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Title:
METHOD FOR TREATMENT OF ORGANIC LIQUID WASTE, AND RECYCLED FUEL CARBON
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081555
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an organic liquid waste treatment system which can treat an organic liquid waste in a large quantity in a small biological treatment apparatus. Also disclosed is a recycled fuel carbon. Specifically disclosed is a treatment method for treating an organic liquid waste with an aerobic microorganism. The treatment method comprises: a biological treatment step of biologically treating the organic liquid waste with the aerobic microorganism; and a recycled fuel carbon collection step of recycling an excess sludge obtained and grown in the biological treatment step into a fuel carbon, wherein the biological treatment step and the recycled fuel carbon collection step are carried out sequentially, and wherein the grown excess sludge is recycled into the fuel carbon by using an iron oxide powder in the recycled fuel carbon collection step.

Inventors:
IIDA TOSHIKAZU (JP)
HORIISHI NANAO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003845
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TODA KOGYO CORP (JP)
FUJI KASUI ENG CO LTD (JP)
IIDA TOSHIKAZU (JP)
HORIISHI NANAO (JP)
International Classes:
C02F3/12; C02F11/00; C02F11/10; C02F11/12; C10B53/00; C10L5/46
Foreign References:
JP2007146130A2007-06-14
JP2003147441A2003-05-21
Attorney, Agent or Firm:
OKADA, Kazuhiko (6F Kudan Kangyo Bldg.,10-1, Kudan-kita 1-chome,Chiyoda-k, Tokyo 73, JP)
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Claims:
 好気性微生物を用いる有機性廃水の処理方法であって、当該処理方法は、好気性微生物を用いて有機性廃水を生物処理する生物処理工程と、当該生物処理工程において生じ、増殖した余剰汚泥を燃料炭に再生する再生燃料炭回収工程とから成り、生物処理工程に再生燃料炭回収工程が連結されており、再生燃料炭回収工程において、増殖した余剰汚泥を酸化鉄粉を用いて燃料炭に再生することを特徴とする有機性廃水の処理方法。
 前記再生燃料炭回収工程が、余剰汚泥を80~200℃の温度範囲で加熱乾燥して汚泥中の悪臭成分を分解除去する加熱分解工程と、当該加熱分解工程で得られた乾燥汚泥に0.5~5重量%の酸化鉄粉を添加混合する混合工程と、当該混合工程で得られた混合物を造粒及び/又は成形加工する成形工程と、当該成形工程で得られた成形加工物を非酸化性雰囲気中300~400℃の温度範囲で加熱して炭素化する加熱炭素化工程とから成る請求項1記載の有機性廃水の処理方法。
 前記生物処理工程が、生物性汚泥濃度を、MLSS濃度で5000~10000mg/Lの対数増殖相とすることにより、BOD除去率を80%以上の排水とする第1のBOD除去工程と、第1のBOD除去工程で得られた排水中の生物性汚泥濃度を、MLSS濃度で1000~3000mg/Lの減衰増殖相とすることにより、原水に対してBOD除去率を98%以上の放流水とする第2のBOD除去工程との2段の工程からなる請求項1又は2記載の有機性廃水の処理方法
 前記再生燃料炭回収工程の混合工程において、乾燥汚泥に添加する酸化鉄粉が、ヘマタイトα-Fe 2 O 3 、マグヘマイトγ-Fe 2 O 3 、マグネタイトFe 3 O 4 、ゲータイトα-FeOOH、アカゲナイトβ-FeOOH、レピドクロサイトγ-FeOOHの何れか一種または二種以上である請求項2記載の有機性廃水の処理方法。
 請求項1~4のいずれかの有機性廃水の処理方法によって得られた再生燃料炭。
 再生燃料炭が酸化鉄を含有している請求項5記載の再生燃料炭。
Description:
有機性廃液の処理方法及び再生 料炭

 本発明は、有機性廃水を浄化処理する活 汚泥法において、生物処理工程から排出す 増殖余剰汚泥を、燃料炭に再生して回収す ことにより、大きな負担であった余剰汚泥 理問題を解決しつつ、生物処理工程におけ 汚泥の増殖を促進して生物処理装置を小型 したことを特徴とする有機性廃水処理シス ムおよび再生燃料炭に関する。

 有機性廃水の処理には、微生物を利用し 廃水を浄化する生物処理法が広く実用化さ ている。好気性微生物を用いる好気性処理 法、および嫌気性微生物を用いる嫌気性処 方法があるが、何れの方法も余剰汚泥を発 する。本発明は、前者に属する。

