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Title:
METHOD FOR SIMPLY SEPARATING CARBON NANOTUBE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075293
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a method and an apparatus in which a metal-type CNT and a semiconductor-type CNT are separated by treating a gel containing CNT (a CNT-containing gel) in a dispersed and isolated state by physical separation means such as centrifugation, freezing-thawing-squeezing, diffusion, and permeation to allow the semiconductor-type CNT to exist in the gel while the metal-type CNT exists in a solution.

Inventors:
TANAKA TAKESHI (JP)
KATAURA HIROMICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072414
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
December 10, 2008
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Assignee:
NAT INST OF ADVANCED IND SCIEN (JP)
TANAKA TAKESHI (JP)
KATAURA HIROMICHI (JP)
International Classes:
C01B31/02
Domestic Patent References:
WO2006013788A12006-02-09
Foreign References:
JP2007008745A2007-01-18
JP2005095806A2005-04-14
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Claims:
 カーボンナノチューブ含有ゲルを用いて物理的分離手段により処理することによって、半導体型カーボンナノチューブをゲル中に、金属型カーボンナノチューブを溶液中に存在させて、金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離する方法。
 前記カーボンナノチューブ含有ゲルは、予め界面活性剤を用いてカーボンナノチューブを分散可溶化し、次に超音波処理を行い、カーボンナノチューブを分散・孤立化させた状態でカーボンナノチューブをゲル中に含ませたものであることを特徴とする請求項1記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離する方法。
 前記物理的分離手段により処理するは、カーボンナノチューブ含有ゲルを、遠心分離機により遠心分離し、遠心分離によりゲルから溶出した溶液中に金属型カーボンナノチューブを含む溶液画分と、遠心分離により圧縮されたゲル中に半導体型カーボンナノチューブを含むゲル画分とを得たあと、両者を分離することであることを特徴とする請求項1又は2記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離する方法。
 前記物理的分離手段により処理するは、カーボンナノチューブ含有ゲルを凍結した後、解凍して得られるゲルを圧搾し、ゲルから溶出した溶液中に金属型カーボンナノチューブ含む溶液と、圧搾されたゲル中に半導体型カーボンナノチューブを含むゲルとに分離することであることを特徴とする請求項1又は2記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離する方法。
 前記物理的分離手段により処理するは、カーボンナノチューブ含有ゲルを溶液中に浸漬し、ゲル中より溶液中に金属型カーボンナノチューブを拡散、溶出させて得られる金属型カーボンナノチューブを含む溶液と、半導体型カーボンナノチューブを含むゲルを得た後、両者を分離することであることを特徴とする請求項1又は2記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離する方法。
 前記物理的分離手段により処理するは、カーボンナノチューブ含有ゲルを凍結した後、解凍して得られるゲルを、遠心分離機により、遠心分離してゲルから溶出した溶液中に金属型カーボンナノチューブを含む溶液画分と、圧縮されたゲル中に半導体型カーボンナノチューブを含むゲル画分を得た後、両者を分離することであることを特徴とする請求項1又は2記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離する方法。
 ゲルとカーボンナノチューブ分散液とを混合して、ゲル中に半導体型カーボンナノチューブを浸み込ませ、溶液中に金属型カーボンナノチューブを濃縮させて、物理的分離手段によりカーボンナノチューブ含有ゲルから金属型カーボンナノチューブを含む溶液を取り出すことを特徴とする請求項1又は2記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブを分離する方法。
 前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤または両性界面活性剤であることを特徴とする請求項2記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離方法。
 前記陰イオン界面活性剤は、アルキル硫酸塩、ドデカンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルサルコシンナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、又はコール酸ナトリウムであることを特徴とする請求項8記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離方法。
 前記アルキル硫酸塩は、ドデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、又はテトラデシル硫酸ナトリウムであることを特徴とする請求項9記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離方法。
 前記両性界面活性剤は、n-ドデシルホスホコリンであることを特徴とする請求項8記載の金属型CNTと半導体型CNTの分離方法。
 カーボンナノチューブ含有ゲルを貯蔵する容器と、
 前記カーボンナノチューブ含有ゲルを冷却する冷却手段と、
 前記冷却されたカーボンナノチューブ含有ゲルを凍結する凍結手段と、
 前記凍結されたカーボンナノチューブ含有ゲルを解凍する解凍手段と、
 前記凍結されたカーボンナノチューブ含有ゲルを圧搾する圧搾手段と、
 を備える金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離装置。
 前記圧搾手段は、ローラーであることを特徴とする請求項11記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離装置。
 カーボンナノチューブ含有ゲルを貯蔵する容器と、
 前記カーボンナノチューブ含有ゲルを冷却する冷却手段と、
 前記冷却されたカーボンナノチューブ含有ゲルを凍結する凍結手段と、
 前記凍結されたカーボンナノチューブ含有ゲルを解凍する解凍手段と、
 前記凍結されたカーボンナノチューブ含有ゲルを溶出する溶出手段と、
 を備える金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離装置。
 前記溶出手段は、溶出液に浸すことを特徴とする請求項13記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離装置。
 カーボンナノチューブ含有ゲルを貯蔵する容器と、
 前記カーボンナノチューブ含有ゲルを冷却する冷却手段と、
 前記冷却されたカーボンナノチューブ含有ゲルを凍結する凍結手段と、
 前記凍結されたカーボンナノチューブ含有ゲルを解凍する解凍手段と、
 前記凍結されたカーボンナノチューブ含有ゲルを分離する分離手段と、
 を備える金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離装置。
 前記分離手段は、遠心分離装置であることを特徴とする請求項15記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離装置。
 前記カーボンナノチューブ含有ゲル貯蔵容器は、カーボンナノチューブ貯蔵容器とゲル化剤貯蔵容器とを供えることを特徴とする請求項11、13、15記載のいずれか1項記載の金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離装置。
Description:
カーボンナノチューブの簡便な 離法

 本発明は、金属型カーボンナノチューブ 半導体型カーボンナノチューブを含むカー ンナノチューブ(CNT)から両者を効率的に分 する方法に関する。

 CNTはその電気的特性や機械的強度など優れ 性質を持ち、究極の新素材として研究開発 精力的に行われている。このCNTは、レーザ 蒸発法、アーク放電法、及び化学気相成長 (CVD法)などの種々の方法で合成されている しかし、現状ではいずれの合成方法を用い も、金属型CNTと半導体型CNTの混合物の形態 しか得られていない。
 実使用においては、金属型又は半導体型の ずれか一方の性質のみを用いることが多い め、CNT混合物から金属型、又は半導体型のC NTのみを分離精製するための研究は、至急に 決することが迫られている重要なものであ 。

 金属型CNTと半導体型CNTを分離する報告は にあるが、いずれも産業的に金属型CNTと半 体型CNTを生産する上で問題点を含んでいる 問題点は以下のようにまとめることができ 。(1)複雑な工程を経るため自動化ができな こと、(2)長時間を要すること、(3)大量処理 できないこと、(4)高価な設備や薬品を必要 すること、(5)金属型CNTと半導体型CNTのどち か一方しか得られないこと、(6)回収率が低 こと、などである。

