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Title:
MOLDING MATERIAL FLOW SPEED MEASURING METHOD AND FLOW SPEED MEASURING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057752
Kind Code:
A1
Abstract:
An optical fiber sensor (2) for projecting a light beam toward the flow front (F) of a molding material (M) passing inside a cavity (3) is installed on the cavity wall surface (4) of a mold (1). A calculating unit calculates the elapsed time representing the difference between a first detection time at which the sensor output of the optical fiber sensor (2) lowers and a second detection time at which the sensor output becomes stable on the basis of the sensor output and calculates the passing speed of the flow front (F) of the molding material (M) by using the elapsed time and a function defining the fiber diameter of the optical fiber sensor (2) and a function defining the shape of the flow front of the molding material (M). According to the invention, a molding material flow speed measuring method and device for measuring the flow speed of the molding material in a mold by means of a single small sensor, without needing to assemble two or more sensors and to use a special mold into which glass is incorporated such as a visualization mold is provided.

Inventors:
YOKOI HIDETOSHI (JP)
MASUDA NORIMICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069886
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FOUND PROMOTION IND SCIENCE (JP)
YOKOI HIDETOSHI (JP)
MASUDA NORIMICHI (JP)
International Classes:
B29C45/76; B29C45/37; G01P5/18
Foreign References:
JPH08164526A1996-06-25
JP2000102959A2000-04-11
JP2002160263A2002-06-04
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-ku, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 金型内の成形用材料の流動速度を計測するための流動速度計測方法であって、
 金型内のキャビティ壁面に設置されかつキャビティ内を通過する成形用材料のフローフロントに向けて光を投射する単一の光ファイバセンサのセンサ出力に基づき、そのセンサ出力が低下する第1の検出時間と、そのセンサ出力が安定する第2の検出時間との差を示す経過時間を計算し、この経過時間と、前記光ファイバセンサのファイバ径及び成形用材料のフローフロントの形状を示す関数とから、前記成形用材料のフローフロント通過速度を演算することを特徴とする成形用材料の流動速度計測方法。
 前記演算した成形用材料のフローフロント通過速度を、前記成形条件に応じて予め定めた補正データに基づき補正することを特徴とする請求項1記載の成形用材料の流動速度計測方法。
 前記光ファイバセンサからのセンサ出力に基づき演算された成形用材料のフローフロント通過速度が、予め定めた速度範囲を外れた場合に、成形不良と判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用材料の流動速度計測方法。
 金型内の成形用材料の流動速度を計測するための流動速度計測装置であって、
 金型内のキャビティ壁面に設置されて、キャビティ内を通過する成形用材料のフローフロントに向けて光を投射する単一の前記光ファイバセンサと、
 この前記光ファイバセンサのセンサ出力に基づき、そのセンサ出力が低下する第1の検出時間と、そのセンサ出力が安定する第2の検出時間との差を示す経過時間を計算し、この経過時間と、前記光ファイバセンサのファイバ径及び成形用材料のフローフロントの形状を示す関数とから、前記成形用材料のフローフロント通過速度を演算する演算装置と、を具備することを特徴とする流動速度計測装置。
 前記演算装置には、前記演算した成形用材料のフローフロント通過速度を、成形条件に応じて補正する補正データが予め記憶された記憶装置が設けられ、
 前記演算装置は、この記憶装置の補正データに基づき、前記演算した成形用材料のフローフロント通過速度を適正値に補正することを特徴とする請求項4記載の成形用材料の流動速度計測装置。
 前記演算装置で演算した成形用材料のフローフロント通過速度が異常値を示しているか判定する判定装置を設けてなり、
 この判定装置では、前記演算装置で演算された成形用材料のフローフロント通過速度が、予め定めた速度範囲を外れた場合に、成形不良と判定することを特徴とする請求項4又5のいずれかに記載の成形用材料の流動速度計測装置。
 単一の前記光ファイバセンサは、金型部品内に直接装填され、前記キャビティ壁面に露出する前記金型部品の端面に、単一の前記光ファイバセンサの端面が露出しているセンサユニットとされ、このセンサユニットが前記金型内に装填されていることを特徴とする請求項4に記載の成形用材料の流動速度計測装置。
Description:
成形用材料の流動速度計測方法 び流動速度測定装置

 本発明は、射出成形、圧縮成形、トランス ァー成形等に使用される金型内において、 形用材料の流動速度を計測するための方法 びそのシステムに関する。
 本願は、2007年10月31日に日本国に出願され 特願2007-283853号に基づき優先権を主張し、そ の内容をここに援用する。

 従来、金型内において、成形用材料の流 速度を計測するための技術として、特開2000 -102959号公報(特許文献1)、特開平11-165318号公 (特許文献2)、特開2002-160263号公報(特許文献3) 、特開平9-19954号公報(特許文献4)が知られて る。

