Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR WASHING SOIL CONTAINING CYANOGEN COMPOUND, AND MICROORGANISM FOR USE IN THE WASHING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054368
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for washing out a cyanogen compound contained in a soil efficiently and reliably. The method comprises adding a microorganism which belongs to the genus Arthrobacter sp., which is capable of degrading the cyanogen compound and which can act as a degradation-accelerating factor to the soil. Alternatively, the method comprises adding both the microorganism and a biodegradable chelating agent (e.g., citric acid or a salt thereof) which can act as a factor capable of promoting the elution of a hardly-eluting cyanogen compound to the soil. Also disclosed is a microorganism for use in the washing method (a microorganism which has been deposited in National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, International Patent Organism Depositary under Accession No. FERM ABP-11019).

Inventors:
FUJITA, Ichiro (5-1 Okawa-cho, Kawasaki-ku, Kawasaki-sh, Kanagawa 58, 2100858, JP)
藤田 一郎 (〒58 神奈川県川崎市川崎区大川町5番1号 昭和電工株式会社内 Kanagawa, 2100858, JP)
Application Number:
JP2008/069019
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 21, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SHOWA DENKO K. K. (13-9, Shiba Daimon 1-chome Minato-k, Tokyo 18, 1058518, JP)
昭和電工株式会社 (〒18 東京都港区芝大門一丁目13番9号 Tokyo, 1058518, JP)
FUJITA, Ichiro (5-1 Okawa-cho, Kawasaki-ku, Kawasaki-sh, Kanagawa 58, 2100858, JP)
International Classes:
B09C1/10; A62D3/02; B09C1/02; B09C1/08; C12N1/20; A62D101/45
Attorney, Agent or Firm:
OHIE, Kunihisa et al. (OHIE Patent Office, Selva-Ningyocho 6F14-6, Nihonbashi-Ningyocho 2-chom, Chuo-ku Tokyo 13, 1030013, JP)
Download PDF:
Claims:
 難溶出性シアン化合物を含有する土壌に生分解性キレート剤を添加して、前記難溶出性シアン化合物を溶出させて、溶出したシアン化合物を微生物により分解させることを特徴とするシアン化合物含有土壌の浄化方法。
 添加する生分解性キレート剤が、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、カルボキシメチルタルトロン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、アスパラギン酸二酢酸、L-グルタミン酸二酢酸、およびこれらの酸の塩の1種以上である請求項1に記載の土壌の浄化方法。
 添加する生分解性キレート剤が、クエン酸および/またはクエン酸塩である請求項2に記載の土壌の浄化方法。
 微生物がアースロバクター(Arthrobacter)属に属する微生物である請求項1に記載の土壌の浄化方法。
 アースロバクター(Arthrobacter)属に属する微生物がアースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)No.5菌株(FERM ABP-11019号)である請求項4に記載の土壌の浄化方法。
 シアン化合物分解能を有するアースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)No.5菌株(2007年10月18日付で、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに受託番号FERM P-21400号として国内寄託され、その後、2008年9月16日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに「受領番号FERM ABP-11019」で国際寄託された。)。
 アースロバクター(Arthrobacter)属に属する微生物を用いて、土壌中のシアン化合物を分解することを特徴とするシアン化合物含有土壌の浄化方法。
 アースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)No.5菌株(FERM ABP-11019号)を用いる請求項7に記載の土壌の浄化方法。
Description:
シアン化合物含有土壌の浄化方 およびその浄化方法に用いる微生物

 本発明は、微生物によるシアン化合物含 土壌の浄化方法に関する。さらに詳しくは シアン化合物を分解する能力を有する微生 、またはシアン化合物を分解する能力を有 る微生物と難溶出性シアン化合物を溶出さ る生分解性キレート剤を用いたシアン化合 含有土壌の浄化方法、およびその浄化方法 用いる微生物に関する。

 シアン化合物による土壌汚染は、2003年の 土壌汚染対策法の施行(以下、「土対法」と う。)を契機に、その浄化事例は増加傾向に る。その浄化方法に関しては、微生物によ 分解活性を利用したバイオレメディエーシ ンの検討がなされている。

 シアン化合物は金属イオンの存在下では 溶出性の錯体を形成する特徴を有するため シアン化合物が土中に含有されている場合 元来土中に存在する鉄などの金属により難 出性の錯体を形成することになる。

 バイオレメディエーションにおいて、難 出性の錯体はそのままの形態では効率的な 解は困難であり、効率的かつ確実な浄化方 の実現には、微生物の分解性能だけではな 、難溶出性のシアン錯体の可溶化の技術の 築も必要といえる。

