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Title:
MOTOR CONTROL DEVICE, DRIVE DEVICE, AND HYBRID DRIVE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057741
Kind Code:
A1
Abstract:
When driving a motor, a primary side DC voltage is boosted to a secondary voltage by a converter (30c) and the voltage is converted into a 3-phase AC by an inverter (19) for supply to the motor (10m). A regeneration power of the motor is supplied to primary DC power sources (18, 21) via an inverse route. A secondary side target voltage which defines the secondary voltage to be applied to the inverter is decided according one of the following three regions: a first region where the motor is driven in a modulation mode for PWM electrical connection to at least two phases and weak field control is not performed; a third region where weak field control is performed in the modulation mode for PWM electric communication to at least two phases with a voltage smaller than a maximum voltage (Vmax) of the converter; and a second region where weak field control is performed in a 1-pulse mode for rectangular-wave electrical communication of all the phases with a voltage smaller than the maximum voltage of the converter. A converter control device (30v) decides the secondary voltage to be the secondary side target voltage.

Inventors:
SAHA SUBRATA (JP)
YOSHIDA TAKASHI (JP)
OGINO DAISUKE (JP)
IZAWA JIN (JP)
OONO YOSHINORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069857
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AW CO (JP)
SAHA SUBRATA (JP)
YOSHIDA TAKASHI (JP)
OGINO DAISUKE (JP)
IZAWA JIN (JP)
OONO YOSHINORI (JP)
International Classes:
B60L3/00; H02M3/155; B60L9/18; B60L50/16; H02P6/06; H02P6/08; H02P6/17; H02P6/28; H02P27/06; H02P27/08
Foreign References:
JP2005210772A2005-08-04
JP2006204050A2006-08-03
JP2007259538A2007-10-04
JP2006042482A2006-02-09
JP2006020399A2006-01-19
Other References:
See also references of EP 2164167A4
None
Attorney, Agent or Firm:
Vesta International Patent Office (Gifu-shi Gifu, 67, JP)
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Claims:
 1次側直流電源の出力を電動機に供給し、電動機の駆動を制御するインバータ;
 前記1次側直流電源の電圧を昇圧して2次電圧として前記インバータに給電する昇圧給電装置、および、前記インバータからの回生電力を前記1次側直流電源に逆給電する回生給電装置、を含むコンバータ;
 前記電動機の駆動が、少なくとも2相にPWM通電する変調モードで弱め界磁制御を行わない第1領城、前記コンバータの最大電圧より小さい電圧で少なくとも2相にPWM通電する変調モードで弱め界磁制御を行う第3領載、および、前記コンバータの最大電圧より小さい量圧で全相を矩形波通電する1pulseモードで弱め界磁制御を行う第2領城
、のいずれかに基づいて2次側目標電圧を決定する2次側目標電圧決定手段;
 前記2次電圧を、前記2次側目標電圧とするように、前記コンバータの昇圧給電手段および回生給電手段を制御するコンバータ制御手段;および、
 前記電動機の目標トルク、回転速度および前記2次電圧に基づいて、該電動機の出力トルクを前記目標トルクにするように、前記インバータを制御するモータ制御手段;
を備える電動機制御装置。
 前記2次側目標電圧決定手段は、前記第2領城において、前記電動機の目標トルクの上昇に応じて前記2次側目標電圧を上昇させる;請求項1に記哉の電動機制御装置。
 前記2次側目標電圧決定手段は、前記電動機の目標トルク毎に、前記第1領域は、前記電動機の回転速度の上昇に伴い第1勾配で上昇し、前記第3領域は、前記電動機の回転速度が弱め界磁制御を開始する第1回転速度以上で第1勾配とは異なる第3勾配で上昇し、前記第2領域は、前記電動機の回転速度が前記1pulseモードに切り換える第3回転速度以上で第3勾配とは異なる第2勾配で上昇する2次側目標電圧特性に基づいて、前記2次側目標電圧を決定する;請求項1又は2に記載の電動機制御装置。
 1次側直流電源の出力を電動機に供給し、電動機の駆動を制御するインバータ;
 前記1次側直流電源の電圧を昇圧して2次電圧として前記インバータに給電する昇圧給電装置、および、前記インバータからの回生電力を降圧して前記1次側直流電源に逆給電する回生給電装置、を含むコンバータ;
 前記電動機の目標トルク毎に、前記電動機の回転速度の上昇に応じて、少なくとも2相にPWM通電する変調モードで第1勾配で上昇し、弱め界磁制御を開始する第1回転速度で第1勾配とは異なる第3勾配に切換え、変調モードを全相を矩形波通電する1pulseモードに切換える第2回転速度で第3勾配とは異なる第2勾配に切換えて前記コンバータの最大電圧まで上昇する2次側目標電圧特性に基づいて、2次側目標電圧を導出する2次側目標電圧決定手段;
 前記2次電圧を、前記2次側日標電圧とするように、前記コンバータの昇圧給電手段および回生給電手段を制御するコンバータ制御手段;および、
 前記電動機の目標トルク、回転速度および前記2次電圧に基づいて、該電動機の出カトルクを前記目標トルクにするように、前記インバータを制御するモータ制御手段;
を備える電動機制御装置。
 前記第1勾配の傾きは第3勾配より大きく、前記第2勾配の傾きは前記第3勾配よりも大きい;請求項3又は4に記載の電動機制御装置。
 前記第2勾配は、前記第1勾配より小さい値である;請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電動機制御装置。
 前記モータ制御手段は、前記第3勾配の速度領域では、前記変調モードは2相変調とする;請求項3乃至6のいずれか1項に記載の電動機制御装置。
 前記2次側目標電圧特性は、目標トルクが大きいものほど2次側目標電圧が高いものである;請求項3乃至7のいずれか1項に記載の電動機制御装置。
 前記第3勾配は、目標トルクが大きいものほど大きい値である;請求項3乃至8のいずれか1項に記載の電動機制御装置。
 前記第1勾配は、弱め界磁制御を開始する前の3相変調又は2相変調のときの、前記コンバータの2次電圧に対する電動機目標電圧の比である変調比に基づいて決定される;請求項3乃至9のいずれか1項に記載の電動機制御装置。
 前記第2勾配は、1pulse変調モードで、前記コンバータの2次電圧に対する電動機目標電圧の比である変調比に基づいて決定される;請求項10に記載の電動機制御装置。
 前記3相変調又は2相変調のときの、前記コンバータの2次電圧に対する電動機目標電圧の比である変調比は、前記コンバータの2次電圧に対する電動機目標電圧の比である変調比より小さい;請求項11に記載の電動機制御装置。
 前記第3勾配は、同一目標トルクにおける第1回転速度から第2回転速度への速度上昇に対応して、前記第1回転速度に割り当てた2次電圧目標値から、前記第2回転速度に割り当てた2次側目標電圧に、2次側目標電圧を上げるものである;請求項4に記載の電動機制御装置。
 前記2次側目標電圧特性は、同一目標トルクに対して、力行用と回生用とがあり;前記2次側目標電圧決定手段は、目標トルクおよび回転速度に基づいて「力行」か「回生」かを判定して、「力行」であると力行用の2次側目標電圧特性に基づいて、「回生」であると回生用の2次側目標電圧特性に基づいて、前記電動機の回転速度に対応する2次側目標電圧を導出する;請求項4に記載の電動機制御装置。
 請求項1乃至14のいずれか1つに記載の電動機制御装置;および、該電動磯制御装置
の前記インバータによって給電される前記電動機であって、車輪を駆動する電動機;を備える駆動装置。
 車輪を駆動する第1電動機;
 燃料エンジンによって回転駆動される第2電動機;
 1次側直流電源の出力を第1電動機に供給し、第1電動機の駆動を制御する第1インバータ;
 前記1次側直流電源の出力を第2電動機に供給し、第2電動機の駆動を制御する第2インバータ;
 前記1次側直流電源の電力を昇圧して第1および第2インバータに給電する昇圧給電装置、および、第1および第2インバータからの回生電力を前記1次側直流電源に逆給電する回生給電装置、を含むコンバータ;
 第1電動機の駆動が、少なくとも2相にPWM通電する変調モードで弱め界磁制御を行わない第1領域、前記コンバータの最大電圧より少さい電圧で少なくとも2相にPWM通電する変調モードで弱め界磁制御を行う第3領城、および、前記コンバータの最大電圧より小さい電圧で全相を矩形波通電する1pulseモードで弱め界磁制御を行う第2領域、のいずれかに基づいて第1の2次側目標電圧を決定する第1の2次側目標電圧決定手段;
 第2電動機の目標トルク及び第2電動機の回転速度に応じて、第2電動機の効率運転に適切な第2の2次側目標電圧を導出する、第2の2次側目標電圧決定手段;
 前記コンバータが第1および第2インバータに与える2次電圧を、第1および第2の2次側目標電圧の高い方とするように、前記コンバータの昇圧給電手段および回生給電手段を制御するコンバータ制御手段;
 第1電動機の目標トルク、回転速度および前記2次電圧に基づいて、該電動機の出力トルクを前記目標トルクにするように、第1インバータを制御する第1モータ制御手段;および、
 第2電動機の目標トルク、回転速度および前記2次電圧に基づいて、該電動機の出カト
ルクを前記目標トルクにするように、第2インバータを制御する第2モータ制御手段;
を備えるハイブリッド駆動装置。
 車輪を駆動する第1電動機;
 燃料エンジンによって回転駆動される第2電動機;
 1次側直流電源;
 1次側直流電源の出力を第1電動機に供給し、第1電動機の駆動を制御する第1インバータ;
 前記1次側直流電源の出力を第2電動機に供給し、第2電動機の駆動を制御する第2インバータ;
 前記1次側直流電源の電力を昇圧して第1および第2インバータに給電する昇圧給電装置、および、第1および第2インバータからの回生電力を前記1次側直流電源に逆給電する回生給電装置、を含むコンバータ;
 第1電動機の目標トルク毎に、第1電動機の回転速度の上昇に応じて、少なくとも2相にPWM通電する変調モードで第1勾配で上昇し、弱め界磁制御を開始する第1回転速度で第1勾配より小さい勾配の第3勾配に切換え、変調モードを全相を矩形波通電する1pulseモードに切換える第2回転速度で第3勾配より大きい勾配の第2勾配に切換えて前記コンバータの最大電圧まで上昇する2次側目標電圧特性に基づいて、第1の2次側目標電圧を導出する、第1の2次側目標電圧決定手段;
 第2電動機の目標トルク及び第2電動機の回転速度に応じて、第2電動機の効率運転に適切な第2の2次側目標電圧を導出する、第2の2次側目標電圧決定手段;
 前記コンバータが第1および第2インバータに与える2次電圧を、第1および第2の2次側目標電圧の高い方とするように、前記コンバータの昇圧給電手段および回生給電手段
を制御するコンバータ制御手段;
 第1電動機の目標トルク、回転速度および前記2次電圧に基づいて、該電動機の出力トルクを前記目標トルクにするように、第1インバータを制御する第1モータ制御手段;お
よび、
 第2電動機の目標トルク、回転速度および前記2次電圧に基づいて、該電動機の出カトルクを前記目標トルクにするように、第2インバータを制御する第2モータ制御手段;
を備えるハイブリッド駆動装置。   
Description:
電動機制御装置,駆動装置および ハイブリッド駆動装置