 好気性微生物を用いる活性汚泥法とは次 ようである。即ち、「フロック状の生物性 殖体が絶えず循環し、これらが酸素の存在 もとに有機性廃水と接触するような処理法 あると定義することができる」(非特許文献 1)と記載されているように、好気性活性微生 を用いる活性汚泥法とは、廃水に空気を吹 込んで(曝気という)、廃水中の可溶性有機 (BODと言う)を栄養源として食する好気性微生 物を活性化させ、微生物はBODを食しながら増 殖して生物性汚泥になり、この生物性汚泥を 循環させることにより廃水中のBODを汚泥に転 換して廃水を浄化し、余剰の活性汚泥は余剰 汚泥として除去する有機性廃水の処理法であ る。

 廃水処理効率を高めるためには、図1(非 許文献2)によれば、汚泥量が幾何級数的に増 殖する対数増殖相(図1のa~b)を利用して生物性 汚泥の増殖を促進する条件を維持することが 必要である。しかし、増殖した汚泥をそのま ま放置すれば、利用し得る生物性汚泥の供給 が尽き始める減衰増殖相(図1のb~c)に移行して 、汚泥の増殖が低下することが記述されてい る。そこで、対数増殖相を維持し、生物性汚 泥の増殖を促進するためには増殖余剰汚泥を 速やかに系外に取り出して処理することが必 要である。

 しかしながら、「これら余剰汚泥は多大 手間とエネルギーを消費して、濃縮、脱水 焼却を経て最終処分されているが、最終処 場の不足も深刻な問題となっている」(非特 許文献3)といわれているように、余剰汚泥を 棄する用地の不足、焼却施設とその燃料費 ど環境上および経済上に問題があったので 現状では止む無く、生物性汚泥の増殖を抑 する減衰増殖相で有機性廃水の処理が行わ ている。その結果、処理設備が大型化して る。

 一方、これら発生した余剰汚泥の処理法 は、動物の飼料や農業用肥料などに再生利 する方法、溶液状またはスラリ-状汚泥廃液 を直接燃焼して処理する方法(非特許文献4)な どの処理法がある。また、排出する余剰汚泥 の活用法として、乾燥して燃料に、蒸し焼き して炭に、または、乾留してガス化する方法 (特許文献1)などがある。しかしながら、大型 化する廃水処理装置を小型化することや、大 量に発生する増殖余剰汚泥を効率良く処理し て有効に活用すること、などについては未だ 解決されていない。小規模な廃水処理装置の 開発と増殖余剰汚泥の有効な活用法の開発が 強く求められている。

W.W.ECKENFELDER,Jr D.J.O’CONNR著、岩井 重久 訳、廃水の生物学的処理、コロナ社、(昭和4 5年)198頁 同上、15頁 半田 宏、阿部正紀、野田 紘喜、磁気 ーズのバイオ・環境技術への応用展開、シ エムシー出版、(2006)201頁 公害防止の技術と法規編集委員会編、五 訂・公害防止の技術と法規[水質編]、(社)産 環境管理協会発行 (1995)186~188頁

特開2004-115576号公報

 有機性廃水を処理する活性汚泥工程にお て、微生物を活性化して活性汚泥を増殖す ことは、生物処理の効率向上のために必須 あることが知られている。しかしながら、 性汚泥が増殖して余剰汚泥が増加すると、 生物の活性が低下するため、BOD処理能力も 下するという矛盾があった。これを解決す ためには、余剰汚泥を系外に取り出して処 することが必要であり、焼却や埋立てなど 方法で処理している。しかしながら、これ の処理方法は、廃棄する用地の不足や、悪 による環境汚染など二次公害を発生するの 経済上、環境保全上に困難な問題があった そこで止む無く、余剰汚泥の発生を抑制す 減衰増殖相において、生物処理効率の低い 件下で、有機性廃水を処理せざるを得ない めに、処理装置の大型化が避けられないの 現状である。

 そこで、本発明は、有機性廃水の生物処 工程から排出する増殖余剰汚泥の処理問題 解決しつつ、生物処理工程における汚泥の 殖を促進して生物処理装置を小型化するこ を課題とする。

 前記技術的課題は、次の通りの本発明に って達成できる。

 上記課題を解決する本発明は、好気性微 物を用いる有機性廃水の処理方法であって 当該処理方法は、好気性微生物を用いて有 性廃水を生物処理する生物処理工程と、当 生物処理工程において生じ、増殖した余剰 泥を燃料炭に再生する再生燃料炭回収工程 から成り、生物処理工程に再生燃料炭回収 程が連結されており、再生燃料炭回収工程 おいて、増殖した余剰汚泥を酸化鉄粉を用 て燃料炭に再生することにより、生物処理 程における汚泥の増殖を促進し、BOD除去率 向上して生物処理装置を小型化したことを 徴とする有機性廃水の処理方法である。

