Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR STERILIZATION OF SLIGHTLY DENATURED SOYBEAN PROTEIN COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026553
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a slightly denatured, sterilized soybean protein composition. The composition can be produced by sterilizing an aqueous solution of a slightly denatured soybean protein composition which has been salted to such a degree that the ionic strength becomes 0.04 or more, by heating the aqueous solution at a temperature not lower than 60˚C and lower than the denaturation temperature of a soybean protein for 30 minutes or longer.

Inventors:
KANAMORI, Jiro (Limited Tsukuba R & D Center 4-3, Kinunoda, Tsukubamirai-shi Ibaraki 36, 3002436, JP)
金森 二朗 (〒36 茨城県つくばみらい市絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社 つくば研究開発センター内 Ibaraki, 3002436, JP)
SAMOTO, Masahiko (Limited Tsukuba R & D Center 4-3, Kinunoda, Tsukubamirai-shi Ibaraki 36, 3002436, JP)
佐本 将彦 (〒36 茨城県つくばみらい市絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社 つくば研究開発センター内 Ibaraki, 3002436, JP)
Application Number:
JP2007/066580
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 27, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
FUJI OIL COMPANY, LIMITED (1-5 Nishishinsaibashi 2-chome, Chuo-ku Osaka-shi Osaka, 86, 5420086, JP)
不二製油株式会社 (〒86 大阪府大阪市中央区西心斎橋2丁目1番5号 Osaka, 5420086, JP)
KANAMORI, Jiro (Limited Tsukuba R & D Center 4-3, Kinunoda, Tsukubamirai-shi Ibaraki 36, 3002436, JP)
金森 二朗 (〒36 茨城県つくばみらい市絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社 つくば研究開発センター内 Ibaraki, 3002436, JP)
SAMOTO, Masahiko (Limited Tsukuba R & D Center 4-3, Kinunoda, Tsukubamirai-shi Ibaraki 36, 3002436, JP)
International Classes:
A23J3/16; A23J3/00
Download PDF:
Claims:
大豆蛋白質の水溶液に対し、加塩し、加熱することを特徴とする、低変性大豆蛋白質組成物の殺菌法。
加塩時のイオン強度が0.04以上である、請求項1記載の低変性大豆蛋白質組成物の殺菌法。
加熱殺菌条件が、品温60℃以上、かつ、大豆蛋白質の変性温度未満である、請求項2に記載の低変性大豆蛋白質組成物の殺菌法。
β-コングリシニンを10%以上含む大豆蛋白質組成物であり、かつ、加熱殺菌条件が、65℃未満である、請求項3に記載の低変性大豆蛋白質組成物の殺菌法。
β-コングリシニンを10%未満含む大豆蛋白質組成物であり、かつ、加熱殺菌条件が、85℃未満である、請求項3に記載の低変性大豆蛋白質組成物の殺菌法。
請求項1~5の殺菌法を用いる、低変性で殺菌された大豆蛋白質組成物の製造法。
請求項6の製造法で得られる、低変性で殺菌された大豆蛋白質組成物。
Description:
低変性大豆蛋白質組成物の殺菌

 本発明は、低変性大豆蛋白質組成物の殺 法に関する。

 大豆由来の蛋白質はアミノ酸バランスが く、近年では血清コレステロール低下作用 の生理効果が報告されている。米国食品・ 薬品管理局(FDA)は、コレステロールのリス と心臓病を減らすために、一日一人当り25g( 食当り6.25g)かそれ以上の高品質大豆蛋白質 食事に取り込むことを推奨している。日本 も特定保健用食品として、一日一人当り6g 上の大豆グロブリンの摂取を前提とした、 清コレステロール低下機能を持つ食品が認 されている。

 通常大豆には土壌に由来する菌群が多く 生しており、食品素材として供給するため は何らかの殺菌処理を施しておくことが好 しい。例えば大腸菌群を殺菌するには、60~6 5℃で30分程度の加熱処理が有効であるが、大 豆蛋白質は60℃付近から熱変性が始まるため 大豆蛋白質が変性しない温度域において、 分な加熱殺菌を安定的に行うことは困難で った。

 分離大豆蛋白質、濃縮大豆蛋白質、豆乳 末など、多くの大豆蛋白製品は殺菌のため 温加圧処理を行っており、蛋白質は変性さ ている。このような変性によって、大豆蛋 製品を添加された種々の小麦製品は、その 性に悪影響を受けるが、特に麺に添加され 場合、製麺性が悪くなるなどの顕著な影響 受ける。その為に、実用的な大豆蛋白質強 麺は得られていなかった。

