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Patent Searching and Data


Title:
MONOCLONAL ANTIBODY RESPONSIVE TO MOUSE POLYMERIC IMMUNOGLOBULIN RECEPTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072588
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a monoclonal antibody responsive to mouse pIgR. Also disclosed is a hybridoma which can produce the antibody. Multiple hybridoma cell lines each capable of producing a monoclonal antibody responsive to mouse pIgR can be established by immunizing an animal with a vector carrying a nucleotide sequence encoding mouse pIgR.

Inventors:
ASANO MASATAKE (JP)
MORO ITARU (JP)
IIJIMA MEGUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072116
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
December 05, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV NIHON (JP)
ASANO MASATAKE (JP)
MORO ITARU (JP)
IIJIMA MEGUMI (JP)
International Classes:
C07K16/28; C12N5/10; C12N15/09; G01N33/53; G01N33/577; C12P21/08
Domestic Patent References:
WO2007066823A12007-06-14
Foreign References:
JP2003180349A2003-07-02
JP2005514333A2005-05-19
JP2005154331A2005-06-16
Attorney, Agent or Firm:
MOEGI PATENT OFFICE (Minato-ku, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 マウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgR)に反応するモノクローナル抗体。
 天然型マウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgR)に反応する請求項1に記載のモノクローナル抗体。
 反応部位がマウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgR)の細胞外領域である請求項1または2に記載のモノクローナル抗体。
 配列表配列番号1に記載のアミノ酸配列または配列番号2に記載の塩基配列にコードされるアミノ酸配列を含むポリヌクレオチドと反応する請求項1~3のいずれかに記載のモノクローナル抗体。
 マウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgR)をコードする塩基配列を含むベクターを動物に免疫して得られる請求項1~4のいずれかに記載のモノクローナル抗体。
 動物がマウスである請求項5に記載のモノクローナル抗体。
 マウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgR)をコードする塩基配列を含むベクターが、免疫増強シグナルをコードする塩基配列を含むベクターである請求項5または6に記載のモノクローナル抗体。
 マウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgR)をコードする塩基配列が、マウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgR)の細胞外領域の塩基配列である請求項5~7のいずれかに記載のモノクローナル抗体。
 マウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgR)をコードする塩基配列が配列番号2に記載の塩基配列である請求項5~8のいずれかに記載のモノクローナル抗体。
 請求項1~9のいずれかに記載の抗体を用いて試料(検出対象)に存在するマウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgR)を検出する方法。
 ウェスタンブロッティングまたはEnzyme-linked immunosolvent(ELISA)を用いる請求項10に記載のマウス多量体免疫グロブリンレセプター(pIgR)を検出する方法。
 請求項1~9のいずれかに記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
 NUD-001 No.7(NITE-BP423)、NUD-001 No.19(NITE-BP424)、NUD-001 No.24(NITE-BP425)、NUD-001 No.41(NITE-BP426)またはNUD-001 No.46(NITE-BP427)のいずれかである請求項12に記載のハイブリドーマ。
Description:
マウス多量体免疫グロブリンレ プターに反応するモノクローナル抗体

 本発明はマウス多量体免疫グロブリンレ プター(以下、pIgRとする)に反応するモノク ーナル抗体に関する。特に、天然型マウスp IgRに反応する高感度のモノクローナル抗体に 関する。また、これらのモノクローナル抗体 をコンスタントに産生できるハイブリドーマ に関する。

 従来、pIgRは、粘膜免疫機構において主体 的役割を果たす分泌型IgA分子の構成成分であ り、生体の恒常性維持にとって必要不可欠の ものとして知られている。

 pIgRは、レセプター仲介取り込み等の薬物 伝達方法に有用と考えられている。そして、 これに特異的に結合する抗体として、ウサギ pIgR由来のペプチドを抗原とする抗体(例えば 特許文献1参照)や、ウサギ胆汁、ラット胆 から精製されるpIgRのタンパク質分解フラグ ントを抗原とする抗体(例えば、特許文献2 照)等が作製されている。

 また、マウスpIgRに反応する抗体として、免 疫したウサギ等の血清から得られるポリクロ ーナル抗体が得られているが、マウスpIgRに 応するモノクローナル抗体は未だ作製され いない。
 ポリクローナル抗体は、その製造には量的 制限があり、同一のロットで永続的に抗体 作製することができないという問題があっ 。そこで、抗体を安定して供給できるハイ リドーマを得て、モノクローナル抗体を得 ことが望まれていた。

