Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR TREATING OIL-CONTAINING WASTE WATER AND APPARATUS FOR TREATING OIL-CONTAINING WASTE WATER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/087921
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for treating an oil-containing waste water which can reduce the necessary amount of a flocculant used as compared with the conventional treatment using floatation separation. Also disclosed is an apparatus for treating an oil-containing waste water. A suspension material, which can capture or adsorb an oil contained in an oil-containing waste water, is added to the oil-containing waste water. Alternatively, a suspension material, which has captured or adsorbed an oil contained in an object oil-containing waste water previously mixed with the suspension material, is removed from the waste water by a floatation separation process. Thereafter, a flocculant is allowed to act on the waste water to remove the oil contained in the waste water.

Inventors:
YAMADA TAKASHI (JP)
NAKASHIMA HIDEYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073688
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
December 26, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
ASAHI ORGANIC CHEM IND (JP)
YAMADA TAKASHI (JP)
NAKASHIMA HIDEYUKI (JP)
International Classes:
C02F1/28; C02F1/24; C02F1/52; C02F9/00
Foreign References:
JPS4979051A1974-07-30
JP2007029947A2007-02-08
JP2001239300A2001-09-04
JP2007136278A2007-06-07
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Keisuke et al. (Mitsui Sumitomo Ginko Okachimachi Bld.11-4 Taito 4-chome, Taito-k, Tokyo 16, JP)
Download PDF:
Claims:
 油分を含有する廃水の処理方法において、該廃水に懸濁物質を添加し、次いで該廃水から該懸濁物質を取り除くことにより、該廃水から該油分を除去する工程を有することを特徴とする油分含有廃水の処理方法。
 油分を含有する廃水の処理方法において、該廃水が予め懸濁物質を含み、該廃水から該懸濁物質を取り除くことにより、該廃水から該油分を除去する工程を有することを特徴とする油分含有廃水の処理方法。
 前記懸濁物質が前記廃水中の前記油分に対して疎水性相互作用を持つ物質であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の油分含有廃水の処理方法。
 前記懸濁物質における粒子のメジアン径が5μmより大きく、2mmより小さい粒度分布を保持していることを特徴とする請求項1乃至3に記載の油分含有廃水の処理方法。
 前記廃水の処理方法が前処理工程、浮上分離工程、凝集剤添加工程、生物処理工程を含むものであって、前記廃水中の油分を懸濁物質によって浮上分離工程にて除去した後、該浮上分離工程で得られた処理水に凝集剤を作用させることを特徴とする請求項1乃至4に記載の油分含有廃水の処理方法。
 前記浮上分離工程が、加圧浮上分離、常圧浮上分離、泡沫分離の何れかであることを特徴とする請求項5に記載の油分含有廃水の処理方法。
 気泡のみを発生させる手段で発生した気泡を剪断する手段を用いることにより生じる微細気泡と該気泡を剪断する手段そのものから発生する微細気泡のうち少なくとも一方の微細気泡を前記浮上分離工程内の分離槽内の油分含有廃水中に供給して泡沫分離することを特徴とする請求項6に記載の油分含有廃水の処理方法。
 少なくとも前処理装置、浮上分離装置、凝集剤添加装置及び生物処理装置を含む油分含有廃水の処理装置において、該浮上分離装置の分離槽内に設けられた気泡のみを発生させる機器の上方に、該気泡を剪断及び/又は微細気泡を発生させる機器が配置されていることを特徴とする油分含有廃水の処理装置。
 前記気泡のみを発生させる機器が散気板であり、該気泡を剪断及び/又は微細気泡を発生させる機器が自給式微細気泡発生装置である請求項8に記載の油分含有廃水の処理装置。
Description:
油分含有廃水の処理方法および 理装置

 本発明は、清掃業、クリーニング業、鉄 業、機械加工業、食品加工業等の各種産業 発生する油分含有廃水の処理方法および処 装置に関するものであり、さらに詳しくは 水中の油分を除去することを特徴とする油 含有廃水の処理方法およびその処理装置に するものである。

 従来から油分含有廃水の処理方法には、 水中の油分と水の比重差を利用して油分を 去する比重分離方法や、廃水に気泡を供給 、廃水中の油分に気泡を付着させ上部へ浮 濃縮させて除去する浮上分離方法が用いら ていた。

