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Title:
METHOD FOR REPLACING INTERLAYER IONS OF HYDROTALCITE-LIKE SUBSTANCE, REGENERATING METHOD, AND APPARATUS FOR REPLACING INTERLAYER IONS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/066461
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for replacing interlayer ions that can efficiently replace interlayer anions of a hydrotalcite-like substance. Also disclosed is an apparatus for replacing interlayer ions. In the method, the amount of cations, which are chemically reactive with at least any one of interlayer anions and anions for replacement, is regulated to facilitate the desorption of the interlayer anions adsorbed on a hydrotalcite-like substance in a solution, or to facilitate the adsorption of the anions for replacement on the hydrotalcite-like substance, and the interlayer anions are replaced with the anions for replacement.

Inventors:
ASAKURA TAKEO (JP)
OHNO MUTSUHIRO (JP)
KAJIMOTO TAKASHI (JP)
SUGIYAMA SYUHEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003416
Publication Date:
May 28, 2009
Filing Date:
November 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JAPAN DEV & CONSTRUCTION (JP)
ASAKURA TAKEO (JP)
OHNO MUTSUHIRO (JP)
KAJIMOTO TAKASHI (JP)
SUGIYAMA SYUHEI (JP)
International Classes:
B01J41/02; C01F7/785; B01J49/00; C02F1/42
Domestic Patent References:
WO2005087664A12005-09-22
Foreign References:
JP2007031189A2007-02-08
JP2000024658A2000-01-25
JP2002210376A2002-07-30
JPH06219732A1994-08-09
JP2003026418A2003-01-29
Other References:
"Junkangata Shakai ni Taio shita Yukisei Haikibutsu no Shigenka Shori System no Kaihatsu Kenkyu Yoshishu, 2000", February 2001, JAPAN WASTE RESEARCH FOUNDATION, article YOSHIAKI KISO: "Shinyo Shori Process ni Okeru Rin Kaishu System no Kaihatsu ni Kansuru Kenkyu", pages: 181 - 188, XP008142305
See also references of EP 2218504A4
Attorney, Agent or Firm:
OKUDA, Noritsugu (YurigaokaMoriya-shi, Ibaraki 10, JP)
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Claims:
 ハイドロタルサイト様物質の層間陰イオンを、置換用陰イオンを含む溶液中で置換する層間イオン置換方法であって、
 前記溶液中において、前記層間陰イオンと化学反応をする陽イオンの量を増加させる陽イオン調節工程を有することを特徴とする層間イオン置換方法。
 ハイドロタルサイト様物質の層間陰イオンを、置換用陰イオンを含む溶液中で置換する層間イオン置換方法であって、
 前記溶液中において、前記置換用陰イオンと化学反応をする陽イオンの量を減少させる陽イオン調節工程を有することを特徴とする層間イオン置換方法。
 ハイドロタルサイト様物質の層間陰イオンを、置換用陰イオンを含む溶液中で置換する層間イオン置換方法であって、
 前記溶液中において、前記層間陰イオンの脱離量が高くなるように、前記層間陰イオン及び前記置換用陰イオンの両方と化学反応をする陽イオンの量を調節する陽イオン調節工程を有することを特徴とする層間イオン置換方法。
 前記ハイドロタルサイト様物質は、結晶子のサイズが20nm以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の層間イオン置換方法。
 前記陽イオンは、水素イオンであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の層間イオン置換方法。
 前記置換用陰イオンは、前記層間陰イオンよりハイドロタルサイト様物質との親和性が高いものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の層間イオン置換方法。
 前記置換用陰イオンは、炭酸イオン又は塩化物イオンであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の層間イオン置換方法。
 前記ハイドロタルサイト様物質は、前記層間陰イオンを吸着させてから置換用陰イオンと置換させるまでの間、湿潤状態を保持することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の層間イオン置換方法。
 ハイドロタルサイト様物質の層間陰イオンを置換用陰イオンと置換し、ハイドロタルサイト様物質を再生する再生方法であって、
 請求項1ないし3のいずれかに記載の層間イオン置換方法を用いて前記ハイドロタルサイト様物質の層間陰イオンを炭酸イオンと置換した後、pHが3以上7以下の塩化ナトリウム溶液中で前記炭酸イオンを塩化物イオンと置換することを特徴とするハイドロタルサイト様物質の再生方法。
 ハイドロタルサイト様物質の層間陰イオンを、pHが3以上7以下の塩化ナトリウム溶液中で塩化物イオンと置換することを特徴とするハイドロタルサイト様物質の再生方法。
 溶液中でハイドロタルサイト様物質の層間陰イオンを置換用陰イオンと置換する層間イオン置換装置であって、
 少なくとも前記層間陰イオンおよび前記置換用陰イオンのいずれかと化学反応をする陽イオンの量を調節する陽イオン調節手段を具備することを特徴とする層間イオン置換装置。
 前記陽イオン調節手段は、水素イオン濃度を調整するものであることを特徴とする請求項11記載の層間イオン置換装置。
Description:
ハイドロタルサイト様物質の層 イオン置換方法、再生方法および層間イオ 置換装置

