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Title:
METHOD OF TREATING SOLUTION RESULTING FROM TREATMENT OF CHLORINE-CONTAINING SUBSTANCE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110357
Kind Code:
A1
Abstract:
A solution resulting from the treatment of a chlorine-containing substance in a cement production equipment is treated within the cement production equipment without subjecting the solution to a wastewater treatment. A filtrate obtained in a cement production equipment by adding water to a chlorine-containing substance to dissolve the chlorine matter of the chlorine-containing substance in the water and then subjecting the mixture to solid-liquid separation, a discharge water obtained in the equipment by adding water to a chlorine-containing substance and then separating a heavy metal from the chlorine-containing substance, or both the filtrate and the discharge water are used within the cement production equipment. The filtrate and/or discharge water can be used as, e.g., water for a cement pulverization mill or water for a clinker cooler in a cement production step in the cement production equipment, or used as, e.g., water for the treatment of a cement kiln discharge gas or water for the treatment of a cooler discharge gas in a discharge gas treatment step therein. A solution obtained by removing the chlorine matter from the filtrate or/and discharge water in the cement production equipment can also be used in the cement production equipment.

Inventors:
IDA MASAYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053324
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
February 25, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TAIHEIYO CEMENT CORP (JP)
IDA MASAYA (JP)
International Classes:
C04B7/60; B03D1/02; B03D1/08; B09B3/00; C04B7/38; C04B7/47; C04B7/52
Foreign References:
JP2007117966A2007-05-17
JP2004002143A2004-01-08
JP2006299394A2006-11-02
Attorney, Agent or Firm:
NAKAI, JUN (JP)
Nakai 潤 (JP)
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Claims:
 セメント製造設備内において、塩素含有物に水を添加して該塩素含有物の塩素分を溶出させた後、固液分離して得られたろ液、又は塩素含有物に水を添加した後、該塩素含有物中の重金属を分離して得られた排水、もしくは、前記ろ液及び前記排水を、該セメント製造設備内で使用することを特徴とする塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記ろ液のすべて、又は前記排水のすべて、もしくは、前記ろ液及び前記排水のすべてを、前記セメント製造設備内で使用することを特徴とする請求項1に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記ろ液又は/及び前記排水を前記セメント製造設備のセメント製造工程又は/及び排ガス処理工程で使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記ろ液又は/及び前記排水を前記セメント製造工程のセメント粉砕ミル用水又は/及びクリンカクーラー用水として使用することを特徴とする請求項3に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記ろ液又は/及び前記排水を前記排ガス処理工程のセメントキルン排ガス処理用水又は/及びクーラー排ガス処理用水として使用することを特徴とする請求項3に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記ろ液又は/及び前記排水を、該ろ液又は/及び該排水の塩素濃度を測定しながら、前記セメント製造設備のセメント製造工程又は/及び排ガス処理工程で使用することを特徴とする請求項3、4又は5に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記排ガス処理工程における排ガスの処理方法が、排ガス洗浄式であることを特徴とする請求項3、5又は6に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記セメント製造設備内において、前記ろ液又は/及び前記排水から塩素分を除去して得られた溶液を該セメント製造設備内で使用することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記ろ液又は/及び前記排水から塩素分を除去して得られた溶液のすべてを該セメント製造設備内で使用することを特徴とする請求項8に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記溶液を前記セメント製造設備のセメント製造工程又は/及び排ガス処理工程で使用することを特徴とする請求項8又は9に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記溶液を前記セメント製造工程のセメント原料粉砕ミル用水、セメントキルンのシェル冷却用水、クリンカクーラー用水及びセメント粉砕ミル用水からなる群から選択される一以上の用途で使用することを特徴とする請求項10に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記溶液を前記排ガス処理工程のセメントキルン排ガス処理用水又は/及びクーラー排ガス処理用水として使用することを特徴とする請求項10に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記溶液を、前記セメントキルン又は/及びクーラー排ガス処理工程における、排ガス冷却用水、排ガス調湿用水、脱硝用尿素溶解用水、セメントキルン排ガス洗浄用水及びクーラー排ガス洗浄用水からなる群から選択される一以上の用途で使用することを特徴とする請求項12に記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記塩素含有物からの前記重金属の分離を、浮遊選鉱により行うことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記排水は、前記塩素含有物から前記重金属を浮遊選鉱により分離して得られたフロス中の固形分を固液分離した後の溶液、又は/及び前記塩素含有物から前記重金属を浮遊選鉱により分離して得られたシンク中の固形分を固液分離した後の溶液であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記塩素含有物は、焼却灰、エコセメント製造設備から発生するダスト、及びセメントキルン燃焼ガスの一部を抽気し、抽気した燃焼ガスに含まれるダストのうちの少なくとも一以上であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
 前記塩素含有物は、前記セメント製造設備内において、焼却灰又は/及びエコセメント製造設備から発生するダストに、塩素バイパスダストを混合して得られた混合物であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の塩素含有物の処理時に発生した溶液の処理方法。
Description:
塩素含有物の処理時に発生した 液の処理方法