特表2000-511432号公報

特表2003-528891号公報

 本発明はマウスpIgRに反応するモノクロー ナル抗体の提供を課題とする。特に、天然型 マウスpIgRに反応する高感度のモノクローナ 抗体の提供を課題とする。また、本発明は れらのモノクローナル抗体を産生できるハ ブリドーマの提供を課題とする。

 本発明者らは前記課題を解決するために鋭 研究を行った結果、マウスpIgRに反応するモ ノクローナル抗体を産生し得る、複数のハイ ブリドーマ株を樹立することで本発明を完成 するに至った。
 本発明によって作製されるモノクローナル 体は、従来のポリクローナル抗体と比較し 、マウスpIgRに反応する感度が高く、また、 天然型マウスpIgRに反応するため有用である 本発明のモノクローナル抗体は、本発明に いて樹立されたハイブリドーマ株により、 続的に作製できる。
 さらに本発明のモノクローナル抗体は、免 増強シグナルを付与して抗原抗体反応の活 化を行うことで得られたマウス抗体である め、マウスに投与した場合に異物として認 されない。そのため、マウスを用いたin viv oの実験に使用できる。このようなマウス抗 に反応するマウス抗体の作製自体は非常に 難であり、本発明のモノクローナル抗体は 用性が高いといえる。

 すなわち、本発明は次の(1)~(13)に記載のモ クローナル抗体、当該抗体を産生するハイ リドーマ等に関する。
(1)マウスpIgRに反応するモノクローナル抗体
(2)天然型マウスpIgRに反応する上記(1)に記載 モノクローナル抗体。
(3)反応部位がマウスpIgRの細胞外領域である 記(1)または(2)に記載のモノクローナル抗体
(4)配列表配列番号1に記載のアミノ酸配列ま は配列番号2に記載の塩基配列にコードされ アミノ酸配列を含むポリヌクレオチドと反 する上記(1)~(3)のいずれかに記載のモノクロ ーナル抗体。
(5)マウスpIgRをコードする塩基配列を含むベ ターを動物に免疫して得られる上記(1)~(4)の ずれかに記載のモノクローナル抗体。
(6)動物がマウスである上記(5)に記載のモノク ローナル抗体。
(7)マウスpIgRをコードする塩基配列を含むベ ターが、免疫増強シグナルをコードする塩 配列を含むベクターである上記(5)または(6) 記載のモノクローナル抗体。
(8)マウスpIgRをコードする塩基配列が、マウ pIgRの細胞外領域の塩基配列である上記(5)~(7) のいずれかに記載のモノクローナル抗体。
(9)マウスpIgRをコードする塩基配列が配列番 2に記載の塩基配列である上記(5)~(8)のいずれ かに記載のモノクローナル抗体。
(10)上記(1)~(9)のいずれかに記載の抗体を用い 試料(検出対象)に存在するマウスpIgRを検出 る方法。
(11)ウェスタンブロッティングまたはEnzyme-link ed immunosolvent(ELISA)を用いる上記(10)に記載の ウスpIgRを検出する方法。
(12)上記(1)~(9)のいずれかに記載のモノクロー ル抗体を産生するハイブリドーマ。
(13)NUD-001 No.7(NITE-BP423)、NUD-001 No.19(NITE-BP424) NUD-001 No.24(NITE-BP425)、NUD-001 No.41(NITE-BP426)ま はNUD-001 No.46(NITE-BP427)のいずれかである上 (12)に記載のハイブリドーマ。

 本発明のマウスpIgRに反応するモノクロー ナル抗体は感度が高く、また、天然型マウス pIgRに反応するため、ウェスタンブロッティ グやELISA等の実験手法において有用である。

発現ベクターの作製にあたり、FCM解析 行った結果を示した図である(実施例1)。 ハイブリドーマの選別にあたり、FCM 析を行った結果を示した図である(実施例1) ハイブリドーマの選別にあたり、FCM 析を行った結果を示した図である(実施例1) ウェスタンブロッティングを用いる ウスpIgRを検出する方法による検出結果を示 た図である(実施例2)。 ウェスタンブロッティングを用いる ウスpIgRを検出する方法による検出結果を示 た図である(実施例2)。 ウェスタンブロッティングを用いる ウスpIgRを検出する方法による検出結果を示 た図である(実施例2)。 ウェスタンブロッティングを用いる ウスpIgRを検出する方法による検出結果を示 た図である(実施例2)。 ウェスタンブロッティングを用いる ウスpIgRを検出する方法による検出結果を示 た図である(実施例2)。 ウェスタンブロッティングを用いる ウスpIgRを検出する方法による検出結果を示 た図である(実施例2)。 ELISAを用いるマウスpIgRを検出する方法 よる検出結果を示した図である(実施例3)。

