井川 智之 (〒13 静岡県御殿場市駒門1丁目135番地 中外製薬株式会社内 Shizuoka, 4128513, JP)
中外製薬株式会社 (〒43 東京都北区浮間5丁目5番1号 Tokyo, 1158543, JP)
IGAWA, Tomoyuki (135 Komakado 1-chome, Gotenba-sh, Shizuoka 13, 4128513, JP)
| 以下の(a)~(c)いずれかに記載のヒト抗体定常領域; (a) 配列番号:1に記載のアミノ酸配列において、329番目(EUナンバリング446番目)のGlyと330番目(EUナンバリング447番目)のLysが両方欠損していることを特徴とする、ヒト抗体定常領域、 (b) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、325番目(EUナンバリング446番目)のGlyと326番目(EUナンバリング447番目)のLysが両方欠損していることを特徴とする、ヒト抗体定常領域、 (c) 配列番号:3に記載のアミノ酸配列において、326番目(EUナンバリング446番目)のGlyと327番目(EUナンバリング447番目)のLysが両方欠損していることを特徴とする、ヒト抗体定常領域。 |
| 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、209番目(EUナンバリング330番目)、210番目(EUナンバリング331番目)および218番目(EUナンバリング339番目)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたIgG2定常領域。 |
| 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、276番目(EUナンバリング397番目)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたIgG2定常領域。 |
| 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、14番目(EUナンバリング131番目)、102番目(EUナンバリング219番目)、および/または16番目(EUナンバリング133番目)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたIgG2定常領域。 |
| 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、20番目(EUナンバリング137番目)および21番目(EUナンバリング138番目)のアミノ酸がさらに他のアミノ酸に置換されていることを特徴とする、請求項4に記載のIgG2定常領域。 |
| 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、147番目(EUナンバリングの268番目)のHis、234番目(EUナンバリングの355番目)のArgおよび/または298番目(EUナンバリングの419番目)のGlnが他のアミノ酸に置換されたIgG2定常領域。 |
| 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、209番目(EUナンバリング330番目)、210番目(EUナンバリング331番目)、218番目(EUナンバリング339番目)、276番目(EUナンバリング397番目)、14番目(EUナンバリング131番目)、16番目(EUナンバリング133番目)、102番目(EUナンバリング219番目)、20番目(EUナンバリング137番目)および21番目(EUナンバリング138番目)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有するIgG2定常領域。 |
| 請求項7に記載のIgG2定常領域において、さらに325番目(EUナンバリング446番目)のGlyおよび326番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠損したアミノ酸配列を有するIgG2定常領域。 |
| 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、276番目(EUナンバリング397番目)、14番目(EUナンバリング131番目)、16番目(EUナンバリング133番目)、102番目(EUナンバリング219番目)、20番目(EUナンバリング137番目)および21番目(EUナンバリング138番目)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有するIgG2定常領域。 |
| 請求項9に記載のIgG2定常領域において、さらに325番目(EUナンバリング446番目)のGlyおよび326番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠損したアミノ酸配列を有するIgG2定常領域。 |
| 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、14番目(EUナンバリング131番目)のCys、16番目(EUナンバリング133番目)のArg、102番目(EUナンバリング219番目)のCys、20番目(EUナンバリング137番目)のGlu、21番目(EUナンバリング138番目)のSer、147番目(EUナンバリング268番目)のHis、234番目(EUナンバリング355番目)のArgおよび298番目(EUナンバリング419番目)のGlnが他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有するIgG2定常領域。 |
| 請求項11に記載のIgG2定常領域において、さらに325番目(EUナンバリング446番目)のGlyおよび326番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠損したアミノ酸配列を有するIgG2定常領域。 |
| 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、14番目(EUナンバリング131番目)のCys、16番目(EUナンバリング133番目)のArg、102番目(EUナンバリング219番目)のCys、20番目(EUナンバリング137番目)のGlu、21番目(EUナンバリング138番目)のSer、147番目(EUナンバリング268番目)のHis、234番目(EUナンバリング355番目)のArg、298番目(EUナンバリング419番目)のGln、および313番目(EUナンバリング434番目)のAsnが他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有するIgG2定常領域。 |
| 請求項13に記載のIgG2定常領域において、さらに325番目(EUナンバリング446番目)のGlyおよび326番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠損したアミノ酸配列を有するIgG2定常領域。 |
| 配列番号:3に記載のアミノ酸配列において、289番目(EUナンバリング409番目)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されていることを特徴とするIgG4定常領域。 |
| 配列番号:3に記載のアミノ酸配列において、14番目、16番目、20番目、21番目、97番目、100番目、102番目、103番目、104番目、105番目(EUナンバリング131,133,137,138,214,217,219,220,221,222番目)、113番目、114番目、115番目(EUナンバリング233,234,235番目)および289番目(EUナンバリング409)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換され、かつ116番目(EUナンバリング236番目)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列を有するIgG4定常領域。 |
| 請求項16に記載のIgG4定常領域において、さらに326番目(EUナンバリング446番目)のGlyと327番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠失したIgG4定常領域。 |
| 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、209番目(EUナンバリングの330番目)のAla、210番目(EUナンバリングの331番目)のPro、218番目(EUナンバリングの339番目)のThr、14番目(EUナンバリングの131番目)のCys、16番目(EUナンバリングの133番目)のArg、102番目(EUナンバリングの219番目)のCys、20番目(EUナンバリングの137番目)のGlu、21番目(EUナンバリングの138番目)のSerが他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有するIgG2定常領域。 |
| 請求項18に記載のIgG2定常領域において、さらに325番目(EUナンバリング446番目)のGlyおよび326番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠損したアミノ酸配列を有するIgG2定常領域。 |
| 配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、14番目(EUナンバリング131)のCys、16番目(EUナンバリング133)のArg、102番目(EUナンバリング219)のCys、20番目(EUナンバリング137)のGlu、21番目の(EUナンバリング138)のSerが他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有するIgG2定常領域。 |
| 請求項20に記載のIgG2定常領域において、さらに325番目(EUナンバリング446番目)のGlyおよび326番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠損したアミノ酸配列を有するIgG2定常領域。 |
| 配列番号:5に記載のアミノ酸配列を有するヒト抗体定常領域。 |
| 配列番号:7に記載のアミノ酸配列を有するヒト抗体定常領域。 |
| 配列番号:9に記載のアミノ酸配列を有するヒト抗体定常領域。 |
| 配列番号:35に記載のアミノ酸配列を有するヒト抗体定常領域。 |
| 配列番号:36に記載のアミノ酸配列を有するヒト抗体定常領域。 |
| 配列番号:37に記載のアミノ酸配列を有するヒト抗体定常領域。 |
| 配列番号:43に記載のアミノ酸配列を有するヒト抗体定常領域。 |
| 配列番号:57(M40δGK)に記載のアミノ酸配列を有するヒト抗体定常領域。 |
| 配列番号:55(M86)に記載のアミノ酸配列を有するヒト抗体定常領域。 |
| 請求項1~30いずれかに記載の定常領域を有する抗体。 |
| 請求項1~30いずれかに記載の定常領域を有する抗IL-6レセプター抗体。 |
| 請求項1~30いずれかに記載の定常領域を有する抗体を含む医薬組成物。 |
本発明は、物性(安定性、ヘテロジェニテ ィー)、免疫原性(抗原性)、安全性、および/ たは、血漿中半減期が改善された抗体定常 域および該定常領域を含む抗体に関する。
抗体は血漿中(血中)での安定性が高く、 作用も少ないことから医薬品として注目さ ている。中でもIgG型の抗体医薬は多数上市 れており、現在も数多くの抗体医薬が開発 れている(非特許文献1、非特許文献2)。
現在上市されている抗体医薬のほとんど IgG1サブクラスの抗体である。IgG1タイプの 体はFcγレセプターに結合可能であり、ADCC活 性を発揮することが可能であり、抗ガン抗体 医薬の場合は有用であると考えられている。 しかし、抗原の生物学的作用を中和すること が目的の抗体医薬においてはFc領域のADCC等の エフェクター機能に重要なFcγレセプターへ 結合は不要な副作用を惹起する可能性があ ことから排除することが望ましい(非特許文 3)。さらに、Fcγレセプターは抗原提示細胞 発現していることから、Fcγレセプターに結 合する分子は抗原提示されやすくなり、IgG1 Fc部分にタンパク質やペプチドを結合するこ とによって免疫原性が増強する(させること 可能である)ことが報告されている(非特許文 献4、特許文献1)。またTGN1412のPhaseI臨床試験 見られた重大な副作用の原因の一つとして 抗体のFc部分とFcγレセプターの相互作用が えられている(非特許文献5)。このように、 作用や免疫原性の点から考えると、抗原の 物学的作用を中和することが目的の抗体医 においてはFcγレセプターへの結合は好まし ないと考えられる。
Fcγレセプターへの結合を完全に無くすこ とは出来ないが低下させる方法としては、IgG 抗体のサブタイプをIgG1からIgG2あるいはIgG4に 変える方法が考えられる(非特許文献6)。Fcγ セプターへの結合を完全に無くす方法とし は、人工的な改変をFc領域に導入する方法が 報告されている。例えば、抗CD3抗体や抗CD4抗 体は抗体のエフェクター機能が副作用を惹起 する。そこで、Fc領域のFcγレセプター結合部 分に野生型配列には存在しないアミノ酸変異 (非特許文献3、7)を導入したFcγレセプター非 合型の抗CD3抗体や抗CD4抗体の臨床試験が現 行われている(非特許文献5、8)。また、IgG1 FcγR結合部位(EUナンバリング:233、234、235、23 6、327、330、331番目)をIgG2およびIgG4の配列に ることでFcγレセプター非結合型抗体を作製 ることが可能である(非特許文献9、特許文 2)。しかしながら、これらの分子はいずれも 天然には存在しないT-cellエピトープペプチド となりうる9~12アミノ酸の新しいペプチド配 が出現しており、免疫原性のリスクが考え れる。このような課題を解決したFcγレセプ ー非結合型抗体の報告はこれまでにない。
一方、抗体を医薬品として開発するにあた
、そのタンパク質の物性、中でも均一性と
定性は極めて重要である。IgG2のサブタイプ
は、ヒンジ領域のジスルフィド結合に由来す
るヘテロジェニティーが報告されている(非
許文献10、特許文献3)。これに由来する目的
質/関連物質のヘテロジェニティーの製造間
差を維持しつつ医薬品として大量に製造する
ことは難しい。医薬品として開発する抗体分
子は、可能な限り単一物質であることが望ま
れる。
また、IgG2およびIgG4は酸性条件下での安定
に乏しい。一般にIgGタイプの抗体はプロテ
ンAを用いた精製工程およびウィルス不活化
程において酸性条件下に暴露されることか
、IgG2およびIgG4は同工程においては安定性
関して注意が必要であり、医薬品として開
する抗体分子は望ましくは酸性条件下にお
ても安定であったほうがよい。天然型のIgG2
よびIgG4、および、IgG2およびIgG4をベースに
たFcγレセプター非結合型抗体(非特許文献6
7、特許文献2)においては、これらの課題が
り、医薬品として開発する上では解決され
ことが望まれる。
IgG1タイプの抗体は酸性条件下で比較的安定
であり、ヒンジ領域のジスルフィド結合に由
来するヘテロジェニティーも少ないが、製剤
保存中にヒンジ領域のペプチド結合が非酵素
的に溶液中で分解が進行し、不純物としてFab
断片が生成することが報告されている(非特
文献11)。医薬品として開発するには不純物
生成は解決されることが望ましい。
また、抗体のC末端配列のヘテロジェニティ
ーとして、C末端アミノ酸のリジン残基の欠
、および、C末端の2アミノ酸のグリシン、リ
ジンの欠損によるC末端アミノ基のアミド化
報告されており(非特許文献12)、医薬品とし
開発する上にはこれらのヘテロジェニティ
は存在しないことが望ましい。
このように抗原を中和することが目的の抗
医薬の定常領域は、これらの課題を全て解
した定常領域配列が望ましいが、これらの
件を全て満たす定常領域の報告はこれまで
ない。
また抗体医薬の投与形態については、慢 的な自己免疫疾患などの場合は皮下投与製 が望ましいとされている。持続的な治療効 を発揮できるよう抗体の血漿中半減期を長 することで投与タンパク量を少なくし、高 度製剤が可能な程度に高い安定性を付与す ことによって、長い投与間隔での皮下投与 可能にし、低コスト且つ利便性の高い抗体 薬を提供することができると考えられる。
一般的に皮下投与製剤は高濃度製剤であ 必要があるのに対して、IgGタイプの抗体製 の場合、安定性等の点から一般的には100mg/m L程度の製剤が限度であると考えられており( 特許文献13)、高濃度での安定性の確保が課 であった。しかしながら、これまでに定常 域にアミノ酸置換を導入することによって 濃度におけるIgGの安定性を改善させた報告 ない。抗体の血漿中半減期を長くする方法 して、定常領域のアミノ酸置換が報告され いる(非特許文献14、非特許文献15)が、免疫 性リスクの観点から定常領域に天然に存在 ない配列を導入することは好ましくない。
このように抗原を中和することが目的の抗
医薬の定常領域は、これらの課題を全て解
した定常領域配列が望ましいが、これらの
件を満たす定常領域の報告はこれまでにな
。従って、これらの課題を改善させた抗体
定常領域が望まれていた。
尚、本出願の発明に関連する先行技術文献
報を以下に示す。
本発明はこのような状況に鑑みて為され ものであり、その目的は、抗体定常領域の ミノ酸を改変することにより、物性(安定性 および均一性)、免疫原性、安全性、且つ、 物動態を改善(血漿中(血中)滞留性を改善)さ た抗体定常領域を提供することにある。
本発明者らは、抗体の定常領域のアミノ 配列を改変することで、物性(安定性および 均一性)、免疫原性、安全性、且つ、薬物動 が改善された抗体定常領域の創製に向けて 鋭意研究を行った。その結果、本発明者ら 、抗体の定常領域において、酸性条件下で 安定性、ヒンジ領域のジスルフィドに由来 るヘテロジェニティー、H鎖C末端に由来する ヘテロジェニティー、高濃度製剤における安 定性を改善させることに成功し、さらに新し いT-cellエピトープペプチドの出現を最小限に しつつ、Fcγレセプターに結合を低下させた 規な定常領域配列を見出すことに成功した
本発明は、抗体の定常領域のアミノ酸配列
改変により、より優れた安全性・免疫原性
スク・物性(安定性、均一性)を有し、より
れた薬物動態を有する抗体定常領域、該抗
定常領域を含む抗体、該抗体を含む医薬組
物、並びに、それらの製造方法に関する。
り具体的には、下記〔1〕~〔35〕を提供する
のである。
〔1〕以下の(a)~(c)いずれかに記載のヒト抗体
常領域;
(a) 配列番号:1に記載のアミノ酸配列におい
、329番目(EUナンバリング446番目、EUナンバリ
ングSequences of proteins of immunological interest,
NIH Publication No.91-3242 を参照)のGlyと330番目(
EUナンバリング447番目)のLysが両方欠損してい
ることを特徴とする、ヒト抗体定常領域、
(b) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列におい
、325番目(EUナンバリング446番目)のGlyと326番
(EUナンバリング447番目)のLysが両方欠損して
いることを特徴とする、ヒト抗体定常領域、
(c) 配列番号:3に記載のアミノ酸配列におい
、326番目(EUナンバリング446番目)のGlyと327番
(EUナンバリング447番目)のLysが両方欠損して
いることを特徴とする、ヒト抗体定常領域、
〔2〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列におい
て、209番目(EUナンバリング330番目)、210番目(E
Uナンバリング331番目)および218番目(EUナンバ
ング339番目)のアミノ酸が他のアミノ酸に置
換されたIgG2定常領域、
〔3〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列におい
て、276番目(EUナンバリング397番目)のアミノ
が他のアミノ酸に置換されたIgG2定常領域、
〔4〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列におい
て、14番目(EUナンバリング131番目)、102番目(EU
ナンバリング219番目)、および/または16番目(E
Uナンバリング133番目)のアミノ酸が他のアミ
酸に置換されたIgG2定常領域、
〔5〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列におい
て、20番目(EUナンバリング137番目)および21番
(EUナンバリング138番目)のアミノ酸がさらに
他のアミノ酸に置換されていることを特徴と
する、〔4〕に記載のIgG2定常領域、
〔6〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列におい
て、147番目(EUナンバリングの268番目)のHis、23
4番目(EUナンバリングの355番目)のArgおよび/ま
たは298番目(EUナンバリングの419番目)のGlnが
のアミノ酸に置換されたIgG2定常領域、
〔7〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列におい
て、209番目(EUナンバリング330番目)、210番目(E
Uナンバリング331番目)、218番目(EUナンバリン
339番目)、276番目(EUナンバリング397番目)、14
番目(EUナンバリング131番目)、16番目(EUナンバ
リング133番目)、102番目(EUナンバリング219番
)、20番目(EUナンバリング137番目)および21番
