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Title:
MICROSTRIP LINE FILTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011167
Kind Code:
A1
Abstract:
A microstrip line filter which can enhance capacitive coupling between resonators, while suppressing scaling down of the electrode. A microstrip line filter (100) comprises major surface lines (6A-6D), a ground electrode (11) and I/O electrodes (12A, 12B). The major surface lines (6A, 6B) are coupled capacitively. The major surface lines (6B, 6C) are coupled inductively. The major surface lines (6C, 6D) are coupled capacitively. The major surface lines (6A-6D) have open end side electrodes (61A-61D), short circuit side electrodes (62A-62D), and open end electrodes (63A-63D). The open end electrodes (63A, 63B) are arranged close to each other and the short circuit side electrodes (62A, 62B) are spaced apart from each other. The open end electrodes (63C, 63D) are arranged close to each other and the short circuit side electrodes (62C, 62D) are spaced apart from each other.

Inventors:
NAKAMURA SOICHI (JP)
HIROSHIMA MOTOHARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059428
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
May 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
NAKAMURA SOICHI (JP)
HIROSHIMA MOTOHARU (JP)
International Classes:
H01P1/203; H01P1/205; H01P7/08
Foreign References:
JP2001044708A2001-02-16
JPH098504A1997-01-10
JPH0766605A1995-03-10
Attorney, Agent or Firm:
KOMORI, Hisao (NoninbashiChuo-ku, Osaka-sh, Osaka 11, JP)
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Claims:
 矩形平板状の誘電体基板の下面に設けた接地電極と、前記接地電極および前記誘電体基板とともに複数の共振器を構成する複数の共振線路と、前記複数の共振線路のいずれかが構成する共振器に結合する入出力電極と、を備えるマイクロストリップラインフィルタにおいて、
 いずれかの共振線路は、
 対をなす共振線路とともに、容量性結合する共振器対を構成し、
 自共振線路の開放端を含み、かつ、前記対をなす共振線路の側端に並行する開放端側電極と、前記開放端側電極と異なる線路幅で前記開放端側電極の短絡端側の端部から延設されて、前記開放端側電極とともに前記対をなす共振線路の側端に並行し、かつ、先端が開放された先端開放電極と、前記開放端側電極と異なる線路幅で前記開放端側電極の短絡端側の端部から前記接地電極まで延設され、かつ、前記先端開放電極から離間する方向に線路幅の中心がずれた短絡端側電極と、を備える、
マイクロストリップラインフィルタ。
 矩形平板状の誘電体基板の下面に設けた接地電極と、前記接地電極および前記誘電体基板とともに複数の共振器を構成する複数の共振線路と、前記複数の共振線路のいずれかが構成する共振器に結合する入出力電極と、を備えるマイクロストリップラインフィルタにおいて、
 いずれかの共振線路は、
 自共振線路の開放端を含み、かつ、隣接する両側の共振線路それぞれの側端に並行する開放端側電極と、前記開放端側電極と異なる線路幅で前記開放端側電極の短絡端側の端部から延設されて、隣接する共振線路の側端に並行し、かつ、先端が開放された先端開放電極と、前記先端開放電極から離間する方向に線路幅の中心がずれ、かつ、前記開放端側電極と異なる線路幅で前記開放端側電極の短絡端側の端部から前記接地電極まで延設されて、隣接する共振線路の側端に並行する短絡端側電極と、を備え、
 かつ、前記両側の共振線路のうち前記先端開放電極側に隣接する共振線路とともに容量性結合する共振器対を構成し、前記短絡端側電極側に隣接する共振線路とともに誘導性結合する共振器対を構成する、
マイクロストリップラインフィルタ。
 前記誘導性結合する共振器対を構成する共振線路それぞれに浮遊容量を付与する、複数の先端容量電極を備える請求項2に記載のマイクロストリップラインフィルタ。
 前記容量性結合する共振器対を構成する共振線路それぞれに、前記開放端側電極と前記先端開放電極と前記短絡端側電極とを備え、それぞれの前記先端開放電極同士を対向させた請求項1~3のいずれかに記載のマイクロストリップラインフィルタ。
 前記短絡端側電極を、前記誘電体基板の上面から側面にかけて形成した請求項1~4のいずれかに記載のマイクロストリップラインフィルタ。
 前記短絡端側電極の片側の、前記先端開放電極の線路幅とこの先端開放電極から前記短絡端側電極までの間隙寸法とを合計した値が、前記開放端側電極の線路幅から前記短絡端側電極の線路幅を減じた値の1/2倍より大きい請求項1~5のいずれかに記載のマイクロストリップラインフィルタ。
 前記短絡端側電極の片側の、前記先端開放電極の線路幅とこの先端開放電極から前記短絡端側電極までの間隙寸法とを合計した値が、前記開放端側電極の線路幅の1/2倍の値より大きい請求項6に記載のマイクロストリップラインフィルタ。
Description:
マイクロストリップラインフィ タ

