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Patent Searching and Data


Title:
MOISTURE-PERMEABLE FILM, PROCESS FOR PRODUCING THE SAME, AND LAYERED PRODUCT INCLUDING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/107301
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a moisture-permeable film having excellent moisture permeability and flexibility which render the film usable in producing a textile product. The film is less apt to cause fluffing and the resultant decrease in surface quality. The moisture-permeable film is one obtained by curing a reactive polyurethane hot-melt resin composition comprising: a reactive urethane prepolymer (D) obtained by reacting a hydroxylated (meth)acrylate (C) with 10-90% by number of the isocyanate groups of a urethane prepolymer obtained by reacting a polyisocyanate (B) with polyols (A) comprising a polyester polyol (a-1) obtained by reacting a polycarboxylic acid with a polyol which is an adduct of bisphenol A with an alkylene oxide, a polyester polyol (a-2) which is solid at ordinary temperature, and a polyoxyethylene glycol (a-3) having a number-average molecular weight of 1,000-25,000; a (meth)acrylate (E); and a photopolymerization initiator (F).

Inventors:
KANAGAWA YOSHINORI (JP)
TAKAHASHI MINORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071770
Publication Date:
September 03, 2009
Filing Date:
December 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAINIPPON INK & CHEMICALS (JP)
KANAGAWA YOSHINORI (JP)
TAKAHASHI MINORU (JP)
International Classes:
C08J5/18; B32B27/12; C08F290/06; C08G18/10; C08G18/67
Domestic Patent References:
WO2009011177A12009-01-22
Foreign References:
JP2003335873A2003-11-28
JP2006188589A2006-07-20
JPH11189762A1999-07-13
JP2007063510A2007-03-15
JP2002327310A2002-11-15
JP2007063510A2007-03-15
Other References:
See also references of EP 2248845A4
Attorney, Agent or Firm:
KONO, MICHIHIRO (JP)
Michihiro Kono (JP)
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Claims:
ビスフェノールAにアルキレンオキサイドが付加したポリオールとポリカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(a-1)、常温固体のポリエステルポリオール(a-2)、及び1000~25000の数平均分子量を有するポリオキシエチレングリコール(a-3)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーの有するイソシアネート基の数の10%~90%と、水酸基含有(メタ)アクリレート(C)とを反応させて得られる反応性ウレタンプレポリマー(D)、(メタ)アクリレート(E)、及び光重合開始剤(F)を含有してなる反応性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を硬化させて得られる透湿フィルム。
前記ポリオール(A)が、前記ポリオール(A)の全量100質量部に対して、前記ポリエステルポリオール(a-1)を5~30質量部、前記ポリエステルポリオール(a-2)を10~30質量部、及び前記ポリオキシエチレングリコール(a-3)を30~85質量部含むものである、請求項1に記載の透湿フィルム。
前記ポリエステルポリオール(a-1)が、ビスフェノールAに4~8モルのプロピレンオキサイドが付加したポリエーテルポリオールと、セバシン酸及びイソフタル酸とを縮合反応させて得られるものである、請求項1に記載の透湿フィルム。
前記ポリエステルポリオール(a-2)が、1,6-ヘキサンジオール及びネオペンチルグリコールを含むポリオールと、アジピン酸とを反応させて得られるものである、請求項1に記載の透湿フィルム。
前記(メタ)アクリレート(E)が、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、これらのエチレンオキサイド付加物、及びプロピレンオキサイド付加物からなる群より選ばれる1種以上の多官能(メタ)アクリレートである、請求項1に記載の透湿フィルム。
厚みが5~50μmの範囲である請求項1に記載の透湿フィルム。
ビスフェノールAにアルキレンオキサイドが付加したポリオールとポリカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(a-1)、常温固体のポリエステルポリオール(a-2)、及び1000~25000の数平均分子量を有するポリオキシエチレングリコール(a-3)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーの有するイソシアネート基の数の10%~90%と、水酸基含有(メタ)アクリレート(C)とを反応させて得られる反応性ウレタンプレポリマー(D)、(メタ)アクリレート(E)、及び光重合開始剤(F)を含有してなる加熱溶融状態の反応性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を、厚さ5~50μmのフィルム状に成形し、光硬化反応と湿気硬化反応とを順次または同時に進行させる、透湿フィルムの製造方法。
ビスフェノールAにアルキレンオキサイドが付加したポリオールとポリカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(a-1)、常温固体のポリエステルポリオール(a-2)、及び1000~25000の数平均分子量を有するポリオキシエチレングリコール(a-3)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーの有するイソシアネート基の数の10%~90%と、水酸基含有(メタ)アクリレート(C)とを反応させて得られる反応性ウレタンプレポリマー(D)、多官能(メタ)アクリレート(E)、及び光重合開始剤(F)を含有してなる反応性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を硬化させて得られた透湿フィルムの片面又は両面に、加熱溶融状態の反応性ポリウレタンホットメルト接着剤を間欠塗布し、該塗布面上に透湿性基材が接着された積層体。
Description:
透湿フィルム、その製造方法及 それを用いた積層体

 本発明は、スポーツウェア等の透湿防水 服の製造に使用可能なフィルムや、絆創膏 フィルム、紙おむつ用フィルム、壁材や屋 に用いる調湿用建材フィルム等に使用可能 透湿フィルムに関するものである。

 登山服等のスポーツウェアには、一般に 着用時の動きやすさや軽さ等の他に、優れ 透湿性や防水性等が求められる。なかでも 湿性は、発汗等で体内から発生した水分が 服内に留まることで引き起こされる、蒸れ よる不快感を抑制するうえで重要な特性で る。

 前記衣服の透湿性は、衣服の製造に使用 る材料として、透湿フィルムを使用するこ によって向上できることが知られている。 記透湿フィルムとしては、例えば、多孔質 の透湿フィルムが知られている(例えば特許 文献1参照。)。

 しかし、前記したような透湿フィルムは 有機溶剤や水等の溶媒中に溶解または分散 た樹脂組成物を離型フィルム上に塗布し、 記溶媒を除去することによって製造される 合が多く、このような方法では、有機溶剤 揮発による環境負荷の増加や、前記溶媒を 去するためのエネルギー消費量の増加等を き起こしうるという問題があった。

 前記したような溶媒に起因した問題は、 質的に溶媒を含まないホットメルト樹脂組 物を使用することによって解消できること 知られており、かかるホットメルト樹脂組 物としては、例えば湿気硬化性ポリウレタ ホットメルト組成物が知られている(例えば 、特許文献2参照。)。

 しかし、従来から知られている湿気硬化性 リウレタンホットメルト組成物を用いて得 れたフィルムは、実用上十分なレベルの透 性等を有するものではなく、衣服等の製造 使用可能なレベルの柔軟性(風合い)や機械 強度を満足するものでもなかった。また、 記フィルムは、水等と接触することで水膨 し、フィルム強度の著しい低下を引き起こ 場合があるため、該フィルムを、一般に水 濯等の施される衣服等の材料に使用するこ が困難な場合があった。
 このように、従来の湿気硬化性ポリウレタ ホットメルト樹脂組成物では、実用上十分 レベルの透湿性や柔軟性や機械的強度に加 、更に優れた耐水性を備えた透湿フィルム 得ることは困難であった。

 ところで、前記湿気硬化性ポリウレタン ットメルト樹脂組成物を用いて透湿フィル を製造する際には、例えば離型フィルム上 加熱溶融状態の湿気硬化性ポリウレタンホ トメルト樹脂組成物を塗布したものをロー に巻き取り、一定時間放置することで硬化 十分に進行させる工程を必要とする場合が い。

 しかし、前記ロールへの巻き取りは、前 湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂 成物が完全に硬化する前に行う場合が多い め、その巻き取りを解く際、前記湿気硬化 ポリウレタンホットメルト樹脂組成物から る透湿フィルムと、それが接触する離型フ ルムの裏面との剥離性が悪い場合には、剥 の際に透湿フィルム表面の毛羽立ちを引き こし、その表面品位が低下しうるという問 があった。

 以上のように、環境負荷の増大を引き起 すことなく、衣類等の繊維製品の製造にも 用可能なレベルの優れた透湿性と柔軟性(風 合い)と機械的強度と耐水性とを有し、毛羽 ちによる表面品位の低下を引き起こしにく 透湿フィルムは、これまで見出されていな のが実情である。

特開2002-327310号公報

特開2007-63510号公報

 本発明が解決しようとする課題は、衣服 の繊維製品の製造にも使用可能なレベルの れた透湿性と柔軟性(風合い)と機械的強度 耐水性とを有し、かつ毛羽立ちによる表面 位の低下を引き起こしにくい透湿フィルム 提供することである。