 シアン化合物の土壌汚染対策における、 溶出性シアン錯体の分解除去に関しては、 アン錯体に対する分解活性を有するフザリ ム(Fusarium)属の微生物が提唱されている(特 第3685583号公報;特許文献1参照)。しかしなが 、特許文献1における浄化性能に関しては液 相混合系でのシアン錯体の分解性を示すまで にとどまり、当該微生物による土壌中での浄 化性能まで言及していない。

 また、土壌に含有するシアン化合物をバ オレメディエーションにより効率的に浄化 る方法としては、汚染土壌のpHを鉱酸や有 酸などで弱酸性に制御し窒素源を除外した 類による栄養源を供給する方法が知られて る(特開2007-75670号公報;特許文献2参照)。しか しながら、特許文献2では、難溶出性シアン 体浄化の分解効率化に関して言及がなされ いない。

 さらに、シアン錯体を可溶化させて浄化す という観点を加えた方法として、シアン化 物および2価鉄イオンを含有する汚染土壌に 溶存酸素、NOx-N(亜硝酸性窒素および硝酸性窒 素)などを含有する水を添加し、鉄イオンを3 に酸化し溶解性の錯イオンに変換して、土 中の微生物により分解する方法が知られて る(特開2006-255572号公報;特許文献3参照)。し しながら、特許文献3における浄化性能は、 取り扱う土壌中の含有全シアン濃度が2mg/kg(2p pm)と低く、実際のバイオレメディエーション で対象となりうる含有全シアン濃度が数10ppm の土壌に対する浄化は未知数である。
 以上のことから、土壌に含有するシアン化 物を難溶出性部分まで含めて効率的かつ確 に低減することを可能とするシアン化合物 有土壌の浄化方法を確立することが望まれ いた。

特許第3685583号公報

特開2007-75670号公報

特開2006-255572号公報

 従って、本発明は、土壌に含有するシアン 合物を難溶出性部分まで含めて効率的かつ 実に低減することを可能とするシアン化合 含有土壌の浄化方法の提供をその目的の1つ とする。
 さらに、本発明は前記シアン化合物含有土 の浄化方法に用いる微生物の提供を目的の1 つとする。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 、鋭意研究を重ねた。その結果、シアン化 物を含有する土壌に、分解促進因子として アン化合物を分解する能力を有するアース バクター(Arthrobacter)属に属する微生物、ま はアースロバクター(Arthrobacter)属に属する微 生物と難水溶性シアン化合物の溶出促進因子 としての生分解性キレート剤を用いて、含有 するシアン化合物を効率的かつ確実に浄化で きることを見出し、本発明を完成させた。

 すなわち、本発明は、下記1~5および7~8のシ ン化合物含有土壌の浄化方法、およびその 化方法に用いる下記6の微生物に関する。
[1]難溶出性シアン化合物を含有する土壌に生 分解性キレート剤を添加して、前記難溶出性 シアン化合物を溶出させて、溶出したシアン 化合物を微生物により分解させることを特徴 とするシアン化合物含有土壌の浄化方法。
[2]添加する生分解性キレート剤が、クエン酸 、グルコン酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸 、カルボキシメチルタルトロン酸、カルボキ シメチルオキシコハク酸、アスパラギン酸二 酢酸、L-グルタミン酸二酢酸、およびこれら 酸の塩の1種以上である前記1に記載の土壌 浄化方法。
[3]添加する生分解性キレート剤が、クエン酸 および/またはクエン酸塩である前記2に記載 土壌の浄化方法。
[4]微生物がアースロバクター(Arthrobacter)属に する微生物である前記1に記載の土壌の浄化 方法。
[5]アースロバクター(Arthrobacter)属に属する微 物がアースロバクター・エスピー(Arthrobacter  sp.)No.5菌株(FERM ABP-11019号)である前記4に記 の土壌の浄化方法。
[6]シアン化合物分解能を有するアースロバク ター・エスピー(Arthrobacter sp.)No.5菌株(2007年10 月18日付で、独立行政法人産業技術総合研究 特許生物寄託センターに受託番号FERM P-21400 号として国内寄託され、その後、2008年9月16 付で独立行政法人産業技術総合研究所特許 物寄託センターに「受領番号FERM ABP-11019」 国際寄託された。)。
[7]アースロバクター(Arthrobacter)属に属する微 物を用いて、土壌中のシアン化合物を分解 ることを特徴とするシアン化合物含有土壌 浄化方法。
[8]アースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp. )No.5菌株(FERM ABP-11019号)を用いる前記7に記載 土壌の浄化方法。