S. Utsumi, T. Nakamura, K. Harada and T. Mori,  Agric. Biol. Chem., 51(8), 2139-2144(1987) Thahn, V. H. and Shibasaki, K., J.Agric. Food  Chem., 24, 117, 1976

 本発明の目的は、低変性でかつ殺菌され 大豆蛋白質組成物を提供することである。

 本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意 究を行った。殺菌するためには加熱温度を める必要があるが、温度を高くすると蛋白 熱変性するという相反する現象を起こす。 こで更に鋭意研究するなかで、S. Utsumiらの 、大豆蛋白質は塩類の添加によりイオン強度 が増加すると、変性温度が上昇するとの報告 (非特許文献1)を応用することを見出した。す なわち、塩類の添加によってイオン強度を増 加せしめることによって、大豆蛋白質の変性 温度を上昇させることで、安定的に加熱殺菌 できるとの発明を完成させた。このように塩 類による大豆蛋白質の変性温度の変化を加熱 殺菌技術に応用しようという考え方はかつて なかった。

すなわち本発明は、
(1)大豆蛋白質の水溶液に対し、加塩し、加熱 することを特徴とする、低変性大豆蛋白質組 成物の殺菌法。
(2)加塩時のイオン強度が0.04以上である、(1) 載の低変性大豆蛋白質組成物の殺菌法。
(3)加熱殺菌条件が、品温60℃以上、かつ、大 蛋白質の変性温度未満である、請求項2に記 載の低変性大豆蛋白質組成物の殺菌法。
(4)β-コングリシニンを10%以上含む大豆蛋白質 組成物であり、かつ、加熱殺菌条件が、65℃ 満である、請求項3に記載の低変性大豆蛋白 質組成物の殺菌法。
(5)β-コングリシニンを10%未満含む大豆蛋白質 組成物であり、かつ、加熱殺菌条件が、85℃ 満である、請求項3に記載の低変性大豆蛋白 質組成物の殺菌法。
(6)(1)~(5)の殺菌法を用いる、低変性で殺菌さ た大豆蛋白質組成物の製造法。
(7)(6)の製造法で得られる、低変性で殺菌され た大豆蛋白質組成物。
である。

 本発明により、殺菌された低変性大豆蛋 質組成物を得ることができ、麺類やその他 食品に安全に添加することができる。

 以下、本発明を詳細に説明する。本発明 、麺類等に添加する際に適した状態である 低変性状態を保ったまま加熱する、低変性 豆蛋白質組成物の殺菌法に関するものであ 。

 ここでいう低変性大豆蛋白質組成物とは 大豆蛋白質を主成分とする組成物のことで 大豆,脱脂大豆等の大豆原料から、アルコー ルもしくは酸性液により洗浄した濃縮大豆蛋 白質や、水または温水にて抽出して繊維質を 除去した豆乳溶液や、豆乳溶液からpH4~5程度 等電点沈殿で蛋白質を分離したのち、再溶 させた分離大豆蛋白質であり、あるいは、 れら蛋白質溶液の噴霧乾燥や凍結乾燥等に る乾燥物のうち、蛋白質が変性する処理を 力避け、後述する試験で低変性と確認でき 大豆蛋白質組成物を示す。また、繊維質を 去する際の遠心分離のGを上げることで、ク ロロホルムメタノール抽出される極性脂質量 の低い大豆蛋白質組成物が得られるが、これ は風味物性が良く、低変性大豆蛋白質組成物 として種々の用途に好適である。

 更に、Thahn, V. H. ら(非特許文献2)から報 告されているような分画処理によって得られ たβ‐コングリシニン画分やグリシニン画分 使用することもできる。特に蛋白質中にβ コングリシニンを10%未満、好ましくは7%未満 しか含まない高グリシニン低変性大豆蛋白質 組成物は、β-コングリシニンを蛋白質中に10% 以上含む通常の大豆蛋白質組成物より変性温 度が高く、低変性大豆蛋白質組成物を調製す る原料として好適である。ここで用いるβ‐ ングリシニンの蛋白質中含量は、SDS-PAGEに り電気泳動したゲルをクマシーブリリアン ブルーにより染色し、脱色後デンシトメー ーにて測定することで求めたものとする。