 本発明は、インバータから電動機に給電 る電力およびその逆方向の回生電力を制御 る電動機制御装置に関し、特に、インバー が電動機に与える動作電圧および電圧制御 ードの制御に関する。本発明の電動機制御 置は例えば、電動機で車輪を駆動する電気 動車(EV)、および、該電動機に加えて燃料エ ンジンおよび該エンジンによって回転駆動さ れる発電機(電動機または発電動機と言われ こともある)を備えるハイブリッド電気自動 (HEV)に使用することができる。

 電気モータの回転速度が上昇するのに伴 てステータコイルに発生する逆起電力が上 し、これにともなってインバータからステ タコイルへの目標電流の供給が難しくなり 目標とするトルク出力が得られなくなる。 の場合、与えられたモータ目標トルクを実 するために算出したd軸電流idおよびq軸電流 iqを下げることにより、電力使用効率は低下 るが、より高い回転速度で目標トルクを出 することができる。これが弱め界磁制御と われている。

 特許文献1は、弱め界磁制御による電力損 失やシステム効率の低下をなくすために、弱 め界磁制御を省略し、インバータに印加する 動作電圧を高くする昇圧回路を備え、バッテ リ電圧がモータの目標動作に対して不足する ときは、昇圧回路からインバータに給電する モータ駆動制御装置を記載している。特許文 献2は、バッテリ電圧を昇圧する回路を備え 、モータの目標動作および速度起電力に対 する所要昇圧電圧を算出して、該昇圧電圧 なるように昇圧回路を制御するモータ駆動 御装置を記載している。特許文献3は、目標 転速度が基底回転速度Rbを越える領域にお て、弱め界磁損失と昇圧損失との和が最小 なる弱め界磁電流および昇圧比に、インバ タと昇圧回路を制御するモータ駆動制御装 を記載している。特許文献4は、昇圧回路で るコンバータの電力損失およびインバータ 電力損失をそれぞれ検出して、弱め界磁制 領域でのみ、両者が均衡するように、コン ータおよびインバータを制御し、弱め界磁 御領域外では、モータ駆動電圧が所定範囲 に入るように電流を制御する、モータ制御 置を記載している。

 たとえば昇圧機能を有する電気自動車(EV)或 いはハイブリッド電気自動車(HEV)において、 来の一態様では、弱め界磁電流による電力 失を低減するために、電動機を駆動するイ バータに印加するDCリンク電圧(コンバータ 昇圧後の電圧:コンバータの2次電圧)は、電 機の目標トルクと回転速度に対応して、弱 界磁電流を必要としない領域では3相PWM(SVpwm )又は2相PWM(Dpwm)とし、弱め界磁電流を必要と る領域でも、それが0(変調比Miが0.707一定で 圧制御モードがDpwm)となるように決定して た。たとえば、トルク一定の場合DCリンク電 圧が図6に示すように、回転速度ωの上昇に応 じて一定の傾きで上限値Vmaxに達するまで上 するように、2次側目標電圧Vuc * を決定していた。DCリンク電圧が上限値Vmaxに 達した後は、弱め界磁制御を行い、その後電 圧制御モードをDpwmから、全相矩形波通電の1p ulseモードに切り換えることが考えられる。

特開平10-66383号公報

特許第3746334号公報

特開2005-210772号公報

特開2003-33071号公報

 上記従来のDCリンク電圧の決定態様では 電動機の回転速度が高い領域においても、SV pwmやDpwmを使うことがあり、結果として損失 小さくできないという課題があった。

 本発明は、電動機の高速回転時の電力損 を低減することを目的とする。

 上記目的を達成するために本発明におい は、電動機の駆動が、少なくとも2相にPWM通 電する変調モードで弱め界磁制御を行わない 第1領域,コンバータの最大電圧(Vmax)より小さ 電圧で少なくとも2相にPWM通電する変調モー ドで弱め界磁制御を行う第3領域、および、 記コンバータの最大電圧より小さい電圧で 相を矩形波通電する1pulseモードで弱め界磁 御を行う第2領域(図4)、のいずれかに基づい 、インバータに印加する2次電圧を定める2 側目標電圧を決定する。これを実施する本 明の第1態様の電動機制御装置は、次の(1)項 ものである。