 本発明のシアン化合物含有土壌の浄化方 によれば、土壌に含有されるシアン化合物 効率的かつ確実に浄化することができる。

 以下、本発明についてより詳細に説明す 。

[シアン化合物高分解活性菌]
 本発明の土壌浄化方法で使用されるアース バクター(Arthrobacter)属に属する微生物とし は、例えば、土壌中からフェリシアン化カ ウムを唯一の炭素源およびエネルギー源と る培地を用いて分離されたアースロバクタ ・エスピー(Arthrobacter sp.)No.5菌株が挙げられ る。

 アースロバクター・エスピー(Arthrobacter s p.)No.5菌株の形態観察および生理的性状は、 下の通りである。

 形態:多形性桿菌、
 グラム染色性:陽性、
 胞子:形成せず、
 運動性:なし、
 酸素に対する態度:好気性、
 オキシダーゼ:陰性、
 カタラーゼ:陽性、
 OF(Oxidation Fermentation)テスト:試験用培地に生 育せず、
 集落の色調:特徴的集落色素を生成せず。

 また、本菌株の同定は、ポリメラーゼ連鎖 応(PCR;Polymerase Chain Reaction)法により増幅し 16SrRNA領域のDNAについて、ABI PRISM 310 Genetic  Analyzer[Applied Biosystems]を用いて塩基配列を 析し、得られた配列を国際塩基配列データ ース(DDBJ/EMBL/GenBank )に登録されている配列 よびMicroSeq Analysis Software [Applied Biosystems] データベースと比較し、さらに、近縁種と 系統樹をMicroSeq Analysis Software を用いて近 結合法(NJ法)により作成して行った。
 その結果、本菌株は塩基配列の不一致率が0 .88%でアースロバクター・オキシダンス(Arthrob acter oxydans)およびアースロバクター・ポリク ロマジェンス(Arthrobacter polychromogenes)に最近 であると確認された。

 本菌株はアースロバクター・エスピー(Arthro bacter sp.)No.5菌株と命名し、2007年10月18日付で 独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄 託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番 地1 中央第6(郵便番号305-8566))に受託番号:FERM P-21400号として国内寄託され、その後、2008年 9月16日付で独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに「受領番号:FERM ABP-1 1019」で国際寄託された。

[微生物の培養]
 本発明で使用する微生物の培養は公知の方 であれば特に限定はない。
 微生物を培養するための培地(培養培地)の 素源としては、例えばグルコースやシュー ロース、フルクトース、廃糖蜜等の糖類等 、単独、あるいはこれらの組み合わせによ 、通常0.1w/v%~30w/v%、望ましくは1w/v%~10w/v%程度 の濃度で用いることができる。

 培養培地の窒素源としては、例えばペプ ン、肉エキス、酵母エキス、アンモニア、 酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナ リウム、硝酸カリウムまたは尿素等を単独 あるいはこれらの組み合わせにより、通常0 .1w/v%~30w/v%、望ましくは1w/v%~10w/v%程度の濃度 用いることができる。

 さらに必要に応じて、リン酸1水素カリウ ム、リン酸2水素カリウム等のリン酸塩、硫 マグネシウム、硫酸第一鉄、酢酸カルシウ 、塩化マンガンなどの金属塩、ビタミン類 アミノ酸、核酸等の供給源として、例えば オチン、チアミン等を菌の生育改善のため 添加できる。

 培養は、通常通気撹拌または好気的条件下 20℃~40℃、好ましくは25℃~35℃の温度で行う ことができる。またpHは5~10、好ましくは7~8の 範囲がよく、酸またはアルカリを添加するこ とにより容易に調整することができる。
 培養工程に用いる槽は、培養中の菌体と培 培地成分を通気しながら分散混合できる機 を有する発酵槽であればよく、特に限定は い。

[シアン化合物含有土壌とシアン定量]
 本発明で浄化の対象となる土壌はシアン化 物を含有するものであり、例えば鉄シアノ 体、銅シアノ錯体、ニッケルシアノ錯体、 アン化カリウム、シアン化ナトリウムなど 無機シアン化物や、ニトリル基を含む有機 アン化合物などが挙げられる。

