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Title:
MOTION ASSISTING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/050838
Kind Code:
A1
Abstract:
A device for assisting the periodic motion of an animal such as a human being by applying such force as matches the rhythm and scale of the periodic motion of the animal with the target motion rhythm and target motion scale respectively while reducing the computation processing load. According to a motion assisting device (10), the value of a term or coefficient included in the simultaneous differential equation of a state variable (ui) which defines a second model for generating a second vibrator (ξ2) is adjusted through an adjusting unit (14). The second vibrator (ξ2) is generated according to the adjusted second model, and a periodically-changing torque (T) which is applied to the human being (P) is controlled according to the second vibrator (ξ2). Thus, the periodic motion can be assisted by applying such force as matches the scale and rhythm of the periodic motion of the human being (P) with the target motion scale and target motion rhythm, respectively.

Inventors:
YASUHARA KEN (JP)
SHIMADA KEI (JP)
ENDO YOSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002235
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
August 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HONDA MOTOR CO LTD (JP)
YASUHARA KEN (JP)
SHIMADA KEI (JP)
ENDO YOSUKE (JP)
International Classes:
A61H3/00; A61F2/70; A63B23/04; A63B71/06
Foreign References:
JP2007061217A2007-03-15
JP2004073649A2004-03-11
JP2007061217A2007-03-15
Other References:
See also references of EP 2085066A4
Attorney, Agent or Firm:
SATO, Tatsuhiko et al. (1-1 Yoyogi 2-chom, Shibuya-ku Tokyo 53, JP)
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Claims:
動物に装着される装具と、前記装具に連結されているアクチュエータと、前記アクチュエータの出力の振幅および周期または位相を制御する制御装置とを備え、前記装具を介して前記出力を前記動物に与えることにより前記動物の周期運動を補助する装置であって、
 前記制御装置が、
 前記動物の運動に応じて周期的に変化する第2運動振動子を測定する運動振動子測定要素と、
 前記動物の挙動状態を表わす複数の状態変数の連立微分方程式により定義され、入力振動信号に基づき、固有角速度に基づいて定まる角速度で変化する出力振動信号を生成する第2モデルに、前記運動振動子測定要素により測定された前記運動振動子を前記入力振動信号として入力することにより、前記出力振動信号として前記アクチュエータの制御基礎となる第2振動子を生成する第2振動子生成要素と、
 前記連立微分方程式に含まれる項または係数の値を調節する調節装置とを備えていることを特徴とする運動補助装置。
請求項1記載の運動補助装置において、
 前記第2モデルを定義する前記連立微分方程式に前記状態変数の変化パターンを表わす時定数が含まれ、前記調節装置により当該時定数の値が調節されることを特徴とする運動補助装置。
請求項1記載の運動補助装置において、
 前記第2モデルを定義する前記連立微分方程式に前記動物の運動スケールを表わす運動変数の目標値に係る係数が含まれ、前記調節装置により当該係数の値が調節されることを特徴とする運動補助装置。
請求項1記載の運動補助装置において、
 前記装具として前記動物の第1身体部分、第2身体部分および第3身体部分のそれぞれに装着される第1装具、第2装具および第3装具を備え、前記アクチュエータが前記第1装具および前記第2装具に直接的に連結され、かつ、前記第2装具を介して前記第3装具に間接的に連結されていることを特徴とする運動補助装置。
Description:
運動補助装置

 本発明は、動物に力を与えることにより 該動物の周期運動を補助する装置に関する

 下肢等の身体部分の機能が低下している 間等の動物に周期的に変化する力を与える とにより、この人間の周期的な歩行運動を 助する装置が提案されている(日本国 特開2 004-073649号公報参照)。また、人間の運動スケ ルを目標運動スケールに一致させるように 想的な弾性要素の挙動特性を表わす第2モデ ル(バネモデル)にしたがってこの人間に与え れる力の強弱を調節しながらこの人間の周 運動を補助または誘導する装置が提案され いる(日本国 特開2007-061217号公報参照)。