 この発明は、誘電体基板にストリップラ ンを設けたマイクロストリップラインフィ タに関する。

 1/4波長共振器を構成するストリップライン 開放端を一方向に向けて配し、隣接する共 器間を互いに結合させたコムライン型のマ クロストリップラインフィルタが普及して る。コムライン型のマイクロストリップラ ンフィルタでは、共振線路の開放端側電極 線路幅と短絡端側電極の線路幅とを異なら ステップ構造とすることがあった。また、 テップ構造を採用したマイクロストリップ インフィルタでは、開放端側電極に凹部を けて、開放端側電極の凹部の底から接地電 まで短絡端側電極を延設することがあった( 例えば、特許文献1参照。)。

特開平8-111602号公報

 極めて高い周波数領域に広帯域の周波数 性を必要とする無線LAN通信では、マイクロ トリップラインフィルタの帯域低域側に深 減衰極を必要とする場合がある。広帯域の 波数特性を実現する場合には、マイクロス リップラインフィルタとしてインターディ タル型のものが用いられていた。インター ィジタル型のマイクロストリップラインフ ルタとは、ストリップラインの開放端方向 交互に異ならせた構成のものであり、共振 対の結合が極めて強いという特徴がある。

 一方、従来のコムライン型のマイクロス リップラインフィルタは、共振器対の結合 インターディジタル型のものほど大きくで ず、広帯域のフィルタを実現することが困 であった。しかしながら、コムライン型の イクロストリップラインフィルタでは、複 の減衰極について設定自由度が高く、この 徴を無線LAN通信に利用することが望まれて た。

 また、無線LAN通信用のマイクロストリッ ラインフィルタのように、対象とする周波 領域が極めて高い場合、微細な電極パター が必要となる。しかしながら、製造工程上 制約のため、電極パターンの微細度には限 がある。そのため、無線LAN通信用のマイク ストリップラインフィルタでは、電極パタ ンを複雑化することが困難である。例えば ステップ構造のストリップラインの開放端 電極に凹部を設けて、開放端側電極の凹部 底から接地電極まで短絡端側電極を延設す 複雑な電極パターンは、無線LAN通信用のマ クロストリップラインフィルタでは採用す ことができなかった。

 そこで本発明は、電極パターンの微細度 緩和したまま、広い通過帯域を備え、かつ 帯域低域側の減衰極を深く立ち下げたコム イン型のマイクロストリップラインフィル を提供することを目的とする。

 この発明のマイクロストリップラインフ ルタは、接地電極と複数の共振線路と入出 電極とを備える。接地電極は、矩形平板状 誘電体基板の下面に設けられる。複数の共 線路は接地電極および誘電体基板とともに 数の共振器を構成する。入出力電極は、複 の共振線路のいずれかが構成する共振器に 合する。

 いずれかの共振線路は、対をなす共振線 とともに、容量性結合する共振器対を構成 る。この共振線路は、開放端側電極と先端 放電極と短絡端側電極とを備える。開放端 電極は自共振線路の開放端を含む電極であ 。この開放端側電極は、対をなす共振線路 側端に並行する。先端開放電極は、開放端 電極と異なる線路幅で開放端側電極の短絡 側の端部から延設され、開放端側電極とと に対をなす共振線路の側端に並行する電極 ある。この先端開放電極は、先端が開放さ る。短絡端側電極は、開放端側電極と異な 線路幅で開放端側電極の短絡端側の端部か 接地電極まで延設された電極である。この 絡端側電極は先端開放電極から離間する方 に線路幅の中心がずれる。

