1または2に記載の地金再生方法。
 前記溶解炉として炉壁がSiを含まないSiフリー炉を使用する請求項1~3の何れか1項に記載の地金再生方法。
 前記地金再生工程において廃平版印刷版を溶解させる温度は680~750℃である請求項1~4の何れか1項に記載の地金再生方法。
 請求項1~5の何れか1項に記載された地金再生方法によって廃平版印刷版から製造されたことを特徴とする再生地金。
 請求項6に記載の再生地金10~65重量%とアルミニウム純度が99.5%以上である純アルミニウム90~35重量%とを溶融、混合させ、ついで凝固させて得られる平版印刷版支持体用材料。
 請求項7に記載の平版印刷版支持体用材料を圧延して得られる帯状体の少なくとも一方の面を粗面化した支持体と、
 前記支持体の粗面化面上に形成した製版層と
を有することを特徴とする平版印刷版。
 
Description:
地金再生方法、再生地金、平版 刷版支持体用材料、および平版印刷版

 本発明は、地金再生方法、再生地金、平 印刷版支持体用材料、および平版印刷版に する。

 使用済みの平版印刷版や、製造ラインで 版印刷版ウェブを所定の寸法に裁断および 断する際に排出される端材はこれまで廃棄 れていたが、これらは殆どが純アルミニウ またはアルミニウム合金のシートからなる

 したがって、使用済みの平版印刷版や端 を再生地金として再生利用できれば経済的 ある。

 使用済みの平版印刷版や端材を地金とし 再生する方法としては、たとえば使用済み 版印刷版および/または未使用平版印刷版の 画像記録層および付着物を除去する工程と、 前記記録層および付着物を除去された使用済 み平版印刷版および/または未使用平版印刷 を溶解させてアルミニウム溶湯を得る工程 、前記アルミニウム溶湯からアルミニウム 金板を得る工程と、前記アルミニウム合金 に表面処理を施して平版印刷版用支持体を る工程とを具備する平版印刷版用支持地ア 製造方法が提案された(特開2005-186415号公報)

 また、使用済みの平版印刷版を1%以上含有 る溶解用材料を用い、鋳造前に、ガスによ 溶湯処理と濾材を用いる濾過を行って不純 およびH 2 ガスを除去した後に鋳造を行い、その後、冷 間圧延、熱処理の何れか一方または両方を行 ってアルミニウム薄板とした後、矯正、粗面 化を行う平版印刷版用支持体の製造方法も提 案された(特許第3420817号公報)。

 しかしながら、平版印刷版の品種に応じ 支持体に含まれるSi、Fe、Cu、Mnなどの微量 分濃度の基準範囲が定められている。

 ここで、ただ単に使用済み平版印刷版や 材を溶解して平版印刷版の支持体として再 した再生地金を材料として平版印刷版用支 体を製造した場合には、微量成分濃度が前 基準範囲を越えてしまう場合がある。

 このような場合には、再生地金に新地金 加えて溶解して微量成分濃度を基準範囲内 調整している。

 しかしながら、再生地金中の微量成分濃 が高過ぎる場合には、再生地金の配合量が 定されるので、再生地金の使用量を増やす とによって、新たに精錬されたアルミニウ からなる新地金の使用量を減少させること 困難になる。

 本発明は、上記問題を解決すべく成され ものであり、微量成分の割合が従来のもの りも少ない再生地金が得られる地金再生方 、前記地金再生方法で製造される再生地金 前記再生地金を含有する平版印刷版支持体 材料、および前記平版印刷版用支持体を用 た平版印刷版の提供を目的とする。

 請求項1に記載の発明は、アルミニウム含 有量が99.5重量%以上である純アルミニウムを 解炉で溶解させて前記溶解炉の内部を洗浄 る溶解炉洗浄工程と、未使用平版印刷版お び使用済み平版印刷版から選択される廃平 印刷版を、前記溶解炉洗浄工程で内部を洗 した溶解炉で溶解させて再生地金とする地 再生工程とを有することを特徴とする地金 生方法に関する。