 シアノ錯体を含有する場合、土中に元来存 する鉄などの金属により難溶出性の沈殿を 成し、土中での形態は可溶性と難溶出性の アン化合物が混在することなる。
 本発明では難溶出性部分まで含めたシアン 合物の浄化を行うため、土壌中のシアン定 は、日本国における土壌汚染対策法(土対法 )公定法である土壌溶出全シアン濃度(すなわ 、溶出全CN。平成15年環境省告示第18号「土 溶出量調査に係る測定方法」による。単位m g/L、土対法指定基準<0.1)、土壌含有遊離シ ン濃度(すなわち、含有遊離CN。平成15年環 省告示第19号「土壌溶出量調査に係る測定方 法」による。単位mg/kg、土対法指定基準遊離 50)に加え、底質調査方法である土壌含有全 アン濃度(すなわち、含有全CN。昭和63年環 管第127号底質調査法による。単位mg/kg)につ ても実施し、更には土壌中の難溶出性の全 アン濃度(すなわち、難溶出CN。単位mg/kg)を 有全CN-溶出全CN×9の計算式で求めて評価に活 用する。なお、難溶出性全シアン濃度の計算 式は、乾燥土壌当たりの質量(mg/kg)として求 るものであり、そのため土壌10%の水懸濁液 ろ液部分の濃度を示す値である溶出全CNは、 90%液部分のCNが懸濁した10%土壌部分に含まれ いたものとして、計算式では9を掛けて土壌 換算にして単位を揃えている。

[本発明が目指す土壌の浄化]
 本発明が目指す土壌の浄化は、含有全CNが 出して溶出全CNが検出されるリスクを排除で きるレベルであり、数値的には含有全CN<1mg /kgである。その根拠は溶出全CNの測定対象が 壌濃度10%の水溶出液のろ液であり、その検 限界が0.1mg/Lであることから、含有全CN<1mg /kgであれば溶出全CNが検出限界未満にできる 算となるからである。

 対象となる土壌のシアン含有濃度は特に 定されないが、一般的なバイオレメディエ ションでの濃度である含有全CN1mg/kg~100mg/kg 行うことができる。

[土壌処理方法]
 発明による土壌処理法は、土壌への微生物 栄養源、生分解性キレート剤などの添加に り行われるが、土壌への添加方法や実施ス ールは特に限定されず、土壌浄化における 知の方法で行うことができる。

 添加する微生物の形態は、培養液そのまま も、培養液の水希釈液でも構わない。
 添加する栄養源および生分解性キレート剤 どは、水溶液、粉末のいずれでも構わない 、土壌への成分の浸透、拡散を考えた場合 溶液として添加することが好ましい。
 液状で添加する場合は、添加したままでも 増加した水分を抜き出しても、どちらでも わない。

 処理温度は、成り行きで行うが、ラボス ールで浄化性能を定量的に確認する場合に 、恒温槽等に土壌サンプルを入れて5℃~50℃ 、好ましくは15℃~35℃の温度に制御して行う とができる。

[土壌中のシアン化合物の分解]
 土壌中のシアン化合物の分解は、シアン分 活性菌を有する微生物を添加することによ 行うことができる。利用する微生物はシア 分解活性を有する微生物であれば限定され いが、アースロバクター(Arthrobacter)属に属 る微生物を用いることが好ましく、アース バクター・エスピー(Arthrobacter sp.)No.5菌株を 用いることがより好ましい。

 添加する微生物の濃度は、シアン分解活性 発現できれば限定されないが、土壌への拡 、浸透と分解活性との両立を考慮すると、1 0 6 個/g~10 9 個/gが好ましく、特に10 7 個/g~10 8 個/gがより好ましい。

 添加した微生物の菌数とシアン分解活性 維持するために、栄養源を添加してもよい 添加する栄養源は微生物の菌数とシアン分 活性を維持できれば特に限定されないが、 素源としては、例えばグルコースやシュー ロース、フルクトース、廃糖蜜等の糖類等 、単独、あるいはこれらの組み合わせによ 、通常土壌に対して0.001w/w%~2.0w/w%、望まし は0.01w/w%~0.05w/w%程度の濃度で用いることがで きる。

 窒素源としては、例えばペプトン、肉エ ス、酵母エキス、アンモニア、硫酸アンモ ウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニ ム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、 酸カリウムまたは尿素等を単独、あるいは れらの組み合わせにより、通常土壌に対し 0.001w/w%~2.0w/w%、望ましくは0.01w/w%~0.05w/w%程度 の濃度で用いることができる。

