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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF TREATING COPPER-ARSENIC COMPOUND
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011075
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of treating arsenic contained in nonferrous smelting intermediate products, especially a method that in the treatment of copper-arsenic compound in its intermetallic compound form, realizes excellence in filtration performance and easy formation of stable scorodite at high reproducibility without any cumbersome operation. Scorodite is produced by a method comprising the leaching step of leaching arsenic from a nonferrous smelting intermediate product containing a copper-arsenic compound in its intermetallic compound form in the presence of a sulfurizing agent and an oxidizing agent; the liquid regulation step of adding an oxidizing agent to the leachate so as to oxidize the trivalent arsenic to the pentavalent arsenic; and the crystallization step of converting the arsenic of the resultant regulated liquid to scorodite crystal.

Inventors:
ABUMIYA, Mitsuo (14-1, Sotokanda 4-chome, Chiyoda-k, Tokyo 21, 1010021, JP)
鐙屋 三雄 (〒21 東京都千代田区外神田四丁目14番1号 DOWAメタルマイン内 Tokyo, 1010021, JP)
SATO, Yusuke (217-9 Iijimahurumitisimokawabata, Akita-sh, Akita 11, 0110911, JP)
佐藤 佑輔 (〒11 秋田県秋田市飯島古道下川端217-9 株式会社飯島興産内 Akita, 0110911, JP)
MIKAMI, Hironobu (217-9 Iijimahurumitisimokawabata, Akita-sh, Akita 11, 0110911, JP)
見上 寛信 (〒11 秋田県秋田市飯島古道下川端217-9 株式会社飯島興産内 Akita, 0110911, JP)
Application Number:
JP2007/071132
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
October 30, 2007
Export Citation:
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Assignee:
DOWA METALS & MINING CO., LTD. (14-1, Sotokanda 4-chome Chiyoda-k, Tokyo 21, 1010021, JP)
DOWAメタルマイン株式会社 (〒21 東京都千代田区外神田四丁目14番1号 Tokyo, 1010021, JP)
ABUMIYA, Mitsuo (14-1, Sotokanda 4-chome, Chiyoda-k, Tokyo 21, 1010021, JP)
鐙屋 三雄 (〒21 東京都千代田区外神田四丁目14番1号 DOWAメタルマイン内 Tokyo, 1010021, JP)
SATO, Yusuke (217-9 Iijimahurumitisimokawabata, Akita-sh, Akita 11, 0110911, JP)
佐藤 佑輔 (〒11 秋田県秋田市飯島古道下川端217-9 株式会社飯島興産内 Akita, 0110911, JP)
MIKAMI, Hironobu (217-9 Iijimahurumitisimokawabata, Akita-sh, Akita 11, 0110911, JP)
International Classes:
B09B3/00; C01G28/00; C22B30/04; B09B3/00; C01G28/00; C22B30/00
Attorney, Agent or Firm:
ANIYA, Setuo et al. (21TOWA Bldg. 3F, 6-1 Iidabashi 4-chom, Chiyoda-ku Tokyo 72, 1020072, JP)
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Claims:
金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非鉄製錬中間産物を単体硫黄共存下で浸出し、
砒素を含む浸出液を得る浸出工程と、
当該浸出液に含まれる3価砒素を5価砒素へ酸化し、調整液を得る液調整工程と、
当該調整液中の砒素をスコロダイトへ転換する結晶化工程を有し、
前記浸出工程は、非鉄製錬中間産物と単体硫黄との混合物をスラリー化し、温度50℃以上にて、酸化還元電位が250mV以上となるまで、空気の吹き込み、酸素の吹き込み、空気と酸素との混合ガスの吹き込み、硫化剤の添加から選択される1種以上を行って浸出を行うものであること、
を特徴とする砒素の除去方法。
 前記銅砒素化合物が、砒化銅(Cu 3 As)、脱銅電解スライムのいずれか1種以上であること、
を特徴とする請求項1に記載の砒素の除去方法。
 前記浸出工程において、
 当該工程の始期に硫化剤の添加を行い、
 その後、空気の吹き込み、酸素の吹き込み、空気と酸素との混合ガスの吹き込み、から選択される1種以上を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の砒素の処理方法。
 前記浸出工程において、
 当該工程の始期に硫化剤の一部の添加を行い、
 その後、空気の吹き込み、酸素の吹き込み、空気と酸素との混合ガスの吹き込み、から選択される1種以上を行い、
 さらにその後、硫化剤の残部の添加を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の砒素の処理方法。
 前記液調整工程において、
40℃以上の浸出液へ過酸化水素を添加し、3価砒素を5価砒素に酸化した後、
当該浸出液を金属銅と接触させ、当該浸出液に残留する過酸化水素を除去するものであること、
を特徴とする請求項1に記載の砒素の処理方法。
 前記結晶化工程を、pH1.2以下の領域で行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の砒素の処理方法。
 前記結晶化工程は、調整液に第一鉄を含む鉄塩を添加溶解し、当該第一鉄を含む鉄塩を酸化するものであること、
を特徴とする請求項1に記載の砒素の処理方法。
 前記結晶化工程を、温度50℃以上で行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の砒素の処理方法。
 前記結晶化工程の酸化反応を、空気または酸素またはこれらの混合ガスを吹き込むことで行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の砒素の処理方法。
Description:
銅砒素化合物の処理方法

