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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF TREATING FISH MEAT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019960
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a method of treating fish meat whereby the amount of so-called drip flowing out from fish meat, which is obtained by disassembling, cutting and molding landed fish and then freezing, in the course of the treatment and thawing can be largely reduced. This object is achieved by pre-drying molded fish meat, which has been prepared by disassembling landed fish and cutting them into various shapes, with a cold air stream so as to lightly dehydrate the surface part, dipping the fish meat in an aqueous solution of sodium chloride for a short period of time so that the fish meat surface turns into a gel to form a coating, vacuum-packaging it as such, further blowing a clean gas such as oxygen into the package to give a gas-containing package, then freezing it by the brine freezing method and storing in that state. Due to a series of the treating procedures as described above, the amount of the drip during thawing the fish meat is considerably reduced.

Inventors:
ADACHI TETSUO (PH)
Application Number:
PCT/JP2008/062811
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
July 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TENPOINT MFG CORP (PH)
ADACHI TETSUO (PH)
International Classes:
A23B4/02; A23B4/06; A23B4/10; A23B4/16; A23L17/00
Foreign References:
JP2000308455A2000-11-07
JPH08168337A1996-07-02
JPH03254631A1991-11-13
JPS60192544A1985-10-01
JPH07123912A1995-05-16
JP3299517B22002-07-08
JPH03254631A1991-11-13
Other References:
See also references of EP 2191727A4
Attorney, Agent or Firm:
MAKI, Tetsuro et al. (Kioicho Park Bldg.3-6, Kioi-ch, Chiyoda-ku Tokyo 94, JP)
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Claims:
 魚体を所定の形状に切断整形して得られた魚肉を、冷蔵庫内に収容して、魚肉表面の冷風乾燥を行った後、食塩水に所定時間浸漬して魚肉表面部をゲル化させ、
 そしてこの魚肉を食塩水から取り出して真空包装し、次いで、包装袋内に清浄気体を注入して含気包装状態とした後、さらに、ブライン法による急速凍結処理を行うことを特徴とする魚肉処理方法。
 魚体を所定の形状に切断整形して得られた魚肉を、庫内の温度が0℃ないし5℃で湿度が60%以下の冷蔵庫に収容し、ファンを作動させて、魚肉表面の冷風乾燥を行った後、食塩濃度が1%ないし8%で、温度が0℃ないし5℃の食塩水に、30秒ないし10分間、魚肉を浸漬して魚肉表面部をゲル化させ、
 そしてこの魚肉を食塩水から取り出して真空包装し、
 次いで、包装袋内に清浄気体を注入して含気包装状態とした後、さらに、ブライン法による急速凍結処理を行うことを特徴とする魚肉処理方法。
 前記魚肉がマグロの魚肉であり、前記清浄気体が酸素濃度70%以上の高酸素気体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚肉処理方法。
Description:
魚肉処理方法

 本発明は、解体整形処理を行った後の魚 を保存用に適した状態とするための魚肉処 方法に関する。

 周知のとおり、捕獲した生魚、特に鮪等 大型の魚類は、鱗や内臓等の除去、腹腔内 洗浄、殺菌等の処理を行った後に解体し、 肉はロイン、ブロック、サク等の形状に切 、整形した後、保存に適するための処理に されるのが通常である。

 保存用処理としては、乾燥、冷凍、包装 の処理を組み合わせて行われるが、その際 重要な留意点は、食用に供するまで魚肉を きるだけ新鮮な状態に保つことと共に、冷 品の解凍等に際して、魚肉から味成分や栄 成分の流出が生じないようにすることであ 。

 魚肉を冷凍保存する場合、その解凍時に 通常ドリップと呼ばれる、肉汁の浸出滴下 象が生じ易い。この現象は、肉汁を冷凍す ときに細胞外に形成される氷の結晶が細胞 織を破壊してしまうために、解凍時に氷が けて生じる水が肉組織内に吸収されずに浸 滴下してしまう現象であり、ドリップ量が いと、解凍後の魚肉の味や栄養分が大きく なわれることになる。このようなドリップ 象を低減するためには、一般に、凍結の際 急送凍結を行ってから変動の少ない低温で 蔵することが有効であるとされているが、 のような方法のみではドリップの低減は十 ではない。