 さらに必要に応じて、リン酸1水素カリウ ム、リン酸2水素カリウム等のリン酸塩、硫 マグネシウム、硫酸第一鉄、酢酸カルシウ 、塩化マンガンなどの金属塩、ビタミン類 アミノ酸、核酸等の供給源として例えばビ チン、チアミン等を添加できる。

 栄養源の添加のタイミングは、特に限定 れないが、微生物を添加する前の単独添加 微生物と一緒の添加、微生物を添加した後 単独添加のいずれでも構わない。またその 加回数も限定されない。

[難溶出性シアン化合物の可溶化]
 難溶出性シアン化合物の可溶化は、生分解 キレート剤の添加により行うことができる ここで使用するキレート剤は生分解性であ ば特に限定されるものではなく、例えば、 エン酸、グルコン酸、酒石酸、シュウ酸、 ハク酸、カルボキシメチルタルトロン酸、 ルボキシメチルオキシコハク酸、アスパラ ン酸二酢酸、L-グルタミン酸二酢酸、およ これらの酸の塩などを単独、あるいはこれ の組み合わせにより、通常土壌に対して0.001 w/w%~2.0w/w%、望ましくは0.01w/w%~0.05w/w%程度の濃 で用いることができる。添加する特に好ま いキレート剤の成分はクエン酸とその塩で る。生分解性キレート剤の添加のタイミン は、特に限定されないが、微生物を添加す 前に単独で添加しても、微生物と一緒に添 しても、微生物を添加した後に単独に添加 ても、いずれでも構わない。また、その添 回数も限定されず、土壌にシアン分解菌が 在している場合には、例えば菌の添加と組 合わせず使用しても構わない。しかしなが 最も好ましいのは、アースロバクター・エ ピー(Arthrobacter sp.)No.5菌株とクエン酸ナト ウムを併用する条件である。

 また、使用するキレート剤は遊離型でも塩 でもよく、特に限定されないが、土壌内のp Hを中性域に保つために遊離型と塩型を共用 るという方法をも用いることができる。
なお、キレート剤を生分解性に限定する理由 は土壌への残留蓄積を回避し環境への影響を 極小化するためである。

 本発明の土壌浄化方法において難溶出性 アン化合物の可溶化が実現するのは、例え 可溶性のフェリシアン化カリウムから、土 中の2価鉄イオンにより変化した難溶出性の フェロシアン化鉄に対して、難溶出化の原因 となる鉄イオンがキレート剤に取り込まれる 結果によるものと考えられる。

 以下、実施例および比較例を挙げ本発明 さらに詳細に説明するが、本発明はこれら 記載により何らの限定を受けるものではな 。

実施例1:アースロバクター・エスピー(Arthrobac ter sp.)No.5菌株の培養
 微生物としてアースロバクター・エスピー( Arthrobacter sp.)No.5菌株(独立行政法人産業技術 合研究所特許生物寄託センター受領番号:FER M ABP-11019)を、φ18mm試験管のニュートリエン ブロス(NB;Nutrient Broth)寒天培地スラントにて 35℃24時間培養した菌を10mL滅菌水で懸濁した 濁液1mLを、表3に示す培地液100mLが入った500m Lフラスコに接種し35℃、150rpmで12時間振とう 養した。さらにその振とう培養液20mL分取し 、表3に示す培地液2Lが入った5L発酵槽に接種 た後、温度35℃、回転数1000rpm、通気量1L/min( 0.5vvm)の条件で15%アンモニア水によるpH7下限 御、50%グルコース液断続的添加による5g/L~50g /L範囲のグルコース濃度制御を行いながら30 間培養した。

 その結果、菌数1×10 11 、濁度105の培養液3Lを得た。なお、濁度は分 光度計(日立製作所製,U-1800型レシオビーム 光光度計)にて波長660nmで吸光度を測定した

実施例2:液添加混合静置系土壌処理(35℃)
 蓋付き1Lポリ容器に入れた含有全CN40.0mg/kg、 溶出全CN2.2mg/L、難溶性全CN20mg/kg(比重1.7kg/L、 水率25質量%)の土壌1kgを35℃の恒温槽で40日 静置保管する処理おいて、表4に示す条件1~ 件4の添加液をそれぞれの土壌に30mL加えて混 合する操作を0日目と20日目に行い、土壌サン プルの溶出全CN、含有全CN、難溶性全CNを測定 して浄化を確認した。