 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載 地金再生方法において、前記地金再生工程 、感光層、感光層保護材、および包装材料 合計量が1重量%以下の廃平版印刷版を用いる ことを特徴とする。

 請求項3に記載の発明は、請求項1または2 記載の地金再生方法において、前記地金再 工程において使用される廃平版印刷版のサ ズが2~60cm角であることを特徴とする。

 請求項4に記載の発明は、請求項1~3の何れ か1項に記載の地金再生方法において、前記 解炉として内壁がSiを含まないSiフリー炉を 用することを特徴とする。

 請求項5に記載の発明は、請求項1~4の何れ か1項に記載の地金再生方法において、前記 金再生工程で680~750℃の温度で廃平版印刷版 溶解させることを特徴とする。

 請求項6に記載の発明は、請求項1~5の何れ か1項に記載された地金再生方法によって廃 版印刷版から製造されたことを特徴とする 生地金に関する。

 請求項7に記載の発明は、請求項6に記載 再生地金10~65重量%とアルミニウム純度が99.5% 以上である純アルミニウム90~35重量%とを溶融 、混合させ、ついで凝固させて得られる平版 印刷版支持体用材料に関する。

 請求項8に記載の発明は、請求項7に記載 平版印刷版支持体用材料を圧延して得られ 帯状体の少なくとも一方の面を粗面化した 持体と、前記支持体の粗面化面上に形成し 製版層とを有することを特徴とする平版印 版に関する。

 請求項1に記載の地金再生方法においては 、純アルミニウムを溶解させて内部を洗浄し た溶解炉を用いて廃平版印刷版を溶解して再 生地金を製造しているから、純アルミニウム で内部を洗浄していない溶解炉を用いた場合 と比較して炉壁からの微量元素の混入を抑え ることができる。

 請求項2に記載の地金再生方法においては 、地金再生工程において、感光層、感光層保 護材、および包装材料の合計量が1重量%以下 廃平版印刷版を用いているから、感光層、 光層保護材、および包装材料の合計量が1重 量%を超える廃平版印刷版を用いた場合と比 して投入した廃平版印刷版に対する再生地 の重量割合である再生地金収率が高い。ま 、地金再生工程で溶湯を漉すために濾布を 用した場合に、濾布が燃焼するおそれが殆 ない。

 請求項3に記載の地金再生方法においては 、地金再生工程において2~60cm角のサイズの廃 平版印刷版を用いているから、サイズが60cm を超える廃平版印刷版を用いた場合と比較 て廃平版印刷版の溶解時間を短縮でき、ま 、サイズが2cm角よりも小さな廃平版印刷版 用いた場合と比較して再生地金収率が高い

 請求項4に記載の地金再生方法においては 、溶解炉としてSiフリー炉を用いているから 炉壁がSiを含有する通常の溶解炉を用いて 平版印刷版を溶解した場合と比較して得ら る再生地金中のSiの濃度を低減させることが できる。

 請求項5に記載の地金再生方法においては 、地金再生工程で680~750℃の範囲の温度で廃 版印刷版を溶解させているから、廃平版印 版の溶解温度が680℃未満の場合に比較して 平版印刷版の単位重量(たとえば1トン)当り 溶解時間が短い。また、750℃を超える溶解 度で溶解した場合に比較して再生地金収率 高い。

 請求項6に記載の再生地金は、請求項1~5の 何れか1項に記載された地金再生方法によっ 廃平版印刷版から製造されているから、た えば純アルミニウムで内部を洗浄しない溶 炉で製造された再生地金に比較して微量成 の濃度が小さい。

 したがって、再生地金を純アルミニウム と新地金と溶融、混合して平版印刷版支持 材料とする場合において、微量成分濃度の 準が同一であればより多くの再生地金を配 できるから、純アルミニウムや新地金の使 量を削減でき、したがって高価な精錬アル ニウムの日本への輸入量を削減できる。