 抽出,濃縮,殺菌,乾燥,物性の改良等を目的 とした、低変性大豆蛋白質組成物調製に用い る種々の処理は、大豆蛋白質が変性を起こさ ない範囲の温度,pH,圧力等の条件下でのみ行 う必要がある。

 加熱殺菌による蛋白質の変性の程度は、 下に示す製麺試験によって、その物性すな ち生地の伸び、麺の硬さから測定すること できる。具体的には、小麦粉33.5gと粉末化 た大豆蛋白質組成物17.5g、食塩2.5gおよび水 、手で混合してそぼろ状の生地にする。水 量は生地が適度な硬さ(冷ご飯を握った硬さ) になるように調整する。5分間休ませた後に 地を練ってまとめ、真空シーラーで脱気す 。手回し式パスタマシンにて複合・圧延し 厚さ1.2mmの麺帯とする。さらに切り歯にて幅 1.2mmに切り出して麺線とする。生地の物性測 は、貫入破断試験により行い、厚さ1.2mmに ばした麺帯を4℃で一晩放置し、常温に戻し のち、再度1.2mmのローラーに通し、40mm×40mm 切断する。直径16mmの穴の開いたプレートの 上に生地を乗せ、さらにその上に同じ穴あき プレート(重量1002g)を乗せて固定する。直径5m mの球形プランジャーを用いて速度1mm/secで貫 し、破断点の変位(サンプルに接触したとこ ろを0点とする)を測定値(生地の伸び)として る。大豆蛋白質組成物が同じ組成であれば 変性度が小さいほど高い値が得られる。

 茹で後の麺の物性は、4℃で一晩放置した 麺線を100℃で5分間茹でた後、茹で上がり15分 後に、クサビ型プランジャーを用いて、プラ ンジャー速度0.05mm/secで底面より0.1mmまで圧縮 し、破断点の荷重を測定値(麺の硬さ)として る。大豆蛋白質組成物が同じ組成であれば 変性度が小さいほど高い値が得られる。大 蛋白質組成物の変性度は、この方法によっ 測定された生地の伸び、麺の硬さの値が、 もに加熱処理前の80%以上であることが低変 で好ましく、この範囲であれば加熱処理前 での変性度の差は実用上問題とならない。

 未殺菌の低変性大豆蛋白質組成物より殺 された大豆蛋白質組成物を得るために、加 による殺菌を行なう場合、大豆蛋白質組成 を水溶液とした上で、60℃,30分以上の加熱 必要である。しかし、β-コングリシニンを 白質中に10%以上含む通常の分離大豆蛋白質 場合、加塩しない状態では、63℃を越える温 度で30分以上の加熱を行なうと変性が起こり 大豆蛋白質の物性が極端に変化するために 低変性大豆蛋白質組成物としてこれを利用 る上において問題を生じる。

 そこで低変性大豆蛋白質組成物を加熱処 する際に、塩をイオン強度0.04以上、好まし くは0.08以上、更に好ましくは0.12以上添加す ことによって、大豆蛋白質の変性温度を高 ることができる。イオン強度の上昇に従い 性温度も上昇し、イオン強度0.2では、5℃程 の変性温度の上昇が認められる。イオン強度 の上限は特に設けないが、イオン強度が高す ぎると、低変性大豆蛋白質組成物の灰分が上 昇し、異味が生じる。現実にはイオン強度0.5 以下が好ましく、0.3以下が更に好ましい。

 加熱時に添加する塩は、ナトリウム,カリ ウム等のアルカリ金属や、アンモニウム等を カチオンとした、硫酸塩,硝酸塩,炭酸塩,炭酸 水素塩,塩化物等であり、例えば、塩化ナト ウム,塩化カリウム,硫酸ナトリウム,硫酸ア モニウムなどが使用できるが、風味や価格 ら塩化ナトリウムが最も好ましい。

 この加塩により、60℃以上67℃未満の温度 で、好ましくは61℃以上65℃未満の温度で、 に好ましくは61℃以上63℃未満の温度で、低 性状態を維持したまま加熱殺菌処理を行な ことができる。60℃未満では殺菌の効果が く、68℃以上では変性が開始されてしまう。 また、加熱時間は30分以上が必要である。加 時間の上限は特に設けないが、長時間の加 は生産効率が悪いために、通常は3時間以内 、更には1時間以内が適切である。その際の 豆蛋白質組成物水溶液の濃度は、液中固形 として2~20重量%、好ましくは5~15重量%が適当 ある。