 また、本発明は環境負荷の増大を引き起 すことなく、前記したような優れた透湿性 柔軟性(風合い)と機械的強度と耐水性とを し、かつ毛羽立ちによる表面品位の低下を き起こしにくい透湿フィルムの製造方法を 供することである。

 また、本発明は環境負荷の増大を引き起 すことなく、前記したような優れた透湿性 柔軟性(風合い)と機械的強度と耐水性とを し、かつ毛羽立ちによる表面品位の低下を き起こしにくい積層体を提供することであ 。

 本発明者等は、反応性ポリウレタンホッ メルト樹脂組成物を用いて得られる透湿フ ルムに優れた透湿性を付与するにあたり、 記樹脂組成物中に含まれるウレタンプレポ マーを構成するポリオール成分として、ポ オキシエチレングリコール等の親水性材料 使用することを検討した。具体的には、ポ オキシエチレングリコールとポリイソシア ートとを反応させて得られたイソシアネー 基含有ウレタンプレポリマーからなる加熱 融状態のホットメルト樹脂組成物を離型フ ルム上に塗布し、それをロールに巻き取り 一定時間放置することによって透湿フィル を製造し、その諸物性を評価した。

 その結果、前記透湿フィルムは、従来品に 敵するレベルの非常に優れた透湿性を有す ものであったが、衣類等の製造に使用可能 レベルの柔軟な風合いや機械的強度や耐水 を有するものではなかった。
 また、前記方法で製造した透湿フィルムの 面には、毛羽立ちが発生し、実用上十分な 面品位を有しているとは言いがたいもので った。

 本発明者等は、優れた透湿性を維持しか 、該フィルムの柔軟な風合いや機械的強度 耐水性や表面品位の向上を図るべく更に検 を進めるなかで、特に透湿フィルムの表面 位の低下は、透湿フィルムの硬化を速やか 進行させることができればある程度の改善 図れるのではないかと考え、従来のイソシ ネート基に起因した湿気硬化反応のほかに 硬化反応を併用することを検討した。

 具体的には、各種ポリオールとポリイソシ ネートとを反応させて得られるウレタンプ ポリマーの有するイソシアネート基の数の1 0%~90%と、水酸基含有(メタ)アクリレートとを 応させて得られる反応性ウレタンプレポリ ー及び光重合開始剤を含有してなる反応性 リウレタンホットメルト樹脂組成物をフィ ム状に成形し、イソシアネート基に起因し 湿気硬化反応と、重合性不飽和二重結合に る光ラジカル重合反応とによって得られた 湿フィルムを検討したところ、該透湿フィ ムの表面の毛羽立ちは比較的抑制されたも であった。
 しかし、繊維製品の外観には非常に高いレ ルの品位が求められるなかで、前記透湿フ ルムは、産業界から求められるレベルの表 品位には、あと一歩及ぶものではなかった また、前記透湿フィルムは、柔軟性や機械 強度や耐水性の点でも、未だ十分といえる のではなかった。

 本発明者等は、前記表面品位の更なる向上 図るべく検討するなかで、前記透湿フィル を構成する反応性ポリウレタンホットメル 樹脂組成物に、(メタ)アクリレートを併用 ることを検討したところ、かかる方法で得 れた透湿フィルムが、従来品と比較して格 に優れた表面品位が得られることを見出し 。
 しかし、前記透湿フィルムであっても、依 として実用上十分な柔軟性や機械的強度や 水性を有するものではないため、本発明の 題を解決するためには、更なる改善を図る 要があった。

 本発明者等は更に、前記で得られた透湿フ ルム中のウレタンプレポリマーを構成する リオールの様々な組み合わせを検討するこ によって、該フィルムの柔軟な風合いや機 的強度等の改善を試みた。
 具体的には、優れた透湿性の付与を目的と てポリオキシエチレングリコールを必須と 、更に柔軟性や機械的強度の付与を目的と て、例えば1,6-ヘキサンジオール及び1,12-ド カン二酸を反応させて得られる長鎖脂肪族 リエステルポリオールや、ネオペンチルグ コール及びアジピン酸を反応させて得られ 分岐構造を有するポリエステルポリオール の常温で固体の結晶性ポリエステルポリオ ル等を組み合わせたポリオールとポリイソ アネートとを反応させて得られるウレタン レポリマーの使用を検討した。
 しかし、前記ポリオールを組み合わせ使用 て得られた透湿フィルムは、実用上十分な 軟性や機械的強度等を有するものではなか た。

 本発明者等は、優れた柔軟性と機械的強 との両立は、前記ポリオキシエチレングリ ールと、前記ポリエステルポリオールとの 溶性を向上することによって実現するので ないかと考え、これらのポリオール成分の 溶性を高めることを検討した。具体的には 前記したポリオールに加え、ビスフェノー Aにアルキレンオキサイドが付加したポリオ ールとポリカルボン酸とを反応させて得られ るポリエステルポリオールを組み合わせ使用 することを検討した。

 その結果、1000~25,000の数平均分子量を有す ポリオキシエチレングリコールと常温固体 ポリエステルポリオールとを組み合わせ使 し、更にビスフェノールAにアルキレンオキ イドが付加したポリオールとポリカルボン とを反応させて得られるポリエステルポリ ールを組み合わせたポリオール(A)と、ポリ ソシアネート(B)とを反応させて得られるウ タンプレポリマーの有するイソシアネート の数の10%~90%と、水酸基含有(メタ)アクリレ ト(C)とを反応させて得られる反応性ウレタ プレポリマー(D)、(メタ)アクリレート(E)、 び光重合開始剤(F)を含有してなる反応性ポ ウレタンホットメルト樹脂組成物を硬化さ て得られる透湿フィルムが、本発明の課題 すべて解決できることを見出した。
 本発明の透湿フィルムは、優れた透湿性と 軟な風合いと機械的強度と耐水性に優れる いう効果を両立した産業上有用な発明であ 。

 即ち、本発明は、ビスフェノールAにアル キレンオキサイドが付加したポリオールとポ リカルボン酸とを反応させて得られるポリエ ステルポリオール(a-1)、常温固体のポリエス ルポリオール(a-2)、及び1000~25000の数平均分 量を有するポリオキシエチレングリコール( a-3)を含むポリオール(A)とポリイソシアネー (B)とを反応させて得られるウレタンプレポ マーの有するイソシアネート基の数の10%~90% 、水酸基含有(メタ)アクリレート(C)とを反 させて得られる反応性ウレタンプレポリマ (D)、(メタ)アクリレート(E)、及び光重合開始 剤(F)を含有してなる反応性ポリウレタンホッ トメルト樹脂組成物を硬化させて得られる透 湿フィルム及びその製造方法に関する。

 本発明の透湿フィルムは、優れた透湿性 柔軟性(風合い)と機械的強度と耐水性と表 品位とを有することから、例えば衣類等を じめとする繊維製品、具体的にはスポーツ ェアやレインコ-ト、手袋、靴、消防服、軍 、また絆創膏用フィルムや紙おむつ用フィ ム、壁材や屋根に用いる調湿用建材フィル 等に好適に使用することができるという点 利用価値が高い。

 本発明の透湿フィルムは、ビスフェノー Aにアルキレンオキサイドが付加したポリオ ールとポリカルボン酸とを反応させて得られ るポリエステルポリオール(a-1)、常温固体の リエステルポリオール(a-2)、及び1000~25000の 平均分子量を有するポリオキシエチレング コール(a-3)を含むポリオール(A)とポリイソ アネート(B)とを反応させて得られるウレタ プレポリマーの有するイソシアネート基の の10%~90%と、水酸基含有(メタ)アクリレート(C )とを反応させて得られる反応性ウレタンプ ポリマー(D)、(メタ)アクリレート(E)、光重合 開始剤(F)及び必要に応じてその他の添加剤を 含有してなる反応性ポリウレタンホットメル ト樹脂組成物を硬化させて得られるものであ る。

 本発明の透湿フィルムは、前記したとお 、溶剤や水等の溶媒を実質的に含むもので ない反応性ポリウレタンホットメルト樹脂 成物をフィルム状に加工したものであるか 、その製造において溶媒の揮発工程を必要 しない。

 前記透湿フィルムは、使用する用途等に って異なるが、概ね5~50μmの範囲の膜厚を有 することが好ましい。一層高いレベルの透湿 性が求められる場合には、5~30μmの範囲の膜 であることがより好ましい。