 この構成により、開放端側電極および先 開放電極が、対をなす共振線路に並行する これにより、この共振線路の開放端側に極 て強い相互容量が生じる。また、対をなす 振線路と短絡端電極との間が離間し、かつ その間に先端開放電極が介在する。これに り、この共振線路の短絡端側相互容量は、 放端側相互容量に比べて著しく小さなもの なる。したがって、この共振線路の構成す 共振器対は、従来のコムライン結合するマ クロストリップラインフィルタに比べて極 て強く容量性結合し、マイクロストリップ インフィルタの帯域低域側の減衰極を深く ち下げる。

 また、短絡端側電極の幅方向の中心位置 偏心するので、先端開放電極の線路幅を大 く確保することが容易になり、電極形状の 細度を緩和できる。また、先端開放電極に って付加される相互容量の分だけ、対をな 共振線路との間隔を離すことが可能になり 線路間の電極非形成部の微細度を緩和でき 。

 この発明のマイクロストリップラインフ ルタでは、いずれかの共振線路は、開放端 電極と先端開放電極と短絡端側電極とを備 る。この共振線路は、先端開放電極側に隣 する共振線路とともに容量性結合する共振 対を構成する。また、この共振線路は、短 端側電極側に隣接する共振線路とともに誘 性結合する共振器対を構成する。

 このような構成により、この共振線路は 先端開放電極側に隣接する一方の共振線路 の間で容量性結合し、短絡端側電極側に隣 する他方の共振線路との間で、誘導性結合 得ることが可能になる。したがって、マイ ロストリップラインフィルタの帯域の高域 及び低域側に所望の減衰極を生じさせられ 。また、短絡端側電極の幅方向の中心位置 偏心するので、先端開放電極の線路幅を確 することが容易になる。また、先端開放電 によって負荷される相互容量の分だけ、共 器対を構成する共振線路間の間隔を離すこ が可能になる。

 誘導性結合する共振器対を構成する共振 路それぞれに浮遊容量を付与する、複数の 端容量電極を備えてもよい。

 先端容量電極によって誘導性結合する共 器対を構成する共振線路には、先端容量が 与される。この先端容量は、共振線路に浮 容量として作用し、これらの共振線路の構 する共振器間の結合が誘導性にバイアスさ る。

 容量性結合する共振器対を構成する共振 路それぞれに、開放端側電極と先端開放電 と短絡端側電極とを備えてもよく、その場 、それぞれの先端開放電極同士を対向させ と好適である。これにより相互容量が強ま 、これらの共振線路の構成する共振器間の 合が容量性にバイアスされる。

 短絡端側電極を、誘電体基板の上面から 面にかけて形成してもよい。これにより、 面電極が伝送線路の一部として機能するた 、同一の共振周波数のままフィルタを小型 できる。

 短絡端側電極の片側の、先端開放電極の 路幅とこの先端開放電極から短絡端側電極 での間隙寸法とを合計した値が、開放端側 極の線路幅から短絡端側電極の線路幅を減 た値の1/2倍より大きくしてもよい。例えば 上述した特許文献1に記載されたマイクロス トリップラインフィルタでは、ステップ部分 の片側の幅は、開放端側電極の線路幅から短 絡端側電極の線路幅を減じた値の1/2倍の寸法 であった。この従来の場合よりも、本構成で は、先端開放電極の線路幅とこの先端開放電 極から短絡端側電極までの間隙寸法とを合計 した値を大きく設定することが可能になる。 したがって本構成では電極パターンの微細度 を緩和できる。

 短絡端側電極の片側の、前記先端開放電 の線路幅とこの先端開放電極から前記短絡 側電極までの間隙寸法とを合計した値が、 記開放端側電極の線路幅の1/2倍の値より大 くしてもよい。これにより、電極パターン 微細度が極めて緩和されたものになる。

