住友電工ファインポリマー株式会社 (〒58 大阪府泉南郡熊取町朝代西一丁目950番地 Osaka, 5900458, JP)
| 主鎖にイオウを含有せずかつ260℃における貯蔵弾性率が1×10 6 Pa以上の重合体、及び固体潤滑剤を主成分とする成形材料であって、前記成形材料を成形して得られる成形物の、50%エチレングリコール水溶液中30℃でのステンレスとの動摩擦係数が、0.05以下であることを特徴とする軸受用成形材料。 |
| 前記重合体が、環状オレフィンの重合体であることを特徴とする請求項1に記載の軸受用成形材料。 |
| 環状オレフィンが、シクロペンテン、2-ノルボルネン又はシクロテトラドデセン系単量体骨格を有する化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軸受用成形材料。 |
| 前記重合体が、シンジオタクチックポリスチレンであることを特徴とする請求項1に記載の軸受用成形材料。 |
| 前記重合体が、架橋物であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の軸受用成形材料。 |
| 前記固体潤滑剤が、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の軸受用成形材料。 |
| さらに強化材を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の軸受用成形材料。 |
| 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の軸受用成形材料の成形体からなることを特徴とする軸受。 |
| 請求項8に記載の軸受を使用することを特徴とする水中ポンプ。 |
本発明は、自動車用クーラーの冷却水循 等に使用される水中ポンプの軸受を形成す 軸受用成形材料に関する。本発明はさらに この軸受用成形材料を成形して得られる軸 、及びこの軸受を用いる水中ポンプに関す 。
自動車用クーラーの冷却水循環用の水中 ンプの軸受には、以下に示すような特性が められている。
自動車の燃費低減のため、水中での摺動に
ける低い摩擦係数(高い摺動性)、
優れた耐摩耗性、
軸受が長期にわたり使用される際に経時的
変形(クリープ)すると軸受の頻繁な交換が
要となるので、この変形を防ぐための優れ
耐クリープ性、
水中ポンプによりエチレングリコール等の
品を含む不凍液を循環させることがあるの
、耐薬品性、
105~110℃程度の高温や-40~-30℃の低温で使用
れることがあるので、このような使用環境
おいても劣化しないとの長期の耐熱性、耐
性、等。
さらに、この軸受は、インペラ及び回転 動用の磁石と一体化され、この一体化は熱 塑性樹脂を用いたインサート成形によりさ ることが多いので、インサート成形の際の 融樹脂の熱に耐えられる短期の耐熱性が求 られる場合がある。
このような特性が求められる軸受を形成す
成形材料として、例えば、エンジニアリン
プラスチックに、潤滑油や固体潤滑剤をブ
ンドした材料が提案されており、この成形
料を成形後、放射線照射をした成形品から
る軸受が知られている(特許文献1)。そして
エンジニアリングプラスチックとしては、
イロン、ポリフェニレンエーテルやポリフ
ニレンスルフィド等が用いられ、又固体潤
剤としては、二硫化モリブデン、グラファ
ト、超高分子量ポリエチレンやポリテトラ
ルオロエチレン(以下「PTFE」と表す。)等が
いられている。
前記のエンジニアリングプラスチックの でもポリフェニレンスルフィドを用いて軸 を形成すると、耐薬品性及び短期の耐熱性 特に優れる軸受が得られる。しかし、ポリ ェニレンスルフィドを含む軸受用成形材料 、成形性に劣り、又成形時にSOxを発生し金 の寿命を短くする問題がある。そこで、ポ フェニレンスルフィドを用いない、従ってS Ox発生の問題のない成形材料であって、ポリ ェニレンスルフィドを用いた場合と同等以 の耐薬品性及び短期の耐熱性を有する軸受 形成できるとともに、成形性に優れる成形 料が求められていた。