 本発明は、砒素を含有する製錬中間産物 含まれる銅砒素化合物から砒素を抽出し、 れを安定な砒素化合物であるスコロダイト 結晶とする砒素の処理方法に関する。

 砒素を含有する化合物の安定化について、 下の文献が存在する。
 特許文献1には、製錬煙灰に含まれる砒素を 対象としたスコロダイトの生成方法が記載さ れている。

 特許文献2には、硫化砒素の浸出法に関し 、硫化砒素を含むスラリーに空気を吹き込み ながらアルカリを添加し、pHを5~8に保持しな ら砒素の浸出を行うことが記載されている

 非特許文献1は、砒酸鉄、砒酸カルシウム 、砒酸マグネシウムの溶解度積について報告 している。当該文献によれば、砒酸カルシウ ムと砒酸マグネシウムとは、アルカリ領域で のみ安定であり、一方、砒酸鉄は中性から酸 性領域で安定であり、極少の溶解度がpH3.2で2 0mg/Lと報告されている。

 非特許文献2には、砒酸鉄とスコロダイト との溶解度が開示されている。当該文献によ れば、弱酸性領域においてスコロダイトから の砒素の溶解度は、非結質の砒酸鉄のそれよ り2桁低いことが示され、スコロダイトが安 な砒素化合物であることを開示している。

 非特許文献3では、硫酸工場排水や製錬排 水に含まれる砒素を対象としたスコロダイト の生成方法が記載されている。

特開2005-161123号公報

特公昭61-24329号公報 西村忠久・戸沢一光:東北大学選鉱製錬 究所報告第764号第34巻第1号別刷 1978.June E.Krause and V.A.Ettel,“Solubilities and Stabili ties of Ferric Arsenate Compounds”Hydrometallurgy,22,3 11-337,(1989) Dimitrios Filippou and George P.Demopoulos,“Arse nic Immobilization by Cotrolled Scorodite Precipitation ”JOM Dec.,52-55,(1997)

 近年、世界的に非鉄製錬を取り巻く鉱石原 確保の環境は、非常に厳しいものがある。
特に、銅製錬の分野においては、非鉄メジャ ーによる寡占化が進み、さらに中国等の新た な消費大国が出現したことにより、需給が逼 迫した状況にある。
 当該状況下、各国においては公害に対する 境分野への規制が強化され、義務化されつ ある。本発明者らは、今後は環境と共存で る鉱山・製錬所が当業界を主導して行くも と考えた。

 ここで、非鉄製錬において懸念される公害 は、SO 2 ガスによる大気汚染や、砒素の土壌や排水汚 染が挙げられる。特に砒素に関しては、将来 的に銅鉱石中の砒素含有量が増えることにな ることから、万全の対策が必要となる。
 従来、国内の臨海非鉄製錬所では、精鉱中 砒素を最終的にスラグへ固溶・安定化する とによりバランスさせることを可能として た。しかし、今後、精鉱中の砒素含有量の 加が予想されることや、スラグ品質確保の 求もある。従って、砒素をスラグに全量固 させて安定化することは不可能となり、砒 を何らかの形で安定化し保管することが必 となると考えた。

 海外では、砒素を、砒酸カルシウムや三 化二砒素、又は硫化砒素化合物として管理 管している製錬所が数多くある。しかし、 発明者らの考察に拠れば、これらの砒素化 物は自然環境下において完全に安定ではな 。

 ここで、本発明者らは、上述した文献を検 した。
 しかし、いずれの方法も、生産性の観点、 成するスコロダイトの安定性の観点、等に 題点が見出された。

 本発明は、このような状況の下でなされ ものであり、その解決しようとする課題は 砒素を含有する非鉄製錬中間産物、特に、 と砒素が金属間化合物形態として存在する 砒素化合物から砒素を抽出し、上述した従 の技術に係る砒素化合物よりもさらに安定 砒素化合物であるスコロダイトを生成させ 、銅砒素化合物に含まれる砒素の処理方法 提供することである。

 本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意 究を行った。その結果、金属間化合物形態 砒素化合物である銅砒素化合物を含有する 鉄製錬中間産物から、砒素をスコロダイト 晶として回収する為には、最初の工程にて 非鉄製錬中間産物から浸出により砒素を抽 して浸出液を得(浸出工程)、次の工程にて 当該浸出液中の3価砒素を過酸化水素を始め する酸化剤により5価に酸化し、次いで残留 する過酸化水素を除去して調整液を得(液調 工程)、最後の工程で当該調整液に第一鉄(Fe 2+ )塩を添加溶解し、酸性下で酸化処理を行う とで、砒素をスコロダイトに変換(結晶化工 )すれば良いことに想到した。

 ここで、本発明者等は浸出工程において、 体硫黄(元素状態の硫黄)またはS 2- イオン存在下で銅砒素化合物へ酸化剤を作用 させ、酸化還元電位を250mV以上とすることで 銅および砒素の酸化溶解反応と銅の硫化反 とを同時に進行させることが出来ることを 出した。そして、当該酸化溶解反応と硫化 応との同時進行の結果、砒素を水中に浸出 せる(溶解させる)ことが出来、一方、銅は 化物となり水中に浸出されないことを見出 、本発明を完成したものである。