 本発明の「マウスpIgRに反応するモノクロ ーナル抗体」は、マウスpIgRに反応するモノ ローナル抗体であればいずれのものも該当 るが、天然型マウスpIgRに反応するものが好 しく、感度が高いものが特に好ましい。ま 、本発明の「マウスpIgRに反応するモノクロ ーナル抗体」は、マウスpIgRの細胞外領域に 応するモノクローナル抗体であることが好 しい。

 本発明の「マウスpIgRに反応するモノクロー ナル抗体」は、配列表配列番号1に記載のア ノ酸配列または配列番号2に記載の塩基配列 コードされるアミノ酸配列を含むポリヌク オチドと反応するモノクローナル抗体であ ことが好ましい。
 マウスpIgRをコードする塩基配列は、「マウ スpIgRに反応するモノクローナル抗体」を得 れる塩基配列であればいずれの塩基配列で ってもよく、マウスpIgRをコードする塩基配 の一部であってもよい。例えば、マウスpIgR の細胞外領域をコードする塩基配列を用いる ことが好ましい。また、配列表配列番号1に 載のアミノ酸配列または配列番号2に記載の 基配列にコードされるアミノ酸配列を含む リヌクレオチドを用いることが好ましい。

 本発明のマウスpIgRをコードする塩基配列は PCR法等、一般的に知られているいずれの方法 でもクローニングする事ができる。例えば、 次のように行うことができる。
 マウスの組織または細胞から、例えばクロ ホルム/フェノール/イソアミルアルコール/ アニジニウム/CsCl法等公の知のRNA調製法に 全RNAを調製する。オリゴdTセルロースカラム クロマトグラフィー処理にて、この全RNAから ポリA(+)RNA(mRNA)を取得し、逆転写酵素の存在 でcDNA合成を行うことができる。cDNA合成およ びクローニングキットは、Amersham社、Invitrogen 社等から市販されているものを用いることが できる。このようにして合成されたcDNAを鋳 にして、プライマーを用いてPCRを行い、pIgR コードするcDNAを増幅する。
 プライマーはマウスpIgRのセンス鎖およびア ンチセンス鎖に対してアニーリングすること ができるプライマーであればいずれのものも 用いることができる。例えば、データバンク 等に記載されているマウスpIgRのcDNA塩基配列 基づいて設計し、合成することができる。 ライマーは15~25塩基程度のサイズを有して り、マウスpIgRのcDNA塩基配列の5″末端およ 3″末端側の配列からなることが好ましい。 ライマーの合成は、市販のDNA自動合成機を いて行うことができる。

 PCRは、市販のサーマルサイクラー(例えばPer kin Elmer-9600,Eppendorf-Master cycler gradientなど)を 使用して行うことが好ましい。PCR条件として 、例えば10×PCR buffer(100mM Tris(pH8.3),500mM KCl,15 mM MgCl 2 および0.1%(W/V)ゼラチン)、dNTPs 2mM、プラーマ 2.5μM~10μM中、Taqポリメラーゼなどの耐熱性D NAポリメラーゼ(1~2.5単位;rTaq(Takara、京都、日 ),Ampli Taq(Promega)など)を添加して反応を行う ことができる。PCRは、例えば95℃、2~5分での1 回の変性サイクルの後、95℃、0.2~1分での変 、50~65℃、0.5~1分でのアニーリング、および7 2℃、0.5~2分での伸長を1サイクルとして15~40サ イクルを行い、最後に、72℃、5分の伸長を行 う方法等が挙げられる。
 これらのcDNAクローニングおよびPCRについて は、公知の文献(例えば、Sambrookら、Molecular C loning A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Labora tory (1989)、Ausubelら,Current Protocols in Molecular Biology (1989)等)を参照できる。

 上記のようにして得られたマウスpIgRをコ ードする塩基配列を組み込むベクターとして 、プラスミド、ウイルス、ファージ等の一般 的に知られているいずれのベクターをも用い ることができる。このうち動物細胞発現ベク ターを用いる事が好ましく、例えば昆虫細胞 発現ベクターまたは哺乳動物細胞発現ベクタ ーが挙げられ、哺乳動物細胞発現ベクターを 用いることが特に好ましい。哺乳動物細胞発 現ベクターとしては、アデノウイルスベクタ ー、ワクシニアウイルスベクターなどのウイ ルスベクター、pcDNA3.1(Invitrogen)、pCI(Promega)等 プラスミドベクター等が挙げられる。これ のベクターは市販のものを用いることがで る。