 特許文献1に示される成形型用材料流動セ ンサは、溶融した材料が射出されるキャビテ ィに、歪ゲージからなる3個の検知装置が設 られたものであって、これら各検知装置に 検知された材料の通過の時間差から、材料 流れ方向、速度、圧力等の流動状態を演算 る。また、特許文献2に示される流動特性評 装置は、金型に設けられた複数の測定子に 流動体の通過時間を検知し、その通過時間 基にして、流動体の移動速度を演算する。 お、測定子としては、光電センサ、近接ス ッチ、圧力センサ、歪ゲージ、熱電対、赤 線センサなどが用いられる。

 特許文献3に示される流動速度ベクトルセン サは、金型キャビティ内に、保持部材を介し て少なくとも2個以上の熱電対からなるセン を取り付け、このセンサにて検出される樹 の通過時間と、これらセンサ間の距離との 係から、樹脂の流動速度を求めるものであ 。また、特許文献4に示される樹脂速度測定 置は、型内の樹脂流路に沿って間隔をおい 複数個の光ファイバセンサを配置し、これ 各センサによって検出された溶融樹脂の先 通過時間から、前記溶融樹脂の速度を演算 るものである。

特開2000-102959号公報

特開平11-165318号公報

特開2002-160263号公報

特開平9-19954号公報 金藤、横井、成形加工シンポジア’04,49( 2004)

 金型内流動材料のフローフロント速度計 には、(1)上記特許文献に示されるように、 型内の2箇所以上に温度センサ、圧カセンサ 、光ファイバセンサ等のフローフロントの通 過を検知するセンサを埋め込み、その間の時 間差により計測を行う方式の他、(2)可視化金 型によりフローフロント挙動を直接可視化し て計測する方式などもある。しかしながら、 このような技術において、(1)では、2点間の 均速度が計測できるものの、複数のセンサ 近接して埋め込むことが必要であり、これ センサ間の距離を正確に定める必要があり また、検出誤差も大きく正確な速度測定を ることができないという問題があった。ま 、(2)では可視化金型という特殊な金型が必 で、一般の金型内での速度を計測すること できないという問題があった。

 本発明は、従来の有していた問題を解決 ようとするものであって、2点以上のセンサ 組み込みを必要とせず、可視化金型のような ガラス等を組み込んだ特殊な金型を必要とせ ずに、小型の単一のセンサで容易に、金型内 における成形用材料の流動速度を計測するこ とが可能な成形用材料の流動速度計測方法及 び流動速度計測装置の提供を目的とする。

 そして、上記目的を達成するために本発 の第一の態様は、金型内の成形用材料の流 速度を計測するための流動速度計測方法で って、金型内のキャビティ壁面に設置され つキャビティ内を通過する成形用材料のフ ーフロントに向けて光を投射する単一の光 ァイバセンサのセンサ出力に基づき、その ンサ出力が低下する第1の検出時間と、その センサ出力が安定する第2の検出時間との差 示す経過時間を計算し、この経過時間と、 ファイバセンサのファイバ径及び成形用材 のフローフロントの形状を示す関数とから 前記成形用材料のフローフロント通過速度 演算することを特徴とする。

 また、本発明の第二の態様は、前記演算 た成形用材料のフローフロント通過速度を 前記成形条件に応じて予め定めた補正デー に基づき適正値に補正することを特徴とす 。

 また、本発明の第三の態様は、前記光フ イバセンサからのセンサ出力に基づき演算 れた成形用材料のフローフロント通過速度 、予め定めた速度範囲を外れた場合に、成 不良と判定することを特徴とする。

 また、本発明の第四の態様は、金型内の 形用材料の流動速度を計測するための流動 度計測装置であって、金型内のキャビティ 面に設置されて、キャビティ内を通過する 形用材料のフローフロントに向けて光を投 する単一の光ファイバセンサと、この光フ イバセンサのセンサ出力に基づき、そのセ サ出力が低下する第1の検出時間と、そのセ ンサ出力が安定する第2の検出時間との差を す経過時間を計算し、この経過時間と、光 ァイバセンサのファイバ径及び成形用材料 フローフロントの形状を示す関数とから、 記成形用材料のフローフロント通過速度を 算する演算装置と、を備えることを特徴と る。

 また、本発明の第五の態様は、前記演算 段には、前記演算した成形用材料のフロー ロント通過速度を、成形条件に応じて補正 る補正データが予め記憶された記憶装置が けられ、前記演算装置は、この記憶装置の 正データに基づき、前記演算した成形用材 のフローフロント通過速度を適正値に補正 ることを特徴とする。

 また、本発明の第六の態様は、前記演算 置で演算した成形用材料のフローフロント 過速度が異常値を示しているか判定する判 装置を設けてなり、この判定装置では、前 演算装置で演算された成形用材料のフロー ロント通過速度が、予め定めた速度範囲を れた場合に、成形不良と判定することを特 とする。

 また、本発明の第七の態様は、単一の前 光ファイバセンサを、エジェクターピン、 ャンク付きインサートピン、インサートブ ック等の金型部品内に、前記キャビティ壁 に露出する前記金型部品の端面に単一の前 光ファイバセンサの端面が露出するように 接装填してセンサユニットを製作し、この ンサユニットを前記金型内に装填すること 特徴とする。