 しかし、従来の魚肉保存技術において、 として重視されているのは、魚肉を新鮮な 態に保つことであって、そのための手段と ては、魚肉に酸素等を吸収させる方法が用 られており、上記の特許文献2ないし3にお て提案されている魚肉保存法は、いずれも の範疇の技術である。

 すなわち、特許文献3(特開平3-254631)にお て魚肉を収容した合成樹脂の袋内に、酸素 みではなく、酸素と炭酸ガスの混合ガスを き込み、その状態で低温保存することによ て魚肉中の菌の増殖を抑制しようとする技 が提案されており、特許文献2(特開平7-123912) においては、酸素と炭酸ガスとの混合ガスを 用いる点は特許文献3と同じであるが、混合 スとの接触後に、別の包装袋に移して真空 ックとして急速冷凍を行う技術が提案され いる。

 しかし、上記のように酸素等の気体を魚 に吸収させて鮮度を維持することに留意し 従来技術においては、魚肉内部からのドリ プを防止する点についての留意は見当たら 、むしろ、特許文献2においては、別の袋に 移す際に、魚肉中からのドリップを吸い出す ことさえ記載されている。

 これに対し、特許文献1(特許第3299517号)にお いては、解凍時におけるドリップの発生を少 なくすることを目的の一つとする発明が提案 されており、魚肉を酸素に接触させるのみで なく、魚肉処理の当初に予め低温乾燥するこ とにより、ドリップの発生を抑えることがで きるとされている。しかし、低温乾燥の具体 的手段や、予備的乾燥とドリップ減少度との 関連が必ずしも明確ではない。

特許第3299517号公報

特開平7-123912号公報

特開平3-254631号公報

 本発明の目的は、上記の従来技術の状況 鑑み、処理中及び解凍後のドリップ量を大 く低減しうる魚肉処理法を提供することで る。

 本願の発明者は、解体整形後の魚肉に、 備乾燥及び塩水処理を施した後に含気包装 はさらに急速凍結を行うことにより、ドリ プ量を大きく低減しうることを知見した。

 本発明においては、解体して整形加工(フィ レー、サク、スライス等への切断処理)した 肉について、まず軽く冷風乾燥処理を行っ 魚体表面部分から若干の水分を除去し、次 で食塩を溶解した冷水に浸漬する処理を行 ことによって魚肉表面部分をゲル化させ、 の状態で真空包装及びさらに含気包装を行 、さらにブライン法による急速凍結を行っ 後に冷凍状態で保存する。
 また、魚肉がマグロの魚肉の場合には、前 清浄気体を酸素濃度が70%以上の気体にする

 本発明においては、整形後の魚肉に、予備 燥を施した後に塩水浸漬処理及び含気包装 行うので、魚肉表面部分がゲル化コーティ グされた状態となってドリップが生じ難く り、その後に急速冷凍を行うことにより、 凍の際に魚肉内部の水分が外部に流出し難 状態とすることができる。
 また、清浄気体を酸素濃度が70%以上の気体 することにより、鮮度が良い状態のマグロ 魚肉の発色を保持し、色持ちをよくするこ ができる。

 本発明においては、冷凍処理に先立って まず、魚肉の予備乾燥が行われる。すなわ 、整形切断した魚肉をせいろう等の通気性 良いトレイに載せ、氷結しない程度の低温( 0℃~5℃)で庫内湿度が約60%以下の冷蔵庫に入 て、約1時間ファンを作動させて冷風乾燥を う。この予備乾燥処理によって、魚肉はそ 表面から約1mm程度の表面部が軽い脱水処理 態となり、それにより、次の塩水浸漬処理 効果が高まることになる。

 予備乾燥処理を受けた魚肉は、次いで食塩 度約1~8%で0℃~5℃程度の冷水中に、約30秒な し10分間浸漬される。
 この作業によって、上記の軽い脱水処理を けた表面部分の魚肉がゲル化されてそのゲ 化層によって魚肉がコーティングされた状 となり、魚肉内部の水分が表面部分のゲル さえぎられて外部に流出し難くなる。