 即ち、上述の課題を解決するための第1の手 段は、
 金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非 製錬中間産物を、単体硫黄共存下で浸出し 砒素を含む浸出液を得る浸出工程と、当該 出液に含まれる3価砒素を5価砒素へ酸化し 調整液を得る液調整工程と、当該調整液中 砒素をスコロダイトへ転換する結晶化工程 を有し、前記浸出工程は、非鉄製錬中間産 と単体硫黄との混合物をスラリー化し、温 50℃以上にて、酸化還元電位が250mV以上とな まで、空気の吹き込み、酸素の吹き込み、 気と酸素との混合ガスの吹き込み、硫化剤 添加、から選択される1種以上を行って、浸 出を行うものであることを特徴とする砒素の 除去方法である。

 第2の手段は、
 前記銅砒素化合物が、砒化銅(Cu 3 As)、脱銅電解スライムのいずれか1種以上で ることを特徴とする第1の手段に記載の砒素 除去方法である。

 第3の手段は、
 前記浸出工程において、当該工程の始期に 化剤の添加を行い、その後、空気の吹き込 、酸素の吹き込み、空気と酸素との混合ガ の吹き込み、から選択される1種以上を行う ことを特徴とする第1の手段に記載の砒素の 理方法である。

 第4の手段は、
前記浸出工程において、当該工程の始期に硫 化剤の一部の添加を行い、その後、空気の吹 き込み、酸素の吹き込み、空気と酸素との混 合ガスの吹き込み、から選択される1種以上 行い、さらにその後、硫化剤の残部の添加 行うことを特徴とする第1の手段に記載の砒 の処理方法である。

 第5の手段は、
 前記液調整工程において、40℃以上の浸出 へ過酸化水素を添加し、3価砒素を5価砒素に 酸化した後、当該浸出液を金属銅と接触させ 、当該浸出液に残留する過酸化水素を除去す るものであることを特徴とする第1の手段に 載の砒素の処理方法である。

 第6の手段は、
 前記結晶化工程を、pH1.2以下の領域で行う とを特徴とする第1の手段に記載の砒素の処 方法である。

 第7の手段は、
 前記結晶化工程は、調整液に第一鉄を含む 塩を添加溶解し、当該第一鉄を含む鉄塩を 化するものであることを特徴とする第1の手 段に記載の砒素の処理方法である。

 第8の手段は、
 前記結晶化工程を、温度50℃以上で行うこ を特徴とする第1の手段に記載の砒素の処理 法である。

 第9の手段は、
 前記結晶化工程の酸化反応を、空気または 素またはこれらの混合ガスを吹き込むこと 行うことを特徴とする第1の手段に記載の砒 素の処理方法である。

 本発明に係る砒素の処理方法を用いて、 鉄製錬中間産物に含まれる金属間化合物形 の銅砒素化合物の処理することで、濾過性 優れ、且つ、安定なスコロダイトの結晶を 再現性良く、煩雑な操作なしに簡便に生成 ることが出来た。さらに生成したスコロダ トの結晶は、溶出基準値(環境庁告示13号準 )を満足することが出来た。

 上述したように本発明は、金属間化合物 態の銅砒素化合物を含む非鉄製錬中間産物 ら、硫黄の存在下で酸化剤を作用させるこ により、銅を硫化物として固定し、砒素を 中に浸出させる浸出工程と、当該浸出液に 化剤を添加して3価砒素を5価砒素へ酸化す 液調整工程と、当該調整液中の砒素をスコ ダイト結晶へ転換する結晶化工程とを有す 砒素の処理方法に関するものである。以下 図1に示すフローチャートを参照しながら、1 .金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非 製錬中間産物、2.浸出工程、3.液調整工程、4 .調整液中の砒素をスコロダイト結晶へ転換 る結晶化工程、の順に詳細に説明する。

1.金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非 製錬中間産物
 本発明に係る銅砒素化合物を含む非鉄製錬 間産物(1)とは、銅と砒素が金属間化合物形 で「銅砒素化合物」を形成しているものの とをいう。当該銅砒素化合物を含む非鉄製 中間産物としては、砒化銅(Cu 3 As)や脱銅電解スライムなどが挙げられる。

2.浸出工程
 従来、アルカリを添加せずに、銅砒素化合 を含む非鉄製錬中間産物から、酸化反応に って砒素を水中に浸出させることは極めて 難であると考えられてきた。これは、アル リを添加しないと、砒素だけでなく銅もイ ンとなり、砒素が砒酸銅として沈殿してし う為である。

 本発明者らは研究の結果、浸出工程(2)にお て、単体硫黄(元素状の硫黄)の存在下でな 、銅砒素化合物から砒素を浸出液(3)中に浸 させることが可能なるとの知見を得た。
 つまり、本発明に係る浸出工程(2)では、単 硫黄の存在下において、銅砒素化合物含有 質が水中に懸濁しているスラリーへ酸化剤 添加して撹拌し、銅の浸出反応を抑制しな ら、砒素の浸出反応を進行させ、当該浸出 応終了後にスラリーを固液分離して浸出液( 3)を回収する。

 また、本発明に係る浸出工程(2)では、単体 黄とS 2- イオンとの存在下において、銅砒素化合物含 有物質が水中に懸濁しているスラリーをその まま撹拌し、または、当該スラリーに酸化剤 を添加して撹拌して、銅の浸出反応を抑制し ながら、砒素の浸出反応を進行させ、当該浸 出反応終了後にスラリーを固液分離して浸出 液(3)を回収することも、好ましい構成である 。ここで、S 2- イオン供給物質としては、例えば、硫化亜鉛 (ZnS)や硫化ソーダ、硫化砒素などが好ましく 用することができる。この砒素の浸出反応 銅の硫化を伴うものである。従って、硫黄 供給量は、銅砒素化合物含有物質中の銅の に対して1当量以上とすることが望ましい。 なお、酸化剤としては酸素を含むガス(例え 純酸素)が使用できる。