 しかるに、補助力の変化パターンの決定 際して複数のモデルが用いられる場合、演 処理完了までに時間遅れが生じてしまい、 れにより動物の運動リズムが目標運動リズ かに一致させるのが困難となる可能性があ 。また、当該複数のモデルのうち一部が省 された場合、演算処理負荷は軽減され時間 れの問題は解消されうるものの、動物の運 リズムを目標運動リズムに一致させる観点 ら補助力の変化パターンが不適当になる可 性がある。また、バネモデルによれば、人 の周期運動のリズムの速さまたは遅さに応 てこの人間に与えられる力の強弱が変動す 。このため、人間の動作がある程度速い場 にはこれに応じて運動スケールを目標運動 ケールに一致させる観点から十分に強い力 この人間の周期運動が補助されうる。その 方、身体機能の著しい低下等のために人間 動作が遅い場合、運動誘導装置により人間 与えられる力の強さが、この人間の運動ス ールを目標運動スケールに一致させる観点 ら不十分になる可能性がある。

 そこで、本発明は、演算処理負荷の軽減 図りながら、人間等の動物の周期運動のリ ムおよびスケールのそれぞれを目標運動リ ムおよび目標運動スケールのそれぞれに一 させるような力をこの動物に与えてその周 運動を補助することができる装置を提供す ことを解決課題とする。

 第1発明の運動補助装置は、動物に装着さ れる装具と、前記装具に連結されているアク チュエータと、前記アクチュエータの出力の 振幅および周期または位相を制御する制御装 置とを備え、前記装具を介して前記出力を前 記動物に与えることにより前記動物の周期運 動を補助する装置であって、前記制御装置が 、前記動物の運動に応じて周期的に変化する 運動振動子を測定する運動振動子測定要素と 、前記動物の挙動状態を表わす複数の状態変 数の連立微分方程式により定義され、入力振 動信号に基づき、固有角速度に基づいて定ま る角速度で変化する出力振動信号を生成する 第2モデルに、前記運動振動子測定要素によ 測定された前記運動振動子を前記入力振動 号として入力することにより、前記出力振 信号として前記アクチュエータの制御基礎 なる第2振動子を生成する第2振動子生成要素 と、前記連立微分方程式に含まれる項または 係数の値を調節する調節装置とを備えている ことを特徴とする。

 第1発明の運動補助装置によれば、第2モ ル以外のモデルは用いられないので、その だけ第2振動子の生成に要する演算処理負荷 軽減されうる。また、調節装置を通じて、 2振動子の生成用の第2モデルを定義する状 変数の連立微分方程式に含まれる項または 数の値が調節される。そして、当該調節後 第2モデルにしたがって第2振動子が生成され 、この第2振動子に基づいて動物に与えられ 周期的に変化する力が制御される。これに り、演算処理負荷の軽減を図りながら、動 の周期運動のスケールおよびリズムのそれ れを目標運動スケールおよび目標運動リズ のそれぞれに一致させるような力がこの動 に与えられてその周期運動が補助されうる なお「第2運動振動子」および「第2モデル」 という記載は、出願人による特許文献1およ 2等に開示されている関連発明との用語統一 ための記載であり、「第1運動振動子」およ び「第1モデル」の存在を示唆するための記 ではない。

 第2発明の運動補助装置は、第1発明の運 補助装置において、前記第2モデルを定義す 前記連立微分方程式に前記状態変数の変化 ターンを表わす時定数が含まれ、前記調節 置により当該時定数の値が調節されること 特徴とする。

 第2発明の運動補助装置によれば、調節装 置を通じて動物の挙動状態を表わす状態変数 の変化パターンを表す時定数が調節される。 これにより、第2振動子の変化パターン(角速 )およびアクチュエータの出力の変化パター ンが調節されうるので、当該出力により補助 される動物の運動リズムを目標運動リズムに 近づけるようにその周期運動が補助されうる 。

 第3発明の運動補助装置は、第1発明の運 補助装置において、前記第2モデルを定義す 前記連立微分方程式に前記動物の運動スケ ルを表わす運動変数の目標値に係る係数が まれ、前記調節装置により当該係数の値が 節されることを特徴とする。

 第3発明の運動補助装置によれば、調節装 置を通じて動物の運動スケールを表わす運動 変数の目標値に係る係数が調節される。これ により、第2振動子の振幅およびアクチュエ タの出力の振幅が調節されうるので、動物 運動スケールを目標運動スケールに近づけ ようにその周期運動が補助されうる。

 第4発明の運動補助装置は、第1発明の運 補助装置において、前記装具として前記動 の第1身体部分、第2身体部分および第3身体 分のそれぞれに装着される第1装具、第2装具 および第3装具を備え、前記アクチュエータ 前記第1装具および前記第2装具に直接的に連 結され、かつ、前記第2装具を介して前記第3 具に間接的に連結されていることを特徴と る。