 請求項7に記載の平版印刷版支持体用材料 は、再生地金として請求項6に記載の再生地 を用いることにより、純アルミニウムによ 洗浄を行わなかった溶解炉で製造した再生 金を用いた場合に比較して再生地金の含有 を10~65重量%と多くする事ができる。したが て、その分純アルミニウムの使用量を節減 きるから安価である。

 請求項8に記載の平版印刷版においては、 請求項7に記載の平版印刷版支持体用材料か 形成された支持体を用いているから、支持 中の微量成分の含有量は所定の基準範囲内 ある。したがって、支持体の材料が再生地 を10~65重量%と大量に含んでいるにも拘らず 過剰な微量成分に起因する品質故障の発生 防止できる。

1.地金再生方法

 本発明の地金再生方法は、上述のように 解炉洗浄工程と地金再生工程とを有する。 下、本発明の地金再生方法の各工程につい 説明する。

1-1 溶解炉洗浄工程
 溶解炉洗浄工程においては、アルミニウム たはその合金を溶解する溶解炉に純アルミ ウムを投入して溶解し、投入した純アルミ ウムが溶解したら、前記溶解炉の溶湯取出 から溶解した純アルミニウムを実質的に全 取り出して除去することにより、前記溶解 の内部を洗浄する。

 溶解炉を洗浄する回数は、通常は1回~2回 あるが、1回であっても本発明の効果は十分 に得られる。なお、純アルミニウム材専用溶 解炉を本発明の地金再生方法に使用するとき は、内部は既に純アルミニウムで洗浄された 状態であるから、溶解炉を使用する前に敢え て溶解炉内部を純アルミニウムで洗浄する必 要はない。

 溶解炉洗浄工程で使用される純アルミニ ムは、アルミニウム含有量が99.5重量%以上 アルミニウム合金であって、具体的には、 金番号1085、1080、1070、1050などのアルミニウ 合金が挙げられる。

 前記溶解炉の形態および容量には特に制 はないが、内部に設けられたバーナーで廃 版印刷版を直接加熱する直火加熱型であっ 容量1~20トンのものが、得られる再生地金へ の異種金属混入および酸化を防止する点から 好ましい。

 また、溶解炉を内張りする耐火煉瓦がSi 含有しないSiフリー炉であることが好ましい 。ここで、Siフリー炉としては、アルミナ質 火物、高アルミナ質耐火物、ジルコン質耐 物、黒鉛質耐火物などのようにシリカ以外 成分を主成分とする非シリカ系耐火物で内 りをした溶解炉が挙げられる。

1-2 地金再生工程
 地金再生工程では、溶解炉洗浄工程で内部 洗浄した溶解炉に廃平版印刷版を投入して 解する。

 使用できる廃平版印刷版としては、上で べたように未使用平版印刷版および使用済 平版印刷版がある。

 未使用平版印刷版としては、平版印刷版 ェブを所定の幅および長さに裁断および切 する際に生じる切断屑、工程トラブルで生 る不良品、および出荷後、顧客から未使用 態で返品された返送品などがある。

 使用済み平版印刷版は、顧客側で製版さ 、印刷に使用された平版印刷版である。

 未使用平版印刷版および使用済み平版印 版においては、何れも平版印刷版用に微量 分の割合を調整済みのアルミニウムウェブ 支持体として使用され、しかも、平版印刷 の使用前と使用後とで支持体のアルミニウ および微量成分の含有量が変化することも い。したがって、未使用平版印刷版と使用 み平版印刷版との差は、前者の表面には印 インクが付着していないが後者の表面には 刷インクが付着していること位である。し しながら、印刷インクの付着量は支持体の 量と比較すれば無視できる程小さい。また 使用済み平版印刷版において印刷インクが 盛りに付着しているものは目視などによる 面チェックによって除去できる。したがっ 、未使用平版印刷版と使用済み平版印刷版 の割合は特に制限は無く、未使用平版印刷 または使用済み平版印刷版のみを使用して よく、未使用平版印刷版と使用済み平版印 版とを共に使用してもよい。