 例えば、界面活性剤で分散したCNTを微小 極上で誘電泳動する方法(非特許文献1)や、 媒中でアミン類を分散剤に用いる手法(非特 許文献2、3)、過酸化水素によって半導体型CNT を選択的に燃やす方法(非特許文献4)などがあ るが、これらは、前記問題点の中でも、特に 、得られる最終物質が金属型CNTのみに限定さ れ、その回収率が低いという問題点が解決さ れていない。

 半導体型CNTと金属型CNTとの混合物を液体中 分散させ、金属型CNTを粒子と選択的に結合 せ、粒子と結合した金属型CNTを除去して半 体型CNTを分離する方法(特許文献1)、CNTをニ ロニウムイオン含有溶液で処理した後、濾 および熱処理してCNTに含有する金属型CNTを 去し、半導体型CNTを得る方法(特許文献2)、 酸及び硝酸を用いる方法(特許文献3)、電界 印加してCNTを選択的に移動分離し、電気伝 率範囲を絞った半導体型CNTを得る方法(特許 文献4)などがある。
 これらは、前記問題点の中でも、特に、得 れる最終物質が半導体型CNTのみに限定され その回収率が低いという問題点が解決され いない。

 界面活性剤で分散したCNTを、密度勾配超 心分離法により、金属型CNTと半導体型CNTに 離する方法がある(非特許文献5)。この方法 は超遠心分離機という非常に高価な機器を いること、超遠心分離操作が長時間を要す こと、超遠心分離機自体の大型化は限界が り、並列して超遠心分離機を複数設置する ととなり、自動化などの処理が難しいこと いった問題点があった。

 核酸分子に結合されたCNTからなるCNT-核酸 複合体を製造し、イオン交換クロマトグラフ ィーにより分離する方法がある(特許文献5)。 しかし、高価な合成DNAが必要であることや、 分離精度があまり高くないため回収率や純度 が良くないといった問題点がある。

 また、界面活性剤で分散したCNT溶液のpH イオン強度を調節することで、CNTの種類に って異なる程度のプロトン化を生じさせ、 場をかけることで金属型と半導体型とを分 しようとする報告があるが(特許文献6)、こ 方法では、分離に先立って、懸濁したナノ ューブ混合物のpHやイオン強度を、強酸を用 いて前処理する工程を必要とし、またそのた めの厳密な工程管理を余儀なくされる上、最 終的には金属型と半導体型のCNTの分離は達成 されていない〔特許文献6、(0116)実施例4〕。

 又、イオン液体を用いてCNT自体をゲル化 ることが知られているが(特許文献7、特許 献8)、これらは、CNTの分散性の向上やCNTの加 工のために、CNT自体のゲルを得ることが目的 であり、この点にとどまるものである。

 前記したとおり、従来の方法は、いずれ 前記した問題点を克服できるものになって らず、新しい考え方に基づくCNTから金属型C NTと半導体型CNTを分離する方法の開発が望ま ていた。

 本発明者らは、従来の方法とは相違する新 な金属型CNT及び半導体CNT分離方法に着手し 以下の発明を完成させた(特許文献9)。その 明は、あらかじめCNTをゲル中に分散・孤立 した状態の「CNT含有ゲル」にして、このCNT 有ゲルに電場にかけてゲル電気泳動を行う 、半導体型のCNTは全く移動せず、金属型のC NTのみが移動して、半導体型CNTと金属型CNTが 離できるというものである。この方法は、 属型CNTと半導体型CNTの両方が得られる上に 高い回収率で、短時間で分離が可能で、な かつ、安価な設備で、簡便に、大量処理も 能な非常に優れたものである。
 上記手法では、CNT含有ゲルに対して電場を けるという電気的分離手段を用いて金属型C NTと半導体型CNTの分離を達成したが、電気的 離手段と異なる物理的分離手段を適用する とによって、さらに簡易な設備で、簡便な 作によって金属型CNTと半導体型CNTの分離が 能になると考え、研究を開始した。
Advanced Materials 18, (2006) 1468-1470 J. Am. Chem. Soc. 127, (2005) 10287-10290 J. Am. Chem. Soc. 128, (2006) 12239-12242 J. Phys. Chem. B 110, (2006) 25-29 Nature Nanotechnology 1, (2006) 60-65