 第4発明の運動補助装置によれば、アクチ ュエータが動作することにより第1装具に対 て第2装具が動かされ、第2装具の動きに追従 して第3装具が動かされる。これにより、第1 体部分に対する第2身体部分の周期的な動き に加えて、第2身体部分の動きに追従するよ に第3身体部分の動きが補助されうる。

本発明の一実施形態としての運動補助 置の構成説明図 運動補助装置の制御装置の構成説明図 運動補助装置の制御方法に関する説明 運動補助装置の動作に関する説明図 運動補助装置を用いた歩行訓練方法に する説明図(その1) 運動補助装置を用いた歩行訓練方法に する説明図(その2)

 本発明の運動補助装置の実施形態につい 図面を用いて説明する。以下、脚体等の左 を区別するために符号「L」および「R」を いるが、左右を区別する必要がない場合や 右成分を有するベクトルを表現する場合に 当該符号を省略する。また、脚体(具体的に 大腿部)の屈曲運動(前方運動)および伸展運 (後方運動)を区別するために符号「+」およ 「-」を用いる。

 図1に示されている運動補助装置10は人間P の歩行運動を補助するための装置であり、人 間Pの腰部(第1身体部分)、大腿部(第2身体部分 )および足部(第3身体部分)のそれぞれに取り けられる第1装具1100、第2装具1200および第3装 具1300を備えている。また、運動補助装置10は 股関節角度センサ11と、アクチュエータ15と 制御装置100と、バッテリ1000とを備えている

 第1装具1100は第1サポータ1110と第1リンク 材1120とを備えている。第1サポータ1110は硬 樹脂等の剛性素材と繊維等の柔軟素材とが み合わせられて構成され、腰部の後側に装 される。第1リンク部材1120は硬質樹脂により 形成され、第1サポータ1110が腰部に取り付け れたときにこの腰部の左右に配置されるよ に第1サポータ1110に固定されている。第2装 1200は第2サポータ1210と、第2リンク部材1220 、リブ部材1240とを備えている。第2サポータ 1210は第1サポータ1110と同様に剛性素材と柔軟 素材とが組み合わせられて構成され、大腿部 の前側および後側のそれぞれに装着される。 第2リンク部材1220は硬質樹脂により大腿部の 側に沿って縦に伸びるように形成され、ア チュエータ15の出力軸に連結されている。 ブ部材1240は硬質樹脂により第2リンク部材122 0から横方向に大腿部に沿って曲がりながら 腿部の前側および後側のそれぞれに伸びる うに形成され、第2サポータ1210に連結されて いる。第3装具1300は第3サポータ1310と、第3リ ク部材1320とを備えている。第3サポータ1310 人間Pの足に装着されるスリッパ状または靴 状に形成されている。第3リンク部材1320は硬 樹脂により下腿部の外側に沿って縦に伸び ように形成され、上端部において第1リンク 部材1120の下端部に可動に連結され、その下 部において第3サポータ1310に可動に連結また は固定されている。なお、第3装具1300は省略 れてもよい。

 股関節角度センサ11は人間Pの腰部の横に 置されるロータリエンコーダにより構成さ 、股関節角度に応じた信号を出力する。ア チュエータ15はモータにより構成され、減 機およびコンプライアンス機構のうち一方 たは両方を適宜備えている。バッテリ1000は 1装具1100に収納されており(たとえば、第1サ ポータ1110を構成する複数枚の布素材の間に 定されており)、アクチュエータ15および制 装置100等に対して電力を供給する。なお、 御装置100およびバッテリ1000のそれぞれは第2 装具1200や第3装具1300に取り付けられまたは収 納されていてもよいし、運動補助装置10とは 個に設置されてもよい。

 制御装置100は第1装具1100に収納されたコ ピュータと、このコンピュータのメモリま は記憶装置に格納されているソフトウェア により構成されている。制御装置100はバッ リ1000からアクチュエータ15への供給電力を 節することによりアクチュエータ15の動作ま たは出力トルクTを制御する。図2に示されて る制御装置100は、運動振動子測定要素110と 第2振動子生成要素140と、補助振動子生成要 素150とを備えている。各要素はそれぞれ別個 のCPU等により構成されていてもよく、共通の CPU等により構成されていてもよい。