 本発明は、塩素含有物の処理時に発生し 溶液の処理方法に関し、特に、セメント製 設備内において、焼却灰等の塩素含有物を 洗して固液分離した後に得られたろ液、及 塩素含有物に水を添加した後、塩素含有物 の重金属を分離して得られた排水をセメン 製造設備内で使用するための方法に関する

 都市ごみ等を焼却した際に発生する焼却 は、従来、そのほとんどを最終処分場で埋 立て処理していたが、最終処分場の枯渇の に鑑み、近年、セメント原料としてリサイ ルしている。都市ごみ焼却灰のうち、気体 ともに運ばれ、集塵装置で回収される飛灰 、10~20%の塩素分を含むため、セメント原料 してリサイクルするにあたって事前に塩素 を除去する必要がある。

 また、近年、焼却灰等の塩素含有廃棄物 セメント原料化又は燃料化によるリサイク が推進され、廃棄物の処理量が増加するに い、セメントキルンに持ち込まれる鉛等の 金属類の量も増加し、セメント中の重金属 の増加が問題になることが予測されるため その対策が求められている。

 一方、セメント製造設備におけるプレヒ タの閉塞等の問題を引き起こす原因となる 素、硫黄、アルカリ等の中で、塩素が特に 題となることに着目し、セメントキルンの 尻から最下段サイクロンに至るまでのキル 排ガス流路より、燃焼ガスの一部を抽気し 塩素を除去する塩素バイパスシステムが用 られている。

 この塩素バイパスシステムでは、抽気し 燃焼ガスを冷却して生成したダストの微粉 に塩素が偏在しているため、ダストを分級 によって粗粉と微粉とに分離し、粗粉をセ ントキルン系に戻すとともに、分離された 化カリウム等を含む微粉(塩素バイパスダス ト)を回収していた。

  ところが、近年、廃棄物のセメント原 化又は燃料化によるリサイクルが推進され 廃棄物の処理量が増加するに従い、セメン キルンに持ち込まれる塩素、硫黄、アルカ 等の揮発成分の量も増加し、塩素バイパス ストの発生量も増加している。そのため、 素バイパスダストをすべてセメント粉砕工 で利用することができず、塩素バイパスダ トを水洗処理する必要が生じていた。

 そこで、焼却灰、塩素バイパスダスト等 塩素含有廃棄物を処理するにあたって、例 ば、特許文献1に記載のセメント原料化処理 方法では、塩素含有廃棄物を水洗し、この塩 素含有廃棄物中の塩素を除去して得られた脱 塩ケークをセメント原料として再利用し、水 洗工程で排出されるろ液から重金属を取り除 いた後、排水中に含まれる塩化物を除去して 塩素含有廃棄物の塩素溶出用の水として再利 用するとともに、除去した塩化物から水酸化 ナトリウムや炭酸ナトリウムを生成させて再 利用する。

日本国特許第3304300号公報

 特許文献1に記載のセメント原料化処理方 法は、焼却灰、塩素バイパスダスト等の塩素 含有廃棄物を水洗した後固液分離して得られ たろ液から、さらに重金属及び塩素を除去し 、塩素溶出用のスラリー化用水又は洗浄用水 として使用できるという利点があるが、塩素 を除去したろ液は、塩素溶出用として使用さ れるだけであるため、余剰ろ液は、放流する ために排水処理を施さなくてはならず、処理 コストが高騰するという問題があった。

