鐙屋 三雄 (〒21 東京都千代田区外神田四丁目14番1号 DOWAメタルマイン株式会社内 Tokyo, 1010021, JP)
SATO, Yusuke (217-9 Iijimahurumitisimokawabata, Akita-sh, Akita 11, 0110911, JP)
佐藤 祐輔 (〒11 秋田県秋田市飯島古道下川端217-9 株式会社飯島興産内 Akita, 0110911, JP)
MIKAMI, Hironobu (217-9 Iijimahurumitisimokawabata, Akita-sh, Akita 11, 0110911, JP)
見上 寛信 (〒11 秋田県秋田市飯島古道下川端217-9 株式会社飯島興産内 Akita, 0110911, JP)
DOWAメタルマイン株式会社 (〒21 東京都千代田区外神田四丁目14番1号 Tokyo, 1010021, JP)
ABUMIYA, Mitsuo (14-1, Sotokanda 4-chom, Chiyoda-ku Tokyo 21, 1010021, JP)
鐙屋 三雄 (〒21 東京都千代田区外神田四丁目14番1号 DOWAメタルマイン株式会社内 Tokyo, 1010021, JP)
SATO, Yusuke (217-9 Iijimahurumitisimokawabata, Akita-sh, Akita 11, 0110911, JP)
佐藤 祐輔 (〒11 秋田県秋田市飯島古道下川端217-9 株式会社飯島興産内 Akita, 0110911, JP)
MIKAMI, Hironobu (217-9 Iijimahurumitisimokawabata, Akita-sh, Akita 11, 0110911, JP)
| 三酸化二砒素(As 2
O 3
)と重金属とを含む非鉄製錬中間産物に水とアルカリとを加えてスラリーとし、当該スラリーを加温し、砒素を浸出して浸出液を得る浸出工程と、 当該浸出液に酸化剤を添加して、3価砒素を5価砒素へ酸化し調整液を得る液調製工程と、 当該調整液中の砒素をスコロダイト結晶へ転換する結晶化工程とを、有することを特徴とする三酸化二砒素と重金属とを含むものの処理方法。 |
| 前記浸出工程が、アルカリとしてNaOHを用い、pH8以上のアルカリ領域で行なわれることを特徴とする請求項1記載の三酸化二砒素と重金属とを含むものの処理方法。 |
| 前記液調整工程が、酸化剤として過酸化水素を用い、さらに前記調整液中に残留する過酸化水素を金属銅と接触させて除去することを特徴とする請求項1または2に記載の三酸化二砒素と重金属とを含むものの処理方法。 |
| 前記結晶化工程が、前記調整液へ第一鉄(Fe 2+ )塩を添加溶解し、当該第一鉄塩を酸化させることで、前記調整液中の砒素をスコロダイト結晶へ転換するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の三酸化二砒素と重金属とを含むものの処理方法。 |
| 前記第一鉄塩の酸化の為、前記調整液へ空気又は酸素又はこれら混合ガスを吹き込むことを特徴とする請求項4に記載の三酸化二砒素と重金属とを含むものの処理方法。 |
| 前記結晶化工程が、pH1以下の領域で行われること特徴とする請求項1か5のいずれかに記載の三酸化二砒素と重金属とを含むものの処理方法。 |
| 前記結晶化工程が、50℃以上で行われること特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の三酸化二砒素と重金属とを含むものの処理方法。 |
| 三酸化二砒素(As 2
O 3
)および/または亜砒酸イオンを含み、50℃以上に加温され、pH値が1以上の中性側であり、硫化銅と銅イオンと銅の5価砒素化合物とを含む水溶液へ、 空気および/または酸素を吹き込むことで、当該水溶液中の3価砒素を5価砒素へ酸化することを特徴とする砒素の酸化方法。 |
| 三酸化二砒素(As 2
O 3
)および/または亜砒酸イオンを含み、50℃以上に加温され、pH値が2以上の中性側であり、硫化銅を含む水溶液へ、 空気および/または酸素を吹き込むことで、前記硫化銅の一部を溶解させて銅の5価砒素化合物を生成させながら、当該水溶液中の3価砒素を5価砒素へ酸化することを特徴とする砒素の酸化方法。 |
| 空気および/または酸素の吹き込み開始時のpH値が2以上であり、吹き込み停止時のpH値が2未満であることを特徴とする請求項8または9に記載の砒素の酸化方法。 |
| 前記水溶液中の3価砒素が5価砒素へ酸化した後、パルプが生成した当該水溶液を濾過して濾過殿物を回収し、当該濾過殿物を前記硫化銅の代替物として用いることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の砒素の酸化方法。 |
| 前記水溶液中の3価砒素が5価砒素へ酸化した後、パルプが生成した当該水溶液を中和してpH値を3以上とすることで、当該水溶液中の銅イオンを銅の5価砒素化合物として晶出させた後、濾過して濾液と濾過殿物を回収し、当該濾過殿物を硫化銅の代替物として用いることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の砒素の酸化方法。 |
本発明は、三酸化二砒素(As 2 O 3 )と重金属とを含むものから砒素を抽出し、 れを安定な砒素化合物であるスコロダイト 結晶とする、三酸化二砒素と重金属とを含 ものの処理方法に関する。
砒素を含有する化合物の安定化について、
下の文献が存在する。
特許文献1には、製錬煙灰に含まれる砒素を
対象としたスコロダイトの生成方法が記載さ
れている。
特許文献2には、硫化砒素の浸出法に関し 、硫化砒素を含むスラリーに空気を吹き込み ながらアルカリを添加し、pHを5~8に保持しな ら砒素の浸出を行うことが記載されている
非特許文献1は、砒酸鉄、砒酸カルシウム 、砒酸マグネシウムの溶解度積について報告 している。当該文献によれば、砒酸カルシウ ムと砒酸マグネシウムとは、アルカリ領域で のみ安定であり、一方、砒酸鉄は中性から酸 性領域で安定であり、極少の溶解度がpH3.2で2 0mg/Lと報告されている。
非特許文献2には、砒酸鉄とスコロダイト との溶解度が開示されている。当該文献によ れば、弱酸性領域においてスコロダイトから の砒素の溶解度は、非結質の砒酸鉄のそれよ り2桁低いことが示され、スコロダイトが安 な砒素化合物であることを開示している。
非特許文献3では、硫酸工場排水や製錬排 水に含まれる砒素を対象としたスコロダイト の生成方法が記載されている。
近年、世界的に非鉄製錬を取り巻く鉱石原
確保の環境は、非常に厳しいものがある。
に、銅製錬の分野においては、非鉄メジャ
による寡占化が進み、さらに新興国等の新
な消費大国が出現したことにより、需給が
迫した状況にある。
当該状況下、各国においては環境分野への
制が強化され、義務化されつつある。本発
者らは、今後は環境と共存できる鉱山・製
所が当業界を主導していくものと考えた。
ここで、非鉄製錬において懸念される公害
は、SO 2
ガスによる大気汚染や、砒素による土壌汚染
や排水汚染が挙げられる。特に砒素に関して
は、将来的に銅鉱石中の砒素含有量が増える
ことになることから、今までにも増して万全
の対策が必要となる。