 (1)1次側直流電源(18,22)の出力を電動機(10m)に 供給し、電動機(10m)の駆動を制御するインバ タ(19m);
 前記1次側直流電源の電圧を昇圧して2次電 (Vuc)として前記インバータに給電する昇圧給 電装置(25,26,29)、および、前記インバータか の回生電力を前記1次側直流電源に逆給電す 回生給電装置(27)、を含むコンバータ(30c);
 前記電動機の駆動が、少なくとも2相にPWM通 電する変調モードで弱め界磁制御を行わない 第1領域,前記コンバータの最大電圧より小さ 電圧で少なくとも2相にPWM通電する変調モー ドで弱め界磁制御を行う第3領域、および、 記コンバータの最大電圧より小さい電圧で 相を矩形波通電する1pulseモードで弱め界磁 御を行う第2領域(図4)、のいずかに基づいて2 次側目標電圧(Vuc * m)を決定する2次側目標電圧決定手段(図3の5);
 前記2次電圧を、前記2次側目標電圧とする うに、前記コンバータの昇圧給電手段およ 回生給電手段を制御するコンバータ制御手 (30v);および、
 前記電動機の目標トルク(T * ),回転速度(ω)および前記2次電圧(Vuc)に基づい て、該電動機の出力トルクを前記目標トルク にするように、前記インバータを制御するモ ータ制御手段(30m);
を備える電動機制御装置。

 なお、理解を容易にするためにカッコ内 は、図面に示し後述する実施例の対応又は 当要素又は事項の符号を、例示として参考 でに付記した。以下も同様である。

 これによれば、第3領域(ω1~ω2)を介挿した ことにより、電圧制御モードを1pulseとする1pu lseモード領域を拡張することができる。1pulse モードではインバータでのスイッチングロス が少ないため、1pulseモードが拡張すると、高 回転速度の領域の電力損失が大幅に低くなる 。また、1pulseモードを適用することにより、 渦電流の発生が抑制され、その結果、鉄損も 減少する。

 (2)前記2次側目標電圧決定手段(図3の5)は、 記第2領域において、前記電動機の目標トル (T * )の上昇に応じて前記2次側目標電圧(Vuc * m)を上昇させる;上記(1)に記載の電動機制御装 置。

 (3)前記2次側目標電圧決定手段(図3の5)は、 記電動機の目標トルク(T * )毎に、前記第1領域(図4)は、前記電動機の回 速度の上昇に伴い第1勾配(k1)で上昇し、前 第3領域は、前記電動機の回転速度が弱め界 制御を開始する第1回転速度(ω1)以上で第1勾 配(k1)とは異なる第3勾配(k3)で上昇し、前記第 2領域は、前記電動機の回転速度が前記1pulse ードに切り換える第3回転速度(ω2)以上で第3 配とは異なる第2勾配(k2)で上昇する2次側目 電圧特性に基づいて、前記2次側目標電圧(Vu c * m)を決定する;上記(1)又は(2)に記載の電動機制 御装置。

 また、上記目的を達成するために本発明に いては、電動機の目標トルク(T * )に割り当てられた、少なくとも2相にPWM通電 る変調モードで回転速度(ω)の上昇に伴い、 急勾配の第1勾配(k1)で上昇し弱め界磁制御を 始する第1回転速度(ω1)で緩勾配の第3勾配(k3 )に切換わり、変調モードを全相を矩形波通 する1pulseモードに切り換える第2回転速度(ω2 )で第3勾配(k3)とは異なる第2勾配(k2)に切換わ 2次側目標電圧特性(図4)を用いて、前記電動 機(10m)の回転速度に対応する2次側目標電圧(Vu c * m)を導出する。すなわち、従来は同一目標ト クでは回転速度の上昇に伴い一定の急勾配 上昇させていた2次側目標電圧特性(図6)を、 図4に示すように、弱め界磁制御を開始する たりの回転速度で緩勾配である第3勾配(k3)に 切換え、電圧制御モードを1pulseモードとする あたりで、1pulseモード用の第2勾配(k2)に切り えるものとする。これを実施する本発明の 2態様の電動機制御装置は、次の(4)項のもの である。

 (4)1次側直流電源(18,22)の出力を電動機(10m)に 供給し、電動機の駆動(10m)を制御するインバ タ(19m);
 前記1次側直流電源の電圧を昇圧して2次電 (Vuc)として前記インバータに給電する昇圧給 電装置(25,26,29)、および、前記インバータか の回生電力を降圧して前記1次側直流電源に 給電する回生給電装置(27)、を含むコンバー タ(30c);
 前記電動機の目標トルク(T * )毎に、前記電動機の回転速度の上昇に応じ 、少なくとも2相にPWM通電する変調モードで 1勾配(k1)で上昇し、弱め界磁制御を開始す 第1回転速度(ω1)で第1勾配とは異なる第3勾配 (k3)に切換え、変調モードを全相を矩形波通 する1pulseモードに切り換える第2回転速度(ω2 )で第3勾配(k3)とは異なる第2勾配(k2)に切換え 前記コンバータの最大電圧(Vmax)まで上昇す 2次側目標電圧特性(図4)に基づいて、2次側 標電圧(Vuc * m)を導出する2次側目標電圧決定手段(図3の5);
 前記2次電圧(Vuc)を、前記2次側目標電圧(Vuc * m)とするように、前記コンバータ(30c)の昇圧 電手段(25,26,29)および回生給電手段(27)を制御 するコンバータ制御手段(30v);および、
 前記電動機の目標トルク,回転速度および前 記2次側目標電圧に基づいて、該電動機の出 トルクを前記目標トルクにするように、前 インバータを制御するモータ制御手段(30m);
を備える電動機制御装置。

 これによれば、第3勾配(k3)の2次側目標電 領域(ω1~ω2)を介挿したことにより、1pulseモ ド領域を拡張することができる。1pulseモー ではインバータでのスイッチングロスが少 いため、1pulseモードが拡張すると、高回転 度の領域の電力損失が大幅に低くなる。ま 、1pulseモードを適用することにより、渦電 の発生が抑制され、その結果、鉄損も減少 る。

 本発明の後述の実施例では、弱め界磁制 開始前の第1勾配(k1)>1pulseモードの第2勾配 (k2)>弱め界磁制御開始後の第3勾配(k3)、と ている。このようにすると、弱め界磁電流 が比較的に小さいPWM制御領域(第3勾配k3の領 )が拡張し、また、1pulseモード(第2勾配k2)の 域が拡大して、広い回転速度範囲でインバ タの電力損失の抑制効果が高い。

 (5)前記第1勾配(k1)の傾きは第3勾配(k3)より 大きく、前記第2勾配(k2)の傾きは前記第3勾配 よりも大きい;前記第2勾配は前記第3勾配より も急勾配である;上記(3)又は(4)に記載の電動 制御装置。

 (6)前記第2勾配(k2)は、第1勾配(k1)より小さ い値である;上記(3)乃至(5)のいずれか1項に記 の電動機制御装置。

 (7)前記モータ制御手段(30m)は、前記第3勾 (k3)の速度領域(ω1~ω2)では、前記変調モード は2相変調とする;上記(3)乃至(6)のいずれか1項 に記載の電動機制御装置。

 (8)前記2次側目標電圧特性(図4)は、目標トル クが大きいものほど2次側目標電圧(Vuc * m)が高いものである;上記(3)乃至(7)のいずれか 1項に記載の電動機制御装置。

 (9)前記第3勾配(k3)は、目標トルクが大き ものほど大きい値である;上記(3)乃至(8)のい れか1項に記載の電動機制御装置。

 (10)前記第1勾配(k1)は、弱め界磁制御を開始 る前の3相変調又は2相変調のときの、前記 ンバータの2次電圧(Vuc)に対する電動機目標 圧(Vm * )の比である変調比(Mi=Vm * /Vuc)を第1設定値(0.707)とする値である;上記(3) 至(9)のいずれか1項に記載の電動機制御装置 。