 平版印刷版ウェブは、通常、帯状の合紙 製版層に重ねられた状態で裁断および切断 れる。また、平版印刷版ウェブは、帯状の 持体の粗面化面に感光性または感熱性の製 層を形成したものである。したがって、切 屑や不良品には合紙や製版層が混入してい ことが多い。また、出荷した平版印刷版が 客から未使用状態で返品されるときは、通 梱包された状態で返品されることがおおい 考えられるから、返送品には、合紙や製版 のほか、遮光紙等の内装材および前記内装 を固定するための粘着テープなどの包装材 が混入することが多い。

 これらの合紙、製版層、および包装材料 包含する可燃性不純物の混入量は、廃平版 刷版に対して1重量%以下であることが好ま い。可燃性不純物の混入量が1重量%以下であ れば、上述のように、可燃性不純物の混入量 が1重量%を超える場合と比較して再生地金収 が高く、また地金再生工程で溶湯を漉すた に濾布を使用した場合に濾布が燃焼する恐 が殆どない。

 廃平版印刷版への可燃性不純物の混入量 1重量%を超える場合は、廃平版印刷版を可 性不純物とともに所定の大きさに裁断して 槽またはサイクロンに投入し、比重差また 遠心力差によって合紙や包装材料を廃平版 刷版から分離することにより、合紙や包装 料を除去することができる。そして、合紙 包装材料を除去した廃平版印刷版を有機溶 や平版印刷版用現像液で洗浄することによ 、製版層を除去できる。但し、製版層の重 は支持体や合紙および包装材料の重量に比 て圧倒的に小さいから、可燃性不純物の混 量が1重量%を超える場合であっても合紙およ び包装材料を除去すれば十分なことが多い。

 また、上述したように、溶解時間と地金 生収率との兼ね合いの点から、溶解温度は6 80~750℃の範囲が好ましい。

 廃平版印刷版のサイズは、上述のように2 ~60cm角が好ましい。

 廃平版印刷版の溶解は、所定量の廃平版 刷版を投入したあと加熱、溶解する所謂バ チ式で行うことができるが、溶解炉内に溶 が存在している状態で新たな廃平版印刷版 追加する所謂追い注ぎで溶解することが、 業効率および品質保持上の観点からは好ま い。廃平版印刷版を追い注ぎで溶解する場 は、廃平版印刷版の追加量は、溶解炉の容 にもよるが1回当たり1~20トン程度が好まし 、特に10トン程度が好ましい。

 廃平版印刷版を溶解した溶湯は、鋳型に 入して所定の形状および重量(50~1500kg)のイ ゴットとすることができる。また、前記溶 に純アルミニウムのインゴットを投入して 解させて本発明の平版印刷版支持体用材料 してもよい。

2.平版印刷版支持体用材料
 本発明の平版印刷版支持体用材料は、上述 ように、前記地金再生方法で得られた再生 金10~65重量%と純アルミニウム90~35重量%とを 融、混合させ、ついで凝固させたものであ 。

 本発明の平版印刷版支持体用材料は、溶 炉洗浄工程において内部を洗浄した溶解炉 廃平版印刷版を溶解させて再生地金とし、 の再生地金を凝固させること無く、所定量 純アルミニウムのインゴットを前記再生地 の溶湯に投入して攪拌、溶解させることに り調製できる。

 また、前記再生地金を一旦凝固させてイ ゴットとし、前記再生地金のインゴットと アルミニウムのインゴットとを溶解炉で溶 してもよい。

 なお、純アルミニウムについては、「1. 生地金」のところで述べたとおりである。

 上記手順によって調整された平版印刷版 持体用材料に、必要に応じてSi、Fe、Cu、Mn どの微量元素を添加したあと、所定形状に 固させて鋳塊としてもよいし、連続鋳造に ってスラブまたは板材としてもよい。連続 造としては、ハズレー法などのように冷却 ルトを用いる方法、およびハンター法、3C方 などのように冷却ローラを用いる方法などが ある。

