Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF UNDERGROUND INJECTION OF LIQUEFIED CARBON DIOXIDE AND APPARATUS THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/008385
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of underground injection and apparatus therefor that would realize efficient penetration or diffusion of liquefied carbon dioxide into a deep aquifer. The method of underground injection of liquefied carbon dioxide comprises the stages of pumping up groundwater from a deep aquifer through a pumping well onto the ground to thereby obtain an injection water; applying a pulsating pressure to the injection water; injecting the injection water applied with the pulsating pressure through an injection well to the deep aquifer; injecting liquefied carbon dioxide from a storage tank while maintaining its liquefied state to the depth of the injection well appropriate for maintaining the liquefied state; and in the injection well, carrying out conversion of liquefied carbon dioxide into microdroplets in the injection water and mixing together to thereby produce a biliquid mixed fluid.

Inventors:
KOIDE HITOSHI (JP)
SHINODA JUNJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062223
Publication Date:
January 15, 2009
Filing Date:
July 04, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MIZUHO INFORMATION & RES INST (JP)
KOIDE HITOSHI (JP)
SHINODA JUNJI (JP)
International Classes:
B01J19/00; B01F3/08; B01F15/02; C01B32/50; E21B28/00
Domestic Patent References:
WO2008001812A12008-01-03
Foreign References:
JP2004050167A2004-02-19
Attorney, Agent or Firm:
Kyosei International Patent Office (8-14 Akasaka,3-chome, Minato-ku, Tokyo 52, JP)
Download PDF:
Claims:
 深部帯水層の地下水を揚水井から地上に汲み上げて注入水をつくる段階と、 
 前記注入水に脈動水圧を加える段階と、 
 脈動水圧が加えられた前記注入水を注入井から深部帯水層に送り込む段階と、 
 液化炭酸ガスを貯蔵タンクから液化状態を保って前記注入井の液化状態を保てる深度まで送り込む段階と、 
 前記注入井内において、前記液化炭酸ガスを注入水の中に微細液滴化して混合し二液混合流体を生成する段階と、を含むことを特徴とする液化炭酸ガスの地中送り込み方法。 
 前記注入井に送り込む前記液化炭酸ガスに、低周波の脈動液圧を加える段階がさらに設けられることを特徴とする請求項1に記載の液化炭酸ガスの地中送り込み方法。 
 前記注入水の水温を調整する段階が、さらに設けられることを特徴とする請求項1に記載の液化炭酸ガスの地中送り込み方法。 
 深部帯水層の地下水を揚水井から地上に汲み上げる汲み上げ装置と、 
 前記注入水を注入井から前記深部帯水層に送り込む注入水圧入装置と、 
 前記注入水圧入装置と前記注入井の間に設けられ、前記注入水に脈動水圧を加える注入水用の低周波脈動発生装置と、 
 液化炭酸ガスを貯蔵タンクから液化状態を保って前記注入井の液化状態を保てる深度まで送り込む液化炭酸ガス圧入装置と、 
 前記注入井内に設けられ、前記注入井に送り込まれた液化炭酸ガスが微細液滴化され、前記注入水に混合されて二液混合流体を生成する微細液滴化装置と、を含むことを特徴とする液化炭酸ガスの地中送り込み装置。 
 前記微細液滴化装置は、前記注入水が送り込まれるケーシング管と、前記ケーシング管に挿入され前記液化炭酸ガスが送り込まれる挿入管と、前記挿入管の下端に取り付けられ、側面に前記液化炭酸ガスを斜め下方に噴射する複数の噴射管を有する回転可能な筒体と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の液化炭酸ガスの地中送り込み装置。 
 前記筒体の内部に、前記液化炭酸ガスの吐出流で回転する回転翼が設けられることを特徴とする請求項5に記載の液化炭酸ガスの地中注入送り込み装置。 
 前記筒体の下部に、前記筒体を回転させる水中モータが設けられることを特徴とする請求項5に記載の液化炭酸ガスの地中送り込み装置。 
 前記液化炭酸ガス圧入装置と前記注入井の間に、前記液化炭酸ガスに脈動水圧を加える液化炭酸ガス用の低周波脈動発生装置がさらに設けられることを特徴とする請求項4に記載の液化炭酸ガスの地中送り込み装置。 
 前記貯水タンクと前記注入水圧入装置との間に、注入水の水温を調整する温度調整装置が設けられることを特徴とする請求項4に記載の液化炭酸ガスの地中送り込み装置。 
 
