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Title:
MICROCHIP AND MICROCHIP INSPECTION SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096570
Kind Code:
A1
Abstract:
A microchip into which a fixed quantity of specimen can be injected by a simple operation without leaving bubbles in the specimen, and a microchip inspection system are provided.

Inventors:
SANDO YASUHIRO (JP)
HIGASHINO KUSUNOKI (JP)
NAKAJIMA AKIHISA (JP)
MOHRI TAKAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050259
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
January 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA MED & GRAPHIC (JP)
SANDO YASUHIRO (JP)
HIGASHINO KUSUNOKI (JP)
NAKAJIMA AKIHISA (JP)
MOHRI TAKAHIRO (JP)
International Classes:
G01N35/08; G01N37/00
Domestic Patent References:
WO2006100812A12006-09-28
Foreign References:
JP2004184156A2004-07-02
JP2006329764A2006-12-07
JP2006292742A2006-10-26
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Claims:
検体を注入する検体注入口を備えたマイクロチップにおいて、
前記検体注入口を密閉する蓋と、
前記蓋を保持する蓋保持部と、
を有し、
前記蓋保持部は、前記検体注入口からあふれた前記検体を溜める検体溜め部を備えることを特徴とするマイクロチップ。
前記蓋は、前記蓋を前記蓋保持部に取り付ける際に形成される空間内の空気を大気中に排出する空気抜き口を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のマイクロチップ。
前記蓋の材質は弾性部材であり、前記蓋を前記検体注入口の方向に押圧することにより前記検体注入口を密閉することを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載のマイクロチップ。
前記蓋は、前記蓋保持部に取り付けられるためのネジ部を有し、
前記蓋保持部は、前記蓋に設けられたネジ部と螺合するネジ部を有し、
前記蓋を螺嵌することにより前記検体注入口を密閉することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項の何れか1項に記載のマイクロチップ。
前記蓋は、先端が前記検体注入口の直径より小さい突起部を有し、
前記検体注入口を密閉する際に前記突起部が前記検体注入口に挿入されることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項の何れか1項に記載のマイクロチップ。
前記突起部は、前記検体注入口の中の検体を排出する検体抜き部を有することを特徴とする請求の範囲第5項に記載のマイクロチップ。
前記検体注入口は、前記突起部が前記検体注入口に挿入されたときに前記検体注入口の中の検体を排出する検体抜き部を有することを特徴とする請求の範囲第5項または第6項に記載のマイクロチップ。
前記蓋保持部は、前記マイクロチップの少なくとも2つの端面であり、前記蓋は該端面にに係合して保持されることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第7項の何れか1項に記載のマイクロチップ。
検体が注入される検体注入口を備えたマイクロチップにおいて、
前記マイクロチップに注入する検体を貯留する検体貯留部と該検体貯留部からあふれた検体を溜める検体溜め部とを備えた検体溜めチップと、
前記検体注入口を密閉するように前記検体溜めチップを保持する検体溜めチップ保持部と、
を有することを特徴とするマイクロチップ。
前記検体溜めチップは、前記検体溜めチップを前記検体溜めチップ保持部に取り付ける際に形成される空間内の空気を大気中に排出する空気抜き口を備えることを特徴とする請求の範囲第9項に記載のマイクロチップ。
検体が注入される検体注入口を備えたマイクロチップと、
前記検体注入口に検体を注入する検体注入部材と、
を有するマイクロチップ検査システムにおいて、
前記検体注入部材は、前記検体注入口に挿入可能な検体排出口を先端に備えた錐体形状の検体排出部を有することを特徴とするマイクロチップ検査システム。
請求の範囲第11項に記載のマイクロチップ検査システムに用いるマイクロチップにおいて、
前記マイクロチップは、前記検体排出部を前記検体注入口に挿入して検体を注入する際に前記マイクロチップの内の空気を大気中に排出する流路空気抜き口を有することを特徴とするマイクロチップ。
Description:
マイクロチップ、およびマイク チップ検査システム

 本発明は、マイクロチップ、およびマイ ロチップ検査システムに関する。

 近年、マイクロマシン技術および超微細 工技術を駆使することにより、従来の試料 製、化学分析、化学合成などを行うための 置、手段(例えばポンプ、バルブ、流路、セ ンサーなど)を微細化して1チップ上に集積化 たシステムが開発されている(例えば、特許 文献1参照)。