 この発明によれば、コムライン型のマイ ロストリップラインフィルタにおいて、広 域の周波数特性を実現し、かつ減衰極を任 に設定でき、従来のコムライン結合するマ クロストリップラインフィルタに比べて、 り深く帯域低域側の減衰極を立ち下げるこ が可能になる。また、電極パターンの微細 を緩和でき、製造工程における良品率を高 ることが可能になる。

マイクロストリップラインフィルタの 例を示す斜視図である。 同マイクロストリップラインフィルタ 展開図である。 シミュレーションによるマイクロスト ップラインフィルタの周波数特性を示すグ フである。

符号の説明

1…誘電体基板
2…ガラス層
6…主面線路
7…先端容量電極
8…引出電極
11…接地電極
12…入出力電極
9,10,13,14…側面電極
61…開放端側電極
62…短絡端側電極
63…先端開放電極
100…マイクロストリップラインフィルタ

 以下、マイクロストリップラインフィル の構成例を説明する。

 ここで示すマイクロストリップラインフ ルタは帯域通過型のフィルタである。この ィルタは、5GHz帯の無線LAN設備に利用される 。

 図1(A)は、マイクロストリップラインフィ ルタの斜視図である。同図(B)はマイクロスト リップラインフィルタの透過斜視図である。

 マイクロストリップラインフィルタ100は 誘電体基板1とガラス層2とを備える。基板1 酸化チタン等からなる比誘電率が約111の小 直方体状のセラミック焼結基板である。な 、基板1の組成および寸法は周波数特性など を考慮して適宜設定するとよい。

 基板1の上面には電極パターンが形成されて いる。基板1の上面側には、上面電極パター の機械的保護および電気絶縁のための保護 として、ガラス層2を15μm以上の厚みで積層 る。このガラス層2は、結晶性SiO 2 または硼珪酸ガラス等の絶縁体からなる。ガ ラス層2は、ガラスペーストの印刷と焼成と より形成している。なお、ガラスペースト して感光性ガラスペーストを用いてもよい また、透光性のあるガラスペーストと遮光 のあるガラスペーストとを積層するように てガラス層2を形成してもよい。このような ラス層2によって、上面電極パターンを機械 的に保護するとともに耐候性を向上させるこ とができる。

 なお、ガラス層2のさらに上面側にも電極 を形成することも可能である。その場合、ガ ラス層2の上面電極が誘電体基板1上の上面電 パターンに短絡することを、ガラス層2によ って防止することができる。なお、ガラス層 2のパターンおよび寸法は、誘電体基板1とガ ス層2との密着度や耐環境性、周波数特性な どを考慮して適宜設定すればよい。

 図2は、誘電体基板1の展開図であり、同 (A)は正面図、同図(B)は上面図、同図(C)は背 図、同図(D)は下面図、同図(E)は左側面図、 図(F)は右側面図である。

 同図(B)に示す誘電体基板1の上面には、主 面線路6A~6Dと先端容量電極7A~7Dと引出電極8A,8B とからなる上面電極パターンを形成している 。上面電極パターンは厚み約6μm以上の銀電 で形成している。上面電極パターンは、母 板に感光性銀ペーストを塗布し、フォトリ グラフィプロセスによりパターン形成し、 成してなる。

 同図(A)に示す誘電体基板1の正面には、側 面電極10A~10Dからなる側面電極パターンを形 している。また、同図(C)に示す誘電体基板1 背面には、側面電極9A~9Dからなる側面電極 ターンを形成している。これらの側面電極 ターンは厚み約12μm以上の銀電極である。こ れら正面および背面の側面電極パターンは互 いに相似する形状である。これは、正面の側 面電極パターンと背面の側面電極パターンと の印刷工程を略同一にするためである。この ような形状を採用することで、印刷工程では これらの側面電極パターンの正面および背面 の向きや、上面および下面の向きを整列させ る必要が無くなる。これらの側面電極パター ンは、誘電体基板1の正面および背面に、ス リーンマスクまたはメタルマスクを用いて 感光性の銀ペーストを塗布し、焼成してな 。