従来、国内の臨海非鉄製錬所では、クリー
精鉱を処理原料とすることで問題なく操業
行ってきた。しかし、今後、銅鉱石中の砒
含有量の増加が予想されることから、砒素
製錬中間産物として系外へ抜き出し、何ら
の形で安定化し管理保管することが必要と
ると考えた。
ここで、本発明者らは、上述した文献を検
した。
しかし、いずれの特許文献および非特許文
においても、三酸化二砒素や、三酸化二砒
を含む非鉄製錬中間産物から砒素を抽出し
これを安定な砒素化合物とする三酸化二砒
の処理方法については記載がなかった。
本発明は、このような状況の下でなされ ものであり、その解決しようとする課題は 三酸化二砒素と重金属とを含むものから砒 を抽出し、濾過性に優れ且つ安定なスコロ イトの結晶へと処理する、三酸化二砒素と 金属とを含むものの処理方法を提供するこ にある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意
究を行った。その結果、三酸化二砒素と重
属とを含むものに水とアルカリとを加え、
素を浸出した浸出液を得る浸出工程を実施
、次に、酸化剤を添加して当該浸出液中の3
価砒素を5価砒素へ酸化し、さらに、当該酸
後、当該浸出液中に残留する酸化剤を除去
て調製液を得る液調整工程を実施し、さら
、当該調整液中の砒素をスコロダイト結晶
転換する結晶化工程とを実施することで、
素を濾過性に優れ且つ安定なスコロダイト
して回収することが可能になるとの全く新
な知見を得た。尚、本発明において重金属
は、砒素を除く重金属のことである。
そして、本発明者等は、3価砒素含有水溶液
に、硫化銅、銅イオン、および、銅の5価砒
化合物の3種類の物質を、触媒として共存さ
た条件下で、当該3価砒素含有水溶液を加温
しつつ、ここへ酸化性ガスを吹き込むことで
、短時間に3価砒素を5価砒素へ酸化出来る酸
反応を知見した。さらに、本発明者らは、
該酸化反応終期には、3価砒素の99%以上まで
が5価砒素に酸化されることを確認し、本発
を完成した。
即ち、上述の課題を解決するための第1の手
段は、
三酸化二砒素(As 2
O 3
)と重金属とを含む非鉄製錬中間産物に水と
ルカリとを加えてスラリーとし、当該スラ
ーを加温し、砒素を浸出して浸出液を得る
出工程と、
当該浸出液に酸化剤を添加して、3価砒素を
5価砒素へ酸化し調整液を得る液調製工程と
当該調整液中の砒素をスコロダイト結晶へ
換する結晶化工程とを、有することを特徴
する三酸化二砒素と重金属とを含むものの
理方法である。
第2の手段は、
前記浸出工程が、アルカリとしてNaOHを用い
、pH8以上のアルカリ領域で行なわれることを
特徴とする第1の手段に記載の三酸化二砒素
重金属とを含むものの処理方法である。
第3の手段は、
前記液調整工程が、酸化剤として過酸化水
を用い、さらに前記調整液中に残留する過
化水素を金属銅と接触させて除去すること
特徴とする第1または第2の手段に記載の三
化二砒素と重金属とを含むものの処理方法
ある。
第4の手段は、
前記結晶化工程が、前記調整液へ第一鉄(Fe 2+
)塩を添加溶解し、当該第一鉄塩を酸化させ
ことで、前記調整液中の砒素をスコロダイ
結晶へ転換するものであることを特徴とす
第1から第3の手段のいずれかに記載の三酸化
二砒素と重金属とを含むものの処理方法であ
る。
第5の手段は、
前記第一鉄塩の酸化の為、前記調整液へ空
又は酸素又はこれら混合ガスを吹き込むこ
を特徴とする第4の手段に記載の三酸化二砒
素と重金属とを含むものの処理方法である。
第6の手段は、
前記結晶化工程が、pH1以下の領域で行われ
こと特徴とする第1から第5の手段のいずれ
に記載の三酸化二砒素と重金属とを含むも
の処理方法である。
第7の手段は、
前記結晶化工程が、50℃以上で行われるこ
特徴とする第1から第6の手段のいずれかに記
載の三酸化二砒素と重金属とを含むものの処
理方法である。
第8の手段は、
三酸化二砒素(As 2
O 3
)および/または亜砒酸イオンを含み、50℃以
に加温され、pH値が1以上の中性側であり、
化銅と銅イオンと銅の5価砒素化合物とを含
水溶液へ、
空気および/または酸素を吹き込むことで、
当該水溶液中の3価砒素を5価砒素へ酸化する
とを特徴とする砒素の酸化方法である。
第9の手段は、
三酸化二砒素(As 2
O 3
)および/または亜砒酸イオンを含み、50℃以
に加温され、pH値が2以上の中性側であり、
化銅を含む水溶液へ、
空気および/または酸素を吹き込むことで、
前記硫化銅の一部を溶解させて銅の5価砒素
合物を生成させながら、当該水溶液中の3価
素を5価砒素へ酸化することを特徴とする砒
素の酸化方法である。
第10の手段は、
空気および/または酸素の吹き込み開始時の
pH値が2以上であり、吹き込み停止時のpH値が2
未満であることを特徴とする第8または第9の
段に記載の砒素の酸化方法である。
第11の手段は、
前記水溶液中の3価砒素が5価砒素へ酸化し
後、パルプが生成した当該水溶液を濾過し
濾過殿物を回収し、当該濾過殿物を前記硫
銅の代替物として用いることを特徴とする
8から第10の手段のいずれかに記載の砒素の
化方法である。
第12の手段は、
前記水溶液中の3価砒素が5価砒素へ酸化し
後、パルプが生成した当該水溶液を中和し
pH値を3以上とすることで、当該水溶液中の
イオンを銅の5価砒素化合物として晶出させ
後、濾過して濾液と濾過殿物を回収し、当
濾過殿物を硫化銅の代替物として用いるこ
を特徴とする第8から第11の手段のいずれか
記載の砒素の酸化方法である。
本発明によれば、三酸化二砒素と重金属と
含むものから砒素を抽出し、濾過性に優れ
つ安定なスコロダイトの結晶へと処理する
とが出来た。
また、第8から第12に記載のいずれかの手段
よれば、非鉄製錬所内で容易に調達可能な
材を用いることで、低操業コスト、低設備
ストでありながら99%以上の酸化率をもって
3価砒素を5価砒素へ酸化することが可能に
った。さらに、本発明によれば、酸化反応
了時の溶液のpH値は1以上、2未満であり、ス
ロダイト(FeAsO 4
・2H 2
O)生成に好適である。従って、当該観点から
低操業コスト、低設備コストに資するもの
ある。
上述したように本発明は、三酸化二砒素と
金属とを含むものに水とアルカリとを加え
砒素を浸出した浸出液を得る浸出工程を実
し、次に、酸化剤を添加して当該浸出液中
3価砒素を5価砒素へ酸化し、さらに、当該
化後、当該浸出液中に残留する酸化剤を除
して調製液を得る液調整工程を実施し、さ
に、当該調整液中の砒素をスコロダイト結
へ転換する結晶化工程とを有する三酸化二
素と重金属とを含むものの処理方法である
そして、低操業コスト、低設備コストであ
ながら99%以上の酸化率をもって、3価砒素を
5価砒素に酸化する方法を提供することであ
。
以下、図1に示すフローチャートを参照しな
がら、1.三酸化二砒素を含む非鉄製錬中間産
、2.浸出工程、3.液調整工程、4.調整液中の
素をスコロダイト結晶へ転換する結晶化工
、実施例1の順に詳細に説明する。
次に、第2の実施形態として、低操業コスト
、低設備コストでありながら99%以上の酸化率
をもって、3価砒素を5価砒素へ酸化する方法
ついて、図2に示すフローチャートを参照し
ながら、1.被処理対象物、2.3価砒素の酸化反
、3.3価砒素の酸化反応開始時のpH値、4.3価