Description:
液化炭酸ガスの地中送り込み方 及びその地中送り込み装置

 本発明は、液化炭酸ガスを注入井内で微 液滴化して注入水に混合し、これを深部帯 層に効率よく注入する地中送り込み方法及 地中送り込み装置に関する。 

 二酸化炭素の地中貯留は、温室ガス削減 有力な手法として米国やEUでの取り組みが んでいる。温室効果ガスには、二酸化炭素 メタン、代替フロンなどがあるが、一般に 9割以上が二酸化炭素である。二酸化炭素を 部帯水層に気体や超臨界流体の状態で大量 注入すると、固まり状態(プリューム)にな やすく、浸透性や拡散性に問題がある。気 や超臨界流体の二酸化炭素は水より軽いか 、地上側に漏れ出てくる心配がある。二酸 炭素の発生量は極めて大量なので、二酸化 素を効率よく処理でき、地中での浸透性や 散性がよく、一般の地質環境でも地中で安 確実に固定される処理方法が望まれている  

 特許文献1の「ガス液化沈降装置」には、高 圧をかけて液化した二酸化炭素と海水を交互 に圧送し深海に送り込むことが記載されてい る。特許文献2の「深層海水中への液体二酸 炭素送り込み方法」には、液化炭酸ガスが 水より重いことを利用して、液泡にして浅 海中に放出し、平衡状態を保って深海に送 込むことが記載されている。しかし、いず も海中であり、地中貯留の場合に生じる浸 性や拡散性についての記載はない。 

特開2000-227085号公報

特開平11-228122号公報

 本発明の目的は、液化炭酸ガスを深部帯 層に効率よく浸透させ、また拡散させるこ ができる液化炭酸ガスの地中送り込み方法 びその地中送り込み装置を提供することに る。 

 上記の目的を達成するため、本発明によ 請求項1に記載の液化炭酸ガスの地中送り込 み方法は、深部帯水層の地下水を揚水井から 地上に汲み上げて注入水をつくる段階と、前 記注入水に脈動水圧を加える段階と、脈動水 圧が加えられた前記注入水を注入井から深部 帯水層に送り込む段階と、液化炭酸ガスを貯 蔵タンクから液化状態を保って前記注入井の 液化状態を保てる深度まで送り込む段階と、 前記注入井内において、前記液化炭酸ガスを 注入水の中に微細液滴化して混合し二液混合 流体を生成する段階と、を含むことを特徴と する。 

 請求項2は、請求項1記載の発明であって 前記注入井に送り込む前記液化炭酸ガスに 低周波の脈動液圧を加える段階がさらに設 られることを特徴とする。 

 請求項3は、請求項1記載の発明であって 前記注入水の水温を調整する段階が、さら 設けられることを特徴とする。 

 本発明による請求項4に記載の液化炭酸ガ スの地中送り込み装置は、深部帯水層の地下 水を揚水井から地上に汲み上げる汲み上げ装 置と、前記注入水を注入井から前記深部帯水 層に送り込む注入水圧入装置と、前記注入水 圧入装置と前記注入井の間に設けられ、前記 注入水に脈動水圧を加える注入水用の低周波 脈動発生装置と、液化炭酸ガスを貯蔵タンク から液化状態を保って前記注入井の液化状態 を保てる深度まで送り込む液化炭酸ガス圧入 装置と、前記注入井内に設けられ、前記注入 井に送り込まれた液化炭酸ガスが微細液滴化 され、前記注入水に混合されて二液混合流体 を生成する微細液滴化装置と、を含むことを 特徴とする。 

 請求項5は、請求項4記載の発明であって 前記微細液滴化装置は、前記注入水が送り まれるケーシング管と、前記ケーシング管 挿入され前記液化炭酸ガスが送り込まれる 入管と、前記挿入管の下端に取り付けられ 側面に前記液化炭酸ガスを斜め下方に噴射 る複数の噴射管を有する回転可能な筒体と を含むことを特徴とする。 

