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Title:
MOLD RECTIFIER AND RECTIFICATION MOTOR USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139681
Kind Code:
A1
Abstract:
A mold rectifier includes: a plurality of rectification pieces formed by copper or a copper alloy and arranged on a circumference; a plurality of spark absorbing elements arranged between adjacent rectification pieces, having a pair of parallel planes, and each having an electrode; and a resin mold unit for molding them as a unitary block. The spark absorbing elements are electrically connected to the rectification pieces via the electrodes so that spark voltage generated in the rectification pieces is absorbed by current flowing between the electrodes.

Inventors:
MAEDA NORITERU
MIZUKAMI HIROFUMI
YAMAZAKI AKIHIKO
KUROZUMI SEIJI
YAMAGATA YOSHIKAZU
Application Number:
PCT/JP2008/000896
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
April 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
MAEDA NORITERU
MIZUKAMI HIROFUMI
YAMAZAKI AKIHIKO
KUROZUMI SEIJI
YAMAGATA YOSHIKAZU
International Classes:
H02K13/00; H01R39/04; H02K27/22
Foreign References:
JPH10257739A1998-09-25
JPS6288459U1987-06-05
JPH08237913A1996-09-13
JP2006257116A2006-09-28
JPH08237913A1996-09-13
JPH10257739A1998-09-25
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (1006 Oaza Kadoma, Kadoma-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
銅または銅合金からなり円周上に配置された複数の整流子片と、平行な一対の面を有しそれぞれに電極を有する複数のスパーク吸収素子と、それぞれの隣接する前記整流子片の間に前記スパーク吸収素子が配設され、前記複数の整流子片と前記複数のスパーク吸収素子とを一体的に成形する樹脂モールド部とを備え、
前記スパーク吸収素子は、前記電極を介して前記整流子片に電気的に接続され、
前記整流子片に発生するスパーク電圧は、前記電極間に流れる電流により吸収されることを特徴とするモールド整流子。
前記スパーク吸収素子は、板状であることを特徴とする請求項1記載のモールド整流子。
前記スパーク吸収素子は、円形または四角形であることを特徴とする請求項2記載のモールド整流子。
前記スパーク吸収素子は、前記電極の面積が前記板状の面積の80%以上であることを特徴とする請求項2記載のモールド整流子。
前記電極は、前記整流子片と電気的に接触するように構成されることを特徴とする請求項1記載のモールド整流子。
前記整流子片は、前記スパーク吸収素子と接する部分に溝部を有することを特徴とする請求項1記載のモールド整流子。
前記溝部は、前記樹脂モールド部によって一体的に充填されることを特徴とする請求項6記載のモールド整流子。
前記整流子片は、前記スパーク吸収素子と接する部分に埋設凹部を有することを特徴とする請求項1記載のモールド整流子。
前記スパーク吸収素子は、非直線性抵抗特性を有する素子であることを特徴とする請求項1記載のモールド整流子。
前記スパーク吸収素子は、酸化亜鉛系バリスタであることを特徴とする請求項1記載のモールド整流子。
前記スパーク吸収素子は、厚みが0.5mm以上1.5mm以下であることを特徴とする請求項1記載のモールド整流子。
前記樹脂モールド部は、酸化アルミニウム、炭化珪素、及びガラス繊維の少なくとも一つを添加材料として含有する熱硬化性樹脂より成ることを特徴とする請求項1記載のモールド整流子。
請求項1から12のいずれか一項に記載のモールド整流子を備え、100V以上、240V以下の交流電源で使用されることを特徴とする整流子モータ。
Description:
モールド整流子、及びそれを組 んだ整流子モータ

 本発明は、掃除機や電動工具などに使用 れる整流子モータの整流機能を行うモール 整流子、及びそれを組込んだ整流子モータ 関する。

 掃除機など家電機器に使用される整流子 ータは、モータの小型軽量化、性能向上、 入力化に伴い、モータ回転中にブラシと整 子片間に生ずる火花放電(以下、スパークと 記載する)が大きくなり、ブラシ寿命が確保 きなくなる課題がある。