 また、本発明は、前記再生燃料炭回収工 が、余剰汚泥を80~200℃の温度範囲で加熱乾 して汚泥中の悪臭成分を分解除去する加熱 解工程と、当該加熱分解工程で得られた乾 汚泥に0.5~5重量%の酸化鉄粉を添加混合する 合工程と、当該混合工程で得られた混合物 造粒及び/又は成形加工する成形工程と、当 該成形工程で得られた成形加工物を非酸化性 雰囲気中300~400℃の温度範囲で加熱して炭素 する加熱炭素化工程とから成ることにより 燃焼性が良好な燃料炭を収率良く回収する 程とから成る再生燃料炭回収工程を有する とを特徴とする。

 また、本発明は、前記生物処理工程が、 物性汚泥濃度を、MLSS濃度で5000~10000mg/Lの対 増殖相とすることにより、BOD除去率を80%以 の排水とする第1のBOD除去工程と、第1のBOD 去工程で得られた排水中の生物性汚泥濃度 、MLSS濃度で1000~3000mg/Lの減衰増殖相とするこ とにより、原水に対してBOD除去率を98%以上の 放流水とする第2のBOD除去工程との2段の工程 らなることにより、原水に対してBOD除去率 98%以上の放流水とする工程の2段の工程から 成る生物処理工程としたことにより、生物処 理設備を小型化した生物処理工程とから成る 有機性廃水の処理方法である。

 また、本発明は、前記再生燃料炭回収工程 混合工程において、乾燥汚泥に添加する酸 鉄粉がヘマタイトα-Fe 2 O 3 、マグネタイトFe 3 O 4 、マグヘマイトγ-Fe 2 O 3 、ゲータイトα-FeOOH、アカゲナイトβ-FeOOH、 ピドクロサイトγ-FeOOHから選ばれる1種また 2種以上を混合して用いることができる。

 また、本発明は、前記有機性排水の処理 法によって得られた再生燃料炭であり、前 再生燃料炭には、酸化鉄を含有するもので る。

 本発明の活性汚泥処理システムは、発生 た増殖余剰汚泥を再生燃料炭として回収す ので、生物処理を対数増殖相で曝気して汚 の増殖を促進し、BOD除去率を高める工程と この工程で処理した排水を減衰増殖相で曝 して、BODを20mg/L以下の放流水に浄化する工 の2段工程としたことにより、余剰汚泥処理 問題を解決しつつ、有機性廃水処理装置を小 型化することができる。

 一方、汚泥に添加する酸化鉄粉は、酸化 の酸化還元触媒作用により、汚泥を加熱炭 して燃料炭に再生する際には炭素化効率を め、また、生成した酸化鉄粉含有再生燃料 の燃焼効率を高めて燃焼時には完全燃焼す ので、一酸化炭素の発生を抑制する安全衛 上の効果を発揮する、等の効果がある。

 即ち、従来の加熱炭素化方法では、余剰 泥を蒸し焼きして炭素化する過程で炭酸ガ が発生するので生成率が低く、また、生成 た炭を燃焼した際には、酸素不足が生じる 、不完全燃焼により一酸化炭素ガスが発生 易いなどの問題があった。そこで、酸化鉄 が有する酸化還元触媒作用、即ち、酸化鉄 300℃以上の温度で加熱したとき、雰囲気が 完全燃焼ガスにより還元性雰囲気になると 酸化鉄中のFe(III)はFe(II)に還元され、酸化鉄 は酸素を放出して雰囲気を酸化性雰囲気に変 える。そして、酸化性雰囲気中ではFe(II)は酸 素により酸化されて再びFe(III)になるという 化還元触媒作用に注目して種々検討した。 の結果、酸化鉄粉を混合した汚泥を300℃以 の温度で加熱炭素化すると、炭酸ガスの生 が抑制され、炭の生成率が向上し、さらに 生成した酸化鉄粉含有炭は、燃焼性が良好 不完全燃焼が起こり難いという効果が確認 れた。

BODの除去と汚泥の増殖との関係図 本発明方法の工程フロー図

符号の説明

 a~b:対数増殖相領域
 b~c:減衰増殖相領域
 (I):有機性廃水処理工程
 (A):一次処理工程
 W0:有機性廃水
 D1:一次沈殿槽
 ST1:W0中の固形ゴミ貯槽
 (B):二次処理工程
 W1:一次処理水
 B1:曝気処理槽
 S1:増殖生物性汚泥スラリー
 D2:二次沈殿槽
 S2:余剰汚泥スラリー
 RC1:安定化槽
 S3:再活性化汚泥
 PF 固液分離装置
 ST2:余剰汚泥貯槽
 (C):三次処理工程
 W2:二次処理水
 B2:曝気処理槽
 S4:増殖生物性汚泥スラリー
 D3:三次沈殿槽
 W3:浄化排水
 S5:余剰汚泥スラリー
 (II):再生燃料炭回収工程
 HT1:加熱分解工程
 GT:脱臭装置
 MIX:混合工程
 MOD:成形工程
 HT2:加熱炭素化工程
 ST3:再生燃料炭貯槽

