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Title:
METHOD OF REMOVING SIZING AGENT, AND YARN, FIBER BODY AND PREPREG
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/044492
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of removing a sizing agent that accomplishes continuous removing of sizing agent within a short period of time while minimizing any damage on fiber bundle (yarn) and ensures easy realization by simple construction, thereby excelling in practical utility. The method of removing a sizing agent is one for removal of sizing agent adhering to yarn (1) obtained by collecting multiple fiber filaments, or a fiber body obtained by weaving weft and warp yarns resulting from collection of multiple fiber filaments, or a fiber body obtained by unidirectional draw arrangement of yarns resulting from collection of multiple fiber filaments, comprising allowing continuous passage of the yarn (1) or fiber body through solvent (2) capable of dissolving the sizing agent under generation of bubbles (3) so as to attain removal of the sizing agent from the yarn (1) or fiber body.

Inventors:
ASANO YUKIO (JP)
IMAI KAZUNARI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074810
Publication Date:
April 09, 2009
Filing Date:
December 25, 2007
Export Citation:
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Assignee:
ARISAWA SEISAKUSHO KK (JP)
ASANO YUKIO (JP)
IMAI KAZUNARI (JP)
International Classes:
D06L1/20
Foreign References:
JPH0340863A1991-02-21
JPH05331761A1993-12-14
JP2007092207A2007-04-12
JP2000027069A2000-01-25
Attorney, Agent or Firm:
YOSHII, Takeshi et al. (Nagaoka-shi Niigata, 61, JP)
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Claims:
 複数の繊維フィラメントを収束した糸、複数の繊維フィラメントを収束した経糸と緯糸とを織成して成る繊維体若しくは複数の繊維フィラメントを収束した糸を一方向に引き揃えて成る繊維体に付着したサイジング剤を除去するサイジング剤の除去方法であって、前記糸若しくは前記繊維体を前記サイジング剤が溶解可能な溶媒に気泡を発生させながら連続的に通過せしめることで、前記糸若しくは前記繊維体から前記サイジング剤を除去することを特徴とするサイジング剤の除去方法。
 請求項1記載のサイジング剤の除去方法において、前記気泡は少なくとも前記溶媒にして前記糸若しくは前記繊維体が通過する領域に発生させることを特徴とするサイジング剤の除去方法。
 請求項2記載のサイジング剤の除去方法において、前記溶媒が入った容器内に、前記糸若しくは前記繊維体の搬送方向と交差する方向に長さ方向を向けて気泡発生部を配設し、この気泡発生部から発生する気泡により前記溶媒に気泡を発生させることを特徴とするサイジング剤の除去方法。
 請求項3記載のサイジング剤の除去方法において、前記糸若しくは前記繊維体の搬送幅より広い範囲に前記気泡を生じるように前記気泡発生部の長さ及び配設方向を設定することを特徴とするサイジング剤の除去方法。
 請求項4記載のサイジング剤の除去方法において、前記気泡発生部は、送出圧力が124.5Paのとき通気度が500~10000cc/cm 2 /secとなるものであることを特徴とするサイジング剤の除去方法。
 請求項5記載のサイジング剤の除去方法において、前記気泡発生部は、直径0.5~50mmの気泡を発生するものであることを特徴とするサイジング剤の除去方法。
 請求項6記載のサイジング剤の除去方法において、前記気泡発生部への送出圧力を0.02~0.2MPaに設定したことを特徴とするサイジング剤の除去方法。
 請求項7記載のサイジング剤の除去方法において、前記気泡発生部として平織構造の織物から成る袋状体が採用されていることを特徴とするサイジング剤の除去方法。
 請求項8記載のサイジング剤の除去方法において、前記糸若しくは前記繊維体の搬送速度を1~10m/minに設定したことを特徴とするサイジング剤の除去方法。
 請求項9記載のサイジング剤の除去方法において、前記糸若しくは前記繊維体を前記溶媒に一回通過させることでサイジング剤量を0.8wt%以下とすることを特徴とするサイジング剤の除去方法。
 請求項1~10いずれか1項に記載のサイジング剤の除去方法において、前記繊維フィラメントは炭素繊維フィラメントであることを特徴とするサイジング剤の除去方法。
 請求項1~10いずれか1項に記載のサイジング剤の除去方法を用いてサイジング剤が除去されたことを特徴とする糸。
 請求項11記載のサイジング剤の除去方法を用いてサイジング剤が除去されたことを特徴とする糸。
 請求項1~10いずれか1項に記載のサイジング剤の除去方法を用いてサイジング剤が除去されたことを特徴とする繊維体。
 請求項11記載のサイジング剤の除去方法を用いてサイジング剤が除去されたことを特徴とする繊維体。
 請求項1~10いずれか1項に記載のサイジング剤の除去方法を用いてサイジング剤が除去された前記糸若しくは前記繊維体から成ることを特徴とするプリプレグ。
 請求項11記載のサイジング剤の除去方法を用いてサイジング剤が除去された前記糸若しくは前記繊維体から成ることを特徴とするプリプレグ。
Description:
サイジング剤の除去方法並びに ,繊維体及びプリプレグ