 さらに、本発明者らは、砒素の浸出率と、 出液の酸化還元電位との関係に注目し、検 をおこなった。当該検討の結果を図2に示す 。
 図2は、縦軸に各元素の浸出率および酸化還 元電位をとり、横軸に浸出操作の時間をとり 、砒素を□でプロットし実線で結び、鉄を○ でプロットし一点鎖線で結び、銅を△でプロ ットし二点鎖線で結び、酸化還元電位を◇で プロットし二重線で結んだグラフである。
 図2の結果から明らかなように、砒素の浸出 率と、浸出液の酸化還元電位との間には深い 相関関係がある。つまり、浸出工程(2)では、 高濃度砒素回収液を高い生産性をもって調達 することを目的にしていることから、酸化還 元電位が200mV以上となるまで、好ましくは300m V以上となるまで、酸化還元電位を上げて浸 を行うことが望ましい。

 上述した本発明者らの得た知見について、 らに詳細に説明する。
 砒素含有化合物から砒素を直接浸出液(3)中 浸出させるには、酸化剤を添加して酸化反 を進行させる必要がある。もし硫化物形態 砒素含有物質を対象とするならば、所定の 件下で酸化剤を作用させることにより砒素 水中に浸出させることができる。しかし、 属間化合物である銅砒素化合物の場合、酸 領域下で酸化剤を作用させると、通常、砒 は銅とともに沈殿してしまう。その反応は 記(式1)、(式2)のようなものであると考えら る。
  Cu 3 As+8(O)→3Cu 2+ +2AsO 4 3- =2Cu 3 (AsO 4 ) 2 …(式1)
  2Cu 3 As+11(O)+3H 2 O→6CuO+2H 3 AsO 4 =2Cu 3 (As
O 4 ) 2 +3H 2 O…(式2)
 つまり、銅が銅イオンとなり、砒素が砒素 オンとなることで砒酸銅Cu 3 (AsO 4 ) 2 が生成し、砒素が沈殿してしまうのである。

 ところが、単体硫黄またはS 2- イオン存在下において、銅砒素化合物に、酸 化剤を作用させたとき、砒素を浸出液(3)中に 浸出させる(溶解させる)ことができる。
 これは、砒素の酸化溶解反応と、銅の硫化 応が同時に起きている為であると考えられ 。本発明者らは、単体硫黄存在下での反応 として(式3)を想定している。
  2Cu 3 As+6S+5(O)+3H 2 O=3CuS+2H 3 AsO 4 …(式3)
 つまり、銅砒素化合物に、酸化剤と硫化剤 を同時に作用させ、砒素の酸化浸出(溶解) 銅の硫化を同時に進行させるのである。こ 結果、好ましいことに銅は硫化銅となり、 果的に浸出液(3)中へ浸出されない。そして 当該硫化銅を含む浸出残渣(7)は、銅製錬工 (8)で処理される。

 ところで、銅砒素化合物の中には、砒素 位に対する銅品位が高くなると、単体硫黄 存在のみでは銅の溶出を十分に抑え難くな 場合がある。これは、酸化剤として空気ま は酸素または空気と酸素との混合ガスの吹 込みを用いた場合、当該吹き込み前の時点 、既に、液の酸化還元電位が高い値を示し いるためであると考えた。つまり、高い酸 還元電位下では、銅イオンと単体イオウと 反応性が著しく鈍くなっているのであると えられる。

 そこで、銅の溶出を抑制する為、まず、 属亜鉛や金属鉄を添加する方法が考えられ 。しかし、この方法では、亜鉛や鉄と砒素 オンとの反応により、有毒なアルシンガス 発生などが懸念される。次に、亜硫酸ガス 吹き込む方法も考えられた。しかし、この 法では吹込む亜硫酸ガスの水への溶解度に り、浸出液中の硫酸濃度が高くなり後工程 中和する必要がある。

 ここで本発明者らは、単体イオウ以外の 化剤、例えば、硫化ナトリウムや水硫化ナ リウム、硫化水素などを添加することで、 旦、溶出した銅に由来する銅イオンを硫化 として沈殿分離する方法に想到した。尤も この銅イオンの硫化分離は、浸出工程(2)の 工程、例えば液調整工程(4)で行っても良い とも見出された。但し、浸出工程(2)で生成 る硫化物は粗大でかつ沈降性が良く、ろ過 し易いので、浸出工程(2)において浸出残渣( 7)の存在下で実施するのが好ましい。

3.液調整工程
 液調整工程(4)は、上記「2.浸出工程」で得 れた浸出液(3)へ、酸化剤を添加し3価として 解している砒素を5価砒素に酸化した後、当 該反応後、液中に残留する酸化剤を除去する 工程である。

 まず、酸化剤について説明する。
 一般に、3価砒素を5価砒素へ酸化するのは 酸性領域より中性領域、さらに中性領域よ アルカリ性領域の方が容易である。しかし 本発明に係る浸出液は酸性である。そこで 当該酸性の浸出液にアルカリ(例えば、水酸 ナトリウム)添加を行い、液性をアルカリ性 とした上で、砒素の酸化を行うことが考えら れる。ところが、本発明者らの検討によると 、当該液性のアルカリ化には多量のアルカリ 添加が必要で、コスト的に不利であることに 加え、液中の塩類濃度が増加し、後工程のス コロダイト(6)生成に悪影響を及ぼすことに想 到した。尚、砒素が酸化される際に鉄が存在 すると、まず鉄が酸化されてしまい、さらに 砒素と鉄とが反応してしまう。そこで、前記 浸出工程(2)における浸出液中の鉄濃度は、低 いことが望ましい。

