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Title:
MONOAZO METAL COMPLEX, AZO-TYPE PIGMENT DISPERSANT, AND PIGMENT COMPOSITION COMPRISING THE AZO-TYPE PIGMENT DISPERSANT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133241
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To microparticulate a yellow pigment having a structure derived from barbituric acid (e.g., C. I. Pigment Yellow 150) and increase the concentration of the pigment in a pigment composition comprising the pigment without increasing the viscosity of the composition after dispersion of the pigment, increasing the aggregation or precipitation in the composition, or increasing the viscosity of the composition over time; and to provide a stable pigment composition which can be used as a coloring agent for a color filter resist or a ink-jet ink. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] Disclosed is a monoazo metal complex represented by the formula (1). (1) wherein R1 represents a hydrogen atom, a C1-C4 alkyl group, a C1-C4 alkoxy group, a chlorine atom, a bromine atom or a nitro group; M represents a hydrogen atom, a sodium, a potassium, a magnesium, a calcium, a barium or an aluminum; Mn+ represents a n-valent cation; “Metal” represents Ni, Fe, Cu, Co or Al; m represents an integer of 1 or 2; and n represents an integer of 1, 2 or 3.

Inventors:
TAKAHASHI SHINJIROU (JP)
KUWAHARA AKIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057727
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON KAYAKU KK (JP)
TAKAHASHI SHINJIROU (JP)
KUWAHARA AKIO (JP)
International Classes:
C09B45/18; C09B45/14; C09B45/20; C09B45/22; C09B67/20; C09K23/12; C09K23/32; G02B5/20
Domestic Patent References:
WO2006106110A12006-10-12
Foreign References:
JPS6221881A1987-01-30
JP2005344055A2005-12-15
JPS63172772A1988-07-16
JPS504019B11975-02-13
JP3916787B22007-05-23
JPS55108466A1980-08-20
JP2000119544A2000-04-25
JP2005344055A2005-12-15
Other References:
AKHMEDLI M.K., EFENDIV D.A., RUVINOVA F.I.: "Complexing of indium and gallium with lumomagneson studied by a luminescent method", AZERBAIDZHANSKII KHIMICHESKII ZHURNAL, no. 3, 1972, pages 146 - 151, XP008135913
SEBE I. AND UNGUREANU D.: "Synthesis and uses of metallcomplex dispersion azo dyes", REVISTADE CHIMIE (BUCHAREST, ROMANIA), vol. 44, no. 2, 1993, pages 133 - 136, XP008119402
KAMILOVA P.M. ET AL.: "Relationship between acid-base properties of o,o'-dihydrixyazo compounds and the analytical properties of their vanadium complexes", ZHURNAL NEORGANICESKOI KHIMII, vol. 37, no. 7, 1992, pages 1578 - 1582, XP008119403
See also references of EP 2138544A4
Attorney, Agent or Firm:
KAWAGUCHI, Yoshio et al. (Jochi Kioizaka Bldg.7-1 Kioi-cho, Chiyoda-ku, Tokyo 94, JP)
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Claims:
下記式(1)
(式(1)中、R 1 は水素原子、C 1 ~C 4 のアルキル基、C 1 ~C 4 のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子およびニトロ基のいずれかを表す。Mは水素原子、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムおよびアルミニウムのいずれかを、M n+ はn価の陽イオンを表す。MetalはNi、Fe、Cu、CoおよびはAlのいずれかを表す。mは1又は2の整数を、nは1、2又は3の整数を表す。)で表されるモノアゾ金属錯体。
下記式(2)
(式(2)中、R 2 ~R 4 は互いに独立して水素原子、C 1 ~C 18 のアルキル基、アラルキル基、C 5 又はC 6 のシクロアルキル基、アリール基およびC 5 又はC 6 のシクロアルキル基が置換したC 1 ~C 18 のアルキル基のいずれかを表す。R 1 、Metalおよびmは請求項1に記載の式(1)におけるのと同じ意味を有する。)で表されるモノアゾ金属錯体。
請求項1又は2に記載のモノアゾ金属錯体を有効成分とするアゾ型顔料分散剤。
有機顔料と請求項3に記載のアゾ型顔料分散剤と樹脂型顔料分散剤を含有する顔料組成物。
樹脂型顔料分散剤がカチオン系分散剤である請求項4に記載の顔料組成物。
有機顔料に対するアゾ型顔料分散剤の添加量が0.1~50重量%である請求項4に記載の顔料組成物。
有機顔料がバルビツール酸に基づく構造を有する黄色系の顔料である請求項4に記載の顔料組成物。
有機顔料がC.I.ピグメントイエロー139番又は150番である請求項7に記載の顔料組成物。
下記式(3)
(式(3)中、R 5 はC 1 ~C 4 のアルキル基、C 1 ~C 2 のアルコキシ基、塩素原子および臭素原子のいずれかを表す。R 1 、M、M n+ 、Metalおよびmは請求項1に記載の式(1)におけるのと同じ意味を有する。)で表されるモノアゾ金属錯体。
下記式(4)
(式(4)中、R 5 はC 1 ~C 4 のアルキル基、C 1 ~C 2 のアルコキシ基、塩素原子および臭素原子のいずれかを表す。R 2 ~R 4 、R 1 、Metalおよびmは請求項2に記載の式(2)におけるのと同じ意味を有する。)で表されるモノアゾ金属錯体。
請求項9又は10に記載のモノアゾ金属錯体を有効成分とするアゾ型顔料分散剤。
有機顔料と請求項11に記載のアゾ型顔料分散剤と樹脂型顔料分散剤を含有する顔料組成物。
樹脂型顔料分散剤がカチオン系分散剤である請求項12に記載の顔料組成物。
有機顔料に対するアゾ型顔料分散剤の添加量が0.1~50重量%である請求項12に記載の顔料組成物。
有機顔料がバルビツール酸に基づく構造を有する黄色系の顔料である請求項12に記載の顔料組成物。
有機顔料がC.I.ピグメントイエロー139番又は150番である請求項15に記載の顔料組成物。
Description:
モノアゾ金属錯体、アゾ型顔料 散剤およびこれを含んだ顔料組成物