 このようにして得られた平版印刷版支持 用材料の鋳塊、スラブ、板材を所定の厚さ で圧延して必要に応じて焼鈍処理を施して 状材とする。そして、得られた帯状材の一 または両方の面を粗面化することにより、 版印刷版支持体とすることができる。粗面 処理には、回転するナイロンブラシによっ 表面を機械的に粗面化する機械的粗面化処 、酸性電解液中で交流を印加して表面を電 粗面化する電気化学的粗面化処理などがあ 。

 次いで、前記平版印刷版支持体を陽極酸 処理し、必要に応じて珪酸ナトリウム溶液 よる親水化処理を施した後、粗面化面に製 層形成液を塗布して嵌装させ、感光性、感 性、または光重合性の製版層を形成し、平 印刷版ウェブとする。

 得られた平版印刷版ウェブを所定の寸法 裁断、切断して平版印刷版とする。

1.実施例1、比較例1
(実施例1)

 溶解炉として純アルミニウム材専用溶解 を用い、廃平版印刷版を一辺50cm程度の細片 に裁断したもの16トンと純アルミニウムの新 3トンとを投入して650℃~750℃で溶解した。 記純アルミニウム材専用溶解炉としては、 容量が20トンであり、オープンウェル型直火 加熱方式炉を用いた。

 投入した廃平版印刷版のうち、未使用平 印刷版と使用済み平版印刷版との重量割合 1:1であった。なお、未使用平版印刷版とし は、平版印刷版製造工程で生じる切断屑を い、使用済み平版印刷版としては、顧客か 回収した製版、印刷後の平版印刷版を用い 。

 得られた再生地金(以下、「再生地金1」 する)の微量成分の含有量は、以下の表1の通 りであった。

(比較例1)

 溶解炉として同じ内容量20トンの直火加 型であるが、Al-Mn系合金の製造に使用した溶 解炉を、純アルミニウムで内部を洗浄するこ となく使用した以外は、実施例1と同様に実 した。

 得られた再生地金(以下、「再生地金2」 する)の微量成分の含有量は、表1の通りであ った。

 表1から明らかなように、純アルミニウム 材専用溶解炉を用いた再生地金1の方が、Al-Mn 系合金の製造に使用した溶解炉を、純アルミ ニウムで内部を洗浄することなく用いた再生 地金2に比較してSi、Fe、Cu、Mnの何れについて も含有量が少ないことが判る。

2.実施例2、比較例2
 平版印刷版の代表的なグレードであるグレ ドAおよびBに使用されている支持体、およ 新地金(純アルミニウム)の微量元素の成分比 を以下の表2に示す。

 表Iおよび表2から判るように、グレードAお びBの支持体においては、Siの含有量は夫々0 .08重量%および0.07重量%であるから、何れも実 施例1に係る再生地金1のSi含有量0.08重量%と同 じか少ない。

 また、Feの含有量は、グレードAおよびBの 支持体においては、夫々0.27重量%および0.31重 量%であるから、グレードAの支持体において 、実施例1に係る再生地金1よりもFe含有量が 少ない。

 そこで、再生地金1および2を夫々新地金 希釈し、微量成分としてSi、Fe、Cu、およびMn を追加してグレードBの平版印刷版の支持体 使用するための地金を調整した。このとき 再生地金と新地金との重量比率、および微 成分添加量を表3に示す。なお、再生地金の 率は、Si,Fe、Cu、Mnの何れも添加量が正であ ことを条件としたときの最大の比率を示す

 表3から明らかなように、たとえばグレード Bの平版印刷版の支持体用地金を調製する際 、再生地金1の場合は、新地金35重量%に対し 65重量%使用できたのに対し、再生地金2の場 合は、新地金95重量%に対して5重量%しか使用 きなかった。