 本発明で用いることができるベクターに いて、プロモーター、エンハンサー、複製 始点、リボソーム結合部位、ポリアデニル 部位、またはターミネーター等の調節配列 含むことができる。これらの配列を含むこ によって、宿主の細胞内でプロモーターにR NAポリメラーゼが結合することによって転写 開始され、目的のタンパク質またはペプチ に翻訳される。プロモーターとしては、例 ばCMV(サイトメガロウイルス)プロモーター RSV(呼吸器多核体ウイルス)プロモーター、EBV (Epstein-Barrウイルス)等のウイルスプロモータ を含むことが好ましい。また、これらのベ ターには、免疫増強シグナルおよび局在シ ナルを含むペプチドをコードする塩基配列 含むことが好ましい。

 免疫増強シグナルは、免疫増強エレメン とも称し、マウスpIgRの免疫原活性または抗 原活性を高めるための任意のペプチドのこと をいう。このようなペプチドとして、免疫ア ジュバント活性を有するペプチドやT細胞エ トープ等が挙げられる。このうちT細胞エピ ープは、T細胞レセプターを認識し、これに 結合することができるものである。また、種 々のウイルス抗原、種々の細菌毒素などのエ ピトープやキーホールリンペットヘモシアニ ン(KLH)、オボアルブミン(OVA)、ウシ血清アル ミン(BSA)などのT細胞依存性抗原のエピトー などが含まれる。本発明において、これら 免疫増強シグナルは、1つまたは複数を組み わせて用いることができる。

 局在シグナルは、細胞内で発現、翻訳され マウスpIgRを細胞膜に移行し、かつ分泌され たマウスpIgRを細胞膜上にアンカーする働き 有する任意のペプチドのことをいう。局在 グナルは、発現されたマウスpIgRを細胞表面 一定時間高濃度で留まらせることができ、 感度のマウスpIgR抗体を得るために有用であ る。
 このような局在シグナルとして、例えばGPI( グリコシルフォスファチジルイノシトール)- ンカー等が挙げられる。GPIアンカーは、タ パク質の疎水性のC末端の32アミノ酸残基が3 位のAsp残基の直後でトランスアミナーゼによ り切断されAsp残基の後ろに付与される。これ により、3位のAsp残基を介してターゲットタ パクを細胞膜上にアンカーさせることを可 とする。本発明で使用可能な局在シグナル 、上記のようなアンカー作用を示すもので ればいずれも用いることができ、上記のシ ナルに限定されない。

 本発明の発現ベクターの作成にあたり、 れらの免疫増強シグナル、マウスpIgRと局在 シグナルは、N末端側からこの順序で連結す ことが好ましく、それぞれのシグナル間に1~ 数個の任意のアミノ酸からなるリンカーが結 合してもよい。また、各配列間は、1~数個の 意のアミノ酸からなるリンカーを介在させ 、マウスpIgRまたはその機能性断片を連結す るように配置してもよい。さらに、本発明の 発現ベクターには細胞内で発現したマウスpIg Rまたはその機能性断片を細胞膜に輸送する めの分泌シグナルペプチドをコードする塩 配列を連結することが好ましい。このよう 泌シグナルペプチドとして、マウスpIgRのシ ナルペプチドを用いる事が好ましい。

 本発明の発現ベクターの作成にあたり、N末 端側からプロモーターの下流に、分泌シグナ ルペプチド、免疫増強シグナルペプチド、マ ウスpIgR、局在シグナルペプチドと並べ、こ 順序でこれらをコードする塩基配列を並べ 発現ベクターを用いる事が好ましい。細胞 で発現されたタンパク質は、細胞膜に移行 、シグナルペプチドから切断されて分泌さ 、細胞膜にアンカーとして留まるため、マ スpIgRに反応する抗体が生成されやすくなる めである。
 さらに本発明の発現ベクターには、必要に じて、目的の塩基配列の発現を検出するた のFLAGタグ、ヒスチジンタグ(例えばHis6~His10) などのタグをコードする塩基配列を、目的塩 基配列の5″端または3″端に結合することが きる。これらのタグは、発現の目的とする ンパク質の検出のために有用である。