 そこで、本発明は、上記従来の技術にお る問題点に鑑みてなされたものであって、 メント製造設備内において、塩素含有物を 洗して固液分離した後に得られたろ液、及 塩素含有物に水を添加した後、塩素含有物 の重金属を分離して得られた排水等、塩素 有物の処理時に発生した溶液を、排水処理 施すことなく処理することを目的とする。

 上記目的を達成するため、本発明は、塩 含有物の処理時に発生した溶液の処理方法 あって、セメント製造設備内において、塩 含有物に水を添加して該塩素含有物の塩素 を溶出させた後、固液分離して得られたろ 、又は塩素含有物に水を添加した後、該塩 含有物中の重金属を分離して得られた排水 もしくは、前記ろ液及び前記排水を、該セ ント製造設備内で使用することを特徴とす 。

 そして、本発明によれば、セメント製造 備内で塩素含有物の処理時に発生した溶液 該セメント製造設備内で使用するため、セ ント製造設備内で使用した前記溶液につい は、排水処理を施す必要がなく、排水処理 ストを低減することができる。

 前記溶液の処理方法において、前記ろ液 すべて、又は前記排水のすべて、もしくは 前記ろ液及び前記排水のすべてを、前記セ ント製造設備内で使用することができる。 れによって、セメント製造設備内で塩素含 物の処理時に発生した前記溶液の排水処理 完全に不要となる。

 前記溶液の処理方法において、前記ろ液 は/及び前記排水を前記セメント製造設備の セメント製造工程又は/及び排ガス処理工程 使用することができ、セメント製造工程の メント粉砕ミル用水又は/及びクリンカクー ー用水として使用したり、排ガス処理工程 セメントキルン排ガス処理用水又は/及びク ーラー排ガス処理用水として使用することが できる。

 また、前記溶液の処理方法において、前 ろ液又は/及び前記排水を、該ろ液又は/及 該排水の塩素濃度を測定しながら、前記セ ント製造設備のセメント製造工程又は/及び ガス処理工程で使用することができ、セメ トの塩素濃度を所定の値以下に維持しなが 溶液を処理することができる。

 さらに、前記溶液の処理方法において、 記排ガス処理工程における排ガスの処理方 を排ガス洗浄式とすることができ、セメン キルン燃焼排ガスのSOx等を除去しながら溶 を処理することができる。

 また、前記溶液の処理方法において、前 セメント製造設備内において、前記ろ液又 /及び前記排水から塩素分を除去して得られ た溶液を該セメント製造設備内で使用するこ とができ、塩素分を除去することによりセメ ント製造設備内での溶液の用途が広がり、よ り使用し易くなる。

 前記溶液の処理方法において、前記ろ液 は/及び前記排水から塩素分を除去して得ら れた溶液のすべてを該セメント製造設備内で 使用することができる。

 前記溶液を前記セメント製造設備のセメ ト製造工程又は/及び排ガス処理工程で使用 することができ、セメント製造工程のセメン ト原料粉砕ミル用水、セメントキルンのシェ ル冷却用水、クリンカクーラー用水及びセメ ント粉砕ミル用水からなる群から選択される 一以上の用途、排ガス処理工程のセメントキ ルン排ガス処理用水又は/及びクーラー排ガ 処理用水として、排ガス冷却用水、排ガス 湿用水、脱硝用尿素溶解用水、セメントキ ン排ガス洗浄用水及びクーラー排ガス洗浄 水からなる群から選択される一以上の用途 使用することができる。

 前記溶液の処理方法において、前記塩素 有物からの前記重金属の分離を、浮遊選鉱 より行うことができ、前記排水は、前記塩 含有物から前記重金属を浮遊選鉱により分 して得られたフロス中の固形分を固液分離 た後の溶液、又は/及び前記塩素含有物から 前記重金属を浮遊選鉱により分離して得られ たシンク中の固形分を固液分離した後の溶液 であってもよい。

 また、前記塩素含有物は、焼却灰、エコ メント製造設備から発生するダスト、及び メントキルン燃焼ガスの一部を抽気し、抽 した燃焼ガスに含まれるダストのうちの少 くとも一以上であってもよい。