 これは、μ-TAS(Micro total Analysis System:マ クロ総合分析システム)、バイオリアクタ、 ブ・オン・チップ(Lab-on-chips)、バイオチッ とも呼ばれ、医療検査・診断分野、環境測 分野、農産製造分野でその応用が期待され いる。現実には遺伝子検査に見られるよう 、煩雑な工程、熟練した手技、機器類の操 が必要とされる場合には、自動化、高速化 よび簡便化されたミクロ化分析システムは コスト、必要試料量、所要時間のみならず 時間および場所を選ばない分析を可能とす ことによる恩恵は多大と言える。

 本出願人は、試薬などを封入したマイクロ ップに、血液などの検体を注入し、マイク ポンプによってマイクロチップの微細流路 液体を注入して検体などを移動させて順次 応させ、結果を測定することができる反応 出装置を提案している(例えば、特許文献2 照)。このようなマイクロチップへの検体の 入は、検査担当者がスポイトやピペットな を用いて検体をマイクロチップの検体注入 に注入しておこなっていた。

特開2004-28589号公報

特開2006-149379号公報

 しかしながら、スポイトやピペットを用 て直径数mm程度の検体注入口に、検体を注 することは困難であり、熟練が必要である そのため、検査担当者が必要量以上をスポ トやピペットから押し出して検体をチップ らあふれさせ、他のチップや周囲を汚染す ことがあった。また、スポイトやピペット 用いて注入すると、注入した検体に空気が ることがあり、反応検出装置が注入した検 を正常に送液することができないことがあ た。

 本発明は、上記課題に鑑みてなされたも であって、簡単な操作で検体に気泡を残さ に一定量の検体をマイクロチップに注入す ことができるマイクロチップ、およびマイ ロチップ検査システムを提供することを目 とする。

 本発明の目的は、下記構成により達成す ことができる。

 1.
検体を注入する検体注入口を備えたマイクロ チップにおいて、
前記検体注入口を密閉する蓋と、
前記蓋を保持する蓋保持部と、
を有し、
前記蓋保持部は、前記検体注入口からあふれ た前記検体を溜める検体溜め部を備えること を特徴とするマイクロチップ。

 2.
前記蓋は、前記蓋を前記蓋保持部に取り付け る際に形成される空間内の空気を大気中に排 出する空気抜き口を備えることを特徴とする 1に記載のマイクロチップ。

 3.
前記蓋の材質は弾性部材であり、前記蓋を前 記検体注入口の方向に押圧することにより前 記検体注入口を密閉することを特徴とする1 たは2に記載のマイクロチップ。

 4.
前記蓋は、前記蓋保持部に取り付けられるた めのネジ部を有し、
前記蓋保持部は、前記蓋に設けられたネジ部 と螺合するネジ部を有し、
前記蓋を螺嵌することにより前記検体注入口 を密閉することを特徴とする1乃至3の何れか1 項に記載のマイクロチップ。

 5.
前記蓋は、先端が前記検体注入口の直径より 小さい突起部を有し、
前記検体注入口を密閉する際に前記突起部が 前記検体注入口に挿入されることを特徴とす る1乃至4の何れか1項に記載のマイクロチップ 。

 6.
前記突起部は、前記検体注入口の中の検体を 排出する検体抜き部を有することを特徴とす る5に記載のマイクロチップ。

 7.
前記検体注入口は、前記突起部が前記検体注 入口に挿入されたときに前記検体注入口の中 の検体を排出する検体抜き部を有することを 特徴とする5または6に記載のマイクロチップ

 8.
前記蓋保持部は、前記マイクロチップの少な くとも2つの端面であり、前記蓋は該端面に 係合して保持されることを特徴とする1乃至7 の何れか1項に記載のマイクロチップ。

 9.
検体が注入される検体注入口を備えたマイク ロチップにおいて、
前記マイクロチップに注入する検体を貯留す る検体貯留部と該検体貯留部からあふれた検 体を溜める検体溜め部とを備えた検体溜めチ ップと、
前記検体注入口を密閉するように前記検体溜 めチップを保持する検体溜めチップ保持部と 、
を有することを特徴とするマイクロチップ。