特開2007-31238号公報

特開2005-325020号公報

特開2005-194180号公報

特開2005-104750号公報

特開2006-512276号公報

特開2005-527455号公報

特開2004-142972号公報

特開2006-282418号公報

特願2007-134274

 本発明の課題は、CNTから金属型CNTと半導 型CNTを分離する新規な方法および装置を提 することである。

 本発明者らは前記課題に取り組み、予め界 活性剤を用いてCNTを分散可溶化し、次に超 波処理を行い、CNTを分散・孤立化させた状 でCNTをゲルに含ませたCNT含有ゲルを用いて 理的分離手段により処理することによって 半導体型カーボンナノチューブをゲル中に 金属型カーボンナノチューブを溶液中に存 させて、金属型カーボンナノチューブと半 体型カーボンナノチューブを分離できるこ を見出した(図1)。ここで言う「物理的分離 段」とは、遠心分離(図1A)や凍結・解凍後に 圧搾(図1B)などの力学的負荷を与えるものに えて、拡散(図1C)や浸透(図1D)といった物質の 移動現象を利用するものや、ゲルと溶液の混 合物から溶液のみを取り出す操作も含む(図1A 、図1C、図1D)。本発明の分離原理は、金属型C NTと半導体型CNTでは界面活性剤とゲルに対す 相互作用が異なり、ゲルと相互作用の強い 導体型CNTがゲル中に、界面活性剤と相互作 の強い金属型CNTが溶液中に分離されるとい ものであると考えられる。
 「CNT含有ゲルを用いて物理的分離手段を施 て金属型CNTと半導体型CNTを分離する」こと ついて、本発明者らの知る限り、従来例は い(本発明者らによる、前記特許文献9の発 は、CNT含有ゲルに、物理的手段とは相違す 電気的手段を施して金属型CNTと半導体型CNT 分離するものである)。
 本発明はかかる新規な知見に基づいてなさ たものである。
 すなわち、この出願によれば、以下の発明 提供される。
 〈1〉CNT含有ゲルを用いて物理的分離手段に より処理することによって、半導体型CNTをゲ ル中に、金属型CNTを溶液中に存在させて、金 属型CNTと半導体型CNTを分離する方法。
 〈2〉前記CNT含有ゲルは、予め界面活性剤を 用いてCNTを分散可溶化し、次に超音波処理を 行い、CNTを分散・孤立化させた状態でCNTをゲ ル中に含ませたものであることを特徴とする 〈1〉記載の金属型CNTと半導体型CNTを分離す 方法。
 〈3〉前記物理的分離手段により処理するは 、CNT含有ゲルを、遠心分離機により遠心分離 し、遠心分離によりゲルから溶出した溶液中 に金属型CNTを含む溶液画分と、遠心分離によ り圧縮されたゲル中に半導体型CNTを含むゲル 画分とを得たあと、両者を分離することであ ることを特徴とする〈1〉又は〈2〉記載の金 型CNTと半導体型CNTを分離する方法(図1A-1)。
 〈4〉前記物理的分離手段により処理するは 、CNT含有ゲルを凍結した後、解凍して得られ るゲルを圧搾し、ゲルから溶出した溶液中に 金属型CNT含む溶液と、圧搾されたゲル中に半 導体型CNTを含むゲルとに分離することである ことを特徴とする〈1〉又は〈2〉記載の金属 CNTと半導体型CNTを分離する方法(図1B)。
 〈5〉前記物理的分離手段により処理するは 、CNT含有ゲルを溶液中に浸漬し、ゲル中より 溶液中に金属型CNTを拡散、溶出させて得られ る金属型CNTを含む溶液と、半導体型CNTを含む ゲルを得た後、両者を分離することであるこ とを特徴とする〈1〉又は〈2〉記載の金属型C NTと半導体型CNTを分離する方法(図1C)。
 〈6〉前記物理的分離手段により処理するは 、CNT含有ゲルを凍結した後、解凍して得られ るゲルを、遠心分離機により、遠心分離して ゲルから溶出した溶液中に金属型CNTを含む溶 液画分と、圧縮されたゲル中に半導体型CNTを 含むゲル画分を得た後、両者を分離すること であることを特徴とする〈1〉又は〈2〉記載 金属型CNTと半導体型CNTを分離する方法(図1A- 2)。
 〈7〉ゲルとCNT分散液とを混合して、ゲル中 に半導体型CNTを浸み込ませ、溶液中に金属型 CNTを濃縮させて、物理的分離手段によりCNT含 有ゲルから金属型CNTを含む溶液を取り出すこ とを特徴とする〈1〉又は〈2〉記載の金属型C NTと半導体型CNTを分離する方法(図1D)。
 〈8〉前記界面活性剤は、陰イオン界面活性 剤または両性界面活性剤であることを特徴と する〈2〉記載の金属型CNTと半導体型CNTの分 方法。
 〈9〉前記陰イオン界面活性剤は、アルキル 硫酸塩、ドデカンスルホン酸ナトリウム、ド デカノイルサルコシンナトリウム、ドデカン 酸ナトリウム、又はコール酸ナトリウムであ ることを特徴とする〈8〉記載の金属型CNTと 導体型CNTの分離方法。
 〈10〉前記アルキル硫酸塩は、ドデシル硫 ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、又は トラデシル硫酸ナトリウムであることを特 とする〈9〉記載の金属型CNTと半導体型CNTの 離方法。
 〈11〉前記両性界面活性剤は、n-ドデシルホ スホコリンであることを特徴とする〈8〉記 の金属型CNTと半導体型CNTの分離方法。
 〈12〉カーボンナノチューブ含有ゲルを貯 する容器と、
前記カーボンナノチューブ含有ゲルを冷却す る冷却手段と、
前記冷却されたカーボンナノチューブ含有ゲ ルを凍結する凍結手段と、
前記凍結されたカーボンナノチューブ含有ゲ ルを解凍する解凍手段と、
前記凍結されたカーボンナノチューブ含有ゲ ルを圧搾する圧搾手段と、
を備える金属型カーボンナノチューブと半導 体型カーボンナノチューブの分離装置。
 〈13〉前記圧搾手段は、ローラーであるこ を特徴とする〈12〉に記載の金属型カーボン ナノチューブと半導体型カーボンナノチュー ブの分離装置。(図19)
 〈14〉カーボンナノチューブ含有ゲルを貯 する容器と、
前記カーボンナノチューブ含有ゲルを冷却す る冷却手段と、
前記冷却されたカーボンナノチューブ含有ゲ ルを凍結する凍結手段と、
前記凍結されたカーボンナノチューブ含有ゲ ルを解凍する解凍手段と、
前記凍結されたカーボンナノチューブ含有ゲ ルを溶出する溶出手段と、
を備える金属型カーボンナノチューブと半導 体型カーボンナノチューブの分離装置。
 〈15〉前記溶出手段は、溶出液に浸すこと 特徴とする〈14〉に記載の金属型カーボンナ ノチューブと半導体型カーボンナノチューブ の分離装置。(図20)
 〈16〉カーボンナノチューブ含有ゲルを貯 する容器と、
前記カーボンナノチューブ含有ゲルを冷却す る冷却手段と、
前記冷却されたカーボンナノチューブ含有ゲ ルを凍結する凍結手段と、
前記凍結されたカーボンナノチューブ含有ゲ ルを解凍する解凍手段と、
前記凍結されたカーボンナノチューブ含有ゲ ルを分離する分離手段と、
を備える金属型カーボンナノチューブと半導 体型カーボンナノチューブの分離装置。
 〈17〉前記分離手段は、遠心分離装置であ ことを特徴とする〈16〉に記載の金属型カー ボンナノチューブと半導体型カーボンナノチ ューブの分離装置。(図21)
 〈18〉前記カーボンナノチューブ含有ゲル 蔵容器は、カーボンナノチューブ貯蔵容器 ゲル化剤貯蔵容器とを備えることを特徴と る〈12〉、〈14〉または〈16〉に記載の金属 カーボンナノチューブと半導体型カーボン ノチューブの分離装置。(図22)

 本発明によれば、CNTより金属型CNTと半導 型CNTを分離する際に分散・孤立化した状態 CNTを含むゲルを用いて物理的分離手段を施 ことにより、金属型CNTと半導体型CNTを短時 に簡便に分離することができる。前記物理 分離手段は生産規模に応じたスケールアッ も容易であるため、工業的規模で行う設備 建設することも適宜行うことができる。CNT ら金属型CNTと半導体型CNTを分離する方法と て実効性がある方法および装置ということ できる。