 この課題を解決するためには、スパーク 圧を小さくする必要があり、ブラシの比抵 を高く設定し、電機子の巻線回数を少なく るなどの対策を行うことによって、ブラシ 命を確保している。しかしながら、この対 は、モータの効率を低下させるため、最良 対策ではないのが現状である。

 一方、情報機器などに使用される低電圧( 3~20V)駆動の整流子モータには、ブラシ寿命を 確保するために、一般的に、整流子片と巻線 間に円盤状のバリスタ特性を有するスパーク 吸収素子が外付けされている。

 スパーク吸収素子として一般的に使用さ ているバリスタは、ある電圧以上になると 抗値が急減して電流を流し始める特性を有 ているものであり、一般的に1mAの電流が流 たときの電圧をバリスタ電圧と呼んでいる

 前述の情報機器などに使用される整流子 ータに使用されるバリスタは、チタン酸ス ロンチウム系で、バリスタ電圧は、3V/mAよ 20V/mA程度のものである。

 このスパーク吸収素子を巻線と整流子片 に電気的接合した場合、整流切り替わり時 発生する起電力を吸収する効果が得られる とにより、スパーク発生時のスパークエネ ギーが抑えられ、ブラシ寿命の長寿命化が 能となる。このようなスパーク吸収素子を ってブラシ寿命の長寿命化を図る例として 例えば特許文献1、特許文献2が開示されて る。特許文献1には球形状のスパーク吸収素 を使用した例が、そして特許文献2にはピン 形状のスパーク吸収素子を使用した例が開示 されている。後者の例について、以下、図面 を参照して説明する。図9は従来のモールド 流子におけるスパーク吸収素子挿入部分の 分断面図であり、図10はスパーク吸収素子に 流れる電流経路の説明図である。

 この従来のモールド整流子は、銅または 合金からなり円周上に配置された複数の整 子片80と、ピン形状のスパーク吸収素子82と 、これらを一体的に成形する樹脂モールド部 85とを備える。各整流子片間にアンダーカッ 81を施すことにより切り離し、モールド整 子が完成する。

 ピン形状のスパーク吸収素子82は、整流 片80間のスパーク電圧を吸収する機能ととも に、高速回転時に整流子片80にかかる遠心力 対し、整流子片80を固定、補強する機能も ねる。整流子モータが回転したときのスパ ク電圧は、図10の矢印に示すスパーク吸収電 流91、スパーク吸収電流92によって吸収され 。

 しかしながら、このスパーク吸収電流は、 パーク吸収素子82に均一に流れないという 題があった。即ち、スパーク吸収電流91(実 矢印で示す)は、スパーク吸収電流92(破線矢 で示す)より遙かに大きい値になり、結果的 にスパーク吸収素子82の整流子片80との接触 95に電流が集中してしまう。その結果、バリ スタ特性が大幅に低下し、スパーク電圧の吸 収性能が充分に発揮されず、ブラシ寿命の低 下をきたすという課題があった。また、高電 圧モータに使用した場合、この接触部95周辺 局部的な自己発熱が大きくなり、素子の劣 を起こす可能性もあった。

特開平8-237913号公報

特開平10-257739号公報

 本発明のモールド整流子は、銅または銅 金からなり円周上に配置された複数の整流 片と、平行な一対の面を有しそれぞれに電 を有する複数のスパーク吸収素子と、それ れの隣接する整流子片の間にスパーク吸収 子が配設され、複数の整流子片と複数のス ーク吸収素子とを一体的に成形する樹脂モ ルド部とを有する。

 ここで、このスパーク吸収素子は、電極 介して整流子片に電気的に接続され、この 流子片に発生するスパーク電圧は、電極間 流れる電流により吸収されるように構成さ る。本発明は、さらにこのモールド整流子 組込んだ整流子モータを含む。