(EUナンバリング138番目)のアミノ酸が他のア
ノ酸に置換されたアミノ酸配列を有するIgG2
定常領域、
〔8〕〔7〕に記載のIgG2定常領域において、さ
らに325番目(EUナンバリング446番目)のGlyおよ
326番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠損し
アミノ酸配列を有するIgG2定常領域、
〔9〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列におい
て、276番目(EUナンバリング397番目)、14番目(EU
ナンバリング131番目)、16番目(EUナンバリング
133番目)、102番目(EUナンバリング219番目)、20
目(EUナンバリング137番目)および21番目(EUナ
バリング138番目)のアミノ酸が他のアミノ酸
置換されたアミノ酸配列を有するIgG2定常領
域、
〔10〕〔9〕に記載のIgG2定常領域において、
らに325番目(EUナンバリング446番目)のGlyおよ
326番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠損し
たアミノ酸配列を有するIgG2定常領域、
〔11〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列にお
て、14番目(EUナンバリング131番目)のCys、16番
目(EUナンバリング133番目)のArg、102番目(EUナ
バリング219番目)のCys、20番目(EUナンバリン
137番目)のGlu、21番目(EUナンバリング138番目)
Ser、147番目(EUナンバリング268番目)のHis、234
番目(EUナンバリング355番目)のArgおよび298番
(EUナンバリング419番目)のGlnが他のアミノ酸
置換されたアミノ酸配列を有するIgG2定常領
域、
〔12〕〔11〕に記載のIgG2定常領域において、
らに325番目(EUナンバリング446番目)のGlyおよ
び326番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠損
たアミノ酸配列を有するIgG2定常領域、
〔13〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列にお
て、14番目(EUナンバリング131番目)のCys、16番
目(EUナンバリング133番目)のArg、102番目(EUナ
バリング219番目)のCys、20番目(EUナンバリン
137番目)のGlu、21番目(EUナンバリング138番目)
Ser、147番目(EUナンバリング268番目)のHis、234
番目(EUナンバリング355番目)のArg、298番目(EU
ンバリング419番目)のGln、および313番目(EUナ
バリング434番目)のAsnが他のアミノ酸に置換
されたアミノ酸配列を有するIgG2定常領域、
〔14〕〔13〕に記載のIgG2定常領域において、
らに325番目(EUナンバリング446番目)のGlyおよ
び326番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠損
たアミノ酸配列を有するIgG2定常領域、
〔15〕配列番号:3に記載のアミノ酸配列にお
て、289番目(EUナンバリング409番目)のアミノ
が他のアミノ酸に置換されていることを特
とするIgG4定常領域、
〔16〕配列番号:3に記載のアミノ酸配列にお
て、14番目、16番目、20番目、21番目、97番目
100番目、102番目、103番目、104番目、105番目(
EUナンバリング131,133,137,138,214,217,219,220,221,222
目)、113番目、114番目、115番目(EUナンバリン
グ233,234,235番目)および289番目(EUナンバリング
409)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換され、
つ116番目(EUナンバリング236番目)のアミノ酸
欠失したアミノ酸配列を有するIgG4定常領域
、
〔17〕〔16〕に記載のIgG4定常領域において、
らに326番目(EUナンバリング446番目)のGlyと327
番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠失したIg
G4定常領域、
〔18〕配列番号:1に記載のIgG1定常領域におい
、317番目(EUナンバリングの434番目)のAsnが他
のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有す
るIgG1定常領域、
〔19〕〔18〕のIgG1定常領域において、329番目(
EUナンバリング446番目)のGlyおよび330番目(EUナ
ンバリング447番目)のLysが欠損したアミノ酸
列を有するIgG1定常領域、
〔20〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列にお
て、209番目(EUナンバリングの330番目)のAla、2
10番目(EUナンバリングの331番目)のPro、218番目
(EUナンバリングの339番目)のThr、14番目(EUナン
バリングの131番目)のCys、16番目(EUナンバリン
グの133番目)のArg、102番目(EUナンバリングの21
9番目)のCys、20番目(EUナンバリングの137番目)
Glu、21番目(EUナンバリングの138番目)のSerが
のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有
るIgG2定常領域、
〔21〕〔20〕に記載のIgG2定常領域において、
らに325番目(EUナンバリング446番目)のGlyおよ
び326番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠損
たアミノ酸配列を有するIgG2定常領域、
〔22〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列にお
て、14番目(EUナンバリング131)のCys、16番目(EU
ナンバリング133)のArg、102番目(EUナンバリン
219)のCys、20番目(EUナンバリング137)のGlu、21
目の(EUナンバリング138)のSerが他のアミノ酸
置換されたアミノ酸配列を有するIgG2定常領
域、
〔23〕〔22〕に記載のIgG2定常領域において、
らに325番目(EUナンバリング446番目)のGlyおよ
び326番目(EUナンバリング447番目)のLysが欠損
たアミノ酸配列を有するIgG2定常領域、
〔24〕配列番号:5に記載のアミノ酸配列を有
るヒト抗体定常領域、
〔25〕配列番号:7に記載のアミノ酸配列を有
るヒト抗体定常領域、
〔26〕配列番号:9に記載のアミノ酸配列を有
るヒト抗体定常領域、
〔27〕配列番号:35に記載のアミノ酸配列を有
るヒト抗体定常領域、
〔28〕配列番号:36に記載のアミノ酸配列を有
るヒト抗体定常領域、
〔29〕配列番号:37に記載のアミノ酸配列を有
るヒト抗体定常領域、
〔30〕配列番号:43に記載のアミノ酸配列を有
るヒト抗体定常領域、
〔31〕配列番号:57(M40δGK)に記載のアミノ酸配
を有するヒト抗体定常領域、
〔32〕配列番号:55(M86δGK)に記載のアミノ酸配
を有するヒト抗体定常領域、
〔33〕〔1〕~〔32〕いずれかに記載の定常領域
を有する抗体、
〔34〕〔1〕~〔32〕いずれかに記載の定常領域
を有する抗IL-6レセプター抗体、及び
〔35〕〔1〕~〔32〕いずれかに記載の定常領域
を有する抗体を含む医薬組成物。
〔発明の実施の形態〕
本発明は、抗体の定常領域のアミノ酸配列
改変することで、物性(安定性および均一性
)、免疫原性、安全性、且つ、薬物動態が改
された抗体定常領域、該定常領域を含む抗
、該抗体を含む医薬組成物、ならびに、そ
らの製造方法を提供する。
本発明において抗体の定常領域とはIgG1、 IgG2、IgG4タイプの定常領域のことを意味する 抗体定常領域は好ましくはヒト抗体定常領 である。ヒトIgG1定常領域、ヒトIgG2定常領 およびヒトIgG4定常領域のアミノ酸配列は公 である(ヒトIgG1定常領域:配列番号:1、ヒトIg G2定常領域:配列番号:2、ヒトIgG4定常領域:配 番号:3)。なお本発明のアミノ酸が置換され 抗体定常領域は、本発明のアミノ酸置換を むものである限り、他のアミノ酸置換や修 を含んでもよい。従って、本発明において 、配列番号:2に記載のアミノ酸配列から既に 1又は複数のアミノ酸が置換および/または修 れたIgG2定常領域に対して本発明のアミノ酸 置換を行う場合、又は本発明のアミノ酸置換 を行った後に1または複数のアミノ酸を置換 よび/または修飾する場合も、配列番号:2に 載のアミノ酸配列を有するIgG2定常領域に本 明のアミノ酸置換が行われたIgG2定常領域に 該当する。配列番号:1に記載のアミノ酸配列 有するIgG1定常領域、配列番号:3に記載のIgG4 定常領域についても同様である。なお、ヒト IgG4定常領域は、ヒンジ部分の安定性を改善 るための改変(Mol Immunol. 1993 Jan;30(1):105-8.) 導入した配列である。またEUナンバリングの 297番目の糖鎖は如何なる糖鎖構造であっても よく、また糖鎖が結合していなくてもよい( えば大腸菌で生産することで可能)。
<アミノ酸改変IgG2>
本発明は酸性での安定性が改善されたIgG2定
常領域を提供する。
より具体的には、配列番号:2に記載のアミ
酸配列を有するIgG2定常領域において、276番
(EUナンバリングの397番目)のMetが他のアミノ
酸に置換されたIgG2定常領域を提供する。置
後のアミノ酸は特に限定されないが、Valへ
置換であることが好ましい。配列番号:2に記
載のアミノ酸配列において276番目(EUナンバリ
ングの397番目)のMetを他のアミノ酸に置換す
ことにより、抗体の酸性条件下での安定性
向上させることが可能である。
本発明により提供される酸性での安定性が
善されたIgG2定常領域は少なくとも上述のア
ミノ酸置換が行われていればよく、同時に他
のアミノ酸の置換、欠失、付加および/また
挿入などがおこなわれていてもよい。
さらに本発明は、ヒンジ領域のヘテロジェ
ティーが改善されたIgG2定常領域を提供する
。
より具体的には配列番号:2に記載のアミノ
配列を有するIgG2定常領域において、14番目(E
Uナンバリング131番目)のCys、16番目(EUナンバ
ングの133番目)のArg、および/または、102番目
(EUナンバリングの219番目)のCysが他のアミノ
に置換されたIgG2定常領域を提供する。置換
のアミノ酸は特に限定されないが、14番目(E
Uナンバリング131番目)のCysはSerに置換される
とが好ましく、16番目(EUナンバリングの133
目)のArgはLysに置換されることが好ましく、1
02番目(EUナンバリングの219番目)のCysはSerに置
換されることが好ましい(IgG2-SKSC)。
これらの置換を行うことにより、IgG2のヒン
ジ領域に由来するヘテロジェニティーを低減
することが可能である。本発明のアミノ酸が
置換されたIgG2定常領域には、上記3種類のア
ノ酸置換のうち少なくとも1種類のアミノ酸
が置換されたIgG2定常領域が含まれるが、14番
目のCysと102番目のCysが他のアミノ酸に置換さ
れていること、又は上記3種類全てのアミノ
が置換されていることが好ましい。
本発明により提供されるヘテロジェニティ
が改善されたIgG2定常領域は少なくとも上述
のアミノ酸置換が行われていればよく、同時
に他のアミノ酸の置換、欠失、付加および/
たは挿入などがおこなわれていてもよい。
例えば、配列番号:2に記載のアミノ酸配列
有するIgG2定常領域において、14番目のCysと16
番目のArgに変異を導入した場合、天然には存
在しないT-cellエピトープペプチドとなりうる
9~12アミノ酸の新しいペプチド配列が出現し
しまい免疫原性リスクが生じる恐れがある
従って、上述のアミノ酸置換に伴い、さら
20番目(EUナンバリング137番目)のGluと21番目(EU
ナンバリング138番目)のSerを他のアミノ酸に
換することにより天然に存在しないT-cellエ
トープペプチドの発現を回避することが可
である。置換後のアミノ酸は特に限定され
いが、20番目のGluはGlyに、21番目のSerはGlyに
換されることが好ましい。
さらに本発明はFcγレセプターへの結合活性
が低減したIgG2定常領域を提供する。
より具体的には、配列番号:2に記載のアミ
酸配列を有するIgG2定常領域において、209番
(EU330)のAlaがSerに、210番目(EU331)のProがSerに
および/または218番目(EU339)のThrがAlaに置換さ
れたIgG2定常領域を提供する。209番目(EU330)のA
la、210番目(EU331)のProの置換によりFcγレセプ
ーへの結合を低下させることが可能である
とはすでに報告されているが(Eur J Immunol. 1
999 Aug;29(8):2613-24.)、この改変ではT-cellエピト
ープになりうる非ヒト由来のペプチドが出現
するため、免疫原性リスクの点からは好まし
くない。そこで、218番目(EU339)のThrのAlaへの
換を同時に行うことにより、T-cellエピトー
になりうる9~12アミノ酸としてはヒト由来の
プチドのみを用いたままIgG2のFcγレセプタ
への結合を低下させることが可能である。
本発明のアミノ酸が置換されたIgG2定常領域
は、上述の3箇所のアミノ酸置換のうち少な
とも1箇所のアミノ酸が置換されていればよ
が、好ましくは上述の3箇所全てのアミノ酸
が置換されていることが好ましい。従って、
本発明のアミノ酸が置換されたIgG2定常領域
好ましい態様として、配列番号:2に記載のア
ミノ酸配列を有するIgG2定常領域において、20
9番目(EU330)のAlaがSerに置換され、210番目(EU331)
のProがSerに置換され、かつ218番目(EU339)のThr
Alaに置換されたIgG2定常領域を挙げることが
きる。
本発明により提供されるFcγレセプターへの
結合活性が低減したIgG2定常領域は少なくと
上述のアミノ酸置換が行われていればよく
同時に他のアミノ酸の置換、欠失、付加お
び/または挿入などがおこなわれていてもよ
。
さらに本発明はC末端のヘテロジェニティー
が改善されたIgG2定常領域を提供する。
より具体的には、配列番号:2に記載のアミ
酸配列を有するIgG2定常領域において、325番
(EUナンバリングの446番目)のGlyおよび326番目
(EUナンバリングの447番目)のLysが欠損したIgG2
常領域を提供する。これらのアミノ酸を両
欠損させることにより、初めて抗体のH鎖C
端に由来するヘテロジェニティーを低減す
ことが可能である。
本発明により提供されるC末端のヘテロジェ
ニティーが改善されたIgG2定常領域は少なく
も上述のアミノ酸の欠失が行われていれば
く、同時に他のアミノ酸の置換、欠失、付
および/または挿入などがおこなわれていて
よい。
さらに本発明は、薬物動態の向上したIgG2定
常領域を提供する。
より具体的には、配列番号:2に記載のアミ
酸配列を有するIgG2定常領域において、147番
(EUナンバリングの268番目)のHis、234番目(EUナ
ンバリングの355番目)のArg、298番目(EUナンバ
ングの419番目)のGlnが他のアミノ酸に置換さ
たIgG2定常領域を提供する。これらのアミノ
酸置換により抗体の薬物動態を向上させるこ
とが可能である。置換後のアミノ酸は特に限
定されないが、147番目(EUナンバリング268番目
)のHisはGlnに置換されることが好ましく、234
目(EUナンバリングの355番目)のArgはGlnに置換
れることが好ましく、298番目(EUナンバリン
の419番目)のGlnはGluに置換されることが好ま
しい。本発明のアミノ酸が置換されたIgG2定
領域には、上記3種類のアミノ酸置換のうち
なくとも1種類のアミノ酸が置換されたIgG2
常領域が含まれるが、上記3種類全てのアミ
酸が置換されていることが好ましい。
さらに本発明では、酸性での安定性が改善
れ、ヒンジ領域のヘテロジェニティーが改
され、および/またはFcγレセプターへの結
活性が低減したIgG2の好ましい態様として以
のIgG2を挙げることができる。
配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなる
常領域を有するIgG2において、209番目のAla、2
10番目のPro、218番目のThr、276番目のMet、14番
のCys、16番目のArg、102番目のCys、20番目Glu、2
1番目のSerが他のアミノ酸に置換された抗体
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、2
09番目(EUナンバリング330)のAlaをSer、210番目(EU
ナンバリング331)のProをSer、218番目(EUナンバ
ング339)のThrをAla、276番目(EUナンバリング397)
のMetをVal、14番目(EUナンバリング131)のCysをSer
、16番目(EUナンバリング133)のArgをLys、102番目
(EUナンバリング219)のCysをSer、20番目(EUナンバ
リング137)のGluをGly、21番目(EUナンバリング138
)のSerをGlyに置換することが好ましい。
このようなIgG2定常領域の例として、配列番
号:4(M14)のアミノ酸配列を有するIgG2定常領域
挙げることができる。
又、本発明のIgG2定常領域の他の好ましい 態様として、上述のIgG2定常領域において、C 端のヘテロジェニティーを低減させるため さらに325番目のGlyおよび326番目のLysが欠損 たIgG2定常領域を挙げることができる。この ような抗体の例として、配列番号:5(M14δGK)の ミノ酸配列からなる定常領域を有するIgG2を 挙げることができる。
さらに本発明はヒンジ領域のヘテロジェニ
ィーが改善され、および/またはFcγレセプ
ーへの結合活性が低減したIgG2の好ましい態
として以下のIgG2を挙げることができる。
配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなる
常領域を有するIgG2において、209番目のAla、2
10番目のPro、218番目のThr、14番目のCys、16番目
のArg、102番目のCys、20番目Glu、21番目のSerが
のアミノ酸に置換された抗体。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、2
09番目(EUナンバリング330)のAlaをSer、210番目(EU
ナンバリング331)のProをSer、218番目(EUナンバ
ング339)のThrをAla、14番目(EUナンバリング131)
CysをSer、16番目(EUナンバリング133)のArgをLys
102番目(EUナンバリング219)のCysをSer、20番目(
EUナンバリング137)のGluをGly、21番目(EUナンバ
ング138)のSerをGlyに置換することが好ましい
。
このようなIgG2定常領域の例として、配列番
号:54(M86)のアミノ酸配列を有するIgG2定常領域
を挙げることができる。
又、本発明のIgG2定常領域の他の好ましい態
様として、上述のIgG2定常領域において、C末
のヘテロジェニティーを低減させるために
らに325番目のGlyおよび326番目のLysが欠損し
IgG2定常領域を挙げることができる。このよ
うな抗体の例として、配列番号:55(M86δGK)のア
ミノ酸配列からなる定常領域を有するIgG2を
げることができる。
さらに本発明は酸性での安定性が改善され
ヒンジ領域のヘテロジェニティーが改善さ
たIgG2定常領域の好ましい態様として以下の
IgG2定常領域を挙げることができる。
配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有するIg
G2定常領域において、276番目のMet、14番目のCy
s、16番目のArg、102番目のCys、20番目のGlu、21
目のSerが他のアミノ酸に置換されたIgG2定常
域。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、2
76番目(EUナンバリング397)のMetをVal、14番目(EU
ンバリング131)のCysをSer、16番目(EUナンバリ
グ133)のArgをLys、102番目(EUナンバリング219)
CysをSer、20番目(EUナンバリング137)のGluをGly
21番目の(EUナンバリング138)のSerをGlyに置換
ることが好ましい。
このようなIgG2定常領域の例として、配列番
号:6(M31)のアミノ酸配列を有するIgG2定常領域
挙げることができる。
又、本発明のIgG2定常領域の他の好ましい 態様として、上述のIgG2定常領域において、 らに325番目のGlyおよび326番目のLysが欠損し IgG2定常領域を挙げることができる。このよ な抗体の例として、配列番号:7(M31δGK)のア ノ酸配列を有するIgG2定常領域を挙げること できる。
さらに本発明はヒンジ領域のヘテロジェニ
ィーが改善されたIgG2定常領域の好ましい態
様として以下のIgG2定常領域を挙げることが
きる。
配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有するIg
G2定常領域において、14番目のCys、16番目のArg
、102番目のCys、20番目のGlu、21番目のSerが他
アミノ酸に置換されたIgG2定常領域。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、1
4番目(EUナンバリング131)のCysをSer、16番目(EU