 本発明は、サイジング剤の除去方法並び 糸,繊維体及びプリプレグに関するものであ る。

 複数の炭素繊維フィラメントを収束剤で 束した炭素繊維フィラメントの束(以下、繊 維束または単に糸という。)を経糸及び緯糸 して織成して成る織成繊維体(炭素繊維織物) や、上記糸を一方向に引き揃えて成る一方向 繊維体は、樹脂を均一に含浸せしめてプリプ レグとし、このプリプレグを複数重ねて硬化 成形して複合材料とすることにより、軽量且 つ高強度を発現することから、特に炭素繊維 織物から成る複合材料は航空機材料分野や車 両分野などで幅広く利用されている。

 ところで、上記繊維体に含浸せしめられ 樹脂としては、良好な耐熱性及び機械的特 が得られることから、エポキシ樹脂が用い れることが多い。

 このため、市販の一般的な炭素繊維束に 、エポキシ基と良好な接着性を持つ例えば ポキシ系化合物や水溶性ポリマーなどの有 物がサイジング剤として塗布されている(即 ち、繊維メーカーからサイジング剤が塗布さ れていない若しくはエポキシ樹脂以外の樹脂 と接着性が良好なサイジング剤が塗布された 炭素繊維束を入手することは困難である。)

 従って、上記繊維体に含浸せしめられる 脂としてエポキシ樹脂以外の樹脂、例えば ビニルエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂 ポリイミド樹脂などを用いると、炭素繊維 に塗布されているエポキシ樹脂用のサイジ グ剤と接着性が低下し、必要な強度が得ら なかったり、また、エポキシ樹脂よりも高 耐熱性を有する熱硬化性樹脂を用いると、 分な熱的特性及び機械的特性を得られなか たりする等、種々の不具合がある。

 そこで、上記問題点を解決する方法とし 、例えば特許文献1,2に開示されるような方 でサイジング剤を除去することが提案され いる。

 特許文献1には、サイジング剤を超臨界若 しくは亜臨界の流体(水)を用いて高い割合で 素繊維のサイジング剤を除去する方法が開 されている。

 また、特許文献2には、サイジング剤を加 熱することで除去する方法が開示されている 。

特開2002-180369号公報

特公平7-32511号公報

 しかしながら、上記特許文献1に開示され る方法でサイジング剤の除去を行う場合、確 かに高い割合でサイジング剤を除去すること が可能であるが、高温(350~450℃)且つ高圧力(20 ~35MPa)の処理が必要で、高温高圧処理による 維へのダメージは無視できず、また、特殊 高価な設備が必要となりコスト高となるこ は避けられないため、それだけ量産性が悪 、現実的でない。