 本発明は、この構成により、スパーク吸 素子の厚み方向に電流を流すことができる で、素子のスパークに対するエネルギー耐 を大きくすることができる。さらに、それ れの電極面積を最大限に大きくすることが 能であるとともに、電流を最短距離に流す とができるため、スパークの吸収性を向上 せることができる。したがって、高電圧モ タに使用する際、整流子片間電圧も高くな ことから、漏れ電流を抑えることができ、 熱などを最小限に抑えることができる。簡 な構成で高信頼性、長寿命のモールド整流 、及び整流子モータを提供することができ 。

図1は本発明の実施の形態1における整 子モータの外観図である。 図2は本発明の実施の形態1における電 子及び整流子部分の外観図である。 図3は本発明の実施の形態1における整 子の縦断面図である。 図4は同横断面図である。 図5は図4におけるA部拡大図である。 図6は本発明の実施の形態1におけるス ーク吸収素子の斜視図である。 図7は本発明の実施の形態2におけるス ーク吸収素子挿入部分の部分断面図である 図8は本発明の実施の形態2におけるス ーク吸収素子に流れる電流経路の説明図で る。 図9は従来のモールド整流子におけるス パーク吸収素子挿入部分の部分断面図である 。 図10は従来のモールド整流子における パーク吸収素子に流れる電流経路の説明図 ある。

符号の説明

 1  界磁
 2  界磁コア
 3  界磁巻線
 5  軸受
 10  電機子
 11  回転軸
 12  電機子コア
 13  電機子巻線
 17  回転ファン
 18  エアガイド
 22  ブラケット
 23  ブラシ保持器
 24  ネジ
 25  吸気口
 26  排気口
 31  渡り線部
 40  整流子
 41,41a  整流子片
 42  溝部
 43  埋設凹部
 47  アンカー部
 48,48a  フック
 49,49a  アンダーカット
 50,50a  スパーク吸収素子
 51,51a  スパーク吸収素子本体
 52,52a  電極
 56  スパーク吸収素子の電流の流れ
 60,61  樹脂モールド部
 65  セラミックピン

 以下、本発明の実施の形態について、図 を用いて説明する。

 (実施の形態1)
 まず、本発明のモールド整流子が組込まれ 整流子モータの外観図を示す図1にしたがっ て説明を行う。また、この整流子モータは、 電源電圧が100V以上、240V以下の交流電源で使 される。

 図1において、界磁1は、界磁コア2に界磁 線3を施して構成されている。電機子10は、 転軸11に固着された電機子コア12に電機子巻 線13を施し、整流子40を同軸上に配置して、 転軸11の両端に設けられた軸受5によって回 自在に支承されている。

 界磁1は、ブラケット22に固定され、ブラ ット22に一対のカーボンブラシ(図示せず)が 、ブラシ保持器23を介してネジ24にて固定さ ている。また、回転軸11には回転ファン17が えられ、その外周部及び下部に通風路を形 するエアガイド18が配されている。

 上記構成において、電力が供給されると 磁巻線3を伝導した電流がカーボンブラシ( 示せず)を通って整流子40に伝わり、界磁コ 2で発生した磁束と電機子巻線13を通る電流 の間で力が発生し、電機子10が回転する。電 機子10が回転することにより、回転ファン17 回転し、吸気口25より吸い込んだ空気は、矢 印の経路を通って電機子10、界磁1、カーボン ブラシを冷却しながら、ブラケット22の排気 26より排出される。

 図2は、上記図1にて説明した本発明の電 子10の詳細を示したものである。電機子コア 12と整流子40が、回転軸11に圧入、焼バメなど の方法で接合されている。電機子コア12には 機子巻線13が巻回されている。巻回された 機子巻線13は、渡り線部31を経て整流子40の ック48に接合されている。

 次に、本発明の実施の形態1における整流 子40の具体的構成について説明を行う。図3は 本発明の実施の形態1における整流子の縦断 図、図4は同横断面図、図5は図4におけるA部 拡大図である。