ゲルを用いた金属型CNTと半導体型CNTの 理的分離手段を示す図。 遠心分離法で分離したCNT(実施例1、Laser -CNT、SDS)の光吸収スペクトルを示す図。 ゲル濃度を変えて遠心分離法で分離し CNT(実施例2、Laser-CNT、SDS)の光吸収スペクト を示す図。 ゲル濃度を変えて遠心分離法で分離し CNT(実施例3、Hipco-CNT、SDS)の光吸収スペクト を示す図。 遠心分離法で分離したCNT(実施例4、Laser -CNT、STS)の光吸収スペクトルを示す図。 遠心分離法で分離したCNT(実施例5、Laser -CNT、SC)の光吸収スペクトルを示す図。 凍結圧搾法で分離したCNT(実施例6、Laser -CNT、SDS)の光吸収スペクトルを示す図。 ゲル濃度を変えて凍結圧搾法で分離し CNT(実施例7、Laser-CNT、SDS)の光吸収スペクト を示す図。 凍結圧搾法の圧搾に代えて遠心分離法 用いて分離したCNT(実施例8、Hipco-CNT、SDS)の 吸収スペクトルを示す図。 溶出法で分離したCNT(実施例9、Hipco-CNT SDS)の光吸収スペクトルを示す図。 (左)浸透法で分離したCNT(実施例10、Hipc o-CNT、SDS)の光吸収スペクトルを示す図。 (右 )浸漬法で得られたCNT含有ゲルを遠心分離法 分離したCNT(実施例10、Hipco-CNT、SDS)の光吸収 ペクトルを示す図。 遠心分離法で分離したCNT(実施例11、Arc -CNT、SDS)の光吸収スペクトルを示す図。 遠心分離法で分離したCNT(実施例12、Arc -CNT、ドデカンスルホン酸ナトリウム)の光吸 スペクトルを示す図。 遠心分離法で分離したCNT(実施例13、Arc -CNT、デシル硫酸ナトリウム)の光吸収スペク ルを示す図。 遠心分離法で分離したCNT(実施例14、Arc -CNT、テトラデシル硫酸ナトリウム)の光吸収 ペクトルを示す図。 遠心分離法で分離したCNT(実施例15、Arc -CNT、ドデカノイルサルコシンナトリウム)の 吸収スペクトルを示す図。 遠心分離法で分離したCNT(実施例16、Arc -CNT、ドデカン酸ナトリウム)の光吸収スペク ルを示す図。 遠心分離法で分離したCNT(実施例17、Arc -CNT、n-ドデシルホスホコリン)の光吸収スペ トルを示す図。 凍結圧搾法によるCNTの分離装置 凍結拡散法によるCNTの分離装置 凍結遠心法によるCNTの分離装置 凍結圧搾法によるCNTの分離装置

符号の説明

1・・分離装置
2・・試料槽
3・・ベルトコンベア
4・・冷凍器
5・・ローラー
6、7・・回収容器
8・・金属CNT溶液
9・・半導体CNT含有ゲル
10・・冷却(ゲル化)行程
11・・凍結行程
12・・解凍行程
13・・圧搾行程
14・・溶出行程
15・・遠心分離機
16・・遠心分離(脱水)行程
17・・混合弁

 本発明は、金属型CNTと半導体型CNTを含む混 物(以下単にCNTとも言う)を対象にし、金属 CNTと半導体型CNTに分離する方法である。
 分離に使用するCNTは、製造方法や形状(直径 や長さ)あるいは構造(単層、二層など)につい て問題とされることなく、いずれも本発明の 金属型CNTと半導体型CNTの分離の対象とするこ とができる。

 一般的に、CNTの構造は(n,m)と言う2つの整 の組からなるカイラル指数により一義的に 義される。本発明でいう、金属型CNTと半導 型CNTとは、カーボンナノチューブをその電 的性質から分けたものであり、金属型CNTは カイラル指数がn-m=(3の倍数)となるものであ り、半導体型CNTは、それ以外の(n-m=3の倍数で ない)ものと定義される(非特許文献6 齋藤理 郎、篠原久典 共編「カーボンナノチュー の基礎と応用」培風館、p13~22)。

[CNT分散液の調製について]
 合成されたCNTは通常、金属型CNTと半導体型C NTの両方を含む数十から数百本の束(バンドル )になっている。金属型CNTと半導体型CNTの分 に先立って、一本ずつに孤立した状態のCNT して分散可溶化して、長時間安定に存在さ ておくことが肝要である。
 そこで、金属型CNT及び半導体型CNTからなる 合物を、分散剤として界面活性剤を添加し 溶液に加え、十分に超音波処理を行うこと より、CNTを分散・孤立化させる。この分散 理を施した液には、分散・孤立化したCNTと 分散・孤立化できずにバンドルを形成した まのCNT、合成副産物であるアモルファスカ ボンや金属触媒などが含まれる。
 超音波処理後に得た分散液を遠心分離機よ 遠心分離することにより、バンドルのまま CNTやアモルファスカーボン、金属触媒は沈 し、一方、界面活性剤とミセルをなした孤 CNTは上清として回収できる。得られた上清 金属型CNTと半導体型CNTの分離に使用する試 となる。

 CNT分散液の調製に用いる溶媒としては、 が最も好ましい。この点からCNT分散液の調 には水が使用される。

 界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤 陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤及び イオン性界面活性剤のいずれもが使用でき 。
 陰イオン界面活性剤では、アルキル硫酸系 炭素数が10~14のものや、ドデカンスルホン 、ドデカノイルサルコシン、ドデカン酸、 ール酸などが好ましい。両性界面活性剤で 、n-ドデシルホスホコリンなどが好ましい。 これらの界面活性剤は混合して使用すること ができ、また、他の界面活性剤と併用するこ ともできる。併用される界面活性剤は、陰イ オン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、 両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤の他 、高分子ポリマー、DNA、タンパク質などの分 散剤でも良い。界面活性剤などの分散剤の濃 度については、使用するCNTの種類や濃度、使 用する分散剤の種類などによって異なるが、 通常、終濃度で0.01%~25%とすることができる。

 この方法により、分散液中のCNTの濃度を1 μg/ml~10mg/ml、好ましくは、0.1mg/ml~1mg/mlとする とができる。

[用いるゲルについて]
 CNT含有ゲルに使用するゲルを構成する物質 、従来公知のアガロース、アクリルアミド デンプンなどであり、これらをゲル化して られるアガロースゲル、アクリルアミドゲ 、デンプンゲルなどのゲルとして用いる。 属型CNT及び半導体CNTを含んだゲル内での挙 の差を利用するうえで、前記の物質は好ま い結果が得られるので、この点で推奨でき 。
 CNT含有ゲルのゲル濃度については、通常、 濃度で0.01%~25%とするのがよい。

 CNTをゲル中に分散させた状態の「CNT含有 ル」を調製する工程としては、CNT分散液と ガロースなどのゲルの溶解液を混合した後 冷却しゲル化する方法、ゲルあるいは乾燥 たゲルをCNT分散液に浸すことによりCNTをゲ 内に浸透させる方法、ゲルにCNT分散液を電 的に導入する方法や、CNT分散液とアクリル ミドを混合し重合開始剤の添加によりゲル する方法、などがある。CNTをゲルに導入す 方法は、これらの方法以外であっても他の 知の方法を適宜使用することができる。

 CNT含有ゲルを用いた金属型CNTと半導体型CNT 分離について
 本発明は、前記の通りCNT含有ゲルを用いて 理的分離手段により処理することにより、 属型CNTと半導体型CNTを分離する方法である