 本発明の透湿フィルムは、無孔状のもの あっても多孔状のものであってもよいが、 れた透湿性とともに、例えば雨水等の浸入 防止できるレベルの優れた防水性を両立す 観点から、無孔状の透湿フィルムであるこ が好ましい。

 はじめに本発明で使用する反応性ウレタ プレポリマー(D)について説明する。

 反応性ウレタンプレポリマー(D)は、イソ アネート基含有ウレタンプレポリマーの有 るイソシアネート基の数の10%~90%と、水酸基 含有(メタ)アクリレート(C)とを反応させて得 れるものであって、例えば(i)分子両末端に ソシアネート基を有するウレタンプレポリ ー(D1)と分子両末端に重合性不飽和二重結合 を有するウレタンプレポリマー(D2)との混合 、または、(ii)分子末端の一方がイソシアネ ト基で他方が前記重合性不飽和二重結合で るウレタンプレポリマー(D3)の単独、もしく はそれとウレタンプレポリマー(D1)や(D2)との 合物のいずれかの態様のものであることが ましい。

 このような反応性ウレタンプレポリマー( D)を使用することで、イソシアネート基に起 した湿気硬化反応と、重合性不飽和二重結 に起因した光ラジカル重合反応とが速やか 進行し、反応性ポリウレタンホットメルト 脂組成物の硬化速度を顕著に向上させるこ ができる。これにより、透湿フィルム表面 タック性が低減され、毛羽立ちの発生が抑 された、表面品位に優れる透湿フィルムを ることが可能となる。

 前記反応性ウレタンプレポリマー(D)の有 るイソシアネート基は、前記反応性ウレタ プレポリマー(D)に「湿気硬化性」を付与す 。具体的には、前記イソシアネート基は、 に空気中の湿気(すなわち水)と反応して架 構造の形成に寄与する。そのため、前記反 性ウレタンプレポリマー(D)は、加熱溶融状 の前記反応性ポリウレタンホットメルト樹 組成物が離型フィルム等の表面に塗布され 際に、空気中に含まれる湿気と反応するこ で架橋構造を形成し、耐久性に優れる透湿 ィルムを形成する。

 前記イソシアネート基は、前記反応性ウ タンプレポリマー(D)全体の1.0質量%~5.0質量% 範囲内で存在することが好ましく、1.5質量% ~3.0質量%の範囲であることがより好ましい。 かる範囲のイソシアネート基を有するプレ リマー(D)を用いることによって、反応性ポ ウレタンホットメルト樹脂組成物の125℃に ける溶融粘度を10000mPa・s以下に調整できる め、該組成物の塗工性の向上と、得られる 湿フィルムの機械的強度の向上とを実現す ことができる。

 また、前記水酸基含有(メタ)アクリレー (C)由来の重合性不飽和二重結合は、前記反 性ウレタンプレポリマー(D)に「光硬化性」 付与する。前記光硬化性は、紫外線等の照 によって発生したラジカルが引き起こす、 記重合性不飽和二重結合のラジカル重合反 に起因して硬化する性質である。

 前記重合性不飽和二重結合の存在量は、 述する水酸基含有(メタ)アクリレート(C)の 用量に依存するが、前記イソシアネート基 数の10%~90%と、水酸基含有(メタ)アクリレー (C)とを反応させることが、紫外線等の照射 の表面タックの速やかな消失と、優れた機 的強度とを備えたフィルムを得るうえで好 しい。

 また、前記反応性ウレタンプレポリマー( D)は、「ホットメルト性」を有する。ホット ルト性は、選択されるプレポリマーの分子 造に起因する性質であり、常温では、固体 たは基材への塗布が困難な程度に粘稠な状 であるが、加熱によって溶融して基材への 布が可能となり、冷えると固化して接着性 発現する性質である。本発明において「ホ トメルト」の用語は、上記のような性質お びこのような性質を有する物質の総称とし 用いる。

 前記ホットメルト性は、軟化点と密接な 係があり、一般に使用するウレタンプレポ マーの軟化点が低いほど作業性は良好とな 、逆に、軟化点が高いほど接着強さは良好 なる傾向がある。

 本発明で使用する反応性ウレタンプレポ マー(D)の軟化点は、好ましくは40℃~120℃の 囲である。前記ウレタンプレポリマーの軟 点がかかる範囲であれば、加熱溶融状態の 応性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物 流動性や加工性が向上し、本発明の透湿フ ルムの製造効率を向上することができる。 お、本発明でいう軟化点とは、ウレタンプ ポリマーの温度を段階的に上昇させた場合 、熱流動し始め凝集力を失う温度を示し、 体的には、環球法(JIS K-6301)によって求めた 値を指す。

 また、前記反応性ウレタンプレポリマー( D)を基材上に30μmの厚みに塗布し、環境温度23 ℃、相対湿度65%の環境下で5日間熟成するこ によって得られる硬化物のガラス転移温度(T g)は、-50℃~40℃の範囲内であるものが好まし 、-40℃~30℃以下であることがより好ましい 前記範囲内のガラス転移温度を有する硬化 を形成可能な反応性ウレタンプレポリマー 使用することによって、優れた耐久性と機 的強度とを有し、かつ低温環境下において 柔軟な風合いとを有するフィルムを形成す ことができる。なお、前記ガラス転移温度 、動的粘弾性測定装置(レオメトリック社製 )により、周波数1Hz、昇温速度5℃/分で測定し て得られた損失正接(tanδ)のピーク温度(単位: ℃)として測定される値である。

 前記反応性ウレタンプレポリマー(D)のよ に、一般にウレタンプレポリマーといわれ ものは比較的低分子量のものが多いが、当 者においては、数万の数平均分子量(Mn)を有 するものもウレタンプレポリマーと称されて おり、本発明においても数万の数平均分子量 を有するウレタンプレポリマー(D)を使用する ことができる。具体的には、前記数平均分子 量は、500~30000の範囲が好ましく、1000~10000の 囲がより好ましい。ウレタンプレポリマー(D )の数平均分子量が前記範囲であれば、加熱 融状態の反応性ポリウレタンホットメルト 脂組成物の流動性や加工性が向上し、本発 の透湿フィルムの製造効率を向上すること できる。

 また、前記反応性ウレタンプレポリマー( D)の125℃における溶融粘度は、500~9000mPa・sの 囲であることが好ましい。

 前記反応性ウレタンプレポリマー(D)は、 えばビスフェノールAにアルキレンオキサイ ドが付加したポリオールとポリカルボン酸と を反応させて得られるポリエステルポリオー ル(a-1)、常温固体のポリエステルポリオール( a-2)、及び1000~25000の数平均分子量を有するポ オキシエチレングリコール(a-3)を含むポリ ール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応さ ることによってイソシアネート基含有ウレ ンプレポリマーを製造する第一の工程と、 イソシアネート基含有ウレタンプレポリマ の有するイソシアネート基の数の10%~90%と、 酸基含有(メタ)アクリレート(C)とを反応さ る第二の工程とによって製造することがで る。

 はじめに、前記した第一の工程について 明する。

 前記第一の工程は、ポリオール(A)とポリ ソシアネート(B)とを、前記ポリイソシアネ ト(B)の有するイソシアネート基が前記ポリ ール(A)の有する水酸基に対して過剰となる 件で反応させる工程である。

 前記ポリオール(A)としては、主成分とし 、ビスフェノールAにアルキレンオキサイド が付加したポリオールとポリカルボン酸とを 反応させて得られるポリエステルポリオール (a-1)、常温で固体のポリエステルポリオール( a-2)、及び1000~25000の数平均分子量を有するポ オキシエチレングリコール(a-3)を組み合わ 使用することが、本発明の課題を解決する えで重要である。上記組み合わせで使用す ことによって、実用上十分なレベルの透湿 、柔軟性、機械的強度を有する透湿フィル を得ることができる。

 はじめに、ポリエステルポリオール(a-1)に いて説明する。
 前記ポリエステルポリオール(a-1)は、ビス ェノールAにアルキレンオキサイドが付加し ポリエーテルポリオールとポリカルボン酸 を縮合反応させて得られるものである。

 前記ポリエステルポリオール(a-1)は、前 常温で固体のポリエステルポリオール(a-2)と 前記ポリオキシエチレングリコール(a-3)とを 溶させる。それにより、得られる透湿フィ ムの機械的強度と柔軟性とを向上させるこ が可能となる。

 前記ポリエステルポリオール(a-1)は、ビ フェノールAに前記アルキレンオキサイドが 加したポリエーテルポリオールと、ポリカ ボン酸とを反応させることによって得られ ものを使用することができ、常温で粘稠状 あるものを使用することが好ましい。