 (11)前記第2勾配(k2)は、1pulse変調モードで、 記コンバータの2次電圧(Vuc)に対する電動機 標電圧(Vm * )の比である変調比(Mi=Vm * /Vuc)を第2設定値(0.78)とする値である;上記(10) 記載の電動機制御装置。

 (12)前記3相変調又は2相変調のときの、前 コンバータの2次電圧に対する電動機目標電 圧の比である変調比は、前記コンバータの2 電圧に対する電動機目標電圧の比である変 比より小さい;上記(11)に記載の電動機制御装 置。

 (13)前記第3勾配(k3)は、同一目標トルクに ける第1回転速度から第2回転速度への速度 昇に対応して、第1回転速度(ω1)に割り当て 2次電圧目標値から、第2回転速度(ω2)に割り てた2次側目標電圧に、2次側目標電圧を上 るものである;上記(4)に記載の電動機制御装 。

 (14)前記2次側目標電圧特性(図4)は、同一目 トルクに対して、力行用と回生用とがあり; 記2次側目標電圧決定手段は、目標トルクお よび回転速度に基づいて「力行」か「回生」 かを判定して、「力行」であると力行用の2 側目標電圧特性に基づいて、「回生」であ と回生用の2次側目標電圧特性に基づいて、 記電動機の回転速度に対応する2次側目標電 圧(Vuc * m)を導出する;上記(4)に記載の電動機制御装置 。

 (15)上記(1)乃至(14)のいずれか1つに記載の 動機制御装置;および、該電動機制御装置の 前記インバータによって給電される前記電動 機であって、車輪を駆動する電動機;を備え 駆動装置。

 (16)車輪を駆動する第1電動機(10m);
 燃料エンジンによって回転駆動される第2電 動機(10g);
 1次側直流電源(18,22)の出力を第1電動機(10m) 供給し、第1電動機の駆動を制御する第1イン バータ(19m);
 前記1次側直流電源の出力を第2電動機(10g)に 供給し、第2電動機の駆動を制御する第2イン ータ(19g);
 前記1次側直流電源の電力を昇圧して第1お び第2インバータに給電する昇圧給電装置(25, 26,29)、および、第1および第2インバータから 回生電力を前記1次側直流電源に逆給電する 回生給電装置(27)、を含むコンバータ(30c);
 第1電動機(10m)の駆動が、少なくとも2相にPWM 通電する変調モードでPWM通電する変調モード で弱め界磁制御を行わない第1領域、前記コ バータの最大電圧より小さい電圧で少なく も2相にPWM通電する変調モードで弱め界磁制 を行う第3領域、および、前記コンバータの 最大電圧より小さい電圧で全相を矩形波通電 する1pulseモードで弱め界磁制御を行う第2領 、のいずれかに基づいて第1の2次側目標電圧 を決定する第1の2次側目標電圧決定手段;
 第2電動機(10g)の目標トルク及び回転速度に じて、第2電動機の効率運転に適切な第2の2 側目標電圧を導出する、第2の2次側目標電 決定手段;
 前記コンバータ(30c)が第1および第2インバー タ(19m)に与える2次電圧(Vuc)を、第1および第2 2次側目標電圧の高い方とするように、前記 ンバータ(30c)の昇圧給電装置(25,26,29)および 生給電装置(27)を制御するコンバータ制御手 段(30v);
 第1電動機の目標トルク,回転速度および前 2次電圧に基づいて、該電動機の出力トルク 前記目標トルクにするように、第1インバー タを制御する第1モータ制御手段(30m);および
 第2電動機の目標トルク,回転速度および前 2次電圧に基づいて、該電動機の出力トルク 前記目標トルクにするように、第2インバー タを制御する第2モータ制御手段(30g);
を備えるハイブリッド駆動装置。

 (17)車輪を駆動する第1電動機(10m);
 燃料エンジンによって回転駆動される第2電 動機(10g);
 1次側直流電源(18,22)の出力を第1電動機(10m) 供給し、第1電動機の駆動を制御する第1イン バータ(19m);
 前記1次側直流電源の出力を第2電動機(10g)に 供給し、第2電動機の駆動を制御する第2イン ータ(19g);
 前記1次側直流電源の電力を昇圧して第1お び第2インバータに給電する昇圧給電装置(25, 26,29)、および、第1および第2インバータから 回生電力を前記1次側直流電源に逆給電する 回生給電装置(27)、を含むコンバータ(30c);
 第1電動機(10m)の目標トルク(T * )毎に、第1電動機の回転速度の上昇に応じて 少なくとも2相にPWM通電する変調モードで第 1勾配(k1)で上昇し、弱め界磁制御を開始する 1回転速度(ω1)で第1勾配より小さい勾配の第 3勾配(k3)に切換え、変調モードを全相を矩形 通電する1pulseモードに切換える第2回転速度 (ω2)で第3勾配(k3)より大きい勾配の第2勾配(k2) に切換えて前記コンバータの最大電圧まで上 昇する2次側目標電圧特性(図4)に基づいて、 1の2次側目標電圧(Vuc * m)を導出する、第1の2次側目標電圧決定手段( 3の5);
 第2電動機(10g)の目標トルク及び第2電動機の 回転速度に応じて、第2電動機の効率運転に 切な第2の2次側目標電圧(Vuc * m)を導出する、第2の2次側目標電圧決定手段;
 前記コンバータ(30c)が第1および第2インバー タ(19m)に与える2次電圧(Vuc)を、第1および第2 2次側目標電圧の高い方とするように、前記 ンバータ(30c)の昇圧給電手段(25,26,29)および 生給電手段(27)を制御するコンバータ制御手 段(30v);
 第1電動機の目標トルク,回転速度および前 2次電圧に基づいて、該電動機の出力トルク 前記目標トルクにするように、第1インバー タを制御する第1モータ制御手段(30m);および
 第2電動機の目標トルク,回転速度および前 2次電圧に基づいて、該電動機の出力トルク 前記目標トルクにするように、第2インバー タを制御する第2モータ制御手段(30g);
を備えるハイブリッド駆動装置。

図1は、本発明の第1実施例の構成の概 を示すブロック図である。 図2は、図1に示すモータ制御装置30mの 能構成の概要を示すブロック図である。 図3は、図2に示すマイコンMPUの、モー 制御の概要を示すフローチャートである。 図4は、本発明で採用した2次側目標電 特性の概要を示すグラフである。 図5は、電圧制御モードの分布を示すグ ラフである。 図6は、従来の2次側目標電圧特性の概 を示すグラフである。

符号の説明

10m,10g:電気モータ
11~13:3相のステータコイル
14m~16m:電流センサ
17m,17g:レゾルバ
18:車両上のバッテリ
21:1次電圧センサ
22:1次側コンデンサ
23:2次側コンデンサ
24:2次電圧センサ
25:2次側電流センサ
25:リアクトル
26:スイッチング素子(昇圧用)
27:スイッチング素子(降圧用)
28,29:ダイオード
Vdc:1次電圧(バッテリ電圧)
Vuc:2次電圧(昇圧電圧)

 本発明の他の目的および特徴は、図面を 照した以下の実施例の説明より明らかにな う。

 図1に、本発明の第1実施例の概要を示す 制御対象電動機である電気モータ10mは、こ 実施例では、車両に搭載されており車輪を 転駆動するための永久磁石形同期電動機で って、ロータに永久磁石を内蔵したもので り、ステータにはU相,V相及びW相の3相コイル 11~13がある。電気モータ10mには、電圧型イン ータ19mが、車両上のバッテリ18の電力を供 する。電気モータ10mのロータに、ロータの 極位置を検出するためのレゾルバ17mのロー が連結されている。レゾルバ17mは、そのロ タの回転角を表すアナログ電圧(回転角信号) SGθmを発生し、モータ制御装置30mに与える。