 物理的分離手段は以下の通りである。それ れの手法を適宜、組み合わせることもでき 。
 (1)遠心分離法
 [遠心分離法](図1(A)-1)
 遠心分離機を用いて、CNT含有ゲルに重力の 10 4 ~10 5 倍の遠心力を加えてゲルを圧搾し、ゲルから 溶出した溶液中に金属型CNTを含む溶液画分と 、圧縮されたゲル中に半導体型CNTを含むゲル 画分を得た後、両者を分離する方法である。
 CNT含有ゲルを遠心にかける際の遠心加速度 、状況に応じ選択すれば良いが、たとえば 10 4 ×g~10 5 ×g程度である。また、温度についても状況に 応じ選択すれば良いが、たとえば、4~30℃程 である。
 ゲルから溶出した溶液中に金属型CNTを含む 液画分と、圧縮されたゲル中に半導体型CNT 含むゲル画分とに分離する割合は、使用す ゲル濃度や遠心分離の時間や重力加速度に って異なるが、例えば、0.4%アガロースゲル を含むCNT含有ゲル0.4mlを16,000×gで遠心分離を った際には、1時間後に溶液画分が0.27mlでゲ ル画分が0.13ml、2時間後に溶液画分が0.30mlで ル画分が0.10ml、3時間後に溶液画分が0.32mlで ル画分が0.08ml程度となる結果を得ている。
 [凍結遠心法](図1(A)-2、図21)
 CNT含有ゲルを凍結した後、解凍して得られ ゲルを、遠心分離機による遠心分離を行い ゲルから溶出した溶液中に金属型CNTを含む 液画分と、圧縮されたゲル中に半導体型CNT 含むゲル画分とに分離する方法である。

 (2)凍結圧搾法(図1(B)、図19)
 CNT含有ゲルを凍結した後、解凍したゲルを 搾し、ゲルから溶出した溶液中に金属型CNT む溶液と、圧縮されたゲル中に半導体型CNT 含むゲルとに分離する方法である。
 ゲルは凍結・解凍の工程により網目構造が 化し、この状態であれば指でつまむ程度の でゲルから液体部分を絞り出すことができ 遠心分離機を用いずに、金属型CNTと半導体 CNTに分離できる。
 CNT含有ゲルを凍結・解凍する温度は具体的 は、凍結温度は-80℃~-20℃程度であり、解凍 温度は室温(15℃~25℃)程度である。
 圧搾は、凍結解凍したゲルをラップなどに り出して、直接力を押しつけて搾ったり、 合によっては、指でつまんで搾ったり、又 、容器のまま遠心分離機にかけて遠心力に り圧搾することができる。
 ゲルから溶出した金属型CNTを含む溶液と、 縮された半導体型CNTを含むゲルの割合は、 用するゲル濃度などの条件により異なるが 容積比で3:1程度のものが得られる。

 (3)拡散法
 [拡散法(図1(C)-1)]
 CNT含有ゲルを溶液中に浸漬し、ゲル中より 液中に金属型CNTを拡散、溶出させることが きるので、この特性利用して金属型CNTを含 溶液と半導体型CNTを含むゲルとに分離する 法である。
 溶出の過程で、分散しているCNTが凝集を起 さないように、溶出液中に界面活性剤を添 することができる。
 CNT含有ゲルと溶液の割合は、CNTの濃度など よって異なるが、たとえば、等量から10倍 程度である。
 溶出にかかる時間は、使用するゲルの濃度 大きさによって異なるが、例えば30分から20 時間程度である。
 [凍結拡散法(図1(C)-2)、図20]
 CNT含有ゲルを凍結した後、解凍して得られ ゲルを、溶液中に浸漬し、ゲル中より溶液 に金属型CNTを拡散、溶出させることができ ので、この特性利用して金属型CNTを含む溶 と半導体型CNTを含むゲルとに分離する方法 ある。

 (4)浸透法
 ゲルを、CNT分散液に浸漬することにより、 導体型CNTをゲル中に選択的に取り込んだゲ と、残された金属型CNTを含む分散液とを得 後、両者を分離することにより金属型CNTと 導体型CNTを分離するものである(図1D)。
 半導体型CNTをゲル中に選択的に取り込む浸 の過程で、分散しているCNTが凝集を起こさ いように、ゲル中に界面活性剤を添加する とができる。
 ゲルの濃度や組成などはCNT含有ゲルの組成 らCNTを除いたものと同等のものでよい。
 ゲルとCNT分散液の割合は、等量から10倍量 度である。
 浸透にかかる時間は、使用するゲルの濃度 大きさによって異なるが、例えば30分から20 時間程度である。

 金属型CNTと半導体型CNTの比率を見積もるた に紫外-可視-近赤外光吸収スペクトル測定 利用する。
 レーザー蒸発法で合成したCNT(Laser-CNT、直径 1.2±0.1nm)を用いた時の結果を例として説明す (図2)。M1と呼ばれる吸収波長帯(およそ500-700 nm)は金属型CNTによるものである。S1(およそ105 0nm以上)、S2(およそ700-1050nm)とS3(およそ500nm以 )という3つ吸収波長帯は、半導体型CNTによ ものである。ここでは、M1とS2のピークの大 さの比率から金属型CNTと導体型CNTの比率を 積もる。測定するCNTの平均直径によって吸 波長帯(M1、S1、S2、S3)は変化する。平均直径 が細くなるにつれて短波長側に、平均直径が 太くなるにつれて長波長側にシフトしていく 。

 以下、本発明を実施例により詳細に説明 るが、本発明がこれに制限されるものでは い。

 レーザー蒸発法で合成したCNT(Laser-CNT)を試 に用いて、遠心分離法により金属型CNTと半 体型CNTの分離を行った。
[Laser-CNTの調製]
 平均粒径5ミクロンの高純度グラファイト粉 末に、ニッケル酸化物およびコバルト酸化物 の粉末をモル濃度比それぞれ0.6%ずつ混合し 均一に混ぜ合わせたものを、フェノール樹 でロッド状に整形固化させ、それを1200℃で2 時間、不活性ガス中で焼結したものをターゲ ットとした。このターゲットをアルゴンガス 760Torrの雰囲気を満たした石英管中に置き、 ルゴンガスを毎分100cc程度流しながら、石英 管全体を1050℃まで加熱した。ターゲット表 に450mJ/pulseのNd:YAGレーザー光を照射し、炭素 およびニッケルおよびコバルトを蒸発させた 。これらが電気炉内で凝集し形成された単層 カーボンナノチューブが石英管内に付着した ものを回収し、原料試料とした。
 原料試料を、過酸化水素濃度15%の水に分散 、100℃で2時間環流し、その後塩酸で触媒金 属を除去し、精製されたLaser-CNT(直径1.2±0.1nm) を得た。
[CNT分散液の調製]
 0.6mgのLaser-CNTに、2%SDS水溶液(2ml)を加えた。 の溶液をチップ型超音波破砕機(VP-15、タイ ック社製、チップ先端径:3mm)を用いて、超 波処理した。
 その際、容器は冷水中で冷却しながら、出 2で、0.7秒onの状態、0.3秒offの状態を繰り返 行い、合計5.7時間(合計on時間、4時間)の条 で行った。
 超音波処理よって得られた分散液を、遠心 離(16,000×g、15時間、25℃)にかけた後、上清 回収した。この溶液には、界面活性剤によ て孤立分散しているCNTが多く含まれる。
[分散CNT含有ゲルの調製]
 1.4%低融点アガロースを含む2倍濃度のTB緩衝 液(50mMトリスヒドロキシメチルアミノメタン 48.5mMホウ酸(pH8.2))を電子レンジで完全に溶 したものと、上記のCNT分散液をそれぞれ等 (0.2ml)ずつマイクロチューブ(容量1.5ml)中で手 早く混合した(アガロースの終濃度は0.7%)。混 合液がゲル化するまで室温で30分程度放置冷 した。固まってゲル化させることにより、C NT含有ゲルを得た。得られたCNT含有ゲルは、C NTがゲル中に孤立分散した状態となっている
[遠心分離によるCNT含有ゲルからの金属型CNT 溶出]
 上記で得られたCNT含有ゲルを遠心分離機に ける(16,000×g、3時間、25℃)。遠心分離によ て、ゲルが圧縮されマイクロチューブの底 に集まり、上部には溶液が溶出した。遠心 の上部溶液は青みを帯びた灰色であった。 の青灰色は金属型のLaser-CNTに特徴的な色で る。
[光吸収スペクトル測定]
 回収した、上部溶液とゲルはともに、2%SDS 液(又は、純水)で1mlにあわせ、ゲルについて は湯せんで溶かした後に、紫外可視近赤外分 光光度計(島津 SolidSpec-3700)を使用して光吸収 スペクトルを測定した。
 遠心分離法により分離したCNTの光吸収スペ トル測定の結果を図2に示した。分離前、ゲ ル画分、溶液画分の各スペクトルをそれぞれ 縦軸方向にずらして表示している。
 分離前のCNT分散液のスペクトルの半導体型C NTの吸収(S2)と金属型CNTの吸収(M1)の比率に比 、分離後の溶液画分のスペクトルでは金属 CNTのM1の割合が顕著に増加しており、金属型 CNTの分離が確認できた。逆に、ゲルの画分で は半導体型CNTの吸収(S2)の割合が増加してお 、半導体型CNTの分離が確認できた。
 以上の結果は、本手法を用いると非常に簡 に金属型CNT及び半導体型CNTを分離回収でき ことを明確に示している。