 本実施の形態における整流子40の整流子 41は、これらの図に示すように、円周上に配 置されている。この整流子片41は、導電性が 好な電気銅に耐加工性を向上するため約0.07 wt%の銀が添加された銅合金を使用している。 そして、この形状は異形ダイスを使用し、連 続的に引き抜いた状態で長手方向の整流子片 形状を作り、その後プレス加工にて最終形状 に加工される。なお、この整流子片の材料は 、銅合金に限定されるものではなく、例えば 銅であってもよい。

 セラミックピン65は、整流子片41の回転方 向両側端面の溝部と合致する形状の円筒状の ピンであり、アルミナセラミックで作製され ている。そして、円形板形状のスパーク吸収 素子50が、それぞれの整流子片41の間に配設 れている。本実施の形態では、合計24個の整 流子片41が円周上に配置されているので、そ ぞれの間に、合計24本のセラミックピン65と 24個のスパーク吸収素子50が配設されること なる。これらを交互に組み合せ仮組みし、 ールド成形用リングに圧入される。これに り整流子片41によりセラミックピン65とスパ ク吸収素子50とが押圧保持された状態とな ている。これにより、高速回転時に整流子 41にかかる遠心力に対し、セラミックピン65 よって補強されることになる。

 次に、図6は本実施の形態におけるスパー ク吸収素子50の斜視図である。スパーク吸収 子50は、図6に示すように、円形板形状をな ている。また、その厚さは0.5mm以上である とが好ましい。これは、バリスタ電圧がス ーク吸収素子の厚み(より詳細には、スパー 吸収素子内の結晶粒の大きさ)により決定さ れるためである。仮に、0.5mm未満とすると、 要となるバリスタ電圧を得るために、結晶 の大きさの調整が困難となるためである。 た、0.5mm未満であれば、スパーク吸収素子 機械的強度が極端に低減し、割れや欠けも 生すると考えられるためである。また、ス ーク吸収素子の厚さは、1.5mm以下であること がさらに好ましい。これは、1.5mmを超えると 技術的に困難であるとともに、生産性やコ ト面で不利となるためである。つまり、1.5m mを超えると、必要となるバリスタ電圧を得 ために、結晶粒1粒当たりの粒径を70~80μm以 としなければならなくなる。そして、結晶 をこの程度まで成長させるためには焼成時 を長くしたり、焼成温度を高温にする必要 ある。そうすると、現在の技術では困難で るとともに、生産性、コスト面でも不利益 大きいのである。また、仮に以上の困難性 乗り越えて、焼成時間を長くしたり、焼成 度を高温にしたりして、所望の粒径を得た しても、α値が小さくなって漏れ電流が大き くなるため、特性が低下すると考えられる。

 そしてスパーク吸収素子本体51の表裏に 極52を備える構成となっている。電極52の面 は、スパーク吸収素子本体51の面積の80%以 としている。スパーク吸収素子50に流れる電 流は、スパーク吸収素子本体51の厚み方向に れるが、スパーク吸収素子本体51に均等且 有効に流れるようにするためである。つま 、電極の面積は、スパーク吸収素子に全体 に均一となり、一部に電流が集中すること 避けるために、できるだけ広く設定してお た方がよく、80%以上であることが好ましい 仮に80%未満になると、スパーク吸収素子の 裏面の面積のうち電極のない部分が有効に 用されなくなり、電極のある部分に電流が 中して流れる。この結果、スパーク吸収素 の劣化が早まり、破壊を生じる可能性が高 なるためである。