 比重分離方法については、一例を挙げる 、隔壁版で分割し、前記隔壁の下部に連通 を有する油水分離槽を用いることにより水 上部に油分を浮上させて除去する油分含有 水の処理装置が提案されている。図7および 図8において、従来の比重分離方法を用いた 分含有廃水の処理装置は、中空函型の油水 離槽101と、油水分離槽101の一方の端部即ち 流側端部に連通された導入管102と、油水分 槽101の他方の端部即ち下流側端部に連通さ た放流管103とを備え、導入管102を道路の側 途中に設けられたマンホール等と連通させ おき、この導入管102を通して油水分離槽101 に油分を含有した廃水を導入し、油水分離 101内を上流から下流へと流下させる過程に いて、水と油分の比重の違いを利用して水 油分を分離させ、水のみを放流管103から下 道に放出する構造になっている。上記処理 置の油水分離槽101は、角筒状のプレキャス コンクリートブロック(以下、PCブロックと す)104,104・・・と、PCブロック104の端面に当 される複数の隔壁版105、106,106・・・と、油 水分離槽101の両端部を閉鎖する端版107,108と 備え、PCブロック104と隔壁版105、106,106・・ とを交互に接続し、両端部のPCブロック104a,1 04gの端面を端版107,108により閉鎖することに って、内部が隔壁により仕切られた中空函 に形成されている。

 上記のように構成することにより、導入 102を通して油分を含有した廃水が油水分離 101内に流入すると、廃水に含まれる泥質や 、その他の異物が沈殿し、その異物が隔壁 105に阻まれて下流側へは流下せず、油分を 有した廃水が連通孔109を通して下流側へ流 、また油分と水との比重差により、比重の い油分は上方へ浮かび上がり、比重の重い が下方へ沈み込むようになり、油分の大半 隔壁版106に阻まれて隔壁版106の上流側に溜 り、廃水が隔壁下部に形成された連通孔110 通して流下し、放流管103を経て外部に放出 れる工程を繰り返すことにより、油分含有 水から水と油分が分離できるものである。( 特許文献1参照)。

 しかしながら、前記の比重分離方法を用 た処理装置では、油分含有廃水中の水と油 分離させるためには、油水分離槽101内の滞 時間を長くすることで水と油の比重差を促 なければならず、その為には処理装置を大 くしなければならない問題があった。また 短い時間では分離が不充分という問題もあ た。

 また、浮上分離方法について一例を挙げ と、浮上分離槽と加圧ポンプと空気を被処 液に加圧溶解させる被処理液循環系統から る加圧浮上分離方法に代表される浮上分離 法およびその装置による油分含有廃水の処 装置がある。図9において、従来の加圧浮上 分離方法を用いた油水分離装置は、処理槽209 が、空気を混入した被処理液を供給するノズ ル201と、不溶解空気を除去する大気泡除去部 202と、大気泡除去部202の出口近傍の上側に設 けられ空気が混合された被処理液の分岐流を 流すための大気泡排出管203と、液面検出器204 ,205を備え被処理水を分離する分離部206と、 上油受け器207と、分離部206と浮上油受け器20 7とを分離する遮蔽板208とで構成されており その処理槽209と、処理槽209の下部に接続さ た循環配管210および循環配管210の途中で分 した排出調節弁211が接続された排出配管212 、被処理液供給量を制御する被処理液調節 213が接続された被処理液供給配管214と、空 の流量を制御する空気流量調節弁215が接続 れた空気導入配管216と、ポンプ217と、加圧 給配管218とが閉鎖的に接続されている油分 有廃水の処理装置である。

 上記のように構成することにより、ポン 217により0.3~0.8MPaに加圧された被処理液と空 気の気液混合流体が、ノズル201を通じて処理 槽209内に導入されることで発生する微細気泡 219と被処理液中の油粒子が結びつき、処理槽 209の上部へ油分が浮上濃縮され、遮蔽板208を 越流した後に浮上油受け器207に投入されるこ とにより、油分含有廃水から水と油分が分離 できるものであった。(特許文献2参照)。

 また、図10に示すように、従来の油分含 廃水の処理方法には、該廃水に凝集剤を作 させた後、浮上分離工程において凝集させ 懸濁物質(以下、SSと記す)や油分を浮上分離 、前記廃水から油分を除去するものもあっ 。