 マウスpIgRをコードする塩基配列を含むベ クターを免疫する動物としては、脊椎動物で あればいずれのものも用いることができるが 、鳥類または非ヒト哺乳動物を用いる事が好 ましい。例えばマウス、ラット、ハムスター 、モルモットなどのげっ歯類、ウシ、ウマ、 ヒツジ、ブタ、ヤギなどの有蹄類、ウサギ等 が好ましい。 動物への免疫にあたり、マウ pIgRをコードする塩基配列を含むベクターを 動物の身体部分、例えば皮下等に注入するこ とが好ましい。注入は免疫できる回数および 量であればいずれでもよいが、例えば、約1~2 週間置きに数回、約1~2ヶ月にわたって行うこ とができる。ベクターの注入量は、例えば17. 5μg抗原/回であってもよい。

 本発明の「マウスpIgRに反応するモノクロー ナル抗体」は、マウスpIgRをコードする塩基 列を含むベクターをマウス等の動物に免疫 ることで作製することができる。本発明の 体の作製にあたり、一般に用いられている ずれの方法を用いることもできるが、DNA免 法を用いることが特に好ましい。
 本発明のDNA免疫法は、例えば、上記のよう 作成したマウスpIgRをコードする塩基配列を 含むベクターを動物に免疫することで行うこ とができる。これによって、動物体内におい てマウスpIgRをコードする塩基配列が発現す ことでマウスpIgRが得られ、これに反応する 体が産生される。
 本発明のベクターを用い、動物体内で発現 れるマウスpIgRは天然型であるため、天然型 マウスpIgRに反応する抗体が産生され得る。 然型とは、ジスルフィド結合、糖鎖等を有 るマウスpIgRの天然型高次構造を採ることを 味する。したがって、本発明で作製される 体は、マウスpIgRの天然型高次構造を特異的 に認識する、天然型マウスpIgRに反応し、か 高親和性の抗体であるため有用性が高い。

 また、本発明の抗体の作製にあたり、DNA免 法で免疫された動物から脾臓細胞、B細胞ま たはリンパ細胞等を取り出し、これと骨髄腫 細胞(ミエローマ細胞)とを融合してハイブリ ーマを作成することで本発明の抗体を作製 ることができる。
 ハイブリドーマの作製に用いる骨髄腫細胞 しては、本発明の抗体を産生できるハイブ ドーマの作製に有用なものであればいずれ ものも用いることができる。マウス骨髄腫 胞等を用いる事が好ましい。これらの細胞 合のために、公知の細胞凝集性媒体であれ いずれのものも用いることができるが、例 ばポリエチレングリコールなどの細胞凝集 媒体を用いることが好ましい。

 本発明のハイブリドーマは、マウスpIgR、 好ましくは天然型マウスpIgRを特異的に認識 る抗体を産生できるものであることが好ま い。このハイブリドーマを得るためには、 合細胞の選抜を行うことが好ましく、この 抜にはフローサイトメトリーが有用である フローサイトメトリーを用いた天然型マウ pIgRを特異的に認識する抗体を産生するハイ リドーマの検出には、ヒトまたはマウスの 疫グロブリンと特異的に結合する蛍光標識 次抗体を用いることが好ましい。

 このようにして得たハイブリドーマをヌ ドマウスに腹腔内注射し、腹水を採取し、 水をプロテインAまたはプロテインGセファ ースカラムに通して、高純度の目的のモノ ローナル抗体を回収することができる。こ ようなモノクローナル抗体の作製法につい は、公知の文献(例えば、Kohlerら,Nature,256:495 (1975)、Ausubelら,Current Protocols in Molecular Biol ogy (1989)、Kozborら,Immunology Today 4:72 (1983)、Co leら,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,77-96 (1 985),Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor  Laboratory,Chapter 8,1988等)を参照することができ る。

 本発明の「ハイブリドーマ」には、マウスp IgRに反応するモノクローナル抗体を産生する ハイブリドーマであれば、いずれのものも含 まれるが、フローサイトメトリー等によって 選抜されたマウスpIgRに反応する感度の高い 体を産生するものであることが好ましい。
 このようなハイブリドーマとして、本発明 NUD-001 No.3、NUD-001 No.4、NUD-001 No.7、NUD-001 N o.8、NUD-001 No.15、NUD-001 No.17、NUD-001 No.19、NUD -001 No.23、NUD-001 No.24、NUD-001 No.26、NUD-001 No. 27、NUD-001 No.29、NUD-001 No.32、NUD-001 No.33、NUD- 001 No.35、NUD-001 No.41、NUD-001 No.43、NUD-001 No.4 4、NUD-001 No.45、NUD-001 No.46、NUD-001 No.50、NUD-0 01 No.51、NUD-001 No.56、NUD-001 No.57、NUD-001 No.60 、NUD-001 No.65、NUD-001 No.67、NUD-001 No.69、NUD-00 1 No.72またはNUD-001 No.73等が挙げられる。
 このうち特に、NUD-001 No.7(NITE-BP423)、NUD-001  No.19(NITE-BP424)、NUD-001 No.24(NITE-BP425)、NUD-001 No .41(NITE-BP426)またはNUD-001 No.46(NITE-BP427)等のハ ブリドーマが好ましい。