 また、上記特許文献2に開示される方法で サイジング剤の除去を行う場合、高温(400℃ 上)且つ長時間(30分以上)の処理が必要で、繊 維が焼けてしまい、更に、その後洗浄工程が 別途必要となるため、特許文献1同様量産性 悪く、やはり現実的でない。

 本発明は、上述のような現状に鑑みなさ たもので、繊維束(糸)へのダメージを抑制 つつ、短時間で連続的にサイジング剤を除 でき、しかも、簡易な構成で容易に実現可 な極めて実用性に秀れたサイジング剤の除 方法を提供するものである。

 添付図面を参照して本発明の要旨を説明 る。

 複数の繊維フィラメントを収束した糸1、 複数の繊維フィラメントを収束した経糸と緯 糸とを織成して成る繊維体若しくは複数の繊 維フィラメントを収束した糸を一方向に引き 揃えて成る繊維体に付着したサイジング剤を 除去するサイジング剤の除去方法であって、 前記糸1若しくは前記繊維体を前記サイジン 剤が溶解可能な溶媒2に気泡3を発生させなが ら連続的に通過せしめることで、前記糸1若 くは前記繊維体から前記サイジング剤を除 することを特徴とするサイジング剤の除去 法に係るものである。

 また、請求項1記載のサイジング剤の除去 方法において、前記気泡3は少なくとも前記 媒2にして前記糸1若しくは前記繊維体が通過 する領域に発生させることを特徴とするサイ ジング剤の除去方法に係るものである。

 また、請求項2記載のサイジング剤の除去 方法において、前記溶媒2が入った容器4内に 前記糸1若しくは前記繊維体の搬送方向と交 差する方向に長さ方向を向けて気泡発生部5 配設し、この気泡発生部5から発生する気泡3 により前記溶媒2に気泡3を発生させることを 徴とするサイジング剤の除去方法に係るも である。

 また、請求項3記載のサイジング剤の除去 方法において、前記糸1若しくは前記繊維体 搬送幅より広い範囲に前記気泡3を生じるよ に前記気泡発生部5の長さ及び配設方向を設 定することを特徴とするサイジング剤の除去 方法に係るものである。

 また、請求項4記載のサイジング剤の除去方 法において、前記気泡発生部5は、送出圧力 124.5Paのとき通気度が500~10000cc/cm 2 /secとなるものであることを特徴とするサイ ング剤の除去方法に係るものである。

 また、請求項5記載のサイジング剤の除去 方法において、前記気泡発生部5は、直径0.5~5 0mmの気泡3を発生するものであることを特徴 するサイジング剤の除去方法に係るもので る。

 また、請求項6記載のサイジング剤の除去 方法において、前記気泡発生部5への送出圧 を0.02~0.2MPaに設定したことを特徴とするサイ ジング剤の除去方法に係るものである。

 また、請求項7記載のサイジング剤の除去 方法において、前記気泡発生部5として平織 造の織物から成る袋状体6が採用されている とを特徴とするサイジング剤の除去方法に るものである。

 また、請求項8記載のサイジング剤の除去 方法において、前記糸1若しくは前記繊維体 搬送速度を1~10m/minに設定したことを特徴と るサイジング剤の除去方法に係るものであ 。

 また、請求項9記載のサイジング剤の除去 方法において、前記糸1若しくは前記繊維体 前記溶媒2に一回通過させることでサイジン 剤量を0.8wt%以下とすることを特徴とするサ ジング剤の除去方法に係るものである。

 また、請求項1~10いずれか1項に記載のサ ジング剤の除去方法において、前記繊維フ ラメントは炭素繊維フィラメントであるこ を特徴とするサイジング剤の除去方法に係 ものである。