 車両上の蓄電池であるバッテリ18には、 両上の電装部が電源オンのときには、1次側 ンデンサ22が接続されて、バッテリ18と共に 1次側直流電源を構成する。電圧センサ21が、 1次側コンデンサ22の電圧(車両上バッテリ18の 電圧)を表わす電圧検出信号Vdcをコンバータ 御装置30vに与える。この実施例では、電圧 ンサ21に、分圧抵抗を用いた。1次側直流電 の正極(+ライン)には、コンバータ30cのリア トル25の一端が接続されている。

 コンバータ30cには更に、該リアクトル25 他端と1次側直流電源の負極(-ライン)の間を ン,オフする昇圧用スイッチング素子である 昇圧用半導体スイッチ26,2次側コンデンサ23の 正極と前記他端との間をオン,オフする降圧 スイッチング素子である回生用半導体スイ チ27、および、各半導体スイッチ26,27に並列 接続された各ダイオード28,29がある。

 昇圧用半導体スイッチ26をオン(導通)にす ると1次側直流電源(18,22)からリアクトル25を してスイッチ26に電流が流れ、これによりリ アクトル25が蓄電し、スイッチ26がオフ(非導 )に切換るとリアクトル25がダイオード29を して2次側コンデンサ23に高圧放電する。す わち1次側直流電源の電圧よりも高い電圧を 起して2次側コンデンサ23を充電する。スイ チ26のオン,オフを繰り返すことにより、2次 側コンデンサ23の高圧充電が継続する。すな ち、高い電圧で2次側コンデンサ23が充電さ る。一定周期でこのオン,オフを繰り返すと 、オン期間の長さに応じてリアクトル25が蓄 する電力が上昇するので、該一定周期の間 オン時間(オンデューティ:該一定周期に対 るオン時間比)を調整することによって、す わちPWM制御によって、1次側直流電源18,22か コンバータ30cを介して2次側コンデンサ23に 電する速度(力行用の給電速度)を調整する とが出来る。

 回生用半導体スイッチ27をオン(導通)にす ると、2次側コンデンサ23の蓄積電力が、スイ ッチ27およびリアクトル25を通して、1次側直 電源18,22に与えられる(逆給電:回生)。この 合も、一定周期の間のスイッチ27のオン時間 を調整することによって、すなわちPWM制御に よって、2次側コンデンサ23からコンバータ30c を介して1次側直流電源18,22に逆給電する速度 (回生用の給電速度)を調整することができる

 電圧型インバータ19mは、6個のスイッチン グトランジスタTr1~Tr6を備え、ドライブ回路20 mが並行して発生する6連の駆動信号の各連に ってトランジスタTr1~Tr6をオン(導通)駆動し 、2次側コンデンサ23の直流電圧(コンバータ 30cの出力電圧すなわち2次電圧)を3連の、位相 差が2π/3の交流電圧、すなわち3相交流電圧に 変換して、電気モータ10mの3相(U相,V相,W相)の テータコイル11~13のそれぞれに印加する。 れにより電気モータ10mのステータコイル11~13 のそれぞれに各相電流iUm,iVm,iWmが流れ、電気 ータ10mのロータが回転する。PWMパルスによ トランジスタTr1~Tr6のオン/オフ駆動(スイッ ング)に対する電力供給能力を高くしかつ電 圧サージを抑制するために、インバータ19mの 入力ラインである、コンバータ30cの2次側出 ラインには、大容量の2次側コンデンサ23が 続されている。これに対して1次側直流電源 構成する1次側コンデンサ22は、小型かつ低 ストの小容量のものであり、1次側コンデン サ22の容量は、2次側コンデンサ23の容量より かなり小さい。電圧センサ24が、コンバー 30cの2次電圧Vucを検出してコンバータ制御装 30vに与える。電気モータ10mのステータコイ 11~13に接続した給電線には、ホールICを用い た電流センサ14m~16mが装着されており、それ れ、各相電流iUm,iVm,iWmを検出し電流検出信号 (アナログ電圧)を発生し、モータ制御装置30m 与える。

 図2に、モータ制御装置30mの機能構成を示 す。モータ制御装置30mは、本実施例では、マ イクロコンピュータ(以下マイコンと言う)MPU 主体とする電子制御装置であり、マイコンM PUと、ドライブ回路20m,電流センサ14m~16m,レゾ バ17m,1次電圧センサ21および2次電圧センサ24 との間の、図示しないインターフェイス(信 処理回路)を含み、さらに、マイコンと、前 車両上の図示しない車両走行制御システム メインコントローラとの間の、図示しない ンターフェイス(通信回路)も含む。

 図2を参照すると、レゾルバ17mが与える回 転角信号SGθmに基づいて、モータ制御装置30m のマイコンが、電気モータ10mのロータの回 角度(磁極位置)θmおよび回転速度(角速度)ωm を算出する。

 なお、正確にいうと、電気モータ10mのロ タの回転角度と磁極位置とは同一ではない 、両者は比例関係にあり比例係数が電気モ タ10mの磁極数pによって定まる。また、回転 速度と角速度とは同一ではないが、両者も比 例関係にあり比例係数が電気モータ10mの磁極 数pによって定まる。本書においては、回転 度θmは磁極位置を意味する。回転速度ωmは 速度を意味するが、回転速度を意味する場 もある。

 図示しない車両走行制御システムのメイン ントローラが、モータ目標トルクTM * mをモータ制御装置30mのマイコンに与える。 お、該メインコントローラは、前記車両の 速及びアクセル開度に基づいて車両要求ト クTO * mを算出し、該車両要求トルクTO * mに対応してモータ目標トルクTM * mを発生して、マイコンMPUに与える。マイコ MPUは、電気モータ10mの回転速度ωrpmをメイン コントローラに出力する。

 モータ制御装置30mのマイコンMPUは、トルク 令制限34によって、2次電圧の上限値Vmaxおよ び回転速度ωに対応する制限トルクTM * mmaxを制限トルクテーブル(ルックアップテー ル)から読み出して、目標トルクTM * mがTM * mmaxを超えていると、TM * mmaxを目標トルクT * に定める。TM * mmax以下のときには、モータ目標トルクTM * mを目標トルクT * に定める。このような制限を加えて生成した モータ目標トルクT * が、出力演算35に与えられる。

 なお、制限トルクテーブルは、2次電圧の上 限値Vmaxおよび回転速度範囲内の電圧の各値 アドレスとし、該各値で電気モータ10mに生 させることができる最大トルクを制限トル TM * mmaxとして書込んだメモリ領域であり、本実 例ではマイコンMPU内の図示しないRAMの1メモ 領域を意味する。制限トルクTM * mmaxは、2次電圧の上限値Vmaxが高いほど大きく 、低いほど小さい。また、回転速度ωが低い ど大きく、高いほど小さい。

 上記マイコン内には、該制限トルクテーブ のデータTM * mmaxを書込んだ不揮発性メモリがあり、マイ ンに動作電圧が印加されてマイコンが、自 および図1に示すモータ駆動システムを初期 する過程で、不揮発性メモリから読み出し RAMに書込む。マイコンにはその他の同様な ックアップテーブルが複数あり後に言及す が、これらも、制限トルクテーブルと同様 、不揮発性メモリにあった参照データが書 まれた、RAM上のメモリ領域を意味する。

 -2次側目標電圧算出-
 モータ制御装置30mのマイコンは、2次側目標 電圧算出において、目標トルクT * と回転速度ωに基づいて「力行」か「回生」 を判定して、「力行」であると「力行」グ ープ内の、「回生」であると「回生」グル プ内の、目標トルクT * に割り当てられた2次側目標電圧テーブルか 、電動機10mの回転速度ωに割り当てられた2 側目標電圧Vuc * mを読み出す。