特開2004-321916号公報

特開2003-154205号公報

 しかしながら、前記の加圧浮上分離方法 用いた処理装置では、廃水中の油分が小さ なるほど微細気泡と付着し難くなり、処理 置の上部へ浮上濃縮させることが困難にな という問題があった。仮に廃水中の油分が さい場合であっても、凝集剤を使用して油 を大きくすれば、微細気泡と付着し易くな ことが考えられるが、従来の油分含有廃水 処理方法のように、該廃水に凝集剤を作用 せた後、浮上分離工程において凝集させたS Sや油分を浮上分離し、前記廃水から油分を 去するものである場合、廃水中の油分だけ なくその他の汚濁物質にも凝集剤が作用す ことから、目的の油分除去性能を得るまで 、多量の凝集剤を使用しなければならない いう問題があった。

 本発明は、以上のような従来技術の問題 に鑑みなされたものであり、従来の浮上分 を用いた処理よりも凝集剤の使用量を低減 せることが可能となった油分含有廃水の処 方法および処理装置を提供することを目的 する。

 上記課題を解決するための本発明におけ 油分含有廃水の処理方法および処理装置の 成を図1に基づいて説明すると、本発明の第 一は、油分を含有する廃水の処理方法におい て、該廃水に懸濁物質を添加し、次いで該廃 水から該懸濁物質を取り除くことにより、該 廃水から該油分を除去する工程を有すること 、或いは、油分を含有する廃水の処理方法に おいて、該廃水が予め懸濁物質を含み、該廃 水から該懸濁物質を取り除くことにより、該 廃水から該油分を除去する工程を有すること 、を特徴とし、下記の構成を好ましい態様と して含む。

 前記懸濁物質が前記廃水中の前記油分に して疎水性相互作用を持つ物質であること

 前記懸濁物質における粒子のメジアン径 5μmより大きく、2mmより小さい粒度分布を保 持していること。

 また前記廃水の処理方法が前処理工程、 上分離工程、凝集剤添加工程、生物処理工 を含むものであって、前記廃水中の油分を 濁物質によって浮上分離工程にて除去した 、該浮上分離工程で得られた処理水に凝集 を作用させること。

 前記浮上分離工程が、加圧浮上分離、常 浮上分離、泡沫分離の何れかである。

 気泡のみを発生させる手段で発生した気 を剪断する手段を用いることにより生じる 細気泡と該気泡を剪断する手段そのものか 発生する微細気泡のうち少なくとも一方の 細気泡を前記浮上分離工程内の分離槽内の 分含有廃水中に供給して泡沫分離すること

 本発明の第二は、少なくとも前処理装置 浮上分離装置、凝集剤添加装置及び生物処 装置を含む油分含有廃水の処理装置におい 、該浮上分離装置の分離槽内に設けられた 泡のみを発生させる機器の上方に、該気泡 剪断及び/又は微細気泡を発生させる機器が 配置されていることを特徴とし、下記の構成 を好ましい態様として含む。

 前記気泡のみを発生させる機器が散気板 あり、該気泡を剪断及び/又は微細気泡を発 生させる機器が自給式微細気泡発生装置であ る。

 本発明における油分含有廃水の処理方法お び処理装置は、以上説明した構成になって るので、以下のような優れた効果が得られ 。
 (1)廃水に含まれる油分を効率よく除去でき ため、予め凝集剤を作用させて浮上分離工 を行う場合と比べて、処理水中の油分濃度 約1/4に低減することができる。
 (2)廃水に含まれる油分を効率よく除去でき ため、予め凝集剤を作用させて浮上分離工 を行う場合と比べて、凝集剤の使用量を約1 /3に低減することができる。
 (3)泡沫分離槽内に供給する空気量を多くす と共に気泡径を微細にすることができ、且 泡沫分離槽内に微細気泡を大量に発生させ ことができるため、油分含有廃水から効率 く油分を除去できる。
 (4)処理設備をコンパクトに設定することが き、運転管理が容易で一定の処理水質を得 ことができる。