 同図(D)に示す誘電体基板1の下面は、この マイクロストリップラインフィルタの実装面 であり、接地電極11と入出力電極12A,12Bからな る下面電極パターンを形成している。入出力 電極12A,12Bは、接地電極11から分離して形成し ている。入出力電極12A,12Bは、このマイクロ トリップラインフィルタ100を実装基板に実 する際に、高周波信号入出力端子に接続さ る。接地電極11は共振器のグランド面であり 、実装基板の接地電極に接続される。下面電 極パターンは厚み約12μmの銀電極である。下 電極パターンは、誘電体基板1の下面に、ス クリーンマスクまたはメタルマスクを用いて 非感光性の銀ペーストを塗布し、焼成してな る。

 同図(E)に示す誘電体基板1の左側面には、 側面電極13からなる側面電極パターンを形成 ている。また、同図(F)に示す誘電体基板1の 右側面には、側面電極14からなる側面電極パ ーンを形成している。これらの側面電極パ ーンは厚み約12μm以上の銀電極である。こ ら正面および背面の側面電極パターンは互 に相似する形状である。これは、左側面の 面電極パターンと右側面の側面電極パター との印刷工程を略同一にするためである。 のような形状を採用することで、印刷工程 はこれらの側面電極パターンの左側面およ 右側面の向きや、上面および下面の向きを 列させる必要が無くなる。これらの側面電 パターンは、誘電体基板1の左側面および右 面に、スクリーンマスクまたはメタルマス を用いて非感光性の銀ペーストを塗布し、 成してなる。

 さて、同図(B)に示す上面電極パターンに いて、主面線路6A~6Dは誘電体基板1の背面と 面との境界から、誘電体基板1の正面方向に 延設されている。したがって、これらは、互 いにコムライン結合する4段の1/4波長共振器 構成する。

 引出電極8Aは、誘電体基板1の左側面側か 背面側にかけて屈曲する形状である。引出 極8Aは、誘電体基板1の背面側で、主面線路6 Aに連続する。引出電極8Aは、誘電体基板1の 側面および上面の境界で側面電極13に連続す る。なお、側面電極13は、誘電体基板1の左側 面における上面側で引出電極8Aに連続し、下 側で入出力電極12Aに連続する。これにより 出電極8Aは、入出力電極12Aを主面線路6Aの構 成する共振器にタップ結合させる。

 主面線路6Aは、開放端側電極61Aと短絡端 電極62Aと先端開放電極63Aとを備えている。 放端側電極61Aは、誘電体基板1の正面側が開 され、背面側および左側面側の角で短絡端 電極62Aに連続し、背面側および右側面側の で先端開放電極63Aに連続する長方形状の電 である。先端開放電極63Aは、開放端側電極6 1Aの背面側の端辺から、誘電体基板1の背面側 に延設されていて、先端開放電極63Aの背面側 の端部は開放されている。短絡端側電極62Aは 、正面側で開放端側電極61Aに連続し、中央付 近が引出電極8Aに接続され、誘電体基板1の背 面と上面との境界で側面電極9Aに連続する。 絡端側電極62Aは、開放端側電極61Aよりも線 幅が細く、これにより主面線路6Aはステッ 構造となる。なお、側面電極9Aは、上面側で 短絡端側電極62Aに連続し、下面側の誘電体基 板1の正面と下面との境界で接地電極11に連続 する。これにより主面線路6Aは、誘電体基板1 を介して接地電極11に対向し、側面電極9Aを して接地電極11に導通する。したがって、主 面線路6Aは入力段(または出力段)の1/4波長共 器を構成する。