 本発明の「マウスpIgRに反応するモノクロー ナル抗体」は、検出の対象とする試料に存在 するマウスpIgRの検出に用いることができる 試料としては、マウスから摘出した肝臓、 管組織、唾液、血清、糞便などが挙げられ 。
 本発明の「マウスpIgRを検出する方法」には 、従来知られている抗体を用いるタンパク質 の検出方法であればいずれの物も用いる事が できる。例えば、本発明の抗体を用いたウェ スタンブロッティング、ELISA、免疫沈降やaffi nity columnを用いることができる。
 以下、本発明の詳細を実施例等で説明する 、本発明はこれらに限定されるものではな 。

<モノクローナル抗体の作製>
 DNA免疫法を用いて、マウスpIgRの立体構造を 認識する特異モノクローナル抗体を作製した 。
1.発現ベクターの作製
 PCR法を用いてマウスpIgRの細胞外領域を増幅 した。
 鋳型として、University of Kentucky,Department of pathology and laboratory medicineに所属していたCh arlotte S. Kaetzel博士から供与されたcDNAを用い た。この鋳型cDNAは、マウスの組織または細 からクロロホルム/フェノール/イソアミルア ルコール/グアニジニウム/CsCl法によって全RNA を調製し、オリゴdTセルロースカラムクロマ グラフィー処理にてポリA(+)RNA(mRNA)を取得し て、逆転写酵素の存在下で合成することがで きる。
 この鋳型cDNAと、マウスpIgRのcDNA塩基配列に づいて設計した5″末端および3″末端側の 列からなるプライマーを用いて、PCRを行っ 。

 PCRは、市販のサーマルサイクラー(Perkin Elme r-9600,Eppendorf-Master cycler gradient)を使用して実 施した。PCR条件として、10×PCR buffer(100mM Tris (pH 8.3),500mM KCl,15mM MgCl 2 および0.1%(W/V)ゼラチン)、dNTPs 2mM、プラーマ 2.5μM~10μM中、Taqポリメラーゼ(1~2.5単位;rTaq(T akara、京都、日本))を添加して反応を行った PCRは、95℃、2~5分での1回の変性サイクルの 、95℃、0.2~1分での変性、50~65℃、0.5~1分での アニーリング、および72℃、0.5~2分での伸長 1サイクルとして15~40サイクルを行い、最後 、72℃、5分の伸長を行った。

 上記で得たマウスpIgRの細胞外領域をタグ付 の哺乳動物発現ベクターに組込み、キット(QI AGEN社)を用いて作製した発現ベクターを精製 た。マウスpIgRの細胞外領域が設計した通り に細胞表面に発現されるか否かについて、Gen ovac社より譲渡された293T細胞を用いて検証し 。
 ベクターを293T細胞に導入し、マウスpIgRの 胞外領域を一過性強制発現導入した後、当 293T細胞をCO 2  incubatorに、37℃、10%CO2で24時間培養(培地:D-ME M with high glucose(Wako,044-29765)500mL、FBS(Hyclone,lo t.FQF24009) 5% FBS、Penisillin/streptomycin (Invitrogen, 15140-122) 50units/mL、50ug/mL 4mM L-Glytamine)して、 BECKMAN Flow cytometry XL-MCLを用いてFCM(flow cytome try)解析を行った。比較として、mockを一過性 制発現導入した細胞を用いた。

 FCM解析にあたり、上記の導入遺伝子に付 しているタグに反応する抗体(Anti-FLAG M2 Mon oclonal Antibody(5mg)SIGMA F-3165)を遺伝子導入した 培養細胞に4℃、30分間反応させた。その後抗 タグ抗体を特異的に認識する蛍光標識した二 次抗体(Goat F(ab″)2 Fragment MOUSE IgG(H+L)PE BECK MAN IM0855)を4℃30分間反応させFCM解析に用いた 。その結果、図1に示すようにマウスpIgRの細 外領域が細胞表面上に発現していることが 認された。