 ゲル濃度を変化させ、遠心分離法により金 型CNTと半導体型CNTの分離を行った。
 実施例1のCNT含有ゲルのアガロースの終濃度 (0.7%)を0.1~0.8%の間で変化させる以外は同様の 順で実験を行った。
 ゲル濃度を変えて遠心分離法で分離したCNT 光吸収スペクトル測定の結果を図3に示した 。溶液画分の結果を左、ゲル画分の結果を右 に示し、それぞれ異なるゲル濃度のスペクト ルを重ねて表示している。
 溶液画分の結果を見てみると、分離前のCNT 散液のスペクトル(点線)と比べて、ゲル濃 が高くなるにしたがって、金属型CNTの吸収(M 1)が増加し、半導体型CNTの吸収(S2)が減少して いた。一方、ゲル画分の結果は、ゲル濃度が 低くなるにしたがって半導体型CNTの吸収(S2) 割合が増加していた。
 以上の結果は、適当なゲル濃度を設定すれ 、金属型CNTと半導体型CNTをそれぞれ高い純 で分離回収できることを示している。

 Hipco-CNT(CNI社、化学気相成長法で合成された CNT、直径1.0±0.3nm)を試料に用いて、ゲル濃度 変化させ、遠心分離法により金属型CNTと半 体型CNTの分離を行った。
 実施例1と同様の実験を、CNTとしてLaser-CNTの 代わりにHipco-CNTを用い、CNT含有ゲルのアガロ ースの終濃度(0.7%)を0.05~1.0%の間で変化させる 以外は同様の手順で実験を行った。
 ゲル濃度を変えて遠心分離法で分離したCNT 光吸収スペクトル測定の結果を図4に示す。 溶液画分の結果を左、ゲル画分の結果を右に 示し、それぞれ異なるゲル濃度のスペクトル を重ねて表示している。
 溶液画分の結果を見てみると、分離前のCNT 散液のスペクトル(点線)と比べて、ゲル濃 が高くなるにしたがって、金属型CNTの吸収(M 1)が増加し、半導体型CNTの吸収(S2)が減少して いた。一方、ゲル画分の結果は、ゲル濃度が 低くなるにしたがって半導体型CNTの吸収(S2) 割合が増加していた。
 以上の結果は、Laser-CNTだけでなくHipco-CNTを いたときでも、非常に簡便に金属型CNTと半 体型CNTを分離できるうえに、適当なゲル濃 を設定すれば、金属型CNTと半導体型CNTをそ ぞれ高い純度で分離回収できることを示し いる。

 試料にLaser-CNTを、界面活性剤にテトラデシ 硫酸ナトリウム(STS)を用いて、遠心分離法 より金属型CNTと半導体型CNTの分離を行った
 実施例1と同様の実験を、界面活性剤には2%S DSの代わりに2%STSを用い、CNT含有ゲルのアガ ースの終濃度を0.4%とする以外は同様の手順 実験を行った。
 遠心分離法で分離したCNTの光吸収スペクト 測定の結果を図5に示す。分離前、ゲル画分 、溶液画分のスペクトルをそれぞれ縦軸方向 にずらして表示している。
 分離前のCNT分散液のスペクトルの半導体型C NTの吸収(S2)と金属型CNTの吸収(M1)の比率に比 、分離後の溶液画分のスペクトルでは金属 CNTのM1の割合が顕著に増加していた。逆にゲ ルの画分では半導体型CNT吸収(S2)の割合が増 していた。以上の結果は、STSを用いたとき も、非常に簡便に金属型・半導体型CNTを分 回収できることを明確に示している。

 試料にLaser-CNTを、界面活性剤にコール酸ナ リウム(SC)を用いて、遠心分離法により金属 型・半導体型分離を行った。
 実施例1と同様の実験を、界面活性剤に、2%S DSの代わりに4%SCを用い、CNT含有ゲルのアガロ ースの終濃度を0.4%とする以外は同様の手順 実験を行った。
 遠心分離法で分離したCNTの光吸収スペクト 測定の結果を図6に示す。分離前、ゲル画分 、溶液画分のスペクトルをそれぞれ縦軸方向 にずらして表示している。
 分離前のCNT分散液のスペクトルの半導体型C NTの吸収(S2)と金属型CNTの吸収(M1)の比率に比 、分離後の溶液画分のスペクトルでは金属 CNTのM1の割合が顕著に増加していた。逆にゲ ルの画分では半導体型CNT吸収(S2)の割合が増 していた。
 以上の結果は、SCを用いたときでも、非常 簡便に金属型・半導体型CNTを分離回収でき ことを明確に示している。

 Laser-CNTを試料に用いて、凍結圧搾法により 属型CNTと半導体型CNTの分離を行った。
 実施例1と同様の実験を、CNT含有ゲルから金 属型CNTを溶出させる際に遠心分離を用いずに 凍結-解凍-圧搾を行い、CNT含有ゲルのアガロ スの終濃度を0.4%とする以外は同様の手順で 実験を行った。
 凍結-解凍-圧搾の詳細な手順を以下に示す
 調製したCNT含有ゲルを容器のまま-20℃で凍 した後、室温に戻し解凍した。解凍後のゲ をラップに取り出し、圧搾して出てきた溶 を回収して溶液画分とし、残った固形成分 ゲル画分とした。
 凍結圧搾法で分離したCNTの光吸収スペクト 測定の結果を図7に示す。分離前、ゲル画分 、溶液画分のスペクトルをそれぞれ縦軸方向 にずらして表示している。
 分離前のCNT分散液のスペクトルの半導体型C NTの吸収(S2)と金属型CNTの吸収(M1)の比率に比 、分離後の溶液画分のスペクトルでは金属 CNTのM1の割合が顕著に増加していた。逆にゲ ルの画分では半導体型CNTの吸収(S2)の割合が 加していた。
 以上の結果は、遠心分離機による遠心分離 行うことなく、冷凍-解凍-圧搾することに って、CNT含有ゲルから非常に簡便に金属型CN Tと半導体型CNTを分離回収できることを示し いる。