 塩水浸漬処理を行った魚肉は、その表面 付着している塩水を、ふき取り又は洗い流 等によって除去しておく。なお、予備乾燥 行わない状態のままで塩水処理を行うと、 水が魚肉に浸透し難いのでゲル化が効率的 行われ難いことになる。また、塩水処理作 中は、魚肉の温度を10℃以下に保つことが ましい。

 上記の処理を終えた後、魚肉は真空包装 受け、さらに魚肉と包装袋との間に、清浄 気、酸素、又は酸素と二酸化炭素との混合 ス等の清浄気体が注入されて、含気包装状 とされる。真空包装のままでは包装内部が 圧状態であるため、そのまま放置すると魚 の細胞内の液が負圧によって吸い出され、 リップとして流出し易いので、それを防止 るため、包装内に気体を注入して正圧状態 するためである。

 いわゆるチルド品として魚肉を保管、運 する場合には、上記のように含気包装を行 た状態のものを、凍結しない程度の低温(0 ~4℃程度)で保存することになるが、上記の 連の作業を経た魚肉チルド品は、良質な状 を維持しうる時間が長く、かつ、開封時の リップが少ない利点を有する。

 本発明の処理法においては、上記のよう 含気包装を行った後、さらにブライン法に る急速凍結が行われる。急速凍結は、35分 内に最大氷結晶生成帯を通過してしまうよ に処理を行う凍結法である。周知のとおり 凍結には急速凍結法と緩慢凍結法とがある 、解凍後のドリップ抑制のためには急速凍 が望ましい。急速凍結の方が凍結によって じる氷結晶が比較的小さいため、氷結晶に る魚肉細胞の損傷が少なくなるからである 急速凍結の具体的方法としては、エアーブ スト法、液化ガス噴霧法、ブライン凍結法 があるが、本発明においてはブライン凍結 が用いられる。

 ブライン凍結法は、食塩や塩化カルシウ の濃厚溶液を-15℃以下の温度に冷却し、そ 液中にパックした魚肉を浸漬して凍結する 法である。しかし、真空包装のままでブラ ン凍結法を行うと、真空負圧によって魚肉 らドリップが浸出するおそれがあるので、 発明においては、前記のとおり浸漬前にパ ク内に酸素を注入して含気包装状態とし、 の状態で浸漬を行う。また、酸素注入によ 含気包装は、魚肉表面を酸素と反応させる とによって魚肉表面の新鮮状態を保つ効果 得ることができ、酸素に替えて炭酸ガスを 入し、それによって脂質の多い魚肉の酸化 防ぐこともできる。

 [試験例1]
 前記の予備乾燥と塩水浸漬との組み合わせ 理の効果を確認するため、切断整形したま の魚肉(A)と、予備乾燥後に塩水濃度3%の塩 に10分程度浸漬した魚肉(B)を、それぞれ庫内 温度5℃の冷蔵庫内に20時間放置し、魚肉から ドリップしてくる遊離水の量を、1時間毎に 定したところ、その結果は下記「表1」のと りであった。
 (表1)
 註:「表1」において、「魚肉重量」は当該 間経過時における魚肉重量を示し、「ドリ プ量」及び「ドリップ比率」は当該単位1時 内におけるドリップ量を示す。

 「表1」の試験結果における、予備乾燥も塩 水浸漬処理も行わない魚肉(A)と、塩水浸漬処 理を行った魚肉(B)との所定時間経過後におけ る累計ドリップ量及び当該累計ドリップ量の 魚肉重量に対する比率は、次の「表2」のと りである。
 (表2)

 「表2」によっても分るように、予備乾燥 も塩水浸漬処理もしていないもの「魚肉(A)」 のドリップ比率(a)と、予備乾燥と塩水浸漬の 双方の処理を行ったもの「魚肉(B)」のドリッ プ比率(b)とを比べると、冷蔵当初においては 、後者は前者の半分以下であり、単位時間毎 のドリップ量が少なくなる長時間経過後にお いても、6割程度にとどまることが明らかで る。