素の酸化反応終了時のpH値、実施例2~6、比較
例1~5の順に詳細に説明し、さらに、本発明者
らの考える、5.3価砒素の酸化反応モデルにつ
いて説明する。
1.三酸化二砒素と重金属とを含むもの
本発明に係る三酸化二砒素と重金属とを含
ものの具体例として、三酸化二砒素を含む
鉄製錬中間産物がある。そこで、以下、三
化二砒素を含む非鉄製錬中間産物を、三酸
二砒素と重金属とを含むものの例として、
明する。
三酸化二砒素を含む非鉄製錬中間産物(1)は
非鉄製錬などの産業において、中間物とし
生成する。尤も、既存の製錬工程で砒素を
三酸化二砒素を含む非鉄製錬中間産物とし
系外排出している製錬所に限られず、既に
砒素を三酸化二砒素として貯蔵している製
所にとっても、本処理方法は有効である。
当該砒素として三酸化二砒素と重金属とを
む非鉄製錬中間産物としては、例えば、重
属類を含む焙焼煙灰等が該当する。そして
砒素と重金属とを含む場合は、重金属と砒
とが化合物を生成している場合が多い。従
て、本発明で開示する浸出条件で砒素が浸
される場合、抽出される元の砒素の形態は
必ずしも三酸化二砒素に限定されるもので
ない。尚、本発明において重金属とは、砒
を除く重金属のことである。
2.浸出工程
三酸化二砒素を含む非鉄製錬中間産物(1)は
砒素以外に、鉛、カドミニウム等の重金属
含む。この結果、当該中間産物中の砒素の
態は複雑である。この複雑な形態を有する
素を効率的に浸出するため、本発明者らが
究を行った結果、当該三酸化二砒素を含む
鉄製錬中間産物へ、水とアルカリとを加え
さらに温度をかけて砒素を浸出するという
構成に想到した。具体的には、三酸化二砒
を含む非鉄製錬中間産物(1)へ、必要量の水
、NaOH、KOH、等のアルカリを添加してpH8以上
のアルカリ域とし、浸出を行うのである。一
方、pH12を超えると砒素以外の重金属も溶解
てくるので、pHは12以下とすることが好まし
。
本発明に係る浸出工程(2)において、当該構
をとることで、三酸化二砒素を含む非鉄製
中間産物中の、砒素の浸出を促進しながら
他の重金属の溶出を抑制することが実現で
、非鉄製錬中間産物から砒素を効率的に浸
することが可能になった。
生成する残渣(7)は銅製錬(8)工程へ投入すれ
良い。
次に、当該浸出工程(2)における反応条件に
いて説明する。
(溶解方法・時間)
後工程の結晶化工程(5)において、スコロダ
ト(6)を効率的に製造するには、高濃度の砒
溶液が求められる。
そこで、当該浸出反応において、三酸化二
素中の3価砒素を5価砒素に酸化して溶解度
上げ、浸出率を上げることが考えられる。
かし、5価砒素が重金属と反応して砒酸塩を
り、砒素が沈殿してしまうという問題が起
る。
ここで、本発明者らは、三酸化二砒素中か
3価砒素の形で浸出を行いながら、アルカリ
を添加することで、3価砒素の溶解度上げる
いう画期的な構成に想到した。
具体的には、所定量の三酸化二砒素を含 非鉄製錬中間産物と水とアルカリとを調合 pH8以上のアルカリ域のパルプとし、当該パ プを50℃以上で浸出する。アルカリは、苛 ソーダが良い。ナトリウムと三酸化砒素と 反応し、浸出されるためである。
三酸化二砒素中から3価砒素の形で浸出を行
いながら、アルカリを添加することで、3価
素の溶解度上がる構成の詳細は不明だが、
発明者らは下記の式1および式2の反応が並行
して同時に進行するのではないかと考えてい
る。
As 2
O 3
+H 2
O=2HAsO 2
・・・・・・・・・・・(式1)
As 2
O 3
+NaOH=2NaAsO 2
+H 2
O・・・・・(式2)
これは、アルカリの添加量が、式2から算出
される量よりも少ない量であっても、3価砒
の溶解度が上がるという、知見による。
当該工程にて、アルカリを過剰に添加する
、後工程の結晶化工程において溶液の粘度
上がり、作業性が低下するという問題点を
慮すると、(式1)および(式2)の並行同時進行
より、アルカリ添加量が少なくても良いと
知見は大いに好ましいものである。
さらに、当該構成の優れた点として、当該
出液(3)の液温を室温程度まで低下させても
三酸化二砒素結晶の析出が見られないこと
挙げられる。
3.液調整工程
本液調整工程(4)は、浸出液(3)中の3価砒素を
5価砒素へと酸化させ、その後、残留する酸
剤を除去する工程である。
浸出液(3)中の砒素の大部分は、3価砒素とし
て溶解している。当該3価砒素を、ほぼ完全
5価砒素へと酸化させる為の酸化剤としては
空気や酸素ガスでは難しい。そこで、過酸
水素(H 2
O 2
)の採用に想到した。尚、当該過酸化水素は
30~35%濃度の汎用的に使われているもので良
。
浸出液への過酸化水素の添加は、直接行え
良い。当該過酸化水素の添加による3価砒素
の酸化を(式3~6)に示す。
AsO 2 -
+H 2
O 2
=HAsO 4 2-
+H +
・・・・・・・(式3)
HAsO 2
+H 2
O 2
=HAsO 4 2-
+2H +
・・・・・・(式4)
HAsO 2
+H 2
O 2
=H 2
AsO 4 -
+H +
・・・・・・(式5)
HAsO 2
+H 2
O 2
=H 3
AsO 4
・・・・・・・・・・(式6)
すなわち、酸化反応の進行と共に水素イオ
が発生し、浸出液のpHはアルカリ性→中性
酸性域まで低下する。
これは、後述する結晶化工程における液が
pH1の酸性液であることを考えると、硫酸を
わずとも反応の進行だけでpHを低下させ、
晶化の際における液の酸性域近傍へ到達で
る点で好ましい。
過酸化水素の添加時間は10分間~15分間が良
。尤も、添加時間が5分間以上であれば、過
化水素添加の際の一部分解による気泡の発
を回避出来る。
過酸化水素の添加量は、3価砒素の酸化反応
に必要な理論量(1倍当量)程度で良い。もし、
3価砒素濃度が不明の場合は、過酸化水素添
後80℃での液電位をAmVとし、過酸化水素添加
完了時のpH計の指示値を(pH)としたとき、(式7)
を満足していることを目安としても良い。
AmV=-60×(pH)+590・・・・・・・(式7)
(at.80℃)(AmVは、Ag/AgCl電極基準)但し、1.0<
pH<3.0
過酸化水素による3価砒素の酸化は非常に早
く、添加中にpHの低下と反応熱による温度の
昇が観察される。しかし、酸化を完全に行
には60分間以上の時間をかける。
反応温度は、40℃以上とすることが好まし
。さらに、3価砒素から5価砒素への酸化反応
を促進する観点からは、反応温度は高い程好
ましい。
尚、既述の通り、過酸化水素添加による3価
砒素の5価砒素への酸化反応は発熱反応であ
。この為、例えば、砒素濃度50g/L程度の溶液
を、80℃にて酸化反応させようとした場合、
置からの放熱状況にもよるが、おおよそ液
60℃で過酸化水素の添加を開始すれば、所
量添加終了時の液温は約80℃となっている。
次に、該酸化反応後液に残留する酸化剤を
去する工程について説明する。
これは、反応後に残留する酸化剤が、次工
の結晶化工程(5)で添加する第一鉄(Fe 2+
)の一部を酸化してしまうので、第一鉄イオ
濃度を正確に管理するためには、除去する
とが望ましいからである。
浸出液(3)中に残留する過酸化水素を除去す
には、金、銀等の金属のコロイドを添加し
これを分解する方法も考えられる。しかし
ハンドリング性やロスの発生による損失を