本発明は、ポリフェニレンスルフィドを いず、従ってSOx発生の問題がなく、又成形 に優れる成形材料であって、かつ高い摺動 、優れた耐摩耗性を有するとともに長期の 熱性、耐寒性も良好でありさらにポリフェ レンスルフィドを用いた場合と同等以上の 薬品性及び短期の耐熱性を有する軸受を形 できる、軸受用成形材料を提供することを 題とする。本発明は、さらに、この軸受用 形材料を用いて形成される水中ポンプ用の 受、及びこの軸受を有する水中ポンプを提 することを課題とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、主鎖にイオ を含有しない重合体を構成成分とする成形 料、すなわち成形時におけるSOx発生の問題 ない成形材料を用いた場合であっても、260 における貯蔵弾性率が1×10 6 Pa以上の重合体を用いれば、この重合体とフ 素樹脂等の固体潤滑剤を組合せることによ 、高い摺動性、優れた耐摩耗性を有し、か ポリフェニレンスルフィドを用いた場合と 等以上の耐薬品性及び耐熱性を有する軸受 形成できることを見出し、本発明を完成し 。
すなわち本発明は、請求項1において、主鎖 にイオウを含有せずかつ260℃における貯蔵弾 性率が1×10 6 Pa以上の重合体、及び固体潤滑剤を主成分と る成形材料であって、前記成形材料を成形 て得られる成形物の、50%エチレングリコー 水溶液中30℃でのステンレスとの動摩擦係 が、0.05以下であることを特徴とする軸受用 形材料を提供する。
この軸受用成形材料を成形して得られる 受は、50%エチレングリコール水溶液中、30 でのステンレスとの動摩擦係数が、0.05以下 あるので、高い摺動性、優れた耐摩耗性を し、エチレングリコール水溶液を主成分と るLLCの循環用の水中ポンプの軸受として好 に用いられる。
主鎖にイオウを含有せずかつ260℃における 蔵弾性率が1×10 6 Pa以上の重合体としては、例えば、環状オレ ィンの重合体を挙げることができる(請求項 2)。環状オレフィンの重合体は、その分子量 調整することにより、又後述する架橋を施 その架橋度を調整することにより、260℃に ける貯蔵弾性率が1×10 6 Pa以上とすることができる。分子量の調製や 橋の適当な条件は、公知のデータや簡易な 備実験により容易に得ることができる。
環状オレフィンの重合体を用いて得られ 軸受は、耐薬品性に優れ、エチレングリコ ル等の薬品を含有する冷却水の循環に長期 わたり使用しても劣化しにくく、機械的強 の低下、クリープ、クラックの発生等の問 を生じにくい。特に、105~110℃程度の高温に おける長期の使用に耐えられる長期耐熱性に 特に優れる。
ここで環状オレフィンとは、特開平8-20692 号公報等に記載された公知の単量体であって 、例えば、シクロペンテン、2-ノルボルネン はシクロテトラドデセン系骨格を有する化 物(単量体)(請求項3)が好ましく挙げられる
より具体的には、2-ノルボルネン、5-メチ ル-2-ノルボルネン、5,5-ジメチル-2-ノルボル ン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-ブチル-2-ノ ボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5- メトキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-シア -2-ノルボルネン、5-メチル-5-メトキシカル ニル-2-ノルボルネン、5-フェニル-2-ノルボル ネン、5-フェニル-5-メチル-2-ノルボルネン、 シクロペンタジエン、2,3-ジヒドロジシクロ ペンタジエン、テトラシクロ-3-ドデセン、8- チルテトラシクロ-3-ドデセン、8-エチルテ ラシクロ-3-ドデセン、8-ヘキシルテトラシク ロ-3-ドデセン、2,10-ジメチルテトラシクロ-3- デセン、5,10-ジメチルテトラシクロ-3-ドデ ン、1,4:5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-2,3-シクロ ンタジエノナフタレン、6-エチル-1,4:5,8-ジ タノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン 1,4:5,10:6,9-トリメタノ-1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a -ドデカヒドロ-2,3-シクロペンタジエノアント ラセン等を挙げることができる。
環状オレフィンの重合体は、前記環状オ フィンの単独重合体でもよいし、環状オレ ィンと共重合可能な不飽和基を持つ単量体 環状オレフィンとの共重合体でもよい。2種 類以上の環状オレフィンを含む重合体でもよ い。この場合、260℃における貯蔵弾性率の調 製は、この共重合する単量体の種類や共重合 比の調製により行うこともできる。