本発明が意図する油分含有廃水の処理 ローである。 本発明における泡沫分離処理に用いる 上分離装置の一例を示した断面模式図であ 。 本発明の実施例1における処理時間毎の 被処理水の油分濃度における粒度分布の推移 を示したグラフである。 本発明の実施例1における処理時間毎の 被処理水のSSにおける粒度分布の推移を示し グラフである。 本発明の実施例1及び比較例1における 理時間毎の被処理水の油分濃度の推移を示 たグラフである。 本発明の実施例1及び比較例1における 理時間毎の被処理水のSSの推移を示したグラ フである。 従来の比重分離方法を用いた油分含有 水の処理装置例の概要を示す平面図である 図7中のA-A断面図である。 従来の加圧浮上分離方法を用いた油分 有廃水の処理装置例の概要を示す断面模式 である。 従来技術が意図する油分含有廃水の処 理フローである。

符号の説明

 1 分離槽
 2 流入口
 3 泡沫分離水排出口
 4 流出口
 5 遮蔽板
 6 自給式微細気泡発生装置
 7 散気板
 8 吸気口
 9 吸気口
 10 ブロワ
 11 気泡
 12 微細気泡
 13 泡沫

 以下、本発明の実施形態について図1乃至 図6を用いて説明するが、本発明が本実施形 に限定されないことは言うまでもない。図1 本発明が意図する油分含有廃水の処理フロ である。図2は本発明における泡沫分離処理 に用いる浮上分離装置の一例の断面模式図で ある。図3は本発明の実施例1における処理時 毎の被処理水の油分濃度における粒度分布 推移を示したグラフである。図4は本発明の 実施例1における処理時間毎の被処理水のSSに おける粒度分布の推移を示したグラフである 。図5は本発明の実施例1及び比較例1における 処理時間毎の被処理水の油分濃度の推移を示 したグラフである。図6は本発明の実施例1及 比較例1における処理時間毎の被処理水のSS 推移を示したグラフである。

 以下、本発明の実施形態を図1乃至図6に づいて説明する。本発明の油分含有廃水の 理方法は、該廃水に廃水中の油分を捕捉な し吸着できる懸濁物質を添加または予め懸 物質が混入している被処理水に対して、廃 中の油分が捕捉ないし吸着した懸濁物質を 上分離工程にて除去した後、凝集剤を作用 せて前記廃水の油分を除去するものである

 従来の油分含有廃水の処理方法のように 理工程の最初に凝集剤を作用させると、凝 剤を作用させなくても浮上分離できるSSや 分に対しても凝集剤が費やされてしまい凝 剤の添加量が多くなる。本発明は、予め浮 分離工程によりこれらのSSや油分を除去した 後、凝集剤を添加することで凝集剤の添加量 を抑えても効率良く油分を除去することが可 能となる。

 本発明において、油分含有廃水における 理方法および処理装置の一連の処理工程に 濁物質が存在するが、これは浮上分離工程 に懸濁物質に廃水中の油分を捕捉ないし吸 させるために必要であり、油分の捕捉ない 吸着は懸濁物質の形状による効果であって 良いが、材質による効果であることが好ま い。

 油分含有廃水における処理方法および処 装置に用いる懸濁物質は、粒子のメジアン が5μmより大きく2mmより小さいことが好まし い。懸濁物質における粒子のメジアン径は小 さければ小さいほど粒子の表面積が大きくな るため、廃水中の油分との接触効率が向上し 、油分を捕捉ないし吸着し易くなる。しかし 本発明者等が鋭意研究を重ねた結果、浮上分 離工程にて浮上濃縮できる粒子のメジアン径 は5μmより大である。また逆に懸濁物質にお る粒子のメジアン径が大きくなり過ぎると 浮上分離工程で浮上させることが困難にな 、かつ粒子の表面積が小さくなる。このた 廃水中の油分との接触効率が低下し、油分 捕捉ないし吸着し難くなるという現象を防 ためには2mmより小さいことが好ましい。さ に本発明における懸濁物質は処理工程にお て被処理水から除去することが前提である 、仮に被処理水に残存すればそれ自身が懸 物質として水質分析の際に計量されてしま 恐れがある。水質分析における懸濁物質は 計量に際して予め孔径2mmのふるいで大きな 濁物質を除去することが前提であるため、2m m以上の懸濁物質が混入しても水質分析に反 されない可能性がある。従って懸濁物質の 子のメジアン径は2mmより小さければ被処理 に残存しているかどうか正確に判別できる め、技術の正当性を的確に判断できる。