 請求項6は、請求項5記載の発明であって 前記筒体の内部に、前記液化炭酸ガスの吐 流で回転する回転翼が設けられることを特 とする。 

 請求項7は、請求項5記載の発明であって 前記筒体の下部に、前記筒体を回転させる 中モータが設けられることを特徴とする。 

 請求項8は、請求項4記載の発明であって 前記液化炭酸ガス圧入装置と前記注入井の に、前記液化炭酸ガスに脈動水圧を加える 化炭酸ガス用の低周波脈動発生装置がさら 設けられることを特徴とする。 

 請求項9は、請求項4記載の発明であって 前記貯水タンクと前記注入水圧入装置との に、注入水の水温を調整する温度調整装置 設けられることを特徴とする。 

 本発明による請求項1の液化炭酸ガスの地 中送り込み方法によれば、(1)深部帯水層から 汲み上げた地下水に、液化炭酸ガスを微細液 滴化して注入するので深部帯水層に広範囲に 拡散できる。深部帯水層での圧力と温度の条 件により液滴から気泡への相変化が起きても 微細な気泡の浮力は小さく、地層内を上昇し て大きな固まり(プリューム)状態にはならな 。(2)また、二酸化炭素の微細液滴は、土粒 の隙間に入り込みやすいので容易に地中に 定することができる。(3)注入水に低周波の 動を与えたので、注入井周辺の地層の隙間 規則的に振動させるとともに、注入水と微 液滴の併進運動が活発化され微細液滴の見 け上の流動性が改善される。(4)二酸化炭素 液滴密度は気泡密度の数百倍も大きいので つまり体積が小さいので、地層への微細液 の注入は、微細気泡の注入に比べて貯留効 が良い。(5)液化炭酸ガスの微細液滴化を注 井の内部で行なうので、施設が大型化せず 注入井内の水深相当の自然の静水圧が利用 きる。 

 本発明の請求項2によれば、注入井に送り 込む液化炭酸ガスに、低周波の脈動を加える 段階を設けたので、流動性が与えられ液化炭 酸ガスの噴射が容易となる。混入率(一定の 積に占める微細液滴の容積率)を大きくでき 微細液滴を効率よく生成できる。 

 本発明の請求項3によれば、注入水の水温 を調整する段階を設けたので、二酸化炭素の 液化状態を保つ圧力を低くできる。すなわち ポンプの負担を軽減することができる。なお 、液化炭酸ガスは、液化炭酸ガス注入装置か ら液相のままで30℃以下および7MPa以上に保ち 挿入管に送り込むことが望ましい。注入水は 30℃以下の一定水温に調整した地下水を使用 、微細液滴化装置は7MPa以上となる水深位置 に設置する。そのため挿入管の長さは700m以 となる。 

 本発明による請求項4の液化炭酸ガスの地 中送り込み装置によれば、請求項1の効果と じ効果を得ることができる。 

 本発明の請求項5によれば、挿入管の下端 に微細液滴化装置を取り付けたから、圧入井 内で、液化炭酸ガスの微細液滴と注入水を混 合した二液混合流体を生成することができる 。すなわち、液化炭酸ガスを回転する筒体の 複数の噴射管から噴射して効率よく微細液滴 を作ることができる。 

 本発明の請求項6によれば、微細液滴化装 置の筒体の内部に、液化炭酸ガスの吐出流で 回転する回転翼を設けたので、液化炭酸ガス を筒体の内部で自力旋回させることができる 。また、筒体は噴射管から液化炭酸ガスを噴 出する反力で自力回転される。噴射管は注入 水の流速が速い箇所にあるから、流速が速け れば圧力はその分低くなり、注入水の水圧と 液化炭酸ガス圧入装置による液化炭酸ガスの 液圧との圧力差が大きくなり液化炭酸ガスの 噴射が促進される。これらにより、微細液滴 を効率よく生成できる。 

 本発明の請求項7によれば、微細液滴化装 置の筒体の直下に水中モータを設けたので、 筒体を高速回転させることができる。水中モ ータへの給電は地上側から行う。筒体を高速 回転させて、噴射管から液化炭酸ガスを噴射 するので、微細液滴をより多く生成できる。  

 本発明の請求項8によれば、液化炭酸ガス に低周波脈動発生装置で脈動を加えたので、 流動性が与えられ、液化炭酸ガスの噴射が容 易となる。これにより微細液滴を効率よく生 成できる。 