 ゲル濃度を変化させ、凍結圧搾法により金 型CNTと半導体型CNTの分離を行った。
 実施例6のCNT含有ゲルのアガロースの終濃度 (0.4%)を0.1~0.7%の間で変化させる以外は同様の 順で実験を行った。
 ゲル濃度を変えて凍結圧搾法で分離したCNT 光吸収スペクトル測定の結果を図8に示す。 溶液画分の結果を左、ゲル画分の結果を右に 示し、それぞれ異なるゲル濃度のスペクトル を重ねて表示している。
 溶液画分の結果を見てみると、分離前のCNT 散液のスペクトル(点線)と比べて、ゲル濃 が高くなるにしたがって、金属型CNTの吸収(M 1)が増加し、半導体型CNTの吸収(S2)が減少して いた。一方、ゲル画分の結果は、ゲル濃度が 低くなるにしたがって半導体型CNTの吸収(S2) 割合が増加していた。
 以上の結果は、凍結圧搾法においても適当 ゲル濃度を設定すれば金属型CNTと半導体型C NTをそれぞれ高い純度で分離回収できること 示している。

 凍結圧搾法の圧搾操作の代わりに遠心分離 行い金属型CNTと半導体型CNTの分離を行った (凍結遠心法)
 実施例6と同様の実験を、CNTとしてLaser-CNTの 代わりにHipco-CNTを用い、凍結-解凍後の圧搾 工程の代わりに遠心分離を行う以外は同様 手順で実験を行った。
 遠心分離の条件は、16,000×g、3時間、25℃で ったが、途中、遠心15分後に一度、遠心分 を止めて、上清を回収したところ、凍結-解 の工程を経ず直接CNT含有ゲルを遠心分離す 通常の遠心分離法で3時間遠心したのと同量 以上の上清を回収することができた。
 凍結圧搾法の圧搾の代わりに遠心分離を用 て分離した溶液画分、ゲル画分の光吸収ス クトルを測定した結果が図9である。それぞ れのスペクトルを重ねて表示している。
 分離前のCNT分散液のスペクトル(点線)の半 体型CNTの吸収(S2)と金属型CNTの吸収(M1)の比率 に比べ、分離後の溶液画分のスペクトル(細 )では金属型CNTのM1の割合が増加していた。 に、分離後のゲル画分(太線)では半導体型CNT 吸収(S2)の割合が増加していた。
 以上の結果は、凍結圧搾法の凍結-解凍後の 圧搾の工程を遠心分離で行うことができるこ とを示している。これにより、凍結-解凍の 程のない遠心分離法より短時間でゲルと溶 の分離が可能となり、また、凍結圧搾法で ップを用いて圧搾する場合よりも、回収す 溶液の損失が少ないといった利点が得られ 。

 Hipco-CNTを試料に用いて、拡散法により金属 ・半導体型分離を行った。
 実施例1と同様の実験を、CNTとしてLaser-CNTの 代わりにHipco-CNTを用い、CNT含有ゲルのアガロ ースの終濃度を0.4%として、CNT含有ゲルの調 の手順までは同様に実験を行った。
 ただし、実施例1では、CNT含有ゲルをマイク ロチューブ中に調製したが、ここでは内径2.5 mmのガラス管中で固めた。固化したCNT含有ゲ はガラス管から取り出し、3mm程度の長さに 断した。小さなゲルを使用することで、ゲ の表面積を増やし、かつ、ゲル内部のCNTが 散によりゲル外に出やすくなる。
 およそ0.4ml分のCNT含有ゲル小片に溶出液(1%SD Sを含むTB緩衝液)を加え、そのまま15時間程度 静置し、CNT含有ゲル中のCNTを溶出させた。ゲ ル小片を潰さないように溶出液を回収したも のを溶液画分とした。ゲルは1%SDSを含むTB緩 液で洗浄した後、ゲル画分として回収した その後、実施例1に従い光吸収スペクトルを 定した。
 溶出法で分離したCNTの光吸収スペクトル測 の結果を図10に示した。それぞれのスペク ルを重ねて表示している。
 溶出前のCNT分散液のスペクトル(点線)の半 体型CNTの吸収(S2)と金属型CNTの吸収(M1)の比率 に比べ、溶出後の溶液画分のスペクトル(細 )では金属型CNTのM1の割合が増加していた。 に溶出後のゲル画分(太線)では半導体型CNT吸 収(S2)の割合が増加していた。
 以上の結果は、遠心分離や凍結圧搾などの 作を行わずにCNT含有ゲルを溶液に浸けてお だけで、金属型と半導体型のCNTを非常に簡 に分離できることを示している。

 Hipco-CNTを試料に用いて、浸透法により金属 CNTと半導体型CNTの分離を行い、さらに、得 れたCNT含有ゲルに遠心分離法を適用するこ により、より高純度な金属型CNTと半導体型C NTの分離を行った。
 CNTを含まないアガロースゲルをCNT分散液に 漬することによって、CNT含有ゲルを調製し 。ゲルは、0.4%アガロースと2%SDSを含むTB緩 液を電子レンジで完全に溶解したものを、 径2.5mmのガラス管中で固めた。固化したゲル はガラス管から取り出し、3mm程度の長さの小 片に切断した。小さなゲルを使用することで 、ゲルの表面積を増やし、かつ、ゲル内部ま で十分にCNTを浸透させることができるように なる。およそ0.4ml分のゲル小片に実施例1と同 様の手順でLaser-CNTの代わりにHipco-CNTを用いて 調製したCNT分散液0.4mlを加え、そのまま15時 程度静置し、CNTをゲル中に浸透させた。ゲ 小片を潰さないように溶液を回収したもの 溶液画分とした。ゲルは2%SDSを含むTB緩衝液 洗浄した後、ゲル画分として回収した。そ 後、実施例1に従い光吸収スペクトルを測定 した。測定の結果を図11(左)に示す。
 分離前(浸漬前)、ゲル画分、溶液画分のス クトルをそれぞれ重ねて表示している。浸 前のCNT分散液のスペクトル(点線)の半導体型 CNTの吸収(S2)と金属型CNTの吸収(M1)の比率に比 、浸漬後の溶液画分のスペクトル(細線)で 金属型CNTのM1の割合が増加していた。逆に、 浸漬後のゲル画分(太線)では半導体型CNT吸収( S2)の割合が増加していた。
 以上の結果は、遠心分離や凍結圧搾などの 作を行わずに、ゲルをCNT分散液に浸漬する けで、金属型と半導体型のCNTを非常に簡便 分離できることを示している。
 さらに、浸漬後のゲル(CNT含有ゲル)に遠心 離法(16,000×g、3時間、25℃)を適用することに よって分離した結果を図11(右)に示す。分離 (浸漬後ゲル)のスペクトル(点線)の半導体型C NTの吸収(S2)と金属型CNTの吸収(M1)の比率に比 、遠心後の溶液画分のスペクトル(細線)では 金属型CNTのM1の割合が増加していた。逆に、 心後のゲル画分(太線)では半導体型CNT吸収(S 2)の割合が顕著に増加していた。
 以上の結果は、浸漬によって調製したCNT含 ゲルを用いても、遠心分離法による金属型 半導体型CNTの分離が可能であることを示し いる。溶解したゲルとCNT分散液を混合-冷却 して作成するCNT含有ゲルには、遠心でゲルか ら分離することができないような不純物(バ ドルなど)が含まれるのに対し、浸漬法で作 したCNT含有ゲルにはゲル内に浸透できるも 以外は含まれないため、遠心分離後のゲル 分の半導体型CNTの純度が高いという利点が る。