環状オレフィンの共重合体を構成する環状
レフィン以外の単量体としては、エチレン
プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、
1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-
ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン
、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセ
ン、1-イコセン等のα-オレフィン類;
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
マール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テ
ラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフ
ル酸等の不飽和カルボン酸類;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
リル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ヒ
ロキシエチル等のアクリル酸エステル類や
タクリル酸エステル類;
マレイン酸ジメチル、フマール酸ジメチル
イタコン酸ジエチル、シトラコン酸ジメチ
等の不飽和ジカルボン酸ジエステル類;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シ
ラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無
メチルテトラヒドロフタル酸等の不飽和カ
ボン酸無水物類;
ビニルアルコール、酢酸ビニル等のビニル
ルコールやビニルエステル類;
スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン
が例示される。
環状オレフィンの重合体の中でも、環状 レフィンを単量体中の10~60モル%含む共重合 が、優れた短期の耐熱性を有する。又環状 レフィンの割合が60モル%を越える場合は軸 用成形材料が架橋しにくくなり、一方10モ %未満の場合は、成形しにくくなり、成形体 剛性が不足しTgが低くなる。
環状オレフィンの共重合体は、例えば、 記の環状オレフィンと他の単量体をランダ 付加共重合する方法等により製造すること できる。環状オレフィンの重合体の製造に いる触媒や溶媒、反応温度等の重合の条件 、特開平8-20692号公報等に記載の公知の条件 を採用することができる。
環状オレフィンの重合体の分子量の範囲は 260℃における貯蔵弾性率を1×10 6 Pa以上とすることができる範囲内であれば、 に限定されない。分子量が大きい程、耐摩 性、短期、長期の耐熱性、耐寒性や耐薬品 が向上するが、一方成形性は低下するので これらを考量して最適な分子量が採用され 。
主鎖にイオウを含有せずかつ260℃における 蔵弾性率が1×10 6 Pa以上の重合体としては、他に、シンジオタ チックポリスチレンも例示することができ (請求項4)。シンジオタクチックポリスチレ も、その結晶化度を調整することにより、 後述する架橋を施しその程度を調製するこ により、260℃における貯蔵弾性率を1×10 6 Pa以上とすることができる。分子量の調製や 橋の適当な条件は、公知のデータや簡易な 備実験により容易に得ることができる。
シンジオタクチックポリスチレンは、ス レンモノマーを、メタロセン触媒を用いて 合する方法や、特許3135082号に記載の方法等 により製造することができる。
シンジオタクチックポリスチレンを用い ことにより、エチレングリコール水溶液を 成分とするLLC中での動摩擦係数が特に低い 受、すなわちLLC中での摺動性が特に高い軸 を得ることができる。さらにシンジオタク ックポリスチレンを用いることにより、成 性にすぐれた軸受用成形材料が得られると もに、低比重であり、耐熱性、耐薬品性、 法安定性に特に優れた軸受が得られる。
シンジオタクチックポリスチレンの分子量 範囲は、260℃における貯蔵弾性率を1×10 6 Pa以上とすることができる範囲内であれば、 に限定されない。分子量が大きい程、耐摩 性、短期、長期の耐熱性、耐寒性や耐薬品 が向上するが、一方成形性は低下するので これらを考量して最適な分子量が採用され 。