 前記ビスフェノールAにアルキレンオキサ イドが付加したポリエーテルポリオールは、 例えばビスフェノールAを開始剤として、ア キレンオキサイドを周知慣用の方法で付加 せることにより製造することができる。

 前記アルキレンオキサイドとしては、例 ばエチレンオキサイド、プロピレンオキサ ド等を使用することができ、なかでも柔軟 風合いを付与する点で、プロピレンオキサ ドを使用することが好ましい。

 前記アルキレンオキサイドは、前記ビス ェノールAに対して1~10モル付加することが ましく、2~8モル付加することがより好まし 。前記範囲のアルキレンオキサイドがビス ェノールAに付加したポリエーテルポリオー を使用することによって、前記前記ポリエ テルポリオール(a-2)と前記ポリオキシエチ ングリコール(a-3)との相溶性が一層良好なも のとなり、その結果、実用上十分なレベルの 機械的強度と、柔軟な風合いとを有する透湿 フィルムを得ることができる。

 また、前記ビスフェノールAに前記アルキ レンオキサイドが付加したポリエーテルポリ オールと反応する、前記ポリカルボン酸とし ては、脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボ ン酸や脂環族ジカルボン酸等を適宜選択して 使用することができる。

 前記脂肪族ジカルボン酸としては、例え コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グル ル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ 酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等 使用することができ、得られるフィルムの 羽立ちの抑制させるためには、セバシン酸 使用することがより好ましい。

 また、前記芳香族ジカルボン酸としては 例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタ 酸等を使用することができ、イソフタル酸 使用することが好ましい。また、前記脂環 ジカルボン酸としては、ヘキサヒドロイソ タル酸を使用できる。

 特に、前記ポリエステルポリオール(a-1) しては、前記ビスフェノールAにプロピレン キサイドを4~8モル付加したポリエーテルポ オールと、前記脂肪族ジカルボン酸及び前 芳香族ジカルボン酸とを縮合反応させて得 れるものを使用することが、前記ポリエス ルポリオール(a-2)と前記ポリオキシエチレ グリコール(a-3)との相溶性を一層向上させ、 実用上十分なレベルの機械的強度、及び柔軟 性な風合いとを有する透湿フィルムを得るこ とができるため好ましい。その際、前記脂肪 族ジカルボン酸としてセバシン酸を、前記芳 香族ジカルボン酸としてイソフタル酸を組み 合わせ使用することが特に好ましい。

 前記ポリエステルポリオール(a-1)として 、500~10000の範囲の数平均分子量を有するも を使用することが好ましく、特に1000~7000の 囲を有するものを使用することが好ましい 前記範囲内の数平均分子量を有するポリエ テルポリオール(a-1)を使用することにより、 得られる反応性ポリウレタンホットメルト樹 脂組成物の加熱溶融状態の粘度を比較的低く できるため、作業性の向上や透湿フィルムの 生産効率向上を図るうえで好ましい。また、 前記ポリエステルポリオール(a-2)とポリオキ エチレングリコール(a-3)との相溶性をより 層向上させるうえでも好ましい。

 また、前記ポリエステルポリオール(a-1) しては、-50~40℃の範囲のガラス転移温度を するものを使用することが、得られる透湿 ィルムの良好な柔軟性、特に低温での柔軟 を維持できるため好ましい。このガラス転 温度は、ポリエステルポリオール(a-1)の組成 を適宜変更することにより調整することが可 能であり、例えば前記ビスフェノールAへの ルキレンオキサイド付加量を調整すること より、前記範囲のガラス転移温度に調整す ことが可能である。尚、ここでいうポリオ ルのガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量分 装置)を用いて、窒素雰囲気下で-80℃から、 昇温速度5℃/分で測定した吸熱ピーク温度の とを表す。また、前記ポリエステルポリオ ル(a-1)としては、結晶性を有さないもので ることが好ましい。

 前記ポリエステルポリオール(a-1)は、反 性ウレタンプレポリマー(D)を構成するポリ ール(A)の全量100質量部に対して5~30質量部使 することが好ましく、5~15質量部使用するこ とがより好ましい。これにより、前記ポリエ ステルポリオール(a-2)と前記ポリオキシエチ ングリコール(a-3)の相溶性が一層向上し、 の結果、実用上十分なレベルの機械的強度 及び柔軟性な風合いとを有する透湿フィル を得ることができるため好ましい。

 次に、前記常温固体のポリエステルポリオ ル(a-2)について説明する。
 前記反応性ポリウレタンホットメルトプレ リマー(D)を製造する際に使用するポリエス ルポリオール(a-2)は、低分子量ポリオール ポリカルボン酸とを縮合反応させて得られ ポリエステルポリオールのうち、結晶性を するものである。

 ここで、本発明でいう結晶性とは、示差 査熱量計(DSC)を用いて測定した際に融解熱 ピークを確認できたものを指す。

 前記低分子量ポリオールとしては、例え エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、 ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオ ル、1,8-オクタンジオール、10-デカンジオー 等を使用することができ、なかでもネオペ チルグリコールを使用することが、本発明 透湿フィルムに、柔軟な風合いを付与する えで好ましい。

 前記ポリカルボン酸としては、例えばコ ク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライ 酸、セバシン酸、ドデカメチレンジカルボ 酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル 、ヘキサヒドロイソフタル酸、無水フタル を使用することができる。

 前記ポリエステルポリオール(a-2)として 、前記低分子量ポリオールとしてネオペン ルグリコールと1,6-ヘキサンジオールとを併 し、前記ポリカルボン酸としてアジピン酸 使用したものが、適度な固化による表面タ ク性の低減と、柔軟な風合いを付与するう で好ましい。

 前記ポリエステルポリオール(a-2)は、10000 以下の数平均分子量を有することが好ましく 、2000~5000の範囲を有することがより好ましい 。

 前記ポリエステルポリオール(a-2)は、反 性ウレタンプレポリマー(D)を構成するポリ ール(A)の全量100質量部に対して10~30質量部使 用することが好ましく、5~15質量部使用する とがより好ましい。これにより、実用上十 なレベルの機械的強度、及び柔軟性な風合 とを有する透湿フィルムを得ることができ ため好ましい。

 次に、前記ウレタンプレポリマーの製造 使用するポリオキシエチレングリコール(a-3 )について説明する。

 前記ポリオキシエチレングリコール(a-3) 、本発明の透湿フィルムに優れた透湿性を 与する上で必要である。

 前記ポリオキシエチレングリコール(a-3) 、1000~25000の範囲の数平均分子量を有するも であるが、なかでも2000~5500の範囲の数平均 子量を有するものを使用することがより好 しい。かかる範囲内の数平均分子量を有す ポリオキシエチレングリコール(a-3)を、前 ポリエステルポリオール(a-1)や前記ポリエス テルポリオール(a-2)と組み合わせて使用する とにより、実用上十分なレベルの機械的強 、及び柔軟性な風合いとを有する透湿フィ ムを得ることができる。

 前記ポリオキシエチレングリコール(a-3) しては、例えば、開始剤としての低分子量 リオールに、エチレンオキサイド単独、及 エチレンオキサイドとプロピレンオキサイ を併用して開環重合させたものを使用する とができる。

 前記ポリオキシエチレングリコール(a-3) 製造する際に開始剤として使用可能な低分 量ポリオールとしては、例えばエチレング コール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロ ピレングリコール、1,3-ブチレングリコール 1,4-ブチレングリコール、2,2-ジメチル-1,3-プ パンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メ ル-1,5-ペンタンジオール、1,8-オクタンジオ ル、ジエチレングリコール、トリエチレン リコール、ジプロピレングリコール、トリ ロピレングリコール等が挙げられる。

 また、前記ポリオキシエチレングリコー (a-3)としては、本発明の効果を損なわない 囲で、その一部にγ-ブチロラクトンやε-カ ロラクトン等が開環付加したものを使用し もよく、また、前記エチレンオキサイドの に、プロピレンオキサイド等が付加したも を使用してもよい。

 前記ポリオキシエチレングリコール(a-3) 、前記ポリオール(A)の全量100質量部に対し 30~85質量部使用することが好ましく、30~70質 部使用することがより好ましい。これによ 、実用上十分なレベルの透湿性を有する透 フィルムを得ることができる。

 さらに本発明を構成する反応性ウレタン レポリマー(D)を製造する際に使用するポリ ール(A)としては、前記した各種ポリオール 外にも、本発明の目的を阻害しない範囲で の他のポリオールを併用することができる