 主面線路6Bは、開放端側電極61Bと短絡端 電極62Bと先端開放電極63Bとを備えている。 放端側電極61Bは長方形状の電極であり、誘 体基板1の正面側が開放され、背面側の端部 おける右側面側で短絡端側電極62Bに連続し 背面側の端部における左側面側で先端開放 極63Bに連続する。先端開放電極63Bは、開放 側電極61Bの背面側の端辺から、誘電体基板1 の背面側に延設されていて、先端開放電極63B の背面側の端部は開放されている。短絡端側 電極62Bは、正面側で開放端側電極61Bに連続し 、誘電体基板1の背面と上面との境界で側面 極9Bに連続する。短絡端側電極62Bは、開放端 側電極61Bよりも線路幅が細く、これにより主 面線路6Bはステップ構造となる。なお、側面 極9Bは、上面側で短絡端側電極62Bに連続し 下面側の誘電体基板1の正面と下面との境界 接地電極11に連続する。これにより主面線 6Bは、誘電体基板1を介して接地電極11に対向 し、側面電極9Bを介して接地電極11に導通す 。したがって、主面線路6Bは2段目の1/4波長 振器を構成する。

 主面線路6Aの開放端側電極61Aおよび先端 放電極63Aと、主面線路6Bの開放端側電極61Bお よび先端開放電極63Bとは、それぞれ並行し、 所定の間隔の電極非形成部を介して互いに対 向する。これにより、主面線路6Aの構成する 振器と、主面線路6Bの構成する共振器との には開放端側に大きな相互容量が付与され 。また、主面線路6Aの短絡端側電極62Aと、主 面線路6Bの短絡端側電極62Bとは、互いの間に 先端開放電極63Aおよび先端開放電極63Bが介 する。これにより、主面線路6Aの構成する 振器は、主面線路6Bの構成する共振器との間 には短絡端側にはほとんど相互容量が付与さ れない。したがって、これらの共振器間は容 量性結合する。この容量性結合によってマイ クロストリップラインフィルタ100の帯域低域 側に減衰極が立ち下がることになる。

 主面線路6Cは、開放端側電極61Cと短絡端 電極62Cと先端開放電極63Cとを備えている。 面線路6Cは主面線路6Bと相似する形状であり 右側面側および左側面側の向きが逆になっ いる。なお、短絡端側電極62Cは、誘電体基 1の背面と上面との境界で側面電極9Cに連続 る。側面電極9Cは、上面側で短絡端側電極62 Cに連続し、下面側の誘電体基板1の正面と下 との境界で接地電極11に連続する。主面線 6Cは3段目の1/4波長共振器を構成する。

 主面線路6Bの開放端側電極61Bおよび短絡 側電極62Bと、主面線路6Cの開放端側電極61Cお よび短絡端側電極62Cとは、それぞれ並行し、 所定の間隔の電極非形成部を介して互いに対 向する。これにより、主面線路6Bの構成する 振器と、主面線路6Cの構成する共振器との には開放端側から短絡端側にかけて一様に 互容量が付与される。なお、開放端側電極61 B,61Cは、正面側の端部が後述する先端容量電 7B,7Cに対向する。先端容量電極7B,7Cは、側面 電極10B,10Cを介して接地電極11に連続する。し たがって開放端側電極61B,61Cには先端容量が 加される。これらの先端容量は共振器にお る浮遊容量として作用し、これらの共振器 は誘導性結合する。この誘導性結合によっ マイクロストリップラインフィルタ100の帯 高域側に減衰極が立ち下がることになる。

 主面線路6Dは、開放端側電極61Dと短絡端 電極62Dと先端開放電極63Dとを備えている。 面線路6Dは主面線路6Aと相似する形状であり 右側面側および左側面側の向きが逆になっ いる。なお、短絡端側電極62Dは、中央付近 引出電極8Bに接続され、誘電体基板1の背面 上面との境界で側面電極9Dに連続する。ま 、側面電極9Dは、上面側で短絡端側電極62Dに 連続し、下面側の誘電体基板1の正面と下面 の境界で接地電極11に連続する。したがって 、主面線路6Dは出力段(または入力段)の1/4波 共振器を構成する。この主面線路6Dと、上記 主面線路6Cとは容量性結合する共振器対を構 する。この容量性結合によってマイクロス リップラインフィルタ100の帯域低域側には2 つ目の減衰極が立ち下がることになる。