ンバリング133)のArgをLys、102番目(EUナンバリ
グ219)のCysをSer、20番目(EUナンバリング137)の
GluをGly、21番目の(EUナンバリング138)のSerをGly
に置換することが好ましい。
このようなIgG2定常領域の例として、配列番
号:56(M40)のアミノ酸配列を有するIgG2定常領域
を挙げることができる。
又、本発明のIgG2定常領域の他の好ましい 態様として、上述のIgG2定常領域において、 らに325番目のGlyおよび326番目のLysが欠損し IgG2定常領域を挙げることができる。このよ な抗体の例として、配列番号:57(M40δGK)のア ノ酸配列を有するIgG2定常領域を挙げること ができる。
本発明は、配列番号:2に記載のアミノ酸配
において、14番目(EUナンバリング131番目)のCy
s、16番目(EUナンバリング133番目)のArg、102番
(EUナンバリング219番目)のCys、20番目(EUナン
リング137番目)のGlu、21番目(EUナンバリング13
8番目)のSer、147番目(EUナンバリング268番目)の
His、234番目(EUナンバリング355番目)のArgおよ
298番目(EUナンバリング419番目)のGlnが他のア
ノ酸に置換され、かつ325番目(EUナンバリン
446番目)のGlyおよび326番目(EUナンバリング447
番目)のLysが欠損したアミノ酸配列を有するIg
G2定常領域を提供する。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、1
4番目のCysはSerに、16番目のArgはLysに、102番目
のCysはSerに、20番目のGluはGlyに、21番目のSer
Glyに、147番目のHisはGlnに、234番目のArgはGln
、298番目のGlnはGluに置換することが好まし
。
具体的には本発明は、配列番号:35に記載の
ミノ酸配列を有する定常領域(M58)を提供す
。
本発明は、配列番号:2に記載のアミノ酸配
において、14番目(EUナンバリング131番目)のCy
s、16番目(EUナンバリング133番目)のArg、102番
(EUナンバリング219番目)のCys、20番目(EUナン
リング137番目)のGlu、21番目(EUナンバリング13
8番目)のSer、147番目(EUナンバリング268番目)の
His、234番目(EUナンバリング355番目)のArg、298
目(EUナンバリング419番目)のGln、および313番
(EUナンバリング434番目)のAsnが他のアミノ酸
に置換され、かつ325番目(EUナンバリング446番
目)のGlyおよび326番目(EUナンバリング447番目)
Lysが欠損したアミノ酸配列を有するIgG2定常
領域を提供する。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、1
4番目のCysはSerに、16番目のArgはLysに、102番目
のCysはSerに、20番目のGluはGlyに、21番目のSer
Glyに、147番目のHisはGlnに、234番目のArgはGln
、298番目のGlnはGluに、313番目のAsnはAlaに置
されることが好ましい。
具体的には本発明は、配列番号:37に記載の
ミノ酸配列を有する定常領域を提供する(M73
)。
これらの抗体定常領域は、Fcγレセプター への結合活性の低下、免疫原性リスクの低減 、酸性条件下での安定性の向上、ヘテロジェ ニティーの低減、薬物動態の向上および/ま は、IgG1定常領域と比較した製剤中での高い 定性という性質を有する、最適化された抗 定常領域である。
<アミノ酸改変IgG4>
本発明は酸性での安定性が改善されたIgG4定
常領域を提供する。
より具体的には、配列番号:3に記載のアミ
酸配列を有するIgG4定常領域において、289番
(EUナンバリング409番目)のArgが他のアミノ酸
に置換されたIgG4定常領域を提供する。置換
のアミノ酸は特に限定されないが、Lysへの
換であることが好ましい。配列番号:3に記載
のアミノ酸配列において277番目(EUナンバリン
グの409番目)のArgを他のアミノ酸に置換する
とにより、抗体の酸性条件下での安定性を
上させることが可能である。
本発明により提供される酸性での安定性が
善されたIgG4定常領域は少なくとも上述のア
ミノ酸置換が行われていればよく、同時に他
のアミノ酸の置換、欠失、付加および/また
挿入などがおこなわれていてもよい。
さらに本発明はC末端のヘテロジェニティー
が改善されたIgG4定常領域を提供する。
より具体的には、配列番号:3に記載のアミ
酸配列を有するIgG4定常領域において、326番
(EUナンバリングの446番目)のGlyおよび327番目
(EUナンバリングの447番目)のLysが欠損したIgG4
常領域を提供する。これらのアミノ酸を両
欠損させることにより、初めて抗体のH鎖C
端に由来するヘテロジェニティーを低減す
ことが可能である。
本発明により提供されるC末端のヘテロジェ
ニティーが改善されたIgG4定常領域は少なく
も上述のアミノ酸欠損が行われていればよ
、同時に他のアミノ酸の置換、欠失、付加
よび/または挿入などがおこなわれていても
い。
さらに本発明は酸性での安定性が改善され
ヘテロジェニティーが改善され、および/ま
たはFcγレセプターへの結合活性が低減したIg
G4の好ましい態様として以下の定常領域から
るIgG4を挙げることができる。
配列番号:3に記載のアミノ酸配列を有するIg
G4定常領域において、14番目のCys、16番目のArg
、20番目のGlu、21番目のSer、97番目のArg、100番
目のSer、102番目のTyr、103番目のGly、104番目の
Pro、105番目のPro、113番目のGlu、114番目のPhe、
115番目のLeu、および289番目のArgが他のアミノ
酸に置換され、かつ116番目のGlyが欠損したIgG
4定常領域。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、1
4番目(EUナンバリング131)のCysをSerに、16番目(E
Uナンバリング133)のArgをLysに、20番目(EUナン
リング137)のGluをGlyに、21番目(EUナンバリン
138)のSerをGlyに、97番目(EUナンバリング214)のA
rgをThrに、100番目(EUナンバリング217)のSerをArg
に、102番目(EUナンバリング219)のTyrをSerに、10
3番目(EUナンバリング220)のGlyをCysに、104番目(
EUナンバリング221)のProをValに、105番目(EUナン
バリング222)のProをGluに、113番目(EUナンバリ
グ233)のGluをProに、114番目(EUナンバリング234)
のPheをValに、115番目(EUナンバリング235)のLeu
Alaに、289番目(EUナンバリング409)のArgをLysに
換することが好ましい。
このようなIgG4定常領域の例として、配列番
号:8(M11)のアミノ酸配列を有するIgG4定常領域
挙げることができる。
又、本発明のIgG4定常領域の他の好ましい 態様として、上述のIgG4定常領域において、 らに325番目(EUナンバリングの446番目)のGlyお び326番目(EUナンバリングの447番目)のLysが欠 損したIgG4定常領域を挙げることができる。 のような抗体の例として、配列番号:9(M11δGK) のアミノ酸配列を有するIgG4定常領域を挙げ ことができる。
<アミノ酸改変IgG1>
本発明はC末端のヘテロジェニティーが改善
されたIgG1定常領域を提供する。
より具体的には配列番号:1に記載のアミノ
配列を有するIgG1定常領域において、329番目(
EUナンバリングの446番目)のGlyおよび330番目(EU
ナンバリングの447番目)のLysが欠損したIgG1定
領域を提供する。これらのアミノ酸を両方
損させることにより、初めて抗体のH鎖C末
に由来するヘテロジェニティーを低減する
とが可能である。
また本発明は、薬物動態の向上したIgG1定常
領域を提供する。
より具体的には配列番号:1に記載のアミノ
配列を有するIgG1定常領域において、317番目(
EUナンバリングの434番目)のAsnが他のアミノ酸
に置換されたアミノ酸配列を有するIgG1定常
域を提供する。置換後のアミノ酸は特に限
されないが、Alaへの置換が好ましい。
さらに、本発明は配列番号:36に記載のアミ
酸配列から329番目のGlyおよび330番目のLysを
損させた定常領域を提供する。より具体的
は本発明は配列番号:43(M83)に記載のアミノ
配列を有する定常領域を提供する(M83)。
本発明により提供されるC末端のヘテロジェ
ニティーが改善されたIgG1定常領域は少なく
も上述のアミノ酸欠損が行われていればよ
、同時に他のアミノ酸の置換、欠失、付加
よび/または挿入などがおこなわれていても
い。
又、本発明は上述のいずれかに記載の抗体
常領域を含む抗体を提供する。本発明の抗
は上述の抗体定常領域を有する限り、抗原
種類、抗体の由来などは限定されず、いか
る抗体でもよい。
本発明の抗体には、上述のいずれかに記 のアミノ酸置換を含む抗体の修飾物も含ま る。また抗体の由来としては、特に限定さ ないが、ヒト抗体、マウス抗体、ラット抗 、ウサギ抗体などを挙げることができる。 、本発明の抗体はキメラ抗体、ヒト化抗体 完全ヒト化抗体等であってもよい。本発明 抗体の好ましい態様として、ヒト化抗体を げることができる。
また、上述の抗体定常領域および/または 上述の抗体定常領域を含む抗体分子は、抗体 様結合分子(scaffold分子)、生理活性ペプチド 結合ペプチド等をFc融合分子として結合させ ることも可能である。
また本発明の抗体には、上述のいずれかに
載の定常領域を含む抗体であればその修飾
も含まれる。
抗体の修飾物の例としては、例えば、ポリ
チレングリコール(PEG)や細胞障害性物質等
各種分子と結合させた抗体を挙げることが
きる。このような抗体修飾物は、本発明の
体に化学的な修飾を施すことによって得る
とができる。抗体の修飾方法はこの分野に
いてすでに確立されている。
さらに、本発明の抗体は二重特異性抗体(bis
pecific antibody)であってもよい。二重特異性抗
体とは、異なるエピトープを認識する可変領
域を同一の抗体分子内に有する抗体をいうが
、当該エピトープは異なる分子中に存在して
いてもよいし、同一の分子中に存在していて
もよい。
上述の抗体定常領域は任意の抗原に対する
体の定常領域として使用することが可能で
り、抗原は特に限定されない。
本発明の抗体は、例えば以下のようにし 取得することが可能である。本発明の抗体 取得する一つの態様においては、まず、抗 の定常領域において、1又は複数のアミノ酸 残基を、目的の他のアミノ酸に置換又は欠損 する。1又は複数のアミノ酸残基を目的の他 アミノ酸に置換する方法としては、例えば 部位特異的変異誘発法(Hashimoto-Gotoh, T, Mizuno , T, Ogasahara, Y, and Nakagawa, M. (1995) An oligo deoxyribonucleotide-directed dual amber method for site -directed mutagenesis. Gene 152, 271-275、Zoller, MJ, and Smith, M.(1983) Oligonucleotide-directed mutagenesi s of DNA fragments cloned into M13 vectors.Methods E nzymol. 100, 468-500、Kramer,W, Drutsa,V, Jansen,HW, K ramer,B, Pflugfelder,M, and Fritz,HJ(1984) The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed mutatio n construction. Nucleic Acids Res. 12, 9441-9456、Kra mer W, and Fritz HJ(1987) Oligonucleotide-directed con struction of mutations via gapped duplex DNA Methods. Enzymol. 154, 350-367、Kunkel,TA(1985) Rapid and eff icient site-specific mutagenesis without phenotypic sel ection.Proc Natl Acad Sci U S A. 82, 488-492)が挙 られる。該方法を用いて、抗体の定常領域 所望のアミノ酸を目的の他のアミノ酸に置 することができる。
抗体を取得する為の別の態様としては、 ず、当業者に周知な方法によって、目的の 原に結合する抗体を得る。取得された抗体 非ヒト動物抗体であれば、ヒト化すること できる。抗体の結合活性は当業者に公知の 法で測定することができる。次いで、抗体 定常領域中の1又は複数のアミノ酸残基を、 目的の他のアミノ酸に置換または欠損する。
より具体的には、本発明は、以下の(a)及び(
b)の工程を含む抗体の製造方法に関する。
(a)定常領域中の1又は複数のアミノ酸残基が
的の他のアミノ酸に置換または欠損されたH
をコードするDNA、及びL鎖をコードするDNAを
発現させる工程
(b)工程(a)の発現産物を回収する工程
本発明の製造方法においては、まず、抗体
H鎖をコードするDNAであって、定常領域中の
1又は複数のアミノ酸残基が目的の他のアミ
酸に置換または欠損されたH鎖をコードするD
NA、および抗体のL鎖をコードするDNAを発現さ
せる。定常領域中の1又は複数のアミノ酸残
が目的の他のアミノ酸に置換または欠損さ
たH鎖をコードするDNAは、例えば、野生型のH
鎖をコードするDNAの定常領域部分を取得し、
該定常領域中の特定のアミノ酸をコードする
コドンが目的の他のアミノ酸をコードするよ
う、適宜置換を導入することによって得るこ
とが出来る。
また、あらかじめ、野生型H鎖の定常領域中
の1又は複数のアミノ酸残基が目的の他のア
ノ酸に置換または欠損されたタンパク質を
ードするDNAを設計し、該DNAを化学的に合成
ることによって、定常領域中の1又は複数の
ミノ酸残基が目的の他のアミノ酸に置換ま
は欠損されたH鎖をコードするDNAを得ること
も可能である。
アミノ酸置換の種類としては、これに限定
れるものではないが、本明細書に記載の置
が挙げられる。
また、定常領域中において、1又は複数の アミノ酸残基が目的の他のアミノ酸に置換ま たは欠損されたH鎖をコードするDNAは、部分DN Aに分けて製造することができる。部分DNAの み合わせとしては、例えば、可変領域をコ ドするDNAと定常領域をコードするDNA、ある はFab領域をコードするDNAとFc領域をコードす るDNAなどが挙げられるが、これら組み合わせ に限定されるものではない。L鎖をコードす DNAもまた、同様に部分DNAに分けて製造する とができる。
上記DNAを発現させる方法としては、以下 方法が挙げられる。例えば、H鎖可変領域を コードするDNAを、H鎖定常領域をコードするDN Aとともに発現ベクターに組み込みH鎖発現ベ ターを構築する。同様に、L鎖可変領域をコ ードするDNAを、L鎖定常領域をコードするDNA ともに発現ベクターに組み込みL鎖発現ベク ーを構築する。これらのH鎖、L鎖の遺伝子 単一のベクターに組み込むことも出来る。 現ベクターとしては例えばSV40 virus basedベ ター、EB virus basedベクター、BPV(パピローマ ウイルス)basedベクターなどを用いることがで きるが、これらに限定されるものではない。
以上の方法で作製された抗体発現ベクタ により宿主細胞を共形質転換する。宿主細 としてはCHO細胞(チャイニーズハムスター卵 巣)等上述の細胞の他にも大腸菌、酵母や枯 菌などの微生物や動植物の個体が用いられ (Nature Biotechnology 25, 563 - 565 (2007)、Nature Biotechnology 16, 773 - 777 (1998)、Biochemical and Biophysical Research Communications 255, 444-450 (1999) 、Nature Biotechnology 23, 1159 - 1169 (2005)、Journ al of Virology 75, 2803-2809 (2001)、Biochemical and Biophysical Research Communications 308, 94-100 (2003) )。また、形質転換にはリポフェクチン法(R.W. Malone et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,6077 (1989), P. L.Felgner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,7413 (1987) エレクトロポレーション法、リン酸カルシ ム法(F.L.Graham & A.J.van der Eb,Virology 52,456 -467(1973))、DEAE-Dextran法等が好適に用いられる
抗体の製造においては、次に、工程(a)で られた発現産物を回収する。発現産物の回 は、例えば、形質転換体を培養した後、形 転換体の細胞内又は培養液より分離するこ によって行うことが出来る。抗体の分離、 製には、遠心分離、硫安分画、塩析、限外 過、1q、FcRn、プロテインA、プロテインGカ ム、アフィニティークロマトグラフィー、 オン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過ク マトグラフィーなどの方法を適宜組み合わ て行うことができる。
<IgG2定常領域の酸性条件下における安定性
向上させる方法>
また本発明は、配列番号:2に記載のアミノ
配列(IgG2)において、276番目(EUナンバリング
397番目)のMetを他のアミノ酸に置換する工程
含む、抗体の酸性条件下における安定性を
上させる方法に関する。本発明の抗体の酸
条件下における安定性を向上させる方法は
配列番号:2に記載のアミノ酸配列(IgG2)にお
て276番目(EUナンバリングの397番目)のMetを他
アミノ酸に置換する工程を含む限り、他の
ミノ酸置換を含むものであってもよい。置
後のアミノ酸は特に限定されないがValへの
換が好ましい。アミノ酸置換の方法は特に
定されるものではないが、例えば上述の部
特異的変異誘発法や実施例に記載の方法に
って行うことが出来る。
<IgG2定常領域のヒンジ部分に由来するヘテ
ジェニティーを改善する方法>
また本発明は、配列番号:2に記載のアミノ
配列(IgG2)において、14番目(EUナンバリング131
番目)のCysを他のアミノ酸に置換する工程、16
番目(EUナンバリングの133番目)のArgを他のア
ノ酸に置換する工程、および/または102番目(
EUナンバリングの219番目)のCysを他のアミノ酸
に置換する工程を含む、抗体のヘテロジェニ
ティーを改善する方法に関する。置換後のア
ミノ酸は特に限定されないが、14番目のCysはS
erに、16番目のArgはLysに、102番目のCysはSerに
換されることが好ましい。本発明の抗体の
テロジェニティーを改善する方法は、配列
号:2に記載のアミノ酸配列(IgG2)において、14
目(EUナンバリング131番目)のCysを置換する工
程、16番目(EUナンバリングの133番目)のArgを置
換する工程、および/または102番目(EUナンバ
ングの219番目)のCysを置換する工程を含む限
、他のアミノ酸置換を含むものであっても
い。アミノ酸置換の方法は特に限定される
のではないが、例えば上述の部位特異的変
誘発法や実施例の記載の方法によって行う
とが出来る。置換されるアミノ酸は上述の3
つのアミノ酸全てが置換されてもよいし、1
は2(例えば14番目と102番目、など)のアミノ酸
が置換されてもよい。
<IgG2定常領域のC末端アミノ酸欠損に由来す
るヘテロジェニティーを低減させる方法>
また本発明は、配列番号:2に記載のアミノ
配列を有するIgG2定常領域において、325番目(
EUナンバリングの446番目)のGlyおよび326番目(EU
ナンバリングの447番目)のLysを欠損させる工
を含む、抗体のヘテロジェニティーを改善
る方法に関する。本発明の抗体のヘテロジ
ニティーを改善する方法は、配列番号:2に記
載のアミノ酸配列を有するIgG2定常領域にお
て、325番目(EUナンバリングの446番目)のGlyお
び326番目(EUナンバリングの447番目)のLysを欠
損させる工程を含む限り、他のアミノ酸置換
を含んでもよい。アミノ酸置換の方法は特に
限定されるものではないが、例えば上述の部
位特異的変異誘発法や実施例の記載の方法に
よって行うことが出来る。
<IgG2定常領域のアミノ酸を置換することに
り薬物動態を向上する方法>
また本発明は、配列番号:2に記載のアミノ
配列を有するIgG2定常領域において、147番目(
EU268)のHis、234番目(EU355)のArg及び/又は298番目(
EU419)のGlnを他のアミノ酸に置換する工程を含
む、抗体の薬物動態を向上する方法に関する
。本発明の薬物動態を向上する方法は、上述
の工程を含む限り、他のアミノ酸置換を含む
ものであってもよい。置換後のアミノ酸は特
に限定されないが、147番目(EU268)のHisはGlnに
234番目(EU355)のArgはGlnに、298番目(EU419)のGlnは
Gluに置換されることが好ましい。
また本発明は、配列番号:20又は配列番号:35(
M58)のアミノ酸配列を有するIgG2定常領域にお
て、313番目(EU434)のAsnを他のアミノ酸に置換
する工程を含む、抗体の薬物動態を向上する
方法に関する。置換後のアミノ酸は特に限定