えると実操業では不適である。
ここで、本発明者等は、残留する酸化剤(例
えば、過酸化水素)を分解するのではなく、
費により除去する構成に想到した。具体的
は、被酸化剤(例えば、金属銅)と接触させ、
(式8)に示す様に消費により除去する。
Cu 0
+H 2
O 2
+H 2
SO 4
=CuSO 4
+2H 2
O・・・・・(式8)
反応温度は、反応を完結させるため40℃以
が好ましい。また、反応はpHの上昇を伴うが
、pHが一定値を示した時点で終了と判断出来
。
4.結晶化工程
結晶化工程(5)は、液調整工程(4)で得られた
整液中の5価砒素を、スコロダイト(6)へと結
晶化する工程である。
前記液調整工程(4)を終えて得られる調整液
砒素濃度は、スコロダイト(6)の生産性を考
た場合、20g/L以上、好ましくは30g/L以上の濃
厚液であることが好ましい。
まず、当該調整液に対し第一鉄(Fe 2+
)塩を添加溶解し、室温にて硫酸(H 2
SO 4
)を添加しpH1に調整する。ここで、第一鉄塩
合物は種々あるが、設備の耐腐食性の観点
よび入手の容易性の観点から、硫酸第一鉄
好ましい。
第一鉄塩の添加量は、Fe純分量として被処
砒素総モル量の1倍当量以上、好ましくは1.5
当量である。
第一鉄塩を添加し、pH調整を終えたら、 該調整液を所定の反応温度まで昇温する。 こで反応温度は、50℃以上であればスコロダ イト(6)が析出可能である。しかし、スコロダ イトの粒径を大きくする観点からは、反応温 度が高い程、好ましい。尤も、大気雰囲気下 での反応を可能とする観点からは、反応温度 を90~100℃とすることが望ましい。
当該調整液が、所定の反応温度に到達し ら、空気または酸素またはこれら混合ガス 吹き込みを開始し、強攪拌を行って気液混 状態をつくり、所定の反応温度を保ちなが 高温酸化反応を進める。
当該高温酸化反応は2~3時間程度で、下記、(
式9)~(式14)の様に進行すると考えられる。
(反応の前半)
2FeSO 4
+1/2O 2
+H 2
SO 4
=Fe 2
(SO 4
) 3
+H 2
O・・・・(式9)
2H 3
AsO 4
+Fe 2
(SO 4
) 3
+4H 2
O=2FeAsO 4
・2H 2
O+3H 2
SO 4
・・・・(式10)
(全反応式(式9+式10)を、下記、(式11)に示す。)
2H 3
AsO 4
+2FeSO 4
+1/2O 2
+3H 2
O=2FeAsO 4
・2H 2
O+2H 2
SO 4
・・・・(式11)
(As濃度が低下した反応後半)
2FeSO 4
+1/2O 2
+H 2
SO 4
=Fe 2
(SO 4
) 3
+H 2
O・・・・(式12)
2/3H 3
AsO 4
+1/3Fe 2
(SO 4
) 3
+4/3H 2
O=2/3FeAsO 4
・2H 2
O+H 2
SO 4
・・・・(式13)
(全反応式(式12+式13)を、下記、(式14)に示す。
)
2/3H 3
AsO 4
+2FeSO 4
+1/2O 2
+4/3H 2
O=2/3FeAsO 4
・2H 2
O+2/3Fe 2
(SO 4
) 3
・・・・(式14)
酸化方法にもよるが、当該高温酸化反応 始後、2時間~3時間で、pH、砒素濃、Fe濃度が 急激に低下する。当該段階において、液の酸 化還元電位は95℃で400mV以上(Ag/AgCl電極基準) 示す。そして、含有されている砒素の90%以 がスコロダイト(6)の結晶となる。当該高温 化反応開始後、3時間以降は、液中に残留す 砒素が少量低下するのみで、pHや液電位は ど変化しない。尚、当該高温酸化反応を完 に平衡状態で終えるには、好ましくは5時間~ 7時間の継続を行う。
上述した本発明に係る結晶化工程(5)によれ
、反応操作が簡単であり、途中pH調整の必
もなく、含有される砒素を確実にスコロダ
ト(6)の結晶へ変換可能である。
生成するろ液(9)は、排水処理工程(10)にて処
理すればよい。
得られるスコロダイト(6)の結晶は、沈降性
濾過性に優れ、濾過後の付着水分が10%前後
低く、さらに砒素品位が30%にも及ぶので減
化が達成され、かつ、耐溶出性に優れ安定
ある。従って、砒素を、製錬工程から安定
形として除去し保管可能となる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的
説明する。
(実施例1)
<浸出>
As含有品位が74.4%の化学用試薬の三酸化二砒
素(As 2
O 3
)と、試薬1級グレードのPbO(98%)、ZnO(99%)、CdO(95
%)とを、表1に示す配合表により配合し、2リ
トルビーカー(4枚バッフル付き)に投入した
さらに当該2リットルビーカーへ、純水1,500cc
を加えて攪拌しパルプとした。次いで、当該
パルプへ、固形NaOHを21g添加溶解し、温度を70
℃へ昇温し、浸出を開始した。
浸出時間は、三酸化二砒素は短時間で浸出
能であるが、ここでは共存するPb、Cd、Znの
応も平衡させることを考え180分間とした。
尚、反応終了時のパルプのpHは8.78(at.69.5℃)
あった。
得られた浸出液の品位とpHとを表2に示す。
<液調整>
得られた浸出液840ccを1Lビーカーに測り取り
加熱を開始した。
当該浸出液に含まれる砒素が全て3価砒素と
仮定し、当該3価砒素を酸化するに必要な当
の30%に当たる過酸化水素水63gを測り取った
浸出液の温度が62℃に到達したら、測り取
た過酸化水素水の添加を開始し15分間で全量
添加した。尚、攪拌は空気を巻き込まない程
度の攪拌を行った。
当該反応時の℃-pH-酸化還元電位(mV,Ag/AgCl電
基準)の推移を表3に示す。
調製液中に残留する過酸化水素水を金属銅
用いて除去する。今回は、試薬1級の銅粉末
を用いた。
具体的には、液温が40℃となった時点で、
粉=1.8gを添加した。当該銅粉添加直時を反応
開始時とし、反応時間経過に伴う℃-pH-酸化
元電位(mV,Ag/AgCl電極基準)の推移を表4に示す
反応は4分間で完了し、調製後液を得た。
尚、調製後液中の砒素濃度は47.5g/L、銅濃度
は、49mg/Lであった。
<結晶化>
1)得られた調整後液を純水で希釈し、砒素濃
を45g/Lに調整した。
2)上記800ccを2Lビーカーに移し、95%硫酸を用い
pH=1.15へ調整した。
3)添加する第一鉄(Fe 2+
)量は、Asモル量の1.5倍モル量とし、試薬1級
硫酸第一鉄(FeSO 4
・7H 2
O)を各200g測り取り、それぞれ2)の調整液へ溶
し、さらに95%硫酸にて30℃でpH=1.0へ調整し
。
4)上記3)を大気圧下で加熱し95℃へ昇温し、次
いでビーカー底部よりガラス管を用い酸素ガ
スを950cc/分で吹き込みを開始し、強攪拌下、
気液混合状態で7時間高温酸化反応した。結
を以下の表5に示す。
(第2の実施形態)
本発明者らの検討によると、上述した過酸
水素(H 2
O 2
)を用いた酸化方法は、3価砒素の酸化速度が
く、かつ、溶液温度を高温として反応させ
ことにより、ほぼ100%近い3価砒素の酸化が
成される。しかし、過酸化水素は高価な薬
である。
一方、オゾン(O 3
)を用いた酸化方法は、溶液温度に関係なく
かつ、短時間に、ほぼ100%近い3価砒素の酸化
が達成される。しかし、以下の問題がある。
オゾン発生設備自体が高コストである。さ