 本発明の構成をより詳しく説明すれば次 通りである。

 本発明の実施形態を図2により説明する。

 図2は本発明の有機性廃液処理システムを 示すものであり、(I)は生物処理工程であり、 一次処理(A)、二次処理(B)及び三次処理(C)の各 工程から成る。また、(II)は(I)の工程から排 する増殖余剰汚泥を酸化鉄粉を用いて燃料 に再生して回収する再生燃料炭回収工程で り、(II)は乾燥、脱臭のための加熱分解工程[ HT1]と排ガスの脱臭装置[GT]から成る工程と、 燥汚泥に酸化鉄粉を添加混合する工程[MIX]( 合工程)と、混合物を造粒・成形加工する工 程[MOD](成形工程)と、成形物を加熱炭化する 程[HT2](加熱炭素化工程)とから成る。

 まず、生物処理工程(I)について述べる。

 先ず、生物処理工程(I)において、一次処 工程(A)では、有機性廃水W0に混在している 体ゴミを沈殿槽D1で、一次処理水W1と沈降分 し、固体ゴミはゴミ貯槽ST1へ、一次処理水W 1は液送ポンプで二次処理工程(B)へ移送する

 次に、二次処理工程(B)では、一次処理水W 1中に含有している有機物(以下、「BOD」とい )を、曝気槽B1で曝気して活性化した生物性 泥に食させ、BODの生物汚泥転換を促進し、 物性汚泥濃度を、好ましくはMLSS濃度5000~1000 0mg/Lの対数増殖相で曝気する(第1のBOD除去工 )。増殖した生物性汚泥スラリーS1は連通管 通って沈殿槽D2に流入する。沈殿槽D2では、 次処理水W2と生物性汚泥スラリーS2に沈降分 離し、二次処理水W2は連通管を通って三次処 工程(C)へ流入する。

 生物性汚泥濃度をMLSS濃度で5000~10000mg/Lの 濃度にすることにより、生物性汚泥の増殖 促進してBOD除去率を高めることができ、廃 処理装置を小型化することができる。MLSS濃 度が10000mg/Lを超える場合には、増殖汚泥の沈 降槽での沈降分離が困難となる場合がある。 5000mg/L未満では、BOD除去率が低い場合がある より好ましい範囲は5000~8000mg/Lである。

 一方、沈降分離した余剰汚泥スラリーS2 、その一部を安定化槽RC1へ移送し、飽食し 増殖した生物性汚泥を貧食状態にして再活 化する。再活性化した生物性汚泥S3は、一次 処理水W1と混合して曝気槽B1へ返送すること より、曝気槽B1における生物性汚泥濃度をMLS S濃度5000~10000mg/Lに維持する。また、残りの余 剰汚泥スラリーS2は固液分離工程PFで分離し 、排液は一次処理水W1に返送し、ペースト状 の余剰汚泥は貯蔵槽ST2に貯蔵する。

 さらに、三次処理工程(C)では、二次処理 W2中に残留しているBODを曝気槽B2で、生物性 汚泥濃度を、好ましくはMLSS濃度1000~3000mg/Lの 衰増殖相で曝気し、僅かに増殖した生物性 泥スラリーS4は沈殿槽D3へ移送する(第2のBOD 去工程)。沈殿槽D3では、浄化排水W3と生物 汚泥スラリーS5に沈降分離して、浄化排水W3 滅菌処理して系外へ放流し、スラリーS5は その一部を二次処理水W2と混合して曝気槽B2 返送することにより、曝気槽B2における生 性汚泥濃度を好ましくはMLSS濃度2000~3000mg/Lに 維持する。また、残りの余剰汚泥スラリーS5 、二次処理工程(B)の固液分離工程PFに移送 て固液分離し、排液は一次処理水W1に返送し 、ペースト状の余剰汚泥は貯蔵槽ST2に貯蔵す る。

 減衰増殖相で曝気する工程において、生 性汚泥濃度をMLSS濃度で1000~3000mg/Lの低濃度 することにより、排水中のBOD濃度の低い放 水とすることができる。3000mg/Lを超える場合 には、放流水中のBOD濃度を低くすることが困 難な場合があり、1000mg/L未満ではBOD除去率が く過ぎるため廃水の浄化が進まない場合が る。より好ましい範囲は1000~2000mg/Lである。