 なお、メジアン径とは粒子径の分布にお て累積50%に相当する粒子径のことである。 般的な生物処理においては油分の粒子のメ アン径が1~100μmの時好適であるが、メジア 径は、この範囲において小さければ小さい ど好ましい。

 本発明における凝集剤は、硫酸バンド、 リ塩化アルミニウム、硫酸第二鉄、塩化第 鉄などの無機系凝集剤およびポリアクリル ミド系、ジメチルアミノエチルアクリレー 系、キトサンなどの高分子凝集剤である。

 また、凝集剤は無機系凝集剤や高分子凝 剤をそれぞれ単独で使用しても良いが、予 無機系凝集剤で凝集させた後、高分子凝集 を添加し凝集させることが好ましい。無機 凝集剤で凝集させた後、高分子凝集剤を併 することにより凝集フロックが大きくなり 且つ凝集フロックが強固になるため、固液 離が容易になるため好適である。

 本発明において、油分含有廃水における 理方法および処理装置に用いる浮上分離工 は、加圧浮上分離、常圧浮上分離、泡沫分 の何れでも良いが、泡沫分離であることが ましい。加圧浮上分離や常圧浮上分離は、 上したフロスを掻き寄せるために掻き寄せ 等の動力を必要とするが、通常、廃水には 剤やタンパク質等の界面活性物質が混入し いることもあり、泡沫分離は被処理水を発 させて浮上したフロスを泡沫分離水として 発的に系外へ排出させることから別途動力 必要としないことからも好適である。

 本発明において、泡沫分離槽に供給する 気は微細気泡であることが好ましい。これ 同じ空気量であれば、気泡径が微細である ど気泡数が多くなり、拡散され易く、泡沫 離槽内で分散され易いため、廃水中の懸濁 質や油分と微細気泡の接触が多くなり、廃 中の油分を効率よく分離、排出することが きるため好適である。

 本発明において、微細気泡は、気泡のみ 発生させる機器によって気泡を発生させた 、該気泡を剪断する機器によって気泡が剪 されることによって生じさせる及び/又は該 気泡を剪断する機器そのものから発生するこ とが好ましい。これは気泡のみを発生させる 機器を微細気泡を発生させる機器より下方へ 設け、気泡のみを発生させる機器から発生さ れた気泡が微細気泡を発生させる機器の位置 まで浮上して、気泡に対して微細気泡を含む 水流を発生させる機器によって微細気泡を含 む水流を発生させ、該微細気泡を含む水流に よって上記気泡を剪断して供給することによ り、泡沫分離槽内に供給する空気量を多くす ると共に気泡径を微細にすることができ、泡 沫分離槽内に微細気泡を大量に発生させるこ とができるため好適である。

 本発明において、気泡のみを発生させる 器が散気板であることが好ましい。これは の気泡発生装置よりも構造が簡単で取り扱 が容易であるため好適である。

 本発明の泡沫分離工程に用いる装置につ て、図2に基づいて説明する。分離槽1は装 内に供給する微細気泡の生成のために空気 を優先的に賄う部分と、気泡の微細化を優 的に行う部分の二つの部分を有する。泡沫 離工程に用いる装置は、分離槽1の側面に被 理水が流入する流入口2、分離槽1の上部に 沫分離水を排出させる排出口3、分離槽1の底 部に処理後の被処理水を流出させる流出口4 設けられている。分離槽1は槽内の中間部か 上部にかけて、中央が貫通され上部に向か て縮径する傾斜部を有する笠状の遮蔽板5が 一定間隔を開けて三段設けられている。また 、分離槽1内の中間部よりやや下方の位置に 給式微細気泡発生装置6が設けられ、自給式 細気泡発生装置6の下方でありかつ分離槽1 部にまで至らない位置に散気板7が設けられ いる。自給式微細気泡発生装置6は外部空気 と連通する吸気口8に連通し、散気板7は、ブ ワ10に連通する吸気口9に連通している。