 10.
前記検体溜めチップは、前記検体溜めチップ を前記検体溜めチップ保持部に取り付ける際 に形成される空間内の空気を大気中に排出す る空気抜き口を備えることを特徴とする9に 載のマイクロチップ。

 11.
検体が注入される検体注入口を備えたマイク ロチップと、
前記検体注入口に検体を注入する検体注入部 材と、
を有するマイクロチップ検査システムにおい て、
前記検体注入部材は、前記検体注入口に挿入 可能な検体排出口を先端に備えた錐体形状の 検体排出部を有することを特徴とするマイク ロチップ検査システム。

 12.
11に記載のマイクロチップ検査システムに用 るマイクロチップにおいて、
前記マイクロチップは、前記検体排出部を前 記検体注入口に挿入して検体を注入する際に 前記マイクロチップの内の空気を大気中に排 出する流路空気抜き口を有することを特徴と するマイクロチップ。

 本発明によれば、検体注入口に検体を注 後、検体注入口に蓋をすることにより余分 検体をあふれさせ気泡を追い出すので、簡 な操作で検体に気泡を残さずに一定量の検 をマイクロチップに注入することができる

本発明の実施形態におけるマイクロチ プ検査システム80の外観図である。 本発明の実施形態に係わるマイクロチ プ1の一例についての説明図である。 本発明の第1の実施形態のマイクロチッ プ1における検体注入口213、蓋301、蓋保持部40 0の構成の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係わる蓋301に設け れた突起部306の外観図である。 第2の実施形態のマイクロチップ1にお る検体注入口213、蓋301、蓋保持部400の構成 一例を示す断面図である。 第3の実施形態のマイクロチップ1にお る検体注入口213、蓋301の構成の一例を示す 面図である。 第4の実施形態のマイクロチップ1にお る検体注入口213、蓋301、蓋保持部400の構成 一例を示す断面図である。 第5の実施形態のマイクロチップ1にお る検体注入口213、検体溜めチップ600の構成 一例を示す断面図である。 第6の実施形態のマイクロチップ1にお る検体注入口213、流路空気抜き口250の構成 一例を示す断面図である。 第6の実施形態のマイクロチップ1の平 図である。 本発明の実施形態に係わる蓋保持部400 に設けられた検体抜き部307の外観図である。

符号の説明

 1 マイクロチップ
 7 検体
 80 マイクロチップ検査システム
 82 反応検出装置
 83 挿入口
 84 表示部
 108 溝形成基板
 109 被覆基板
 213 検体注入口
 250 流路空気抜き口
 280 流路
 301 蓋
 302 蓋留め
 303 空気抜き口
 304 凸部
 306 突起部
 307 検体抜き部
 350 検体注入部材
 351 検体排出口
 352 検体排出部
 400 蓋保持部
 406 検体溜め部

 以下、図面に基づき本発明の実施形態を 明する。

 図1は、本発明の実施形態におけるマイク ロチップ検査システム80の外観図である。

 本発明のマイクロチップ検査システム80 、反応検出装置82とマイクロチップ1と検体 入部材350から構成される。反応検出装置82は 、マイクロチップ1に検体注入部材350を用い 予め注入された図示せぬ検体7と、試薬との 応を自動的に検出し、表示部84に結果を表 する装置である。反応検出装置82には挿入口 83があり、マイクロチップ1を挿入口83に差し んで反応検出装置82の内部にセットするよ になっている。

 なお、挿入口83はマイクロチップ1を挿入 に接触しないように、マイクロチップ1の厚 みより十分高さがある。85はメモリカードス ット、86はプリント出力口、87は操作パネル 、88は入出力端子である。検体注入部材350は 例えばスポイトやピペットなどである。