 さらに、前記塩素含有物は、前記セメン 製造設備内において、焼却灰又は/及びエコ セメント製造設備から発生するダストに、塩 素バイパスダストを混合して得られた混合物 であってもよい。

 以上のように、本発明によれば、セメン 製造設備内において塩素含有物の処理時に 生した溶液を排水処理を施すことなく該セ ント製造設備内で処理することができる。

  次に、本発明を実施するための形態に いて、図面を参照しながら説明する。

 図1は、本発明にかかる塩素含有物の処理 時に発生した溶液の処理方法を適用した処理 システムの一実施の形態を示す。この処理シ ステム1が配置されるセメント製造設備内に 、塩素含有物に水を添加して塩素を溶解さ た後、固液分離によって脱塩ケークとろ液 に分離する水洗装置2と、塩素含有物に水を 加した後、浮遊選鉱によって重金属と排水 に分離する重金属回収装置3と、水洗装置2 らのろ液又は重金属回収装置3からの排水を 塩処理し、塩素分と溶液とに分離する脱塩 理装置4が備えられる。処理システム1は、 々の装置2~4で生成されるろ液、排水及び溶 をセメント製造設備内で処理するために設 られ、各々の液体をセメント製造工程又は メントキルン等の燃焼排ガスを処理するた の排ガス処理工程で使用するための添加装 5(5A~5D)を備える。

 本処理システム1で取り扱う塩素含有物は 、都市ごみ等を焼却した際に発生する焼却灰 等、セメント工場で塩素含有廃棄物として受 け入れる物の他、エコセメント製造設備から 発生するダスト、このセメント製造設備の一 部を構成するセメントキルンから得られたセ メントキルン抽気ダストのように、セメント 工場内で発生する塩素含有物等であり、各々 を単独で処理したり、これらを混合して処理 することもできる。

 上記セメントキルン抽気ダストとは、セ ントキルンから排出された燃焼ガスの一部 抽気し、抽気した燃焼ガスを集塵して得ら たダストであって、セメントキルンの窯尻 ら最下段サイクロンに至るまでのキルン排 ス流路より抽気した燃焼ガスを集塵して得 れる塩素バイパスダストの他、セメントキ ンの窯尻からプレヒータ出口に至るまでの ルン排ガス流路より抽気した燃焼ガスに含 れるダストの総称である。

 水洗装置2は、図2に示すように、塩素含 物に水を添加して塩素を溶解させる溶解槽11 と、溶解槽11からポンプPによって供給された スラリーを水洗しながら固液分離するベルト フィルター12と、ベルトフィルター12のろ液 貯留するろ液ピット13等を備え、ベルトフィ ルター12によってスラリーがケーキと、塩素 を含むろ液とに分離される。

 重金属回収装置3は、塩素含有物に水を添 加した後、浮遊選鉱によって鉛等の重金属と 排水とに分離するために設けられ、例えば、 図3に示すように、塩素含有物を水に溶解さ てスラリー化する溶解槽21と、溶解槽21でス リー化されたスラリーに硫化剤等の薬液を 加して反応させる薬液反応槽22と、薬液反 槽22から供給されたスラリーから浮遊選鉱法 により鉛等を回収する浮選機26等で構成され 溶解槽21のスラリーは、薬液反応槽22におい て、スラリーに含まれる塩化鉛等を硫化して 硫化鉛(PbS)を生じさせて沈殿させた後、浮選 26において、鉛を含むフロスと、石膏を含 シンク側スラリーとに分離される。鉛を含 フロスは、フィルタプレス28に供給され、硫 化鉛を含むケークが生成されるとともに、排 水(塩水)が発生する。一方、浮選機26からの ンク側スラリーは、竪型固液分離器29におい て固液分離され、石膏と排水(塩水)とに分離 れる。この排水が、図1に示した重金属回収 装置3からの排水に相当する。

 脱塩処理装置4は、上記水洗装置2からの 液、又は重金属回収装置3からの排水に含ま る塩素分を除去するために設けられ、ろ液 蒸発させて塩分を晶出させ、蒸発させた蒸 を冷却して液化したり、膜処理によって塩 物濃度を濃縮し、濃縮水を蒸発乾固して塩 を除去し、蒸発させた蒸気を冷却して液化 たり、ろ液等に含まれる塩化物として塩化 ルシウムを取り扱い易い塩化ナトリウムに えた後、上記と同様の要領で脱塩すること より、塩素分を除去した溶液を得ることが きる。