 引出電極8Bは、引出電極8Aと相似する形状 であり、右側面側および左側面側の向きが逆 になっている。引出電極8Bは、誘電体基板1の 背面側で、主面線路6Dに連続する。引出電極8 Bは、誘電体基板1の右側面および上面の境界 側面電極14に連続する。なお、側面電極14は 、誘電体基板1の右側面における上面側で引 電極8Bに連続し、下面側で入出力電極12Bに連 続する。これにより引出電極8Bは、入出力電 12Bを主面線路6Dの構成する共振器にタップ 合させる。

 先端容量電極7A~7Dは、互いに相似する形 であり、誘電体基板1の正面と上面との境界 側面電極10A~10Dに連続し、背面側の先端を開 放している。先端容量電極7A~7Dは、それぞれ 面線路6A~6Dの開放端から一定間隔だけ離し いる。これにより、先端容量電極7A~7Dは先端 容量を主面線路6A~6Dに付与する。先端容量の きさは、先端容量電極7A~7Dと主面線路6A~6Dと の間の間隔寸法と対向長さとにより定まり、 これらの調整によって周波数特性の調整が可 能となる。

 先端容量電極7B,7Cは、先端部の全体が主 線路6B,6Cに対向する。したがって、先端容量 電極7B,7Cによって主面線路6B,6Cに付与される 端容量は極めて大きく、主面線路6B,6C間の結 合が誘導性にバイアスされる。

 一方、先端容量電極7A,7Dの図中左右方向 中心は、主面線路6A,6Dの図中左右方向の中心 から大きくずれていて、先端容量電極7A,7Dの 端部の一部のみが主面線路6A,6Dに対向する したがって、先端容量電極7A,7Dによって主面 線路6A,6Dに付与される先端容量は極めて小さ 、主面線路6A,6B間の開放端側の相互容量お び主面線路6C,6D間の開放端側の相互容量によ って、主面線路6A,6B間の結合および主面線路6 C,6D間の結合は容量性にバイアスされたまま なる。

 なお、先端容量電極7A,7Dおよび側面電極10 A,10Dは必ずしも設ける必要は無い。しかし、 面電極パターンを相似形にするために側面 極10A,10Dを設ける場合には、先端容量電極7A, 7Dを設けたほうが好適である。例えば、先端 量電極7A,7Dを設けずに側面電極10A,10Dのみを けた場合には、側面電極10A,10Dによって主面 線路6A,6Dに先端容量が付与されることになる この先端容量は誘電体基板のカット誤差等 よってばらつきが生じ易く、マイクロスト ップラインフィルタ100の周波数特性の安定 に影響を及ぼす危険性がある。一方、先端 量電極7A,7Dを設けた場合には、誘電体基板 カット誤差があっても、先端容量電極7A,7Dに よって主面線路6A,6Dに付与される先端容量は 定し、マイクロストリップラインフィルタ1 00の周波数特性の安定性に寄与する。

 以上に示した構造によって、マイクロス リップラインフィルタ100は4段の共振器を備 えるフィルタを構成する。具体的には、入出 力電極12Aは、主面線路6Aの構成する共振器に ップ結合する。主面線路6Aの構成する共振 は、主面線路6Bの構成する共振器と容量性結 合する。主面線路6Bの構成する共振器は、主 線路6Cの構成する共振器と誘導性結合する 主面線路6Cの構成する共振器は、主面線路6D 構成する共振器と容量性結合する。入出力 極12Bは、主面線路6Dの構成する共振器にタ プ結合する。

 隣り合う共振器間の容量性結合を考える 合、共振器間の中央に電気壁が存在するよ な奇(odd)モードと、共振器間の中央に磁気 が存在するような偶(even)モードとでの、共 周波数の差を考える必要がある。主面線路6A ~6Dをステップ構造とすることにより、各主面 線路における奇(odd)モードの共振周波数より 、偶(even)モードの共振周波数が低くなる。 のことにより、奇(odd)モードの共振周波数 りも、偶(even)モードの共振周波数が大きく り、より強い容量性結合が得られる。