 Arc-CNT(名城ナノカーボン社、アーク放電法 合成されたCNT、直径1.4±0.1nm)を試料に用いて 、遠心分離法により金属型CNTと半導体型CNTの 分離を行った。
 実施例1と同様の実験を、CNTとしてLaser-CNTの 代わりにArc-CNTを用い、CNT含有ゲルのアガロ スの終濃度を0.4%とする以外は同様の手順で 験を行った。結果を図12に示す。それぞれ スペクトルを重ねて表示している。
 溶液画分(細線)の結果を見てみると、分離 のCNT分散液のスペクトル(点線)と比べて、半 導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属型CNTの吸 収(M1)が増加していた。逆に、ゲル画分(太線) では、半導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属 型CNTの吸収(M1)が減少していた。
 以上の結果は、Laser-CNTだけでなくArc-CNTを用 いたときでも、非常に簡便に金属型CNTと半導 体型CNTを分離できることを示している。

 試料にArc-CNTを、界面活性剤にドデカンスル ホン酸ナトリウムを用いて、遠心分離法によ り金属型・半導体型分離を行った。
 実施例11と同様の実験を、界面活性剤にSDS 代わりにドデカンスルホン酸ナトリウムを いる以外は同様の手順で実験を行った。結 を図13に示す。それぞれのスペクトルを重ね て表示している。
 溶液画分(細線)の結果を見てみると、分離 のCNT分散液のスペクトル(点線)と比べて、半 導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属型CNTの吸 収(M1)が増加していた。逆に、ゲル画分(太線) では、半導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属 型CNTの吸収(M1)が減少していた。
 以上の結果は、界面活性剤にドデカンスル ン酸ナトリウムを用いたときでも、非常に 便に金属型CNTと半導体型CNTを分離できるこ を示している。

 試料にArc-CNTを、界面活性剤にデシル硫酸ナ トリウムを用いて、遠心分離法により金属型 ・半導体型分離を行った。
 実施例11と同様の実験を、界面活性剤にSDS 代わりにデシル硫酸ナトリウム(終濃度0.5%) 用いる以外は同様の手順で実験を行った。 果を図14に示す。それぞれのスペクトルを重 ねて表示している。
 溶液画分(細線)の結果を見てみると、分離 のCNT分散液のスペクトル(点線)と比べて、半 導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属型CNTの吸 収(M1)が増加していた。逆に、ゲル画分(太線) では、半導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属 型CNTの吸収(M1)が減少していた。
 以上の結果は、界面活性剤にデシル硫酸ナ リウムを用いたときでも、非常に簡便に金 型CNTと半導体型CNTを分離できることを示し いる。

 試料にArc-CNTを、界面活性剤にテトラデシル 硫酸ナトリウムを用いて、遠心分離法により 金属型・半導体型分離を行った。
 実施例11と同様の実験を、界面活性剤にSDS 代わりにテトラデシル硫酸ナトリウムを用 る以外は同様の手順で実験を行った。結果 図15に示す。それぞれのスペクトルを重ねて 表示している。
 溶液画分(細線)の結果を見てみると、分離 のCNT分散液のスペクトル(点線)と比べて、半 導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属型CNTの吸 収(M1)が増加していた。逆に、ゲル画分(太線) では、半導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属 型CNTの吸収(M1)が減少していた。
 以上の結果は、界面活性剤にテトラデシル 酸ナトリウムを用いたときでも、非常に簡 に金属型CNTと半導体型CNTを分離できること 示している。

 試料にArc-CNTを、界面活性剤にドデカノイル サルコシンナトリウムを用いて、遠心分離法 により金属型・半導体型分離を行った。
 実施例11と同様の実験を、界面活性剤にSDS 代わりにドデカノイルサルコシンナトリウ を用いる以外は同様の手順で実験を行った 結果を図16に示す。それぞれのスペクトルを 重ねて表示している。
 溶液画分(細線)の結果を見てみると、分離 のCNT分散液のスペクトル(点線)と比べて、半 導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属型CNTの吸 収(M1)が増加していた。逆に、ゲル画分(太線) では、半導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属 型CNTの吸収(M1)が減少していた。
 以上の結果は、界面活性剤にドデカノイル ルコシンナトリウムを用いたときでも、非 に簡便に金属型CNTと半導体型CNTを分離でき ことを示している。

 試料にArc-CNTを、界面活性剤にドデカン酸ナ トリウムを用いて、遠心分離法により金属型 ・半導体型分離を行った。
 実施例11と同様の実験を、界面活性剤にSDS 代わりにドデカン酸ナトリウム(終濃度0.5%) 用いる以外は同様の手順で実験を行った。 果を図17に示す。それぞれのスペクトルを重 ねて表示している。
 溶液画分(細線)の結果を見てみると、分離 のCNT分散液のスペクトル(点線)と比べて、半 導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属型CNTの吸 収(M1)が増加していた。逆に、ゲル画分(太線) では、半導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属 型CNTの吸収(M1)が減少していた。
 以上の結果は、界面活性剤にドデカン酸ナ リウムを用いたときでも、非常に簡便に金 型CNTと半導体型CNTを分離できることを示し いる。

 試料にArc-CNTを、界面活性剤にn-ドデシルホ ホコリンを用いて、遠心分離法により金属 ・半導体型分離を行った。
 実施例11と同様の実験を、界面活性剤にSDS 代わりにn-ドデシルホスホコリンを用いる以 外は同様の手順で実験を行った。結果を図18 示す。それぞれのスペクトルを重ねて表示 ている。
 溶液画分(細線)の結果を見てみると、分離 のCNT分散液のスペクトル(点線)と比べて、半 導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属型CNTの吸 収(M1)が増加していた。逆に、ゲル画分(太線) では、半導体型CNTの吸収(S2、S3)に対する金属 型CNTの吸収(M1)が減少していた。
 以上の結果は、界面活性剤にn-ドデシルホ ホコリンを用いたときでも、非常に簡便に 属型CNTと半導体型CNTを分離できることを示 ている。




 
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