 検査担当者は、検体注入部材350を用いて 体7を注入したマイクロチップ1を、図1の矢 方向にマイクロチップ1を挿入し、操作パネ ル87を操作して検査を開始させる。反応検出 置82の内部では、制御手段の指令により図 せぬマイクロポンプユニットがマイクロチ プ1に駆動液等の液体を注入し、マイクロチ プ1内の反応の検査が自動的に行われる。検 査が終了すると液晶パネルなどで構成される 表示部84に結果が表示される。検査結果は操 パネル87の操作により、プリント出力口86よ りプリントを出力したり、メモリカードスロ ット85に挿入されたメモリカードに記憶する とができる。また、外部入出力端子88から えばLANケーブルを使って、パソコンなどに ータを保存することができる。

 検査担当者は、検査終了後、マイクロチ プ1を挿入口83から取り出す。

 次に、図2を用いて本発明の実施形態に係 わるマイクロチップ1の一例について説明す 。以下、同一機能の機能要素には同番号を し、説明を省略する。

 図2(a)、図2(b)はマイクロチップ1の外観図 ある。図2(a)において矢印は、反応検出装置 82にマイクロチップ1を挿入する挿入方向であ り、図2(a)は挿入時にマイクロチップ1の上面 なる面を図示している。図2(b)はマイクロチ ップ1の側面図である。

 図2(a)の検出部の窓111aと検出部の流路111b 図示せぬ検体7と試薬の反応を光学的に検出 するために設けられており、ガラスや樹脂な どの透明な部材で構成されている。110a、110b 110c、110d、110eは内部の微細流路に連通する 動液注入部であり、各駆動液注入部110から 動液を注入し内部の試薬等を駆動する。213 マイクロチップ1に図示せぬ検体7を注入す 本発明の検体注入口、301は本発明の蓋、400 本発明の蓋保持部である。検査担当者は、 体注入部材350を用いて検体注入口213から検 7を注入した後、蓋301を蓋保持部400に保持さ て検体注入口213を密閉する。検体注入口213 蓋301、蓋保持部400については後に詳しく説 する。

 図2(b)に示すように、マイクロチップ1は 形成基板108と、溝形成基板108を覆う被覆基 109から構成されている。次に、マイクロチ プ1を構成する溝形成基板108と被覆基板109に いる材料について説明する。

 マイクロチップ1は、加工成形性、非吸水 性、耐薬品性、耐候性、コストなどに優れて いることが望まれており、マイクロチップ1 構造、用途、検出方法などを考慮して、マ クロチップ1の材料を選択する。その材料と ては従来公知の様々なものが使用可能であ 、個々の材料特性に応じて通常は1以上の材 料を適宜組み合わせて、基板および流路エレ メントが成形される。

 特に、多数の測定検体、とりわけ汚染、 染のリスクのある臨床検体を対象とするチ プは、ディスポーサブルタイプであること 望ましい。そのため、量産可能であり、軽 で衝撃に強く、焼却廃棄が容易なプラスチ ク樹脂、例えば、透明性、機械的特性およ 成型性に優れて微細加工がしやすいポリス レンが好ましい。また、例えば分析におい チップを100℃近くまで加熱する必要がある 合には、耐熱性に優れる樹脂(例えばポリカ ーボネートなど)を用いることが好ましい。 た、タンパク質の吸着が問題となる場合に ポリプロピレンを用いることが好ましい。 脂やガラスなどは熱伝導率が小さく、マイ ロチップの局所的に加熱される領域に、こ らの材料を用いることにより、面方向への 伝導が抑制され、加熱領域のみ選択的に加 することができる。

 検出部111において、呈色反応の生成物や 光物質などの検出を光学的に行う場合は、 なくともこの部位の基板は光透過性の材料( 例えばアルカリガラス、石英ガラス、透明プ ラスチック類)を用い、光が透過するように る必要がある。本実施形態においては、検 部の窓111aと、少なくとも検出部の流路111bを 形成する溝形成基板108は、光透過性の材料が 用いられていて、検出部111を光が透過するよ うになっている。

 本発明の実施形態に係わるマイクロチッ 1には、検査、試料の処理などを行うための 、微小な溝状の流路(微細流路)および機能部 (流路エレメント)が、用途に応じた適当な 様で配設されている。本実施形態では、こ らの微細流路および流路エレメントによっ マイクロチップ1内で行われる特定の遺伝子 増幅およびその検出を行う処理の一例を図2 (c)を用いて説明する。なお、本発明の適用は 図2(c)で説明するマイクロチップ1の例に限定 れるものでは無く、様々な用途のマイクロ ップ1に適用できる。