 次に、増殖余剰汚泥を再生燃料炭として 収する工程(II)について述べる。

 増殖余剰汚泥を再生燃料炭として回収す 再生燃料炭回収工程(II)の加熱分解工程にお いて、生物処理工程(I)の余剰汚泥貯槽[ST2]か ペースト状の余剰汚泥を取出し、加熱分解 程HT1の排気パイプを備えた密閉ドラム容器 に投入し、この容器を電気炉中で回転しな ら好ましくは80~200℃の温度で加熱して乾燥 、悪臭成分を分解して脱臭して乾燥汚泥を 成する。また、分解ガスは排気パイプを通 て脱臭装置GTで脱臭処理した後、大気中に 出する。

 本発明の再生燃料炭回収工程において、 物処理工程から排出する余剰汚泥を80~200℃ 温度で加熱するのは、含水ペースト状の余 汚泥を乾燥し、汚泥に含有している硫化水 、硫化メチル、メチルメルカプタンやアン ニア等の悪臭成分を分解して脱臭処理する めである。加熱温度が80℃未満では、乾燥 度が遅く、また、悪臭成分の分解も不十分 なる。200℃を超える場合は、乾燥速度が大 く、悪臭成分の分解の効果も大きいが、汚 のガス化が生起するので好ましくない。よ 好ましい加熱温度は100~180℃である。分解ガ は公知の脱臭装置を用いて処理することが ましい。

 前記加熱分解工程で得られた脱臭乾燥汚 は、次の混合工程MIXで酸化鉄粉を好ましく 0.5~5重量%添加してミックスマーラー、V型ミ キサー等で混合する。

 本発明において、乾燥汚泥に酸化鉄粉を添 することにより、有機性汚泥から炭素成分 効率良く回収でき、そして、再生燃料炭の 焼性を高めることができる。乾燥汚泥に添 する酸化鉄粉が0.5重量%未満では、酸化還元 触媒の効果が小さくなる場合がある。5.0重量 %を超える場合には、酸化還元触媒効果は十 であるが再生炭の純度が低下し、発熱量が 少する場合がある。より好ましい添加量は1. 0~3.0重量%である。酸化鉄粉としては、特に制 限無く、例えば、ヘマタイトα-Fe 2 O 3 、マグネタイトFe 3 O 4 、マグヘマイトγ-Fe 2 O 3 、ゲータイトα-FeOOH、アカゲナイトβ-FeOOH、 ピドクロサイトγ-FeOOH等の1種または2種以上 混合して用いることができる。

 前記混合工程で得られた混合物は、次の 形工程MODで、使途に適した形状に、押出し 形機、圧縮成形機等を用いて、造粒および/ または成形加工する。

 本発明において、乾燥汚泥と酸化鉄粉の 合物を成形するのは、加熱炭素化する際に 炭素化を均一に行い均質な再生燃料炭を得 ためであり、そして、使い易い燃料炭を得 ためである。乾燥汚泥と酸化鉄粉の混合物 成形するには、鋳込み成形機や押出し成形 などの成形加工装置を用いて、ペレット状 棒状、板状、豆炭や練炭状など使途に合せ 種々の形状に成形することができる。また 成形助剤は適宜使用することができる。

 成形助剤としては、でんぷん、廃糖蜜、 キストリン、ポリビニルアルコール等が挙 られる。

 前記成形工程で得られた成形物を炭素化 る加熱炭素化工程HT2では、前記成形工程で られた成形物を、電気炉等の加熱炉を用い 、好ましくは非酸化性雰囲気下300~400℃の温 度で加熱することにより、酸化鉄含有燃料炭 を生成し、室温まで冷却した後、生成物は再 生燃料炭貯槽ST3に貯蔵する。

 本発明において、造粒物または成形物を 非酸化性雰囲気中で、300~400℃の温度で加熱 して炭素化する際に、非酸化性雰囲気とする ことにより、余剰汚泥が燃焼するのを防止し て効率良く炭素化することができる。加熱炭 素化温度が300℃未満では、酸化鉄の酸化還元 触媒作用が生起し難い場合がある。また、400 ℃を超える場合には、炭素化と同時にガス化 が促進する場合がある。また、加熱炭素化装 置には炉内ガス雰囲気が制御できる加熱炉を 用い、非酸化性雰囲気とするには、窒素等の 不活性ガスを用いる方法や空気の混入を遮断 して行う方法等で実施することができる。