 このように、本発明の再生地金は、たと ばAl-Mn系合金の製造に使用した溶解炉をそ まま使用して調製した再生地金に比較してSi 、Fe、Cu、Mnの何れも含有量が少ないから、再 生地金と新地金とから平版印刷版支持体用の 地金を調製する際に、後者の再生地金に比較 して新地金に対する再生地金の添加割合を増 大させることができる。したがって高価な新 地金を節約できる。

3.実施例3
 実施例1において、廃平版印刷版の平均サイ ズを0.5cm角から100cm角の範囲で変化させて1ト 当たりの溶解時間、および再生地金の再生 率を測定した。なお、再生収率は、投入し 廃平版印刷版に対する得られた再生地金の 量%として定義される。結果を表4に示す。

 表4に示すように、1トン当たり溶解時間は 廃平版印刷版の平均サイズが0.5cm角および1cm 角と小さなものでは30~40分であり、2cm角~60cm では50~60分であった。しかし、100cm角では120 と長かった。一方、再生収率は、廃平版印 版の平均サイズが0.5cm角のときは80%であり 1cm角のときは92%であった。そして2cm角のと は95%であったが、30cm角~100cm角のときは96%で った。

 したがって、1トン当たりの溶解時間と再 生収率とのバランスを卿慮すると、廃平版印 刷版の平均サイズは2cm角~60cm角の範囲が好ま いことが判る。

4.実施例4
 廃平版印刷版として未使用平版印刷版を用 、感光層、合紙、内装材、粘着テープ(以下 、「感光層、合紙等」という。)の重量割合 変化させたときの再生収率を調べた。結果 表5に示す。

 表5から明らかなように、感光層、合紙等の 割合が1重量%以下のとき、再生収率は95~96%で ったが、感光層、合紙等の割合が2重量%の き、再生収率は90%であり、2.5重量%のときは8 5%、5重量%のときは81%であった。

 この結果から、感光層、合紙等の混入量 1重量%以下が好ましいことが判る。

5.実施例5
 実施例1において、溶湯温度を650℃~760℃の 囲で変化させて1トン当たりの溶解時間、お び再生地金の再生収率を測定した。結果を 6に示す。

 溶湯温度を650℃、680℃、750℃、760℃と変化 せると、1トン当たり溶解時間は200分、70分 60分、40分と短縮し、地金の再生収率は96%、 96%、96%、92%と変化した。

 上記の結果から、溶湯温度が650℃のとき 溶解時間が長すぎ、溶湯温度が760℃のとき 溶湯中のアルミニウムが酸化する故に地金 再生収率が低下する。

 したがって、溶湯温度は680~750℃の範囲が 好ましいことが判る。

6.実施例6
 溶解炉として、内容量20トンの直火加熱型 あって、Siを含まない耐火煉瓦で内張りした Siフリー炉を用いた。

 前記Siフリー炉に、先ず、純アルミニウ の鋳塊を投入して溶解し、投入した純アル ニウムを取り出して湯洗いすることを1~2回 り返した。

 次いで、廃平版印刷版を前記Siフリー炉 1回につき10トンずつ追い注ぎをして再生地 を製造した。溶湯温度は680℃~750℃とした。

 これを特許第3420817号公報の[0017]~[0021]欄 よび表Iに示す実施例-4と比較した。前記特 掲載公報の実施例-4においても廃平版印刷版 の混入率は100%であるが、Siフリー炉でない通 常の溶解炉を用いた。溶解炉の純アルミニウ ム洗浄を行うことなく、前記溶解炉に廃平版 印刷版を投入して溶解し、ガスによる溶湯処 理と濾過とを行ってから鋳造して再生地金と した。結果を表7に示す。

 表7に示すように、通常の溶解炉を用い、純 アルミニウムによる洗浄を行わない場合に比 較して本実施例では物測回数が少なくて済み 、再生収率は高く、溶解作業時間が大幅に短 縮できることが判る。