 この発明は、ハイドロタルサイト様物質 層間イオン置換方法および層間イオン置換 置に関するものである。

 ハイドロタルサイト様物質は、マグネシ ム、アルミニウムなど、天然に豊富に存在 る元素の水酸化物を主骨格としており、そ 合成も比較的簡単に行うことができること ら、種々の合成方法が開示されている。例 ば、マグネシウム源として水酸化マグネシ ムを用い、水溶媒中でハイドロタルサイト 製造する方法(例えば、特許文献1参照)やア カリの存在下、水溶液中でマグネシウムイ ンとアルミニウムイオンとを反応させる方 (例えば、特許文献2参照)等が開示されてい 。

 また、ハイドロタルサイトは陰イオン交 作用を有していることが知られている。そ て、この陰イオン交換作用によって、ヒ素 フッ素、ホウ素、セレン、六価クロム、亜 酸イオン、その他の陰イオン系の有害物質 固定化すれば、廃棄物の安全性向上技術、 害化環境改善技術において、汚染水の水質 善、有害物質の溶出防止、土壌改良、廃棄 処分場での有害物質の安定化促進等に寄与 きるものと期待される。

 一方、有害物質を固定化したハイドロタ サイト様物質は、固定化した有害物質を選 的に脱離させたり、有害物質を脱離させた のハイドロタルサイト様物質をリサイクル て使用する必要があり、ハイドロタルサイ 様物質に固定化された有害物質である層間 イオンを置換用陰イオンと置換する必要が る。

 ここで、従来は、固定化した有害物質で る層間陰イオンよりハイドロタルサイト様 質との親和性が高い置換用陰イオンを供給 るか、あるいは、親和性が低くても、置換 陰イオンを大量に含む溶液中に置くことに り置換を行っていた。

特開平6-329410号公報

特開2003-26418号公報

 しかしながら、従来の方法では、ハイド タルサイト様物質に取り込んだ有害物質を 離させるのが困難であるか、あるいは、脱 させるのに多くの時間やコストを要してい 。

 そこで本発明は、ハイドロタルサイト様 質の層間陰イオンを効率良く置換すること できる層間イオン置換方法および層間イオ 置換装置を提供することを目的とする。

 従来は、ハイドロタルサイト様物質の層 陰イオンを置換用陰イオンと置換する際に ハイドロタルサイト用物質と陰イオンの親 力のみを考慮していた。しかしながら、本 明者等は、ハイドロタルサイト用物質と陰 オンの親和力のみを考慮するだけでは不十 であり、少なくとも層間陰イオンおよび置 用陰イオンのいずれかと化学反応をする陽 オンの量を調節して、ハイドロタルサイト 物質に吸着されている層間陰イオンが溶液 に脱離し易い状態にするか、あるいは、置 用陰イオンがハイドロタルサイト様物質に 着され易い状態にする必要があることを見 した。

 すなわち、本発明の層間イオン置換方法 、ハイドロタルサイト様物質の層間陰イオ を、置換用陰イオンを含む溶液中で置換す 層間イオン置換方法であって、前記溶液中 おいて、前記層間陰イオンと化学反応をす 陽イオンの量を増加させる陽イオン調節工 を有することを特徴とする。

 また、本発明の別の層間イオン置換方法 、ハイドロタルサイト様物質の層間陰イオ を、置換用陰イオンを含む溶液中で置換す 層間イオン置換方法であって、前記溶液中 おいて、前記置換用陰イオンと化学反応を る陽イオンの量を減少させる陽イオン調節 程を有することを特徴とする。

 また、本発明の更に別の層間イオン置換 法は、ハイドロタルサイト様物質の層間陰 オンを、置換用陰イオンを含む溶液中で置 する層間イオン置換方法であって、前記溶 中において、前記層間陰イオンの脱離量が くなるように、前記層間陰イオン及び前記 換用陰イオンの両方と化学反応をする陽イ ンの量を調節する陽イオン調節工程を有す ことを特徴とする。