 次に、本発明にかかる塩素含有物の処理 に発生した溶液の処理方法を適用した上記 理システム1の動作について、図面を参照し ながら説明する。

 図1に示すように、処理システム1による 溶液の処理工程については、水洗装置2から ろ液F1を添加装置5A又は5Bで処理するルートA と、水洗装置2からのろ液F2を脱塩処理装置4 脱塩後、添加装置5C又は5Dで処理するルートB と、重金属回収装置3からの排水D1を添加装置 5A又は5Bで処理するルートCと、重金属回収装 3からの排水D2を脱塩処理装置4で脱塩後、添 加装置5C又は5Dで処理するルートDによって処 する工程に分けられる。以下、各ルートA~D よって処理する工程について、図4~図7を参 しながら説明する。

 ルートAの処理工程は、図4に示すように 水洗装置2からのろ液F1を添加装置5Aを用いて セメント製造工程のセメント粉砕ミル、クリ ンカクーラーに添加するか、添加装置5Bを用 て排ガス処理工程のセメントキルン排ガス 浄用水、クリンカクーラー排ガス洗浄用水 して排ガスに添加する。

 ろ液F1を添加装置5Aを用いてセメント製造 工程で使用するか、添加装置5Bを用いて排ガ 処理工程で使用するかは、ろ液F1の塩素濃 を測定しながら決定する。すなわち、ろ液F1 は、塩素分を含むため、添加装置5Aを用いて メント粉砕ミル、クリンカクーラーに添加 る場合には、セメントの塩素濃度が350ppmを えないようにする必要がある。そこで、セ ント及びろ液F1の塩素濃度を測定しながら 上記許容限度を超えない量だけセメント製 工程で使用する。ろ液F1は、セメント粉砕ミ ル、クリンカクーラー内に散水して添加して もよく、クリンカクーラーから排出された後 、搬送装置で搬送されるクリンカに添加した り、セメント粉砕ミルのミル前で、ミルに供 給される供給物に添加してもよい。

 一方、セメント製造工程で使用できなか たろ液F1、又はセメント製造工程で使用し かったろ液F1については、添加装置5Bを用い 排ガス処理工程において排ガス洗浄用に使 することができる。この場合には、セメン キルンから排出される燃焼排ガス、クリン クーラーから排出されるガスが通過するガ ダクト等に噴霧する。セメントキルン排ガ には僅かなSOxが含まれる場合もあるが、ろ F1の噴霧によりこのSOxをろ液F1中のアルカリ 及びカルシウム分と反応させて冷却すること で脱硫して完全に除去することができる。ま た、この際、ろ液F1を高温の燃焼排ガスに直 噴霧することで、ろ液F1に含まれる有機物 分解することもできる。さらに、今後、セ ント製造工程での廃棄物処理量が増加する 伴い、セメントキルン排ガス中の微量の水 を除去する必要が生じる可能性があるが、 クラバーやスプレー塔等の湿式洗浄装置に り水銀含有ガスを洗浄する際に、ろ液F1のよ うな塩素含有排水を導入すると、排ガス中の 水銀が水への溶解度の大きい塩化水銀となる ことから、水銀の除去効率を高めることがで きる。

 ルートBの処理工程は、図5に示すように 水洗装置2からのろ液F2を脱塩処理装置4に導 し、塩素分を除いた後の溶液Sを添加装置5C 用いてセメント製造工程のセメント原料ミ 、セメントキルンのシェル冷却用、クリン クーラー、セメント粉砕ミルに添加するか 添加装置5Dを用いて排ガス洗浄工程の排ガ 冷却用水、調湿用水、脱硝用尿素の溶解水 セメントキルン排ガス洗浄用水、クリンカ ーラー排ガス洗浄用水として添加する。

 溶液Sは、脱塩処理装置4を経ているため 素分を含まない。そのため、セメント原料 ル等に添加しても焼成工程で塩素分が揮発 ることもなく、セメント製造設備における レヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因 はならない。また、セメントキルンのシェ 冷却用に用いてもシェルに悪影響を及ぼす ともない。