 運動振動子測定要素110は股関節角度センサ1 1の出力に基づき、各股関節の角度を第2運動 動子φ 2 として測定する。第2運動振動子φ 2 は人間Pの周期運動に応じて周期的に変化し その変化パターンは振幅および位相(または 相の1回時間微分である角速度)により定義 れる。振動子を測定するとは、この振動子 周期的な変化パターンを測定することを意 する。

 第2振動子生成要素140は、運動振動子測定要 素110により測定された第2運動振動子φ 2 を入力振動信号として第2モデルに入力する とにより、出力振動信号として第2振動子ξ 2 を生成する。「第2モデル」は入力振動信号 基づき、固有角速度設定要素130により設定 れた第2固有角速度ω 2 に基づいて定まる角速度で変化する出力振動 信号を生成するモデルである。

 補助振動子生成要素150は、第2振動子生成要 素140により生成された第2振動子ξ 2 に基づき、運動補助装置10のアクチュエータ1 5により大腿部に与えられるトルクの変化パ ーンを定める補助振動子ηを生成する。

 前記構成の運動補助装置10による人間Pの 行運動の補助方法について説明する。

 運動振動子測定要素110は股関節角度センサ1 1の出力に基づき、人間Pの左右各股関節の角 を第2運動振動子φ 2 =(φ 2L 2R )として測定する(図3/S110)。なお、第2運動振 子φ 2 として、人間Pの周期運動に応じて周期的に 化する任意の変数が適当なセンサを用いて 定されてもよい。たとえば、第2運動振動子 2 として股関節、膝関節、足関節、肩関節、肘 関節等の任意の関節の角度や角速度、大腿部 、足平部、上腕部、手部、腰部の位置(人間P 重心を基準とした前後方向の位置または上 方向の位置など)、速度や加速度の変化パタ ーンが測定されてもよい。さらに、左右の脚 体の着床するときに生じる音、呼吸音、意図 的な発音等、歩行運動リズムと連関したリズ ムで変動する種々のパラメータの変化パター ンが第2運動振動子φ 2 として測定されてもよい。

 また、第2振動子生成要素140が、運動振動子 測定要素110により測定された第2運動振動子φ 2 を入力振動信号として第2モデルに入力する とにより、出力振動信号として第2振動子ξ 2 =(ξ 2L+ 2L- 2R+ 2R- )を生成する(図3/S120)。第2モデルは各脚体の 曲方向(前方)への動きおよび伸展方向(後方) の動きを司る神経要素等、複数の第2要素の 相関関係を表現するモデルであり、前記のよ うに入力振動信号に基づき、固有角速度設定 要素により設定された第2固有角速度ω 2 に基づいて定まる角速度で変化する出力振動 信号を生成するモデルである。

 第2モデルはたとえば式(30)により表現され 連立微分方程式により定義される。この連 微分方程式には各大腿部の屈曲方向(前方)お よび伸展方向(後方)のそれぞれへの挙動状態( 振幅および位相により特定される。)を表現 る状態変数u={u i |i=L+,L-,R+,R-}と、各挙動状態の順応性を表現す るための自己抑制因子v={v i |i=L+,L-,R+,R-}とが含まれている。また、連立微 分方程式(30)には歩行周期ごとの大腿部の屈 運動の終了時点および大腿部の伸展運動の 了時点のそれぞれにおける左右の股関節角 の目標値ξ 0 に係る係数cが含まれている。調節装置14の調 節ボタン142の操作により時定数τ 1i および運動変数ζ i の目標値ζ 0i に係る係数c i の値が変更されうる。なお、調節装置14を通 て時定数τ 1i もしくは係数c i に加えてまたは代えて時定数τ 2 ={τ 2i |i=L+,L-,R+,R-}、相関係数w i/j 等の値が調節されてもよい。また、測定対象 となる第2運動振動子φ 2 の数が増やされてもよい。第2モデルに入力 れる第2運動振動子φ 2 が多くなるほど連立微分方程式における相関 項は多くなるが、当該相関係数の調節によっ て人間Pの身体の様々な部分の動作状態の相 関係に鑑みて人間Pの周期運動が適切に補助 れうる。

 

  “τ 1i ”は状態変数u i の変化特性を規定する時定数であり、ω依存 を有する係数t(ω)と、定数γ=(γ L R )とを用いて式(31)により表現されるが、第2固 有角速度ω 2 に依存して変化する。

 