にオゾンの酸化力が強い為、周辺装置の仕
も高度化せざるを得ず、システム全体とし
は非常な高コストとなる。
オゾンは人体に有害である為、未反応で大
に放出されるオゾンを回収・無害化する付
設備が必要となる。
オゾンは酸素より水に溶けやすく、反応後
は特異の刺激臭を放つ等の問題がある。当
問題を除くため、後工程において溶存した
ゾンを除去する工程が必要となる。
一方、粉状金属銅等を触媒として添加する
法では、以下の問題点が明らかとなった。
1)被処理液の砒素濃度が低い(例えば、3g/L程
)場合には、砒素の酸化率は100%近い。しかし
、被処理液の砒素濃度が高い(例えば、60~70g/L
程度)場合は砒素の酸化率が79%程度に低下す
。
2)金属銅(Cu°)が銅イオン(Cu 2+
)に変化する際に、3価砒素から5価砒素への変
化に影響を与える。そして、当該変化の際、
3価砒素に対して少なくとも等モル以上の金
銅が必要であるとしている。さらに、難水
性銅化合物(Cu 2
O、CuS)においても、金属銅と同様の効果が認
られるとしている。この結果、3価砒素化合
物である亜砒酸の処理に際して、大量の薬剤
(銅源)が必要である。
3)上記2)で説明したように、当該方法では亜
酸(3価砒素)の処理に際して大量の銅源を使
。この結果、反応後の溶液には数10g/Lの大量
の銅イオンが残る。従って、反応後の溶液か
らの銅の回収工程が必要となり、銅回収コス
トの負担増を招く。
4)当該反応は、酸性溶液中(例えば、pH値が0、
FA(遊離酸)値が130g/L)における反応であるため
反応後の溶液には大量の酸分が残る。従っ
、反応後の溶液をベースとして5価砒素化合
物を生成するためには、大量のアルカリが必
要である。これは、当該方法において、粉状
金属銅および/または難水溶性銅化合物を、
解させる必要があるため、すなわち必然的
酸分が必要とされることから、避けられな
問題でもある。
以下、本発明を実施するための第2の実施 形態について、図2に示すフローチャートを 照しながら、1.被処理対象物、2.3価砒素の酸 化反応、3.3価砒素の酸化反応開始時のpH値、4 .3価砒素の酸化反応終了時のpH値、実施例2~6 比較例1~5の順に詳細に説明し、さらに、本 明者らの考える、5.3価砒素の酸化反応モデ について説明する。
本実施形態によれば、非鉄製錬所内で容 に調達可能な資材を用いることで、低操業 スト、低設備コストでありながら99%以上の 化率をもって、3価砒素を5価砒素へ酸化す ことが可能になった。
1.被処理対象物
本実施の形態は、高濃度の砒素溶液の作製
最適な処理方法である。
つまり、本実施の形態によれば、溶解度の
さな3価砒素を、溶解度の大きな5価砒素へ
易に酸化可能である。従って、3価砒素源と
て固体である三酸化二砒素〈1〉を用いるこ
とにより、3価砒素が5価砒素へ酸化されるの
並行して当該三酸化二砒素が溶解し、3価砒
素が適時供給される形となる。この結果、数
10g/Lの高濃度な5価砒素溶液、すなわち濃厚な
砒酸溶液の作成が容易となるものである。
2.3価砒素の酸化反応
酸化工程〈4〉に係る本実施の形態を導出す
るにあたり、本発明者らは、銅を砒素の酸化
触媒として用い、3価砒素を酸素により酸化
る工程に関して検討を行った。
当該検討のいくつかを、以下に記載する。
1)酸化触媒として銅イオンのみを使用する(後
述の比較例1、比較例2に相当する。)。
2)酸化触媒として硫化銅のみを使用する(後述
の比較例3に相当する。)。
3)酸化触媒として硫化銅と銅イオンとの2種を
共存させて使用する(後述の比較例4に
相当する。)。
4)酸化触媒として硫化銅と銅イオンと銅の5価
砒素化合物との3種を共存させて使用す
る(後述の実施例2~6に相当する。)。
上述の検討の結果、1)~4)ともに、銅の酸化
媒効果は認められた。しかし、酸化速度、
化率の観点から4)が、1)~3)と比較して効果が
躍的に向上することを知見した。
当該知見に基づき、酸化触媒としては、硫
銅と、銅イオンと、銅の5価砒素化合物(砒
銅)との3種を共存させて使用することとした
。
以下、(a)硫化銅源、(b)銅イオン源、(c)銅の5
価砒素化合物(砒酸銅)、および、(d)反応温度
(e)吹き込みガス種と吹き込み量、について
細に説明する。
(a)硫化銅源
硫化銅源〈2〉は、硫化銅固体、硫化銅粉末
などを用いることが出来る。尤も、反応性を
確保する観点からは、粉状であることが望ま
しい。また、硫化銅には、大別して、CuSとCu 2
Sとの形態が存在する(結晶格子中銅の一部が
損した組成のCu 9
S 5
もある。)。本実施形態においては、そのど
らでも効果があり、これらの混合であって
良い。さらに、硫化銅源は、出来るだけ純
な硫化銅(不純物が極力少なく、純度の高い
化銅。)であることが好ましい。これは、純
度の高い硫化銅を用いることで、As 2
S 3
、ZnS、PbS、CdS、等の混入を回避できるからで
ある。
これら、As 2
S 3
、ZnS、PbS、CdS、等が混入してくると、以下、
(式15~18)に記載する反応がおこり、3価砒素の
化反応に必要な銅イオンの供給が妨げられ
。
さらに、As 2
S 3
、すなわち硫化砒素においては、意識的に銅
イオンを添加した場合であっても以下に記載
する反応がおこり、最適な銅イオン濃度の維
持が難しくなるだけでなく、水素イオン(H +
)発生反応が起きる。そして、水素イオン(H +
)が発生すると、反応系のpH値が低下してしま
い、本発明に係る3価砒素の酸化反応の維持
困難となり、3価砒素の酸化が困難になる。
Cu 2+
+1/3As 2
S 3
+4/3H 2
O=CuS+2/3HAsO 2
+2H +
・・・(式15)
Cu 2+
+ZnS=CuS+Zn 2+
・・・(式16)
Cu 2+
+PbS=CuS+Pb 2+
・・・(式17)
Cu 2+
+CdS=CuS+Cd 2+
・・・(式18)
ここで、硫化銅源〈2〉として、製錬中間産 物として回収される硫化銅を考えた場合、当 該回収された硫化銅中には、上述したAs 2 S 3 、ZnS、PbS、CdS、等が相当量含まれている。従 って、硫化銅源〈2〉として、製錬中間産物 して回収される硫化銅をそのまま用いるこ は好ましくない。もし、用いたい場合には 事前に上述の硫化物を反応分解等により除 し、硫化銅としての純度を上げておけば良 。
銅製錬所であれば、以下に記載する方法で
本発明に適した純度の高い硫化銅を簡単に
造可能である。
(1)電気銅を硫酸酸性下(FA(遊離酸)=50~300g/L)
、加温しつつエアレーションして溶解(Cu=10~
30g/L)させ銅溶液を得る。
(2)得られた銅溶液を、50℃以上でNaSHやH 2
S等の硫化剤と反応させて硫化銅を回収する
(3)回収された硫化銅を水洗浄し、付着酸
を取り除く。
この水洗浄後の硫化銅は不純物が少なく、
燥状態であっても湿潤状態であっても、本
明に適用可能である。
(b)銅イオン源
銅イオン源〈3〉は、処理水溶液において銅
イオンとなるものを用いれば良い。例えば、
硫酸銅は常温にて固体であり、水に溶解して
直ぐに銅イオンとなるため好ましい。金属銅
、金属銅粉を用いてもよいが、イオン化する
まで溶解を待つ必要がある。
(c)銅の5価砒素化合物(砒酸銅)
本実施形態に係る銅の5価砒素化合物として