 本発明に示される成形用材料の流動速度 測方法では、金型内のキャビティ壁面に設 されかつキャビティ内を通過する成形用材 のフローフロントに向けて光を投射する単 の光ファイバセンサのセンサ出力に基づき そのセンサ出力が低下する第1の検出時間と 、そのセンサ出力が安定する第2の検出時間 の差を示す経過時間を計算し、この経過時 と、光ファイバセンサのファイバ径及び成 用材料のフローフロントの形状を示す関数 から、前記成形用材料のフローフロント通 速度を演算する。そして、このような演算 よって、従来のように2点以上のセンサ組み みを必要とせず、また可視化金型のような ラス等を組み込んだ特殊な金型を必要とせ に、単一の光ファイバセンサのセンサ出力 基づき金型内における成形用材料の流動速 を算出することが可能となって、センサ部 を小型化することが可能となる。

 本発明に示される成形用材料の流動速度 測方法では、前記演算した成形用材料のフ ーフロント通過速度を、成形条件に応じて め定めた補正データに基づき適正値に補正 るようにしたので、前記成形用材料のフロ フロント通過速度を、誤差を最小限に抑え 高い精度で求めることができる。

 本発明に示される成形用材料の流動速度 測方法では、光ファイバセンサからのセン 出力に基づき演算された成形用材料のフロ フロント通過速度が、予め定めた速度範囲 外れた場合に、成形不良と判定するように たので、成形用材料のフローフロント通過 度の低下を検知することでショート、通過 度の上昇を検知することでバリといったト ブルを速やかに検出することができる。

 本発明に示される成形用材料の流動速度 測装置では、キャビティ内を通過する成形 材料のフローフロントに向けて光を投射す 単一の光ファイバセンサを、金型内のキャ ティ壁面に設置し、演算装置において、前 光ファイバセンサのセンサ出力に基づき、 のセンサ出力が低下する第1の検出時間と、 そのセンサ出力が安定する第2の検出時間と 差を示す経過時間を計算し、この経過時間 、光ファイバセンサのファイバ径及び成形 材料のフローフロントの形状を示す関数と ら、前記成形用材料のフローフロント通過 度を演算する。そして、このような演算装 での演算によって、従来のように2点以上の ンサ組み込みを必要とせず、また可視化金 のようなガラス等を組み込んだ特殊な金型 必要とせずに、単一の光ファイバセンサの ンサ出力に基づき金型内における成形用材 の流動速度を算出することが可能となって センサ部分を小型化することが可能となる

 本発明に示される成形用材料の流動速度 測装置では、演算装置に、演算した成形用 料のフローフロント通過速度を、成形条件 応じて補正する補正データが記憶された記 装置をさらに設け、前記演算装置では、こ 記憶装置の補正データに基づき、前記演算 た成形用材料のフローフロント通過速度を 正値に補正するようにしたので、前記成形 材料のフローフロント通過速度を、誤差を 小限に抑えて高い精度で求めることができ 。

 本発明に示される成形用材料の流動速度 測装置では、演算装置にて、金型のキャビ ィ壁面に設けた光ファイバセンサから出力 れたセンサ出力に基づき成形用材料のフロ フロント通過速度を演算した後、判定手段 て、演算装置で演算された成形用材料のフ ーフロント通過速度が、予め定めた速度範 を外れた場合に、成形不良と判定するよう した。これによって成形用材料のフローフ ント通過速度が低下することを検知するこ でショート、通過速度の上昇を検知するこ でバリといったトラブルを速やかに検出す ことができる。

フローフロントFが光ファイバセンサ2 センサ端面2Aに到達した状態を示すモデル である。 フローフロントFが光ファイバセンサ2 センサ端面2Aを覆った状態を示すモデル図 ある。 光ファイバセンサ2のセンサ出力を示す 図である。 図2のセンサ出力を微分した図である。 光ファイバセンサ2のセンサ出力からフ ローフロントFの速度を計算するためのステ プを示すフローチャートである。 光ファイバセンサ2をキャビティ壁面4 2つ取り付けた図である。 流動速度計測装置100を示す図である。 実測に用いたキャビティ3と、光ファイ バセンサ2の寸法を示す図である。 2点間計測による平均フローフロント 度を表すグラフで、着色されたPPを用いた流 動速度の測定結果である。 2点間計測による平均フローフロント 度を表すグラフで、無着色のPPを用いた流動 速度の測定結果である。 CB(カーボンブラック)の含有の有無に るPPへの着色の有無と、キャビティの厚さ2mm 又は4mmの場合を組合せて、平均フローフロン ト速度に対するフローフロント速度を計測し た結果である。 図7に示す測定装置を用いて、GFPP(ガラ 繊維強化PP)について、異なるガラス繊維(GF) 充填率の条件下での、射出率に対するフロー フロント速度計測結果である。 エジェクターピン型センサユニットを 示す図である。