 本発明はモノアゾ金属錯体、アゾ型顔料 散剤、および液晶ディスプレイや撮像素子 どの製造に使用されるカラーフィルター用 ジストやインクジェット用インクに用いら る微細で流動性、透明性に優れる顔料組成 に関する。

 塗料や印刷インキ、近年ではカラーフィ ター用レジストやインクジェット用インク 着色剤として、顔料が利用されている。顔 は、耐熱性、耐候性、耐マイグレーション の諸特性で、染料と比較して堅牢性の面で れるが、一方で分散組成物化した際の分散 後の高粘度化、凝集、沈降、経時的な粘度 増加、異種顔料と混合した際の色分かれ等 潜在的な問題を有している。

 また最近では、液晶ディスプレイの高コ トラスト化や撮像素子の微細化、インクジ ットインクの高着色・高鮮明化等の要求に い、分散組成物中における顔料の微粒子化 よび高濃度化の要求が高まっているが、粒 径を微細化すればするほど、また顔料濃度 高くすればするほど、凝集を起こしやすく り、安定な分散組成物を得ることが困難と っている。

 こうした問題を解決する為に、顔料自体 改良検討(顔料の表面処理)や顔料に対して 好な吸着性を有する分散剤、界面活性剤の 発、および顔料分散剤等の提案がこれまで 行われてきた。カラーフィルターやインク ェット用インクに用いられる顔料としては フタロシアニン系顔料、ジケトピロロピロ ル系顔料、アンスラキノン系顔料、キナク ドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソイ ドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、 ゾ系顔料、染料レーキ顔料等が挙げられ、 にフタロシアニン系顔料、アンスラキノン 顔料、キナクリドン系顔料を中心に数々の 料分散剤が報告されてきた。例えば、顔料 スルホン化物あるいはその金属塩を顔料と 和する方法(特許文献1~3)、置換アミノメチル 誘導体を混和する方法(特許文献4)、フタルイ ミドメチル誘導体を混和する方法(特許文献5) 等が知られている。