 また、低変性大豆蛋白質組成物が高グリ ニン低変性大豆蛋白質組成物の場合、元々 通常の大豆蛋白質組成物に比較し変性温度 高いが、塩の添加によって80℃付近での加 が可能となる。そこで、60℃以上85℃未満、 ましくは殺菌効果の高い70℃以上85℃未満の 温度で、更に好ましくは80℃以上85℃未満の 度で、低変性状態を維持したまま、効率良 加熱殺菌処理を行なうことができる。この 、60℃未満では殺菌の効果が弱く、85℃以上 は変性が開始されてしまう。

 殺菌時のpHは、蛋白質が熱変性しにくいpH域 で行なう必要がある。pH5~8.5、好ましくはpH6.5 6~7.5が適当であるが、加熱温度によってはこ 以外のpH域を用いることも可能である。

 以下に実施例を記載するが、この発明の 術思想がこれらの例示によって限定される のではない。

○各温度での加熱変性度の食塩の有無による 違い
 脱脂大豆に7倍量の水を加え、水酸化ナトリ ウムにてpH7に調整して混合・抽出し、遠心分 離にて沈殿物を除去したのち、残渣にさらに 脱脂大豆の5倍量の水を加えて同様に処理し 抽出液を得た。塩酸でpH4.5に調整して蛋白質 を沈殿させ、遠心分離にて回収した。水を加 えたのち水酸化ナトリウムで中和し、熱風温 度180℃,排風温度70℃にて噴霧乾燥して粉末状 の分離大豆蛋白質Aを得た。

 分離大豆蛋白質Aを12重量%濃度に溶解し、 恒温水槽中各温度で30分加熱した。食塩を加 たものは溶液中1.2重量%濃度(イオン強度0.21) で添加し、同様に加熱した。凍結乾燥後粉砕 し、製麺試験によって変性度を評価した。食 塩を加えたものについては、製麺時に食塩お よび蛋白質量が一定となるように配合を調整 した。変性度は、未加熱の生地の伸び、およ び麺の硬さをそれぞれ100%として相対値で表 た。

 食塩無添加の比較例2~4では加熱温度60℃ では生地の伸び、麺の硬さがともに80%以上 り、変性度は微少だったが、63℃以上では麺 の硬さが80%を下回り、変性が認められた。食 塩を添加した実施例1および2では、65℃まで 地の伸び、麺の硬さがともに80%以上あり、 性は微少だった。しかし食塩を添加しても 68℃で加熱した比較例5では、麺の硬さが80% 下回り、変性が認められた。

〔表1〕各温度での加熱変性度の食塩の有無 よる違い

○加熱変性度の食塩濃度による違い
 分離大豆蛋白質Aを12重量%濃度に溶解し、食 塩を0.3~0.9重量%(イオン強度0.05~0.15)の各濃度 添加・溶解した後、恒温水槽中65℃で30分加 した。凍結乾燥後粉砕し、製麺試験によっ 変性度を評価した。製麺時に食塩および蛋 質量が一定となるように配合を調整した。 性度は、未加熱の生地の伸び、麺の硬さを れぞれ100%として相対値で表した。

 食塩を0.3重量%(イオン強度0.05)以上添加し た実施例3~5では、いずれも生地の伸び、麺の 硬さがともに80%以上あり、変性は微少だった 。

〔表2〕加熱変性度の食塩濃度による違い

○殺菌効果
 分離大豆蛋白質Aを12重量%濃度に溶解した溶 液に、大豆由来の菌群を培養したものを植菌 し、恒温水槽中各温度で30分加熱した。食塩 加えたものは1.2重量%濃度(イオン強度0.21)で 添加し、同様に加熱した。冷却後、標準寒天 培地にて35℃,48時間の培養で一般生菌を、デ キシコレート培地にて35℃,24時間の培養で 腸菌群の測定を行った。