 図2(c)はマイクロチップ1内部の微細流路 よび流路エレメントの機能を説明するため 説明図である。

 微細流路には、例えば検体液を収容する 体収容部221、試薬類を収容する試薬収容部2 20などが設けられており、場所や時間を問わ 迅速に検査ができるよう、試薬収容部220に 必要とされる試薬類、洗浄液、変性処理液 どがあらかじめ収容されている。図2(c)にお いて、試薬収容部220、検体収容部221および流 路エレメントは四角形で表し、その間の微細 流路は実線と矢印で表す。

 マイクロチップ1は、微細流路を形成した 溝形成基板108と溝状の流路を覆う被覆基板109 から構成されている。微細流路はマイクロメ ーターオーダーで形成されており、例えば幅 は数μm~数百μm、好ましくは10~200μmで、深さ 25~500μm程度、好ましくは25~250μmである。

 少なくともマイクロチップ1の溝形成基板 108には、上記の微細流路が形成されている。 被覆基板109は、少なくとも溝形成基板の微細 流路を密着して覆う必要があり、溝形成基板 の全面を覆っていても良い。なお、マイクロ チップ1の微細流路には、例えば、図示せぬ 液制御部、逆流防止部(逆止弁、能動弁など) などの送液を制御するための部位が設けられ 、逆流を防止し、所定の手順で送液が行われ るようになっている。

 検体注入口213はマイクロチップ1に検体を 注入するための注入部、駆動液注入部110はマ イクロチップ1に駆動液を注入するための注 部である。マイクロチップ1による検査を行 に先立って、検査担当者は検体を検体注入 213から検体注入部材350を用いて注入する。 2(c)に示すように、検体注入口213から注入さ れた検体7は、連通する微細流路を通って検 収容部221に収容される。

 次に、駆動液注入部110aから駆動液を注入 すると、駆動液は連通する微細流路を通って 検体収容部221に収容されている検体7を押し し、増幅部222に検体7を送り込む。

 一方、駆動液注入部110bから注入された駆 動液は、連通する微細流路を通って試薬収容 部220aに収容されている試薬aを押し出す。試 収容部220aから押し出された試薬aは増幅部22 2に駆動液によって送り込まれる。このとき 反応条件によっては、増幅部222の部分を所 の温度にする必要があり、後で説明するよ に反応検出装置82の内部で加熱または吸熱し て所定の温度で反応させる。

 所定の反応時間の後、さらに駆動液によ 増幅部222から送り出された反応後の検体7を 含む溶液は、検出部111に注入される。注入さ れた溶液は検出部111の流路壁に担持されてい る反応物質と反応し流路壁に固定化する。

 次に、駆動液注入部110cから駆動液を注入 すると、駆動液は連通する微細流路を通って 試薬収容部220bに収容されている試薬bを押し し、微細流路から検出部111に注入する。

 同様に、駆動液注入部110dから駆動液を注 入すると、駆動液は連通する微細流路を通っ て試薬収容部220cに収容されている試薬を押 出し、微細流路から検出部111に注入する。

 最後に、駆動液注入部110eから駆動液を注 入して、洗浄液収容部223から洗浄液を押しだ し、検出部111に注入する。洗浄液によって検 出部111内に残留している未反応の溶液を洗浄 する。

 洗浄後、検出部111の流路壁に吸着した反 物の濃度を光学的に測定することによって 増幅した遺伝子など被検出物を検出する。 のように、駆動液注入部110から駆動液を順 注入することにより、マイクロチップ1の内 部で所定の処理が行われる。

 図3は、本発明の第1の実施形態のマイク チップ1における検体注入口213、蓋301、蓋保 部400の構成の一例を示す断面図、図4は蓋301 に設けられた突起部306の外観図である。

 図3(a)は、検体7を注入する前におけるマ クロチップ1の検体注入口213周辺の断面図、 3(b)は検体注入部材350から検体注入口213に検 体7を滴下している状態の断面図である。図3( c)は検体注入口213から検体7があふれている状 態の断面図、図3(d)は蓋301によって検体注入 213を密閉した状態の断面図である。