 次に、本発明者らは、中性領域(pH6~7)での 酸素を用いた砒素の酸化を検討した。しかし 、砒素の酸化は不十分なものに留まることが 判明した。そこで、銅系触媒(本研究ではヒ 銅を検討した。)の使用も検討したが完全酸 までには至らなかった。

 ここで本発明者らは酸化剤として、過酸化 素(H 2 O 2 )を用いることに想到した。そこで、当該過 化水素を用い、酸性領域下で砒素の酸化を 討したところ当該酸化が十分に進行するこ を確認した。ところが、当該砒素の酸化反 後に、液中に残留する過酸化水素は、後工 の結晶化工程(5)において添加される2価鉄塩 一部を酸化する為、スコロダイト(6)生成の 害要因になることが判明した。

 そこで、本発明者らは、今度は、当該液 に残留する過酸化水素の処理方法を検討し 。まず、金、銀等の金属のコロイドを添加 残留過酸化水素を分解除去することを試み 。ところが、当該貴金属コロイドの添加法 、原料コストが高い上に、ハンドリング性 ロスによる損失も考えられ適用は困難であ た。ここで、本発明者らは、残留過酸化水 を分解するのではなく、金属銅と接触させ 消費による除去を行うという画期的な着想 想到し、残留過酸化水素の除去に成功した

 以下、具体的に説明する。
 まず、用いる過酸化水素は、濃度30~35%の汎 品で良い。
 酸性領域下における3価砒素の5価砒素への 化は、下記、(式4)、(式5)により進行すると えられる。
  HAsO 2 +H 2 O 2 =H 3 AsO 4 …(式4)
  HAsO 2 +H 2 O 2 =H 2 AsO 4 - +H + …(式5)

 過酸化水素の添加量は、3価砒素濃度と、 (式4)、(式5)とに基づき、反応当量の1~1.2倍量 添加することが好ましい。尤も、3価砒素濃 度不明の場合は、当該過酸化水素添加後、液 温80℃における液の酸化還元電位が500mV(VS;Ag/A gCl)以上に達していることを目安としても良 。

 過酸化水素の添加時間は、酸化される3価 砒素濃度による。例えば、濃度20g/Lの3価砒素 を酸化する場合、添加時間を5分間以上とす ことが好ましい。添加時間を十分にとるこ で、過酸化水素の一部が急速に分解し、気 の発生が多くなり添加効率が悪化すること 回避出来るからである。さらに好ましくは 添加時間を10分間~15分間とする。

 過酸化水素添加による3価砒素の5価砒素 の酸化は非常に早く、pHの低下と反応熱によ る液温の上昇が観察される。尤も、反応時間 は、酸化を完全に行う観点から60分間以上が ましく、液の酸化還元電位が450mV(VS;Ag/AgCl) 下となった時点で終了することが望ましい

 当該砒素の酸化反応後に残留する過酸化水 は、金属銅を接触させることで除去する。 体的には、当該溶液へ銅粉を添加し攪拌し 反応させる方法が一般的である。尤も、実 のプラント操業においては簡便化を図る目 で、銅板や銅屑を充填したカラムを通液す ことでも目的は達成される。
 液温度は、反応を完結させるため、40℃以 とすることが好ましい。
 当該除去反応は、下記(式6)のように進むと えられる。
  Cu 0 +H 2 O 2 +H 2 SO 4 =CuSO 4 +2H 2 O…(式6)
 この結果、当該除去反応はpHの上昇を伴う で、pHが一定値を示した時点で終了と判断出 来る。

 本発明に係る液調整工程(4)によれば、浸 液(3)が酸性領域であっても、煩雑な操作も く3価砒素を5価砒素に酸化出来、後工程に ける砒素のスコロダイト(6)への高変換率を 持出来る。

4.結晶化工程
 結晶化工程(5)は、上記「3.液調整工程」で られた浸出液(3)中の5価砒素を、スコロダイ (6)へと結晶化する工程である。
 前記液調整工程(4)を終えた浸出液(液調整処 理後砒素溶液)の砒素濃度は、スコロダイト 生産性を考えた場合、20g/L以上、好ましくは 30g/L以上の濃厚液であることが好ましい。
 まず、当該液調整処理後砒素溶液に対し、 温にて硫酸(H 2 SO 4 )を添加しpH1に調整した後、第一鉄(Fe 2+ )塩を添加し溶解する。ここで、第一鉄塩化 物は種々あるが、設備の耐腐食性の観点お び入手の容易性の観点から、硫酸第一鉄が ましい。
 第一鉄塩の添加量は、Fe純分量として被処 砒素総モル量の1倍当量以上、好ましくは1.5 当量である。

 第一鉄塩の添加を終えたら、当該液調整 理後砒素溶液を所定の反応温度まで昇温す 。ここで反応温度は、50℃以上であればス ロダイト(6)が析出可能である。しかし、ス ロダイトの粒径を大きくする観点からは、 応温度が高い程、好ましい。尤も、大気雰 気下での反応を可能とする観点からは、反 温度を90~100℃とすることが望ましい。