符号の説明

 1 金型 
 2 光ファイバセンサ 
 2A センサ端面 
 3 キャビティ 
 4 キャビティ壁面 
 10 センサ部 
 11 演算処理ユニット 
 12 演算装置 
 13 判定装置 
 14 記憶装置 
 15 エジェクターピン
 100 流動速度計測装置 
 M 成形用材料 
 F フローフロント 
 S センサ出力

 以下に、図1~図8を参照して、本発明の成 用材料の流動速度計測方法及びこの方法が 用された流動速度測定装置について説明す 。

 まず、図1A及び図1Bは、本発明の実施形態 に用いられる金型1と、この金型1に設置され 直径Dの光ファイバセンサ2との取付け状態 モデル的に示す図である。金型1は、射出成 、圧縮成形、トランスファー成形等に使用 れるものであって、この金型1内には、上下 方向に一定の間隔を有するようにキャビティ 3が形成され、このキャビティ3内にて成形用 料Mが矢印aで示す方向に流動される。なお このキャビティ3は、紙面と直交する方向に して幅を有する板状に形成されている。

 光ファイバセンサ2は、下側のキャビティ 壁面4に配置されており、キャビティ3の中心 3Aに対して直交するように、下方から上方 向けてキャビティ3内にセンサ光が照射され 。そして、キャビティ3に向けて下方から投 射されたセンサ光は、成形用材料Mが無い状 では、対向する上側のキャビティ壁面4で反 した後、再び光ファイバセンサ2のセンサ端 面2Aへと戻ってくる。そして、光ファイバセ サ2は、その反射光量を受光、計測してこれ を検出信号として出力する。ここで、図1Aに すように、成形用材料MのフローフロントF 光ファイバセンサ2のセンサ端面2Aに近づく 、フローフロントFが光ファイバセンサ2から の投射光を遮り、その遮り方(フローフロン Fと光ファイバセンサ2との位置関係)によっ 、センサ出力(図2を参照)が変動する。

 図1Aは、成形用材料MのフローフロントFの 先端が、光ファイバセンサ2の左端の延長線 に到達した状態を示す図であり、この状態 達した時間を「t=t1」と仮定している。また 図1Bは、さらにフローフロントFが矢印a方向 に前進してセンサ端面2Aに成形用材料のフロ ト樹脂が完全に接して覆い尽くした状態を す図であり、この状態に達した時間を「t=t2 」と仮定している。まず、図1Aに示すように フローフロントFの先端部がセンサ端面2Aに 達する以前は、光ファイバセンサ2から投射 される光は、対向する上側のキャビティ壁面 4で反射した後、光ファイバセンサ2のセンサ 面2Aに戻って来る。ここで図1Aに光ファイバ センサ2から投射される光の開口角αが0の場 (図1Aの開口角α=0°の場合)、光ファイバセン 2の投射光はキャビティ3の厚さ方向(矢印bで 示す)に直進して、上側のキャビティ壁面4で 射した後、その反射光が、そのまま同じ経 を辿ってセンサ端面2Aに入射する。一方、 ファイバセンサ2の特性により先の開口角α 0で無く、一定の角度を有している場合があ 、このときには、点線で示すように光ファ バセンサ2の投射光は一定の広がりを持って 、キャビティ3内を進むために、対向する上 のキャビティ壁面4で反射した反射光が、光 ァイバセンサ2のセンサ端面2Aに戻る比率が 少する。ここでフローフロントFの先端部が 、光ファイバセンサ2のセンサ端面2Aの左端に 到達した場合(図1Aに示す場合)、開口角が0の ファイバセンサ2では、その投射光がフロー フロントFの先端部に反射して、前記フロー ロントFを正確に捉えることができるが、開 角が一定の角度を有する光ファイバセンサ2 では、その投射光が、フローフロントFの先 部ではない曲面部(図1Aに符号Fwで示す)で反 して、その反射光がセンサ端面2Aとは異なる 方向に向けて進み、その結果、反射光が、光 ファイバセンサ2のセンサ端面2Aに戻る比率が 低下する。このため、固有の開口角αを有す 光ファイバセンサ2の特性に応じて、センサ 出力又はセンサ出力に基づき演算される演算 値に補正係数を乗じて補正する必要がある( 述する)。

 そして、このような光ファイバセンサ2の 出力電圧の変化を示したのが図2である。図2 、センサ端面2Aの領域をフローフロントFの 過にともなって計測されたセンサ出力変化 事例である。成形用材料Mが光ファイバセン サ2を通過する前においては、ほぼ一定のセ サ出力があるが、その後、成形用材料Mの通 に伴ってセンサ出力が急激に変動を始め、 きな2つの上下のピークを示す変動を経た後 に、再びほぼ一定値となるように回帰する出 力変化が認められる。これは、最初の変動開 始時間「t1」と、その後の一様に回帰する変 終了時間「t2」とが、成形用材料Mが光ファ バセンサ2のセンサ端面2Aを通過することと 係している。