 本発明の請求項9によれば、注入水の温度 調整装置を設けたので請求項3の効果と同様 効果を得ることができる。 

液化炭酸ガスの地中送り込み装置の構 図である。(実施例1) 揚水井の二重管の断面図である。(実施 例1) 微細液滴化装置の断面図である。(実施 例1の構成例1) 微細液滴化装置の断面図である。(実施 例1の構成例2) 低周波脈動発生装置の構成図である(実 施例1) 圧力井での圧力の関係図である。(実施 例1) 液化炭酸ガスの地中送り込み方法の処 手順を示すフローチャートである。(実施例 1)

符号の説明

 1  汲み上げ装置 
 2  温度調整装置 
 3  注入水圧入装置 
 4  注入水用の低周波脈動圧発生装置 
 4a  液化炭酸ガス用の低周波脈動圧発生装  
 5  液化炭酸ガス圧入装置 
 6a  微細液滴化装置 
 6b  微細液滴化装置 
 7  内管 
 8  外管 
 9  二重管 
 10  揚水ポンプ 
 12  ジェット吸引部 
 13  貯水タンク 
 14  圧入ポンプ 
 15  圧力流量調整弁 
 16  駆動部 
 17  脈動発生器 
 18  燃焼炉 
 19  分離回収装置 
 20  タンクローリ 
 21  揚水井 
 22  注入井 
 23  コンプレッサ 
 24  液化炭酸ガス貯蔵タンク 
 26  ケーシング管 
 27  挿入管 
 30  プラント施設 
 31  水中モータ 
 34  微細液滴 
 35  スリット 
 40  筒体 
 41  噴射管 
 42  三角錐 
 43  回転翼 
 47  振れ止め材 
 48  固定金具 
 51  深部帯水層 
 52  地表面 
 53  地下水 
 54  注入水 
 55  液化炭酸ガス 
 56  二液混合流体 
 57  モータ 
 58  油圧シリンダ 
 59  ゴム管 
 60  加圧水 
 100  液化炭酸ガスの地中送り込み装置 
 S70~S78  液化炭酸ガスの各処理段階 
 L0、L1  深度 
 P0  深度L0での水圧 
 P1  深度L1での水圧 
 Pα  注入水の水圧 
 Pαd  注入水の脈動後の水圧 
 Pαdmax  注入水の脈動の最大圧 
 C、Cd  定数(圧力) 

 以下、図面を参照して本発明による液化 酸ガスの地中貯留方法及びその地中貯留シ テムを説明する。 

 図1は本発明による液化炭酸ガスの微細液 滴化による地中貯留システムの構成図である 。液化炭酸ガスの微細液滴化による地中送り 込み装置100は、深部帯水層51に達する揚水井2 1から地下水53を汲み上げる汲み上げ装置1と 汲み上げた地下水53を20~25℃範囲の一定温度 調整する温度調整装置2と、深部帯水層51に る注入井22に、汲み上げた地下水53を注入水 54として送り込む注入水圧入装置3と、注入水 圧入装置3と注入井22の間に設けられ、注入水 54に脈動を加える注入水用の低周波脈動圧発 装置4と、外部のプラント施設30の排気ガス 化学反応プロセスにおける成分分離工程の スなどから分離回収した高純度の二酸化炭 を液化炭酸ガス55として注入井22に送り込む 液化炭酸ガス圧入装置5と、注入井22内での注 入水の静止水圧が7MPa以上となる水深位置に けられ、液化炭酸ガス55を微細液滴化し、注 入水54に混合して二液混合流体56を生成する 細液滴化装置6aあるいは6bと、を備える。 

 深部帯水層51は、細かい砂層からなり水 源には向かない塩水で飽和された層のこと ある。液化炭酸ガスは、700~1500mの深度を対 に注入する。液化炭酸ガス55は、密度がほぼ 水と同じ液体であり、注入井22での注入水の 度700m以深において微細液滴化され一部は注 入水54に溶け、その他の多くは解けずに液滴 まま二液混合流体56となり、深部帯水層51に 注入される。プラント施設30としては、火力 電所、ごみ焼却施設、石油精製施設、セメ ト製造施設、化学プラント施設などがあげ れる。なお、地表面52から深部帯水層51にい たるまでには多数の地層があるが、図示は省 略している。 