 これらの場合、前記ハイドロタルサイト 物質は、結晶子のサイズが20nm以下であるも のに好適に利用できる。また、前記陽イオン としては、水素イオンを用いることができる 。また、前記置換用陰イオンは、前記層間陰 イオンよりハイドロタルサイト様物質との親 和性が高いものである方が好ましい。当該置 換用陰イオンとしては、炭酸イオン又は塩化 物イオンを用いることができる。また、前記 ハイドロタルサイト様物質は、前記層間陰イ オンを吸着させてから置換用陰イオンと置換 させるまでの間、湿潤状態を保持する方が好 ましい。

 また、本発明の再生方法は、ハイドロタ サイト様物質の層間陰イオンを置換用陰イ ンと置換し、ハイドロタルサイト様物質を 生する再生方法であって、前記層間イオン 換方法を用いてハイドロタルサイト様物質 層間陰イオンを炭酸イオンと置換した後、p Hが3以上7以下の塩化ナトリウム溶液中で炭酸 イオンを塩化物イオンと置換することを特徴 とする。

 また、本発明の別の再生方法は、ハイド タルサイト様物質の層間陰イオンを、pHが3 上7以下の塩化ナトリウム溶液中で前記層間 陰イオンと置換することを特徴とする。

 また、本発明の層間イオン置換装置は、 液中でハイドロタルサイト様物質の層間陰 オンを置換用陰イオンと置換する層間イオ 置換装置であって、少なくとも前記層間陰 オンおよび前記置換用陰イオンのいずれか 化学反応をする陽イオンの量を調節する陽 オン調節手段を具備することを特徴とする

 この場合、前記陽イオン調節手段は、水 イオン濃度を調整するものとすることがで る。

 少なくとも層間陰イオンおよび置換用陰 オンのいずれかと化学反応をする陽イオン 量を調節し、ハイドロタルサイト用物質に 着されている層間陰イオンが溶液中に脱離 易い状態又は置換用陰イオンがハイドロタ サイト様物質に吸着され易い状態にするの 、層間陰イオンの脱離率(ハイドロタルサイ ト様物質が吸着している脱離前の層間陰イオ ンの量に対する脱離した層間陰イオンの量の 割合)を向上することができる。

pHとホウ素の形態との関係を示すグラ である。 pHと炭酸イオンの形態との関係を示す ラフである。 本発明の再生方法の一例を示すフロー ャートである。

 以下に、本発明の層間イオン置換方法に いて説明する。

 本発明の層間イオン置換方法は、溶液中 ハイドロタルサイト様物質の層間陰イオン 他の陰イオンと置換する層間イオン置換方 であって、少なくとも前記層間陰イオンお び前記置換用陰イオンのいずれかと化学反 をする陽イオンの量を、前記層間陰イオン 脱離率(ハイドロタルサイト様物質が吸着し ている脱離前の層間陰イオンの量に対する脱 離した層間陰イオンの量の割合)が高くなる うに調節する陽イオン調節工程を有するも である。

 ここでハイドロタルサイト様物質とは、不 比化合物の一種で、化学式がM 2+ 1-x M 3+ x (OH) 2 (A n- ) x/n ・mH 2 Oで表される層状複水酸化物である。M 2+ は2価の金属を表し、Mg 2+ 、Fe 2+ 、Zn 2+ 、Ca 2+ 、Li 2+ 、Ni 2+ 、Co 2+ 、Cu 2+ 等が該当する。M 3+ は3価の金属を表し、Al 3+ 、Fe 3+ 、Mn 3+ 等が該当する。また、A n- はアニオンを表す(nはアニオンの価数)。なお 、xは0以上1以下の数値を示し、一般的なハイ ドロタルサイト様物質は0.25≦x≦0.33である。

 層間陰イオンとは、ハイドロタルサイト 物質が吸着又は固定している陰イオンを意 し、1種類の場合もあれば、複数種類の場合 もある。

 また、置換用陰イオンとは、本発明の層間 オン置換方法により、ハイドロタルサイト 物質の層間陰イオンと置換するための陰イ ンを意味する。置換用陰イオンとしては、 イドロタルサイト様物質と親和性を有する のが用いられ、例えば、炭酸イオン(CO 3 2- )や塩化物イオン(Cl - )等を用いることができる。なお、置換用陰 オンは、層間陰イオンよりハイドロタルサ ト様物質との親和性が高い方が好ましく、 えば、炭酸イオン等を好適に用いることが きる。なお、置換用陰イオンは1種類に限ら るものではなく、複数種類を用いても良い