 前記その他のポリオールとしては、例え 、前記以外のポリエステルポリオール、ポ エーテルポリオールや、アクリルポリオー 、ポリカーボネートポリオール、ポリオレ ィンポリオール、ひまし油系ポリオール等 使用することができる。

 次に、前記反応性ウレタンプレポリマー( D)を製造する際に使用するポリイソシアネー (B)について説明する。

 前記ポリイソシアネート(B)としては、例 ば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネー ト、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネー 、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジ ソシアネート、クルードジフェニルメタン イソシアネート、フェニレンジイソシアネ ト、トリレンジイソシアネート、ナフタレ ジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシ ネートや、ヘキサメチレンジイソシアネー 、リジンジイソシアネート、シクロヘキサ ジイソシアネート、イソホロンジイソシア ート、ジシクロヘキシルメタンジイソシア ート、キシリレンジイソシアネート、テト メチルキシリレンジイソシアネートなどの 肪族ポリイソシアネートあるいは脂環式構 を有するポリイソシアネートを使用するこ ができる。これらのなかでも、加熱溶融時 蒸気圧が低い4,4’-ジフェニルメタンジイソ アネートを使用することが好ましい。

 前記ポリオール(A)と前記ポリイソシアネ ト(B)との反応は、例えば反応容器中の前記 リイソシアネート(B)に、水分を除去したポ オール(A)、すなわち前記ポリエステルポリ ール(a-1)、常温固体のポリエステルポリオ ル(a-2)、前記ポリオキシエチレングリコール (a-3)、及び必要に応じて前記その他のポリオ ルを、それぞれ別々に滴下又はそれらの混 物を滴下した後に加熱し、ポリオール(A)の する水酸基が実質的に無くなるまで反応さ ることが好ましい。これにより、イソシア ート基含有のウレタンプレポリマーを製造 ることができる。また、予め加熱したポリ ール(A)とポリイソシアネート(B)とを、所定 比率で押出機に投入し、いわゆる連続押出 応方式によってイソシアネート基含有ウレ ンプレポリマーを製造することもできる。

 前記ポリオール(A)と前記ポリイソシアネ ト(B)との反応は、通常、無溶剤下で行うこ ができるが、有機溶剤中で行っても良い。 機溶剤中で行う場合には、反応を阻害しな 酢酸エチル、酢酸n-ブチル、メチルエチル トン、トルエン等の有機溶剤を使用するこ ができるが、反応の途中又は反応終了後に 圧加熱等の方法により有機溶剤を除去する とが必要である。

 前記ポリオール(A)と前記ポリイソシアネ ト(B)との使用割合は、前記ポリイソシアネ ト(B)が有するイソシアネート基と前記ポリ ール(A)が有する水酸基との当量比(以下、[ ソシアネート基/水酸基]の当量比という。) 、1.1~5.0の範囲内であることが好ましく、1.5~ 3.0の範囲内であることがより好ましい。前記 当量比をかかる範囲内に調整することによっ て、125℃での溶融粘度が10000mPa・s以下となる ため塗工性を向上することができ、機械的強 度に優れた透湿フィルムを形成することが可 能である。

 前記ポリオール(A)と前記ポリイソシアネ ト(B)との反応の際には、必要に応じてウレ ン化触媒を使用することができる。ウレタ 化触媒は、前記反応の任意の段階で、適宜 えることができる。

 前記ウレタン化触媒としては、例えばト エチルアミン、トリエチレンジアミン及びN -メチルモルホリンなどの含窒素化合物;酢酸 リウム、ステアリン酸亜鉛及びオクチル酸 などの金属塩;ジブチル錫ジラウレートなど の有機金属化合物を使用することができる。

 次に、反応性ウレタンプレポリマー(D)を 造する際の前記第二の工程について説明す 。

 前記第二の工程は、前記第一の工程で得 れたイソシアネート基含有ウレタンプレポ マーと、水酸基含有(メタ)アクリレートと 反応させる工程である。具体的には、前記 ソシアネート基含有ウレタンプレポリマー 有するイソシアネート基の数の10%~90%と、水 基含有(メタ)アクリレート(C)とを加熱下で 合し反応させ、重合性不飽和二重結合の導 された反応性ウレタンプレポリマー(D)を得 工程である。

 前記イソシアネート基含有ウレタンプレ リマーと水酸基含有(メタ)アクリレートと 反応は、前記ウレタンプレポリマーの有す イソシアネート基の数の10%~90%に対して行う とが好ましく、10%~60%に対して行うことがよ り好ましく、10%~30%のイソシアネート基に対 て行うことが、柔軟性や機械的強度ととも 、表面品位に優れた透湿フィルムを得るう で特に好ましい。

 前記範囲内のイソシアネート基と水酸基 有(メタ)アクリレートとを反応させること よって、前記ポリウレタンホットメルト樹 組成物の硬化速度を、所望のレベルにまで 上可能な量の重合性不飽和二重結合を、反 性ウレタンプレポリマー(D)中に導入するこ ができる。なお、反応性ウレタンプレポリ ー(D)中のイソシアネート基の数は、例えば 反応性ウレタンプレポリマー(D)と過剰のジ チルアミンとを混合することでイソシアネ ト基とジブチルアミンとを反応させ、次い 、残存するジブチルアミンの量を塩酸によ 逆滴定することによって求めることができ 。

 前記イソシアネート基含有ウレタンプレ リマーと水酸基含有(メタ)アクリレートと 反応は、具体的には、80~120℃に調整した前 イソシアネート基含有ウレタンプレポリマ を含む反応容器中に、水酸基含有(メタ)アク リレートと、必要に応じてジブチルチンジラ ウレート等の錫系触媒の10~300ppmとを滴下し行 うことが好ましい。

 次に、本発明で使用する(メタ)アクリレー (E)について説明する。
 前記(メタ)アクリレート(E)は、本発明で使 する反応性ポリウレタンホットメルト樹脂 成物の必須成分である。前記(メタ)アクリレ ート(E)としては、分子内に重合性二重結合を 1つ有する単官能(メタ)アクリレートや、重合 性二重結合を2以上有する多官能(メタ)アクリ レートを使用することができる。特に柔軟な 風合いに優れた透湿フィルムを得る場合には 、前記(メタ)アクリレート(E)として単官能(メ タ)アクリレートを使用することが好ましい 一方、特に耐久性と耐毛羽立ち性に優れた 湿フィルムを得る場合には、前記(メタ)アク リレート(E)として多官能(メタ)アクリレート 使用することが好ましい。

 前記単官能(メタ)アクリレートとしては 例えばイソブチル(メタ)アクリレート、t-ブ ル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ) アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレー 、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボニ (メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク レート、ベヘニル(メタ)アクリレート、シ ロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシ エチル(メタ)アクリレート、2-メトキシ(メタ) アクリレート、メトキシトリエチレングリコ ール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフル リル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア クリレート、エチルカルビトール(メタ)アク レート等を使用することができる。なかで 、長鎖脂肪酸からなるイソオクチル(メタ) クリレート、イソノニル(メタ)アクリレート 、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル( メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレ ートを使用することが、特に優れた柔軟な風 合いを有する透湿フィルムを得ることができ る。

 また、前記多官能(メタ)アクリレートは 分子中の二重結合によって架橋構造の形成 寄与するため、反応性ポリウレタンホット ルト樹脂組成物の硬化速度および硬化後の 橋密度を一層向上させ、その結果、透湿フ ルムにより一層優れた耐久性と耐毛羽立ち を付与することができる。前記多官能(メタ) アクリレートは、重合性二重結合を2以上有 るものであるが、好ましくは2~4である。

 前記多官能(メタ)アクリレートとしては 例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)ア クリレート、トリプロピレングリコールジ( タ)アクリレート、ネオペンチルグリコール ドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート ビスフェノールAをエチレンオキサイドまた プロピレンオキサイドで変性した変性(メタ )アクリレート、ジトリメチロールプロパン トラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ コールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジ オールジ(メタ)アクリレート、トリメチロー プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペン タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート の(メタ)アクリレート、および、ソルビト ル等の糖アルコールの(メタ)アクリレートエ ステル、等から選択される1種または2種以上 使用することができる。また、これらの(メ タ)アクリレートにアルキレンオキサイド、 肪族エステル、カプロラクトン等をさらに 加したものも使用することができる。前記 ルキレンオキサイド付加物としては、エチ ンオキサイド付加物、プロピレンオキサイ 付加物等を使用することができる。