 溶液Sは、セメント原料ミル内に散水して 添加してもよく、セメント原料ミルのミル前 で、ミルに供給される原料に添加してもよい 。また、セメントキルンのシェル冷却用に用 いる場合には、散水ノズルを用いてキルンシ ェルに直接噴霧する。クリンカクーラー、セ メント粉砕ミルに添加する場合は、上述のろ 液F1を添加する場合と同様である。

 一方、溶液Sを添加装置5Dを用いて排ガス 理工程に使用することもできる。この場合 は、セメントキルンから排出される燃焼排 スを後段の装置の保護等のために排ガス冷 装置で急冷したり、後段の電気集塵機での 塵効率を高めるためにセメントキルン燃焼 ガスを調湿したり、セメントキルン燃焼排 スのNOx含有率が高い場合に脱硝用に添加す 尿素の溶解水としたり、上記ろ液F1の場合 同様に、セメントキルン燃焼排ガス、クリ カクーラーから排出されるガスが通過する スダクト等に噴霧することもできる。

 ルートCの処理工程は、図6に示すように 重金属回収装置3からの排水D1を添加装置5Aを 用いてセメント製造工程のセメント粉砕ミル 、クリンカクーラーに添加するか、添加装置 5Bを用いて排ガス処理工程のセメントキルン ガス洗浄用水、クリンカクーラー排ガス洗 用水として排ガスに添加する。このルートC の処理工程は、図4に示したルートAの処理工 と同様であるため、説明を省略する。

 ルートDの処理工程は、図7に示すように 重金属回収装置3からの排水D2を脱塩処理装 4に導入し、塩素分を除いた後の溶液Sを添加 装置5Cを用いてセメント製造工程のセメント 料ミル、セメントキルンのシェル冷却用、 リンカクーラー、セメント粉砕ミルに添加 るか、添加装置5Dを用いて排ガス洗浄工程 排ガス冷却用水、調湿用水、セメントキル 排ガス洗浄用水、クリンカクーラー排ガス 浄用水、脱硝用尿素の溶解水として添加す 。このルートDの処理工程は、図5に示したル ートBの処理工程と同様であるため、説明を 略する。

 以上により、本発明では、セメント製造 備内で塩素含有物の処理時に発生した溶液 すべてを、セメント製造設備内で使用する とができるため、排水処理を施す必要がな 、排水処理コストが不要となる。尚、セメ ト製造設備内で塩素含有物の処理時に発生 た溶液のすべてを、セメント製造設備内で 用せず、その一部をセメント製造設備以外 使用してもよいことは勿論である。

 また、上記実施の形態における塩素含有 の処理時に発生した溶液の各処理方法は、 示に過ぎず、従来と同様、塩素含有物を水 した後固液分離して得られたろ液を塩素溶 用のスラリー化用水又は洗浄用水等として 用してもよい。

 さらに、上記処理システム1で処理するろ 液を発生させる水洗装置2、重金属回収装置3 構成についても、上記構成に限定されるも ではなく、ベルトフィルター12以外の装置 用いた水洗装置であってもよく、重金属回 装置3についても、薬液を用いて重金属を沈 分離させる方法等、浮選以外の方法で重金 を回収する装置であってもよい。

本発明にかかる塩素含有物の処理時に 生した溶液の処理方法を適用した処理シス ムの一実施の形態を示すフローチャートで る。 図1の処理システムで処理するろ液を発 生させる水洗装置の一例を示すフローチャー トである。 図1の処理システムで処理する排水を発 生させる重金属回収装置の一例を示すフロー チャートである。 図1の処理システムを用いた第1の処理 法を説明するためのフローチャーである。 図1の処理システムを用いた第2の処理 法を説明するためのフローチャートである 図1の処理システムを用いた第3の処理 法を説明するためのフローチャーである。 図1の処理システムを用いた第4の処理 法を説明するためのフローチャートである

符号の説明

1 処理システム
2 水洗装置
3 重金属回収装置
4 脱塩処理装置
5(5A~5D) 添加装置
11  溶解槽
12  ベルトフィルター
13  ろ液ピット
21  溶解槽
22  薬液反応槽
26  浮選機
28  フィルタプレス
29  竪型固液分離器




 
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