本発明の軸受用成形材料を構成する重合 は、前記の環状オレフィンの単独重合体や 重合体及びシンジオタクチックポリスチレ からなる群から選ばれる2種類以上の高分子 化合物の混合物でもよい。
又、重合体は、前記の環状オレフィンの 合体及び/又はシンジオタクチックポリスチ レンからなる重合体に架橋反応を施こした架 橋物でもよい(請求項5)。架橋反応を施こすこ とにより、この重合体を用いて得られる軸受 のクリープが低下(耐クリープ性が向上)し、 労強度が向上するとともに、100℃程度の高 での弾性率、機械的強度が向上し、短期の 熱性も向上するので好ましい。
架橋反応としては、熱架橋、シラン架橋 電離放射線による放射線架橋等が挙げられ が、放射線架橋は架橋の程度の制御が容易 あるので好ましい。
放射線としては、電子線の他、γ線等を挙 ることができる。必要な放射線量は、重合 の260℃における貯蔵弾性率が1×10 6 Pa以上となる量であるが、具体的な量は、重 体の種類、分子量等や、架橋助剤の有無や 類、充填剤の有無や種類等により変動し限 されない。好ましい放射線照射量は、後述 るように、架橋後の重合体を配合した軸受 260℃における貯蔵弾性率(動的粘弾性率)を1 10 6 ~1×10 12 Paとするために必要な量である。これらの具 的範囲は、例えば、放射線照射量を振った 備実験により、容易に定めることができる
重合体が環状オレフィンの重合体の場合 放射線架橋を促進するために好ましくは架 助剤が添加される。重合体がシンジオタク ックポリスチレンの場合は、架橋助剤の添 なしでも、放射線架橋しやすい。架橋助剤 添加により、コストが上昇する、架橋助剤 分解によりガスが発生する、成形体が脆く る、架橋助剤の分離等が生じ射出成形が困 になる等の問題が生じる場合があるので、 橋助剤の添加なしでも放射線架橋しやすい では、シンジオタクチックポリスチレンが ましい。
本発明の軸受用成形材料は固体潤滑剤を 有する。固体潤滑剤を含有することにより 軸受の摩擦係数を低下させ摺動性が向上す 。又、摩擦係数の低下の結果、摩耗量も低 し、軸受の耐摩耗性が向上する。
固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン 超高分子量ポリエチレン、アラミドパウダ 、フッソ樹脂等を挙げることができる。中 もフッ素樹脂が、耐薬品性に優れ、又摺動 を向上させる効果が大きいので好ましく、 ッ素樹脂の中でも特にPTFEが軸受の摺動性を 向上させる効果が大きく好ましい(請求項6)。
PTFEを用いる場合、本発明の軸受用成形材 料中のPTFEの組成比は特に限定されないが、 常0.1~90質量%の範囲内である。0.1質量%より小 さい場合は、軸受の摺動性や耐摩耗性を向上 させる効果を期待できない場合が多い。一方 、90質量%を超える場合は、成形性が低下する 。軸受の優れた摺動性、耐摩耗性とともに、 成形材料の優れた成形性を得るために、1~30 量%の範囲内がより好ましい。
重合体がシンジオタクチックポリスチレ の場合は、固体潤滑剤に二硫化モリブデン 含有させると、軸受の常温における剛性が 上するので好ましい。
本発明の軸受用成形材料は、前記重合体 び固体潤滑剤を主成分とするが、これは、 記重合体及び固体潤滑剤を必須成分として 有するが、本発明の課題の達成が損なわれ い範囲で、前記の成分に加えて、他の樹脂 素材等を添加してもよいことを意味する。 えば、軸受の機械的強度や耐クリープ性等 向上させる目的で、1種類または2種以上の 化材を添加してもよい(請求項7)。
強化材としては、ガラスファイバー(ガラ ス繊維)や球状ガラス等のガラスフィラー、 素繊維、炭酸カルシウム、タルク、シリカ アルミナ、水酸化アルミニウム等の無機充 剤を挙げることができる。環状オレフィン 重合体やシンジオタクチックポリスチレン 、放射線架橋による架橋物である場合は、 ラスフィラーを加えても摩擦係数の低い軸 が得られるので好ましい。
ガラスフィラーとしては、例えば、日本 気硝子社製のECS-187、3M社製のグラスバブル 、龍森社製のシリカ、クリスタルライトCMC1 2Sを挙げることができる。また、ガラスフィ ーの含有量の好ましい範囲は、軸受全量に し1~65質量%である。
本発明の軸受用成形材料に、本発明の目 を損なわない限りにおいて添加することが きる他の成分としては、前記の無機充填剤 外にも、有機補強材、耐熱剤、安定剤、酸 防止剤等を挙げることができる。
本発明の軸受用成形材料は、前記の各成 を混合して得られる。混合は、2軸混合機等 を用いて常法により行うことができる。