 次に本発明の実施形態の作用について説 する。スクリーンや沈砂槽などの前処理工 を経た油分含有廃水に廃水中の油分を捕捉 いし吸着できる懸濁物質を添加した後、廃 中の油分が捕捉ないし吸着した懸濁物質を 上分離工程にて除去することにより、前記 水から油分を除去する。尚、油分含有廃水 予め懸濁物質が混入されている場合には、 たに懸濁物質を添加する必要はなく、その ま浮上分離工程において廃水中の油分が捕 ないし吸着した懸濁物質を除去することに り、前記廃水から油分を除去する。浮上分 工程を経た被処理水に、無機系凝集剤及び/ 又は高分子凝集剤を添加して被処理水のSSや 分を凝集・沈殿させて除去し、上澄み水を 処理工程へ移送させる。

 また、本発明の実施形態における懸濁物 とは、形状ないし材質の何れかにおいて油 と親和性を有する物質、且つ廃水中の油分 捕捉ないし吸着できる物質である。油分に して疎水性相互作用を持つ物質であればよ 、特に繊維質のものが好適である。清掃用 ップ等に使用されるパイル糸などが好まし 。その材質は、綿、ポリアミド、ポリエス ル、レーヨン、アクリル、ビニロンなどが げられる。ポリアミドの中では特にナイロ が好ましい。糸の形状はスパンタイプ、フ ラメントタイプのいずれでもよい。糸の強 も特に限定されない。また、懸濁物質の形 はスポンジのような多孔質状や網目状のも が好適である。

 また、廃水に対する懸濁物質の添加量は 懸濁物質の濃度が700mg/L以上10000mg/L以下にな るように添加することが好ましい。油分含有 廃水において、懸濁物質が充分に含まれてい ない場合は上記の濃度を満たすまで廃水中の 油分を捕捉ないし吸着できる懸濁物質を添加 する必要がある。また、懸濁物質の濃度が高 すぎると処理工程で除去される懸濁物質が多 くなり廃棄物量が増えるため、懸濁物質の濃 度は10000mg/L以下が好ましい。

 次に、本発明において前記の実施形態を用 て油分含有廃水の油分除去試験を行った。 験の測定方法を以下に示す。
 (1)粒度分布の測定
 粒度分布の測定は、光源がHe-Neレーザー及 Wランプの併用式であり、Mie散乱理論に基づ レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA-500 (堀場製作所製)を用いて行った。
 (2)油分濃度の測定
 油分濃度の測定は、H-997溶媒(堀場製作所製) 抽出による非分散型赤外線吸収法を原理とす る油分濃度計OCMA-305(堀場製作所製)を用いて った。
 (3)SSの測定
 SSの測定はガラス繊維ろ紙(ワットマン製GF/B )を用い、JISK0102 14に準拠した方法により、 定を行った。

 本発明における油分含有廃水の油分除去 験は実施例1及び比較例1のそれぞれについ 試験を行い、油分含有廃水として清掃業の 場廃水を、処理設備に泡沫分離装置、凝集 、凝集沈殿槽を用い、泡沫分離処理時間毎 よび凝集沈殿後の処理水の油分濃度及びSSを 測定した。粒度分布は、泡沫分離処理時間毎 の被処理水において測定した。なお試験に用 いた清掃業の工場廃水は、廃水中の油分を捕 捉ないし吸着できる懸濁物質が混入していた ことから、別途廃水中の油分を捕捉ないし吸 着できる懸濁物質を添加する必要はなかった 。実施例1及び比較例1で用いた油分含有廃水 含まれる懸濁物質は、清掃用モップに用い れるナイロンまたは綿製のパイル糸であり 懸濁物質の濃度は2630~3650mg/Lであった。試験 結果を図3~6に示す。

 [実施例1]
 油分含有廃水の油分除去試験として、泡沫 離による浮上分離工程で得られた被処理水 凝集剤を作用させることにより、凝集沈殿 の処理水を得た。

 [比較例1]
 油分含有廃水の油分除去試験として、凝集 を作用させた後、泡沫分離による浮上分離 程を経て処理水を得た。

 (油分含有廃水の油分除去試験条件)
・泡沫分離の処理時間:60(分)
・使用凝集剤:硫酸バンド(黒崎化学工業製)
       アニオン系高分子凝集剤A-120(荏原 ンジニアリングサービス製)
・硫酸バンドの添加量:油分含有廃水量に対 て400(mg/L)
・高分子凝集剤の添加量:油分含有廃水量に して0.8(重量%)
・硫酸バンドの凝集条件:150(rpm)2分→40(rpm)2分
・高分子凝集剤の凝集条件:硫酸バンドの凝 条件の後、150(rpm)2分
・凝集後の沈殿時間:5(分)
・泡沫分離装置の有効容量:4(L)