砒酸銅がある。砒酸銅の溶解度積は、砒酸鉄
(FeAsO 4
)に匹敵するものであり、弱酸性から中性領
にて容易に形成する5価砒素化合物である。
本実施形態では、3価砒素を含む水溶液に硫
化銅を添加し、初期pH値を2以上とし酸化反応
を開始する。この為、添加された硫化銅表面
では、3価砒素の5価砒素への酸化と、硫化銅
溶解による銅イオンの供給とが並行する為
瞬時に砒酸銅の生成が起きるものと考えら
る。また、反応終了時には、溶液が弱酸性
域へ自然移行するものの、この時点では5価
砒素および銅イオン共にg/Lオーダーまで濃縮
されている。当該濃縮により、砒酸銅の生成
能力は、依然低下することがない。
ここで、溶液のpH値が1を割り込む酸性側と
らなければ、砒酸銅の形成能力が極端に低
することはない為、pH値の管理を行うこと
好ましい。
(d)反応温度
砒素の酸化は、溶液温度が高いほうが良好
ある。具体的には、砒素の酸化を進めるた
には50℃以上の温度が求められる。実操業
考慮し、反応槽の材質や反応後の濾過操作
前提とすれば70~90℃、好ましくは80℃前後に
温〈5〉する。
(e)吹き込みガス種と吹き込み量
吹き込みガス〈6〉が、空気であっても3価
素の酸化反応は可能である。しかし、酸素
または、空気と酸素との混合ガスを吹き込
ガス〈6〉とした場合は、溶液中の砒素濃度
低い範囲であっても酸化速度が維持され、
き込み(ガス)容量も小さくなるため、これ
伴うヒートロスも少なくなり反応温度の維
管理が容易になる。そこで、酸化速度、反
温度の維持管理の観点から、吹き込みガス
6〉は、酸素、または、酸素と空気との混合
スが好ましい。
吹き込みガス〈6〉の単位時間当たりの吹き
込み量は、反応槽の気液混合状態により、最
適値が変化する。例えば、微細気泡発生装置
等を用いれば、酸化効率はさらに向上し、吹
き込み量を減らすことが可能となる。
従って、実機操業時には、その気液混合状
や酸素吹き込み方式等を加味して最適値を
出すことが肝要である。
3.3価砒素の酸化反応開始時のpH値
本発明に係る3価砒素の酸化反応の基本式は
、以下であると考えられる。
As 2
O 3
+H 2
O=2HAsO 2
・・・・(式19)
三酸化二砒素が水に亜砒酸(3価砒素)として
解する反応
2HAsO 2
+O 2
+2H 2
O=2H 2
AsO 4 -
+2H +
・・・・(式20)
亜砒酸(3価砒素)が酸化する反応
2HAsO 2
+O 2
+2H 2
O=2H 3
AsO 4
・・・・(式21)
亜砒酸(3価砒素)が酸化する反応
後述する実施例のように、全砒素溶解時の
素濃度が40g/L以上の濃厚液の場合は、亜砒
の溶解度が小さいため三酸化二砒素は全量
期に溶解するのではない。
濃厚砒素液の場合は、亜砒酸が、(式20)、(
21)により溶解度の大きい砒酸へ酸化され、
砒酸濃度が減少すると並行して、(式19)によ
亜砒酸が系内へ補給される反応が進行する
のと考えられる。つまり、反応初期は、固
の三酸化二砒素が懸濁しながら溶解してい
ものと考えられる。
ここで、亜砒酸の砒酸への酸化は、(式20)、
(式21)によるものと考えられる。
当該亜砒酸の砒酸への酸化反応において、
期の30分間で溶液のpH値が2前後へ急激に低
する挙動を示す。当該挙動から、pH2以上の
性側では主に(式20)により酸化が進んでいる
のと推定できる。その後の30分間以降では
pH値の低下は緩慢となることから、反応は主
に(式21)にて進んでいるものと推定できる。
以上のことから、本発明により3価砒素を効
率的に酸化し、且つ、反応終了時のpH値を弱
性に制御するためには、酸化反応開始時(空
気および/または酸素の吹き込み開始時)のpH
を2以上とすれば良いことが理解される。
4.3価砒素の酸化反応終了時のpH値
本発明に係る実施の形態において、後述す
実施例2~6の結果が示すように、3価砒素の酸
化反応終了時(空気および/または酸素の吹き
み停止時)のpH値は、全て2未満であり、具体
的には1.8前後となった。
当該1.8前後のpH値は、5価砒素化合物生成に
ましいpH値である(酸濃度が適正値にある。)
。これは、5価砒素化合物である砒酸鉄生成
最適pH域がpH3.5~4.5であるため、酸分の中和の
ため消費される中和剤が少なくて済むからで
ある。
一方、スコロダイト(FeAsO 4
・2H 2
O)生成は、pH1前後の5価砒素溶液が元液として
用いられるため、少量の逆中和剤(例えば硫
)添加によりpH調整が可能となるからである
さらに、詳細は後述する実施例6にて説明す
が、反応終了時のpH値は、2未満であり1以上
であることが好ましい。
3価砒素の酸化反応終了時(空気および/また
酸素の吹き込み停止時)のpH値が2未満であり
、具体的には1.8前後となるのは、上記(式19)~(
式21)により、もたらされるものと考えられる
。
まず、(式19)により、三酸化二砒素が水に亜
砒酸(3価砒素)として溶解する。尤も、出発原
料が固体の三酸化二砒素である場合に限られ
ず、すでに亜砒酸として3価砒素が溶解して
る水溶液の場合でも同様である(従って、本
明は、一般の排水処理にも適用可能である
合があると考えられる。)。
上述の酸化工程〈4〉で得られた産物を、 濾過〈7〉において、濾液〈8〉と濾過物〈9〉 とに分離する。濾過〈7〉においては、例え 、フィルタープレスの様な、通常の濾過方 を適用できる。上述の酸化工程〈4〉にて、 の5価砒素化合物が生成されるものの、粘性 が高まる等の濾過性の問題がないからである 。
得られた濾液〈7〉は、上述したように1.8前
後のpH値を有する砒酸溶液である。当該1.8前
のpH値は、5価砒素化合物生成に好ましいpH
であることから、濾液〈7〉から、低コスト
つ高生産性をもって5価砒素化合物を生成出
来る。
一方、濾過物〈9〉は、硫化銅と、銅の5価
素化合物との混合物であるので、そのまま
化触媒として繰り返し使用することが出来
。この繰り返し使用の際、一部溶解した硫
銅に相応する量の硫化銅を、新たに追加添
すれば、触媒効果はさらなる向上が期待出
る。
5.3価砒素の酸化反応機構のモデル
本発明に係る硫化銅と、銅イオンと、銅の5
価砒素化合物よる3元系触媒は、高い酸化率
酸化速度を兼ね備えたものである。この3元
触媒が発揮する酸化触媒効果は、硫化銅表
での各イオン種の接触がもたらす電池的な
応に起因するものと考えられる。
例えば、pH2前後の領域を例として、酸化反
機構のモデルを考える。
まず、3価砒素の酸化を電極反応に置き換え
れば、陽極反応は(式22)、陰極反応は(式23)と
て示される。
As 2
O 3
+5H 2
O=2H 3
AsO 4
+4H +
+4e -
・・・・・(式22)
4H +
+O 2
+4e -
=2H 2
O・・・・・(式23)
すなわち3価砒素の酸化反応は(式22)にて示
反応が進むが、反応を進めるためには電気
に中性を維持する必要がある。従って、硫
銅表面で進む(式23)で示す陰極反応の進行が
反応性を左右するものと考えられる。この
とから、常に活性度の高い硫化銅表面の確
が重要になるものと考えられる。
すなわち本反応モデル系では、銅イオンが
存し、且つ、弱酸pH領域の反応であるため
硫化銅表面では(式24)に示す砒酸銅化合物の
出反応が起きるものと考えられる。
Cu 2+
+H 3
