衛藤 馨子 (〒44 東京都中央区日本橋小網町19-12 日清フーズ株式会社 開発センター 食品研究所内 Tokyo, 10385, JP)
TAGAMI, Yuji (Food Research & Development Center 19-12, Koami-cho, Nihonbashi, Chuo-k, Tokyo 44, 10385, JP)
日清フーズ株式会社 (〒41 東京都千代田区神田錦町1丁目25番地 Tokyo, 10184, JP)
ETO, Keiko (Food Research & Development Center 19-12, Koami-cho, Nihonbashi, Chuo-k, Tokyo 44, 10385, JP)
衛藤 馨子 (〒44 東京都中央区日本橋小網町19-12 日清フーズ株式会社 開発センター 食品研究所内 Tokyo, 10385, JP)
| 澱粉と乳蛋白とを含有することを特徴とするベーカリー食品用ミックス。 |
| さらに乳化剤を含有する請求の範囲第1項記載のベーカリー食品用ミックス。 |
| 前記乳蛋白が、カゼインまたはカゼイン塩である請求の範囲第1項または第2項記載のベーカリー食品用ミックス。 |
| 前記澱粉が、コーン、小麦、馬鈴薯、米、タピオカのいずれかを原料とする澱粉である請求の範囲第1~3項のいずれかに記載のベーカリー食品用ミックス。 |
| 請求の範囲第1~4項のいずれかに記載のベーカリー食品用ミックスを用いて製造されたことを特徴とするベーカリー食品。 |
| ベーカリー食品が、鯛焼き、ホットケーキまたはワッフルである請求の範囲第5項記載のベーカリー食品。 |
本発明は、サクサクした食感のベーカリ 食品が得られるベーカリー食品用ミックス よび該ミックスを用いて製造されたベーカ ー食品に関する。本発明のベーカリー食品 ミックスは、特に鯛焼き用、ホットケーキ またはワッフル用ミックスとして好適なも である。
鯛焼きや、今川焼き、大判焼き、どら焼 、ワッフルなどのベーカリー食品は、小麦 を主成分とする皮で餡やクリームなどの具 を包んだ食品である。これらのうち、鯛焼 や、今川焼き、大判焼きは、皮がサクサク た食感で香ばしい風味のものが好まれる。 来品は、焼き立て時は皮が比較的サクサク た食感で香ばしいが、十分に満足し得るも ではなく、また時間の経過とともに食感お び風味が低下してしまう。
特許文献1には、冷凍やチルド保存しても 、電子レンジで加熱して温めると、皮の表面 がサクッとした焼き立てのような食感を呈す る鯛焼き様食品として、卵殻粉末と融点が40 以上である油脂を添加した皮からなる鯛焼 様食品が提案されている。しかし、この特 文献1に記載の技術は、冷凍やチルド保存に よる鯛焼き様食品の食感の低下を防止するも のであり、焼き立て時における食感を改善す るものではない。
特許文献2には、α化架橋澱粉と未架橋の 化澱粉との澱粉混合物100重量部と、膨張剤 してカゼイン0.1~20重量部とを含むシュー皮 ミックス粉が記載されている。しかし、こ 特許文献2に記載の技術は、製造工程の簡略 、シュー皮の生産効率向上のための技術で り、シュー皮の食感などを改善するもので ない。
また、特許文献3には、卵と小麦粉を用い ることなく、簡単な工程でシュー皮などの膨 化食品を製造できる膨化食品用生地として、 澱粉質原料100重量部と、乳加工品10~150重量部 とを含有する膨化食品用生地が記載されてい る。しかし、この膨化食品用生地から製造さ れるシュー皮は、ソフトな食感のものであり 、サクサクした食感のものではない。
本発明の目的は、サクサクした食感のベ カリー食品を得ることができ、焼き立て時 食感および風味を長時間保持することがで るベーカリー食品用ミックスを提供するこ にある。