されないが、Alaへの置換が好ましい。本発明
の薬物動態を向上する方法は、上述の工程を
含む限り、他のアミノ酸置換を含むものであ
ってもよい。
<IgG1定常領域のアミノ酸を置換することに
り薬物動態を向上する方法>
また本発明は、配列番号:1に記載のアミノ
配列を有するIgG1定常領域において、317番目(
EU434)のAsnを他のアミノ酸に置換する工程を含
む、抗体の薬物動態を向上する方法に関する
。置換後のアミノ酸は特に限定されないが、
Alaへの置換が好ましい。本発明の薬物動態を
向上する方法は、上述の工程を含む限り、他
のアミノ酸置換を含むものであってもよい。
また本発明は、配列番号:1に記載のアミノ
配列を有するIgG1定常領域において、317番目(
EU434)のAsnを他のアミノ酸に置換する工程、お
よび329番目(EU446)のGlyおよび330番目(EU447)のLys
欠損する工程を含む、抗体の薬物動態を向
し、C末端アミノ酸欠損に由来するヘテロジ
ェニティを軽減する方法に関する。置換後の
アミノ酸は特に限定されないが、Alaへの置換
が好ましい。本発明の薬物動態を向上する方
法は、上述の工程を含む限り、他のアミノ酸
置換を含むものであってもよい。
<IgG2定常領域のヒト配列を維持したままFcγ
Rへの結合を低減させる方法>
また本発明は、配列番号:2に記載のアミノ
配列を有するIgG2定常領域において、209番目(
EU330)のAlaをSerに置換する工程、210番目(EU331)
ProをSerに置換する工程、および218番目(EU339)
ThrをAlaに置換する工程を含む、抗体のFcγR
の結合を低減させる方法に関する。本発明
抗体のFcγRへの結合を低減させる方法は、配
列番号:2に記載のアミノ酸配列を有するIgG2定
常領域において、209番目(EU330)のAlaをSerに置
する工程、210番目(EU331)のProをSerに置換する
程、および218番目(EU339)のThrをAlaに置換する
工程を含む限り、他のアミノ酸置換を含むも
のであってもよい。アミノ酸置換の方法は特
に限定されるものではないが、例えば上述の
部位特異的変異誘発法や実施例の記載の方法
によって行うことが出来る。
また本発明は、配列番号:2に記載のアミノ
配列を有するIgG2定常領域において、下記に
載の工程を含む、IgG2のヒンジ部分に由来す
るヘテロジェニティーを低減させる方法、酸
性条件下での安定性を向上させる方法、C末
に由来するヘテロジェニティーを低減させ
方法および/または抗体のFcγRへの結合を低
させる方法に関する(M14δGK)。
(a)配列番号:2の209番目(EUナンバリング330)のAla
を他のアミノ酸に置換する工程、
(b)配列番号:2の210番目(EUナンバリング331)のPro
を他のアミノ酸に置換する工程、
(c)配列番号:2の218番目(EUナンバリング339)のThr
を他のアミノ酸に置換する工程、
(d)配列番号:2の276番目(EUナンバリング397)のMet
を他のアミノ酸に置換する工程、
(e)配列番号:2の14番目(EUナンバリング131)のCys
他のアミノ酸に置換する工程、
(f)配列番号:2の16番目(EUナンバリング133)のArg
他のアミノ酸に置換する工程、
(g)配列番号:2の102番目(EUナンバリング219)のCys
を他のアミノ酸に置換する工程、
(h)配列番号:2の20番目(EUナンバリング137)のGlu
他のアミノ酸に置換する工程、
(i)配列番号:2の21番目(EUナンバリング138)のSer
他のアミノ酸に置換する工程、
及び
(j)配列番号:2の325番目のGly及び326番目のLys(EU
ンバリング446および447)を欠損させる工程。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、2
09番目(EUナンバリング330)のAlaをSer、210番目(EU
ナンバリング331)のProをSer、218番目(EUナンバ
ング339)のThrをAla、276番目(EUナンバリング397)
のMetをVal、14番目(EUナンバリング131)のCysをSer
、16番目(EUナンバリング133)のArgをLys、102番目
(EUナンバリング219)のCysをSer、20番目(EUナンバ
リング137)のGluをGly、21番目(EUナンバリング138
)のSerをGlyに置換することが好ましい。
また本発明は、配列番号:2に記載のアミノ
配列を有するIgG2定常領域において、下記に
載の工程を含む、IgG2のヒンジ部分に由来す
るヘテロジェニティーを低減させる方法、C
端に由来するヘテロジェニティーを低減さ
る方法および/または抗体のFcγRへの結合を
減させる方法に関する(M86δGK)。
(a)配列番号:2の209番目(EUナンバリング330)のAla
を他のアミノ酸に置換する工程、
(b)配列番号:2の210番目(EUナンバリング331)のPro
を他のアミノ酸に置換する工程、
(c)配列番号:2の218番目(EUナンバリング339)のThr
を他のアミノ酸に置換する工程、
(d)配列番号:2の14番目(EUナンバリング131)のCys
他のアミノ酸に置換する工程、
(e)配列番号:2の16番目(EUナンバリング133)のArg
他のアミノ酸に置換する工程、
(f)配列番号:2の102番目(EUナンバリング219)のCys
を他のアミノ酸に置換する工程、
(g)配列番号:2の20番目(EUナンバリング137)のGlu
他のアミノ酸に置換する工程、
(h)配列番号:2の21番目(EUナンバリング138)のSer
他のアミノ酸に置換する工程、
及び
(i)配列番号:2の325番目のGly及び326番目のLys(EU
ンバリング446および447)を欠損させる工程。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、2
09番目(EUナンバリング330)のAlaをSer、210番目(EU
ナンバリング331)のProをSer、218番目(EUナンバ
ング339)のThrをAla、14番目(EUナンバリング131)
CysをSer、16番目(EUナンバリング133)のArgをLys
102番目(EUナンバリング219)のCysをSer、20番目(
EUナンバリング137)のGluをGly、21番目(EUナンバ
ング138)のSerをGlyに置換することが好ましい
。
本発明の方法は、上記工程を含む限り、 のアミノ酸置換や欠損、その他工程を含む のであってもよい。アミノ酸の置換や欠損 方法は特に限定されるものではないが、例 ば上述の部位特異的変異誘発法や実施例の 載の方法によって行うことが出来る。
また本発明は、配列番号:2に記載のアミノ
配列を有するIgG2定常領域において、下記に
載の工程を含む、IgG2のヒンジ部分に由来す
るヘテロジェニティーを低減させる方法、酸
性条件下での安定性を向上させる方法、およ
び/またはC末端に由来するヘテロジェニティ
を低減させる方法に関する(M31δGK)。
(a)配列番号:2の276番目(EUナンバリング397)のMet
を他のアミノ酸に置換する工程、
(b)配列番号:2の14番目(EUナンバリング131)のCys
他のアミノ酸に置換する工程、
(c)配列番号:2の16番目(EUナンバリング133)のArg
他のアミノ酸に置換する工程、
(d)配列番号:2の102番目(EUナンバリング219)のCys
を他のアミノ酸に置換する工程、
(e)配列番号:2の20番目(EUナンバリング137)のGlu
他のアミノ酸に置換する工程、
(f)配列番号:2の21番目(EUナンバリング138)のSer
他のアミノ酸に置換する工程、
及び
(g)配列番号:2の325番目のGly及び326番目のLys(EU
ンバリング446および447)を欠損させる工程。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、2
76番目(EUナンバリング397)のMetをVal、14番目(EU
ンバリング131)のCysをSer、16番目(EUナンバリ
グ133)のArgをLys、102番目(EUナンバリング219)
CysをSer、20番目(EUナンバリング137)のGluをGly
21番目(EUナンバリング138)のSerをGlyに置換す
ことが好ましい。
さらに本発明は、配列番号:2に記載のアミ
酸配列を有するIgG2定常領域において、下記
記載の工程を含む、IgG2のヒンジ部分に由来
するヘテロジェニティーを低減させる方法お
よび/またはC末端に由来するヘテロジェニテ
ーを低減させる方法に関する(M40δGK)。
(a)配列番号:2の14番目(EUナンバリング131)のCys
他のアミノ酸に置換する工程、
(b)配列番号:2の16番目(EUナンバリング133)のArg
他のアミノ酸に置換する工程、
(c)配列番号:2の102番目(EUナンバリング219)のCys
を他のアミノ酸に置換する工程、
(d)配列番号:2の20番目(EUナンバリング137)のGlu
他のアミノ酸に置換する工程、
(e)配列番号:2の21番目(EUナンバリング138)のSer
他のアミノ酸に置換する工程、
及び
(f)配列番号:2の325番目のGly及び326番目のLys(EU
ンバリング446および447)を欠損させる工程。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、1
4番目(EUナンバリング131)のCysをSer、16番目(EU
ンバリング133)のArgをLys、102番目(EUナンバリ
グ219)のCysをSer、20番目(EUナンバリング137)の
GluをGly、21番目(EUナンバリング138)のSerをGlyに
置換することが好ましい。
また本発明は配列番号:2に記載のアミノ酸
列を有するIgG2定常領域において、下記に記
の工程を含む、IgG2のヒンジ部分に由来する
ヘテロジェニティーを低減させる方法、薬物
動態を向上する方法および/またはC末端に由
するヘテロジェニティーを低減させる方法
関する(M58)。
(a)配列番号:2の14番目(EUナンバリング131番目)
CysをSerに置換する工程、
(b)配列番号:2の16番目(EUナンバリング133番目)
ArgをLysに置換する工程、
(c)配列番号:2の102番目(EUナンバリング219番目)
のCysをSerに置換する工程、
(d)配列番号:2の20番目(EUナンバリング137番目)
GluをGlyに置換する工程、
(e)配列番号:2の21番目(EUナンバリング138番目)
SerをGlyに置換する工程、
(f)配列番号:2の147番目(EUナンバリング268番目)
のHisをGlnに置換する工程、
(g)配列番号:2の234番目(EUナンバリング355番目)
のArgをGlnに置換する工程、
(h)配列番号:2の298番目(EUナンバリング419番目)
のGlnをGluに置換する工程、
(i)配列番号:2の325番目(EUナンバリング446番目)
のGlyおよび326番目(EUナンバリング447番目)のLy
sを欠損させる工程。
また本発明は配列番号:2に記載のアミノ酸
列を有するIgG2定常領域において、下記に記
の工程を含む、IgG2のヒンジ部分に由来する
ヘテロジェニティーを低減させる方法、薬物
動態を向上する方法および/またはC末端に由
するヘテロジェニティーを低減させる方法
関する(M73)。
(a)配列番号:2の14番目(EUナンバリング131番目)
CysをSerに置換する工程、
(b)配列番号:2の16番目(EUナンバリング133番目)
ArgをLysに置換する工程、
(c)配列番号:2の102番目(EUナンバリング219番目)
のCysをSerに置換する工程、
(d)配列番号:2の20番目(EUナンバリング137番目)
GluをGlyに置換する工程、
(e)配列番号:2の21番目(EUナンバリング138番目)
SerをGlyに置換する工程、
(f)配列番号:2の147番目(EUナンバリング268番目)
のHisをGlnに置換する工程、
(g)配列番号:2の234番目(EUナンバリング355番目)
のArgをGlnに置換する工程、
(h)配列番号:2の298番目(EUナンバリング419番目)
のGlnをGluに置換する工程、
(i)配列番号:2の313番目(EUナンバリング434番目)
のAsnをAlaに置換する工程、
(j)配列番号:2の325番目(EUナンバリング446番目)
のGlyおよび326番目(EUナンバリング447番目)のLy
sを欠損させる工程。
本発明の方法は、上記工程を含む限り、 のアミノ酸置換や欠損、その他工程を含む のであってもよい。アミノ酸の置換や欠損 方法は特に限定されるものではないが、例 ば上述の部位特異的変異誘発法や実施例の 載の方法によって行うことが出来る。
<IgG4定常領域の酸性条件下における安定性
向上させる方法>
本発明はまた、配列番号:3に記載のアミノ
配列を有するIgG4定常領域(Mol Immunol. 1993 Jan
;30(1):105-8.)において、289番目(EUナンバリング4
09番目)のArgを他のアミノ酸に置換する工程を
含む、抗体の酸性条件下における安定性を向
上させる方法に関する。本発明の抗体の酸性
条件下における安定性を向上させる方法は、
配列番号:3に記載のアミノ酸配列(ヒトIgG4定
領域)において289番目(EUナンバリング409番目)
のArgを他のアミノ酸に置換する工程を含む限
り、他のアミノ酸置換を含んでもよい。置換
後のアミノ酸は特に限定されないが、Lysへの
置換が好ましい。アミノ酸置換の方法は特に
限定されるものではないが、例えば上述の部
位特異的変異誘発法や実施例の記載の方法に
よって行うことが出来る。
<IgG4定常領域のC末端アミノ酸欠損に由来す
るヘテロジェニティーを低減させる方法>
また本発明は、配列番号:3に記載のアミノ
配列を有するIgG4定常領域(Mol Immunol. 1993 Jan
;30(1):105-8.)において、326番目(EUナンバリング
446番目)のGlyおよび327番目(EUナンバリングの
447番目)のLysを欠損させる工程を含む、抗体
ヘテロジェニティーを改善する方法に関す
。本発明のヘテロジェニティーを改善する
法は、配列番号:3に記載のアミノ酸配列を有
するIgG4定常領域において、327番目(EUナンバ
ングの447番目)のLysおよび/または326番目(EUナ
ンバリングの446番目)のGlyを欠損させる工程
含む限り、他のアミノ酸置換を含んでもよ
。アミノ酸置換の方法は特に限定されるも
ではないが、例えば上述の部位特異的変異
発法や実施例の記載の方法によって行うこ
が出来る。
また本発明は、配列番号:3に記載のアミノ
配列を有するIgG4定常領域において、下記に
載の工程を含む、IgG4の酸性条件下での安定
性を向上させる方法、C末端に由来するヘテ
ジェニティーを低減させる方法、抗体のFcγR
への結合を低減させる方法に関する(M11δGK)。
(a)配列番号:3の14番目(EUナンバリング131)のCys
他のアミノ酸に置換する工程、
(b)配列番号:3の16番目(EUナンバリング133)のArg
他のアミノ酸に置換する工程、
(c)配列番号:3の20番目(EUナンバリング137)のGlu
他のアミノ酸に置換する工程、
(d)配列番号:3の21番目(EUナンバリング138)のSer
他のアミノ酸に置換する工程、
(e)配列番号:3の97番目(EUナンバリング214)のArg
他のアミノ酸に置換する工程、
(f)配列番号:3の100番目(EUナンバリング217)のSer
を他のアミノ酸に置換する工程、
(g)配列番号:3の102番目(EUナンバリング219)のTyr
を他のアミノ酸に置換する工程、
(h)配列番号:3の103番目(EUナンバリング220)のGly
を他のアミノ酸に置換する工程、
(i)配列番号:3の104番目(EUナンバリング221)のPro
を他のアミノ酸に置換する工程、
(j)配列番号:3の105番目(EUナンバリング222)のPro
を他のアミノ酸に置換する工程、
(k)配列番号:3の113番目(EUナンバリング233)のGlu
を他のアミノ酸に置換する工程、
(l)配列番号:3の114番目(EUナンバリング234)のPhe
を他のアミノ酸に置換する工程、
(m)配列番号:3の115番目(EUナンバリング235)のLeu
を他のアミノ酸に置換する工程、
(n)配列番号:3の116番目(EUナンバリング236)のGly
を欠損する工程、及び
(o)配列番号:3の289番目(EUナンバリング409)のArg
を他のアミノ酸に置換する工程、
(p)配列番号:3の326番目(EUナンバリング446)のGly
および327番目(EUナンバリング447)のLysを欠損
せる工程。
置換後のアミノ酸は特に限定されないが、1
4番目(EUナンバリング131)のCysをSerに、16番目(E
Uナンバリング133)のArgをLysに、20番目(EUナン
リング137)のGluをGlyに、21番目(EUナンバリン
138)のSerをGlyに、97番目(EUナンバリング214)のA
rgをThrに、100番目(EUナンバリング217)のSerをArg
に、102番目(EUナンバリング219)のTyrをSerに、10
3番目(EUナンバリング220)のGlyをCysに、104番目(
EUナンバリング221)のProをValに、105番目(EUナン
バリング222)のProをGluに、113番目(EUナンバリ
グ233)のGluをProに、114番目(EUナンバリング234)
のPheをValに、115番目(EUナンバリング235)のLeu
Alaに、289番目(EUナンバリング409)のArgをLysに
換することが好ましい。
本発明の方法は、上記工程を含む限り、他
アミノ酸置換や欠損、その他工程を含むも
であってもよい。アミノ酸の置換や欠損の
法は特に限定されるものではないが、例え
上述の部位特異的変異誘発法や実施例の記
の方法によって行うことが出来る。
<IgG1定常領域のC末端アミノ酸欠損に由来す
るヘテロジェニティーを低減させる方法>
また本発明は、配列番号:1に記載のアミノ
配列を有するIgG1定常領域において、329番目(
EUナンバリングの446番目)のGlyおよび330番目(EU
ナンバリングの447番目)のLysを欠損させる工
を含む、抗体のヘテロジェニティーを改善
る方法に関する。本発明の抗体のヘテロジ
ニティーを改善する方法は、配列番号:1に記
載のアミノ酸配列を有するIgG1定常領域にお
て、330番目(EUナンバリングの447番目)のLysお
び329番目(EUナンバリングの446番目)のGlyを欠
損させる工程を含む限り、他のアミノ酸置換
を含んでもよい。アミノ酸置換の方法は特に
限定されるものではないが、例えば上述の部
位特異的変異誘発法や実施例の記載の方法に
よって行うことが出来る。
上述の抗体定常領域は特に限定されず、如
なる抗体に用いてもよいが、本発明の定常
域を用いた抗体の例として例えば以下の抗
を挙げることができる。
(a) 配列番号:48((VH4-M73)のアミノ酸配列を有す
る重鎖)、
(b) 配列番号:46((VH3-M73)のアミノ酸配列を有す
る重鎖)、
(c) 配列番号:44((VH5-M83)のアミノ酸配列を有す
る重鎖)、
(d) 配列番号:49((VL1-kappa)のアミノ酸配列を有
る軽鎖)、
(e) 配列番号:47((VL3-kappa)のアミノ酸配列を有
る軽鎖)、
(f) 配列番号:45((VL5-kappa)のアミノ酸配列を有
る軽鎖)、
(g) (a)の重鎖と(d)の軽鎖を含む抗体(FV3-M73)、
(h) (b)の重鎖と(e)の軽鎖を含む抗体(FV4-M73)、
(i) (c)の重鎖と(f)の軽鎖を含む抗体(FV5-M83)。
<抗体を含む医薬組成物>
本発明は、本発明の抗体を含む、医薬組成
を提供する。
本発明の医薬組成物は、抗体に加えて医薬
に許容し得る担体を導入し、公知の方法で
剤化することが可能である。例えば、水も
くはそれ以外の薬学的に許容し得る液との
菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非
口的に使用できる。例えば、薬理学上許容
れる担体もしくは媒体、具体的には、滅菌
や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、
面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒ
ル、防腐剤、結合剤などと適宜組み合わせ
、一般に認められた製薬実施に要求される
位用量形態で混和することによって製剤化
ることが考えられる。これら製剤における
効成分量は指示された範囲の適当な容量が
られるようにするものである。
注射のための無菌組成物は注射用蒸留水の
うなベヒクルを用いて通常の製剤実施に従
て処方することができる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩
、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液
例えばD-ソルビトール、D-マンノース、D-マ
ニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適
な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的
はエタノール、ポリアルコール、例えばプ
ピレングリコール、ポリエチレングリコー
、非イオン性界面活性剤、例えばポリソル
ート80(TM)、HCO-50と併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油があげられ
溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベン
ルアルコールと併用してもよい。また、緩
剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウ
緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイ
、安定剤、例えばベンジルアルコール、フ
ノール、酸化防止剤と配合してもよい。調
された注射液は通常、適当なアンプルに充
させる。
投与は好ましくは非経口投与であり、具体
には、注射剤型、経鼻投与剤型、経肺投与
型、経皮投与型などが挙げられる。注射剤
の例としては、例えば、静脈内注射、筋肉
注射、腹腔内注射、皮下注射などにより全
または局部的に投与することができる。
また、患者の年齢、症状により適宜投与方
を選択することができる。抗体または抗体
コードするポリヌクレオチドを含有する医
組成物の投与量としては、例えば、一回に
き体重1kgあたり0.0001mgから1000mgの範囲で選
ことが可能である。あるいは、例えば、患
あたり0.001から100000mg/bodyの範囲で投与量を
ぶことができるが、これらの数値に必ずし
制限されるものではない。投与量、投与方
は、患者の体重や年齢、症状などにより変
するが、当業者であれば適宜選択すること
可能である。
本明細書で用いられているアミノ酸の3文字
表記と1文字表記の対応は以下の通りである
アラニン:Ala:A
アルギニン:Arg:R
アスパラギン:Asn:N
アスパラギン酸:Asp:D
システイン:Cys:C
グルタミン:Gln:Q
グルタミン酸:Glu:E
グリシン:Gly:G
ヒスチジン:His:H
イソロイシン:Ile:I
ロイシン:Leu:L
リジン:Lys:K
メチオニン:Met:M
フェニルアラニン:Phe:F
プロリン:Pro:P
セリン:Ser:S
スレオニン:Thr:T
トリプトファン:Trp:W
チロシン:Tyr:Y
バリン:Val:V
なお本明細書において引用された全ての先
技術文献は、参照として本明細書に組み入
られる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的
説明するが本発明はこれら実施例に制限さ
るものではない。
〔実施例1〕IgG2およびIgG4の酸性条件下におけ
る安定性の向上
IgG2、IgG4化ヒト化IL-6レセプター抗
体発現ベクターの作製・発現
Fcγレセプターへの結合性を低下させるため
にヒト化抗ヒトIL-6レセプター抗体であるヒ
化PM1抗体(Cancer Res. 1993 Feb 15;53(4):851-6)の定
常領域はIgG1アイソタイプであるが、定常領
をIgG2に置換した分子(WT-IgG2、配列番号:13)、
よび、IgG4(Mol Immunol. 1993 Jan;30(1):105-8.)に置
換した分子(WT-IgG4、配列番号:14)を作製した。
IgGの発現には動物細胞発現用ベクターを使用
した。参考例1で使用しているヒト化PM1抗体(I
gG1)の定常領域部分のNheI/NotI消化とligationによ
り定常領域をIgG2あるいはIgG4に置換した発現
クターを構築した。各DNA断片の塩基配列は
BigDye Terminator Cycle Sequencing Kit(Applied Biosys
tems)を用い、DNAシークエンサーABI PRISM 3730xL
DNA SequencerまたはABI PRISM 3700 DNA Sequencer(App
lied Biosystems)にて、添付説明書記載の方法に
い決定した。L鎖としてWT(配列番号:15)を用
、WT-IgG1、WT-IgG2、WT-IgG4の発現は以下の方法
実施した。ヒト胎児腎癌細胞由来HEK293H株(Inv
itrogen)を10 % Fetal Bovine Serum (Invitrogen)を含
DMEM培地(Invitrogen)へ懸濁し、5~6 × 10 5
個 /mLの細胞密度で接着細胞用ディッシュ(直
径10 cm, CORNING)の各ディッシュへ10 mLずつ蒔
こみCO 2
インキュベーター(37℃、5 % CO 2
)内で一昼夜培養した後に、培地を吸引除去
、CHO-S-SFM-II(Invitrogen)培地6.9 mLを添加した。
製したプラスミドDNA混合液(合計13.8μg)を1μg
/mL Polyethylenimine (Polysciences Inc.) 20.7μLとCHO-S
-SFMII培地 690μLと混合して室温10分間静置し
ものを各ディッシュの細胞へ投入し、4~5時
、CO 2
インキュベーター(37℃にて5 % CO 2
)内でインキュベートした。その後、CHO-S-SFM-I
I(Invitrogen)培地6.9 mLを添加して、3日間 CO 2
インキュベーター内で培養した。培養上清を
回収した後、遠心分離(約2000 g、5分間、室温
)して細胞を除去し、さらに0.22μmフィルターM
ILLEX (R)
-GV(Millipore)を通して滅菌した。該サンプルは
用するまで4℃で保存した。
(1) ヒト化PM1抗体(PM-1 VH + IgG1)H鎖:配列番号:
12(アミノ酸配列)
(2) ヒト化PM-1 VH + IgG2H鎖:配列番号:13(アミ
酸配列)
(3) ヒト化PM-1 VH + IgG4H鎖:配列番号:14(アミ
酸配列)
WT-IgG1、WT-IgG2、WT-IgG4のプロテイン
A塩酸溶出による精製
得られた培養上清にTBS中に懸濁させた50μL
rProtein A Sepharose TM
Fast Flow(Amersham Biosciences)を添加し、4℃で4
間以上転倒混和した。その溶液を0.22μmのフ
ルターカップUltrafree (R)
-MC(Millipore)に移し、TBS 500μLにて3回洗浄後、r
Protein A Sepharose TM
樹脂に100μLの10mM HCl, 150mM NaCl, pH2.0に懸濁
て2分間静置したのち、抗体を溶出させた(塩
酸溶出法)。直ちに、6.7μLの1.5M Tris-HCl , pH
7.8を加えて中和した。溶出は2回行い、200μL
精製抗体を得た。
塩酸溶出法により精製したWT-IgG1
WT-IgG2、WT-IgG4のゲルろ過クロマトグラフィー
分析
塩酸溶出法により得られた精製品の会合体
量を評価するためにゲルろ過クロマトグラ
ィー分析を行った。
会合体評価法:システム Waters Alliance
カラム G3000SWxl(TOSOH)
移動相 50mM sodium phosphate, 300mM KC
l, pH7.0
流速・波長 0.5ml/min、220nm
結果を図1に示した。WT-IgG1の精製後の会合
含量は2%程度であったのに対して、WT-IgG2、
よび、WT-IgG4の精製後の会合体含量は25%程度
あった。このことから、IgG1は塩酸溶出時の
酸に対して安定であるが、IgG2およびIgG4は塩
溶出時の酸に対して不安定であり変性・会
化が進行したと考えられ、IgG2およびIgG4は
IgG1と比較して酸性条件下における安定性が
いことが明らかとなった。IgG分子の精製に
いては、プロテインAが多用されるが、IgG分
子のプロテインAからの溶出は酸性条件下で
われる。またIgG分子を医薬品として開発す
上で必要なウィルス不活化は、一般に酸性
件下において行われる。これらのことから
IgG分子の酸性条件下における安定性は高い
うが望ましいが、IgG2およびIgG4分子は酸性条
件下における安定性がIgG1よりも劣ることが
かり、医薬品として開発するには酸性条件
での変性・会合化という課題が存在するこ
が初めて明らかとなった。医薬品として開
するには変性・会合化という課題が解決さ
ることが望ましいと考えられたが、これま
にアミノ酸置換によりこれを解決する方法
報告されていない。
WT-IgG2、WT-IgG4のCH3ドメイン改変体
作製と評価
IgG2およびIgG4分子は酸性条件下における安
性がIgG1よりも劣ることが示されたため、IgG2
およびIgG4分子の酸性条件下での安定性を改
させる改変体を検討した。IgG2およびIgG4分子
の定常領域のモデルより、酸性条件下におけ
る不安定要因として、CH3ドメインにおけるCH3
/CH3界面の不安定性が考えられ、IgG2において
EUナンバリングの397番目のメチオニン、IgG4
おいてはEUナンバリングの409番目のアルギ
ンがそれぞれIgG2およびIgG4のCH3/CH3界面を不
定化していると考えられた。IgG1においては
EUナンバリングの397番目はバリンであり、40
9番目はリジンであることから、IgG2 のEUナン
バリングの397番目のメチオニンをバリンに改
変した抗体(IgG2-M397V 配列番号:16(アミノ酸配
)、および、IgG4のEUナンバリングの409番目の
アルギニンをリジンに改変した抗体(IgG4-R409K
配列番号:17(アミノ酸配列))を作製した。
目的の抗体の発現ベクターの作製・発現・
製は、上述の塩酸溶出の方法を用いて行っ
。Protein Aからの塩酸溶出法により得られた
精製品の会合体含量を評価するためにゲルろ
過クロマトグラフィー分析を行った。
会合体評価法:システム Waters Alliance
カラム G3000SWxl(TOSOH)
移動相 50mM sodium phosphate, 300mM KC
l, pH7.0
流速・波長 0.5ml/min、220nm
結果を図1に示した。WT-IgG1の精製後の会合
含量は2%程度であったのに対して、WT-IgG2、
よび、WT-IgG4の精製後の会合体含量は25%程度
あった。それに対して、CH3ドメイン改変体
あるIgG2-M397V、および、IgG4-R409Kの会合体含
がIgG1と同等レベルの2%程度であった。IgG2
EUナンバリングの397番目のメチオニンをバリ
ンに改変することで、あるいは、IgG4のEUナン
バリングの409番目のアルギニンをリジンに改
変することで、IgG2抗体およびIgG4抗体の酸性
件下における安定性を向上させることが可
であることが明らかになった。精製抗体を2
0mM sodium acetate, 150mM NaCl, pH6.0の溶液に対し
て透析(EasySEP, TOMY)を行い、約0.1mg/mLのタンパ
ク質濃度で、40℃から100℃まで1℃/minの昇温
度でDSC測定(熱変性中間温度、Tm値測定)を行
た。WT-IgG2、WT-IgG4、IgG2-M397V、および、IgG4-R4
09Kの熱変性中間温度を測定した結果、WT-IgG2
WT-IgG4に比べてIgG2-M397V、IgG4-R409Kはそれぞれ
変を導入したCH3ドメインのTm値が高いことが
分かった。このことから、IgG2-M397V、IgG4-R409K
それぞれWT-IgG2、WT-IgG4に比べて熱安定性に
いても優れていることが分かった。
IgG2およびIgG4はプロテインAを用いた精製工
およびウィルス不活化工程において酸性条
下に暴露されることから、同工程における
性・会合化が課題であったが、IgG2及びIgG4
定常領域配列として、IgG2-M397VおよびIgG4-R409K
を使用することによって、その課題を解決す
ることが可能であることが明らかになり、同
改変はIgG2及びIgG4抗体を医薬品として開発す
上で極めて有用であることが分かった。ま
、IgG2-M397VおよびIgG4-R409Kは熱安定性にも優
ている点からも有用であることが分かった
〔実施例2〕IgG2のジスルフィド結合由来のヘ
ロジェニティーの改善
WT-IgG1、WT-IgG2、WT-IgG4のプロテイン
A酢酸溶出による精製
実施例1で得られた培養上清にTBS中に懸濁さ
せた50μLのrProtein A SepharoseTM Fast Flow(Amersham
Biosciences)を添加し、4℃で4時間以上転倒混和
した。その溶液を0.22μmのフィルターカップUl
trafree (R)
-MC(Millipore)に移し、TBS 500μLにて3回洗浄後、r
Protein A Sepharose TM
樹脂に100μLの50 mM 酢酸ナトリウム水溶液, p
H 3.3に懸濁して2分間静置したのち、抗体を
出させた。直ちに、6.7μLの1.5M Tris-HCl, pH 7.
8を加えて中和した。溶出は2回行い、200μLの
製抗体を得た。
WT-IgG1、WT-IgG2、WT-IgG4の陽イオン交
換クロマトグラフィー(IEC)分析
精製されたWT-IgG1、WT-IgG2、WT-IgG4の均一性を
価するために陽イオン交換クロマトグラフ
ーによる分析を行った。
IEC評価法:システム Waters Alliance
カラム ProPac WCX-10 (Dionex)
移動相 A : 25mM MES-NaOH, pH6.1
B : 25mM MES-NaOH, 250mM Na-Acetate
, pH6.1
流速・波長 0.5ml/min、280nm
グラジエント B : 50%-75% (75min) WT-I
gG1分析時
B : 30%-55% (75min) WT-IgG2、
WT-IgG4分析時
結果を図2に示した。WT-IgG1、WT-IgG4はイオン
換分析でシングルピークであったが、WT-IgG2
は複数のピークが存在していることが分かり
、IgG2分子は、IgG1やIgG4と比較してヘテロジェ
ニティーが多いことが分かった。実際、IgG2
アイソタイプは、ヒンジ領域のジスルフィ
結合に由来するヘテロジェニティー(不均一
)が報告されており(非特許文献10)、図2に示
れたIgG2のヘテロピークもこれに由来する目
的物質/関連物質と考えられる。目的物質/関
物質のヘテロジェニティーの製造間差を維
しつつ医薬品として大量に製造することは
しく、医薬品として開発する抗体分子は望
しくは可能な限り均一な(ヘテロジェニティ
ーが少ない)物質であったほうがよい。よっ
野生型IgG2は、抗体を医薬品として開発する
あたって重要な均一性に課題があると考え
れた。実際、US20060194280(A1)において、天然
IgG2はイオン交換クロマトグラフィー分析に
いてジスルフィド結合に由来する様々なヘ
ロピークが観察されており、これらのピー
間では生物活性が異なることも報告されて
る。このヘテロピークを単一化する方法と
て、US20060194280(A1)においては精製工程にお
るリフォールディングが報告されているが
製造においてこれらの工程を用いることは
ストがかかり煩雑であるため、好ましくは
ミノ酸置換によりヘテロピークを単一化す
方法が望ましい。医薬品として開発するに
ヒンジ領域のジスルフィド結合に由来する
テロジェニティーが解決されることが望ま
いと考えられたが、これまでにアミノ酸置
によりこれを解決する方法は報告されてい
い。
WT-IgG2のCH1ドメイン、ヒンジ領域
改変体の作製と評価
図3に示すとおりIgG2分子に関しては様々な
スルフィド結合パターンが考えられる。IgG2
ヒンジ領域に由来するヘテロジェニティー
原因として、ジスルフィド結合の掛け違い
および、フリーのシステインの存在が考え
れた。IgG2はupper hinge領域に2つのシステイ
を有し(EUナンバリング219番目と220番目、こ
upper hingeの2つのシステインに隣接するシス
インとして、H鎖のCH1ドメインに存在するEU
ンバリング131番目のシステインとL鎖のC末
のシステイン、および、2量化する相手H鎖の
同じupper hingeの2つのシステインが挙げられ
。すなわち、IgG2のupper hinge周辺にはH2L2の会
合した状態では合計8個のシステインが隣接
ており、これにより、ジスルフィド結合の
け違い、および、フリーのシステインによ
様々なヘテロジェニティーが存在すること
考えられる。
IgG2のヒンジ領域に由来するヘテロジェニテ
ィーを低減することを目的にIgG2のヒンジ領
配列とCH1ドメインの改変を行った。IgG2にお
てジスルフィド結合の掛け違い、および、
リーのシステインによるヘテロジェニティ
を回避するための検討を行った。各種改変
の検討の結果、野生型IgG2定常領域配列のう
ち、H鎖のCH1ドメインに存在するEUナンバリン
グ131番目のシステインと133番目のアルギニン
をそれぞれセリンとリジンに改変し、H鎖のup
per hingeに存在するEUナンバリング219番目のシ
ステインをセリンに改変する(以下、IgG2-SKSC)(
IgG2-SKSC:配列番号:18)ことによって、熱安定性
低下させることなくヘテロジェニティーを
避することが可能であると考えられた。こ
により、IgG2-SKSCのH鎖とL鎖の共有結合は、EU
ナンバリング220番目のシステインとL鎖のC末
のシステインでジスルフィド結合により均
に形成されると考えられる(図4)。
IgG2-SKSCの発現ベクターの作製、発現、精製
参考例1に記した方法で実施した。精製され
たIgG2-SKSCおよび野生型IgG2(WT-IgG2)の均一性を
価するために陽イオン交換クロマトグラフ
ーによる分析を行った。
IEC評価法:システム Waters Alliance
カラム ProPac WCX-10 (Dionex)
移動相 A : 25mM MES-NaOH, pH5.6
B : 25mM MES-NaOH, 250mM Na-Acetate, pH5
.6
流速・波長 0.5ml/min、280nm
グラジエント B : 50%-100% (75min)
結果を図5に示した。上述のとおり、WT-IgG2
複数のピークが存在しているが、IgG2-SKSCは
ングルピークとして溶出することが分かっ
。IgG2のヒンジ領域のジスルフィド結合に由
するヘテロジェニティーは、EUナンバリン
220番目のシステインとL鎖のC末端のシステイ
ンで単一のジスルフィド結合を形成するよう
なIgG2-SKSCの改変を導入することで回避できる
ことが示された。また、実施例1と同様の方
で、WT-IgG1、WT-IgG2およびIgG2-SKSCの熱変性中間
温度を測定した結果、WT-IgG2はWT-IgG1に比べて
いTm値を示すFabドメインのピークが観察さ
たが、IgG2-SKSCにおいてはそのピークが認め
れなかった。このことから、IgG2-SKSCはWT-IgG2
比較して熱安定性においても優れているこ
が分かった。
野生型IgG2は、抗体を医薬品として開発する
にあたって重要な均一性に課題があると考え
られたが、IgG2-SKSCをIgG2の定常領域配列とし
使用することにより、この課題を解決する
とが可能であることが明らかになり、IgG2を
薬品として開発する上で極めて有用である
とが分かった。また、IgG2-SKSCは熱安定性に
優れている点からも有用であることが分か
た。
〔実施例3〕IgG分子のC末端ヘテロジェニティ
の改善
WT-IgG1のH鎖C末端δGK抗体の発現ベ
ター構築
抗体のC末端配列のヘテロジェニティーとし
て、C末端アミノ酸のリジン残基の欠損、お
び、C末端の2アミノ酸のグリシン、リジンの
欠損によるC末端アミノ基のアミド化が報告
れており(非特許文献12)、医薬品として開発
る上ではこれらのヘテロジェニティーは存
しないことが望ましい。実際、ヒト化PM-1抗
体であるTOCILIZUMABにおいても、その主成分は
基配列上存在するC末端アミノ酸のリジンが
翻訳後修飾により欠損した配列であるが、リ
ジンが残存している副成分もヘテロジェニテ
ィーとして存在する。そこで、C末端アミノ
のヘテロジェニティーを低減させることを
的にC末端アミノ酸の改変を行った。具体的
は、野生型IgG1のH鎖定常領域のC末端のリジ
およびグリシンを塩基配列上あらかじめ欠
させることで、C末端の2アミノ酸のグリシ
、リジンの欠損によるC末端アミノ基のアミ
化を抑制することが可能かどうかを検討し
。
参考例1で得たヒト化PM1抗体(WT)のpB-CHベクタ
ーを用いてH鎖C末端配列に変異を導入した。Q
uikChange Site-Directed Mutagenesis Kit (Stratagene)を
いて、添付説明書記載の方法でEUナンバリ
グ447番目のLysおよび/またはEUナンバリング44
6番目のGlyをコードする塩基配列について、
れを終止コドンとする変異を導入した。こ
により、C末端の1アミノ酸のリジン(EUナンバ
リング447)をあらかじめ欠損させた抗体、C末
の2アミノ酸のグリシン(EUナンバリング446)
リジン(EUナンバリング447)をあらかじめ欠損
せた抗体の発現ベクターを作製した。ヒト
PM1抗体のL鎖と発現させることでH鎖C末端δK
体、および、H鎖C末端δGK抗体を得た。発現
精製は参考例1で記した方法で実施した。
精製したH鎖C末端δGK抗体の陽イオン交換ク
マトグラフィー分析を以下のとおりに行っ
。精製したH鎖C末端δGK抗体を用いて以下の
法で陽イオン交換クロマトグラフィーによ
分析を行い、C末端欠損がヘテロジェニティ
ーに及ぼす影響を評価した。陽イオン交換ク
ロマトグラフィー分析条件は以下のとおりで
あり、ヒト化PM1抗体、H鎖C末端δK抗体、H鎖C
端δGK抗体のクロマトグラムを比較した。
カラム:ProPac WCX-10 (Dionex)
移動相:A: 25 mmol/L MES/NaOH, pH 6.1
B: 25 mmol/L MES/NaOH, 250 mmol/L NaCl,
pH 6.1
流速:0.5 mL/min
グラジエント:25 %B(5 min)→(105 min)→67 %
B→(1 min)→100 %B (5 min)
検出:280 nm
未改変ヒト化PM-1抗体、H鎖C末端δKおよびH鎖
C末端δGK抗体の分析結果を図6に示す。非特許
文献10から、主ピークよりも保持が遅い塩基
ピークにH鎖C末端449番目のLys残存体、447番
のProアミド体が含まれるが、H鎖C末端δK で
認められなかった塩基性ピークの大幅な減
がH鎖C末端δGK抗体では認めたことから、H鎖
C末端の2アミノ酸を欠損させることによって
めてH鎖C末端ヘテロジェニティーを軽減す
ことが可能であると分かった。
H鎖C末端の2残基の欠損の及ぼす熱安定性へ
影響を評価するために、DSCによるH鎖C末端δ
GK抗体の熱変性温度測定を行った。DSC測定用
して150 mM NaClを含む20 mM 酢酸緩衝液、pH6.