AsO 4
+H 2
O=CuHAsO 4
・H 2
O+2H +
・・・・(式24)
上記(式24)により、硫化銅表面には水素イオ
ン(H +
)が補給され、(式25)(式26)に示す反応が並行し
て進むと考えられる。
CuS+2H +
+1/2O 2
=Cu 2+
+S°+H 2
O ・・・・・(式25)
CuS+H +
+2O 2
=Cu 2+
+HSO 4 -
・・・・・(式26)
ここで、硫化銅表面には、砒酸銅化合物が
成されているため、酸素供給が不十分とな
、(式25)に示すS°(元素状硫黄)生成反応も進
と考えられる。さらに(式25)(式26)の進行に
い、局所的にCuイオン濃度が上昇し、且つ、
水素イオン(H +
)濃度の低下が生じるものと推定される。そ
て、当該局所においては、(式27)に示す硫化
の生成反応が、上記(式25)(式26)と並行的に
行するものと考えられる。
Cu 2+
+4/3S°+4/3H 2
O=CuS+1/3HSO 4 -
+7/3H +
・・
・・・(式27)
(式27)は、硫化銅であるCuSの晶出を示すもの
であり、硫化銅の表面には活性度が高い新生
面としてのCuS晶出が確保されることを意味す
るものである。
さらに(式27)で生成する水素イオン(H +
)は、(式25)(式26)の示す反応へ供給される他、
砒酸銅化合物の溶解反応((式24)の逆反応)でも
消費される。この結果、銅イオンの硫化銅表
面への補給と、砒酸(H 3
AsO 4
)の沖合への拡散とが、進行するものと考え
れる。
尚、後述の[比較例5]に示すpH0条件下では、(
式24)に示す反応が基本的に進行せず、また、
(式27)に示す反応も進み難くなる為、酸化効
が極端に低下するのだと解釈される。
(実施例2)
試薬グレードの三酸化二砒素(品位を表6に
す。)、試薬グレードの硫化銅(品位を表7に
す。)を準備した。
上述したように、硫化銅には、大別してCuS
Cu 2
Sとの2形態、さらに、結晶格子中銅の一部が
損した組成のCu 9
S 5
がある。そして、いずれの形態でも使用可能
であり、また、いずれかの形態の混合であっ
ても良い。
本実施例に用いた硫化銅のX線回折の結果を
、図3に示す。尚、図3において、CuSのピーク
△で、Cu 2
Sのピークを☆で、Cu 9
S 5
を◆で示した。当該X線回折の結果から、本
施例に用いた硫化銅はCuSと、Cu 2
Sと、Cu 9
S 5
との混合物と考えられる。
反応容器は1リットルビーカーを使用し、 攪拌措置は700rpmの2段タービン羽および4枚邪 板を使用し、ガス吹き込みは、ガラス管を して前記ビーカー底部より酸素の吹き込み 実施した(強攪拌状態とし、気液混合状態に て酸化した)。
三酸化二砒素50gと、硫化銅48gとを反応容 に投入し、純水800ccでリパルプし80℃へ加温 した。次いで、撹拌装置を用いて溶液の攪拌 を開始し、さらに、当該反応容器の底部に酸 素ガスの吹き込みを400cc/分にて開始し、3価 素の酸化を行った。尚、酸素ガス吹き込み 始直前の溶液のpH値は3.09(at80℃)であった。
溶液の攪拌と酸素ガスの吹き込みとを90 間継続し、当該3価砒素の酸化を行った。そ て30分間ごとに、溶液の、温度、pH値、酸化 還元電位、銅イオン量、3価砒素量、5価砒素 を測定した。当該測定結果を表8に示す。尚 、酸化還元電位は、Ag/AgCl電極基準値である
当該3価砒素の酸化を90分間継続して行っ 後、溶液を濾過し、沈殿物として回収した 媒を水洗浄し、当該触媒の品位分析とX線回 折とを行った。当該反応後の触媒の品位分析 結果を表9に、X線回折結果を図4に示した。尚 、図4において、CuSのピークを△で、銅の5価 素化合物のピークを○で示した。
以上、表8、表9、および図4より、本実施例2
に係る反応系において、硫化銅と、銅イオン
と、銅の5価砒素化合物(砒酸銅)とが共存して
いることが理解されるものである。
さらに、本実施例2においては、3価砒素の
化速度、酸化率とも高いことが判明した。
に、酸化率においては酸化反応開始後90分間
の時点で、既に99%以上に達していることが認
められた。
(実施例3)
反応容器に投入する硫化銅の量を半分の24g
した以外は、実施例2と同様の操作を
行い、同様の測定を行った。
尚、酸素ガス吹き込み開始直前の溶液のpH
は2.96(at80℃)であった。
30分間ごとに、溶液の、温度、pH値、酸化還
元電位、銅イオン量、3価砒素量、5価砒素量
測定した結果を表10に示し、沈殿物として
収した触媒の水洗後の品位分析結果を表11に
示す。
本実施例3においては、CuS添加量を実施例2
半分とし、当該半減の効果を検討したもの
ある。
その結果、実施例2に較べて、3価砒素の酸
速度は若干劣るが、酸化能力は十分保持さ
、酸化反応開始後120分間の時点で99%以上の
化が認められた。実施例2と同様、3価砒素の
酸化能力、速度共に、実用化に十分好適と考
えられる。
(実施例4)
本実施例では、実施例2と同様だが、さらに
試薬グレードの硫酸銅(CuSO 4
・5H 2
O)16gを反応容器に投入した。当該硫酸銅の投
量は、銅イオンとして5g/Lに相当する量であ
る。本実施例は、反応初期より銅イオン濃度
を高めた場合の実施例である。
尚、酸素ガス吹き込み開始直前の溶液のpH
は2.98(at80℃)であった。
30分間ごとに、溶液の、温度、pH値、酸化還
元電位、銅イオン量、3価砒素量、5価砒素量
測定した結果を表12に示す。
本実施例では、反応終了時の120分時点にお
て酸素ガス吹き込みを停止した。そして、
度500g/LのNaOH溶液を添加して、溶液をpH=3.5へ
中和し、液中に溶存する銅イオンを5価砒素
合物として晶出させた後、濾過操作を行っ
。尚、NaOH溶液の添加量は40ccであった。
濾過操作により得られた濾液の全砒素濃度
、29.6g/L、銅濃度は80mg/Lであり、砒酸銅化合
物形成に伴う、濃度低下が認められた。
一方、濾過操作により回収された殿物は165g
・wetであった。当該殿物のうち5g・wetを採取
、水分測定したところ水分=59.9%であった。
た、当該殿物のうち5g・wetを、水洗浄し品
分析を行った。回収された殿物の品位分析
果を表13に示す。
本実施例4は、実施例2における反応初期よ
Cuイオン濃度を高めたものである。
表12の結果から、本実施例においても、高
酸化率にて反応が完結していることが認め
れた。
一方、本実施例4では、実施例2に比して若
酸化速度が落ちている。従って、反応系内
銅イオン濃度は、必要以上に高く設定する
要がないことが判明した。反応系内の銅イ
ン濃度は、1~5g/L程度で十分と判断される。
尤も、触媒として、湿式硫化反応で生成さ
た直後の硫化銅を用いる場合、当該硫化銅
難溶性の挙動を取る。そこで、湿式硫化反
で生成された直後の硫化銅を触媒として用
る場合は、反応系内への銅イオンの添加が
効である。
また、本実施例では、中和により添加した
イオンを、銅の5価砒素化合物として回収し
ている。銅イオンの回収方法は、銅の5価砒
化合物として回収する方法以外にも、元素
硫黄やZnS等の、銅イオンと反応し硫化銅を
成する薬剤を添加する方法によっても良い
(実施例5)
試薬グレード三酸化二砒素50gを準備した。
実施例4で回収した全殿物(実施例4で、測定