本発明は、澱粉と乳蛋白とを含有するこ を特徴とするベーカリー食品用ミックスを 供することにより、上記目的を達成したも である。
本発明のベーカリー食品用ミックスによ ば、サクサクした食感のベーカリー食品を ることができ、この焼き立て時のサクサク た食感および風味を長時間保持することが きる。
本発明で用いられる乳蛋白としては、特 制限されるものではなく、例えば、カゼイ 、カゼイン塩(カゼインナトリウム、カゼイ ンカルシウムなど)、α-ラクトグロブリン、β -ラクトグロブリン、血清アルブミンなどが げられる。本発明では、該乳蛋白として、 蛋白を含有する食材、例えば、全粉乳、脱 粉乳、ホエイパウダーなどを用いることも きる。この乳蛋白を含有する食材としては 乳蛋白を5質量%以上含有する食材を用いるこ とが好ましい。本発明では、これらの乳蛋白 または乳蛋白を含有する食材の中から選ばれ た1種以上を用いることができる。
上記乳蛋白の含有量は、本発明のベーカ ー食品用ミックス中、0.1~10質量%が好ましく 、0.2~3質量%がより好ましい。上記乳蛋白の含 有量が少なすぎると、サクサク感に欠け、引 きの強い食感となりやすい。また上記乳蛋白 の含有量が多すぎると、食感が軽くなりすぎ 、また、コスト面からも好ましくない。尚、 乳蛋白として、乳蛋白を含有する食材を用い る場合は、該食材に含まれる乳蛋白の量が上 記範囲内となるような量の食材を配合する必 要がある。
本発明で用いられる澱粉としては、特に 限されるものではなく、例えば、コーン、 麦、馬鈴薯、米、タピオカ、甘藷、ワキシ コーン、ハイアミロースコーン、糯米、大 、緑豆、サゴ、こうりゃんなどを原料とす 穀粉または澱粉、これら澱粉をα化、アセ ル化、エーテル化、架橋化などのいずれか 以上の処理を施した加工または化工澱粉を いることができる。これらの澱粉のなかで 、特に、コーン、小麦、馬鈴薯、米、タピ カのいずれかを原料とする澱粉が好ましい 本発明では、これらの澱粉の中から選ばれ 1種以上を用いることができる。
上記澱粉の含有量は、本発明のベーカリ 食品用ミックス中、30~95質量%が好ましく、4 0~90質量%がより好ましい。上記澱粉の含有量 少なすぎると、サクサク感に欠け、引きの い食感となる。また上記澱粉の含有量が多 ぎると、風味に欠け、味わいが物足りない のとなる。
本発明のベーカリー食品用ミックスは、上
の乳蛋白および澱粉に加えて、さらに乳化
を含有することが好ましい。斯かる乳化剤
しては、グリセリン脂肪酸エステル、グリ
リンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グ
セリンコハク酸脂肪酸エステル、プロピレ
グリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステ
ロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸
トリウム、ポリソルベートなどが挙げられ
これらの乳化剤の中から選ばれた1種または
2種以上を用いることができる。
これらのなかでも、特にグリセリン脂肪酸
ステルおよび/またはプロピレングリコール
脂肪酸エステルを用いることが好ましく、グ
リセリン脂肪酸エステルおよびプロピレング
リコール脂肪酸エステルを併用することがよ
り好ましい。
上記乳化剤の含有量は、本発明のベーカリ
食品用ミックス中、0.01~5質量%が好ましく、
0.2~2質量%がより好ましい。上記乳化剤を含有
させることにより、ホットウォーマーなどの
保温器に数時間保管しても、食感が劣化する
ことなく、焼き立て時のサクサクした食感を
維持するベーカリー食品を得ることができる
。
また、本発明のベーカリー食品用ミックス
、上記の乳蛋白および澱粉に加えて、さら
油脂を含有することが好ましい。斯かる油