 前記多官能(メタ)アクリレートとしては 紫外線照射による優れた硬化性を付与する 点から、ポリエチレングリコールジアクリ ート、トリメチロールプロパントリアクリ ート、ペンタエリスリトールテトラアクリ ート、これらのエチレンオキサイド付加物 及びプロピレンオキサイド付加物から選択 れる1種以上を使用することが好ましい。

 前記(メタ)アクリレート(E)としては、前 単官能(メタ)アクリレートと前記多官能(メ )アクリレートとを組み合わせ使用すること 、優れた柔軟な風合いと耐久性と耐毛羽立 性とを両立するうえで好ましい。

 前記(メタ)アクリレート(E)は、反応性ウ タンプレポリマー(D)の100質量部に対して5質 部~50質量部の範囲内で使用することが好ま く、10質量部~30質量部の範囲であることが ましい。前記範囲内の(メタ)アクリレート(E) を使用することによって、透湿フィルムの柔 軟な風合いを損なうことなく、毛羽立ちをよ り良好に抑制することが可能となる。なお、 前記単官能(メタ)アクリレートと前記多官能( メタ)アクリレートとを組み合わせ使用する 合には、(メタ)アクリレート(E)の全量に対し て、前記単官能(メタ)アクリレートを15~70質 %の範囲で使用することが好ましい。

 次に、本発明で使用する光重合開始剤(F)に いて説明する。
 光重合開始剤(F)は、前記反応性ウレタンプ ポリマー(D)の有する重合性不飽和二重結合 架橋反応の開始剤として作用する。

 前記光重合開始剤(F)の含有量は、前記反 性ウレタンプレポリマー(D)の100質量部に対 て0.5質量部~5.0質量部の範囲内であることが 好ましく、1.0質量部~3.0質量部の範囲である とが好ましい。前記範囲内の光重合開始剤(F )を使用することによって、反応性ポリウレ ンホットメルト樹脂組成物の硬化速度を好 に調整でき、その結果、毛羽立ちを一層良 に抑制できるとともに、架橋反応を均一に 行させることが可能となる。

 前記光重合開始剤(F)としては、例えば、 ンゾフェノン等のアルキルフェノン系や、 ンファーキノン系、アシルフォスフィンオ サイド系、チタノセン系等の従来公知の光 合開始剤を好ましく使用できる。

 市販品の例としては、例えば、クオンタ ュアー(Quantacure)(インターナショナル・バイ オ-シンセティクス(International Bio-Synthetics)社 )、カイアキュアー(Kayacure)MBP(日本化薬株式 社製)、エサキュアー(Esacure)BO(フラテリ・ラ ンベルティ(Fratelli Lamberti)社製)、トリゴナル (Trigonal)14(アクゾ社製)、イルガキュアー(Irgacu re)(登録商標)、ダロキュアー(Darocure)(登録商 )、スピードキュアー(Speedcure)(登録商標)(以 チバ・ガイギー社製)、ダロキュアー(Darocure) (登録商標)1173とFi-4との混合物(イーストマン 製)等を使用することができる。なかでも、 紫外線照射による優れた硬化性の付与可能な 、イルガキュア651を使用することが好ましい 。

 本発明で使用する反応性ポリウレタンホ トメルト樹脂組成物は、前記した各種成分 他に、必要に応じて、例えば、粘着付与剤 可塑剤、熱安定剤、耐光安定剤、充填材、 レタン化触媒、シランカップリング剤、チ ソ付与剤、ワックス、蛍光増白剤、発泡剤 の添加剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、 料、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性向 剤、撥水剤、撥油剤、中空発泡体、結晶水 有化合物、難燃剤、吸水剤、吸湿剤、消臭 、整泡剤、消泡剤、防黴剤、防腐剤、防藻 、顔料分散剤、不活性気体、ブロッキング 止剤、加水分解防止剤を併用することがで る。

 前記粘着付与剤としては、例えばロジン系 脂、ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエ テル系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフ ノール系樹脂、水添テルペン系樹脂や、石 樹脂としてC 5 系の脂肪族樹脂、C 9 系の芳香族樹脂、およびC 5 系とC 9 系の共重合樹脂等を使用することができる。

 前記可塑剤としては、例えばジブチルフ レート、ジオクチルフタレート、ジシクロ キシルフタレート、ジイソオクチルフタレ ト、ジイソデシルフタレート、ジベンジル タレート、ブチルベンジルフタレート、ト オクチルホスフェート、エポキシ系可塑剤 トルエン-スルホアミド、クロロパラフィン 、アジピン酸エステル、ヒマシ油等を使用す ることができる。

 前記安定剤としては、例えばヒンダード ェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系 合物、ヒンダードアミン系化合物等を使用 ることができる。

 前記充填材としては、例えばケイ酸誘導 、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、 酸バリウム、カオリン、タルク、カーボン ラック、アルミナ、酸化マグネシウム、無 或いは有機バルーン、リチアトルマリン、 性炭等、金属粉、クレー等を使用すること できる。

 本発明で使用する反応性ポリウレタンホ トメルト樹脂組成物は、例えば100℃に加熱 た前記反応性ウレタンプレポリマー(D)と、 記(メタ)アクリレート(E)と前記光重合開始 (F)とを混合することによって製造すること できる。具体的には、イソシアネート基含 ウレタンプレポリマーと水酸基含有(メタ)ア クリレート(C)とを反応させた後、続けて前記 (メタ)アクリレート(E)と前記光重合開始剤(F) を混合することが好ましい。

 次に、本発明の透湿フィルムの製造方法に いて説明する。
 本発明の透湿フィルムの製造方法としては 以下の方法が挙げられる。

 例えば、好ましくは50℃~130℃の範囲、よ 好ましくは80℃~120℃の範囲で加熱溶融した 応性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物 、塗工装置を用いて離型フィルム上に均一 塗布した後、常温で冷却することによって 記反応性ポリウレタンホットメルト樹脂組 物を固化させる。次いで、前記塗布面に紫 線等を照射することによって、前記反応性 レタンプレポリマー(D)の有する重合性不飽 二重結合をラジカル反応させ、さらに硬化 進行させる。

 その後、前記離型フィルムと前記反応性 リウレタンホットメルト樹脂組成物の塗膜 からなる積層体を、例えばロールへ巻き取 、一定期間、熟成することによって、前記 応性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物 湿気硬化をより一層進行させる。熟成後、 記離型フィルムを剥離除去することによっ 、本発明の透湿フィルムを得ることができ 。

 前記離型フィルムとしては、例えば、離 紙、離型処理布(すなわち離型処理を施した 布)、撥水処理布、ポリエチレン樹脂やポリ ロピレン樹脂等からなるオレフィンシート たはオレフィンフィルム、フッ素樹脂から るシートまたはフィルム、離型紙付きプラ チックフィルムや、離型紙付のポリウレタ 樹脂フィルム等を使用することができる。

 また、前記加熱溶融した反応性ポリウレ ンホットメルト樹脂組成物を離型フィルム に塗布する装置としては、例えばロールコ ター、コンマコーター、スプレーコーター T-ダイコーター(ダイヘッド内にギアポンプ 導入した装置も含む)、ナイフコーター、バ ーコーター等が好適であり、なかでもロール コーターを用いる方法は、フィルムの厚みを より精度良く制御することができる点で好ま しい。

 また、前記紫外線等の照射量は、硬化を十 に進行させる観点から、50~5000mJ/cm 2 が好ましく、100~3000mJ/cm 2 がより好ましい。

 前記紫外線を照射する際には、例えばキ ノンランプ、キセノン-水銀ランプ、メタル ハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀 ランプなどの公知のランプを使用することが できる。なお、上記の紫外線照射量は、いず れもUVチェッカーUVR-N1(日本電池(株)製)を用い て300~390nmの波長域において測定した値を基準 としている。

 また、紫外線等の照射は、該透湿フィルム ロール等に巻き取る直前で行うことが表面 位の低下を防止する観点から好ましい。前 離型フィルム表面に前記反応性ポリウレタ ホットメルト樹脂組成物を塗布し、該塗布 に紫外線を透過しうるシートを更に載置し ものをロール等に巻き取った場合には、巻 取りを解いた後に、該シート上から紫外線 射を行ってもよい。
 また、光硬化反応と湿気硬化反応とは同時 進行させてもよく、また、何れか一方を先 進行させ、次いで他方の硬化反応を進行さ てもよい。