 陽イオン調節工程は、ハイドロタルサイ 用物質に吸着されている層間陰イオンが溶 中に脱離し易い状態にするか、あるいは置 用陰イオンがハイドロタルサイト様物質に 着され易い状態にするために、少なくとも 間陰イオンおよび置換用陰イオンのいずれ と化学反応をする陽イオンの量を調節する のである。この場合、陽イオンは1種類に限 られるものではなく、複数種類を用いても良 い。

 ハイドロタルサイト用物質に吸着されてい 層間陰イオンが溶液中に脱離し易い状態に るためには、ハイドロタルサイト様物質を む溶液中において、層間陰イオンと化学反 をする陽イオンの量を増加させれば良い。 えば、溶液中におけるH 3 BO 3 とB(OH) 4 - とは、陽イオンである水素イオンの量によっ て、図1に示すような平衡関係にある。した って、ハイドロタルサイト様物質の層間にB( OH) 4 - が吸着されている場合には、水素イオン濃度 が高くなるように調節すれば、ホウ素はB(OH) 4 - よりもH 3 BO 3 の方が存在し易くなるため、ハイドロタルサ イト様物質に吸着されているB(OH) 4 - が脱離し易い状態となる。また、溶液中にお けるH 2 CO 3 、HCO 3 - およびCO 3 2- は、陽イオンである水素イオンの量によって 、図2に示すような平衡関係にある。したが て、ハイドロタルサイト様物質の層間にCO 3 2- が吸着されている場合には、水素イオン濃度 が高くなるように調節すれば、CO 3 2- よりもH 2 CO 3 の方が存在し易くなるため、ハイドロタルサ イト様物質に吸着されている層間陰イオンで あるCO 3 2- が脱離し易い状態となる。

 また、置換用陰イオンがハイドロタルサイ 様物質に吸着され易い状態にするためには ハイドロタルサイト様物質を含む溶液中に いて、置換用陰イオンの存在量が多くなる うに、前記置換用陰イオンと化学反応をす 陽イオンの量を減少させれば良い。例えば 溶液中におけるH 2 CO 3 、HCO 3 - およびCO 3 2- は、上述したように、陽イオンである水素イ オンの量によって、図2に示すような平衡関 にある。したがって、水素イオン濃度が低 なるように調節すると、H 2 CO 3 よりHCO 3 - の方が存在し易くなり、更に水素イオン濃度 が低くなるとHCO 3 - よりCO 3 2- の方が存在し易くなるため、置換用イオンで あるHCO 3 - やCO 3 2- は増加し、ハイドロタルサイト様物質に吸着 され易い状態となる。なお、陽イオンを減少 させるには、陽イオンと反応する陰イオンを 供給すれば良い。

 なお、陽イオンが層間陰イオンおよび置 用陰イオンの両方と化学反応するものであ 場合には、前記層間陰イオンの脱離率が最 高くなるように調節すれば良い。

 このように層間陰イオンを置換用陰イオン 置換したハイドロタルサイト様物質は、更 その置換用陰イオンを塩化物イオンと置換 て、塩素型のハイドロタルサイト様物質に 生することができる。例えば、上述した層 イオン置換方法を用いてハイドロタルサイ 様物質の層間陰イオンを炭酸イオンと置換 た場合には、塩化ナトリウム溶液中で当該 酸イオンを塩化物イオンと置換することで 素型のハイドロタルサイト様物質を再生産 ることができる。この際、層間陰イオンで る炭酸イオンは、上述したように、陽イオ である水素イオンの量によって、図2に示す ような平衡関係にある。したがって、pHを下 ると、CO 3 2- よりもH 2 CO 3 の方が存在し易くなるため、炭酸イオンの脱 利率を向上することができる。ただし、pHを げ過ぎるとハイドロタルサイト様物質が溶 してしまうため、pHを3~7、好ましくは3~5、 に好ましくは3~4にするのが良い。

 なお、置換用陰イオンとして塩化物イオ を用いれば、層間陰イオンの置換と同時に 素型のハイドロタルサイト様物質を再生産 ることができる点で好ましい。

 次に、結晶子サイズが20nm以下であるハイ ドロタルサイト様物質にホウ素、フッ素、ヒ 素、クロム、硫酸イオン等が吸着されている 場合の再生方法の一例について図3のフロー ャートを用いて説明する。