 これらの方法は、特定骨格の顔料に対し は効果が認められるものの、スルホン基、 ミノメチル基、フタルイミドメチル基など 導入することが難しい骨格の顔料に対して 有用ではない。特にカラーフィルターやイ クジェットの分野で現在広く使用されてい C.I.ピグメントイエロー150番に対しては、こ れまで適当な顔料分散剤が存在しなかった為 、非常に難分散な顔料となっていた。特許文 献6、7ではC.I.ピグメントイエロー150番に対し て包接化合物、特にメラミン化合物を包接さ せることによって分散安定性を保持させてい るが、メラミン化合物を顔料と同量もしくは それ以上添加しないと効果が発揮されず、分 散組成物中における顔料の高濃度化の要求を 満たすものではない。

特公昭41-2466号公報

特開昭63-172772号公報

特公昭50-4019号公報

特公昭39-16787号公報

特開昭55-108466号公報

特開2000-119544号公報

特開2005-344055号公報

 本発明が解決しようとする課題は、C.I.ピ グメントイエロー150番に代表されるバルビツ ール酸に基づく構造を有する顔料を、分散直 後の高粘度化、凝集、沈降、経時的な粘度の 増加を伴うことなく、分散組成物中で微粒子 化・高濃度化することであり、カラーフィル ター用レジストやインクジェット用インクと して、安定な顔料組成物を提供するものであ る。

 本発明者は上記の課題を解決するために 意検討した結果、アミノフェノールスルホ 酸又はその誘導体とバルビツール酸からな アゾ化合物の金属錯体、およびその塩を用 ることにより、上記課題を解決し得ること 見出し本発明を完成させたものである。

 すなわち、本発明は
(1)下記式(1)

(式(1)中、R 1 は水素原子、C 1 ~C 4 のアルキル基、C 1 ~C 4 のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子および ニトロ基のいずれかを表す。Mは水素原子、 トリウム、カリウム、マグネシウム、カル ウム、バリウムおよびアルミニウムのいず かを、M n+ はn価の陽イオンを表す。Metalは、Ni、Fe、Cu、 CoおよびAlのいずれかを表す。mは1又は2の整 を、nは1、2又は3の整数を表す。)で表される モノアゾ金属錯体、
(2)下記式(2)

(式(2)中、R 2 ~R 4 は互いに独立して水素原子、C 1 ~C 18 のアルキル基、アラルキル基、C 5 又はC 6 のシクロアルキル基、アリール基およびC 5 又はC 6 のシクロアルキル基が置換したC 1 ~C 18 のアルキル基のいずれかを表す。R 1 、Metal及びmは前項(1)に記載の式(1)におけるの と同じ意味を有する。)で表されるモノアゾ 属錯体、
(3)前項(1)又は(2)に記載のモノアゾ金属錯体を 有効成分とするアゾ型顔料分散剤、
(4)有機顔料と前項(3)に記載のアゾ型顔料分散 剤と樹脂型顔料分散剤を含有する顔料組成物 、
(5)樹脂型顔料分散剤がカチオン系分散剤であ る前項(4)に記載の顔料組成物、
(6)有機顔料に対するアゾ型顔料分散剤の添加 量が0.1~50重量%である前項(4)に記載の顔料組 物、
(7)有機顔料がバルビツール酸に基づく構造を 有する黄色系の顔料である前項(4)に記載の顔 料組成物、
(8)有機顔料がC.I.ピグメントイエロー139番又 150番である前項(7)に記載の顔料組成物、
(9)下記式(3)

(式(3)中、R 5 はC 1 ~C 4 のアルキル基、C 1 ~C 2 のアルコキシ基、塩素原子および臭素原子の いずれかを表す。R 1 、M、M n+ 、Metalおよびmは前項(1)に記載の式(1)における のと同じ意味を有する。)で表されるモノア 金属錯体、
(10)下記式(4)

(式(4)中、R 5 はC 1 ~C 4 のアルキル基、C 1 ~C 2 のアルコキシ基、塩素原子および臭素原子の いずれかを表す。R 2 ~R 4 、R 1 、Metalおよびmは前項(2)に記載の式(2)における のと同じ意味を有する。)で表されるモノア 金属錯体、
(11)前項(9)又は(10)に記載のモノアゾ金属錯体 有効成分とするアゾ型顔料分散剤、
(12)有機顔料と前項(11)に記載のアゾ型顔料分 剤と樹脂型顔料分散剤を含有する顔料組成 、
(13)樹脂型顔料分散剤がカチオン系分散剤で る前項(12)に記載の顔料組成物、
(14)有機顔料に対するアゾ型顔料分散剤の添 量が0.1~50重量%である前項(12)に記載の顔料組 成物、
(15)有機顔料がバルビツール酸に基づく構造 有する黄色系の顔料である前項(12)に記載の 料組成物、
(16)有機顔料がC.I.ピグメントイエロー139番又 150番である前項(15)に記載の顔料組成物、
に関する。