 整流子片41は、各々の側面におけるスパ ク吸収素子50と接する部分には、溝部42を備 ている。この溝部42の断面形状は半円形状 あり、それぞれの側面に2個設けるのが好適 ある。この整流子片41の各々の側面は、ス ーク吸収素子50の表裏の電極52に電気的に接 される。接合方法としては、圧接、導電性 着剤、はんだ付けなど、適切な方法が選択 れる。この溝部42には、樹脂モールド部60が 一体的に充填されることにより、スパーク吸 収素子50がより強固に固着される。また、成 時におけるスパーク吸収素子50の傾きや割 を防止し、さらに高速回転時の遠心力に対 てスパーク吸収素子50を保護する効果も期待 できる。なお、この溝部42の数は、それぞれ 側面に2個に限定されるものではなく、例え ば1個、3個など、適宜選択される。また、形 も半円形状に限定されるものではない。

 以上のように整流子片41とスパーク吸収 子50の電極52とを接合することにより、整流 片41に発生するスパーク電圧は、スパーク 収素子本体51の厚み方向に流れる電流により 吸収される。従来例のように電流が局部に集 中することなく均等に流れるので、スパーク 電圧の吸収性能を向上させることが可能とな る。

 このスパーク吸収素子50として、非直線 抵抗特性を有するいわゆるバリスタ素子が いられる。そして、バリスタ電圧は、この パーク吸収素子50に1mAの電流を流した時の電 圧値として定義される。非直線抵抗指数αは 1mAと100μAにおける各電流を流した時の電圧 から下記式により算出する。

 α=(logI1―logI2)/(logV1―logV2)
 ただし、I1=1mA、I2=100μAであり、V1、V2はI1、I 2における電圧値である。

 非直線抵抗指数αは、高いほど安定して リスタ素子間に電流(スパーク電流)を流すこ とが可能となり、さらにスパーク電圧除去効 果も高くなる。チタン酸ストロンチウム系バ リスタのα値は2~10程度のものであるのに対し て、酸化亜鉛系バリスタは20~60程度のα値を することが可能であり、スパーク吸収効果 は非常に有用である。

 次に、このスパーク吸収素子50の物性的内 を説明する。このスパーク吸収素子50は、酸 化亜鉛を主成分としたいわゆるバリスタであ る。より具体的には、酸化亜鉛(ZnO)粉末に酸 ビスマス(Bi 2 O 3 )、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸 マンガン(MnO)、酸化クロム(Cr 2 O 3 )、酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )、酸化ケイ素(SiO 2 )、酸化スズ(SnO 2 )、酸化アンチモン(Sb 2 O 3 )の酸化物を添加し混合した粉末を使用して る。この粉末にバインダーとしてポリビニ アルコールを添加し、組成の均質化のため スプレードライヤーにて造粒する。その後 所定のリング状にプレス成形を行う。

 なお、酸化亜鉛粉末の平均粒径は0.6μmよ 3μmを使用し、焼成温度は900℃より1200℃、 成時間は3時間より30時間、昇温速度は20℃/ 間より100℃/時間の条件にて実施することで 酸化亜鉛の結晶粒径を調整し、所定のバリ タ電圧になるよう調整を行う。

 その後、円形板形状の表裏両面にマスク 刷により、銀電極52を形成し、スパーク吸 素子50が完成する。

 さらに、図4、図5に示す樹脂モールド部60 は、酸化アルミニウム、炭化珪素及びガラス 繊維の少なくとも一つが添加材料として添加 された熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹 )を使用して、整流子片41とスパーク吸収素 50、及びセラミックピン65とを一体的に成形 る。その後、各整流子片を絶縁するために 各子片間にアンダーカット49を施すことに り切り離し、本発明のモールド整流子40が完 成する。

 本実施の形態によれば、整流子片41の各 面と、スパーク吸収素子50の表裏の面電極52 が電気的に接合されることから、隣り合う 流子片間に発生するスパークを吸収する際 スパーク吸収素子50の厚み方向に電流を流 ことができる。このため、片側面に電極を けた構造の場合より、エネルギー耐量を高 することができる。また、モータ回転時に 流子間に発生するスパーク電圧をスパーク 収素子50の厚み方向で吸収することから、整 流子片間のバリスタ特性を厚み調整すること により設定が可能となる。このため、モータ 仕様が変わっても対応が可能となり汎用性が 非常に高くなる。これにより、100V以上、240V 下の交流電源で使用される高電圧モータや 々なモータ仕様への適応が可能となる。