 「力行」グループの各2次側目標電圧テー ブルは、図4に実線で示す2次側目標電圧特性 、回転速度に対応付けた2次側目標電圧値を 格納したルックアップテーブルである。「回 生」グループの各2次側目標電圧テーブルは 図4に点線で示す2次側目標電圧特性の、回転 速度に対応付けた2次側目標電圧値を格納し ルックアップテーブルである。

 高目標トルク領域(T6~T4)である第1領域の2 側目標電圧特性は、急勾配の略直線である 、低目標トルク領域(T3~T1)の2次側目標電圧 性は、3相変調(SVpwm)又は2相変調(Dpwm)で回転 度ωの上昇に伴い、急勾配の第1勾配k1で上昇 し、弱め界磁制御を開始する第1回転速度ω1 、第3領域の緩勾配の第3勾配k3に切換わり、 調モードすなわち電圧制御モードを、全相 矩形波通電する1pulseに切り換える第2回転速 度ω2で、第3勾配k3とは異なる、第2領域の第2 配k2に切換わるものである。

 第3勾配k3の第3領域は、目標トルクは大き いが、高回転速度領域でも弱め界磁電流の少 ない低回転速度に近い、3相変調又は2相変調 領域であり、トルク制御精度が高いが、弱 界磁電流による電力損失は小さい。第3勾配 k3は緩勾配にしているので、回転速度の上昇 対して2次側目標電圧の上昇量が小さく、そ の後の、1pulse領域での、2次側目標電圧の調 代の減縮は少ない。第3勾配k3の領域の次を1p ulseにすることにより、1pulse領域が拡大する 1pulseではインバータのスイッチングロスが ないので、1pulse領域の拡大により、電力損 が低下する。

 本実施例では、第3勾配k3の第3領域ω1~ω2 、2相変調とする。2相変調は3相変調よりも イッチングロスが少ないので、電力消費を 制する効果がある。本実施例ではまた、図4 示すように、第2領域の第2勾配k2は第3勾配k3 よりも急勾配とし、第2勾配k2は、第1領域の 1勾配k1より小さいとした。すなわち、k1>k2 >k3である。これにより、低トルク,高回転 度の領域において2次側目標電圧が上限値Vmax に到達するまでの回転速度範囲が高速度側に 拡大し、1pulseでの、2次電圧制御によるトル 制御領域を拡張している。すなわち低トル ,高速度領域でのトルク制御機能を拡張して る。

 各目標トルク宛の2次側目標電圧特性は、目 標トルクが大きいものほど2次側目標電圧Vuc * mが高く、第3勾配k3は、目標トルクが大きい のほど大きい値である。

 また、第1勾配k1は、弱め界磁制御を開始す 前のPWM制御(本実施例では2相変調)のときの コンバータ30cの2次側目標電圧Vuc * mに対する電動機目標電圧Vm * の比である変調比Mi=Vm * /Vuc * mを0.707(第1設定値)とする値であり、第2勾配k2 は、1pulse変調モードで、変調比Miを0.78(第2設 値)とする値であって、第3勾配k3は、同一目 標トルクにおける第1回転速度ω1から第2回転 度ω2への速度上昇に対応して、第1回転速度 ω1に割り当てた2次電圧目標値から、第2回転 度ω2に割り当てた2次側目標電圧に、2次側 標電圧を上げるものである。

 本実施例では、高トルク曲線にもとづいてd -q座標上の、目標トルクに対応するd軸電流id * およびq軸電流iq * を算出し、これらに基づいて各軸目標電圧vd * ,vq * を算出し、そしてこれらを3相の各相制御電 に変換するが、高トルク曲線は、「力行」 ものと「回生」のものとは、非対称(絶対値 同一の目標トルクに対して、id * ,iq * の値が相異)であるので、仮に、図6に示す各 標トルク宛一つの2次側目標電圧特性を「力 行」用と「回生」用に共用すると、トルク制 御精度が低下する。そこで本実施例では、絶 対値が同一の目標トルク宛ての2次側目標電 特性を、「力行」用と「回生」用の2つにし いる。図4に実線で示す2次側目標電圧特性 「力行」用、破線(点線)で示す2次側目標電 特性が「回生」用である。

 モータ制御装置30mのマイコンは、「出力 算」35において、電気モータ10mのロータに ける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方 向にq軸をそれぞれとった、公知のd-q軸モデ 上のベクトル制御演算、によるフィードバ ク制御を行う。そこで該マイコンは、電流 ンサ14m~16mの電流検出信号iUm,iVm,iWmをデジタ 変換して読込み、電流帰還演算にて、公知 固定/回転座標変換である3相/2相変換を用い 、固定座標上の3相電流値iUm,iVm,iWmを、回転 標上のd軸およびq軸の2相電流値idm,iqmに変換 する。

 1つのルックアップテーブルである第1高効 トルク曲線テーブルAが出力演算35にあり、 の第1高効率トルク曲線テーブルAには、モー タ速度ωmおよびモータ目標トルクT * mに対応付けられた、各モータ速度で各目標 ルクT * mを発生するための各d軸電流値idが書き込ま ている。

 d軸電流idおよびq軸電流iqの各値に対応して 気モータの出力トルクが定まるが、1つの回 転速度値に対して、すなわち同一のモータ回 転速度において、同一トルクを出力するため のid,iqの組合せが無数にあり、定トルクカー 上にある。定トルクカーブ上に、最も電力 用効率が高い(最低電力消費の)id,iqの組合せ があり、そこが高効率トルク点である。複数 のトルクカーブ上の高効率トルク点を連ねる 曲線が、高効率トルク曲線であって各回転速 度に対して存在する。モータの回転速度宛て の高効率トルク曲線上の、与えられたモータ 目標トルクT * mの位置のd軸電流idおよびq軸電流iqを目標電 値として電気モータ10mの付勢を行うことに り、目標トルクT * mを電気モータ10mが出力し、しかもモータ付 の電力使用効率が高い。

 本実施例では、高効率トルク曲線を、d軸 の値を表す第1高効率トルク曲線Aと、q軸の値 を表わす第2高効率トルク曲線Bの、2系統に分 け、しかも、第1高効率トルク曲線Aは、力行 域に適用するものと回生領域に適用するも を対にしたものとし、いずれもモータ回転 度と目標トルクに対するd軸目標電流を現す ものである。

 第1高効率トルク曲線テーブルAは、目標ト クT * mに宛てられた、最低電力消費で目標トルク 発生するためのd軸目標電流を書込んだメモ 領域であり、力行用の力行テーブルA1と、 生用の回生テーブルA2をあわせた1対で構成 れている。力行用と回生用のいずれのテー ルを用いるかは、電気モータの回転速度ωm 与えられる目標トルクT * mに基づいて、力行か回生かを判定し、判定 果に従って決定する。

 ただし、電気モータ10mの回転速度ωmが上昇 るのに伴ってステータコイル11~13に発生す 逆起電力が上昇し、コイル11~13の端子電圧が 上昇する。これにともなってインバータ19mか らコイル11~13への目標電流の供給が難しくな 、目標とするトルク出力が得られなくなる この場合、与えられたモータ目標トルクT * mを実現するために算出したq軸電流iqに加え 、磁束を減少させるようにd軸電流idを流す とによって、電力使用効率は低下するが、 り高い回転速度で目標トルクT * mを出力することができる。これが弱め界磁 御といわれている。d軸弱め界磁電流δidは、 界磁調整代演算により生成して、d軸電流指 を算出し、q軸電流指令を算出する。d軸弱め 界磁電流δidは、弱め界磁電流演算41が算出す る。その内容は後に説明する。