 当該液調整処理後砒素溶液が、所定の反応 度に到達したら、空気または酸素またはこ ら混合ガスの吹き込みを開始し、強攪拌を って気液混合状態をつくり、所定の反応温 を保ちながら高温酸化反応を進める。
 当該高温酸化反応は2~3時間程度で、下記、( 式7)~(式12)の様に進行すると考えられる。
(反応の前半)
  2FeSO 4 +1/2O 2 +H 2 SO 4 =Fe 2 (SO 4 ) 3 +H 2 O…(式7)
  2H 3 AsO 4 +Fe 2 (SO 4 ) 3 +4H 2 O=2FeAsO 4 ・2H 2 O+3H 2 SO 4 …(式8)
(全反応式(式7+式8)を、下記、(式9)に示す。)
  2H 3 AsO 4 +2FeSO 4 +1/2O 2 +3H 2 O=2FeAsO 4 ・2H 2 O+2H 2 SO 4 …(式9)
(As濃度が低下した反応後半)
  2FeSO 4 +1/2O 2 +H 2 SO 4 =Fe 2 (SO 4 ) 3 +H 2 O…(式10)
  2/3H 3 AsO 4 +1/3Fe 2 (SO 4 ) 3 +4/3H 2 O=2/3FeAsO 4 ・2H 2 O+H 2 SO 4 …(式11)
(全反応式(式10+式11)を、下記、(式12)に示す。 )
  2/3H 3 AsO 4 +2FeSO 4 +1/2O 2 +4/3H 2 O=2/3FeAsO 4 ・2H 2 O+2/3Fe 2 (SO 4 ) 3 …(式12)

 酸化方法にもよるが、当該高温酸化反応 始後、2時間~3時間で、pH、砒素濃、Fe濃度が 急激に低下する。当該段階において、液の酸 化還元電位は95℃で400mV以上(VS;Ag/AgCl)を示す そして、含有されている砒素の90%以上がス ロダイト(6)の結晶となる。当該高温酸化反 開始後、3時間以降は、液中に残留する砒素 少量低下するのみで、pHや液電位は殆ど変 しない。尚、当該高温酸化反応を完全に平 状態で終えるには、好ましくは5時間~7時間 継続を行う。

 上述した本発明に係る結晶化工程(4)によれ 、反応操作が簡単であり、途中pH調整の必 もなく、含有される砒素を確実にスコロダ ト(6)の結晶へ変換可能である。
得られるスコロダイト(6)の結晶は、沈降性、 濾過性に優れ、濾過後の付着水分が10%前後と 低く、さらに砒素品位が30%にも及ぶので減容 化が達成され、かつ、耐溶出性に優れ安定で ある。従って、砒素を、製錬工程から安定な 形として除去し保管可能となる。

 以下に実施例を示し、本発明をより具体的 説明する。
(実施例1)
1.金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非 製錬中間産物
 金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非 製錬中間産物として、亜鉛製錬工程で亜鉛 置換により砒素と銅を砒化銅として回収し RT銅残渣を準備した。当該RT銅残渣に含有さ れる各元素の含有量を表1に示す。

2.浸出工程
 銅砒素化合物380wet・gを、2Lビーカーに秤取 、純水1.4Lを加えリパルプした。当該リパル プに硫酸18gを添加した後、含有銅量に対し2 等量の単体イオウを添加して混合物とし、 拌しながら温度80℃まで加温した。その時、 当該混合物のpHは、1.5、酸化還元電位は-11mV 示した。尚、当該酸化還元電位は、Ag/AgCl電 を用いて測定した(以降の実施例、比較例に おいても同様である。)。
 ここで、当該混合物を80℃に保ちながら、 撹拌下で酸素を400cc/minで吹き込み、3時間の 出を行った。このときの酸化還元電位は、3 60mVであった。得られた浸出液に含有される 元素の含有量、当該元素毎の浸出率を表2に す。
 表2の結果から明らかなように、浸出液中の 砒素濃度が48.8g/Lと高いのに対し、銅を始め する他の金属元素の溶出は十分に抑制出来 いることが判明した。また、得られた浸出 中の3価砒素濃度は20g/Lであった。

(注)表中のg/l及びmg/lは、文中のg/L及びmg/Lと 義である。

3.液調整工程
 前記浸出液900ccを1Lビーカーに取り、攪拌を 行いながら過酸化水素を添加した。尚、過酸 化水素の添加量は、含有されている3価砒素 酸化するに必要な量の1.15倍当量である。
 具体的には、30%H 2 O 2 水32.3gを、当該浸出液が昇温過程にあるとき 40℃から添加を開始し10分間で添加終了した 。添加完了時の液の酸化還元電位は70℃で584m V(Ag/AgCl)であった、さらに攪拌を20分間保持し て終液を得た。尚、攪拌は空気を巻き込まな い程度の攪拌である。
 当該終液の酸化還元電位は530mVに低下し、3 砒素の濃度は2.2g/Lであった。

 当該終液の液温を40℃とし、900ccに銅粉3.7 gを添加した。反応は短時間に終了し調整液 得た。調整液中の銅濃度は1.0g/Lとなり、終 に対して約0.3g/L上昇した。当該反応の推移 表3に示す。尚、添加した銅粉は全量溶解す まで、繰返し使用できる。