 図3(a)のように、マイクロチップ1は、溝 成基板108と溝状の流路280を覆う被覆基板109 ら構成され、溝形成基板108に検体注入口213 設けられている。溝形成基板108の上には検 注入口213と連通する穴を有する蓋保持部400 接着等により設けられている。蓋301は蓋留 302により蓋保持部400と連結され外れないよ になっている。蓋301には凸部304が、蓋保持 400には凹部405が互いにかみ合うように設け れている。また、蓋301の突起部306は先端が 体注入口213の直径より小さく、蓋306によっ 検体注入口213を密閉するとき、図3(d)のよう 突起部306が検体注入口213に挿入されるよう 301に配設されている。蓋保持部400の検体溜 部406は、検体注入口213からあふれた検体7を マイクロチップ1から流出しないように溜め 機能を持っている。突起部306は本発明の突 部、検体溜め部406は本発明の検体溜め部で る。

 また、図4のように突起部306には検体注入 口213に突起部306を挿入したとき、検体注入口 213に注入されている検体7aを検体溜め部406に 出するために検体抜き部307の溝が設けられ いる。検体抜き部307は本発明の検体抜き部 ある。

 蓋301に設けられた空気抜き口303は、図3(d)の ように蓋301を蓋保持部400に押し込んで、検体 注入口213を密閉したとき、蓋306と蓋保持部400 が形成する空間と外気を連通する。空気抜き 口303は、本発明の空気抜き口303である。
図3(d)のように蓋301を蓋保持部400に押し込ん 、検体注入口213を密閉すると、空気抜き口30 3は、蓋保持部材400の面により穴がふさがれ 。そのため、検体7b、7cが空気抜き口303から に漏れ出すことが無くなる。

 図3(b)のように、検体注入部材350から検体 注入口213に検体7を滴下すると、流路280bに検 7aが徐々に溜まっていく。検体注入部材350 検体排出口351は、検体注入口213の直径より さいことが望ましい。このようにすると、 体排出口351から滴下される液滴の直径が検 注入口213より小さくなり、検体7を容易に検 注入口213に滴下できる。

 滴下した検体7aは、流路280bと隣接する流 280a、流路280cとの間には壁260a、260bがあるの で、流路280a、流路280cには流れず、図3(c)のよ うに検体注入口213に溜まり、ついには検体注 入口213からあふれる。あふれた検体7b、検体7 cは図3(c)のように検体溜め部406に溜まる。こ ように検体注入部材350から検体注入口213に 体7を滴下すると、検体注入口213の内部の検 体7aに気泡8が残ることがある。気泡8がある 後の工程で駆動液によって検体7aを駆動でき ないことがあるので、除去することが望まし い。

 また、図3(d)のように蓋301を蓋保持部400に 押し込んだとき、空気抜き口303を設けない場 合は気圧の変化により検体7aが所定の流路280b 以外に流出することがある。そのため、後の 工程で反応検査に必要な所定量の検体7aを駆 できないことがある。

 本発明では、図3(d)のように、蓋301によっ て検体注入口213を密閉すると、突起部306が検 体注入口213に挿入され、あふれた検体7b、7c 検体溜め部406に溜まるように構成されてい 。このように検体注入口213から検体7aをあふ れさせると、突起部306の検体抜き部307から余 分な検体7b、7cとともに気泡8を除去すること できる。

 また、本発明では、空気抜き口303から空 が逃げるので、蓋306と蓋保持部400が形成す 空間の気圧の変化が少なく、蓋301を閉める に流路280bと隣接する流路280a、流路280cに検 7aが流出することはない。このように、検 7aを検体溜め部406にあふれるまで検体注入口 213に滴下した後、蓋301を閉じて検体注入口213 を密閉することにより、毎回一定量の検体7a 気泡8を残さずにマイクロチップ1に注入す ことができる。