本発明は、前記の軸受用成形材料に加え 、この軸受用成形材料より得られる軸受を 供する(請求項8)。本発明の軸受は、本発明 成形材料を成形することにより得られるが 前記の混合と成形は同時に行ってもよい。
前記のように、重合体は好ましくは放射 照射等により架橋される。架橋は、混合前 混合後、成形後のいずれの段階で行っても いが、架橋後は成形が困難になるので、成 後に架橋を行うことが好ましい。例えば、 橋が放射線照射により行われるときは、成 体に放射線照射する方法が好ましい。
本発明の軸受としては、260℃における貯蔵 性率が、1×10 6 ~1×10 12 Paの範囲のものが好ましい。ここで貯蔵弾性 とは、粘弾性測定器により10℃/minの昇温速 で測定される値である。貯蔵弾性率は、前 混合物を形成する成分の分子量やその割合 架橋度、充填剤の有無や種類等により変動 るので、これらを調整することにより所望 貯蔵弾性率を得ることができる。
本発明は、さらに、前記の軸受を使用す 水中ポンプを提供する(請求項9)。この水中 ンプを構成する軸受は、高い摺動性、優れ 耐摩耗性を有し、長期の耐熱性、耐寒性も 好であり、耐薬品性及び短期の耐熱性も優 ているので、この水中ポンプは、特に自動 や自動車用クーラーの冷却水循環用の水中 ンプに好適に用いられる。
本発明の軸受用成形材料は、SOx発生の問 がなく、又成形性に優れる成形材料であり かつ、この軸受用成形材料を成形すること より、高い摺動性、優れた耐摩耗性を有す とともに長期の耐熱性、耐寒性も良好であ さらにポリフェニレンスルフィドを用いた 合と同等以上の耐薬品性及び短期の耐熱性 有する軸受を形成できる。本発明の軸受は 高い摺動性、優れた耐摩耗性を有し、さら 、ポリフェニレンスルフィドを用いた場合 同等以上の耐薬品性及び短期の耐熱性を有 、さらに又、長期耐熱性にも優れる。
次に、本発明を実施するための最良の形 につき、実施例により説明する。なお、本 明は、ここに述べる実施例に限定されるも ではなく、本発明の趣旨を損なわない限り 他の形態への変更も可能である。
実施例1~4、比較例1
[軸受用成形材料の製造]
実施例1~3では、重合体として、下記の構造
有する環状オレフィンの重合体(三井化学社
製、商品名:アベル6013T)を用いた。この重合
を、240KGyの放射線照射により架橋した後の26
0℃における貯蔵弾性率は、2×10 6
Paであった。なお、貯蔵弾性率の測定には動
粘弾性測定器(アイティー計測制御社製DVA-20
0)を用い、10℃/minの昇温速度にて測定した。
下の貯蔵弾性率の測定についても同様であ
。
式中、R 1 及びR 2 は、水素原子又は炭化水素基を表し、R 3 は、水素原子、炭化水素基、又は、ハロゲン 、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シア ノ基、アミド基、イミド基もしくはシリル基 等の極性基が置換された炭化水素基を表す。 固体潤滑剤としては、PTFEパウダー(ダイキン 製、商品名:ルブロンL-5)を用いた。前記の 材料を下記表1に示す配合割合で、混合した のを軸受用成形材料として用いた。
又、実施例4では、環状オレフィンの重合 体(アベル6013T)を65質量%含有し、さらにPTFE5質 量%及びガラスフィラーの30質量%からなる日 電気硝子社製ECS03T-289を、軸受用成形材料と て用いた。
又、比較例1では、ポリフェニレンスルフ ィド(PPS)を65質量%含有し、さらにPTFE5質量%及 ガラスフィラーの30質量%からなる摺動グレ ドのアモルボンWL-30(商品名、大日本インク 製)を、軸受用成形材料として用いた。
[試験プレートの作製及び測定]
前記の軸受用成形材料を2軸混合機で混合、
加熱し、電動射出成形機ES-18(住友重機社製)
より射出成形して、厚さ2mmのプレートを作
し、さらに、表1に示す照射量で電子線を照
して、試験プレートを得た。
得られた試験プレートを、空気、水、LLC( アミンフリーのクーラント、商品名:オート ンクーラント95、オートバックスセブン社製 、の50%水溶液)の雰囲気中に置き、23℃で、径 8mmのSUS304製の円柱の端面と接触させ、1.67MPa 荷重を加え、1500rpmで円柱を10分間回転させ 、回転の動力が安定した領域で、動摩擦係 を測定した。また、下記の測定方法で短期 熱性、及び長期耐熱性・耐薬品性、260℃に ける貯蔵弾性率を測定した。これらの結果 表1に示す。