 (実施の形態2)
 図7は本発明の実施の形態2におけるスパー 吸収素子挿入部分の部分断面図、図8はその パーク吸収素子に流れる電流経路の説明図 ある。

 本実施の形態における整流子片41aは、実 の形態1における溝部42の代わりに埋設凹部4 3が設けられている。そして、隣接する整流 片41aの埋設凹部43との間にスパーク吸収素子 50aが挟み込まれて埋設される。スパーク吸収 素子50aの形状は、四角形板状が好適である。 スパーク吸収素子50aは、スパーク吸収素子本 体51aとその表裏両面に設けられた電極52aより 構成される。そして、この電極52aの面積は、 実施の形態1と同様に、スパーク吸収素子本 51aの面積の80%以上である。図8に示すように スパーク吸収電流56は、スパーク吸収素子 体51aの厚み方向に均一に流れる。この構成 より、実施の形態1と同様の効果を奏するこ ができる。

 なお、図7に示す電流経路の説明図におい ては、埋設凹部43は省略して示している。ま 、スパーク吸収素子50aの形状は、四角形板 に限定されるものではなく、例えば実施の 態1と同様に円形板状、あるいは楕円形板状 など、適宜選択可能である。また、スパーク 吸収素子50aの厚さは、実施の形態1と同様に 0.5mm以上、1.5mm以下の範囲で選択される。た し、実施の形態1より若干厚くする方が好ま しい。

 次に、実施の形態1と実施の形態2とを含 て、従来例との比較実験を行ったので、そ 結果を説明する。

 表1は、従来例のスパーク吸収素子(ピン 状)と実施の形態1のスパーク吸収素子(円形 形状)との比較において、バリスタ電圧とα (非直線抵抗指数)との測定値を示す。

 この表より明らかなように、実施の形態1 のスパーク吸収素子は、従来例のスパーク吸 収素子に比べて、α値が遙かに大きい値を示 。これにより、大きいスパーク吸収電流を すことが可能となり、スパーク電圧の吸収 果が大きいことがわかる。

 次に、表2は、実施の形態1(円形板形状)、 実施の形態2(四角形板形状)、従来例(ピン形 )、スパーク吸収素子なし、の4つの場合につ いて、ブラシ寿命を測定したものである。モ ータは、無負荷の状態で240Vの交流電圧を印 し、オリフィス径16mm、37,000r/分の回転数、10 分オン-2分オフの条件でブラシ(モータ)寿命 測定した。ブラシ長は、摩耗代30mmとした。

 この結果より、実施の形態1と実施の形態 2に示す本発明のモールド整流子を使った整 子モータは、ブラシ寿命がスパーク吸収素 なしの場合に比べて約2倍、従来例の構造の 合に比べて約1.5倍に改善でき、長寿命化の 果があることが確認された。

 なお、上述した実施の形態においては、 パーク吸収素子50、50aとしてバリスタ素子 利用しているが、バリスタ素子に代えてコ デンサ素子及び抵抗素子を組み合わせたも を利用してもよい。このようにコンデンサ 子と抵抗素子とを組み合わせた場合には、 リスタ素子と同様の効果を奏することがで る。

 また、上述した実施の形態においては、 ラミックピン65を備える構成を採用してい が、セラミックピン65を備えない構成として もよい。特に、実施の形態2の構成は、スパ ク吸収素子50aがセラミックピンの代用をす ことが可能であり、セラミックピン65を備え ない構成として好適である。

 本発明のモールド整流子及びそれを組込 だ整流子モータによると、スパーク吸収素 の厚み方向に電流を流すことによって、整 子片に発生するスパークの吸収性を向上さ ることができる。これにより、掃除機や電 工具などに使用される高電圧モータとして 簡単な構成で高信頼性、長寿命のモールド 流子、及び整流子モータを提供することが きる。