 また、請求項1~10いずれか1項に記載のサ ジング剤の除去方法を用いてサイジング剤 除去されたことを特徴とする糸に係るもの ある。

 また、請求項11記載のサイジング剤の除 方法を用いてサイジング剤が除去されたこ を特徴とする糸に係るものである。

 また、請求項1~10いずれか1項に記載のサ ジング剤の除去方法を用いてサイジング剤 除去されたことを特徴とする繊維体に係る のである。

 また、請求項11記載のサイジング剤の除 方法を用いてサイジング剤が除去されたこ を特徴とする繊維体に係るものである。

 また、請求項1~10いずれか1項に記載のサ ジング剤の除去方法を用いてサイジング剤 除去された前記糸1若しくは前記繊維体から ることを特徴とするプリプレグに係るもの ある。

 また、請求項11記載のサイジング剤の除 方法を用いてサイジング剤が除去された前 糸1若しくは前記繊維体から成ることを特徴 するプリプレグに係るものである。

 本発明は上述のようにしたから、繊維束( 糸)へのダメージを抑制しつつ、短時間で連 的にサイジング剤を除去でき、しかも、簡 な構成で容易に実現可能な極めて実用性に れたサイジング剤の除去方法となる。

 好適と考える本発明の実施形態を、図面 基づいて本発明の作用を示して簡単に説明 る。

 サイジング剤が溶解可能な溶媒2に糸1若 くは繊維体を連続的に通過せしめることで この糸1若しくは繊維体からサイジング剤を 去する。この除去の際、溶媒2に気泡3を発 させておくことで、気泡3により溶媒2を振動 させて溶媒2を波立たせると、糸1若しくは繊 体のサイジング剤と溶媒2との接触速度(接 量)が増加し、それだけ効率的にサイジング を除去することが可能となる。

 また、溶媒2によりサイジング剤を溶解せ しめるため、特許文献1に開示されるような 温高圧処理や特許文献2に開示されるような 温での長時間処理は不要であり、それだけ 1に損傷を与え難く、この糸1若しくは繊維 から成るプリプレグ及び複合材料は良好な 度発現を示すものとなる。

 また、単に気泡3を発生させた溶媒2中を 過させるだけでサイジング剤を除去できる め、連続的に糸1若しくは繊維体を搬送通過 しめることで簡易な構成で簡単に連続的な イジング剤の除去が可能となり、極めて量 性に秀れることになる。

 また、複合材料用途で、特に高耐熱性樹 で硬化温度が250℃以上の場合、残存するサ ジング剤の分解量が低減され、複合材料の 性能化を図ることができる。

 また、サイジング剤除去後の炭素繊維束 付着するサイジング剤量を任意にコントロ ルできることになり、目的のプリプレグ及 複合材料に合ったサイジング剤量に容易に 定可能となる。

 本発明の具体的な実施例について図面に づいて説明する。

 本実施例は、複数の繊維フィラメントを 束した糸1に付着したサイジング剤を除去す るサイジング剤の除去方法であって、前記糸 1を前記サイジング剤が溶解可能な溶媒2に気 3を発生させながら連続的に通過せしめるこ とで、前記糸1から前記サイジング剤を除去 るものである。

 具体的には、図1に図示したように、多数 のボビン11を備えたボビンスタンド12から夫 引き出した糸1(炭素繊維束)を、溶媒2として MEK(メチルエチルケトン)をためた容器4内に 過せしめ、溶媒2に浸漬してサイジング剤を 除去した糸1を加熱乾燥する第一乾燥部13及び 第二乾燥部14を通過させた後、夫々を巻取ロ ル15に巻き取る構成のサイジング剤除去装 を用いて前記糸1からサイジング剤を除去す 。尚、図中、符号16は糸をガイドするガイ ロール、17はプーラー、18は弛み調整ロール ある。

 尚、本実施例においては、糸1を溶媒2に 過せしめることで糸1に付着したサイジング を除去しているが、サイジング剤が付着し ままの糸を用いて経糸と緯糸とを織成して る織成繊維体若しくは糸を一方向に引き揃 て成る一方向繊維体を構成し、この繊維体 巻回ロールに巻回してこの巻回ロールから き出して上記糸1同様に溶媒2を通過せしめ 繊維体(を構成する糸)からサイジング剤を除 去するように構成しても良い。