サンプルに供した10g・wetは除く。)と、三酸
化二砒素50gとを反応容器へ投入し、純水707cc
リパルプし、パルプ中の水分を800ccとした
当該パルプを80℃に加温し、次いで、反応容
器の底部に酸素ガスの吹き込みを400cc/分にて
開始した。
尚、酸素ガス吹き込み開始直前のpH値は3.03(
at79℃)であった。
30分間ごとに、溶液の、温度、pH値、酸化 還元電位、銅イオン量、3価砒素量、5価砒素 を測定した結果を表14に示す。
90分間反応させた後、酸素吹き込みを停止
、500g/LのNaOH溶液を添加し
て溶液のpH値を3.0へ中和した後、当該溶液を
過した。尚、該NaOH溶液の使用量は36ccであ
た。
得られた濾液の全砒素濃度は44.8g/L、Cu濃度
210mg/Lであり、砒素濃度はほぼ配合値濃度の
ものが回収されていることが判明した。
一方、得られた殿物は122g・wetであった。得
られた殿物のうち5g・wetを採取し水分測定し
ところ水分=48.9%であった。また、得られた
物のうち5g・wetを水洗浄し分析を行った。
殿物として回収した触媒の品位分析結果を
15に示した。
本実施例5は、実施例2~6のなかで、最も酸化
効率が高く、且つ、酸化速度も速かった。具
体的には、反応60分時点で既に95%の酸化が認
られ、反応90分時点ではほぼ100%近い99.6%の
化率を示した。
本実施例5に係る触媒も、硫化銅と、銅イオ
ンと、砒酸銅化合物(銅の5価砒素化合物)との
3種共存である。そして、本実施例5に係る触
は、実施例2、3に比較して、特に砒酸銅化
物(銅の5価砒素化合物)の含有比率が高いも
である。当該砒酸銅化合物の高含有比率が
酸化性能向上へ寄与しているものと考えら
る。すなわち、当該寄与現象は、「酸化反
のモデル」にて説明したように、砒酸銅化
物の形成・存在が活性なCuSの新生面生成に
与していることを裏付けるものと考えられ
。
(実施例6)
パルプに濃硫酸を添加することで、酸素吹
込み開始直前のpH値を1.0(at80℃)へ調整した
外は、実施例3と同様の操作を行った。
30分間ごとに、溶液の、温度、pH値、酸化 還元電位、銅イオン量、3価砒素量、5価砒素 を測定した結果を表16に示す。また、反応 の触媒品位(水洗浄済み)を表17に示した。
本実施例6は、添加した硫化銅量は実施例3
同様であるが、酸化開始直前の溶液のpH値を
1に調整したものである。
この結果、酸化能力が実施例3に較べて低下
し、120分間後の時点で72%の酸化率であった。
酸化率100%に到達させるためには、長時間反
させる必要があると考えられるが、酸化能
自体は十分保持している。
上述した酸化速度減少の原因は、共存する
酸銅が大幅に減少した為であると考えられ
。さらに、溶液のpH値が1では、硫化銅の溶
量が増える為、未溶解分として回収される
化銅の量(リサイクル量)が減り、コスト的
も不利となる。
以上のことから、溶液のpH値は2以上として
応を開始し、少なくともpH値1以上で酸化反
を終了することが、反応性確保、CuS回収量
保の観点から好ましいと考えられる。
(比較例1)
試薬グレードの三酸化二砒素50gのみを反応
器に投入し、純水800ccでリパルプした以外
、実施例2と同様の操作を行った。
尚、酸素ガス吹き込み開始直前のpH値は2.80(
at80℃)であった。
そして30分間ごとに、溶液の、温度、pH値、
酸化還元電位、銅イオン量、3価砒素量、5価
素量を測定した。当該測定結果を表18に示
。
本比較例1では、3価砒素の酸化が殆ど進 ないことが判明した。
(比較例2)
試薬グレードの三酸化二砒素50gと、試薬グ
ード硫酸銅(CuSO 4
・5H 2
O)16g(Cuイオンとして5g/L)を反応容器に投入し
純水800ccでリパルプした以外は、実施例2と
様の操作を行った。
尚、酸素ガス吹き込み開始直前のpH値は3.33(
at80℃)であった。
そして30分間ごとに、溶液の、温度、pH値、
酸化還元電位、銅イオン量、3価砒素量、5価
素量を測定した。当該測定結果を表19に示
。
本比較例2では、比較例1に較べれば酸化 進行が認められるが、その程度は小さい。
(比較例3)
試薬グレード三酸化二砒素50gと、試薬グレ
ド硫酸銅(CuSO 4
・5H 2
O)32g(銅イオンとして10g/L)を反応装置に投入し
、純水800ccでリパルプした以外は、実施例2と
同様の操作を行った。
尚、酸素ガス吹き込み開始直前のpH値は3.45(
at81℃)であった。
そして30分間ごとに、溶液の、温度、pH値、
酸化還元電位、銅イオン量、3価砒素量、5価
素量を測定した。当該測定結果を表20に示
。
(比較例4)
試薬グレード三酸化二砒素50gと、試薬グレ
ド硫化銅(CuS)48gと硫黄粉末20gとを反応装置
投入し、純水800ccでリパルプした以外は、実
施例2と同様の操作を行った。
尚、酸素ガス吹き込み開始直前のpH値は2.67(
at80℃)であった。
そして30分間ごとに、溶液の、温度、pH値、
酸化還元電位、銅イオン量、3価砒素量、5価
素量を測定した。当該測定結果を表21に示
。
反応終了後に溶液を濾過し、得られた澱物
水洗浄し、品位分析とX線回折を行った。
反応後の触媒品位(水洗浄済み)を表22に、ま
た、X線回折結果を図5に示した。尚、図5にお
いて、CuSのピークを△で、硫黄のピークを■
で示した。
品位分析において、砒素が0.1%検出されたが
、これは未洗浄分の液付着分由来と考えられ
る。
図5および表22より、本比較例4においては、
銅イオンと銅の5価砒素化合物との存在は認
られず、硫化銅単味の触媒系であることが
解される。
(比較例5)
パルプに濃硫酸を添加し、pH値を0(at80℃)に
整した後 酸素吹き込みを開始した以外は
実施例2と同様の操作を行った。
そして30分間ごとに、溶液の、温度、pH値、
酸化還元電位、銅イオン量、3価砒素量、5価
素量を測定した。当該測定結果を表23に示
。
反応終了後に溶液を濾過し、得られた澱物
水洗浄し、品位分析とX線回折を行った。
反応後の触媒品位(水洗浄済み)を表24に、ま
た、X線回折結果を図6に示した。尚、図6にお
いて、CuSのピークを△で、三酸化二砒素のピ
ークを□で示した。
本比較例5においては、砒素の酸化が進行せ
ず、反応後触媒にも砒素が10.6%検出された。
た、図6が示す様に、X線回折の結果から三
化二砒素が確認されることから、酸化反応
においても、三酸化二砒素が未溶解のまま
っているものと理解される。
これは、溶液が硫酸酸性のpH値が0で酸化反
を開始したため、三酸化二砒素の溶解度が
下したこと。さらに、溶液中へ溶出した3価
砒素が、溶解度が大きな5価砒素へ酸化され
ことなく溶液中に残留し、溶液中の3価砒素
度が低下しないため、三酸化二砒素の一部
未溶解のまま残っているためであると考え
れる。
本比較例5の結果から、砒素の酸化反応を 、砒酸銅が形成できないpH値が0の条件から始 めた場合、触媒となる物質は、硫化銅と銅イ オンとの2元系となり、酸化能力が激減した のと考えられる。 結局のところ、本特許に 係る砒素の酸化反応は、少なくともpH値1以上 条件で開始することが好ましいことが判明し た。
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