0に透析することで緩衝液を置換した。ヒト
PM1抗体、H鎖C末端δGK抗体およびリファレン
溶液(透析外液)を十分に脱気した後、これら
をそれぞれ熱量計セルに封入し40℃での熱平
化を十分に行った。次にDSC走査を40℃~100℃
約1K/分走査速度で行った。得られた変性ピ
クについて、非特許文献(Rodolfoら、Immunology
Letters、1999年、p47-52)を参考にピークアサイ
を行ったところ、C末端欠損はCH3ドメインの
変性温度に影響しないことを確認した。
これにより、H鎖定常領域のC末端のリジン
よびグリシンを塩基配列上あらかじめ欠損
せることで、抗体の熱安定性に影響を与え
ことなく、C末アミノ酸のヘテロジェニティ
を低減させること可能となった。ヒト抗体
常領域IgG1、IgG2、IgG4において、C末端配列は
いずれもEUナンバリング447番目がLys、EUナン
リング446番目がGlyになっていることから、
件等で見出されたC末アミノ酸のヘテロジェ
ティーを低減させる方法はIgG2定常領域とIgG
4定常領域にも適用可能であると考えられる
〔実施例4〕新規最適化定常領域M14δGK配列の
製
抗原を中和することが目的の抗体医薬にお
てはFc領域の有するADCC等のエフェクター機
は必要ではなく、従って、Fcγレセプターへ
の結合は不必要である。免疫原性や副作用の
点から考えるとFcγレセプターへの結合は好
しくない可能性も考えられる(非特許文献5、
6)。ヒト化抗IL-6レセプターIgG1抗体であるTOCIL
IZUMABはIL-6レセプターに特異的に結合し、そ
生物学的作用を中和することで、関節リウ
チ等のIL-6が関連する疾患の治療薬として利
可能であり、Fcγレセプターへの結合は不必
要である。
Fcγレセプター非結合の最適化定
領域M14δGK、M11δGK、M17δGKの作製と評価
Fcγレセプターへの結合を低下させる方法と
しては、IgG抗体のアイソタイプをIgG1からIgG2
るいはIgG4アイソタイプに変える方法が考え
られる(Ann Hematol. 1998 Jun;76(6):231-48.)。Fcγレ
プターへの結合を完全に無くす方法として
、人工的な改変をFc領域に導入する方法が
告されている。例えば、抗CD3抗体や抗CD4抗
は抗体のエフェクター機能が副作用を惹起
るため、Fc領域のFcγレセプター結合部分に
生型配列には存在しないアミノ酸変異(非特
文献3、7)を導入したFcγレセプター非結合型
の抗CD3抗体や抗CD4抗体の臨床試験が現在行わ
れている(非特許文献5、8)。また、IgG1のFcγR
合部位(EUナンバリング:233、234、235、236、327
330、331番目)をIgG2(EUナンバリング:233、234、2
35、236)およびIgG4(EUナンバリング:327、330、331
目)の配列にすることでFcγレセプター非結
型抗体を作製することが可能であると報告
れている(特許文献3)。しかしながら、IgG1に
れらの変異を全て導入すると、天然には存
しないT-cellエピトープペプチドとなりうる9
アミノ酸の新しいペプチド配列が出現し、免
疫原性のリスクが高まることが考えられる。
医薬品として開発する上では、免疫原性リス
クは極力下げることが望ましい。
上述の課題を解決するために、IgG2の定常 領域への改変を検討した。IgG2の定常領域はFc γR結合部位のうちEUナンバリング:233、234、235 、236が非結合型であるが、FcγR結合部位のう EUナンバリング:327、330、331番目は非結合型 IgG4とは異なる配列であるため、EUナンバリ グ:327、330、331番目のアミノ酸をIgG4の配列 改変する必要がある(Eur J Immunol. 1999 Aug;29( 8):2613-24におけるG2δa)。しかしながら、IgG4はE Uナンバリング:339番目のアミノ酸がアラニン あるのに対して、IgG2はスレオニンであるた め、EUナンバリング:327、330、331番目のアミノ 酸をIgG4の配列に改変しただけでは天然には 在しないT-cellエピトープペプチドとなりう 9アミノ酸の新しいペプチド配列が出現して まい、免疫原性リスクが生じる。そこで、 述の改変に加えて新たにIgG2のEUナンバリン :339番目のスレオニンをアラニンに改変する ことで、新しいペプチド配列の出現を防ぐこ とが可能であることを見出した。
これらの変異に加えて、実施例1で見出し たIgG2の酸性条件下での安定性を向上させるIg G2 のEUナンバリングの397番目のメチオニンか らバリンへの変異、実施例2で見出されたヒ ジ領域のジスルフィド結合に由来するヘテ ジェニティーを改善させるEUナンバリングの 131番目のシステインからセリンへの変異、133 番目のアルギニンからリジンへの変異、219番 目のシステインからセリンへの変異を導入し た。さらに131番目と133番目の変異導入に伴い 天然には存在しないT-cellエピトープペプチド となりうる9アミノ酸の新しいペプチド配列 出現してしまい免疫原性リスクが生じるこ から、EUナンバリングの137番目のグルタミン 酸からグリシンへの変異、138番目のセリンか らグリシンへの変異を導入することで、131番 目から139番目付近のペプチド配列を天然に存 在するヒト配列と同一のものとした。さらに 、C末端に由来するヘテロジェニティーを低 させるためにH鎖C末端のEUナンバリングの446 447番目のグリシンおよびリジンを欠損させ 。これらの変異を全て導入した定常領域配 をM14δGKとした(M14δGK:配列番号:5)。M14δGKはT- cellエピトープペプチドとなりうる9アミノ酸 新しいペプチド配列として219番目のシステ ンからセリンへの変異を導入した1ヶ所が存 在するが、システインとセリンはアミノ酸配 列としての性質が似ていることから免疫原性 のリスクは極めて小さいと考えられ、TEPITOPE よる免疫原性予測においても免疫原性の変 は認められなかった。
可変領域配列としてWTを有し、定常領域配
としてM14δGKを有するH鎖抗体配列(M14δGK:配列
番号:5、WT-M14δGK:配列番号:19)の発現ベクター
参考例1に記された方法で作製し、H鎖とし
WT-M14δGK、L鎖としてWTを用いて参考例1に記し
た方法で発現・精製した。
また、同様の方法で、IgG4定常領域にFcγレ
プターへの結合を低下させるためにEUナンバ
リング:233、234、235、236番目に変異を導入し(E
ur J Immunol. 1999 Aug;29(8):2613-24におけるG4δb、
この改変においては新しい非ヒト配列が生じ
るため免疫原性リスクが上昇する)、免疫原
リスクを低減させるために上述の改変に加
てヒンジ領域のジスルフィド結合様式をM14δ
GKと同じにするためにEUナンバリング:131、133
137、138、214、217、219、220、221、222番目に変
を導入し、さらに酸性条件下での安定性を
上させるためにEUナンバリング409番目に変
を導入し(実施例1)、C末端のヘテロジェニテ
ーを低下させるためにEUナンバリング446番
と447番目を欠損させた(実施例3)WT-M11δGK(M11δG
K:配列番号:8、WT-M11δGK:配列番号:21)の発現ベ
ターを作製した。
さらに、IgG1定常領域にFcγレセプターへの
合を低下させるためにEUナンバリング:233、23
4、235、236、327、330、331、339番目に変異を導
し(Eur J Immunol. 1999 Aug;29(8):2613-24におけるG1
δab)、さらにC末端のヘテロジェニティーを低
下させるためにEUナンバリング446番目と447番
を欠損させた(実施例3)WT-M17δGK(M17δGK:配列番
号:10、WT-M17δGK:配列番号:20)を作製した。
H鎖としてWT-M17δGKあるいはWT-M11δGK、L鎖とし
てWTを用いて実施例1に記した方法で発現・精
製した。
WT-M14δGK、WT-M17δGK、WT-M11δGKのFcγ
セプター結合性の評価
FcγRIへの結合評価は以下のとおりに行った
Biacore T100 を用いて、センサーチップに固
化したヒト由来 Fcγ receptor I (以下、FcγRI
) と、アナライトとして用いたIgG1、IgG2、IgG4
、M11δGK、M14δGK、M1δGK 7を相互作用させ、
の結合量を比較した。ヒト由来の FcγRI と
ては Recombinant Human FcRIA / CD64 (R&D syst
ems) を用い、サンプルとして IgG1、IgG2、IgG4
、M11δGK、M14δGK、M17δGK を用いて測定を行っ
た。アミンカップリング法によりセンサーチ
ップ CM5 (BIACORE) に FcγRIを固定化した。最
的なhFcγRIの固定量は、約13000 RU(resonance uni
ts) であった。ランニングバッファーとしてH
BS-EP+を用い、流速は20 μL/minとした。サンプ
をHBS-EP+を用いて100 μg/mLの濃度に調整した
分析は、抗体溶液の10 μLをインジェクトす
る2分間を結合相とし、その後HBS-EP+に切り換
、4分間の解離相とした。解離相終了後、20
μLの5 mM水酸化ナトリウムをインジェクトす
ることにより、センサーチップを再生した。
この結合・解離・再生を分析の1サイクルと
、各種抗体溶液をインジェクトし、センサ
グラムを得た。アナライトはそれぞれ IgG4
IgG2、IgG1、M11、M14、M17 の順に流し、それを
2 回繰り返した。測定した結合量データを
較した結果を図7に示した。その結果、結合
は IgG1 > IgG4 >> IgG2 = M11δGK = M14
δGK = M17δGK の順に減少しており、野生型
IgG2、M11δGK、M14δGK、M17δGK は野生型のIgG1、I
gG4 よりも FcγRIに対して結合が弱いことが
らかとなった。
FcγRIIaへの結合評価は以下のとおりに行 た。Biacore T100 を用いて、センサーチップ 固定化したヒト由来 Fcγ receptor IIa (以下 FcγRIIa) と、アナライトとして用いたIgG1、Ig G2、IgG4 、M11δGK、M14δGK、M17δGKを相互作用さ 、その結合量を比較した。ヒト由来の FcγR IIa としては Recombinant Human FcRIIA/CD32a (R& D systems) を用い、サンプルとして IgG1、IgG2 IgG4 、M11δGK、M14δGK、M17δGK を用いて測定 行った。アミンカップリング法によりセン ーチップ CM5 (BIACORE) に FcγRIIa を固定化 た。最終的に約 3300 RU の FcγRIIa を固定 した。ランニングバッファーとしてHBS-EP+を い、流速は20 μL/minとした。その後、ベー ラインが安定になるまでランニングバッフ ーを流し、測定はベースラインが安定して ら行った。固定化した FcγRIIa に対して、 ナライトとして各 IgG アイソタイプ (IgG1, IgG2, IgG4) および変異を導入した抗体 (M11δGK , M14δGK, M17δGK) を相互作用させ、その結合 を観察した。ランニングバッファーには HB S-EP+ を用い、流速は 20 μL/min 、測定温度 25℃とした。各 IgG および 改変体は 100 μg/mL に調整し、アナライトとして 20 μL し、固定化した FcγRIIa と相互作用させた 相互作用後は 200 μL のランニングバッフ ーを流すことで FcγRIIa からアナライトを 離させ、センサーチップを再生させた。ア ライトはそれぞれ IgG4、IgG2、IgG1、M11δGK、M1 4δGK、M17δGK の順に流し、それを 2 回繰り した。測定した結合量データを比較した結 を図8に示した。その結果、結合量は IgG1 &g t; IgG2 = IgG4 > M11δGK = M14δGK = M17δGK 順に減少しており、M11δGK、M14δGK、M17δGK は 野生型のIgG1、IgG2、IgG4 のいずれよりも FcγR IIa に対して結合が弱いことが明らかとなっ 。
FcγRIIbへの結合評価は以下のとおりに行 た。Biacore T100 を用いて、センサーチップ 固定化したヒト由来 Fcγ receptor IIb(以下、F cγRIIb) と、アナライトとして用いたIgG1、IgG2 、IgG4 、M11δGK、M14δGK、M17δGKを相互作用させ 、その結合量を比較した。ヒト由来の FcγRII b としては Recombinant Human FcRIIB/C (R&D sys tems) を用い、サンプルとして IgG1、IgG2、IgG4 、M11δGK、M14δGK、M17δGK を用いて測定を行 た。アミンカップリング法によりセンサー ップ CM5 (BIACORE) に FcγRIIb を固定化した 最終的に約 4300RU の FcγRIIb を固定化した その後、ベースラインが安定になるまでラ ニングバッファーを流し、測定はベースラ ンが安定してから行った。固定化した FcγR IIb に対して、アナライトとして各 IgG ア ソタイプ (IgG1, IgG2, IgG4) および変異を 入した抗体 (M11δGK, M14δGK, M17δGK) を相互 用させ、その結合量を観察した。ランニン バッファーには HBS-EP+を用い、流速は 20 μ L/min 、測定温度は 25°C とした。各 IgG お び 改変体は 200 μg/mL に調整し、アナラ トとして 20 μL 流し、固定化した FcγRIIb と相互作用させた。相互作用後は 200 μL の ランニングバッファーを流すことで FcγRIIb からアナライトを解離させ、センサーチップ を再生させた。アナライトはそれぞれ IgG4、 IgG2、IgG1、M11δGK、M14δGK、M17δGK の順に流し それを 2 回繰り返した。測定した結合量デ ータを比較した結果を図9に示した。その結 、結合量は IgG4 > IgG1 > IgG2 > M11δG K = M14δGK = M17δGK の順に減少しており、M11 δGK、M14δGK、M17δGK は野生型のIgG1、IgG2、IgG4 のいずれよりも FcγRIIb に対して結合が弱 ことが明らかとなった。
FcγRIIIaへの結合評価は以下のとおりに行 た。Biacore T100 を用いて、センサーチップ 固定化したヒト由来 Fcγ receptor IIIa(以下 FcγRIIIa) と、アナライトとして用いたIgG1、I gG2、IgG4 、M11δGK、M14δGK、M17δGKを相互作用さ せ、その結合量を比較した。ヒト由来の Fcγ RIIIa としてはhFcγRIIIaV-His6(組み換えhFcγRIIIaV- His6:社内調製品)を用い、サンプルとして IgG1 、IgG2、IgG4 、M11δGK、M14δGK、M17δGK を用いて 測定を行った。アミンカップリング法により センサーチップ CM5 (BIACORE) に FcγRIIIaを固 化した。最終的なhFcγRIIIaV-His6の固定量は、 約8200 RU(resonance units) であった。ランニン バッファーとしてHBS-EP+を用い、流速は5 μL/ minとした。サンプルを、HBS-EP+を用いて250 μg /mLの濃度に調整した。分析は、抗体溶液の10 Lをインジェクトする2分間を結合相とし、そ の後HBS-EP+に切り換え、4分間の解離相とした 解離相終了後、20 μLの5 mM塩酸をインジェ トすることにより、センサーチップを再生 た。この結合・解離・再生を分析の1サイク ルとし、各種抗体溶液をインジェクトし、セ ンサーグラムを得た。アナライトはそれぞれ IgG4、IgG2、IgG1、M11δGK、M14δGK、M17δGK の順 流した。測定した結合量データを比較した 果を図10に示した。その結果、結合量は IgG1 >> IgG4 > IgG2 > M17δGK > M11δGK = M14δGK の順に減少しており、M11δGK、M14δGK M17δGK は野生型のIgG1、IgG2、IgG4 よりも Fc RIIIa に対して結合が弱いことが明らかとな た。また、Eur J Immunol. 1999 Aug;29(8):2613-24 報告されているG1δabの変異を含むM17δGKと比 して、M11δGK、M14δGKのほうがさらに弱い結 であることが明らかとなった。
以上より、WT-M14δGK、WT-M17δGK、WT-M11δGKの 種Fcγレセプターへの結合は野生型のIgG1と 較して著しく低下していることが確認され 。WT-M14δGK、WT-M17δGK、WT-M11δGKを定常領域と て使用することで、Fcγレセプターを介したA PCへの取り込みに由来する免疫原性リスクやA DCC等のエフェクター機能に由来する副作用を 回避することが可能であり、抗原を中和する ことが目的の抗体医薬の定常領域配列として 有用である。
WT-M14δGK、WT-M17δGK、WT-M11δGKの高濃
度安定性試験
WT-M14δGK、WT-M17δGK、WT-M11δGKの高濃度製剤に
ける安定性の評価を行った。WT-IgG1、WT-M14δG
K、WT-M17δGK、WT-M11δGKの精製抗体を20mM histidine
chloride, 150mM NaCl, pH6.5の溶液に対して透析(
EasySEP, TOMY)を行い、その後限外ろ過膜により
濃縮し、高濃度安定性試験を行った。条件は
以下のとおりである。
抗体:WT-IgG1、WT-M14δGK、WT-M17δGK、WT-M11δGK
緩衝液:20mM histidine chloride, 150mM NaCl, pH6.5
濃度:61mg/mL
保存温度と期間:40℃-2W、40℃-1M、40℃-2M
会合体評価法:システム Waters Alliance
カラム G3000SWxl(TOSOH)
移動相 50mM sodium phosphate, 300mM KC
l, pH7.0
流速・波長 0.5ml/min、220nm
サンプルを1/100に希釈して分析