(ステップ1)
 ハイドロタルサイトに種々の物質を吸着さ た後、当該ハイドロタルサイト様物質を湿 状態で回収する。
(ステップ2)
 吸着した物質がホウ素又はヒ素のみである 合にはステップ6に進み、吸着した物質が各 種混在している場合には、ステップ3に進む
(ステップ3)
 回収したハイドロタルサイト様物質を炭酸 オン溶液と混合する。炭酸イオン溶液とし は、Na 2 CO 3 溶液や炭酸ガスを溶解した溶液等を用いるこ とができる。
(ステップ4)
 ハイドロタルサイト様物質が吸着した物質 ホウ素主体である場合にはpHを7付近に調整 て撹拌し、吸着した物質が各種混在してい 場合には、pHを未調整のまま、あるいはpHを 11~12に調整して撹拌する。
(ステップ5)
 ハイドロタルサイト様物質を含む溶液を固 分離した後、液相は高濃度で回収し再利用 るか廃棄する。固相のハイドロタルサイト 物質は蒸留水等でよく洗浄した後、再度固 分離して回収する。
(ステップ6)
 ハイドロタルサイト様物質を塩化ナトリウ と塩酸を含む溶液と混合する。
(ステップ7)
 ハイドロタルサイト様物質を含む溶液を固 分離した後、液相は塩化ナトリウムの濃度 び塩酸によるpHの調整をし、ステップ6の溶 として再利用する。固相のハイドロタルサ ト様物質は蒸留水等でよく洗浄した後、再 固液分離して再生を終了する。

 以下に、本発明の層間イオン置換方法に いて実施例を説明するが、本発明はこれら 施例に限定されるものではない。実施例で 、ホウ素又はフッ素を吸着させたハイドロ ルサイト様物質の置換および再生を行った

[吸着サンプルの作成方法]
 ハイドロタルサイト様物質としては、結晶 サイズが20nm以下で、化学式が[Mg 5.33 Al 2.67 (OH) 16 ][Cl 2.67 ・4H 2 O]であるものを用いた。

 ハイドロタルサイト様物質へのホウ素の吸 は、次の手順で行った。
(1)特級試薬ホウ酸(H 3 BO 3 )0.114gを蒸留水1,000mlに溶解させ、ホウ素濃度 18.56mg/Lの溶液を調製する。
(2)ホウ素溶液に規定度が1NのNaOHを滴下し、溶 液のpHを9に調整した吸着用溶液を作成する。
(3)吸着用溶液に粉末状のハイドロタルサイト 様物質を1.0wt%(10g)添加し、マグネチックスタ ラーで60分攪拌する。
(4)攪拌後、固液分離し、固液分離した吸着済 ハイドロタルサイト様物質の一部を電気炉で 乾燥し、含水率を測定する。このとき、含水 率は約5.6%であった。
(5)固液分離後のろ液のホウ素濃度をICP発光分 光分析器(リガク CIROS CCD)で測定すると3.454mg /Lであったことから、ハイドロタルサイト様 質のホウ素吸着量は、1.511mg/gである。また 吸着試験で使用した粉末状ハイドロタルサ ト様物質の含水率(約5.6%)及び食塩濃度屈折 (ASONE製 IS-28E)で測定した含有塩分(NaCl:約6.0% )を考慮すると、粉末状のハイドロタルサイ 様物質1g中に含まれる純粋なハイドロタルサ イト様物質(乾燥固形分)は0.88gであることか 、純粋なハイドロタルサイト様物質1gのホウ 素吸着量は1.709mg/gである。
(6)吸着済みハイドロタルサイト様物質は湿潤 状態で密閉容器に保管し、リサイクル試験用 の試料とする。

 また、ハイドロタルサイト様物質へのフッ の吸着は、次の手順で行った。
(1)特級試薬フッ化ナトリウム(NaF)2.210gを蒸留 1,000mlに溶解させ、フッ素濃度998mg/Lの吸着 溶液を調製する(pHは未調整)。
(2)吸着用溶液に粉末ハイドロタルサイト様物 質を1.0wt%(10g)添加し、マグネチックスターラ で60分攪拌する。
(3)攪拌後、固液分離し、固液分離した吸着済 ハイドロタルサイト様物質の一部を電気炉で 乾燥し、含水率を測定する。このとき、含水 率は約5.6%であった。
(4)固液分離後のろ液のフッ素濃度をICP発光分 光分析器(リガク CIROS CCD)で測定すると405mg/L であったことから、ハイドロタルサイト様物 質のフッ素吸着量は、59.3mg/gである。また、 着試験で使用した粉末状ハイドロタルサイ 様物質の含水率(約5.6%)及び食塩濃度屈折計( ASONE製 IS-28E)で測定した含有塩分(NaCl:約6.0%) 考慮すると、粉末状のハイドロタルサイト 物質1g中に含まれる純粋なハイドロタルサイ ト様物質(乾燥固形分)は0.88gであることから 純粋なハイドロタルサイト様物質1gのフッ素 吸着量は67.1mg/gであった。
(5)吸着済みハイドロタルサイト様物質は湿潤 状態で密閉容器に保管し、リサイクル試験用 の試料とする。