 また、溶媒2としては、アセトン等、他の 有機溶剤を採用しても良い。また、乾燥部13 14としては例えば加熱板を搬送される糸1の 下に対向状態に設けた構成などが採用でき が、加熱乾燥に限らず、搬送される糸1にエ アーを吹き付ける構成など、糸1を乾燥させ ものであれば種々のものを採用できる。ま 、繊維フィラメントとしては、炭素繊維の 、アラミド繊維など他の繊維フィラメント 採用しても良い。

 各部を具体的に説明する。

 本実施例においては、気泡3を少なくとも 溶媒2中の糸1が通過する領域に発生させ得る うに、容器4内にして糸1の搬送方向と交差 る方向に長さ方向を向けて気泡発生部5を配 し、この気泡発生部5から発生する気泡3に り前記溶媒2に気泡3を発生させている。

 また、本実施例の気泡発生部5は、直径0.5 ~50mmの気泡3を発生させるように構成されてい る。0.5mm未満であると気泡が細か過ぎて炭素 維束内部までの気泡の浸透がなく洗浄効果 少なくなり、50mmを超えると気泡が大き過ぎ てやはり炭素繊維束内部まで気泡の浸透がな く洗浄効果が少なくなる。特に1~10mmに設定す るのが好ましい。

 また、気泡発生部5における気泡3の送出 力は0.02~0.2MPaに設定されている。0.02MPa未満 あるとサイジング剤除去効果が少なくなっ しまい、0.2MPaを超えると溶媒2中で糸1が踊る ことで毛羽立ってしまう。

 気泡発生部5としては、図2に図示したよう 、平織構造の綿織物から成るホース状の袋 体6(繊維体)が採用されている。この袋状体6 、送出圧力が124.5PaのときJIS L 1096 A法(フ ジール形法)による通気度が500~10000cc/cm 2 /secとなるように構成されている。このよう 袋状体6は、適宜経糸6aと緯糸6bとの隙間の大 きさ(目粗さ)を調整することで、直径0.5~50mm 気泡3を発生させたり、送出圧力が124.5Paのと き気泡発生量を500~10000cc/cm 2 /secと設定したりすることを容易に行え、更 、0.02~0.2MPa程度の送出圧力にも耐え得る構成 となる。尚、通気度が500cc/cm 2 /sec未満であると繊維体が緻密過ぎ適性な大 さの気泡を発生させることができなくなり 10000cc/cm 2 /secを超えると繊維体の隙間が大きく繊維体 空気入り口から長さ方向に対し、均一に気 を発生させることができなくなる。

 この気泡発生部5としての袋状体6の一端 にはホース7を介してコンプレッサ21が接続 れ、このコンプレッサ21からエアー(空気)が 送される。

 上記構成の気泡発生部5は、容器4内に配 されるガイドロール16に掛け回され、溶媒2 の最も深い位置を通過する糸1の下方位置に この糸1の搬送方向と直交する方向に長さ方 向を向けて配設されている。従って、溶媒2 浸漬される糸1の浸漬開始位置から浸漬終了 置に至るまで糸1の周囲に満遍なく気泡3が 在し、効率的にサイジング剤を除去できる

 また、気泡発生部5としての袋状体6(溶媒2 中に設けられる気泡3を放出可能な部分)の全 が、少なくとも多数の糸1の搬送幅A(搬送さ る多数の糸1にして糸1の搬送方向に対して も右側の糸1と最も左側の糸1との距離)より く(上記繊維体の場合は繊維体の幅より長く) なるように設定されている。従って、全ての 糸1(若しくは繊維体全体)の周囲に気泡3を可 的に均一に生ぜしめることが可能となる。

 本実施例においては、容器4として高さ170 mm・幅300mm・奥行き500mmのものが採用されてい る。具体的には、容器4は、仕切り20により気 泡3を発生させサイジング剤を除去する処理 4aと、この処理部4aから溶媒2の一部を取り出 し貯留しておく貯留部4bとに分けられている この貯留部4bに貯留された溶媒2は、エアー ンプにより取出路22を介して溶剤チャージ ンク19へ送られ、この溶剤チャージタンク19 ら送出路23を介して処理部4aへと循環せしめ られる。