Initial(製剤調製直後)および各条件で保存 の製剤の会合体含有量を上述のゲルろ過ク マトグラフィー法により評価し、initialから 会合体含量の変化量について図11に示した。 の結果、WT-IgG1と比較してWT-M14δGK、WT-M17δGK WT-M11δGKの会合体増加量は低く、WTの会合体 加量の約1/2であった。また、図12に示すよ にFab断片の増加量に関しては、WT-IgG1とWT-M17 GKは同程度であったが、WT-M14δGKとWT-M11δGKはW TのFab断片増加量の約1/4であった。IgGタイプ 抗体製剤の劣化経路として、WO 2003/039485に されているように、会合体の生成とFab分解 の生成が主に挙げられる。WT-M14δGKとWT-M11δGK は、WT-IgG1と比較して会合体とFab断片の生成 2つの点で製剤的安定性に優れていることが 出された。これにより、IgG1定常領域では安 定性が十分ではなく、医薬品として開発可能 な高濃度溶液製剤が作れなかった抗体におい ても、定常領域としてWT-M14δGK、WT-M17δGK、WT-M 11δGKを用いることがより高い安定性を有する 高濃度溶液製剤が作製可能になると考えられ た。
特にM14δGKは、本来IgG2分子が有する酸性 件下での不安定性を向上させ、ヒンジ領域 ジスルフィド結合に由来するヘテロジェニ ィーを改善し、Fcγレセプターに結合せず、T -cellエピトープペプチドとなりうる9アミノ酸 の新しいペプチド配列を最小限に抑え、且つ 、高濃度製剤における安定性がIgG1よりも優 た新規な定常領域配列として極めて有用で ると考えられた。
〔実施例5〕M31δGKの作製と評価
実施例4で作製したM14δGKに対し、EUナンバリ
ング:330、331、339番目をIgG2の配列に改変したM
31δGKを作製した(M31δGK:配列番号:7)。可変領域
配列としてWTを有し、定常領域配列としてM31
GKを有するH鎖抗体配列(WT-M31δGK:配列番号:22)
発現ベクターを参考例1に記された方法で作
製し、H鎖としてWT-M31δGK、L鎖としてWTを用い
、WT-M31δGKを参考例1に記した方法で発現・
製した。
WT-M31δGKに加えて、同時に発現・精製したWT-
IgG2およびWT-M14δGKの陽イオン交換クロマトグ
フィー分析を以下のとおりに行った。陽イ
ン交換クロマトグラフィー分析条件は以下
とおりであり、WT-IgG2、WT-M14δGK、WT-M31δGKの
ロマトグラムを比較した。
カラム:ProPac WCX-10 (Dionex)
移動相:A: 25 mmol/L MES/NaOH, pH 6.1
B: 25 mmol/L MES/NaOH, 250 mmol/L NaCl,
pH 6.1
流速:0.5 mL/min
グラジエント:0 %B(5 min)→(65 min)→100 %B
→(1 min)
検出:280 nm
WT-IgG2、WT-M14δGK、WT-M31δGKの分析結果を図13
示す。WT-IgG2は複数のピークが存在している
、WT-M31δGKはWT-M14δGKと同様シングルピーク
して溶出することが分かった。WT-M31δGKにお
てもIgG2のヒンジ領域のジスルフィド結合に
由来するヘテロジェニティーは回避できるこ
とが示された。
〔実施例6〕WT-M14の血漿中滞留性評価
ヒトにおける血漿中滞留性の予測
方法
IgG分子の血漿中滞留性が長い(消失が遅い)
は、IgG分子のサルベージレセプターとして
られているFcRnが機能しているためである(Nat
Rev Immunol. 2007 Sep;7(9):715-25)。ピノサイトー
シスによってエンドソームに取り込まれたIgG
分子は、エンドソーム内の酸性条件下(pH6.0付
近)においてエンドソーム内に発現しているFc
Rnに結合する。FcRnに結合できなかったIgG分子
はライソソームへ進みライソソームで分解さ
れるが、FcRnへ結合したIgG分子は細胞表面へ
行し血漿中の中性条件下(pH7.4付近)においてF
cRnから解離することで再び血漿中に戻る。
IgGタイプの抗体として、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4
のアイソタイプが知られているが、これらの
ヒトでの血漿中半減期は、IgG1、IgG2が約36日
IgG3が約29日、IgG4が16日であることが報告さ
ており(Nat Biotechnol. 2007 Dec;25(12):1369-72.)、Ig
G1およびIgG2の血漿中滞留性が最も長いと考え
られている。一般に抗体医薬のアイソタイプ
はIgG1、IgG2、IgG4であるが、これらのIgG抗体の
薬物動態をさらに向上する方法として、IgGの
定常領域の配列を改変することで上述のヒト
FcRnへの結合性を向上させる方法が報告され
いる(J Biol Chem. 2007 Jan 19;282(3):1709-17、J Im
munol. 2006 Jan 1;176(1):346-56)。
マウスFcRnとヒトFcRnでは種差が存在するこ
から(Proc Natl Acad Sci U S A. 2006 Dec 5;103(49
):18709-14)、定常領域の配列を改変したIgG抗体
ヒトにおける血漿中滞留性を予測するため
は、ヒトFcRnへの結合評価およびヒトFcRnト
ンスジェニックマウスにおいて血漿中滞留
を評価することが望ましいと考えられた(Int
Immunol. 2006 Dec;18(12):1759-69)。
ヒトFcRnへの結合評価
FcRnはFcRnとβ2-microglobulinの複合体である。公
開されているヒトFcRn遺伝子配列(J. Exp. Med.
180 (6), 2377-2381 (1994))を元に、オリゴDNAプラ
マーを作製した。ヒトcDNA(Human Placenta Marath
on-Ready cDNA, Clontech)を鋳型とし、作製したプ
イマーを用いPCR法により遺伝子全長をコー
するDNA断片を調整した。得られたDNA断片を
型に、PCR法によりシグナル領域を含む細胞
領域(Met1-Leu290)をコードするDNA断片を増幅し
、動物細胞発現ベクターへ挿入した(ヒトFcRn
ミノ酸配列 配列番号:24)。同様に、公開さ
ているヒトβ2-microglobulin遺伝子配列(Proc. Nat
l. Acad. Sci. U.S.A. 99 (26), 16899-16903 (2002))を
に、オリゴDNAプライマーを作製した。ヒトc
DNA(Hu-Placenta Marathon-Ready cDNA, CLONTECH)を鋳型
し、作製したプライマーを用いPCR法により
伝子全長をコードするDNA断片を調製した。
られたDNA断片を鋳型に、PCR法によりシグナ
領域を含むβ2-microglobulin全長(Met1-Met119)をコ
ドするDNA断片を増幅し、動物細胞発現ベク
ーへ挿入した(ヒトβ2-microglobulinアミノ酸配
配列番号:25)。
可溶型ヒトFcRnの発現は以下の手順で行った
。調製したヒトFcRnおよびヒトβ2-microglobulinの
プラスミドを、10 % Fetal Bovine Serum (Invitroge
n)を用いたlipofection法により、ヒト胎児腎癌
胞由来HEK293H株(Invitrogen)の細胞へ導入した。
られた培養上清を回収した後、IgG Sepharose
6 Fast Flow(Amersham Biosciences)を用い、(J Immunol.
2002 Nov 1;169(9):5171-80.)の方法に従い精製を
った。その後、HiTrap Q HP(GE Healthcare)により
精製を行った。
ヒトFcRnへの結合評価にはBiacore 3000 を用い
、センサーチップに固定化したProtein Lある
はウサギ抗ヒトIgG Kappa chain抗体へ結合させ
た抗体に、アナライトとしてヒトFcRnを相互
用させた際のヒトFcRnの結合量よりaffinity(KD)
算出した。具体的には、ランニングバッフ
ーとして150mM NaClを含む50mM Na-phosphate buffer
、pH6.0を用い、アミンカップリング法により
ンサーチップ CM5 (BIACORE) にProtein Lあるい
はウサギ抗ヒトIgG Kappa chain抗体を固定化し
。その後、抗体を0.02% Tween20を含むランニ
グバッファーで希釈してインジェクトしチ
プに抗体を結合させた後、ヒトFcRnをインジ
クトし、ヒトFcRnの抗体への結合性を評価し
た。
Affinityの算出にはソフトウエア、BIAevaluation
用いた。得られたセンサーグラムより、ヒ
FcRnインジェクト終了直前の抗体へのhFcRn結
量を求め、これをsteady state affinity法でフ
ッティングしてヒトFcRnに対する抗体のaffinit
yを算出した。
ヒト FcRnトランスジェニックマウ
スにおける血漿中滞留性の評価
ヒト FcRnトランスジェニックマウス(B6.mFcRn-
/-.hFcRn Tg line 276 +/+ マウス、Jackson Laborator
ies)における体内動態の評価は以下の通り行
た。抗体をマウスに1 mg/kgの投与量で静脈内
に単回投与し適時採血を行った。採取した血
液は直ちに4℃、15,000 rpmで15分間遠心分離し
血漿を得た。分離した血漿は、測定を実施
るまで-20℃以下に設定された冷凍庫に保存
た。血漿中濃度はELISA法を用いて測定した
WT-M14のヒトにおける血漿中滞留性
の予測評価
WT-IgG1とWT-M14のヒトFcRnへの結合性の評価をBI
Acoreにより行った結果、表1に示すとおり、WT-
M14の結合性のほうが僅かにWT-IgG1よりも優れ
いた。
〔実施例7〕薬物動態を向上させたWT-M44、WT-M5
8、WT-M73の作製
WT-M58分子の作製
実施例6に示したとおり、WT-M14のヒト FcRnト
ランスジェニックマウスにおける血漿中滞留
性はWT-IgG1と同等であった。薬物動態を向上
せる方法として、抗体の等電点を低下させ
方法とFcRnへの結合性を増強する方法が知ら
ているが、WT-M14の薬物動態を向上させるこ
を目的に以下の改変を導入した。具体的に
、実施例4においてWT-M14から作製したWT-M31δG
KのEUナンバリング397番目のバリンをメチオニ
ンに改変し、268番ヒスチジンをグルタミンへ
改変し、355番アルギニンをグルタミンへ改変
し、419番グルタミンをグルタミン酸へ改変し
た。これら4箇所の改変をWT-M31δGK に導入し
WT-M58(配列番号:26(アミノ酸配列))を作製した
発現ベクターの作製は、実施例1の方法で作
製し、H鎖としてWT-M58を使用し、L鎖としてL(WT
)を用いたWT-M58の発現・精製は実施例1に記載
た方法で行った。
WT-M73分子の作製
一方、IgG1に対して、EUナンバリング:434番目
をアラニンに置換したWT-M44(配列番号:27(アミ
酸配列))を作製した。さらにM44に対してH鎖C
末端のヘテロジェニティーを低減するために
446番目のグリシンおよび447番目のリジンを欠
損させたWT-M83(配列番号:58(アミノ酸配列))を
製した。また、WT-M58に対して、EUナンバリン
グ:434番目をアラニンに置換したWT-M73(配列番
:28(アミノ酸配列))を作製した。
これらの発現ベクターの作製は、実施例1の
方法で作製し、H鎖としてWT-M44あるいはWT-M58
るいはWT-M73を使用し、L鎖としてL(WT)を用い
WT-M44およびWT-M58およびWT-M73の発現・精製は
施例1に記載した方法で行った。
WT-M44、WT-M58、WT-M73のヒトにおける
血漿中滞留性の予測評価
WT-IgG1、WT-M44、WT-M58およびWT-M73のヒトFcRnへ
結合性の評価をBIAcoreにより行った結果、表2
に示すとおり、WT-M44、WT-M58およびWT-M73の結合
性はWT-IgG1よりもそれぞれ約2.7倍、約1.4倍お
び約3.8倍程度優れていた。
〔実施例8〕様々な抗体における新規定常領
M14およびM58によるヘテロジェニティー低減
果
実施例4に示すとおり、抗IL-6レセプター抗
であるヒト化PM1抗体(WT)において、定常領域
IgG2からM14に変換することにより、IgG2のヒ
ジ領域に由来するヘテロジェニティーを低
できることが確認された。そこで、ヒト化PM
1抗体以外IgG2タイプの抗体に対しても、定常
域をM14あるいはM58に変換することでヘテロ
ェニティーを低減できるかどうかを検討し
。
ヒト化PM1抗体以外の抗体として、抗IL-6レセ
プター抗体であるF2H/L39(F2H/L39_VHアミノ酸配列
配列番号:29、F2H/L39 VLアミノ酸配列 配列番
号:30)、抗IL-31レセプター抗体であるH0L0(H0L0_VH
アミノ酸配列 配列番号:31、H0L0_VLアミノ酸配
列 配列番号:32)、抗RANKL抗体であるDNS(DNS_VHア
ミノ酸配列 配列番号:33、DNS_VLアミノ酸配列
配列番号:34)、を使用した。それぞれの抗体
対して、定常領域をIgG1(配列番号:1)、IgG2(配
列番号:2)、および、M14(配列番号:5)あるいはM5
8(配列番号:35)にしたものを作製した。
ヘテロジェニティーの評価方法として、陽
オン交換クロマトグラフィーによる評価を
った。作製した抗体のヘテロジェニティー
評価は、カラムとしてProPac WCX-10 (Dionex)を
い、移動相Aとして20mM Sodium Acetate, pH5.0、
動相Bとして20mM Sodium Acetate, 1M NaCl, pH5.0
使用し、適切な流速およびグラジエントを
いて実施した。陽イオン交換クロマトグラ
ィー(IEC)による評価を行った結果を図16示し
。
図16に示したとおり、抗IL-6レセプター抗体
あるヒト化PM1抗体(WT)だけでなく、抗IL-6レ
プター抗体であるF2H/L39、抗IL-31レセプター
体であるH0L0、抗RANKL抗体であるDNSにおいて
、定常領域をIgG1からIgG2に変換することでヘ
テロジェニティーが増大し、定常領域をM14あ
るいはM58に変換することでいずれの抗体にお
いてもヘテロジェニティーを低減できること
が確認された。これより、H鎖のCH1ドメイン
存在するEUナンバリング131番目のシステイン
とH鎖のupper hingeに存在するEUナンバリング219
番目のシステインをセリンに改変することに
より、可変領域の抗体配列および抗原の種類
に関わらず、天然型IgG2に由来するヘテロジ
ニティーを低減できることが示された。
〔実施例9〕様々な抗体における新規定常領
M58による薬物動態改善効果
実施例7に示したとおり、抗IL-6レセプター
体であるヒト化PM1抗体(WT)において、定常領
をIgG1からM58に変換することにより、ヒトFcR
nへの結合性が向上し、ヒトFcRnトランスジェ
ックマウスにおいて薬物動態が向上するこ
が見出された。そこで、ヒト化PM1抗体以外
IgG1抗体に対しても、定常領域をM58に変換す
ることで薬物動態を向上できるかどうかを検
討した。
ヒト化PM1抗体(WT)以外の抗体として、抗IL-31
セプター抗体であるH0L0(H0L0_VHアミノ酸配列
配列番号:31、H0L0_VLアミノ酸配列 配列番号:3
2)、抗RANKL抗体であるDNS(DNS_VHアミノ酸配列
列番号:33、DNS_VLアミノ酸配列 配列番号:34)
を使用した。それぞれの抗体に対して、定
領域をIgG1(配列番号:1)およびM58(配列番号:35)
したものを作製し、実施例6に示した方法で
ヒトFcRnへの結合性を評価した。その結果を
3に示した。
〔実施例10〕CH1ドメインのシステインの及ぼ
ヘテロジェニティーおよび安定性への影響
実施例2に示したとおり、天然型IgG2のヘテ
ジェニティーを低減することを目的にIgG2の
ンジ部分のシステインおよびCH1ドメインに
在するシステインの改変を行った。各種改
体の検討の結果、野生型IgG2定常領域配列の
うち、H鎖のCH1ドメインに存在するEUナンバリ
ング131番目のシステインと133番目のアルギニ
ンをそれぞれセリンとリジンに改変し、H鎖
upper hingeに存在するEUナンバリング219番目の
システインをセリンに改変した定常領域であ
るSKSC(配列番号:38)によって、安定性を低下さ
せることなくヘテロジェニティーを低減する
ことが可能であるとことが見出された。
一方、ヘテロジェニティーを低減する方法
して、H鎖のupper hingeに存在するEUナンバリ
グ219番目のシステインのみをセリンに改変
る方法、および、220番目のシステインのみ
セリンに改変する方法が考えられる。IgG2の
EUナンバリング219番目のシステインをセリン
改変した定常領域であるSC(配列番号:39)、お
よび、IgG2のEUナンバリング220番目のシステイ
ンをセリンに改変した定常領域であるCS(配列
番号:40)を定常領域と有するWT-SC(配列番号:41)
よびWT-CS(配列番号:42)を作製し、WT-IgG1、WT-Ig
G2、WT-SKSCおよびWT-M58とのヘテロジェニティー
および熱安定性の比較を行った。また、WT以
の抗体として、異なる抗IL-6レセプター抗体
であるF2H/L39(F2H/L39_VHアミノ酸配列 配列番号:
29、F2H/L39_VLアミノ酸配列 配列番号:30)に対し
て、定常領域をそれぞれIgG1(配列番号:1)、IgG2
(配列番号:2)、SC(配列番号:39)、CS(配列番号:40)
、SKSC(配列番号:38)、M14(配列番号:5)にしたF2H/L
39-IgG1、F2H/L39-IgG2、F2H/L39-SC、F2H/L39-CS、F2H/L39-S
KSC、F2H/L39-M14を作製し、ヘテロジェニティー
比較を行った。
WT-IgG1、WT-IgG2、WT-SC、WT-CS、WT-SKSC、WT-M58およ
びF2H/L39-IgG1、F2H/L39-IgG2、F2H/L39-SC、F2H/L39-CS、F
2H/L39-SKSC、F2H/L39-M14のヘテロジェニティーの