 次に実施例により詳細に説明する。

(I)生物処理工程:
 廃水および処理水の水質検査は(社)日本下 協会発行(1984年版)「下水試験方法、第4章活 汚泥試験」に記載の方法で行った。

 先ず、豆類加工食品工場の廃水処理工程 おける従来法を示す。

 比較例1:
 豆類加工食品工場から排出する有機性廃水 、BODの平均濃度が1000mg/Lで、排水量は日量10 0m 3 であり、BODの排出総量は日量100Kgである。

 前記の豆類加工食品工場における廃水処理 程は、容積が250m 3 の曝気槽と18m 3 の沈殿槽とから成る。先ず、BOD濃度が1000mg/L 廃水を曝気槽に導入し、MLSS濃度で2000mg/Lの 衰増殖相で曝気した。このときのBOD容積負 は0.4Kg/m 3 ・日で、BOD-MLSS負荷は0.2Kg/Kg・日であった。 かに増殖した生物性汚泥スラリーは連通管 通して沈殿槽に移送し、沈殿槽では、浄化 水と生物性汚泥スラリーに沈降分離した。 離した浄化排水は滅菌処理して河川に放流 、余剰汚泥は系外に取り出して埋立て廃棄 た。余剰汚泥の生成量は乾燥重量で5kg/日で BODの汚泥転換率は5%であった。

 また、浄化排水の水質は、原水からの総BOD 去率が98%で、BOD濃度が20mg/Lであり、放流水 準を満足していた。しかしながら、曝気槽 日量100m 3 の廃水に対して、容積が2.5倍の250m 3 という大型の曝気槽を使用しなければならな い。その理由は、余剰汚泥を埋立て処理して いたので、土地の不足や環境保全に問題があ ったので、増殖余剰汚泥の発生を抑制する必 要があり、BODの汚泥転換率が5%の減衰増殖相 曝気したからであった。生成した余剰汚泥 は、乾燥物で5kg/日と少量であった。

実施例1:
(I)生物処理工程:
 比較例1の豆類加工食品工場廃液を、本発明 の図2における(I)の生物処理工程で浄化処理 た。

 平均BOD濃度が1000mg/Lの廃水W0は、一次処理工 程(A)の容積が18m 3 の沈殿槽D1に受け入れ、廃水W0中の固体ゴミ 沈降分離して貯槽ST1に取り出し、一次処理 W1は液送ポンプで、二次処理工程(B)の容積が 60m 3 の曝気槽B1へ移送した。

 二次処理工程(B)では、BOD濃度が1000mg/Lの一 処理水W1を、曝気槽B1へ受け入れて、MLSS濃度 が8000mg/Lの対数増殖相で曝気して、汚泥を活 化することによりBODの汚泥転換率を高めて 生物性汚泥を増殖した。このときのBOD容積 荷は1.67Kg/m 3 ・日であり、BOD-MLSS負荷は0.21Kg/Kg・日であっ 。増殖した生物性汚泥スラリーS1は、連通 を通して容積18m 3 の沈殿槽D2に移送した。沈殿槽D2では、二次 理水W2と生物性汚泥スラリーS2に沈降分離し 二次処理水W2は、連通管を通して三次処理 程(C)の容積60m 3 の曝気槽B2へ移送した。二次処理水W2の水質 、BODが200mg/L(BOD除去率は80%)であった。

 一方、沈降分離した生物性汚泥スラリーS2 、その一部を、容積が10m 3 の安定化槽RC1へ移送し、飽食した生物性汚泥 を、貧食状態にすることにより食欲を再活性 させた。このようにして再活性化した生物性 汚泥S3は、一次処理水W1と混合して曝気槽B1へ 返送することにより、微生物量をMLSS濃度が80 00mg/Lの高活性度に維持した。また、汚泥スラ リーS2の残分、即ち、発生した余剰汚泥はプ スフィルターによる固液分離工程PFに移送 、固液分離した。排水は一次処理水W1に返送 し、ペースト状余剰汚泥は容積が20m 3 の余剰汚泥貯槽ST2に回収した。余剰汚泥の発 生量は乾燥重量で27kg/日で、BODの汚泥転換率 27%であった。

 また、三次処理工程(C)へ移送した二次処理 W2には、200mg/LのBODが残留していた。二次処 水W2は曝気槽B2で、MLSS濃度が2000mg/Lの減衰増 殖相で曝気した。このときのBOD容積負荷は0.3 3Kg/m 3 ・日で、BOD-MLSS負荷は0.17Kg/Kg・日であった。 物性汚泥スラリーS4は連通管を通して容積 18m 3 の沈殿槽D3に移送した。沈殿槽D3では、浄化 水W3と生物性汚泥スラリーS5に沈降分離して 浄化排水W3は滅菌処理した後、系外へ放流 た。この浄化排水W3の水質は、BOD濃度が20mg/L で放流水基準を満足していた。三次処理工程 (C)でのBOD除去率は90%であり、原水からの総BOD 除去率は98%であった。