 60℃以上の加熱で一般生菌は減少し、大 菌群は検出されなくなった。食塩を加えた 施例6においても殺菌効果は変わらなかった

〔表3〕殺菌効果

○低変性大豆蛋白質組成物の調製例
[実施例7]
 脱脂大豆に10倍量の水を加え、水酸化ナト ウムでpH6.7に調整して混合・抽出し、遠心分 離にて沈殿物を除去し、抽出液を得た。塩酸 でpH4.5に調整して蛋白質を沈殿させ、遠心分 にて回収した。水を加えて再度遠心分離す ことによって沈殿物を洗浄し、回収した。 を加えて固形分10重量%とし、水酸化ナトリ ムでpH7.1に中和し、ホモジナイズして可溶 した。可溶化液に0.7重量%(イオン強度0.12)の 塩を加え、熱媒温度68℃の熱交換器にて液 度62℃に加熱した。61~62℃の水浴中で45分間 ったのち、熱風温度183℃、排風温度68~73℃に て噴霧乾燥し、粉末状の分離大豆蛋白質Bを た。比較検討用として、可溶化した中和液 加熱することなく同様の条件で噴霧乾燥し 粉末状の分離大豆蛋白質Cを得た。分離大豆 白質Bの製麺試験における生地の伸び、麺の 硬さを測定し、それぞれ分離大豆蛋白質Cの を100%とした時の相対値で表すと、生地の伸 が104%、麺の硬さが83.4%であり、加熱による 性は微少だった。

○塩化カリウムの使用効果
[実施例8]
 脱脂大豆に7倍量の水を加え、水酸化ナトリ ウムにてpH7に調整して混合・抽出し、遠心分 離にて沈殿物を除去したのち、残渣にさらに 脱脂大豆の5倍量の水を加えて同様に処理し 抽出液を得た。塩酸でpH4.5に調整して蛋白質 を沈殿させ、遠心分離にて回収した。水を加 えて再度遠心分離することによって沈殿物を 洗浄し、回収した。水を加えて水酸化ナトリ ウムでpH7.1に中和し、乾燥重量11%に調整した 食塩0.35%(イオン強度0.06),塩化カリウム0.35%( オン強度0.05)を加えて溶解し、65℃で45分加 したのち、熱風温度180℃,排風温度72℃にて 霧乾燥して粉末状の分離大豆蛋白質Dを得た 。比較検討用として、中和液を加熱すること なく同様の条件で噴霧乾燥した粉末状の分離 大豆蛋白質Eを得た。分離大豆蛋白質Dの製麺 験における生地の伸び、麺の硬さを測定し それぞれ分離大豆蛋白質Eの値を100%とした の相対値で表すと、生地の伸びが81.5%、麺の 硬さが84.8%であり、加熱による変性は微少だ た。

○高グリシニン低変性大豆蛋白質組成物の調 製例
 脱脂大豆10kgに1.5kgの70%エタノールを混合し がら噴霧し、70℃で30分ホールドした。この エタノール処理脱脂大豆に対し、8倍量の水 加え、水酸化ナトリウムでpH7.7に調整して混 合・抽出した。遠心分離にて沈殿物を除去し たのち、残渣にさらに脱脂大豆の5倍量の水 加えて同様に処理し、抽出液を得た。エタ ール処理脱脂大豆に対して0.15重量%量の次亜 硫酸ナトリウムを加え、硫酸でpH5.8に調整し 遠心分離によって沈殿物を回収した。水を えて再度遠心分離することによって沈殿物 洗浄し、回収した。再度水を加え、水酸化 トリウムでpH7.5に中和し、熱風温度185℃、 風温度75℃にて噴霧乾燥し、高グリシニン大 豆蛋白質粉末を得た。この物のSDS-PAGEにおけ 蛋白質組成は、蛋白質あたり、β-コングリ ニン含量が5%、グリシニン含量が93%であっ 。

 高グリシニン大豆蛋白質粉末を12重量%濃 、1.2重量%食塩(イオン強度0.21)の有無におい て全量350gとし、90℃のオイルバス中で30分加 処理した(液温度83℃)。凍結乾燥後、粉砕処 理し、サンプルとした。

 食塩無添加の比較例11では(表4)、生地の び、麺の硬さがともに80%を下回り、変性が められた。食塩を添加した実施例9では、生 の伸び、麺の硬さがともに80%以上あり、変 は微少だった。また、実施例9では未加熱の 比較例10に比べて一般生菌数が減少し、高い 菌効果が認められた。

〔表4〕高グリシニン低変性大豆蛋白質組成 の調製例

 本発明により、殺菌された低変性大豆蛋 質組成物を得ることができる。麺類やその の食品に、物性の低下なく蛋白質を安全に 加し、従来にない高蛋白質の食品を製造す ことができる。