 本発明の式(1)、(2)、(3)及び(4)で示される ノアゾ金属錯体は極めて容易に製造が可能 あり、同金属錯体をアゾ型顔料分散剤とし 使用することにより、C.I.ピグメントイエロ ー150番に代表されるバルビツール酸に基づく 構造を有する顔料を、分散直後の高粘度化、 凝集、沈降、経時的な粘度の増加を伴うこと なく、分散組成物中で微粒子化・高濃度化す ることが可能となり、カラーフィルター用レ ジストやインクジェット用インクの着色剤と して、安定な顔料組成物を得ることができる 。

 本発明のモノアゾ金属錯体の構造上の特 として、スルホン酸基を有するアゾ基含有 属錯体であるということが挙げられる。一 式(1)で表される本発明のモノアゾ金属錯体 、例えば次のようにして製造することがで る。すなわち、常法により、下記式(A)で示 れる芳香族アミンをジアゾ化した後に、下 式(B)で示されるカップラーと反応温度0~40℃ 、好ましくは10~30℃、及びpH3~10、好ましくは4 ~8でカップリング反応することにより中間体( C)が得られ、次いで中間体(C)を金属ハロゲン 物等を用いてレーキ化することにより下記 (1)で示される所望の化合物を得ることが出 る。

式(A)、(B)、(C)及び(1)中、R 1 は水素原子、C 1 ~C 4 のアルキル基、C 1 ~C 4 のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子および ニトロ基のいずれかを表す。Mは水素原子、 トリウム、カリウム、マグネシウム、カル ウム、バリウムおよびアルミニウムのいず かを、M n+ はn価の陽イオンを表す。MetalはNi、Fe、Cu、Co よびAlのいずれかを表す。mは1又は2の整数 、nは1、2又は3の整数を表す。

 さらに式(1)で示される化合物を種々のア ンを用いて造塩することにより、下記式(2) 示される所望の化合物を得ることが出来る

(式(2)中、R 2 ~R 4 は互いに独立して水素原子、C 1 ~C 18 のアルキル基、アラルキル基、C 5 又はC 6 のシクロアルキル基、アリール基およびC 5 又はC 6 のシクロアルキル基が置換したC 1 ~C 18 のアルキル基のいずれかを表す。R 1 、Metal及びmは式(1)と同じ意味を有する。)

 上記式(1)におけるC 1 ~C 4 のアルキル基としては、メチル基、エチル基 、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル 、iso-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基等 挙げられる。

 上記式(1)におけるC 1 ~C 4 のアルコキシ基としては、メトキシ基、エト キシ基、n -プロポキシ基、iso-プロポキシ基 n-ブトキシ基等が挙げられる。

 上記の、式(1)の化合物を造塩する際に用 られるアミンとしては、例えば、アンモニ 、ジメチルアミン、トリエチルアミン、2- チルへキシルアミン、ラウリルアミン、オ タデシルアミン、オレイルアミン、ベンジ アミン、ロジンアミン(18-アミノアビエタ-8,1 1,13-トリエン)等が挙げられる。

 上記式(2)におけるC 1 ~C 18 のアルキル基としては、例えば、メチル基、 エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n -ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブ ル基、ラウリル基、オクタデシル基、オレ ル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシ メチル基等が挙げられる。

 上記式(2)におけるアラルキル基としては 例えばベンジル基、フェニルエチル基等が げられる。

 上記式(2)におけるC 5 又はC 6 のシクロアルキル基としては、シクロペンチ ル基、シクロヘキシル基が挙げられる。

 上記式(2)におけるアリール基としては、 ェニル基、ナフチル基等が挙げられる。

 次に本発明の式(1)及び(2)で表されるモノ ゾ金属錯体の具体例を下記式(5)及び(6)に基 き表1及び2に示す。表1及び2においてスルホ ン酸基は遊離酸の形で表す。