[短期耐熱性の測定方法]
動摩擦係数の測定用試験プレートと同じ配
割合の材料を用い、2軸混合機で混合、加熱
し、電動射出成形機ES-18(住友重機社製)によ
射出成形して、外径11.5mm、内径9.6mm、長さ20m
mの軸受を作製し、さらに、表1に示す照射量
電子線を照射した。このようにして得られ
軸受を300℃の恒温槽で10分間加熱し、溶融
有無を観察し、溶融したものを×、溶融しな
いが変形したものを△、変形もしないものを
○とした。
[長期耐熱性・耐薬品性の測定方法]
短期耐熱性の測定に用いたものと同じ方法
得られた軸受を、100℃のLLC中に1000時間浸漬
し、クラックの有無を観察し、クラックのな
いものを○とした。
表1の結果より、環状オレフィンの重合体 を放射線架橋した架橋物よりなる実施例1~4の 成形体(軸受)は、ポリフェニレンスルフィド らなる比較例1の成形体より、摩擦係数が低 く、高い摺動性を有することを示している。 また、実施例1~4の成形体は、長期耐熱性、耐 薬品性、短期耐熱性にも優れ、特にガラスフ ィラーを配合した実施例4の軸受の短期耐熱 は優れている。
実施例5~10
[軸受用成形材料の製造]
下記の重合体、固体潤滑剤、強化材、及び
種添加物を表2に示すように配合し、軸受用
成形材料を製造した。
(重合体)
シンジオタクチックポリスチレン(出光興産
社製、商品名:ザレック104、260℃における貯
弾性率:1×10 6
Pa)
ガラスファイバーを30質量%含むシンジオタ
チックポリスチレン(出光興産社製、商品名
:ザレック131、260℃における貯蔵弾性率:5×10 7
Pa)
環状オレフィンの重合体(三井化学社製、商
品名:アペル6015T、260℃における貯蔵弾性率:
融)
表2中では、これらを商品名で示す。
(固体潤滑剤)
PTFEパウダー(ダイキン社製、商品名:ルブロ
L-5)
(強化材)
炭素繊維(東レ社製、商品名:トレカカット
ァイバーTV14-006)
ガラスファイバー(日本電気硝子社製、商品
名:ECS287)
(各種添加物)
架橋助剤: DAMGIC(四国化成社製)
酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名:イ
ガノックス1010)
2硫化モリブデン(住鉱潤滑剤社製、商品名:
リパウダーPC)
架橋禁止剤(日本精化社製、商品名:ノンフ
ックスアルバ)
[試験プレートの作製及び測定]
前記の軸受用成形材料を2軸混合機で混合、
加熱し、電動射出成形機ES-18(住友重機社製)
より射出成形して、厚さ2mmのプレートを作
し、さらに、表2に示す照射量で電子線を照
して、試験プレートを得た。
得られた試験プレートを、LLC(アミンフリ ーのクーラント、商品名:オートインクーラ ト95、オートバックスセブン社製、の50%水溶 液)の雰囲気中に置き、実施例1と同様にして 動摩擦係数を測定し、又、実施例1と同様に して短期耐熱性、及び長期耐熱性・耐薬品性 、動的粘弾性を測定した。これらの結果を表 2に示す。
表2の結果より、シンジオタクチックポリ スチレンや環状オレフィンの重合体を放射線 架橋した架橋物とPTFEを含有なる実施例5~10の 形体(軸受)は、LLC中の摩擦係数が低く、高 摺動性を有することを示している。また、 の成形体は、長期耐熱性、耐薬品性、短期 熱性にも優れている。
シンジオタクチックポリスチレンを用い 実施例5、6と環状オレフィンの重合体を用 た実施例9、10の比較から、シンジオタクチ クポリスチレンを用いた場合は、架橋助剤 添加がなくても優れた長期耐熱性・耐薬品 が得られることが示されている。さらに、 ンジオタクチックポリスチレンを用い架橋 剤を添加した実施例7では、優れた長期耐熱 、耐薬品性とともに優れた短期耐熱性が得 れている。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明
たが、本発明の精神と範囲を離れることな
様々な変更および修正が可能であることは
当業者にとって明らかである。
なお、本出願は、2006年8月28日付けで出願さ
れた日本特許出願(特願2006-231060)および2007年2
月28日付けで出願された日本特許出願(特願200
7-048813)に基づいており、その全体が引用によ
り援用される。また、ここに引用されるすべ
ての参照は全体として取り込まれる。
Next Patent: OPTICAL HEAD AND OPTICAL DISC DEVICE