 すなわち、図2に示すように、フローフロン トFの先端部がセンサ端面2Aの左端に到達した 場合(図1Aで示す状態)、その到達時間t1からセ ンサ出力が低下し始める。光ファイバセンサ 2のセンサ出力は、図2にt1とt2の間に示すよう に、光ファイバセンサ2の出力特性(ターゲッ となる成形用材料Mとの距離によってピーク を示す出力特性)に起因して、下側と上側に2 のピークを形成する挙動を示す。その後、 形用材料Mが光ファイバセンサ2のセンサ端 2Aに接触して、このセンサ端面2Aを完全に覆 つくす時間t2以後は、センサ出力の変動は くなり、横ばいのセンサ出力を示す。また 成形材料の厚さによっては上述したピーク 形成せずに、単調にセンサ出力が低下した に、低下した値において光ファイバセンサ 出力が安定する場合もある。
したがって、本実施形態においては、フロー フロントFの先端部がセンサ端面2Aに達した際 、センサ出力が低下する時刻t1と、成形用材 Mが光ファイバセンサ2のセンサ端面2Aに接触 し、ファイバセンサの出力が安定する時刻t2 により、成形用材料Mの通過速度を算出する 。

 なお、図1のモデルでは、フローフロントF 速度に関係なく、フローフロントFの断面形 は半円形状となると仮定している。そして このような仮定の下で、上述したように光 ァイバセンサ2のセンサ出力が低下し始める 時間t1は、フロントフロントFの先端部がセン サ端面2Aに到達した時間に対応したときであ 、また、光ファイバセンサ2のセンサ出力変 動が安定する時間t2は、フローフロントFが光 ファイバセンサ2のセンサ端面2Aと全面接触す るときであると規定した場合に、フローフロ ントFの通過速度(v)は、フロント半径(r)、フ イバ径(D)、経過時間(δt=t1-t2)と、以下のよう な関係にあると定めることができる。
式(1) v=(D+r)/δt

 ここで、上述した演算式(式1)は、図1Aに されるように、センサ端面2Aからの投射光が 直進(α=0°)すると仮定して定められている。 かし、センサ端面2Aからの光は、実際には る開口角αを持って広がって投射される。こ のため、フローフロントFが光ファイバセン 2に接近する場合、光ファイバセンサ2の投射 光の開口角領域を遮り始めるフローフロント Fの位置は、直進(α=0°)すると仮定した場合よ りもやや上流側に移動する。その結果、開口 角αが大きくなるに従って、フロント半径を す「r」も大きくなり、計測されたt1、t2に づき、演算式(式1)で算出されるv値は、α=0° 場合よりやや大きく示されることになる。 のために、光ファイバセンサ2の開口角αに じた、補正が必要となる。

 また、前述したように、フローフロントFの 断面形状は、半円形を仮定しているが、実際 には射出速度によって微妙に変化することが 知られており、フローフロントFの先端形状 対応した補正も必要となる。一方、成形用 料Mが着色されているか否かによっても、先 演算式(式1)の計算結果は異なるものとなり 成形用材料の種類に応じた補正が必要とな 。すなわち、各種条件(光ファイバセンサ2 らの投射光の開口角α、フローフロントFの 面形状、成形用材料Mの着色、充填材の種類 含有率など)に応じて、先の演算式(式1)の計 算結果に、予め設定しておいた補正係数を乗 じるなどの補正を行うようにすると良い。
 また、上述の記載において、フローフロン の形状を半円形として演算を行うこととし いるが、楕円関数、あるいは2次曲線など関 数を用いて、フローフロントの形状を近似し た演算式(上記式1の演算式に対応した)を生成 して演算を行っても良い。

 そして、以上のような演算式(式1)を用い 、実際に成形用材料MのフローフロントFの 度を算出するための方法を、図4のフローチ ートを用いて具体的に説明する。

(1)光ファイバセンサ2のセンサ出力の取り みを開始した後(ステップ1)まず、金型1のキ ビティ3内に充填された成形用材料Mのフロ フロントFが、図1Aに示すように、光ファイ センサ2のセンサ端面2Aの左端に到達した場 には、ほぼ定常値であった光ファイバセン 2のセンサ出力(符号Sで示す)は、図2で示すよ うに急激に低下する。このとき、センサ出力 が急激に低下する変位点S1の時間を、第1の検 出時間「t1」として検出する。具体的には、 の変位点S1は、図3で示すように、センサ出 Sの傾きを示す微分値(f´(t))が、予め定めて いたしきい値N1(例えば、N1=-100)を下回った 否かを判定することで求めるようにする(ス ップ2)。すなわち、センサ出力Sの傾きを示 微分値(f´(t))が、予め定めておいたしきい N1(例えば、N1=-100)を下回らない場合に、成形 用材料MのフローフロントFが光ファイバセン 2のセンサ端面2Aの左端に未だ到達しないと 定し、また、予め定めておいたしきい値N1( えば、N1=-100)を下回った場合に、成形用材 MのフローフロントFが光ファイバセンサ2の ンサ端面2Aの左端に到達したと判定し、この ときの時間を、変位点S1を示す第1の検出時間 t1とするものである。