2.モノクローナル抗体の作製
 上記1.で作製した発現ベクターを、マウス 皮下に注入し、免疫を行った。免疫は約1~2 間置きに数回、約1~2ヶ月行った。ベクター 注入量は、17.5μg抗原/回であった。
 免疫したマウスより血清を採集し、血清解 を行った。上記1.と同様にマウスpIgRの細胞 領域を293T細胞に一過性に発現導入し、当該 293T細胞をCO 2  incubatorにおいて24時間培養した。後、この 養溶液に、免疫したマウスより採集した血 を加え、30分間静置した。
 その後、免疫したマウスの免疫グロブリン 特異的に認識する蛍光標識した二次抗体を 液に添加し、30分間静置してからFCM解析に 用した。FCM解析の結果を図2-1、2-2に示した この結果より、マウスpIgR遺伝子導入細胞を 識する強い特異抗体を産生しているマウス 選別した。

 上記で選別したマウスを解剖して脾臓細胞 取り出し、これとマウス骨髄腫細胞とを融 させてハイブリドーマを作製した。得られ ハイブリドーマの中から、マウスpIgRの天然 型高次構造を特異的に認識する抗体を産生す るハイブリドーマを、フローサイトメトリー を用いて選抜した。
 その結果、マウスpIgRの天然型高次構造を特 異的に認識する抗体を産生するハイブリドー マ株として、NUD-001 No.3、NUD-001 No.4、NUD-001 N o.7、NUD-001 No.8、NUD-001 No.15、NUD-001 No.17、NUD- 001 No.19、NUD-001 No.23、NUD-001 No.24、NUD-001 No.2 6、NUD-001 No.27、NUD-001 No.29、NUD-001 No.32、NUD-0 01 No.33、NUD-001 No.35、NUD-001 No.41、NUD-001 No.43 、NUD-001 No.44、NUD-001 No.45、NUD-001 No.46、NUD-00 1 No.50、NUD-001 No.51、NUD-001 No.56、NUD-001 No.57 NUD-001 No.60、NUD-001 No.65、NUD-001 No.67、NUD-001  No.69、NUD-001 No.72またはNUD-001 No.73が樹立さ た。
 このうち、次の5株についてはNITEに寄託を った。NUD-001 No.7(NITE-BP423)、NUD-001 No.19(NITE-BP 424)、NUD-001 No.24(NITE-BP425)、NUD-001 No.41(NITE-BP42 6)またはNUD-001 No.46(NITE-BP427)。これらの5株が 生する抗体は、マウスpIgRの検出において特 に良好な反応を示した。

 本発明で樹立したこれらのハイブリドー 株は培地1Lあたり5mLのペニシリン-ストレプ マイシンを添加したHAT培地(1L D-MEM(Dulbecco’ s Modified Eagle Medium Co:11965-084 Invitrogen) with 15% FCS,5% Hyblidoma cloning factor(Bio Veris Cat:210 001),4mM L-Glutamine,Penicillin- Streptomycin;50units/mL  and 50μg/mL,1xHAT supplement(HAT Media supplement(50x) Hybri-Max Lyophilized powder,Hybridoma tested SIGMA Ca :H 0262、これ2本を1LのD-MEMに添加した)で培養 た。

3.ハイブリドーマ株の特異抗体大量生産
 樹立したハイブリドーマ細胞をヌードマウ 1匹あたり1X10 6 ~1X10 7 となるように腹腔内に注射した。ハイブリド ーマの増殖により、ヌードマウスの腹腔内に 腹水が貯留した。この腹水を回収し、GE社のP rotein G Sepharose精製用樹脂を充填したカラム 腹水より高純度のモノクローナル抗体を回 した。

ウェスタンブロッティングを用いるマウスpIg Rを検出する方法
 ハイブリドーマNUD-001 No.3、NUD-001 No.4、NUD-0 01 No.7、NUD-001 No.8、NUD-001 No.15、NUD-001 No.17 NUD-001 No.19、NUD-001 No.23、NUD-001 No.24、NUD-001 No.26、NUD-001 No.27、NUD-001 No.29、NUD-001 No.32、 NUD-001 No.33、NUD-001 No.35、NUD-001 No.41、NUD-001  No.43、NUD-001 No.44、NUD-001 No.45、NUD-001 No.46、N UD-001 No.50、NUD-001 No.51、NUD-001 No.56、NUD-001 N o.57、NUD-001 No.60、NUD-001 No.65、NUD-001 No.67、NU D-001 No.69、NUD-001 No.72またはNUD-001 No.73のよ 得られるモノクローナル抗体を用い、実施 1と同様にマウスpIgRの細胞外領域を一過性強 制発現させた細胞に対するウェスタンブロッ ティングを行った。
 一次抗体として、上記ハイブリドーマの培 上清を用い、二次交代として抗マウスIgG(H+L )-HRP(BIORAD社)を用いた。検出にはECL plus wester n blotting Deetection System(GE社)を用いた。
 その結果、図3-1から図3-6に示すように、本 明のハイブリドーマが産生する抗体を用い ウェスタンブロッティングを行うことで、 出試料中に含まれる天然型マウスpIgRを特異 的に検出できることが示された。図3-1から図 3-6における+は変性試料、-は非変性の生体由 試料を示す。