 化合物例1(式(5)に基づく具体例)

 化合物例2(式(6)に基づく具体例)

 さらに、本発明の式(3)及び(4)で表される ノアゾ金属錯体の具体例を下記式(7)及び(8) 基づき表3及び4に示す。表3及び4においてス ルホン酸基は遊離酸の形で表す。

 化合物例3(式(7)に基づく具体例)

 化合物例4(式(8)に基づく具体例)

 本発明の顔料組成物は、例えば次のよう 方法で調整することができる。すなわち、 機顔料およびアゾ型顔料分散剤の配合の方 としては、従来公知の種々の方法、例えば それぞれの乾燥粉末やプレスケーキを単に 合する方法、ニーダー、ビーズミル、ディ ルバー、アトライター等の各種分散機によ 機械的に混合する方法、水又は有機溶剤中 有機顔料を懸濁させ、その中にアゾ型顔料 散剤を添加混合して有機顔料の表面に均一 沈着する方法などが挙げられる。次に、得 れた有機顔料およびアゾ型顔料分散剤の混 物に、樹脂型顔料分散剤と必要に応じて各 有機溶剤、樹脂ワニス、各種添加剤等を配 して、サンドミル、アニュラー型ビーズミ 、アトライター等で分散することにより、 望の顔料組成物を製造することができる。 いは簡便的には、有機顔料、本発明のアゾ 顔料分散剤及び樹脂型顔料分散剤と必要に じてその他の成分を、一括で混合及び分散 ても構わない。なお、アゾ型顔料分散剤の 加量は、有機顔料に対して0.1~50重量%、好ま しくは0.5~30重量%、より好ましくは1~20重量%で ある。アゾ型顔料分散剤の配合割合が少なす ぎると目的とする分散安定性および顔料の微 粒子化が達成されず、また配合割合を増やし すぎても分散安定性の低下が認められるため 、配合量の最適化が必要である。

 本発明の顔料組成物に用い得る有機顔料 してはカラーインデックスに記載されたも など従来公知のものであれば特に限定され いが、本発明のアゾ型顔料分散剤であるモ アゾ金属錯体自体が黄色系の色相を有する 、有機顔料本来の色相を損なわない意味で 黄色系の有機顔料を用いるのが好ましい。 た、本発明のモノアゾ金属錯体のバルビツ ル酸に基づく構造部位との親和性に優れる いう意味では、構造中にバルビツール酸に づく構造を有する顔料が好ましい。尚、本 中でいう「バルビツール酸に基づく構造を する顔料」とは、バルビツール酸によって 導される構造部位を構造中に有する顔料の 味を表す。従って、より好ましい有機顔料 しては、バルビツール酸に基づく構造を有 る黄色系の顔料であるC.I.ピグメントイエロ ー139番、150番及び185番等が挙げられる。

 「バルビツール酸に基づく構造を有する 料」の具体例として、下記式(9)にC.I.ピグメ ントイエロー139番の構造を、式(10)にC.I.ピグ ントイエロー150番の構造を、式(11)にC.I.ピ メントイエロー185番の構造をそれぞれ示す

 本発明の顔料組成物に用い得る樹脂型顔 分散剤としては、公知の樹脂型顔料分散剤 あれば特に限定されないが、本発明のアゾ 顔料分散剤のスルホン酸誘導体部位との親 性を考慮した場合、カチオン系の樹脂型分 剤を使用することがより好ましい。カチオ 系の樹脂型分散剤としては、例えばビッグ ミー社のBYK112、116、140、142、161、162、164、1 66、182、2000、2001、2050、2070、2150、エフカ社 EFKA4010、4015、4020、4050、4055、4060、4300、4330 4400、4406、ルーブリゾール社のソルスパース 24000、32500、味の素ファインテクノ社のアジ パーPB711、821、822などが挙げられる。樹脂型 顔料分散剤の添加量としては、顔料100重量部 に対して、5~100重量部であり、より好ましく 10~50重量部である。樹脂型顔料分散剤の添 量が5重量部よりも少ない場合は、良好な分 安定性を得ることができない。