(2)その後、成形用材料MのフローフロントFが 光ファイバセンサ2のセンサ端面2Aを通過す に従って、光ファイバセンサ2のセンサ出力 Sは、下側と上側に2つのピークを形成する挙 が生じる。すなわち、センサ出力Sの大きな 変動は、成形用材料MのフローフロントFが、 ファイバセンサ2のセンサ端面2Aを通過して ることを意味するものであり、従って、こ 変動を検出することで、成形用材料Mのフロ ーフロントFが、光ファイバセンサ2のセンサ 面2Aを通過中であるか否かを検出する(ステ プ3)。
具体的な処理としては、ステップ2の後で図3 示すように、センサ出力Sの傾きを示す微分 値(f´(t))が、予め定めておいたしきい値N2(例 ば、N2=+80~-80)の範囲に一定時間あるか否か 監視し、しきい値N2の範囲内にない(つまり 分値の値が大きい)場合に、成形用材料Mのフ ローフロントFが、光ファイバセンサ2のセン 端面2Aを通過中と判断し、また、しきい値N2 の範囲内にある(つまり収束に向かっている) 合に、成形用材料MのフローフロントFが、 ファイバセンサ2のセンサ端面2Aを通過して 図1Bに示す状態になったと判定する。そして 、図1Bに達したセンサ出力Sが安定する時間を 、変位点S2を示す第2の検出時間t2とするもの ある。

(3)上記(1)及び(2)で求めた第1の検出時間(t1) 第2の検出時間(t2)から経過時間(δt=t1-t2)を計 算し、この経過時間(δt)と、予め計測して設 しておいたフロント半径(r)、ファイバ径(D) から、先の演算式(式1)により成形用材料Mの フローフロント通過速度(v)を計算する(ステ プ4)。

 以上のような成形用材料の流動速度計測 法によれば、金型1内のキャビティ壁面4に 置されかつキャビティ3内を通過する成形用 料MのフローフロントFに向けて光を投射す 単一の光ファイバセンサ2のセンサ出力Sに基 づき、そのセンサ出力Sが低下する第1の検出 間と、そのセンサ出力Sの変動がピークを越 えて安定する第2の検出時間との差を示す経 時間(δt)を計算し、この経過時間と、光ファ イバセンサ2のファイバ径(D)及び成形用材料M フローフロント半径(r)とから、演算式(式1) 基づき前記成形用材料MのフローフロントF 通過速度(v)を演算することができる(ステッ 2~ステップ4の処理)。そして、ここで演算さ れた通過速度(v)は、予め設定しておいた各種 条件(光ファイバセンサ2からの投射光の開口 α、フローフロントFの断面形状、成形用材 Mの着色、充填材の種類と含有率など)に応 て、予め設定しておいた補正係数を乗じる どの補正を行うようにする。

 また、上述した成形用材料の流動速度計 方法では、光ファイバセンサ2からのセンサ 出力に基づき演算された成形用材料のフロー フロント通過速度(v)が、予め定めた速度範囲 を外れた場合に、成形不良と判定するように し、これにより成形用材料のフローフロント 通過速度の低下を検知することでショート、 通過速度の上昇を検知することでバリといっ たトラブルを速やかに検出するようにしても 良い。その際、上述したような光ファイバセ ンサ2は、図5に示すように、金型1のキャビテ ィ壁面4の複数箇所(図5では2箇所)に一定の間 をおいて設けても良い。そして、金型1のキ ャビティ壁面4の複数箇所にそれぞれ設けた ファイバセンサ2からのセンサ出力Sに基づき 、各光ファイバセンサ2設置箇所における成 用材料MのフローフロントFの通過速度(v)をそ れぞれ演算し、演算された各光ファイバセン サ2の設置箇所でのフローフロントFの通過速 (v)が、予め定めた速度範囲を外れた場合に 成形不良と判定する。

 次に、上記の成形用材料の流動速度計測 法を適用した流動速度測定装置100について 明する。この流動速度測定装置100は、図6に 示すように、この金型1のキャビティ壁面4に 置されてキャビティ3に向けて光を照射する 直径Dの光ファイバセンサ2を有するセンサ部1 0と、センサ部10からの出力データを処理する 演算処理ユニット11とからなる。この演算処 ユニット11は、光ファイバセンサ2のセンサ 力Sを取り込み、前記センサ出力Sを基にし フローフロントFの通過速度(v)を演算する演 装置12と、演算装置12で算出したフローフロ ントFの通過速度(v)を基にして、金型1内に成 不良が発生しているか否かを判定する判定 段13とを主な構成要素としている。

 センサ部10は、図1A及び図1Bで示した構成 同一であって、金型1のキャビティ3内を流 する成形用材料MのフローフロントFに、光フ ァイバセンサ2から光を投射した後、その投 した光の反射光をセンサ端面2Aで受光するも のであって、前記センサ端面2Aでの光の受光 に応じた出力ボルトを、センサ出力Sとして 出力する。