 また、気泡発生部5としては全長450mm・幅6 0mmのものが採用されている。また、気泡発生 部5は糸1から10~100mm程度離して設けると良く 50mm程度が特に好ましい。この場合、容器4中 の溶媒2全体に満遍なく気泡3を発生させるこ が可能となる。

 尚、気泡発生部5は糸1の搬送方向と直交 向でなく傾斜方向に長さ方向を向けて配設 ても良く、この場合は、傾斜した状態で糸1 搬送幅Aをカバーできるように糸1の搬送方 と直交方向に長さ方向を向けて配設する場 より全長をやや長めに設定すると良い。ま 、気泡発生部5は1つに限らず、糸1の搬送方 に沿って複数並設しても良い。

 本実施例は、糸1の搬送速度が1~10m/minとな るようにプーラー17の回転速度が設定されて る。1m/min未満だと速度が遅く連続生産性に け、10m/minを超えると速度が速く適当な洗浄 効果が得られなくなる。3m/minに設定すると特 に好ましい。

 本実施例は上述のようにしたから、サイ ング剤を溶解可能な溶媒2に糸1を連続的に 過せしめることで、この糸1からサイジング を除去する際、溶媒2に気泡3を発生させて くことで、気泡3により溶媒2を振動させて溶 媒2を波立たせることで、糸1のサイジング剤 溶媒2との接触速度(接触量)が増加し、それ け効率的にサイジング剤を除去することが 能となる。

 また、溶媒2によりサイジング剤を溶解せ しめるため、特許文献1に開示されるような 温高圧処理や特許文献2に開示されるような 温での長時間処理は不要であり、それだけ 1に損傷を与え難く、この糸1から成る繊維 を用いて作製したプリプレグ及び複合材料 良好な強度発現を示すものとなる。

 また、単に気泡3を発生させた溶媒2中を 過させるだけでサイジング剤を除去できる め、連続的に糸1を搬送通過せしめることで 易な構成で簡単に連続的なサイジング剤の 去が可能となり、極めて量産性に秀れる。

 また、複合材料用途で、特に高耐熱性樹 で硬化温度が250℃以上の場合、残存するサ ジング剤の分解量が低減され、複合材料と ての高性能化が図れる。

 また、サイジング剤除去後の炭素繊維束 付着するサイジング剤量を任意にコントロ ルできるため、目的のプリプレグ及び複合 料に合ったサイジング剤量に容易に設定で る。

 例えば、サイジング剤を除去していない 処理の炭素繊維束(糸)に付着するサイジン 剤量は通常1.6wt%程度であるが、本実施例の 合には容器4を一回通過させるだけで、0.8wt% 下とすることができる。

 よって、本実施例は、繊維束(糸)へのダ ージを抑制しつつ、短時間で連続的にサイ ング剤を除去でき、しかも、簡易な構成で 易に実現可能な極めて実用性に秀れたもの なる。

 本実施例の効果を裏付ける実験例につい 説明する。

 サイジング剤が1.6wt%付着する糸から上述 本実施例に係る装置を用いてサイジング剤 除去する際、上記糸の搬送速度、袋状体(繊 維体)の通気度及び袋状体への空気の送出圧 を図3に図示したように変化させて、残存す サイジング剤量(残サイズ量)を夫々測定し 。実施例1,2はいずれの数値も本実施例の数 範囲内とし、比較例1,2は通気度を本実施例 数値範囲から逸脱させている。

 図3より、実施例1,2の方がサイジング剤を 良好に除去できることが確認できた。また、 実施例1と実施例2との比較より、搬送速度が い方がサイジング剤を一層良好に除去でき ことが確認できた。

本実施例の概略説明図である。 本実施例の袋状体の拡大概略説明図で る。 実験条件及び実験結果を示す表である




 
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