 そして、各主面線路6A~6Dの先端開放電極63 A~63Dによっても、共振器間の容量性結合が強 られる。先端開放電極63A,63Bを設けたことに よって、奇(odd)モードの共振器長は極めて長 なり、奇(odd)モードの共振周波数は著しく くなる。一方、偶(even)モードの共振器長も 干長くなるが、その伸長の程度は小さく、 (even)モードの共振周波数は微小にしか低く らない。したがって、奇(odd)モードの共振周 波数よりも、偶(even)モードの共振周波数が大 きくなり、より強い容量性結合が得られる。

 また、各主面線路6A~6Dにおける開放端側 極61A~61Dの背面側の端部に、それぞれ一つの 絡端側電極62A~62Dと一つの先端開放電極63A~63 Dとを連続させているので、それぞれの線路 を開放端側電極61A~61Dの線路幅の半分より若 細い程度で形成でき、上面電極パターンの 細度を緩和できる。

 例えば、上述した特許文献1に記載された マイクロストリップラインフィルタでは、ス テップ部分の片側の幅は、開放端側の線路幅 と短絡端側の線路幅の差分の半分の寸法であ った。

 しかしながら本構成では、ステップ部分 片側の幅である、短絡端側電極62Aと先端開 電極63Aとの間の間隙寸法と先端開放電極63A 線路幅とを加えた値を、開放端側電極61Aの 路幅から短絡端側電極62Aの線路幅を減じた のの半分より大きく形成する事が可能にな 。さらには、開放端側電極61Aの線路幅の1/2 より大きく形成する事さえ可能になる。し がって、上面電極パターンの微細度を緩和 きる。

 なお、誘電体基板1の上面に設けた上面電 極パターンは、その形状精度によってマイク ロストリップラインフィルタの周波数特性に 大きな影響を及ぼすため、ここでは、フォト リソグラフィプロセスによりできるかぎり電 極精度を改善して形成している。

 また、側面電極パターンの電極厚みを上 電極パターンの電極厚みよりは厚いものに ているので、一般に電流集中が生じる接地 側の部位での電流を分散させ、導体ロスを 減させている。この構成によって、このマ クロストリップラインフィルタは挿入損失 小さい素子になっている。

 次に、マイクロストリップラインフィル の周波数特性をシミュレーションにより確 した例を示す。

 図3(A)は、シミュレーションに用いたマイ クロストリップラインフィルタ101の各部寸法 を説明する図である。なお、同図において、 上述のマイクロストリップラインフィルタ100 の同様な構成には同一の符号を付している。 また同図中に示す寸法は単位がμm(マイクロ ートル)である。同図(B)は、シミュレーショ によって得られたマイクロストリップライ フィルタ101の周波数特性を示すグラフであ 。同グラフ中に示す破線はマイクロストリ プラインフィルタ101のS11特性を示す。図中 示す実線は、マイクロストリップラインフ ルタ101のS21特性を示す。

 マイクロストリップラインフィルタ101のS 21特性に注目すると、マイクロストリップラ ンフィルタ101は約5100MHz~約5900MHzにわたって 入損失が約-2dBの通過帯域を実現している。 また、通過帯域の低域側である約4200MHz~約4800 MHz付近に2つの減衰極が位置し、4600GHz以下で 減衰量が約-40dB以下になっている。

 本構成では、先端開放電極63A,63Bによって 、主面線路6A,6Bの共振器対の容量性結合が強 られ、先端開放電極63C,63Dによって、主面線 路6C,6Dの共振器対の容量性結合が強められて る。したがって、通過帯域の低域側の2つの 減衰極は、減衰量が約-40dB以下と深く立ち下 っている。また、主面線路6B,6Cの共振器対 誘導性結合することにより、通過帯域の高 側が比較的急峻に立ち下がっている。

 なお、上記した構成例での主面線路や側 電極の配置位置や形状は製品仕様に応じた のであり、製品仕様に応じたどのような配 位置や形状であっても良い。本発明は上記 成以外であっても適用でき、多様なフィル 素子のパターン形状に採用できる。また、 のフィルタ素子に、他の構成(高周波回路) さらに配しても良い。