 図3は、泡沫分離処理時間毎の被処理水の 粒度分布を測定し、それぞれの被処理水にお ける各粒子径の頻度に油分濃度を積算させ、 粒子径毎の油分濃度を表したグラフである。 試験開始時の油分含有廃水におけるメジアン 径は27μmで、その粒子径における油分濃度は2 82mg/Lであったが、泡沫分離処理を60分行うこ によりメジアン径は5μm、その粒子径におけ る油分濃度は48mg/Lとなり、処理時間毎にメジ アン径及びその粒子径における油分濃度とも 減少した。また、油分濃度におけるメジアン 径は、処理時間が10分を過ぎると減少傾向が さく、40分以上行ってもメジアン径が5μmよ 減少しなかった。

 図4は、泡沫分離処理時間毎の被処理水の 粒度分布を測定し、それぞれの被処理水にお ける各粒子径の頻度にSSを積算させ、粒子径 のSSを表したグラフである。試験開始時の 分含有廃水におけるメジアン径は27μmで、そ の粒子径におけるSSは213mg/Lであったが、泡沫 分離処理を60分行うことによりメジアン径は5 μm、その粒子径におけるSSは48mg/Lとなり、処 時間毎にメジアン径及びその粒子径におけ SSとも減少した。また、SSにおけるメジアン 径は、処理時間が10分を過ぎると減少傾向が さく、40分以上行ってもメジアン径が5μmよ 減少しなかった。

 図5は、実施例1と比較例1それぞれの処理 程毎の油分濃度の推移を示したグラフであ 。実施例1は泡沫分離処理を20分行うことに り、油分濃度が3440mg/Lから885mg/Lまで減少し ものの、更に、60分まで処理を行っても油 濃度は630mg/Lと少ししか減少しなかった。し し、その後凝集剤を作用させることにより 油分濃度は97mg/Lまで減少し、優れた油分除 性能を示した。一方、比較例1は凝集剤を作 用させることにより、油分濃度が2820mg/Lから2 470mg/Lまで僅かに減少するに留まったものの その後、泡沫分離処理を20分行うことにより 、油分濃度が2470mg/Lから420mg/Lまで減少した。 しかし、更に60分まで処理を行っても油分濃 は410mg/Lまでしか減少しなかった。よって、 実施例1は比較例1と比べて約4倍の油分除去性 能があることがわかる。

 図6は、実施例1と比較例1それぞれの処理 程毎のSSの推移を示したグラフである。実 例1は泡沫分離処理を20分行うことにより、SS が2630mg/Lから937mg/Lまで減少したものの、更に 、60分まで処理を行ってもSSは637mg/Lと大きな 少は見られなかった。しかし、その後凝集 を作用させることにより、SSは277mg/Lまで減 し、優れたSS除去性能を示した。一方、比 例1は凝集剤を作用させることにより、SSが36 50mg/Lから10600mg/Lまで増加した。これは凝集剤 を作用させたことにより、SSが肥大化し、SS 定時に多くのフロックが混入したためであ 。その後、泡沫分離処理を20分行うことによ り、SSが10600mg/Lから570mg/Lまで減少した。しか し、更に60分まで処理を行ってもSSは470mg/Lま しか減少しなかった。よって、実施例1は比 較例1と比べて約2倍のSS除去性能があること 確認できた。

 以上のことから、本実施例において、廃 中の油分を捕捉ないし吸着できる懸濁物質 添加または予め懸濁物質が混入している被 理水に対して、廃水中の油分が捕捉ないし 着した懸濁物質を浮上分離工程にて除去し 後、凝集剤を作用させて前記廃水の油分を 去する工程を用いれば、従来の処理方法と べて、油分除去性能を約4倍、SS除去性能を 2倍向上させることができる。さらに油分含 有廃水において凝集剤を作用させる前に浮上 分離工程を行うことにより、凝集剤で凝集さ せなくても十分浮上分離除去できる汚濁物質 や懸濁物質、さらに懸濁物質に付着する油分 に対して作用させる凝集剤が必要なくなり、 従来の浮上分離工程よりも凝集剤の使用量を 約1/3に低減させることができる。