 “τ 2i ”は自己抑制因子v i の変化特性を規定する時定数である。“w i/j ” は人間Pの左右各脚体の屈曲方向および伸 展方向への動きを表わす状態変数u i およびu j の相関関係を第2振動子ξ 2 の各成分の相関関係(複数の第2要素の出力振 信号の相関関係)として表現するための負の 第2相関係数である。“λ L ”および“λ R ”は慣れ係数である。“K 2 ”は第2運動振動子φ 2 に応じたフィードバック係数である。

 “f 1 ”は正の係数cを用いて式(32)により定義され 第2固有角速度ω 2 の1次関数である。“f 2 ”は係数c 0 ,c 1 およびc 2 を用いて式(33)により定義される第2固有角速 ω 2 の2次関数である。

 

 

 第2振動子ξ 2i は、状態変数u i の値が閾値u th 未満である場合は0、状態変数u i の値が閾値u th 以上である場合はこのu i の値をとる。あるいは、第2振動子ξ 2i は、シグモイド関数fsによって定義されてい (式(30)参照)。これにより、左大腿部の前側 の挙動を表わす状態変数u L+ が大きくなると第2振動子ξ 2 の左/屈曲成分ξ 2L+ の振幅が左伸展側成分ξ 2L- よりも大きくなる。また、右大腿部の前側へ の挙動を表わす状態変数u R+ が大きくなると第2振動子ξ 2 の右/屈曲成分ξ 2R+ の振幅が右伸展側成分ξ 2R- の振幅よりも大きくなる。さらに、左大腿部 の後側への挙動を表わす状態変数u L- が大きくなると第2振動子ξ 2 の左伸展側成分ξ 2L- の振幅が左/屈曲成分ξ 2L+ よりも大きくなる。また、右大腿部の後側へ の挙動を表わす状態変数u R- が大きくなると第2振動子ξ 2 の右伸展側成分ξ 2R- の振幅が右/屈曲成分ξ 2R+ の振幅よりも大きくなる。脚体(大腿部)の前 または後方への動きは、たとえば、股関節 速度の極性によって識別される。脚体(大腿 部)の前方または後方への動きは、たとえば 股関節角速度の極性によって識別される。

 次に、補助振動子生成要素150が、第2振動子 生成要素140により生成された第2振動子ξ 2 に基づき、補助振動子η=(η L R )を設定する(図3/S130)。具体的には式(40)にし がって補助振動子ηが生成される。すなわち 、補助振動子ηの左成分η L は、第2振動子ξ 2 の左/屈曲成分ξ 2L+ および係数χ L+ の積と、左側伸展成分ξ 2L- および係数-χ L- の積との和として算定される。補助振動子η 右成分η R は、第2振動子ξ 2 の右/屈曲成分ξ 2R+ および係数χ R+ の積と、右側伸展成分ξ 2R- および係数-χ R- の積との和として算定される。

 

 そして、第1制御装置100により補助振動子η 基づいてバッテリ1000から左右のアクチュエ ータ15にそれぞれ供給される電流I=(I L ,I R )が調節される。電流Iは補助振動子ηに基づ 、たとえばI(t)=G 1 ・η(t)(G 1 :比例係数)と表現される。これにより、第1装 具1100および第2装具1200を介して運動補助装置 10から人間Pに与えられる、腰部(第1身体部分) に対して各大腿部(第2身体部分)を動かす力ま たは股関節回りのトルクT=(T L ,T R )が調節される(図3/S140)。トルクTは電流Iに基 き、たとえばT(t)=G 2 ・I(t)(G 2 :比例係数)と表現される。以降、前述の一連 処理が繰り返し実行される。なお、人間Pが 歩行運動を開始した後、2~3歩分の歩行運動を 完了するまでの期間において、大腿部が腰部 に対して適度に動かされるように運動補助装 置10の動作が前記制御方法とは無関係に制御 れてもよい。

 前記機能を発揮する運動補助装置10によ ば、アクチュエータ24が動作することにより 図4(a)(b)に示されているように第1装具1100に対 して第2装具1200が動かされ、第2装具1200の動 に追従して第3装具1300が動かされる。これに より、腰部(第1身体部分)に対する大腿部(第2 体部分)の周期的な動きに加え、大腿部の動 きに追従するように下腿部(第3身体部分)の動 きが補助される。