 演算装置12は、図4で示す処理フローが予 設定され、この処理フローに基づき先に説 した演算処理を実行する。なお、この演算 理で使用されるフローフロントFの通過速度 (v)の演算式(式1)、光ファイバセンサ2のファ バ径(D)、成形用材料Mのフローフロント半径( r)といったデータは、符号14で示す記憶装置 予め記憶しておく。また、この演算装置12で は、記憶手段14に別途記憶した補正係数(光フ ァイバセンサ2からの投射光の開口角α、フロ ーフロントFの断面形状、成形用材料Mの着色 充填材の種類と含有率などの条件に応じて 種設定しておく)に応じて、先の流速演算式 (式1)で計算したフローフロントFの通過速度(v )を補正すると良い。

 判定装置13は、演算装置12で演算したフロ ーフロントFの通過速度(v)に基づき、成形不 が発生しているか否かを判定するものであ 。具体的には、フローフロントFの通過速度( v)が既定値より低下した場合にショートと判 し、通過速度(v)が既定値より上昇した場合 バリが発生すると判定し、この判定結果に づき成形時のトラブルを速やかに検出する とができる。なお、この既定値は先の記憶 置14に記憶しておくと良い。また、このよ な成形不良の判定は、図5に示すように、金 1のキャビティ壁面4の複数箇所に光ファイ センサ2を配置し、これら複数の光ファイバ ンサ2のセンサ出力Sに基づき、光ファイバ ンサ2の各設置箇所における成形用材料Mのフ ローフロントFの通過速度(v)をそれぞれ演算 、それぞれの通過速度(v)が適正か否かを判 しても良い。また、このような判定装置13を 設けることは必須ではなく、演算装置12で演 したフローフロントFの通過速度(v)をそのま ま出力しても良い。

 次に、本発明の流動速度測定装置100を実際 用いた計測例について図7を参照して説明す る。この図7は、計測に用いたキャビティ3の 状を具体的に示すものである(センサの長軸 方向から見た図)。キャビティ3は、幅30mm、長 さ85mm、厚さ2mm又は4mmの矩形状(2種類の厚さを 用意)で、キャビティ3の中心線3Aに沿って、 ート3Bから45mm、60mmの位置に直径0.5mmの光フ イバセンサ2が埋め込まれている(それぞれch1 、ch2と呼称する)。成形用材料Mの樹脂には、 着色ならびに黒色に着色したPP(プライムポ プロJ-3054HP、(株)プライムポリマー)を使用 た。成形では樹脂温度を220℃に、金型1温度 50℃とした。ここでは射出率を6段階(5、10、 20、40、60、80cm 3 /s)に変化させて、フローフロントFの通過時 ch1、ch2それぞれのフローフロントFの通過速 (v)を求め(演算装置12の演算結果による)、こ の通過速度(v)を、基準値(図8にV1で示す)と比 し、これら値がどれだけ相違しているかに り、流動速度測定装置100が計測した通過速 (v)の精度を検証した。

 この結果を、図8A及び図8Bに比較して示す。 図8Aは成形用材料Mとして着色したPPを使用し 場合の計測結果、図8Bは成形用材料Mとして 色していないPPを使用した場合の計測結果 、キャビティ3の厚さを2mmと4mmにして、光フ イバセンサ2のch1、ch2にてフローフロントF 通過速度(v)をそれぞれ計測した。何れの場 も、各プロットは以下を表す。●:ch1、キャ ティ3の厚さ4mm、□:ch2、キャビティ3の厚さ4 mm、△:ch1、キャビティ3の厚さ2mm、◇:ch2、キ ビティ3の厚さ2mm。そして、これらch1、ch2で 計測したフローフロントFの通過速度(v)を参 して分かるように、いずれの板厚、射出率 のch1、ch2の測定結果もほぼ一つの直線状(い れも点線で示す)に乗り、特に着色樹脂では 基準値V1に近似した測定結果を示している。 して、これらの測定結果(点線で示す)はい れも比例関係を示し、基準値V1に対して僅か な傾きの差しかないことから、これらch1、ch2 で計測したフローフロントFの通過速度(v)に 実験に基づき事前に求めた樹脂の特性に応 た補正係数を乗じることにより、フローフ ント速度を高精度に計測できることが可能 なる。尚、成形材料Mとして着色していないP Pを使用した場合の計測結果は、測定精度の 上により、後日、図8Cに示すような、PPへの 色が無い場合でも、基準値V1に近似した測 結果が得られている。図8Cは、CB(カーボンブ ラック)の含有の有無によるPPへの着色の有無 と、キャビティの厚さ2mm又は4mmの場合を組合 せて、フローフロント速度を計測した結果で ある。図8Cの縦軸(フローフロント速度)は、ch 2を用いた場合である。各プロットは以下を す。●:キャビティ3の厚さ4mm、CB含有、■:キ ャビティの厚さ2mm、CB含有、○:キャビティ3 厚さ4mm、CB含有無、□:キャビティ3の厚さ2mm CB含有無。
 更に、図7に示す測定装置を用いて、GFPP(ガ ス繊維強化PP)について、異なるガラス繊維( GF)充填率でのフローフロント速度計測を行っ た。縦軸(フローフロント速度)は、ch2を用い 場合である。各GF充填率(10重量%、20重量%、3 0重量%)でのフローフロント速度比較を図9に す。尚、各プロットは以下を示す。●:ガラ 繊維充填率10重量パーセント、□:ガラス繊 充填率20重量パーセント、▲:ガラス繊維充 率30重量パーセント。GFPPでは、図8Cに示す うな無充填材に比べて波形の再現性が低く された。また、図9からGF充填率が高くなる ど出力が低下する傾向が認められた。本手 は、フローフロント断面形状を半円形とし 仮定しているため、フローフロント形状が なると誤差が大きくなる。金藤、横井、成 加工シンポジア’04,49(2004)(非特許文献1)から GF高充填率材では、フローフロント先端部に 維の滞留層が形成すること、非対称な湧き し流れが生成することが明らかになってい 。これより、GFPPでは繊維充填率が高くなる ほどフローフロント先端領域の繊維滞留層に よってフローフロントが大きくせりだし、フ ローフロント長(図1Aに示す半円形状のフロー フロントFの半径に相当)が長くなると考えら る。この結果、t2に時間遅れが生じて速度 低く算出されたものと推察された。また、 対称な湧き出し流れに起因して再現性が低 したものと考えられた。しかしながら、い れのGF充填率でも射出率とフローフロント速 度は比例関係にあることが明らかであること から、各種条件下の実験値とセンサ出力から 算出された速度との比較データに基づき補正 処理をすることで、誤差要因が大きいGFPPで フローフロント速度のモニタが可能である とが示唆された。