[層間陰イオンの置換試験]
 上記ホウ素又はフッ素を吸着させたハイド タルサイト様物質の層間陰イオンを次の手 で置換した。
(1)蒸留水100mlに特級試薬炭酸ナトリウム(Na 2 CO 3 )をそれぞれ0.848g(CO 3 2- 換算8mmol)、1.696g(CO 3 2- 換算16mmol)溶解させた溶液を作成する。
(2)(1)で作成した溶液の一部に、規定度が1NのH Clを滴下し、pHを7に調整する。
(3)pHを7に調整した溶液と未調整(pH=11~12)の溶 に、それぞれ吸着済みのハイドロタルサイ 様物質を乾燥固形分換算で1g添加し、マグネ チックスターラーで30分攪拌する。
(4)攪拌後、固液分離し、ろ液のホウ素濃度を ICP発光分光分析器(リガク CIROS CCD )、フッ 濃度をイオン電極(東亜DKK F-2021)、pHをpH電極 で測定し、ハイドロタルサイト様物質からの ホウ素、フッ素の脱離量を算出する。
 ホウ素を吸着させたハイドロタルサイトを 換した結果を表1に、フッ素を吸着させたハ イドロタルサイト様物質を置換した結果を表 2に示す。

 表1に示すように、ホウ素はpHが低いほどハ ドロタルサイト様物質からの脱離量が多い この理由としては、図1に示すように、ホウ 素はpHが高い状態では、B(OH) 4 - としての存在量が多いためハイドロタルサイ ト様物質に吸着され易いが、pHが低い状態で H 3 BO 3 としての存在量が増加するためハイドロタル サイト様物質から脱離し易い状態になるため であると考えられる。

 一方、表2に示すように、フッ素はpHが高い どハイドロタルサイト様物質からの脱離量 多い。これは、pHが高いほど置換用陰イオ であるCO 3 2- の存在量が増加するためフッ素イオンがハイ ドロタルサイト様物質から脱離し易い状態に なるためであると考えられる。

 また、実施例1でホウ素を吸着させたハイ ドロタルサイト様物質およびフッ素を吸着さ せたハイドロタルサイト様物質をそれぞれ乾 燥炉で24時間乾燥し、粉末状のハイドロタル イト様物質としたものについて、実施例1と 同様に、層間陰イオンの置換試験を行った。 ホウ素を吸着させたハイドロタルサイトを置 換した結果を表3に、フッ素を吸着させたハ ドロタルサイト様物質を置換した結果を表4 示す。

 表1と表3、表2と表4を比較すると、フッ素 やホウ素を吸着させたハイドロタルサイト様 物質を一度乾燥させると、層間陰イオンの脱 離率が大きく下がっている。したがって、ハ イドロタルサイト様物質は、陰イオンを吸着 させてから層間陰イオンを置換するまでの間 、乾燥させることなく湿潤状態に維持する方 が好ましい。

[再生・再吸着試験]
 次に、塩素型から炭酸型に置換されたハイ ロタルサイト様物質を、次の手順で、再度 素型のハイドロタルサイト様物質に再生し ホウ素とフッ素の再吸着試験を行った。
(1)蒸留水100mlに特級試薬塩化ナトリウム(NaCl) それぞれ5.0g、20.0g溶解させ、塩化ナトリウ 濃度5.0%、20.0%の溶液を調製する。
(2)塩化ナトリウム溶液に規定度が1NのHClを滴 し、溶液のpHを3に調整した再生用溶液を作 する(表5参照)。
(3)(2)で作成した溶液に、炭酸型ハイドロタル サイト様物質を1.0wt%(1.0g:乾燥固形分換算)添 し、マグネチックスターラーで30分攪拌する 。
(4)攪拌中の溶液に規定度が1NのHClを滴下し、 液のpHを3.0~5.0の間に調整する。
(5)攪拌後、固液分離し回収したハイドロタル サイト様物質は蒸留水でよく洗浄し、含有す る塩化ナトリウムを除き、再度固液分離する 。
(6)回収した再生ハイドロタルサイト様物質を 100℃±5℃に設定した乾燥炉に12時間以上入れ 乾燥させ、再吸着試験用の試料とする。再 着用の試料は密閉容器に保管する。
(7)再吸着試験の方法は実施例1の[吸着サンプ の作成方法]と同様の方法で行った。その結 果を表6に示す。なお、再生率は、再生後の イドロタルサイト様物質のホウ素およびフ 素の吸着量を、実施例1のハイドロタルサイ 様物質のホウ素吸着量1.511mg/g、フッ素吸着 59.3mg/gを基準として百分率で求めた。