としては、菜種油、大豆油、ごま油、コー
油、パーム油、ひまわり油、紅花油、ショ
トニング、バター、カカオ脂、ラード、ヘ
ト、オリーブ油などが挙げられ、特に菜種
、大豆油、パーム油、ショートニングが好
しい。
これら油脂の含有量は、本発明のベーカリ
食品用ミックス中、1~15質量%が好ましく、3~
10質量%がより好ましい。これら油脂を1~15質
%含有させることにより、よりサクサクとし
好ましい食感のベーカリー食品用ミックス
得ることができる。
本発明のベーカリー食品用ミックスは、 焼き、お好み焼き、たこ焼き、ホットケー 、アメリカンドッグ、ワッフル、どら焼き ピザ、クレープ、ドーナツなどのベーカリ 食品の製造に用いることができ、特に鯛焼 用、ホットケーキ用またはワッフル用ミッ スとして好適なものである。尚、本発明で う鯛焼きは、今川焼きや大判焼きを含む概 である。
本発明のベーカリー食品用ミックスには、
ーカリー食品の種類に応じて、該ベーカリ
食品に従来用いられている原材料や添加物
例えば、小麦粉、その他の穀粉類、大豆蛋
、小麦蛋白、卵粉末、食物繊維、膨張剤、
粘剤(ペクチン、カラギーナン、キサンタン
ガム、グアーガム、ローカストビーンガムな
ど)、食塩、糖類、甘味料、香辛料、調味料
ビタミン類、ミネラル類、色素、香料など
適宜含有させることができ、これらの原材
や添加物の中から適宜選択して、目的のベ
カリー食品に対応した配合のミックスとす
ことが好ましい。
例えば、本発明のベーカリー食品用ミック
を、鯛焼き用ミックス、ホットケーキ用ミ
クスまたはワッフル用ミックスとする場合
好ましい配合例の一例を次に示す。
〔鯛焼き用ミックスの好ましい配合例〕
薄力粉 0~60質量部
澱粉 30~90質量部
糖類 3~15質量部
油脂 1~15質量部
カゼインNa 0.1~10質量部
グリセリン脂肪酸エステル 0.5~1質量部
〔ホットケーキ用ミックスの好ましい配合
〕
薄力粉 0~60質量部
強力粉 0~20質量部
澱粉 30~50質量部
糖類 10~30質量部
油脂 1~5質量部
膨張剤 1~5質量部
カゼインNa 0.1~5質量部
グリセリン脂肪酸エステル 0.8~1.5質量部
香料 0.1質量部
〔ワッフル用ミックスの好ましい配合例〕
薄力粉 10~40質量部
強力粉 5~30質量部
澱粉 30~60質量部
油脂 1~20質量部
糖類 1~20質量部
膨張剤 0.5~5質量部
カゼインNa 0.1~5質量部
グリセリン脂肪酸エステル 0.2~0.8質量部
本発明のベーカリー食品用ミックスは、 ミックスを用いる以外は、従来のベーカリ 食品用ミックスを用いたベーカリー食品の 造方法と同様の方法により、ベーカリー食 を製造することができる。即ち、目的のベ カリー食品の種類に応じた常法に従って、 発明のベーカリー食品用ミックスに、水ま は牛乳の他、必要に応じて、卵、油脂、糖 、乳製品、乳化剤、イースト、チョコレー 、ココア、果汁などを適宜加えて混合し、 成すればよい。本発明のベーカリー食品用 ックスへの加水量は、目的のベーカリー食 の種類などにより適宜決められ、例えば、 焼き用ミックスの場合、該ミックス100質量 に対し、水50~200質量部が好ましく、水80~150 量部がより好ましい。また、ホットケーキ ミックスの場合は、該ミックス100質量部に し、水30~150質量部が好ましく、水50~80質量 がより好ましく、またワッフル用ミックス 場合は、該ミックス100質量部に対し、水60~15 0質量部が好ましく、水80~120質量部がより好 しい。
本発明のベーカリー食品用ミックスを用 て鯛焼きを製造する場合、具材としては、 限されるものではなく、従来用いられてい 具材を用いることができ、例えば、餡、ク ーム、ジャム、チョコレート、チーズ、ア スクリーム、マロンペースト、サツマイモ ースト、カレー、もちなどを用いることが きる。