 マイコンMPAは、「出力演算」35の中のd軸電 指令の算出では、トルク指令制限によって 定した目標トルクT * mに対応して第1高効率トルク曲線テーブルAか ら読出したd軸電流値idから、d軸弱め界磁電 δidを減算して、d軸目標電流id * を算出する:
        id * =-id-δid ・・・(1)。

 q軸電流指令の算出では、出力演算35にあ 第2高効率トルク曲線テーブルBを用いる。 2高効率トルク曲線テーブルBは、高効率トル ク曲線の、q軸の値を表わす第2高効率トルク 線Bを更に、d軸弱め界磁電流δidと対のq軸弱 め界磁電流δiqを減算したq軸目標電流を表わ 曲線に補正し、補正後の第2高効率トルク曲 線Bのデータ、を格納したものである。

 第2高効率トルク曲線テーブルBは、目標ト クT * mおよびd軸弱め界磁電流δidに宛てられた、最 低電力消費で目標トルクを発生するためのd 目標電流、すなわち、補正後の第2高効率ト ク曲線Bの目標電流値、を書込んだメモリ領 域であり、これも、力行用の力行テーブルB1 、回生用の回生テーブルB2をあわせた1対で 成されている。力行用と回生用のいずれを いるかは、電気モータの回転速度ωmと目標 ルクT * mに基づいて、力行か回生かを判定し、判定 果にしたがって決定する。

 q軸電流指令の算出では、目標トルクT * mおよびd軸弱め界磁電流δidに宛てられたq軸 標電流iq * を、第2高効率トルク曲線テーブルBから読み してq軸電流指令とする。

 モータ制御装置30mのマイコンは、出力演算3 5にて、d軸目標電流id * とd軸電流idとの電流偏差δid、及びq軸目標電 iq * とq軸電流iqとの電流偏差δiqを算出し、各電 偏差δid,δiqに基づいて、比例制御及び積分 御(フィードバック制御のPI演算)を行う。す わち、電流偏差δidに基づいて比例成分の電 圧指令値を表す電圧降下Vzdp、及び積分成分 電圧指令値を表す電圧降下Vzdiを算出し、電 降下Vzdp,Vzdiを加算して、電圧降下Vzd
               Vzd=Vzdp+Vzdi ・・・(2)
を算出する。また、出力演算35は、回転速度 及びq軸電流iqを読み込み、回転速度ω、q軸 流iq及びq軸インダクタンスLqに基づいて、q 電流iqによって誘起される誘起電圧ed
              ed=ωm・Lq・iq    ・・ (3)
を算出するとともに、前記電圧降下Vzdから誘 起電圧edを減算し、出力電圧としてのd軸電圧 指令値vd *
            vd * =Vzd-ed
               =Vzd-ωm・Lq・iq ・・・( 4)
を算出する。さらに出力演算35は、電流偏差 iqに基づいて比例成分の電圧指令値を表す電 圧降下Vzqp、及び積分項分の電圧指令値を表 電圧降下Vzqiを算出し、電圧降下Vzqp,Vzqiを加 して、電圧降下Vzq
            Vzq=Vzqp+Vzqi
を算出する。さらに出力演算35は、回転速度 ,逆起電圧定数MIf,d軸電流idおよびd軸上のイ ダクタンスLdに基づいて、d軸電流idによって 誘起される誘起電圧eq
            eq=ωm(MIf+Ld・id) ・・・(5)
を算出するとともに、電圧降下Vzqに誘起電圧 eqを加算し、出力電圧としてのq軸電圧指令値 vq *
       vq * =Vzq+eq
          =Vzq+ωm(MIf+Ld・id) ・・・(6)
を算出する。

 次に、回転/固定座標変換である2相/3相変換 36にて、回転座標上の目標電圧vd * 及びvq * を、2相/3相変換に従って固定座標上の各相目 標電圧VU * ,VV * ,VW * に変換する。これは、電圧制御モードが3相 調であるときには、変調37を介してPWMパルス 発生器50に送る。電圧制御モードが3相変調で あるときには、変調37の2相変調38で3相変調モ ードの各相目標電圧VU * ,VV * ,VW * を2相変調のものに変換してPWMパルス発生器50 に送る。電圧モードが、全相を矩形波通電と する1pulseモードであるときには、変調37の1pul se変換で、3相変調モードの各相目標電圧VU * ,VV * ,VW * を各相矩形波通電とするものに変換してPWMパ ルス発生器50に与える。

 PWMパルス発生器50は、3相目標電圧VU * ,VV * ,VW * が与えられると、それら各値の電圧を出力す るための、キャリアクロック発生器46が与え 低周波数(5KHz)又は高周波数(7.5KHz)のクロッ に同期した該周波数(キャリア周波数)のPWMパ ルスMUm,MVm,MWmに変換して、図1に示されるドラ イブ回路20mに出力する。ドライブ回路20mは、 PWMパルスMUm,MVm,MWmに基づいて6連の駆動信号を 並行して発生し、各連の駆動信号で、電圧型 インバータ19mのトランジスタTr1~Tr6のそれぞ をオン/オフする。これにより、電気モータ1 0mのステータコイル11~13のそれぞれに、VU * ,VV * およびVW * が印加され、相電流iUm,iVmおよびIWmが流れる 2相変調モードの各相目標電圧が与えられる 、PWMパルス発生器は、2相はPWMパルスを発生 し残りの1相はオン又はオフ(定電圧出力)信号 とする。1pulse変調モードの各相目標電圧が与 えられると、各相を矩形波通電とする通電区 間信号を出力する。

 弱め界磁電流演算41は、弱め界磁制御のた のパラメータである実変調率飽和指標mを算 する。すなわち、d軸電圧指令値vd * 及びq軸電圧指令値vq * に基づいて、電圧飽和の程度を表す値として 、飽和判定指標m
         m=√(vd *2 +vq *2 )/Vuc ・・・(7)
を算出し、実変調率飽和判定指標mから、最 変調比閾値kvを減算して変調率偏差算定値δM
                  δM=m-kv   ・・・( 9)
を算出し、界磁調整代を算出する。なお、最 大変調比閾値kvは、2次側コンデンサ23の電圧V uc(電圧センサ24の電圧検出値)と電気モータの 回転速度ωmに基づいて算出している。

 界磁調整代の算出では、δMを積算し、積 値σδMが正の値を採る場合、積算値σδMに比 例定数を乗算して弱め界磁制御を行うための d軸弱め界磁電流δidを算出し、正の値に設定 、変調率偏差算定値δM又は積算値σδMが零 下の値を採る場合、前記調整値δidおよび積 値σδMを零にする。調整値δidは、d軸電流指 令の算出およびq軸電流指令の算出において 用する。

 「2相/3相変換」36は、2相/3相変換の過程で 動機目標電圧Vm * を算出する。Vm * =√(vd *2 +vq *2 )、である。この電動機目標電圧Vm * と2次側コンデンサ23の電圧Vuc(電圧センサ24の 電圧検出値)とから、変調制御42の変調比算出 43が、変調比Mi
Mi=Vm * /Vuc * m ・・・(10)
を算出する。

 変調モード決定44が、電動機10mの目標トル T * ,回転速度ωおよび変調比Miに基いて、変調モ ドを決定する。決定した変調モードに応じ 、該変調モードの各相目標電圧の出力を、 調37の中の選択40に指示する。

 図2に示すマイコンMPUには、CPUのほかに、 データを記録したり、各種のプログラムを記 録したりするためのRAM,ROMおよびフラッシュ モリが備わっており、ROM又はフラッシュメ リに格納されたプログラム,参照データおよ ルックアップテーブルをRAMに書き込んで、 プログラムに基づいて、図2に2点鎖線ブロ クで囲んで示す入力処理,演算および出力処 を行う。