 一般的な深部帯水層51の圧力と温度のもと は、水1m 3 (重さ1000kg)に対して二酸化炭素40~60kgを溶解さ せることができる。二酸化炭素は、液滴化せ ずに超臨界流体として注入する場合は、浮力 の影響で上昇して固まり(プリュ-ム)となりや すいが、液化炭酸ガス55を微細液滴化して注 水54に混合すれば、固まりにならずに深部 水層51に広く浸透、拡散させることができる 。微細液滴34は、地下水53との接触面積が格 に大きいので、浸透拡散後に圧力と温度条 により気相に変化した微細気泡の二酸化炭 の溶解速度は、気体や超臨界流体の固まり して地中に存在している場合より数100~数1000 倍も早い。加えて、微細液滴34が土粒子の隙 に入り込むことで、二酸化炭素が固定され から、シール層や不透水層が上方に存在し い深部帯水層でも有効である。 

 ここで二酸化炭素の固定は、つぎのような ロセスでおきる。微細液滴状の二酸化炭素 、岩石鉱物の表面に吸着される場合や、毛 管効果により岩石中の残留液滴としてトラ プされるが、圧力と温度の条件変化により 細気泡になった二酸化炭素は、周囲の地下 に溶解しやすい。溶解した二酸化炭素は地 水中に豊富に含まれる各種イオンや周囲の 物と反応し、例えば、2CO 2 +3H 2 O+CaSiO 3 →Ca 2+ +2HCO 3 - +H 4 SiO 4  (1)式のようにイオン化して、地下水中でよ 安定化する。さらに、Ca 2+ +2HCO 3 -  →CaCO 3 +CO 2 +H 2 O (2)式という反応が起こり、CO 2 の半分は(1)式に戻るが、CaCO 3 は炭酸塩化合物であるから、二酸化炭素はほ ぼ永久的に固定化される。 

 汲み上げ装置1は内管7と外管8からなる二 管9の揚水井21、揚水ポンプ10、ジェット吸 部12、貯水タンク13などからなる。地下水53 汲み上げるため、揚水ポンプ10で加圧水60を 管7に送り込み、ジェット吸引部12で地下水5 3を汲み上げ、注入水54として貯水タンク13に える。ジェット吸引部12は、加圧水60の流速 を早めて負圧を作り出し、地下水53を吸い込 ものである。揚水ポンプ10に投入する水は 貯水タンク13に蓄えられた地下水53を循環し 利用するようにしてもよい。 

 深部帯水層51から汲み上げた地下水53は、 かん水と呼ばれ注入水として好ましい。かん 水は電解質イオンを多く含み、海水の三分の 一以上の塩分濃度があり、生活に利用できな いので地域の理解を得やすい。かん水のある 帯水層は新生代の第三~四紀の堆積盆の地質 造に広く分布する。液化炭酸ガスの相互溶 度(液体が液体に溶解する場合の溶解度を相 溶解度という)は小さいが、かん水は電解質 イオンがその濃度に比例して液化炭酸ガスの 相互溶解度をさらに低下させる(Salting out現 )から、微細液滴34の逸散を防止して微細な 滴を高密度に生成できる。 

 温度調整装置2は、貯水タンク13と注入水 入装置3の間に設けられ、汲み上げた30℃以 の地下水53の水温を20~25℃範囲の一定水温に する装置である。30℃以上の注入水54を注入 22に送り込むと、微細液滴化装置6aあるいは6 bにより生成された微細液滴34は液相から気相 に変化しやすく、注入水54の水温管理は重要 ある。温度調整装置2は、汲み上げた30℃以 の地下水の熱エネルギーを利用したヒート ンプにより地下水を冷却して20~25℃範囲の 定水温の注入水をつくる。また、少なくと 温度調整装置2から注入井22までの注入水の 管については、夏季や冬季における配管温 の変化を抑えるための地中埋設や保温材付 等の対策を講ずることが好ましい。 

 注入水圧入装置3は、注入井22に注入水54 送り込むための圧入ポンプ14、圧力流量調整 弁15などからなる。圧力流量調整弁15は、圧 ポンプ14の注入水54の圧入の抵抗が一定値を えるような場合に、弁を開いて注入水54を 水タンク13に戻すものである。揚水井21と注 井22の間の距離は、通常500~1km程度は離れて るので、貯水タンク13とは別にパイプライ で結んだ貯水タンクを設け、注入水圧入装 2に組み入れてもよい。 