ELISAを用いるマウスpIgRを検出する方法
1.ハイブリドーマNUD-001 No.19より得られるモ クローナル抗体をPBSにて1,000倍に希釈し、50 lを96-well plateに固層化し、1時間、室温に置 た。
2.上記1.をPBSで洗浄した後、1%BSA-PBS 100μl、1 間、室温においてブロッキングを行った。
3.上記2.に検出のための試料を添加して1時間 室温で反応させた。
4.上記3.をPBSで洗浄した後、1%BSA-PBSで1,000倍希 釈したビオチン化したハイブリドーマNUD-001  No.7より得られるモノクローナル抗体を50 μl 添加した後、1時間、室温で反応させた。
5.上記4.を洗浄した後1%BSA-PBSで10,000倍希釈し Neutr. Avidin-HRP(PIERCE社)を50μl添加して1時間、 室温で反応させた。洗浄後発色させ、吸光度 を測定した。
 マウスpIgRまたは比較としてmockを一過性強 発現させた細胞の細胞溶解液をそれぞれ用 て、上記1~5の操作を行ったところ、図4に示 ように、本発明のハイブリドーマが産生す 抗体を用いることで、検出試料中に含まれ マウスpIgRを検出できることが示された。

本発明のマウスpIgRに反応するモノクロー ル抗体は、然型マウスpIgRに反応して高い特 性を示す。また感度が高いため、ウェスタ ブロッティングやELISA等の実験手法におい 有用である。

寄託された生物材料への言及

(1)
イ.当該生物材料を寄託した寄託機関の名称 びあて名

名 称:独立行政法人製品評価技術基盤機構特 許微生物寄託センター

あて名;日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 (郵便番号292-0818)

ロ.イの機関に寄託した日付 
平成20年(2008)10月2日(原寄託日)
平成20年(2008)11月27日(原寄託によりブタペス 条約に基づく寄託への移管日)

ハ.イの機関に寄託について付した受託番号 
NITE BP-423
(2)
イ.当該生物材料を寄託した寄託機関の名称 びあて名

名 称:独立行政法人製品評価技術基盤機構特 許微生物寄託センター

あて名;日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 (郵便番号292-0818)

ロ.イの機関に寄託した日付 
平成20年(2008)10月2日(原寄託日)
平成20年(2008)11月27日(原寄託によりブタペス 条約に基づく寄託への移管日)

ハ.イの機関に寄託について付した受託番号 
NITE BP-424
(3)
イ.当該生物材料を寄託した寄託機関の名称 びあて名

名 称:独立行政法人製品評価技術基盤機構特 許微生物寄託センター

あて名;日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 (郵便番号292-0818)

ロ.イの機関に寄託した日付 
平成20年(2008)10月2日(原寄託日)
平成20年(2008)11月27日(原寄託によりブタペス 条約に基づく寄託への移管日)

ハ.イの機関に寄託について付した受託番号 
NITE BP-425
(4)
イ.当該生物材料を寄託した寄託機関の名称 びあて名

名 称:独立行政法人製品評価技術基盤機構特 許微生物寄託センター

あて名;日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 (郵便番号292-0818)

ロ.イの機関に寄託した日付 
平成20年(2008)10月2日(原寄託日)
平成20年(2008)11月27日(原寄託によりブタペス 条約に基づく寄託への移管日)

ハ.イの機関に寄託について付した受託番号 
NITE BP-426
(5)
イ.当該生物材料を寄託した寄託機関の名称 びあて名

名 称:独立行政法人製品評価技術基盤機構特 許微生物寄託センター

あて名;日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 (郵便番号292-0818)

ロ.イの機関に寄託した日付 
平成20年(2008)10月2日(原寄託日)
平成20年(2008)11月27日(原寄託によりブタペス 条約に基づく寄託への移管日)

ハ.イの機関に寄託について付した受託番号 
NITE BP-427