 なお、検体抜き部307は図11のように蓋保 部400の検体注入口213に設けても良い。

 図5は、本発明の第2の実施形態のマイク チップ1における検体注入口213、蓋301、蓋保 部400の構成の一例を示す断面図である。

 図5(a)は、第1の実施形態と同様に、検体 入部材350から検体注入口213に検体7を検体溜 部406にあふれるまで滴下し、蓋保持部400に 301を取り付けた状態である。第2の実施形態 の蓋301は、ゴムなどの弾性部材で形成されて おり、蓋保持部400に蓋301を取り付けた状態で は図5(a)のように検体注入口213は密閉されて ない。検査担当者はこの状態で反応検出装 82の挿入口83にマイクロチップ1を挿入し検査 を行う。500は反応検出装置82内に設けられた 圧部材であり、図示せぬ制御部の指示によ 図5の矢印の方向に一定の速度で蓋301を押圧 する。

 図5(b)は、押圧部材500が矢印の方向に下降 して蓋301を押圧し、蓋301が検体注入口213を密 閉した状態である。蓋301には空気抜き口303が 設けられており、蓋301と蓋保持部400の形成す る空間の気圧変化が少なくなるようにしてい る。

 このように一定の速度で下降する押圧部 500によって、蓋301が検体注入口213を密閉す ので、蓋306と蓋保持部400が形成する空間の 圧の変化が少なく、流路280bと隣接する流路 280a、流路280cに検体7aが流出することがない また、低速度で蓋301を下降させることによ 、検体7aから気泡8を逃すことができる。な 、本実施形態では突起部306を設けていない 、第1の実施形態と同様に蓋301に突起部306を けても良い。

 図6は、本発明の第3の実施形態のマイク チップ1における検体注入口213、蓋301の構成 一例を示す断面図である。第3の実施形態の マイクロチップ1は、マイクロチップ1の端面4 08が蓋保持部400の機能を持ち、蓋301はマイク チップ1の端面408に係合して保持される。

 図6(a)は、蓋301をマイクロチップ1に取り けた状態を示す平面図、図6(b)は図6(a)の矢印 A-Aの断面図である。

 図6(b)は検体注入口213の周辺の断面図であ り、検体注入部材350から検体注入口213に検体 7を検体溜め部406にあふれるまで滴下した後 マイクロチップ1に蓋301を取り付けた状態で る。

 このようにすると、マイクロチップ1の端 面が蓋保持部400の機能を持つので、部品点数 を削減することができる。なお、本実施形態 では突起部306を設けていないが、第1の実施 態と同様に蓋301に突起部306を設けても良い

 図7は、本発明の第4の実施形態のマイク チップ1における検体注入口213、蓋301、蓋保 部400の構成の一例を示す断面図である。図7 (a)は、蓋301と蓋保持部400をマイクロチップ1 取り付けた状態を示す平面図、図7(b)は図7(a) の矢印B-Bの断面図である。

 第4の実施形態のマイクロチップ1は、蓋 持部400がマイクロチップ1を囲むように取り けられており、蓋保持部400の検体注入口213 対応する部分にネジ穴310が設けられている 蓋301はネジ穴310と螺合するネジ部309を有し 蓋301を回すことにより蓋301が検体注入口213 密閉するように構成されている。

 図7(b)は検体注入部材350から検体注入口213 に検体7を滴下した後、蓋301をネジ穴310に取 付けた状態である。このようにすると、蓋30 1を回すことにより蓋301が検体注入口213を密 する方向に下降するので、蓋301が下降する 度は遅く、蓋301と蓋保持部400が形成する空 の気圧変化が少ない。また、蓋301が検体注 口213を密閉するまでに、流路280bから気泡8を 逃すことができる。なお、本実施形態では突 起部306を設けていないが、第1の実施形態と 様に蓋301に突起部306を設けても良い。

 図8は、本発明の第5の実施形態のマイク チップ1における検体注入口213、検体溜めチ プ600の構成の一例を示す断面図である。

 図8(a)は、検体溜めチップ600の断面図、図 8(b)は図示せぬ検体注入部材350から検体溜め ップ600に検体7aを滴下した状態の断面図であ る。

 第5の実施形態では、今までの実施形態と は異なり、検体注入部材350から検体溜めチッ プ600の検体貯留部602に検体7aを滴下して図8(b) のように検体7aをあふれるまで溜める。あふ た検体7b、7cは検体溜め部601に溜まる。その 後、検体溜めチップ600をマイクロチップ1の 体溜めチップ取り付け部630に挿入してマイ ロチップ1と検体溜めチップ600を一体化し、 イクロチップ1に検体を注入する。検体溜め チップ600は本発明の検体溜めチップ、検体貯 留部602は本発明の検体貯留部である。