 一方、沈降分離した生物性汚泥スラリーS 5は、その一部を二次処理水W2と混合して曝気 槽B2へ返送することにより、微生物量をMLSS濃 度で2000mg/Lに維持した。また、汚泥スラリーS 5の残分、即ち、発生した余剰汚泥は、二次 理工程(B)の固液分離工程PFに移送し、固液分 離して、排水は二次処理工程(B)の一次処理水 W1に返送し、ペースト状余剰汚泥は貯蔵槽ST2 回収した。余剰汚泥の発生量は乾燥重量で1 kg/日で、BODの汚泥転換率は5%であった。ST2に 収した余剰汚泥の総量は140kgで含水率は80% あった。これは乾燥物重量で日量28kgであっ 。

 本発明方法では、乾燥物重量で28kg/日と 量の余剰汚泥を生成した。その理由は、余 汚泥を燃料炭に再生する再生燃料炭回収工 を、生物処理工程に連結したことにより、BO Dの汚泥転換率が大きい対数増殖相で曝気し 汚泥の増殖を促進したからである。

 即ち、第1の曝気槽B1では対数増殖相で曝気 て、BODを80%以上除去し、第2の曝気槽B1では 衰増殖相で曝気して、残余20%のBODを、BODの 有量が20mg/L以下の排水に浄化した。その結 、曝気槽を従来の250m 3 の装置より、約4分の1の60m 3 に小型化することができた。

(II)余剰汚泥を燃料炭に再生する工程:
 汚泥再生炭の生成率は、加熱炭素化処理前 の重量変化を測定して求めた。汚泥中の炭 量の基準は、標準とされる汚泥組成式C 5 H 7 NO 2 から算出した53重量%とした。また、灰分は温 度800℃で3時間燃焼して残量を測定した。汚 の灰分は21.5重量%であった。

 <予備実験1>汚泥の乾燥・脱臭処理につ て:
 図2における有機性廃水処理工程(I)の余剰汚 泥貯蔵槽[ST2]からペースト状の率余剰汚泥1kg シャーレーに取出した。次に、汚泥100gを加 熱用試料皿に取り、管状炉に挿入して加熱し た。温度の上昇に伴う排気ガスの臭気発生状 況を観測した。その結果、加熱温度が80℃近 から臭気性ガスが出始め、130~170℃の間で激 しく発生し、200℃を越えると臭気ガスの発生 は無くなった。

 <予備実験2>加熱炭素化条件(酸化鉄粉な し)について:
 <2-1>
 150℃で脱臭乾燥した汚泥を仁丹粒状に造粒 た粉体10gを、ルツボに入れ蓋をして、マッ ル電気炉を用いて、空気の通気を遮断して2 00℃で加熱した。3時間加熱してデシケーター に取り出して冷却した。室温に冷却後の重量 を測定した結果、生成した炭の重量は9.1gで った。乾燥汚泥10g中の炭素量が基準量53%で るから炭素は5.3gであり、灰分が21.5%である ら2.15gである。従って、加熱後の重量がこの 合計7.45gであるとき、炭素化率は100%となる。 生成した炭が9.1gの場合では、1.65gが未炭化で あり、炭素化率は69%であった。

 <2-2>
 上記2-1と同様にして、汚泥を200℃の温度で2 4時間加熱した。残存量は
8.55gであった。これは、未生成の炭であり、 熱温度が200℃では炭素化が不十分であった

 <2-3>
 加熱温度を250℃とし、加熱時間を変化させ 以外は、前記2-1と同様にして汚泥を加熱炭 化した。残存量は、加熱時間が3時間のとき は7.88g(炭素化率92%)、6時間のときは7.65g(炭素 率96%)で、8時間では炭素化率が98%であった

 <2-4>
 加熱温度を300℃とし、加熱時間を変化させ 以外は上記2-1と同様にして汚泥を加熱炭素 した。残存量は、加熱時間が1時間のときは 7.26gであり、一部ガス化しており、汚泥の炭 化は1時間以内に完了していることを示唆し ていた。また、これより高い温度で加熱する と汚泥のガス化がさらに促進した。