 また、第2モデル以外のモデルは用いられな いので、その分だけ第2振動子ξ 2 の生成に要する第1制御装置100の演算処理負 が軽減されうる。さらに、調節装置14のボタ ン142の操作を通じて、第2モデルを定義する 立微分方程式に含まれる時定数τ 1 ={τ 1i |i=L+,L-,R+,R-}および係数c={c i |i=L+,L-,R+,R-}のうち一部が調節される(式(30)参 )。そして、当該調節後の第2モデルにした って第2振動子ξ 2 が生成され、第2振動子ξ 2 に基づいて人間Pに与えられる周期的に変化 る出力トルクTが制御される(図3/S130,S140参照) 。これにより、演算処理負荷の軽減を図りな がら、人間Pの周期運動のスケールおよびリ ムのそれぞれを目標運動スケールおよび目 運動リズムのそれぞれに一致させるような がこの人間Pに与えられてその周期運動が補 される。また、状態変数u i の変化パターンを表す時定数τ 1i が調節されることにより、第2振動子ξ 2 の変化パターン(角速度)およびアクチュエー 15の出力トルクTの変化パターンが調節され 。このため、トルクTにより補助される人間 Pの運動リズムを目標運動リズムに近づける うにその周期運動が補助される。さらに、 動変数ζの目標値ζ 0 に係る係数c i が調節されることにより、第2振動子ξ 2 の振幅およびアクチュエータ15の出力トルクT の振幅が調節されうる。このため、人間Pの 動スケールを目標運動スケールに近づける うにその周期運動が補助されうる。

 なお、前記実施形態では人間Pの運動が補 助されているが、他の実施形態として猿、犬 、馬、牛等、人間以外の動物の歩行運動等が 補助されてもよい。

 前記実施形態では人間Pの歩行運動が補助 されるように運動補助装置10が構成されてい が(図1参照)、他の実施形態として人間Pのさ まざまな身体部分に装着されうるように第1 具1100、第2装具1200および第3装具1300の形状や 素材等が変更されることにより、歩行運動以 外のさまざま周期運動が補助されるように運 動補助装置10が構成されてもよい。たとえば 上腕部に対する前腕部の周期的な動きが補 されてもよい。さらに、人間Pの大腿部に対 する上腕部の周期的な動きが補助されてもよ い。

 前記実施形態では第2制御装置200により、 制御装置100の第2振動子生成要素140の演算処 結果を表わす出力信号に基づいて電気刺激 置20から人間Pに与えられる電気刺激のタイ ングが制御された。そのほか、第2制御装置2 00により、制御装置100の第1振動子生成要素120 や固有角速度設定要素130の演算処理結果を表 わす出力信号に基づいて電気刺激装置20から 間Pに与えられる電気刺激のタイミングが制 御されてもよい。また、股関節角度センサ11 出力信号や、人間Pに取り付けられた加速度 センサの、この人間Pの上下方向の加速度を わす出力信号の変化パターンに基づき、第2 御装置200により電気刺激装置20から人間Pに えられる電気刺激のタイミングが制御され もよい。当該センサの出力信号の変化パタ ンに基づいて人間Pの各脚体の着床状態およ び離床状態の遷移パターンが推定されうるの で、身体機能が低下している人間Pの周期運 状態に鑑みて適当な姿勢を維持させる観点 ら適切なタイミングおよび強弱でこの人間P 電気刺激が与えられうる。

 人間Pの歩行訓練に際して図5に示されて るように運動補助装置10のみならず、トレッ ドミル30およびリフタ(荷重軽減器具)50が用い られてもよい。人間Pはトレッドミル30のベー ス31の左右両側に設けられている手摺(荷重軽 減器具)32に両手でつかまることでこの手摺32 よってその体重の一部が支えられながら、 方に動くエンドレスベルト33の動きに逆ら て前方に進むように歩行運動する。エンド スベルト33は複数のローラに掛け回されてお り、当該ローラの一部の回転速度が制御され ることによりエンドレスベルと33の速度が制 される。また、人間Pはリフタ50により巻き り量が調節されるワイヤ52によりその体重 一部が支えられている。

 また、人間Pの歩行訓練に際して図6に示 れているような歩行器70が用いられてもよい 。人間Pは歩行器70のベース71の左右両側に設 られている手摺72に両手でつかまることで の手摺(荷重軽減器具)72によりその体重の一 が支持されている。ベース71は底に取り付 られている車輪の回転速度を制御しながら 人間Pの歩行運動に伴って移動することがで る。