 注入水用の低周波数脈動圧発生装置4は、 駆動部16、脈動発生器17からなる。駆動部16は 、脈動の周波数、圧力振幅を指定することが できる。脈動は低周波を用い、具体的には0.5 Hz~30Hzである。脈動は低周波なので注入井22の 底部まで伝わる。脈動は、地層内における二 液混合流体56の流動性を高める。静的な圧力 けで圧入する場合よりも注入効率がよい。

 プラント施設30は、一例として燃焼炉18の 排気ガスに含まれる二酸化炭素の分離回収装 置19を含む。化学吸収法によれば、二酸化炭 の濃度を99%以上に濃縮することができる。 離回収した二酸化炭素を液化炭酸ガスとし 一時的に蓄えるタンクを設けてもよい。 

 液化炭酸ガス圧入装置5は、液化炭酸ガス 貯蔵タンク24及びコンプレッサ23などで構成 れる。なお、図示しないが、圧力調整弁、 量計、圧力計が取り付けられる。プラント 設30と注入井22が近い場合は、二酸化炭素を イプラインで貯蔵タンク24に送ることが出 る。遠い場合は、タンクローリ20で輸送して もよい。タンクローリ20で二酸化炭素を運ぶ 合、高圧低温状態での液化炭酸ガスとして 搬される。 

 液化炭酸ガス55の注入作業を開始する場 、液化炭酸ガス55が相変化を起こさないよう に、コンプレッサ23を介して7MPaを連続的に維 持しながら、挿入管27に液化炭酸ガス55を送 出す作業を続ける必要がある。したがって 液化炭酸ガス55の注入作業の準備として、注 入井22の挿入管27に液化炭酸ガス55を送る配管 経路をバルブで遮断状態にし、別経路の注水 配管により挿入管を注入水54で満たした後、 水配管を閉じ、挿入管27へのバルブを開き 所定の高圧で液化炭酸ガス55を送り込み、液 化炭酸ガスの一時的な圧力低下を避ける対応 をとる。挿入管27中の注入水54は、挿入管27の 内径にもよるが、液化炭酸ガス55の液圧によ 数10分程度で注入水はすべて微細液滴化装 6aあるいは6bを通じて押し出された後に、所 の微細液滴化作業が開始できる。逆に、微 液滴化作業を長期間中断する際には、液化 酸ガス55を送り込む配管経路のバブルを閉 た後、挿入管27中の液圧を大気圧まで下げな がら別の配管経路で挿入管27の液化炭酸ガス5 5を気化させて二酸化炭素を回収する。 

 液化炭酸ガス用の低周波脈動圧発生装置4 aは、液化炭酸ガス55に脈動圧を与えるもので あり、液化炭酸ガス圧入装置5と注入井22の間 に設けられる。液化炭酸ガス55の脈動化によ 、微細液滴化装置6a(あるいは6b)からの液滴 が促進される。低周波脈動圧発生装置4aは 駆動部16、脈動発生器17からなる。駆動部16 、脈動の周期、圧力振幅を制御する。脈動 0.5Hz~30Hzの低周波である。ここでの脈動は、 化炭酸ガス55の流動性を高め、微細液滴化 置6aあるいは6bからの噴射を促進する。 

 微細液滴化装置6a、6bは、挿入管27の下端 取り付けられ、注入井22内での注入水の静 圧が7MPa以上となる水深位置に設けられる。 ーシング管26と挿入管27の間に注入水54が圧 され、挿入管27には液化炭酸ガス55が圧入さ れる。微細液滴化装置6aにより液滴が生成さ 、二液混合流体となって、ケーシング管26 底部側面のスリット35から、深部帯水層51に り込まれる。挿入管27には振れ止め材47が、 ケーシング管には固定金具4が設けられる。 

 構成例1の微細液滴化装置6aは、液化炭酸 ス55の吐出流が筒体40内壁に取り付けた回転 翼43を回し、噴射管41から液化炭酸ガス55が噴 射される噴射反力で筒体40を回転させる構造 もつ。微細液滴化装置6aの回転速度は、筒 40の側面に設ける噴射管数、噴射管口径、あ るいは液化炭酸ガス55の液圧により異なるが 100~1000rpm程度である。この回転速度のもと 生成される液滴の径分布は1mm~0.01mmであり、 干大きめのミリ液滴が含まれる。しかしな ら、700~1500mの深部帯水層に液滴を注入する 合、ミリ液滴が圧力と温度の変化により気 に変化しても、大きな気体の固まり状態と る挙動には至らず、深部帯水層51内で安全 二酸化炭素を固定化することができる。 