4.結晶化工程
 調整液を純水で希釈し、砒素濃度を45g/Lに 整した。そして砒素濃度を調整した調整液80 0ccを2Lビーカーに移し、第一鉄(Fe 2+ )塩を添加した。添加した第一鉄塩量は、砒 モル量の1.5倍モル量とした。
 具体的には、試薬1級の硫酸第一鉄(FeSO 4 ・7H 2 O)を200g秤取り、調整液へ溶解し、さらに95%硫 酸を添加して30℃でpH1.0へ調整した。次に、 の液を加熱し95℃へ昇温して、ビーカー底部 よりガラス管を用い酸素ガスを950cc/minで吹き 込みを開始し、強攪拌下、気液混合状態で7 間高温酸化反応させて、スコロダイトの沈 を生成させた。得られたスコロダイトの分 結果を表4に示す。得られたスコロダイトは 水分が少なく洗浄効率が高かったこともあ 、環境庁告示13号準拠による溶出値も良好 あった。

(注)表中のmg/lは、文中のmg/Lと同義である。 

(実施例2)
1.金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非 製錬中間産物
金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非鉄 製錬中間産物として脱銅電解スライムを準備 した。当該脱銅電解スライムに含有される各 元素の含有量を表5に示す。

2.浸出工程
 銅砒素化合物252wet・gを、2Lビーカーに秤取 、純水1.4Lを加えリパルプした。当該リパル プに硫酸18gを添加した後、含有銅量に対し2 等量の単体イオウ90gを添加して混合物とし 撹拌しながら温度80℃まで加温した。その時 、当該混合物のpHは1.6、酸化還元電位は+50mV 示した。
 当該混合物を80℃に保ちながら、強撹拌下 酸素を400cc/minで吹き込み、3時間の浸出を行 た。このときの酸化還元電位は、370mVであ た。得られた浸出液に含有される各元素の 有量、当該元素毎の浸出率を表6に示す。
 表6の結果から明らかなように、浸出液中の 砒素濃度が48.6g/Lと高いのに対し、銅を始め する他の金属元素の溶出は十分に抑制出来 いることが判明した。また、得られた浸出 中の3価砒素濃度は2.8g/Lであった。

(注)表中のg/l及びmg/lは、文中のg/L及びmg/Lと 義である。

3.液調整工程
 前記浸出液900ccを1Lビーカーに取り、攪拌を 行いながら過酸化水素を添加した。過酸化水 素の添加量は、含有されている3価砒素を酸 するに必要な量の1.15倍当量である。
 具体的には、30%H 2 O 2 水5.1gを、当該浸出液が昇温過程にあるとき 40℃から添加を開始し10分間で添加終了した 添加完了時の液の酸化還元電位は70℃で584mV (Ag/AgCl)であった、さらに攪拌を20分間保持し 終液を得た。尚、攪拌は空気を巻き込まな 程度の攪拌である。
 当該終液の酸化還元電位は538mVに低下し、3 砒素の濃度は0.4g/Lであった。

 当該終液の液温を40℃とし、900ccに銅粉3.7 gを添加した。反応は短時間に終了し調整液 得た。調整液中の銅濃度は1.9g/Lとなり、終 に対して約0.2g/L上昇した。当該反応の推移 表7に示す。

4.結晶化工程
 調整液を純水で希釈し、砒素濃度を45g/Lに 整した。そして砒素濃度を調整した調整液80 0ccを2Lビーカーに移し、第一鉄(Fe 2+ )塩を添加した。添加した第一鉄塩量は、砒 モル量の1.5倍モル量とした。
 具体的には、試薬1級の硫酸第一鉄(FeSO 4 ・7H 2 O)を200g秤取り、調整液へ溶解し、さらに95%硫 酸を添加して30℃でpH1.0へ調整した。次に、 の液を加熱し95℃へ昇温して、ビーカー底部 よりガラス管を用い酸素ガスを950cc/minで吹き 込みを開始し、強攪拌下、気液混合状態で7 間高温酸化反応した。するとスコロダイト 白色沈殿が生成した。得られたスコロダイ の分析結果を表8に示す。得られたスコロダ トの分析結果を表8に示す。得られたスコロ ダイトは、水分が少なく洗浄効率が高かった こともあり、環境庁告示13号準拠による溶出 も良好であった。

(注)表中のmg/lは、文中のmg/Lと同義である。

(実施例3)
1.金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非 製錬中間産物
 実施例2と同じで脱銅電解スライムであるが 、ロットが異なり実施例2に比べ銅品位が高 原料を準備した。当該脱銅電解スライムに 有される各元素の含有量を表9に示す。

2.浸出工程
 銅砒素化合物402wet・gを、2Lビーカーに秤取 、純水1.4Lを加えリパルプした。当該リパル プに硫酸18gを添加した後、含有銅量に対し2 等量の単体イオウ199gを添加して混合物とし 撹拌しながら温度80℃まで加温した。その 、当該混合物のpHは1.5を示した。
 ここで、既に溶出した銅イオンに対し1.2当 に相当する硫化ナトリウム66g(純度50%)を添 した。添加後から30分間経過時の酸化還元電 位は、247mVであった。
 当該混合物を80℃に保ちながら、酸素を吹 込むことなく3時間の浸出を行った。このと の酸化還元電位は、310mVであった。得られ 浸出液に含有される各元素の含有量、当該 素毎の浸出率を表10に示す。
 表10の結果から明らかなように、浸出液中 砒素の浸出率は80.6%と僅かに低いが、濃度は 42.2g/Lであり、後工程へ十分供することがで る。また、銅を始めとする他の金属元素の 出は十分に抑制出来ていることが判明した
 この結果、単体硫黄と少量の硫化剤の組み わせを用いることで、浸出液中に溶出して た銅イオンを硫化銅として固定し、砒素と 分離が可能であることが判明した。