 以上詳細に説明したように本実施形態に した成形用材料の流動速度計測装置100では キャビティ3内を通過する成形用材料Mのフ ーフロントFに向けて光を投射する単一の光 ァイバセンサ2を、金型1内のキャビティ壁 4に設置し、演算装置12において、前記光フ イバセンサ2のセンサ出力Sに基づき、そのセ ンサ出力Sが低下する第1の検出時間(t1)と、そ のセンサ出力Sの変動がピークを越えて安定 る第2の検出時間(t2)との差を示す経過時間(δ t)を計算し、この経過時間(δt)と、光ファイ センサ2のファイバ径(D)及び成形用材料Mのフ ローフロント半径(r)とから、演算式(式1)によ り前記成形用材料MのフローフロントFの通過 度(v)を演算する。そして、このような演算 置12での演算によって、従来のように2点以 のセンサ組み込みを必要とせず、また可視 金型のようなガラス等を組み込んだ特殊な 型を必要とせずに、単一の光ファイバセン 2のセンサ出力Sに基づき金型1内における成 用材料Mの流動速度を算出することが可能と なって、センサ部分を大幅に小型化すること が可能となる。

 また、上記成形用材料Mの流動速度計測装 置100では、演算装置12に、演算した成形用材 MのフローフロントFの通過速度(v)を、成形 件(材料着色、フローフロントの形状、セン 開口角α、充填材の種類と含有率などの条 )に応じて補正する補正データが記憶された 憶装置14をさらに設け、前記演算装置12では 、この記憶装置14の補正データに基づき、前 演算した成形用材料MのフローフロントFの 過速度(v)を適正値に補正するようにしたの 、先の通過速度(v)を、誤差を最小限に抑え 高い精度で求めることができる。

 また、上記成形用材料Mの流動速度計測装 置100では、演算装置12にて、金型1のキャビテ ィ壁面4に設けた光ファイバセンサ2から出力 れたセンサ出力に基づき成形用材料Mのフロ ーフロント通過速度(v)を演算した後、判定装 置13にて、演算装置12で演算した成形用材料M フローフロント通過速度(v)が、予め定めた 度範囲を外れた場合に、成形不良と判定す ようにした。これによって成形用材料Mのフ ローフロント通過速度(v)の低下を検知するこ とでショート、通過速度の上昇を検知するこ とでバリといったトラブルを速やかに検出す ることができる。

 尚、本流動速度計測装置100を金型1に装填す るに当たり、図10に示すエジェクターピン15 、その他シャンク付きインサートピン、イ サートブロックなどの金型部品内に(或いは 型部品形状と同一或いは類似形状とした部 内に)、前記キャビティ壁面に露出する前記 金型部品の端面に前記光ファイバセンサ2の 面2Aが露出するように、前記光ファイバセン サ2を直接装填してセンサユニットを製作し このセンサユニットを金型内へ装填しても い。
 このようにセンサをユニット化することで 前記金型キャビティやランナー等に直接前 光ファイバセンサを埋設するなどの加工を すことなく、前記センサユニットを挿入す ことで容易に本計測方法を測定対象とする 型に適用できる。

 本発明によれば、2点以上のセンサ組み込 みを必要とせず、可視化金型のようなガラス 等を組み込んだ特殊な金型を必要とせずに、 小型の単一のセンサで容易に、金型内におけ る成形用材料の流動速度を計測することが可 能な成形用材料の流動速度計測方法及び流動 速度計測装置の提供が可能である。