 表6の結果から、一度炭酸型になったハイ ドロタルサイト様物質でも、5%濃度のNaCl溶液 で塩素型のハイドロタルサイト様物質に再生 すると、ホウ素吸着能力のほぼ100%が、フッ 吸着能力の90%が再生し、20%濃度のNaCl溶液で 素型のハイドロタルサイト様物質に再生す と、ホウ素吸着能力の85%が、フッ素吸着能 のほぼ100%が再生することがわかった。

 実施例1、実施例3においては、ハイドロ ルサイト様物質を一度炭酸型にしてから塩 型に再生する場合について説明したが、本 施例においては、ホウ素を吸着したハイド タルサイト様物質の層間陰イオンの脱離と 生を同時に行う場合について説明する。

 本実施例は、ホウ素を吸着させたハイド タルサイト様物質を、pHが酸性領域にある 共に、塩化ナトリウム濃度が25.0%(CASE B-5)、5 .0%(CASE B-6)、0%(CASE B-7)である溶液中で処理し た場合と、pHがアルカリ性領域にあると共に 塩化ナトリウム濃度が25.0%(CASE B-8)、5.0%(CASE  B-9)である溶液中で処理した場合について行 った。

[吸着サンプルの作成方法]
 ハイドロタルサイト様物質としては、結晶 サイズが20nm以下で、化学式が[Mg 5.33 Al 2.67 (OH) 16 ][Cl 2.67 ・4H 2 O]であるものを用いた。

 ハイドロタルサイト様物質へのホウ素の吸 は、次の手順で行った。
(1)特級試薬ホウ酸(H 3 BO 3 )を蒸留水1,000mlに溶解させ、ホウ素濃度が19.3 mg/L(CASE5~7)及び18.9mg/L(CASE8、9)の溶液を調製す 。
(2)ホウ素溶液に規定度が1NのNaOHを滴下し、溶 液のpHを9に調整した吸着用溶液を作成する。
(3)吸着用溶液に粉末状のハイドロタルサイト 様物質を1.0wt%(10g)添加し、マグネチックスタ ラーで60分攪拌する。
(4)攪拌後、固液分離し、固液分離した吸着済 ハイドロタルサイト様物質の一部を電気炉で 乾燥し、含水率を測定する。このとき、含水 率は約5.6%であった。
(5)固液分離後のろ液のホウ素濃度をICP発光分 光分析器(リガク CIROS CCD)で測定すると3.50mg/ L(CASE B-5~B-7)、3.56mg/L(CASE B-8、B-9)であったこ から、ハイドロタルサイト様物質のホウ素 着量は、1.58mg/g(CASE B-5~B-7)、1.53mg/g(CASE B-8 B-9)である。また、吸着試験で使用した粉末 ハイドロタルサイト様物質の含水率(約5.6%) び食塩濃度屈折計(ASONE製 IS-28E)で測定した 有塩分(NaCl:約6.0%)を考慮すると、粉末状の イドロタルサイト様物質1g中に含まれる純粋 なハイドロタルサイト様物質(乾燥固形分)は0 .88gであることから、純粋なハイドロタルサ ト様物質1gのホウ素吸着量は1.787mg/g(CASE B-5~B -7)、1.730mg/g(CASE B-8、B-9)である。
(6)吸着済みハイドロタルサイト様物質は湿潤 状態の密閉容器に保管し、リサイクル試験用 の試料とする。