 本発明の顔料組成物には必要により有機 剤を加えることができる。用い得る有機溶 は特に限定されないが、例えばプロピレン リコールモノメチルエーテルアセテート、 ロピレングリコールモノメチルエーテル、 ロピレングリコールモノエチルエーテル、 チルセロソルブアセテート、ブチルセロソ ブアセテート、エチルセロソルブ、シクロ キサノン、エチレングリコールジエチルエ テル、ジエチレングリコールジメチルエー ル、ジエチレングリコールジエチルエーテ 、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、 タノール、イソプロピルアルコールなどが げられる。これらは単独で或いは2種類以上 を組み合わせて用いても良く、顔料組成物中 において90重量%以下を占める量が用いられる 。

 本発明の顔料組成物には、必要により樹 ワニスを加えることが出来る。樹脂ワニス してはスチレン系(共)重合体、(メタ)アクリ ル酸エステル系(共)重合体、スチレン-マレイ ン酸エステル系共重合体、セルロースアセテ ート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレ タン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド 系樹脂などが挙げられる。これらは単独で或 いは2種類以上を組み合わせて用いても良く 顔料組成物中において50重量%以下を占める が用いられる。

 本発明の顔料組成物に必要により加える とができるその他の添加剤としては、例え チクソ付与剤、重合性を持つ樹脂及び重合 始剤や硬化剤、硬化促進剤、重合禁止剤、 機又は無機フィラー、カップリング剤等が げられるが、これらは顔料組成物の具体的 目的用途によって選択すれば良く上記に限 されない。またその添加量も、具体的な目 用途に合せて選択すれば良い。

 本発明の顔料組成物の用途は、特に限定 れず、例えばグラビア印刷インキなどの各 印刷インキ、塗料、電子写真用乾式トナー は湿式トナー、インクジェット記録用イン 、カラーフィルター用レジスト着色剤など 種々の用途に用いることができる。特に、 発明の顔料組成物は、顔料の微粒子化およ 高い安定性が要求されるカラーフィルター レジスト着色剤やインクジェット記録用イ キとして有用である。

 以下に本発明を実施例によって、より具 的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」 とあるのは、特別の記載のない限り重量基準 である。

実施例1 (表1の化合物番号1で示される物質の 合成)
 2-アミノフェノール-4-スルホン酸94.6部を500 の水に懸濁し、苛性ソーダを用いて、pH6~7 完全に溶解させ、さらに38.0部の亜硝酸ナト ウムを加え、完全に溶解させた。この溶解 を450部の14%塩酸水溶液中に5~10℃で30分間で 下し、同温度で2時間攪拌することにより、 ジアゾ化反応を行った。続いて、バルビツー ル酸64部を水2,400部に溶解した水溶液に前記 アゾ化反応液全量を10~15℃で30分間で滴下し 苛性ソーダを用いてpHを5~6に調整した。同 度およびpHで15時間反応を行った後にろ過に り固形分を取り出すことで式(12)で示される 化合物151部を得た。次に、式(12)で示される 合物151部を水2,500部に溶解して90℃まで昇温 た水溶液に、450部の水に溶解した塩化ニッ ル6水和物109.3部を30分間で滴下した。滴下 了後、塩酸を用いてpHを1~1.5とし、同条件を 持した状態で90℃で1時間攪拌し、レーキ化 行った。反応終了後、苛性ソーダを用いてp Hを6~7に調整し、ろ過を行い、得られたウエ トケーキを80℃の熱風乾燥機で乾燥させるこ とにより、式(13)で示される化合物164部を得 。

 式(12)で示される化合物の物性データ
  1H-NMR(D2O); 6.95(帰属c:s、1H) 7.43(帰属b:s、1H)  7.94(帰属a:s、1H)

実施例2 (表2の化合物番号23で示される物質 合成)
 実施例1で得られた化合物103.8部を水7,500部 に懸濁させた後、20~25℃で苛性ソーダを用い てpHを10に調整することでモノアゾ金属錯体 溶解させた。この水溶液に、18-アミノアビ タ-8,11,13-トリエン71.3部を3.3%酢酸水溶液450部 に溶解させた水溶液を20~25℃で30分間掛けて 下し、同温度で1時間攪拌した後にろ過を行 、得られたウエットケーキを80℃の熱風乾 機で乾燥させることにより、表2の化合物番 23で示される化合物166部を得た。