 構成例2の微細液滴化装置6bは、水中モー 31により微細液滴化装置6bが高速回転させる 構造をもつ。微細液滴化装置6bの回転速度は 1000~3000rpm程度であり、高速回転により生成 れる液滴の径分布は0.05mm~0.01mmになる。均一 で微細な液滴が生成されるので、例えば深部 帯水層51の水深が数十mしかない層でも有効で ある。 

 図1に示すように、微細液滴34は、注入井2 2底部のスリット35に向かって移動する間に水 圧が高くなり液滴内部の圧力も上昇する。深 部帯水層51の注入深度付近の高い地熱の影響 受け、温度と圧力が、例えば注入井22内底 のスリット35付近において、温度31.1℃以上 よび7.382MPa以上になるとする。この場合、微 細液滴34は微細な超臨界流体粒へと相変化す 。本発明は、このような微細な超臨界流体 への相変化を含むものである。注入井22の 置や注入深度は、深部帯水層51のサイト条件 (地質構造、圧力、温度)を踏まえて、液滴34 相変化も考慮して決めることができる。 

 図2は、揚水井の二重管の断面図である。 ジェット吸引部12は、内管7からの加圧水60の 速を早めるため逆漏斗型としている。逆漏 型の内部は負圧となるので地下水53が吸い まれる。吸い込まれた地下水53は、内管7と 管8の間を上昇する。 

 図3は、微細液滴化装置の断面図(構成例1) である。微細液滴化装置6aは、筒体40と、筒 40上部の内壁に設けられた回転翼43と、筒体4 0の側部に、斜め下方に向けて突出する複数 噴射管41を有する。筒体40は例えば角筒にす ことができる。角筒の場合、円筒に比較し より強力な旋回流を注入水54に与えるので 液滴の一層の微細化を促すことができる。 入管27からの液化炭酸ガス55は、三角錐42で 体40の周囲に流し込まれ、流速により回転翼 43が回転し液化炭酸ガス55を旋回させる。さ に、液化炭酸ガス55が噴射管41からケーシン 管26の内壁の下方に向かって噴射されるの 、噴射反力によって筒体40が回転する。噴射 管41を出た液化炭酸ガス55は、液滴となって 速が速められた注入水54に混合され、二液混 合流体56となる。なお、微細液滴化装置6aが 転する際に挿入管27の振れ変形を抑えるため 、2か所において、振れ止め材47を挿入管27に り付け、ケーシング管26の内壁に溶接で取 付けた固定金具48の穴に振れ止め材47を差し み固定する。 

 図4は、微細液滴化装置の断面図(構成例2) である。微細液滴化装置6bは、筒体40と、筒 40の側部に斜め下方に向けて突出する複数の 噴射管41を有する。筒体40を角筒とすれば、 入水54に円筒に比較してより強力な旋回流を 与え、液滴の一層の微細化を促すことができ る。微細液滴化装置6bは、筒体40が直下に設 された水中モータ31により高速回転する。水 中モータ31は地上側からの給電により駆動さ る。噴射管41を出た液化炭酸ガス55は、液滴 となって流速が速められた注入水55に混合さ 、二液混合流体56となる。なお、挿入管27下 端に取り付けられた微細液滴化装置6aが回転 る際に挿入管27の振れ変形を抑えるために 最下端の挿入管ロッドに1断面に2本の振れ止 め材47を取り付け、ケーシング管26の内壁に 接で取り付けた固定金具48の穴に振れ止め材 47のフックを差し込み固定する。 

 二液混合流体56では、気液混合流体のよ な気泡による閉塞は発生しない。二液混合 体56の注入に用いる脈動化の目的は、送り込 んだ地層の隙間空間を脈動させ、静的な注入 の場合より広範囲に微細液滴34を送り込める うにして注入の効率化を図るためである。