 図8(c)は、マイクロチップ1に設けられた 体溜めチップ取り付け部630に検体溜めチッ 600を挿入する状態を説明する断面図である

 マイクロチップ1の検体注入口213の外周に 設けられた検体溜めチップ取り付け部630は、 検体溜めチップ取り付け部630の内側に検体溜 めチップ600が嵌合するように形成されている 。マイクロチップ1と検体溜めチップ600が形 する空間は、検体溜めチップ600に設けられ 空気抜き口303によって外気と連通している で、検体溜めチップ600を挿入しても気圧の 化が少ない。検体溜めチップ600の凸部632と 検体溜めチップ取り付け部630の凹部631は、 体溜めチップ600を検体注入口213を密閉する 置まで挿入すると嵌合するようにそれぞれ けられている。

 図8(d)は、マイクロチップ1に設けられた 体溜めチップ取り付け部630に検体溜めチッ 600を挿入し、一体となった状態を説明する 面図である。

 検体溜めチップ600を挿入すると図8(d)のよ うに凸部632と凹部631が嵌合し、検体注入口213 は検体溜めチップ600によって密閉される。検 体貯留部602の検体7aは、検体注入口213からマ クロチップ1内に流入し、流路280b内を満た 。検体貯留部602は、マイクロチップ1の溝形 基板108と被覆基板109との間で流路280bの一部 を形成する。

 このように、検体7を滴下した検体溜めチ ップ600をマイクロチップ1に挿入して検体7を 入すると、検体貯留部602が大きいので検体7 の滴下が容易であり、作業性が良い。また、 検体溜めチップ600によって検体注入口213を密 閉すると、検体注入口213からあふれた検体7a 検体溜め部601に溜まる。このときあふれた 体7aとともに気泡8を除去することができる このように、検体7aを検体貯留部602からあ れるまで滴下した後、検体溜めチップ600を イクロチップ1に挿入して検体注入口213を密 することにより、毎回一定量の検体7aを気 8を残さずにマイクロチップ1に注入すること ができる。

 図9は、本発明の第6の実施形態のマイク チップ1における検体注入口213、流路空気抜 口250の構成の一例を示す断面図、図10は第6 実施形態のマイクロチップ1の平面図である 。

 図10に示すように、マイクロチップ1の検 注入口213の近傍には流路空気抜き口250が設 られており、検体注入口213と流路空気抜き 250を囲むように検体溜め壁251が設けられて る。図9(a)は図10に示すマイクロチップ1の矢 印C-Cで示す部分の断面図である。図9(a)に示 ように検体注入口213と連通する流路280bには 流路280bと連通し外気と連通する流路空気抜 き口250が設けられている。

 図9(b)は検体注入口213に検体注入部材350の 検体排出部352を挿入し、検体排出口351から検 体7の滴下を開始した状態である。検体排出 352は例えば錐体形状であり、先端に検体を 出する検体排出口351を備えている。検体排 口351は検体注入口213に挿入可能な大きさで る。

 流路空気抜き口250は本発明の流路空気抜 口、検体排出部352は本発明の検体排出部、 体排出口351は本発明の検体排出口である。

 図9(c)は検体注入部材350から滴下した検体 7aによって流路280b内が充填され、検体7aの一 が気泡8とともに流路空気抜き口250から排出 された状態を示している。流路空気抜き口250 から排出された検体7b、検体7cは、図9(c)のよ に検体溜め壁251の内側に溜まり外部に流出 ることは無い。

 このように、検体注入部材350の検体排出 352を検体注入口213に挿入して検体7aを注入 ると、注入作業が容易であり簡単な操作で 泡8を残さずに検体7aをマイクロチップ1に注 できる。

 以上このように、本発明によれば、簡単 操作で検体に気泡を残さずに一定量の検体 マイクロチップに注入することができるマ クロチップ、およびマイクロチップ検査シ テムを提供することができる。