 <予備実験3>添加物と加熱炭素化条件に いて:
 <3-1>
 150℃で加熱脱臭した乾燥汚泥に、比表面積 80m 2 /gの酸化鉄(ゲータイト)粉を3重量%添加混合し て仁丹粒状に造粒した。この造粒粉10gを、ル ツボに入れ蓋をして、マッフル電気炉を用い て、空気の通気を遮断して300℃で加熱した。 3時間加熱後、デシケーターに取り出して冷 した。室温に冷却後の重量を測定した結果7. 85gであった。乾燥汚泥10g中には酸化鉄を3%含 しているので正味の汚泥量は9.7gである。こ の含有炭素量は基準量53%であるから炭素は5.1 4gであり、灰分は21.5%であるから2.13gである。 従って、加熱後の重量がこの合計7.27gである き、炭素化率は100%である。よって、生成し た炭が7.85gの場合は、0.58gが未生成の炭であ 、炭素化率は89%であった。加熱時間が4時間 とき、汚泥の炭化率は98%であった。

<3-2>
 加熱温度を350℃とし、加熱時間を変化させ 以外は上記3-1と同様にして汚泥を加熱炭素 した。残存量は、加熱時間が1時間のときは 7.66g(炭素化率92%)、加熱時間が3時間のとき7.32 g(炭素化率99%)であった。加熱時間が4時間の きの残存量は7.08gであり、一部ガス化してい ることが確認された。

 <3-3>
 比表面積が28m 2 /gの酸化鉄(マグネタイト)粉を用い、添加量 1重量%とした以外は上記3-1と同様にして汚泥 を加熱炭素化した。加熱時間が3時間の時、 泥の炭素化率は98%であった。

 予備実験2と予備実験3の結果から、乾燥 泥に酸化鉄粉を添加すると、汚泥中の炭素 分をガス化させることなく加熱炭素化を促 させることができることが判明した。

 実施例2:
 図2において、有機性廃水処理工程(I)の余剰 汚泥貯蔵槽[ST2]からペースト状の余剰汚泥140k gを取出し、加熱分解工程HT1の排気パイプを えた容積500Lの回転ドラム容器中に投入し、 の容器を電気炉中で回転しながら150℃の温 に加熱して乾燥・脱臭処理した。脱臭乾燥 28kgを得た。発生した臭気性ガスは脱臭装置 GTにより処理して大気へ放出した。脱臭装置 は富士化水工業(株)製脱臭装置「バイオフ レスト」を用いた。

 次に、上記工程で得た脱臭汚泥の乾燥物28kg に、混合工程MIXにおいて、比表面積が80m 2 /gの酸化鉄(ゲータイト)粉560g(2重量%)を添加し てミックスマーラーで混合し、均一に混合し た後、少量の水を加えながら撹拌混合して0.5 mmφに造粒した。この造粒物を成形工程MODに いて、押出し成形機で10mm×10mm×100mmの棒状に 成形した。

 上記工程で得られた成形物を乾燥後、加 炭素化工程HT2において、アルミナ製の蓋付 角コウ鉢(120W×120D×50Hmm)を用いて、1コウ鉢 成形物を40個入れて、内容積が36リットルで 寸法(300W×600D×200Hmm)の静置型電気炉を用い 、コウ鉢を3段に重ねて、4列、2行で、合計24 鉢を挿入し、炉内部を外気の流通を遮断した 非酸化性雰囲気とし、350℃の温度で3時間加 し、室温まで冷却して炉から取出した。こ 操作を6回行って全成形物を加熱炭素化した 黒色生成物は、酸化鉄含有再生燃料炭で、 成物の全重量は14.5kg、汚泥の炭素化率は98% あった。また、酸化鉄含有再生燃料炭は着 性が良好で、無煙無臭で燃焼し、燃焼性は 好であった。

 本発明は、有機性廃水の生物処理法にお て、発生する余剰汚泥の処理が大きな負担 あったが、余剰汚泥に酸化鉄粉を添加して 熱炭素化することにより、余剰汚泥を燃焼 に優れた酸化鉄含有燃料炭に再生回収する とができた。また、余剰汚泥処理の負荷を 減するために生物処理条件を減衰増殖相で 施するので生物処理装置が大型化していた 、再生燃料炭回収工程を生物処理工程に連 したことにより、生物処理条件を対数増殖 とし、BOD除去率を増大して生物処理装置を 型化することができたので、経済性にも優 た環境対応型システムとして容易に実施す ことができる。さらに、汚泥に添加する酸 鉄粉には酸化還元触媒作用があるので、汚 を加熱炭素化して燃料炭に再生する際には 炭素化効率が良く高収率であり、また、生 した酸化鉄粉含有再生燃料炭を燃焼する際 は、燃焼効率が良く完全燃焼するので一酸 炭素の発生を抑制して安全衛生上の効果を 揮する等の燃焼性に優れている。そのため エネルギー資源の枯渇問題が叫ばれている 日的背景からも、本発明は、時代の要請に して実施することができる。