 図5は、低周波脈動発生装置3の構成図であ 。駆動部16は、例としてモータ57と油圧シリ ダ58で構成される。モータ57が回転すると油 圧シリンダ58のピストンが動き、グラフG1に すような一定周期の油圧がかかる。この油 で脈動発生器17のゴム管59の径を伸縮させる 油圧の大きさは油圧シリンダ58の出口に電 弁を設けて圧力を逃がすことで制御できる モータ57の回転を1200rpmとすれば、周期は1秒 に20回(20Hz)となる。グラフG2に示すように、 圧入ポンプ12を出た注入水54の圧力は、脈動 加えられて、注入水54はグラフG3に示すよう 圧力となる。なお、低周波脈動発生装置3の 上流側に、高負荷状態で圧力が伝達されない ように逆止弁が設けられてもよい。脈動の振 幅は、例として、注入水54の水圧をPαとする 、脈動後の水圧Pαdは、振幅の係数を0.5とし 、(Pα-0.5Pα)<Pαd<(Pα+0.5Pα)とすることがで きる。Pαは、10kg/cm 2 ~30kg/cm 2 が望ましい。また、通常の脈動の周波数は0.5 ~30Hzとされる。できるかぎり広範囲にまで脈 波の透過力を強くするために、本システム の脈動の周波数は、脈動波の透過力が強い1 0Hz以下とした。 

 図6は、注入井での注入水と液化炭酸ガスの 圧力関係図である。微細気泡化装置6a、6bの 度L1は、注入井22に送られてきた液化炭酸ガ 55が相変化せずに液滴化するために、注入 54の水圧が7MPa以上の深度に設ける。深度L1で の注入水54の水圧をP1とする。また、注入井22 の底部のスリット35までの深度をL0とする。 らに、深度をL0での水圧をP0とする。二液混 流体56の場合、気液混合流体のように微細 泡の影響による水圧減少分の加圧を考慮す 必要がないので、注入水54の注入圧力はPαd ある。この圧力から圧入ポンプ12の吐出圧が 決められる。次に液化炭酸ガス55は、L1での 入水54の圧力がP1+Pαdとなるので、これより きな値となるようP1+Pαd+Cとする。Cは約10~30kg /cm 2 とした。 

 液化炭酸ガス55を高圧状態で圧力変動が る注入水54に微細液滴化装置6a、6bの噴射管41 から効率よく液化炭酸ガス55を噴射させるた に、液化炭酸ガス55を脈動化させ、噴射管41 から噴射する液化炭酸ガス55の流動性を高め 効果を狙う。 

 液化炭酸ガス55の脈動化は、コンプレッサ23 と注入井22の間に設けた液化炭酸ガス用の低 波脈動発生装置4aにて脈動の周期、大きさ 制御する。液化炭酸ガス55の脈動化の圧力を Cdとすれば、P1+Pαdmax+Cdであり、7MPa<P1+Pαdmax <P1+Pαdmax+Cdの関係式が成り立つようにする Pαdmaxは注入水の脈動の最大圧であり、Pαdma x<Pα+0.5Pαになる。液化炭酸ガス55を噴射し すくするために脈動の周波数を0.5Hz~30Hzとし 、脈動の大きさ(振幅)の上限値を0.5Pαと設定 れば、(Cd-0.5Cd)<Cd<(Cd+0.5Cd)になる。深度L 1にもよるが、ここでCdは10~30kg/cm 2 とする。 

 図7は、液化炭酸ガスの地中送り込み方法 の処理手順を示すフローチャートである。S70 は、深部帯水層の地下水を揚水井から地上の 貯水タンクに汲み上げて注入水をつくる段階 である。S71は、注入水に脈動水圧を加える段 階である。S72は、脈動水圧が加えられた注入 水を注入井から深部帯水層に送り込む段階で ある。S73は、液化炭酸ガスを貯蔵タンクから 液体状態を保てる圧力で注入井に送り込む段 階である。S74は、注入井内において、液化炭 酸ガスを注入水の中に微細液滴化して混合し 二液混合流体を生成する段階である。S75は、 注入水の水温を調整する段階である。水温が 高い場合水温が調整される。S76は、液化炭酸 ガスに脈動を加える段階である。注入状況を センサで観測し必要な場合は液化炭酸ガスに 脈動が加えられる。 

 本発明による液化炭酸ガスの地中送り込 方法及びその地中送り込み装置は、液化炭 ガスを微細液滴化して注入水に混合するの 、二酸化炭素の地中貯留に好適である。ま 、二酸化炭素を圧入して原油を取り出すEOR( 原油増進回収法)や天然ガスを取り出すEGR(天 ガス増進回収法)にも適用できる。