価方法として、陽イオン交換クロマトグラ
ィーによる評価を行った。カラムとしてProPa
c WCX-10 (Dionex)を用い、移動相Aとして20mM Sodi
um Acetate, pH5.0、移動相Bとして20mM Sodium Aceta
te, 1M NaCl, pH5.0を使用し、適切な流量および
グラジエントを用いて実施した。陽イオン交
換クロマトグラフィーによる評価を行った結
果を図17に示した。
その結果、図17に示すとおり、WTとF2H/L39の
ずれにおいても、定常領域をIgG1からIgG2に変
換することでヘテロジェニティーが増大した
が、定常領域をSKSCおよびM14あるいはM58に変
することでヘテロジェニティーが大幅に低
された。一方、定常領域をSCにした場合は定
常領域をSKSCとした場合と同様にヘテロジェ
ティーが大幅に低減されたが、定常領域をCS
にした場合は十分にヘテロジェニティーが改
善しなかった。
一般に抗体を医薬品として開発するために
ヘテロジェニティーが少ないことに加えて
安定な製剤を調製するため高い安定性を有
ることが望ましい。そこで安定性の評価方
として、示走差査型熱量測定(DSC)による熱
性中間温度(Tm値)の評価を行った(VP-DSC、Microc
al社製)。熱変性中間温度(Tm値)は安定性の指
であり、医薬品として安定な製剤を作製す
ためには、熱変性中間温度(Tm値)が高いこと
望ましい(J Pharm Sci. 2008 Apr;97(4):1414-26.)。W
T-IgG1、WT-IgG2、WT-SC、WT-CS、WT-SKSC、WT-M58を20mM
sodium acetate, 150mM NaCl, pH6.0の溶液に対して
析(EasySEP, TOMY)を行い、約0.1mg/mLのタンパク
濃度で、40℃から100℃まで1℃/minの昇温速度
DSC測定を行った。得られたDSCの変性曲線を
18に、Fab部分のTm値を以下の表4に示した。
また、DSC変性曲線を比較した場合、WT-IgG1、
WT-SKSC、WT-M58のFab部分の変性ピークはシャー
かつ単一であったのに対して、WT-SCおよびWT-
CSはこれらと比較して、Fab部分の変性ピーク
ブロードであり、WT-IgG2はFab部分の変性ピー
クの低温側にショルダーピークが認められた
。DSCの変性ピークは単一成分の場合は通常シ
ャープな変性ピークを示すが、Tmが異なる複
成分(つまりヘテロジェニティー)が存在す
場合、変性ピークはブロードになると考え
れる。すなわち、WT-IgG2、WT-SCおよびWT-CSには
複数成分存在し、WT-SCおよびWT-CSは、天然型Ig
G2のヘテロジェニティーが十分低減されてい
い可能性が示唆された。このことから、野
型IgG2のヘテロジェニティーはヒンジ部分の
システインのみならず、CH1ドメインに存在す
るシステインの両方が関与していると考えら
れ、DSC上のヘテロジェニティーを低減するた
めにはヒンジ部分のシステインのみならず、
CH1ドメインのシステインも改変する必要があ
ると考えられた。また、上述のとおり、ヒン
ジ部分のシステインのみならず、CH1ドメイン
のシステインを改変することで初めて野生型
IgG2と同等の安定性を有することが可能であ
。
以上より、IgG2のヒンジ領域に由来するヘテ
ロジェニティーを低減した定常領域として、
ヒンジ部分のシステインのみをセリンに置換
した定常領域であるSCとCSはヘテロジェニテ
ーおよび安定性の観点で不十分であると考
られ、ヒンジ部分のシステインに加えて、CH
1ドメインに存在するEUナンバリング131番目の
システインもセリンに置換することで初めて
IgG2と同等の安定性を維持しつつヘテロジェ
ティーを大幅に低減することが可能である
とが見出された。そのような定常領域とし
は、上述のM14、M31、M58、M73等が挙げられ、
にM58およびM73は薬物動態が向上し、安定性
高く、ヘテロジェニティーが低減されてい
ことから、抗体医薬品の定常領域として非
に有用であると考えられた。
〔実施例11〕PK/PDが改善した完全ヒト化IL-6レ
プター抗体の作製
TOCILIZUMAB(H鎖 WT-IgG1(配列番号:12)、L鎖 WT(配
番号:15))に対して、PK/PDが改善した完全ヒト
化IL-6レセプター抗体の作製するために以下
示す分子を作製した。完全ヒト化IL-6レセプ
ー抗体として、定常領域に実施例7で作製し
たM73あるいはM83を使用したFv3-M73(H鎖 VH4-M73
列番号:48、L鎖 VL1-kappa 配列番号:49)、Fv4-M73
(H鎖 VH3-M73 配列番号:46、L鎖 VL3-kappa 配列番
号:47)、Fv5-M83(H鎖 VH5-M83 配列番号:44、L鎖 VL5
-kappa 配列番号:45)を作製した。
作製したFv3-M73、Fv4-M73、およびFv5-M83のIL-6レ
セプターへのアフィニティーをTOCILIZUMABと比
した。これらの抗体のIL-6レセプターへのア
フィニティーを測定した結果を表5に示した(
法は参考例参照)。また、BaF/gp130の中和活性
をTOCILIZUMABおよびコントロール(参考例の公知
の高親和性高IL-6レセプター抗体、US 2007/02809
45におけるVQ8F11-21 hIgG1)と比較した(方法は参
例参照)。これらの抗体のBaF/gp130による生物
活性を測定した結果を図19(IL-6終濃度 300 ng/m
L:TOCILIZUMAB、コントロール、Fv5-M83)および図20(
IL-6終濃度 30 ng/mL:TOCILIZUMAB、Fv3-M73、Fv4-M73)に
示した。表5に示すとおり、Fv3-M73、Fv4-M73は、
TOCILIZUMABと比較して2~3倍程度強いアフィニテ
ーを有し、Fv5-M83はTOCILIZUMABと比較して100倍
度強いアフィニティーを示した(Fv5-M83では
フィニティーの測定が困難であったため、
常領域をIgG1にしたFv5-IgG1を用いてアフィニ
ィーを測定した。定常領域は一般にアフィ
ティーに影響しないと考えられる)。また、
20に示すとおりFv3-M73、Fv4-M73は、TOCILIZUMABと
較してやや強い活性を示し、図19に示すと
りFv5-M83はTOCILIZUMABと比較して50%阻害濃度と
て100倍以上の極めて強い活性を有し、且つ
公知の高親和性高IL-6レセプター抗体である
ントロールと比較しても50%阻害濃度として
10倍程度高い中和活性を示した。
TOCILIZUMAB、Fv3-M73、Fv4-M73、およびFv5-M83の可
領域配列に存在するT-cellエピトープをTEPITOPE
(Methods. 2004 Dec;34(4):468-75)を用いて解析を行
た。その結果、TOCILIZUMABは多くの配列がHLAに
結合するT-cellエピトープが存在すると予測さ
れたが、Fv3-M73、Fv4-M73、およびFv5-M83はT-cellエ
ピトープに結合すると予測された配列が大幅
に減少した。また、Fv3-M73、Fv4-M73、およびFv5-
M83はフレームワークにマウス配列が残存せず
完全ヒト化されている。これらのことから、
Fv3-M73、Fv4-M73、およびFv5-M83の免疫原性はTOCILI
ZUMABと比較して大幅に免疫原性リスクが低減
れている可能性が示唆された。
〔実施例12〕完全ヒト化IL-6レセプター抗体の
サルPK/PD試験
TOCILIZUMAB、コントロール、Fv3-M73、Fv4-M73、お
よびFv5-M83をカニクイザルに1 mg/kgで静脈内に
単回投与し血漿中濃度推移を評価した(方法
参考例参照)。TOCILIZUMAB、Fv3-M73、Fv4-M73、およ
びFv5-M83の静脈内投与後の血漿中濃度推移を
21に示した。その結果、Fv3-M73、Fv4-M73、およ
Fv5-M83はいずれもTOCILIZUMABおよびコントロー
と比較してカニクイザルにおいて大幅に薬
動態が改善した。なかでも、Fv3-M73とFv4-M73
薬物動態はTOCILIZUMABと比較して大幅に改善し
た。
カニクイザル膜型IL-6レセプターがどの程度
中和されているかの薬効を評価するために、
抗体投与6日目から18日目(TOCILIZUMABに関しては
3日目から10日目)までカニクイザルIL-6 5μg/kg
腰背部に連日皮下投与し、24時間後の各個
のCRP濃度を測定した(方法は参考例参照)。各
抗体投与時のCRP濃度推移を図22に示した。カ
クイザル可溶型IL-6レセプターがどの程度中
和されているかの薬効を評価するために、カ
ニクイザル血漿中の非結合型のカニクイザル
可溶型IL-6レセプター濃度を測定し、可溶型IL
-6レセプターの中和率を計算した(方法は参考
例参照)。各抗体投与時の可溶型IL-6レセプタ
の中和率の推移を図23に示した。
Fv3-M73、Fv4-M73、およびFv5-M83はいずれもTOCILIZ
UMABおよび公知の高親和性抗IL-6レセプター抗
であるコントロールと比較してカニクイザ
膜型IL-6レセプターをより持続的に中和しCRP
の増加を長期間抑制した。また、Fv3-M73、Fv4-M
73、およびFv5-M83はいずれもTOCILIZUMABおよびコ
トロールと比較してカニクイザル可溶型IL-6
レセプターをより持続的に中和し非結合型の
カニクイザル可溶型IL-6レセプターの増加を
期間抑制した。これより膜型IL-6レセプター
よび可溶型IL-6レセプターの中和の持続性に
関しては、Fv3-M73、Fv4-M73、およびFv5-M83はいず
れもTOCILIZUMABおよびコントロールよりも優れ
いることが見出された。なかでもFv3-M73とFv4
-M73の中和の持続性は極めて優れていた。一
、Fv5-M83のほうがFv3-M73とFv4-M73よりCRPおよび
結合型カニクイザル可溶型IL-6レセプターを
く抑制していることから、Fv5-M83は膜型IL-6
セプターおよび可溶型IL-6レセプターをFv3-M73
とFv4-M73および公知の高親和性抗IL-6レセプタ
抗体であるコントロールよりも強力に中和
ていると考えられた。これはFv5-M83がコント
ロールよりもIL-6レセプターへのアフィニテ
ーが強く、且つ、BaF/gp130における生物活性
強いことがカニクイザルのin vivoにおいて反
映された結果であると考えられる。
これらのことから、TOCILIZUMABおよびコント
ールと比較して、Fv3-M73とFv4-M73は抗IL-6レセ
ター中和抗体として作用の持続性が極めて
れており投与頻度および投与量を大幅に低
することが可能であり、また、Fv5-M83は抗IL-6
レセプター中和抗体として作用の強さに極め
て優れており、また作用の持続性にも優れて
いることが見出された。よってFv3-M73、Fv4-M73
およびFv5-M83はIL-6アンタゴニストとしての
薬品として有用であると考えられる。
〔参考例〕
組み換えカニクイザル可溶型IL-6
セプター(cIL-6R)の調製
公開されているアカゲザルIL-6レセプター遺
伝子配列 (Birney et al, Ensembl 2006, Nucleic Aci
ds Res. 2006 Jan 1;34(Database issue):D556-61.) を元
にオリゴDNAプライマーを作製し、カニクイザ
ル膵臓から調製されたcDNAを鋳型とし、プラ
マーを用いて、PCR法によりカニクイザルIL-6
セプター遺伝子全長をコードするDNA断片を
製した。得られたDNA断片を動物細胞発現ベ
ターへ挿入し、これを用いてCHO定常発現株(
cyno.sIL-6R産生CHO細胞)を作製した。cyno.sIL-6R産
CHO細胞の培養液をHisTrapカラム(GEヘルスケア
バイオサイエンス) で精製後、Amicon Ultra-15
Ultracel-10k(Millipore)を用いて濃縮し、Superdex200pg
16/60ゲルろ過カラム(GEヘルスケアバイオサイ
ンス)でさらに精製を行い、可溶型カニクイ
ザルIL-6レセプター(以下、cIL-6R)の最終精製品
とした。
組み換えカニクイザルIL-6(cIL-6)の
製
カニクイザルIL-6は以下のように調製した。
SWISSPROT Accession No.P79341に登録されている212
ミノ酸をコードする塩基配列を作成し、動
細胞発現ベクターにクローニングし、CHO細
に導入することで定常発現細胞株を作製し
(cyno.IL-6産生CHO細胞)。cyno.IL-6産生CHO細胞の培
養液をSP-Sepharose/FFカラム(GEヘルスケアバイオ
サイエンス) で精製後、Amicon Ultra-15 Ultracel-
5k(Millipore)を用いて濃縮し、Superdex75pg26/60ゲル
ろ過カラム(GEヘルスケアバイオサイエンス)
さらに精製を行い、Amicon Ultra-15 Ultracel-5k(Mi
llipore)を用いて濃縮し、カニクイザルIL-6(以
、cIL-6)の最終精製品とした。
公知高親和性抗IL-6レセプター抗
の作製
公知の高親和性抗IL-6レセプター抗体として
、US 2007/0280945 A1に記載されている高親和性
IL-6レセプター抗体であるVQ8F11-21 hIgG1(US 200
7/0280945 A1, H鎖アミノ酸配列:配列番号:19、L
アミノ酸配列:配列番号:27)を発現させるため
、動物細胞発現用ベクターを構築した。抗体
可変領域については、合成オリゴDNAを組み合
わせたPCR法(assembly PCR)により作製し、定常領
域についてはIgG1を使用した。Assembly PCR法に
り抗体可変領域と定常領域を結合させ、動
発現用ベクターへ挿入し、目的のH鎖発現ベ
クターおよびL鎖発現ベクターを作製した。
られた発現ベクターの塩基配列は当業者公
の方法で決定した。作製した発現ベクター
用い、発現・精製を行った。発現・精製は
施例1に記載した方法で行い、高親和性抗IL-6
レセプター抗体(以降、コントロール、と記
)を得た。
ヒトgp130発現BaF3細胞(BaF/gp130)によ
生物活性評価
IL-6/IL-6レセプター依存性増殖を示すBaF3/gp130
を用いて、IL-6レセプター中和活性を評価し
。BaF3/gp130を10% FBSを含むRPMI1640培地で3回洗
した後に、5x10 4
cells/mLとなるように600 ng/mLないしは60 ng/mL
human interleukin-6 (TORAY)(終濃度は300 ng/mLない
しは30 ng/mL)、適当量の組換え可溶性ヒトIL-6
セプター(SR344)および10% FBSを含むRPMI1640培
に懸濁し、96 well-plate (CORNING)の各wellに50μL
つ分注した。次に、精製した抗体を10% FBS
含むRPMI1640に希釈して、各wellに50μLずつ混合
した。37℃、5% CO 2
条件下で、3日間培養し、PBSで2倍に希釈したW
ST-8試薬(Cell Counting Kit-8、株式会社同仁化学
究所)を20μL/wellで加え、直後にSUNRISE CLASSIC(
TECAN)を用いて450 nmの吸光度(参照波長620 nm)
測定した。2時間培養した後に、再度450 nmの
吸光度(参照波長620 nm)を測定し、2時間の吸
度変化を指標にIL-6レセプター中和活性を評
した。
BiacoreによるIL-6レセプターへの結
評価
Biacore T100 (GE Healthcare) を用いて、抗原抗
反応の速度論的解析を行った。センサーチ
プ上にアミンカップリング法でanti-IgG(γ-chai
n specific)F(ab’) 2
を適当量固定化し、次にpH7.4において目的の
体を結合させ、さらにpH7.4において種々の
度に調整したIL-6レセプターであるSR344をア
ライトとして流し、抗体とSR344の相互作用を
測定した。測定は全て37℃で実施した。測定
得られたセンサーグラムから、カイネティ
スパラメーターである結合速度定数 k a
(1/Ms)、および解離速度定数 k d
(1/s) を算出し、その値をもとに K D
(M) を算出した。各パラメーターの算出に
Biacore T100 Evaluation Software (GE Healthcare)を
いた。
サルPK/PD試験による抗体血漿中濃
、CRP濃度、非結合型可溶型IL-6レセプターの
測定
カニクイザル血漿中濃度測定はELISA法にて
業者公知の方法で測定した。
CRP濃度はサイアスR CRP (関東化学株式会社)
て、自動分析装置(TBA-120FR、東芝メディカル
ステムズ株式会社)を用いて測定した。
カニクイザル血漿中の非結合型のカニクイザ
ル可溶型IL-6レセプター濃度を以下の通り測
した。カニクイザルの血漿30μLを0.22 μmのフ
ィルターカップ(Millipore)において乾燥させた
量のrProtein A Sepharose Fast Flow (GE Healthcare)
樹脂に添加することで血漿中に存在する全て
のIgG型抗体(カニクイザルIgG、抗ヒトIL-6レセ
ター抗体および抗ヒトIL-6レセプター抗体-
ニクイザル可溶型IL-6レセプター複合体)をPro
teinAに吸着させた。その後、高速遠心機でス
ンダウンし、パス溶液を回収した。パス溶
にはproteinAに結合した抗ヒトIL-6レセプター
体-カニクイザル可溶型IL-6レセプター複合
は含まれないため、proteinAパス溶液中のカニ
クイザル可溶型IL-6レセプター濃度を測定す
ことによって、非結合型の可溶型IL-6レセプ
ー濃度を測定可能である。カニクイザル可
型IL-6レセプター濃度は、上記で作製したカ
ニクイザル可溶型IL-6レセプター(cIL-6R)をスタ
ンダードに用いて、ヒトIL-6レセプター濃度
測定する当業者公知の方法で測定した。可
型IL-6レセプターの中和率は以下の計算式に
って計算した。
(抗体投与後の非結合型の可溶性IL-6レセプタ
濃度í抗体投与前の可溶性IL-6レセプター濃
)×100
本発明により、抗体の定常領域のアミノ 配列を改変することで物性(安定性および均 一性)、免疫原性、安全性、且つ、薬物動態 改善された、医薬品として適した抗体定常 域が提供される。