 40日目の土壌浄化結果を良好な順に示す。
 一番良かった条件は、分解菌、栄養源、溶 促進剤の全てを添加した条件4であり、含有 全CN0.9mg/kg、溶出全CN<0.1mg/L、難溶性全CN0.9mg /kgとなり、土対法の指定基準をクリアし、含 有全CN再溶出による溶出全CN検出リスクを排 できるレベルまで浄化された。浄化傾向を ると、図4に示すように、添加した菌による 解と溶出促進剤による溶出効果が顕著に現 、難溶出全CNもコンスタントに浄化されて ることが確認できた。

 二番目に良かった条件は、分解菌と栄養 を添加した条件2であり、含有全CN15.0mg/kg、 出全CN<0.1mg/L、難溶性全CN15.0mg/kgとなり、 対法の指定基準はクリアしたものの、含有 CN再溶出による溶出全CN検出リスクを排除で きるレベルまでは浄化されなかった。浄化傾 向を見ると、図2に示すように、添加した菌 よる分解効果により、溶出全CNが存在する初 期の浄化は早く進むが、含有全CNが難溶出全C Nのみになったため10日目以降は、溶出促進剤 が添加されない影響が現れ、溶出全CNは検出 れないものの、含有全CNの低下も見られな なった。

 三番目は、栄養源と溶出促進剤を添加し 条件3であり、含有全CN22.0mg/kg、溶出全CN2.1mg /L、難溶性全CN3.0mg/kgとなり、含有全CN再溶出 よる溶出全CN検出リスクだけでなく溶出全CN が検出され土対法の基準もクリアできなかっ た。浄化傾向を見ると、図3に示すように、 解菌を添加していない条件のため、添加し 栄養源により活性化した土壌中の在来菌に る遅い分解が継続する。これは溶出促進剤 添加した影響により難溶出CNがコンスタント に可溶化CNに変換されているためである。た し溶出速度より分解速度が低いために溶出 CNが若干増加傾向となった。

 最も悪かったのは、水だけ添加したブラ クの条件1であり、含有全CN38.0mg/kg、溶出全C N2.1mg/L、難溶性全CN19.6mg/kgで初発からほとん 浄化が進まなかった(図1参照)。

実施例3:液添加混合静置系土壌処理(15℃)
 蓋付き1Lポリ容器に入れた含有全CN10.0mg/kg、 溶出全CN0.2mg/L、難溶性全CN8.1mg/kg(比重1.7kg/L、 含水率25質量%)の土壌1kgを15℃の恒温槽で40日 静置保管する処理おいて、表4に示す条件4 添加液を土壌に30mL加えて混合する操作を0日 目と20日目に行い、土壌サンプルの溶出全CN 含有全CN、難溶性全CNを測定して浄化を確認 た。

 その結果、40日目の土壌は、含有全CN0.9mg/ kg、溶出全CN<0.1mg/L、難溶性全CN0.9mg/kgとな 、土対法の指定基準をクリアし、含有全CN再 溶出による溶出全CN検出リスクを排除できる ベルまで浄化された(図5参照)。

実施例4:バッチ通液静置系(温度成り行き)
 含有全CN80.0mg/kg、溶出全CN0.2mg/L、難溶性全CN 39.5mg/kg(比重4.5kg/L、含水率30質量%)の土壌1ト (T)を入れた1Tコンテナを静置保管する処理に おいて、コンテナの上面から表4に示す条件5 添加液300Lを上面から投入し、ボトムバルブ から300L液を排出回収する操作を0日目と20日 に2バッチ行い、土壌サンプルの溶出全CN、 有全CN、難溶性全CNを測定して浄化を確認し 。その結果50日目の土壌は、含有全CN0.9mg/kg 溶出全CN<0.1mg/L、難溶性全CN0.9mg/kgとなり 土対法の指定基準をクリアし、含有全CN再溶 出による溶出全CN検出リスクを排除できるレ ルまで浄化された。また、通液した際にボ ムバルブから回収された排出液は0日目の1 ッチ目は20mg/Lであったのが、20日目の2バッ 目には検出限界未満(<0.1mg/L)となった。
本実験での温度は成り行きで、0日から20日が 平均28℃、20日から50日が平均25℃であった(図 6参照)。

実施例2の条件1の全シアン濃度の推移 示す。 実施例2の条件2の全シアン濃度の推移 示す。 実施例2の条件3の全シアン濃度の推移 示す。 実施例2の条件4の全シアン濃度の推移 示す。 実施例3の条件4の全シアン濃度の推移 示す。 実施例4の条件5の全シアン濃度の推移 示す。