 また、透湿フィルムを製造する際の熟成 条件としては、環境温度が20℃~40℃、相対 度が50%~80%、熟成期間が1~5日間、より典型的 は3日間の条件が一般的である。前記熟成は 、前記したとおり、透湿フィルムをロール等 で巻き取った状態で行うことが一般的である 。このような熟成条件を採用することによっ て、反応性ポリウレタンホットメルト樹脂組 成物中に残存しているイソシアネート基と湿 気(すなわち水)との反応を完結させ、表面の 羽立ちが抑制された耐久性に優れる透湿フ ルムを得ることができる。また、前記熟成 際には、前記湿気硬化反応や光重合反応に え、更に加熱によるラジカル重合反応を併 してもよく、かかる場合には前記ポリウレ ンホットメルト樹脂組成物中に予め熱重合 始剤等を含有させることが好ましい。

 従来から知られているポリウレタンホッ メルト樹脂組成物を湿気硬化させて透湿フ ルムを形成する方法では、例えば上記のよ な熟成を行った後でも、ポリウレタンホッ メルト樹脂組成物の硬化が完了していない 合や、完全に硬化していてもタック性を生 させ易い組成であると、その表面にタック が残る場合が多い。一方、本発明において 、二重結合の寄与による速やかな架橋反応 よって、ポリウレタンホットメルト樹脂組 物の硬化は十分に進行しているため、タッ 性が顕著に低減され、毛羽立ちの抑制され 透湿フィルムが形成される。

 次に、本発明の積層体について説明する。
 本発明の積層体は、前記した透湿フィルム 少なくとも一表面に、各種接着剤を間欠塗 し、該塗布面に透湿性基材が接着されたも である。

 本発明の積層体の製造に使用する透湿性 材としては、例えば不織布、織布、編布等 透湿性繊維基材等を使用することができる

 接着剤を間欠塗布する方法としては、得 れる積層体の柔軟な風合いと透湿性とを損 わないために、ドット状に塗布する方法や 網目状に塗布する方法が挙げられ、なかで ドット状に塗布する方法が好ましい。

 前記透湿フィルムと透湿性基材との接着 使用する接着剤としては、湿気硬化型ポリ レタンホットメルト接着剤を使用すること 好ましい。前記湿気硬化型ポリウレタンホ トメルト接着剤としては、市販の反応性ホ トメルト接着剤を使用することができるが 透湿度をより向上させるためには、接着剤 体が透湿性を有するものを使用することが り好ましい。

 前記透湿性を有する接着剤としては、例 ば、ビスフェノールAにアルキレンオキサイ ドが付加したポリオールと脂肪族ポリカルボ ン酸と芳香族ポリカルボン酸とを反応させて 得られるポリエステルポリオール(X-1)、結晶 ポリエステルポリオール(X-2)、及び2000~25000 数平均分子量を有するポリオキシエチレン リコール(X-3)を組み合わせたポリオール、 び、ポリイソシアネートの反応物であるウ タンプレポリマーを主成分とする湿気硬化 ポリウレタンホットメルト接着剤を使用す ことが好ましい。

 前記透湿性を有する湿気硬化型ポリウレ ンホットメルト接着剤中に含まれるウレタ プレポリマーの数平均分子量は、500~30000の 囲が好ましく、1000~10000の範囲がより好まし い。ウレタンプレポリマーの数平均分子量が 前記範囲であれば、加熱溶融した際の流動性 や加工性に優れる湿気硬化型ポリウレタンホ ットメルト接着剤を得ることができる。また 、その軟化点は、好ましくは40~120℃の範囲で ある。なお、本発明でいう軟化点とは、ウレ タンプレポリマーの温度を段階的に上昇させ た場合に、熱流動し始め凝集力を失う温度を 指し、具体的には、環球法(JIS K-6301)によっ 求めた値を指す。

 前記接着剤に使用するウレタンプレポリ ーは、公知慣用の方法で製造することがで る。例えば、反応容器中の前記ポリイソシ ネートに、水分を除去したポリエステルポ オール(X-1)、結晶性ポリエステルポリオー (X-2)、及びポリオキシエチレングリコール(X- 3)を含むポリオールを、それぞれ別々に滴下 はそれらの混合物を滴下した後に加熱し、 リオールの有する水酸基が実質的に無くな まで反応させることによって製造すること できる。

 前記ポリエステルポリオール(X-1)としては 前記ポリエステルポリオール(a-1)と同様のも のを使用することが好ましい。また、前記結 晶性ポリエステルポリオール(X-2)としては、 種のものを使用することができるが、なか も前記常温固体のポリエステルポリオール( a-2)と同様のものを使用することが好ましい
 また、前記ポリオキシエチレングリコール( X-3)としては、主として2000~25000の数平均分子 を有するものを使用することが好ましい。

 前記ポリエステルポリオール(X-1)は、ウ タンプレポリマーを構成するポリオールの 量100質量部に対して5~30質量部使用すること 好ましく、5~20質量部使用することがより好 ましい。また、前記ポリエステルポリオール (X-2)も同様に、ウレタンプレポリマーを構成 るポリオールの全量100質量部に対して5~30質 量部使用することが好ましく、5~20質量部使 することがより好ましい。また、前記ポリ キシエチレングリコール(X-3)は、ウレタンプ レポリマーを構成するポリオール(A)の全量100 質量部に対して30~85質量部使用することが好 しく、40~70質量部使用することがより好ま い。これにより、実用上十分なレベルの透 性と常態接着強度とを発現可能な接着剤を ることができる。

 前記接着剤の製造に使用するポリイソシ ネートとしては、前記透湿フィルムの製造 使用可能なものとして例示したものと同様 ものを製造することができる。

 本発明の積層体は、例えば透湿フィルムま は透湿性基材表面に、加熱溶融状態の前記 気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤 塗布し、次いで、該塗布面に透湿性基材ま は透湿フィルムを載置し、接着することに って製造することができる。
 前記接着剤を、透湿フィルムまたは透湿性 材に塗布する方法としては、例えばロール 彫刻を施したグラビア転写コート法、スク ーンコート法、T-ダイコート法、ギアポン を有するダイコーター法、ファイバーコー 法等が挙げられる。

 前記方法で得られた積層体は、例えばス ーツウェア、レインコ-ト、手袋、靴、消防 服、軍服、絆創膏フィルム、おむつ用フィル ム、壁材、屋根材等に使用することができる

 以下、本発明を実施例と比較例により、 層、具体的に説明する。

 [反応性ウレタンプレポリマーの数平均分子 量(Mn)の測定方法]
 ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)法により 定し、ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn) 算出した。

 [反応性ウレタンプレポリマー溶融粘度の測 定方法]
 反応性ウレタンプレポリマーの溶融粘度(mPa ・s)は、コーンプレート粘度計(ICI社製。測定 温度125℃)を用いて測定した。

 [反応性ウレタンプレポリマーガラス転移温 度(Tg)の測定方法]
 反応性ウレタンプレポリマーのガラス転移 度(Tg)は、反応性ウレタンプレポリマーを30 mの厚みに塗布して、環境温度23℃、相対湿 65%の環境下で5日間熟成して得られたフィル を、動的粘弾性測定装置(レオメトリック社 製。周波数1Hz、昇温速度5℃/分)を用いて得ら れた損失正接(tanδ)のピーク温度(単位:℃)に づいて決定した。

 <合成例1>[反応性ウレタンプレポリマ ー(D’-1)の製造]

 1リットル4ツ口フラスコに、ビスフェノ ルAにプロピレンオキサイドが6モル付加した ポリエーテルポリオールとセバシン酸及びイ ソフタル酸とを反応させて得られた、数平均 分子量2000のポリエステルポリオール(a-1-1)の1 5質量部と、ネオペンチルグリコールと1,6-ヘ サンジオールとアジピン酸とを反応させて られた数平均分子量2000の常温固体のポリエ ステルポリオール(a-2-1)の20質量部と、数平均 分子量が4000のポリオキシエチレングリコー (a-3-1)の65質量部とを120℃にて減圧加熱、混 し、水分率が0.05質量%となるまで脱水した。

 次いで、70℃に冷却した前記混合物中に 4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの1 8質量部を加えた後、90℃でイソシアネート基 含有量が一定となるまで3時間反応させるこ によってイソシアネート基含有の反応性ウ タンプレポリマー(D’-1)を得た。反応性ウレ タンプレポリマー(D’-1)のコーンプレート粘 計による125℃における溶融粘度は1100mPa・s あり、イソシアネート基含有量は2.72質量%、 ガラス転移温度(Tg)は-19.3℃であった。また、 前記4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネー の有するイソシアネート基と前記ポリオー が有する水酸基との当量比[NCO/OH]は、2.13で った。