 [試験例2]
 次に、予備乾燥後に塩水浸漬処理を行った 肉について、それを真空包装したままのも (サンプルC1~C3)と、真空包装したものにさら に酸素を吹き込んで含気包装したもの(サン ルD1~D3)とを、それぞれ5℃にて1時間保管した 後のドリップ量を測定した結果は、「表3」 とおりであった。
 (表3)
 註1:各サンプルは、1個の魚体の近接部位か 採取切断した「サク」(長さ16cm、幅5cm、厚 2.5cm)を用いた。

 上記の試験例2によれば、同じく予備乾燥 と塩水浸漬処理とを受けた魚肉であっても、 それを真空包装したままのものと、真空包装 後にさらに含気包装状態としたもののドリッ プ率とを比較すると、後者は前者の約半分と なっていることが分かる。

 [試験例3]
 さらに、本発明による一連の処理、すなわ 、予備乾燥と塩水浸漬処理を行った後に含 包装とさらにブライン法による急速凍結を った魚肉(サンプルE)と、従来法のとおりに 備乾燥も塩水浸漬も行わないまま真空パッ した後にエアブラスト法による凍結を行っ 魚肉(サンプルF)について、それぞれパック 態のまま10分間流水解凍した後にパックを 去した状態で1時間放置した後のドリップ流 量を計測した結果は、「表4」のとおりであ った。
 (表4)
 註:サンプルE及びFは、同一魚体(キハダマグ ロ)の近傍部位から、それぞれサク取り(長さ1 6cm、幅7cm、厚み2.5cm)したものを用いた。

 試験例3の結果によれば、本発明による一 連の処理を行った冷凍魚肉(サンプルE)の解凍 後のドリップ量は、従来法の処理を行った冷 凍魚肉(サンプルF)の解凍後のドリップ量に比 べて、約3分の1に低減されていることが分か 。

 [試験例4]
 含気するガスの違いによる生マグロの変色 品質低下について試験した。
 試験は1℃、3℃、5℃の3通りの温度で24時間 の経過を96時間経過まで調べた。
 ガスは、空気、酸素、窒素、二酸化炭素を 用した。比率は体積比である。
 使用した魚肉は、同じ魚体を使い、同じ部 もしくは近い部位を用いた。ただし、皮目( 体表に近い部分)に近い部位と骨周りや血合 近い部位は、肉質が異なるので比較ができ い。そのため、両方の部位を別けて使用し 。
 また、鮮度により発色や色の進行具合が違 ため、通常生食として使用する鮮度のもの 使用した。
 含気包装用の包装資材は、通常良く使われ 二層ラミネート袋(ナイロンPE)を使用した。
 その結果を下記表5~7に示す。
 (表5)
 (表6)
 (表7)
 上記表5~7における鮮度、色の判断基準は下 のとおりである。
 通常、鮮度、肉質がよければ、時間と共にB →A→CまたはA→Cと経時変化する。また、温 状態によっても色が変化する。

 試験例4の結果によれば、鮮度、肉質のよい 生マグロは、酸素濃度が高いほど、発色、色 持ちが良い。また、窒素を使用したものは、 退色の進み具合がはやい。二酸化炭素を入れ たものは、濃度が20%までは色持ちが良かった が、二酸化炭素の濃度が高くなると変色がは やい。
 通常、保管温度が高くなるに従い、発色、 持ちともに悪くなるが、高濃度の酸素を使 すると、よい結果が得られた。また、変色 たもの及び変色の早いものほどドリップの が多い。変色とともに品質の低下が起こっ ためと思われる。
 なお、鮮度、肉質が悪い場合の発色、色持 は酸素濃度が高いほど却って悪くなる。

 1℃、3℃、5℃の3通りの温度での当初の魚肉 重量と96時間経過後の魚肉重量を調べると、 9~11のとおりである。魚肉重量の減少分は、 ドリップ量であり、これを基にドリップ%を めた。酸素濃度が高く、温度が低いものほ ドリップ%が低い。
 なお、鮮度、肉質が悪い場合のドリップ%は 酸素濃度が高いほど高くなる。
(表9)
 1℃(0~1℃)にて保管
(表10)
 3℃(2~3℃)にて保管
(表11)
 5℃(4~5℃)にて保管




 
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