実施例3 (表1の化合物番号14で示される物質 合成)
 2-アミノフェノール-4-スルホン酸を2-アミノ フェノール-5-スルホン酸に変更したこと以外 は実施例1と同じ方法で合成を行い、表1の化 物番号14で示される化合物160部を得た。

実施例4 (表2の化合物番号24で示される物質 合成)
 実施例1で得られた化合物を実施例3で得ら た化合物に変更したこと以外は実施例2と同 方法で合成を行い、表2の化合物番号24で示 れる化合物165部を得た。

実施例5 (表3の化合物番号25で示される物質 合成)
 2-アミノフェノール-4-スルホン酸94.6部を500 の水に懸濁し、苛性ソーダを用いて、pH6~7 完全に溶解させ、さらに38.0部の亜硝酸ナト ウムを加え、完全に溶解させた。この溶解 を450部の14%塩酸水溶液中に5~10℃で30分間で 下し、同温度で2時間攪拌することにより、 ジアゾ化反応を行った。続いて、ジメチルバ ルビツール酸78.1部を水2,400部に溶解した水溶 液に前記ジアゾ化反応液全量を10~15℃で30分 で滴下し、苛性ソーダを用いてpHを5~6に調整 した。同温度およびpHで15時間反応を行った にろ過により固形分を取り出すことで式(14) 示される化合物167部を得た。次に、式(14)で 示される化合物151部を水2,500部に溶解して90 まで昇温した水溶液に、450部の水に溶解し 塩化ニッケル6水和物109.3部を30分間で滴下し た。滴下終了後、塩酸を用いてpHを1~1.5とし 同条件を保持した状態で90℃で1時間攪拌し レーキ化を行った。反応終了後、苛性ソー を用いてpHを6~7に調整し、ろ過を行い、得ら れたウエットケーキを80℃の熱風乾燥機で乾 させることにより、式(15)で示される化合物 180部を得た。

実施例6 (顔料組成物の調製)
 有機顔料としてC.I.ピグメントイエロー150番 (ランクセス株式会社製、イエローE4GN-GT)15部 アゾ顔料分散剤として実施例1で得られた化 合物0.8部、樹脂ワニスとしてアクリル樹脂( タクリル酸:ベンジルメタクリレート=75:25(モ ル比)の共重合体を固形分35%となるようにプ ピレングリコールモノメチルエーテルアセ ートで希釈したもの、分子量10,000)15部、樹 型顔料分散剤としてBYK2000(ビッグケミー社製 、カチオン系分散剤、固形分40%)11.3部、溶剤 してプロピレングリコールモノメチルエー ルアセテート33部、エトキシプロパノール8. 3部及びシクロヘキサノン16.6部の配合物を0.3m mのジルコニアビーズを用いてペイントシェ カーで1時間分散した。得られた分散液を5μm のフィルタでろ過することにより顔料組成物 を作製した。

実施例7 (顔料組成物の調製)
 実施例1で得られた化合物を実施例2で得ら た化合物に変更したこと以外は実施例6と同 方法により顔料組成物を作製した。

実施例8 (顔料組成物の調製)
 C.I.ピグメントイエロー150番(ランクセス株 会社製、イエローE4GN-GT)をC.I.ピグメントイ ロー139番(チバスペシャリティーケミカルズ 製、イエロー2R-CF)に変更したこと以外は実 例6と同じ方法により顔料組成物を作製した 。

比較例1 (顔料組成物の調製)
 実施例1で得られた化合物を用いないこと以 外は実施例6と同じ方法により顔料組成物を 製した。

比較例2 (顔料組成物の調製)
 実施例1で得られた化合物を用いないこと以 外は実施例8と同じ方法により顔料組成物を 製した。

 上記実施例6~8および比較例1~2の顔料組成 について、レーザー散乱式粒子径分布測定 置を用いて顔料組成物の平均粒子径を、ま B型粘度計を用い、室温(25℃)10rpmの条件で粘 度を測定した。尚、保存安定性を確認する意 味で、粘度については初期(作製直後)の他に5 0℃で3日間及び7日間放置後についても測定を 行った。その結果を表5に示す。