(注)表中のg/l及びmg/lは、文中のg/L及びmg/Lと 義である。

3.液調整工程
 実施例1または2に準拠して行うことが出来 。
4.結晶化工程
 実施例1または2に準拠して行うことが出来 。

(実施例4)
1.金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非 製錬中間産物
 実施例3と同様の脱銅電解スライムを準備し た。

2.浸出工程
 銅砒素化合物402wet・gを、2Lビーカーに秤取 、純水1.4Lを加えリパルプした。当該リパル プに硫酸18gを添加した後、含有銅量に対し2 等量の単体イオウ199gを添加して混合物とし 撹拌しながら温度80℃まで加温した。その 、当該混合物のpHは1.5、酸化還元電位は-11mV 示した。
 ここで、既に溶出した銅イオンに対し1.2当 に相当する硫化ナトリウム66g(純度50%)を添 した。

 当該混合物を80℃に保ちながら、酸素を400cc /minで吹き込みながら3時間の浸出を行った。 のときの酸化還元電位は、377mVであった。 られた浸出液に含有される各元素の含有量 当該元素毎の浸出率を表11に示す。
 表11の結果から明らかなように、浸出液中 砒素濃度が49.3g/Lと高いのに対し、銅を始め する他の金属元素の溶出は十分に抑制出来 いることが判明した。
 この結果、硫化剤の添加と酸素の吹込みと より、砒素の浸出率は実施例3よりも向上し 94.3%となった。

(注)表中のg/l及びmg/lは、文中のg/L及びmg/Lと 義である。

3.液調整工程
 実施例1または2に準拠して行うことが出来 。
4.結晶化工程
 実施例1または2に準拠して行うことが出来 。

(比較例1)
1.金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非 製錬中間産物
 実施例1と同様のRT銅残渣を準備した。

2.浸出工程
 銅砒素化合物380wet・gを、2Lビーカーに秤取 、純水1.4Lを加えリパルプした。さらに弱攪 拌を継続しながら硫酸400gを加え、80℃まで加 温した。その後、攪拌を強攪拌に切り換え、 ビーカー底部よりガラス管を用いて酸素ガス を400cc/minで吹込み、3時間の浸出を行った。 られた浸出液に含有される各元素の含有量 当該元素毎の浸出率を表12に示す。
 表12の結果から明らかなように、浸出液中 砒素濃度、銅濃度、鉄濃度、等とも高く、 属元素の分離が出来ていないことが判明し 。さらに、浸出液中の残存酸が高いことも 明した。
 当該結果を受けて、金属間化合物形態の銅 素化合物を含む非鉄製錬中間産物の処理工 をここで打ち切った。

(注)表中のg/l及びmg/lは、文中のg/L及びmg/Lと 義である。

(比較例2)
1.金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非 製錬中間産物
 実施例1と同様のRT銅残渣を準備した。

2.浸出工程
 単体硫黄またはS 2- イオンを、全く加えないで浸出をおこなった 。
 実施例1と同様に、銅砒素化合物380wet・gを2L ビーカーに計り取り、純水1.4Lを加えリパル した。そして、硫酸を18g添加し撹拌しなが 80℃まで加温した。さらに、強撹拌下で酸素 ガスを400cc/minで吹き込み、3時間の浸出を行 た。このときの酸化還元電位は、323mVを示し た。得られた浸出液に含有される各元素の含 有量、当該元素毎の浸出率を表13に示す。
 表13の結果から明らかなように、浸出液中 砒素濃度は21%と低かった。さらに、銅との 離も出来ていないことが判明した。当該結 を受けて、金属間化合物形態の銅砒素化合 を含む非鉄製錬中間産物の処理工程をここ 打ち切った。

(注)表中のg/l及びmg/lは、文中のg/L及びmg/Lと 義である。

(比較例3)
1.金属間化合物形態の銅砒素化合物を含む非 製錬中間産物
 実施例1と同様のRT銅残渣を準備した。

2.浸出工程
  酸化剤を空気のみの吹込みで実施した。
 実施例1と同様に、銅砒素化合物380wet・gを2L ビーカーに計り取り、純水1.4Lを加えリパル した。当該リパルプに硫酸18gを添加した後 含有銅量に対し2倍等量の単体イオウ156gを添 加して混合物とし、撹拌しながら温度80℃ま 加温した。
さらに、強撹拌下で空気を2000cc/minで吹き込 、6時間の浸出を行った。このとき、酸化還 電位は137mVを示した。得られた浸出液に含 される各元素の含有量、当該元素毎の浸出 を表14に示す。
 表14の結果から明らかなように、単体イオ の存在により銅の浸出は抑えられているも の、終液の酸化還元電位は137mVと低く酸化不 足のため砒素の浸出率が低いことが判明した 。
 当該結果を受けて、金属間化合物形態の銅 素化合物を含む非鉄製錬中間産物の処理工 をここで打ち切った。

(注)表中のg/l及びmg/lは、文中のg/L及びmg/Lと 義である。

本発明に係る砒素の処理方法を示すフ ーチャートである。 浸出工程における、各元素の浸出率、 化還元電位と、浸出時間との関係を示すグ フである。