 <合成例2>反応性ウレタンプレポリマー( D-1)の製造
 110℃に加熱した前記反応性ウレタンプレポ マー(D’-1)100質量部に、2-ヒドロキシエチル アクリレートの1.02質量部とオクチル酸スズ 0.01質量部とを加え反応させることによって 応性ウレタンプレポリマー(D-1)を得た。前 反応性ウレタンプレポリマー(D-1)の有するイ ソシアネート基の数の全量に対して、2-ヒド キシエチルアクリレートの水酸基が反応し イソシアネート基の数の割合([HEA/NCO]×100)は 、15%であった。

 なお、前記反応性ウレタンプレポリマー( D-1)の([HEA/NCO]×100)は、反応性ウレタンプレポ マー(D-1)に過剰のジブチルアミンを添加し 反応性ウレタンプレポリマー(D-1)中に残存す るイソシアネート基とジブチルアミンとを反 応させ、次いで、残存するジブチルアミンの 量を、塩酸を用いた逆滴定法によって求める ことにより、反応性ウレタンプレポリマー(D- 1)が有していたイソシアネート基の数を求め 該数に基づいて算出した。以下、反応性ウ タンプレポリマー(D-2)~(D-6)及び(D’-2)~(D’-6) の([HEA/NCO]×100)も前記と同様の方法で算出し 。

 <合成例3~11>
 反応性ウレタンプレポリマーの組成を、そ ぞれ表1及び2に記載のものに変更する以外 、合成例1及び2に記載の方法と同様の方法で 、反応性ウレタンプレポリマー(D-2)~(D-5)及び( D’-2)~(D’-6)をそれぞれ製造した。なお、表2 のポリオキシプロピレングリコール(a-3-2)と しては、数平均分子量2000のものを使用した

 実施例1<透湿フィルム>
 100℃で加熱溶融した反応性ウレタンプレポ マー(D-1)に、トリメチロールプロパントリ クリレート、「IRGACURE 651」(チバスペシャリ ティ(株)製の光重合開始剤)を混合することに よって、反応性ポリウレタンホットメルト樹 脂組成物を製造した。

 次いで、120℃で加熱溶融状態の前記反応 ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を、1 20℃に加熱されたナイフコーターを用いて、 型紙(EK-100、リンテック(株)製)上に30μmの厚 に塗布した。

 次いで、前記塗布物を、装置内を1回通過さ せるごとに145mJ/cm 2 の紫外線照射量となるように設定したコンベ アタイプの紫外線照射装置CSOT―40(日本電池( )製、高圧水銀ランプ使用、強度120W/cm、コ ベアスピード10m/min)内を2回通過させること よって、その塗布面に紫外線照射を行い、 塗布物をロールに巻き取った後、温度23℃及 び相対湿度65%の環境下で3日間放置し湿気硬 反応を進行させた。放置後、形成されたフ ルムを離型紙上から剥離し透湿フィルム(I) 得た。

 なお、上記の紫外線照射量は、UVチェッ ーUVR-N1(日本電池(株)製)を用いて300~390nmの波 域において測定した値である。

 次に、前記で得た透湿フィルム(I)を用い、 下の方法で積層体を製造した。具体的には 120℃で加熱溶融した湿気硬化型ポリウレタ ホットメルト接着剤(前記合成例1で製造し ウレタンプレポリマー(D’-1)からなる湿気硬 化型ポリウレタンホットメルト接着剤)を、12 0℃に加熱した40線/inchの格子状のグラビアロ ルを用いて、上記透湿性フィルム(I)上に20g/ m 2 で間欠塗布した後、該塗布面に繊維質基材で ある40デニールのナイロンタフタを貼り合わ 、温度23℃・相対湿度65%の環境下で3日間放 することにより積層体(I)を作製した。

 実施例2~10及び比較例1~7
 反応性ウレタンプレポリマーの組成を下記 3及び4の記載に変更する以外は、前記実施 1と同様の方法で、透湿フィルム(II)~(XIV)及び 積層体(II)~(XIV)を製造した。

 [透湿フィルムの柔軟性(風合い)及び強度の 定方法]
 前記透湿フィルムを幅5mm×長さ7cm×厚み30μm 大きさに切り取って得られた試験フィルム 引張特性を、JIS K-7311に準拠してテンシロ ((株)島津製作所製、ヘッドスピード=300mm/分) を用いて評価した。試験フィルムの柔軟性は 、引張特性のうちの100%モジュラスの値に基 いて評価した。100%モジュラスの値が4.0MPa以 であるフィルムは、実用上十分なレベルの 軟性(風合い)を有していると評価し、なか も2.0MPa以下であるフィルムは特に好ましい 軟性を有するものと評価した。また、透湿 ィルムの強度は、破断点応力が概ね20MPa以上 、かつ破断点伸度が300%以上のものが良好で ると評価し、なかでも破断点応力が22MPa以上 、かつ破断点伸度が750%以上のものが特に良 であると評価した。

 [透湿フィルムの透湿度の測定方法]
 十分に養生し硬化させた前記透湿フィルム 透湿度は、透湿性試験:JIS L-1099(A-1法:塩化 リウム法)に準じて測定した。透湿度が5000(g/ m 2 /24hr)以上のものは、実用上十分な透湿性を有 するものと評価した。

 [透湿フィルムの毛羽立ち性(表面タック性) 評価方法]
 120℃で加熱溶融状態の反応性ポリウレタン ットメルト樹脂組成物を、120℃に加熱され ナイフコーターを用いて、膜厚が30μmにな ように離型紙(EK-100、リンテック(株)製)上に 布した。

 次いで、装置内を1回通過させた場合の紫外 線照射量が145mJ/cm 2 となるように設定したコンベアタイプの紫外 線照射装置CSOT―40(日本電池(株)製、高圧水銀 ランプ使用、強度120W/cm、コンベアスピード10 m/min)内を2回通過させることによって、前記 布物の表面に紫外線を照射した後、直ちに 該照射によって得られた透湿フィルムの表 に、離型紙の裏面(即ち、離型性を有しない 位)を積層し、1kg荷重下で24時間放置した。

 放置後、透湿フィルムと離型紙の裏面と 界面を剥離し、透湿フィルム表面の毛羽立 を下記の基準にて評価した。

 [評価基準]
○:透湿フィルムの表面にタック性や毛羽立 が全くなく、透湿フィルムと離型紙の裏面 を容易に剥離することができた。
△:透湿フィルムの表面に若干のタック性と 羽立ちとが見られるものの、透湿フィルム 離型紙の裏面とを容易に剥離することがで た。
×:透湿フィルムと離型紙の裏面とを剥離する ことができなかった。

 [透湿フィルムの耐水性の評価方法]
 透湿フィルムの耐水性は、水膨潤度に基づ て評価した。具体的には、縦10cm、横10cmの きさに裁断した透湿フィルムを、水中に24時 間浸漬した後の透湿フィルムの寸法を測定し た。浸漬前の寸法と比較して、浸漬後の透湿 フィルムの縦及び横の寸法の変化が、概ね20% 以内であるものは耐水性に優れると評価し、 20%を超えるものは、水に対する膨潤度が大き いため、フィルム強度の低下や洗濯時の剥が れや浮きが発生しやすく耐水性に劣るもので あると評価した。なお、表3中の実施例1の評 「16*16」は、前記浸漬後のフィルムの縦の 法が、浸漬前の寸法よりも16%大きく、横の 法も同様に16%大きくなったことを示す。

 [積層体の柔軟性(風合い)の測定方法]
 前記積層体を手で折り曲げることにより、 れらの風合いを下記の5段階で評価した。5 階評価のうち、3以下であることが、実用上 ましい。

 1:透湿フィルムと繊維質基材とに一体感が り非常に柔らかい。
 2:透湿フィルムと繊維質基材に一体感はあ りないが、優れた柔軟性を有する。
 3:良好な柔軟性を有する。
 4:折り曲げた際に少し硬さを感じ、多少の リバリとした音及び感触がする。
 5:折り曲げる際にある程度の力を必要とし 折り曲げた際にはバリバリという音がする

 [積層体の透湿度の測定方法]
 十分に養生し硬化させた前記積層体の透湿 は、透湿性試験:JIS L-1099(A-1法:塩化カリウ 法)に準じて測定した。透湿度が6000(g/m 2 /24hr)以上のものは、実用上十分な透湿性を有 するものと評価した。

 表3中の略号について説明する。
 「A-1000」:数平均分子量1000のポリエチレン リコールジアクリレート