 顔料組成物の評価結果

 表5から明らかなように、実施例6~8の顔料 組成物は、比較例1~2の顔料組成物と比べて平 均粒径が小さく、より微分散化されているこ とがわかる。また初期粘度も比較例に比べて 低く抑えられており、実際に使用する際の作 業性を損なわないものである。更に保存安定 性についても、良好な結果を示した。

 具体的には、有機顔料にC.I.ピグメントイ エロー150番を使用した場合、実施例は比較例 に比べて初期粒径が5nm小さく、初期粘度は14% 以上低かった。また7日後の粘度上昇率につ ても、比較例は60%だったのに対して、実施 は9%以下であった。

 同様に、有機顔料にC.I.ピグメントイエロ ー139番を使用した場合、実施例は比較例に比 べて初期粒径が10nm小さく、初期粘度は6%以上 低かった。また7日後の粘度上昇率について 、比較例は6%以上だったのに対して、実施例 においては粘度上昇は起こらなかった。

実施例9 (顔料組成物の調製)
有機顔料としてC.I.ピグメントイエロー150番( ンクセス株式会社製、イエローE4GN-GT)20部、 アゾ顔料分散剤として実施例1で得られた化 物2部、樹脂型顔料分散剤としてPB822(味の素 ァインテクノ株式会社製、カチオン系分散 、固形分100%)14部、溶剤としてジエチレング リコールジエチルエーテル64部、消泡剤とし BYK065(ビッグケミー社製)0.3部の配合物を0.3mm のジルコニアビーズを用いてペイントシェー カーで1時間分散した。得られた分散液を5μm フィルタでろ過することにより顔料組成物 作製した。

比較例3 (顔料組成物の調製)
 実施例1で得られた化合物を用いないこと以 外は実施例9と同じ方法により顔料組成物を 製した。

比較例4 (顔料組成物の調製)
 実施例1で得られた化合物の代わりに、ソル スパース22000(日本ルーブリゾール株式会社製 、黄色顔料分散剤)を用いること以外は実施 9と同じ方法により顔料組成物を作製した。

 上記実施例9および比較例3~4の顔料組成物 について、B型粘度計を用い、室温(25℃)10rpm 条件で粘度を測定した。尚、保存安定性を 認する意味で、粘度については初期(作製直 )の他に50℃で2日間及び10日間放置後につい も測定を行った。また、分散液の微粒子化 態を確認するために、フィルタ試験(孔径0.4 5μm、直径25mmのメンブランフィルタで上記顔 組成物をろ過し、ろ過流量を測定する)を行 った。その結果を表6に示す。

 顔料組成物の評価結果

 表6から明らかなように、実施例9の顔料 成物は、比較例3~4の顔料組成物と比べて高 安定性に関して、良好な結果を示した。ま ろ過流量に関しても、良好な結果を示し、 施例1で得られた化合物を添加することによ 、分散液の微粒子化が進んでいることが示 された。

 具体的には、有機顔料にC.I.ピグメントイ エロー150番を使用した場合、実施例は比較例 に比べて50℃で10日後の粘度上昇率について 比較例は約3倍上昇およびゲル化したのに対 て、実施例は14%以下であった。またろ過流 についても、比較例は1mL程度、20mL程度だっ たのに対して、実施例は100mL以上通過した。

 以上の結果から、本発明のモノアゾ金属 体をアゾ顔料分散剤として使用することに り、これまで分散が困難だったC.I.ピグメン トイエロー150番に代表されるバルビツール酸 に基づく構造を有する黄色系の顔料を用いた 場合でも、分散直後の高粘度化、凝集、沈降 、経時的な粘度の増加を伴うことなく、良好 な顔料組成物が得られることは明らかである 。また、本発明のアゾ型顔料分散剤は顔料に 対して5%程度使用するだけで効果を発揮する とから、顔料分散組成物中における顔料の 濃度化の要求を満たしている。以上の点か 、本発明のアゾ型顔料分散剤を使用した顔 組成物は、カラーフィルター用レジストや ンクジェット用インクの着色剤として、非 に有用であることが明らかである。




 
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