[層間陰イオンの置換・再生試験]
(1)蒸留水100mlに特級試薬塩化ナトリウム(NaCl) それぞれ5.0g、25.0g溶解させ、塩化ナトリウ 濃度が25.0%(CASE B-5、B-8用)の溶液を2つ、5.0%( CASE B-6、B-9用)の溶液を2つ、0%(CASE B-7用)の溶 液を1つ調製する。
(2)(1)で作成したCASE B-5~B-7用の溶液に規定度 1NのHClを滴下し、溶液のpHを3に調整した再生 用溶液を作成する。
(3)(1)及び(2)で作成した溶液に、吸着試験後の ホウ素を吸着させたハイドロタルサイト様物 質を乾燥固形分換算で1.0g(1.0wt%)添加し、マグ ネチックスターラーで30分攪拌する。
(4)攪拌中、CASE5用の溶液及びCASE6用の溶液に 規定度が1NのHClを滴下し、溶液のpHを3.0~5.0の 間に調整する。また、CASE B-7~B-9用の溶液に いては、撹拌中にHClを滴下せず、初期のpHの みによる影響を調べる。
(5)攪拌後、固液分離し、ろ液のホウ素濃度を ICP発光分光分析器(リガク CIROS CCD )、pHをpH 極で測定し、ハイドロタルサイト様物質か のホウ素の脱離量を算出する。

 ホウ素を吸着させたハイドロタルサイト 物質を置換した結果を表7に示す。

 表7に示すように、陽イオン(水素イオン) 量だけが多く、置換用陰イオン(塩化物イオ ン)がないCASE B-7や、置換用陰イオン(塩化物 オン)は多いが、陽イオン(水素イオン)が少 いCASE B-8及びCASE B-9では、ホウ素の脱離率 低い。一方、置換用陰イオン(塩化物イオン )が十分に存在すると共に、陽イオン(水素イ ン)の量を調節して層間陰イオンが脱離し易 い状況にしたCASE B-5及びCASE B-6では、ホウ素 の脱利率が100%となった。

[再吸着試験]
 上記ホウ素を脱離させて塩素型に再生した イドロタルサイト様物質(表7のCASE B-5、B-6) 用いて、次の手順でホウ素の再吸着試験を った。
(1)塩素型に再生して固液分離し回収したハイ ドロタルサイト様物質を蒸留水でよく洗浄し 、含有する塩化ナトリウムを除き、再度固液 分離する。
(2)回収した再生ハイドロタルサイト様物質を 100℃±5℃に設定した乾燥炉に12時間以上入れ 乾燥させ、再吸着試験用の試料とする。再 着用の試料は密閉容器に保管する。
(3)再吸着試験の方法は実施例1の[吸着サンプ の作成方法]と同様の方法で行った。なお、 再吸着試験様のホウ素の溶液濃度は20.5mg/Lと た。その結果を表8に示す。なお、再生率は 、再生後のハイドロタルサイト様物質のホウ 素の吸着量を、吸着前のハイドロタルサイト 様物質のホウ素吸着量1.58mg/gを基準として百 率で求めた。

 表8の結果から、ホウ素を吸着させたハイ ドロタルサイト様物質は、pHを調整した塩化 トリウム溶液により、そのホウ素吸着能力 ほぼ100%が再生されることがわかった。

 以上より、少なくとも層間陰イオンおよ 置換用陰イオンのいずれかと化学反応をす 陽イオンの量を調節することで、ハイドロ ルサイト様物質の層間陰イオンの脱離量を 加させることができ、ハイドロタルサイト 物質の再生率を向上することができた。

 次に、本発明の層間イオン置換装置につ て説明する。

 本発明の層間イオン置換装置は、溶液中 ハイドロタルサイト様物質の層間陰イオン 置換用陰イオンと置換するものであって、 イドロタルサイト様物質と置換用イオンと 混合するための混合槽と、混合槽内におい 、少なくとも層間陰イオンおよび置換用陰 オンのいずれかと化学反応をする陽イオン 量を調節するための陽イオン調節手段と、 主に構成される。

 混合槽は、混合槽内に供給される溶液と 応する物質でなければどのようなものでも く、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMM A)や塩化ビニル等の樹脂の他、金属、木材等 自由に用いることができる。

 陽イオン調節手段としては、例えば、陽 オン又は陽イオンと化学反応する陰イオン 貯留する1以上の貯留槽と、貯留槽の陽イオ ンを混合槽に供給するポンプ等の供給手段と 、ハイドロタルサイト様物質と陽イオンを十 分に混合するミキサーやマグネチックスター ラー等の混合手段とで構成すれば良い。

 例えば陽イオンが水素イオンの場合、貯 槽に酸性溶液や塩基性溶液を貯留しておき これをポンプでハイドロタルサイト様物質 所定量供給し、ミキサーでハイドロタルサ ト様物質と混合することで水素イオン濃度 調節すれば良い。

 層間イオン置換装置をこのように形成す ことにより、ハイドロタルサイト様物質の 間陰イオンの置換を好適に行うことができ 。