本発明のベーカリー食品用ミックスを用 て製造された本発明のベーカリー食品は、 クサクした食感を長時間保持し、また冷凍 存または冷蔵保存しても、サクサクした食 を保持している。冷凍は、常法により行う とができ、急速冷凍でも緩慢冷凍でもよい 、好ましくは急速冷凍である。冷凍された 発明のベーカリー食品の解凍方法としては 特に制限されるものではなく、例えば、自 解凍、チルド解凍、電子レンジ解凍、袋な に包装した状態で流水あるいは水に漬けて 凍する方法などが挙げられ、いずれの方法 もよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発 をさらに具体的に説明するが、本発明は以 の実施例などによって何ら限定されるもの はない。
実施例1~13および比較例1~4
表1~5に示す配合により鯛焼き用ミックスを
れぞれ調製した。
評価試験例1
実施例1~13および比較例1~4で調製した鯛焼き
用ミックスを用いて、下記の方法により鯛焼
きをそれぞれ製造した。
(鯛焼きの製造方法)
鯛焼き用ミックス100質量部および水110質量
を混合し、これを鯛焼き機にて180℃で6分焼
成し、鯛焼きを得た。
得られた鯛焼きについて、食感を下記の評
基準により評価した。その評価結果(10名の
ネラーの平均点)を表1~5に示す。
(鯛焼きの食感の評価基準)
5点:非常にサクサクしている
4点:ややサクサクしている
3点:普通
2点:やや引きを感じる
1点:引きを強く感じる
実施例14~16および比較例5
表6に示す配合によりホットケーキ用ミック
スをそれぞれ調製した。
評価試験例2
実施例14~16および比較例5で調製したホット
ーキ用ミックスを用いて、下記の方法によ
ホットケーキをそれぞれ製造した。
(ホットケーキの製造方法)
ホットケーキ用ミックス100質量部、水60質
部および卵25質量部を混合し、これを185℃の
鉄板にて表3分、裏3分焼成し、ホットケーキ
得た。
得られたホットケーキについて、食感を 記の評価基準により評価した。その評価結 (10名のパネラーの平均点)を表6に示す。
(ホットケーキの食感の評価基準)
5点:表面が非常にサクサクしている
4点:表面がややサクサクしている
3点:普通
2点:やや引きを感じる
1点:引きを強く感じる
実施例17~19および比較例6
表7に示す配合によりワッフル用ミックスを
それぞれ調製した。
評価試験例3
実施例17~19および比較例6で調製したワッフ
用ミックスを用いて、下記の方法によりワ
フルをそれぞれ製造した。
(ワッフルの製造方法)
ワッフル用ミックス100質量部、水100質量部
よび卵20質量部を混合し、これをワッフル
ーカーにて180℃で5分焼成し、ワッフルを得
。
得られたワッフルについて、食感を下記 評価基準により評価した。その評価結果(10 のパネラーの平均点)を表7に示す。
(ワッフルの食感の評価基準)
5点:表面が非常にサクサクしている
4点:表面がややサクサクしている
3点:普通
2点:やや引きを感じる
1点:引きを強く感じる
実施例20~24
表8に示す配合により鯛焼き用ミックスをそ
れぞれ調製した。
評価試験例4
実施例20~24で調製した鯛焼き用ミックスを
いて、下記の方法により鯛焼きをそれぞれ
造した。
(鯛焼きの製造方法)
鯛焼き用ミックス100質量部および水110質量
を混合し、これを鯛焼き機にて180℃で6分焼
成し、鯛焼きを得た。
得られた鯛焼きについて、65℃設定ホッ ウォーマーへ2時間保管した時の食感を下記 評価基準により評価した。その評価結果(10 のパネラーの平均点)を表8に示す。
(鯛焼きの食感の評価基準)
5点:非常にサクサクしている
4点:ややサクサクしている
3点:普通
2点:やや引きを感じる
1点:引きを強く感じる