 図3に、該プログラムに基づいてマイコンMPU (のCPU)が実行するモータ駆動制御MDCの概要を す。動作電圧が印加されるとマイコンMPUは 自身およびPWMパルス発生器50およびキャリ クロック発生器46ならびにドライブ回路20mの 初期化をおこなって、電動機10mを駆動するイ ンバータ19mを停止待機状態に設定する。そし て図示しない車両走行制御システムのメイン コントローラからのモータ駆動スタート指示 を待つ。モータ駆動スタート指示が与えられ ると、マイコンMPUは、「開始処理」(ステッ 1)によって、内部レジスタに電動機制御の初 期値を設定して、「入力読込み」(ステップ2) で、入力信号又はデータを読み込む。すなわ ち、メインコントローラが与える第1目標ト クTM * m,電流センサ14m~16mが検出した各相電流値iU,iV, iW、および、レゾルバ17mの回転角信号SG θm、 をデジタル変換により読込む。

 なお、以下においては、括弧内には、ス ップという語を省略して、ステップ番号の を記す。

 次にマイコンMPUは、読込んだ回転角信号SGθ (回転角データSGθ)に基づいて回転角度θおよ 回転速度ωを算出する(3)。この機能を図2上 は、角度,速度演算32として示した。次にマ コンMPUは、読み込んだモータ目標トルクTM * ,読込んだ直流電圧Vucおよび算出した回転速 ωに対応する制限トルクTM * maxを制限トルクテーブルから読み出して、読 み込んだモータ目標トルクTM * がTM * maxを超えていると、TM * maxを目標トルクT * に定める。TM * max以下のときには、読み込んだモータ目標ト ルクTM * を目標トルクT * に定める(4)。この機能を図2上には、トルク 令制限34として示した。

 次にマイコンMPUは、「2次側目標電圧算出」 (5)で、電動機10mが「力行」運転か「回生」運 転かを判定し、判定結果に対応してグループ を選択し、その中の、目標トルクT * に対応付けられている2次側目標電圧テーブ から、現在の回転速度ωに割り当てられてい る2次側目標電圧Vuc * mを読み出す。「2次側目標電圧算出」(5)の内 は、上述の、2次側目標電圧算出の内容と同 様である。次にマイコンMPUは、読込んだ3相 電流検出信号iU,IV,iWを、3相/2相変換により、 2相のd軸電流値idおよびq軸電流値に変換する( 6)。この機能を図2上には、電流帰還31として した。次にマイコンMPUは、d軸弱め界磁制御 を行うためのd軸弱め界磁電流δidを算出する( 7)。この機能を図2上には、弱め界磁電流演算 41として示した。

 「出力演算」(8)の内容は、上述の、図2に示 す出力演算35の内容と同様である。該「出力 算」(8)で算出したd-q軸の電圧目標値vd * ,vq * を、3相変調モードの各相目標電圧VU * ,VV * ,VW * に変換する(9)。このとき電動機目標電圧Vm * も算出する。つぎの「変調制御」(10)で、変 比Miを算出し(11)、変調比Mi,目標トルクT * および回転速度ωに基いて、変調モードを決 する(12)。

 図4に変調モードの区分の大要(概要)を示す 図4には目標トルクT * と回転速度ωをパラメータとして示すが、も 一つのパラメータとして変調比Miがある。 イコンMPUには、変調モード(3相変調,2相変調, 1pulse)および変調比に対応付けた変調閾値テ ブル(ルックアップテーブル)があり、各変調 閾値テーブルには、変調モード境界の閾値( 標トルク値および回転速度値)が格納されて る。「変調領域判定」(12)では、マイコンMPU は、現在の変調モード(3相変調,2相変調又は1p ulse)と変調比に対応する変調閾値テーブルを 択してそれから、閾値を読み出して、目標 ルクT * および回転速度を閾値と対比して、次に採用 すべき変調モードを決定する。

 次の「出力更新」(13)では、変調制御(10) 決定した変調モードの各相目標電圧をPWMパ ス発生器50に出力する。次に、次の繰返し処 理タイミングになるのを待ってから(14)、再 「入力読込み」(2)に進む。そして上述の「 力読込み」(2)以下の処理を実行する。次の 返し処理タイミングになるのを待っている に、システムコントローラから停止指示が ると、マイコンMPUはそこでモータ回転付勢 ための出力を停止する(15,16)。

 以上、車輪を回転駆動する電気モータ10m 動作を制御するモータ制御装置30mの制御機 を説明した。

 図1を再度参照する。車両上エンジンによ って回転駆動される電動機10gは、発電機又は 発電動機といわれることもあるが、本実施例 では、電動機10gは、エンジンを始動するとき にはエンジンを始動駆動する電気モータ(力 )であり、エンジンが始動するとエンジンに って回転駆動されて発電する発電機(回生) ある。この電動機10gを制御するモータ制御 置30gの機能および動作は、モータ制御装置30 mのものと同様であり、また、電動機10gに給 するインバータ19gの構成および動作は、イ バータ19mと同様である。モータ制御装置30g 構成および機能は、モータ制御装置30mと同 である。

 モータ制御装置30gに、エンジンを始動する きに図示しないメインコントローラから、 値の目標トルクTM * gが与えられ、モータ制御装置30gは、モータ 御装置30mの上述の制御動作と同様な制御動 を行う。エンジンが始動しその出力トルク 上昇するとメインコントローラが目標トル TM * gを、発電(回生)用の負値に切換える。これに よりモータ制御装置30gは、電動機10gの出力ト ルクが、負値の目標トルク(エンジンの目標 荷)となるように、インバータ19gを制御する この内容(出力制御演算)も、モータ制御装 30mの上述の出力制御演算と同様である。

 図1に示すコンバータ制御装置30vも、本実 施例では、マイコンを主体とする電子制御装 置であり、マイコンと、図示しないインター フェイス(信号処理回路)およびPWMパルス発生 を含み、さらに、マイコンと、前記車両上 図示しない車両走行制御システムのメイン ントローラとの間の、図示しないインター ェイス(通信回路)も含む。

 モータ制御装置30gは、レゾルバ17gが与える 転角信号SGθgに基づいて、電動機10gのロー の回転角度(磁極位置)θgおよび回転速度(角 度)ωgを算出する。そして、目標トルクTM * gと回転速度ωgに基づいて2次側目標電圧Vuc * g(第2の2次側目標電圧Vuc * g)を決定する。なお、2次側目標電圧Vuc * gは、低トルク、高回転となる頻度が小さい め、モータ制御装置30mの2次側目標電圧テー ルと異なり、弱め界磁制御を行わない第1領 城をコンバータの最大電圧まで設定し、2次 目標電圧Vuc * gがコンバータの最大電圧に達した後弱め界 制御を開始するように決定している。これ より、低回転、中回転時に弱め界磁制御を わないようにすることができるため、電力 用効率が向上して効率を向上させることが きる。ただし、電気モータ10mと同様に高回 時の効率を向上させる必要がある場合には モータ制御装置30mの2次側目標電圧テーブル 同様の特性に設定した2次側目標電圧テーブ ルに基づいて決定することもできる。コンバ ータ制御装置30vは、モータ制御装置30mが与え る2次側目標電圧Vuc * m(第1の2次側目標電圧Vuc * m)およびモータ制御装置30gが与える2次側目標 電圧Vuc * g(第2の2次側目標電圧Vuc * g)を読み込み、また、各センサ21,24が検出し いるバッテリ電圧Vdc,2次電圧Vucをデジタル変 換により読込む。つぎに、第1の2次側目標電 Vuc * mと第2の2次側目標電圧Vuc * gの内の高い方を目標電圧Vuc * に決定して、電圧センサ24が検出する電圧Vuc 目標電圧Vuc * になるように、昇圧用スイッチング素子42の ン/オフを制御するPWM信号Pvfおよび回生用( 圧用)スイッチング素子43のオン/オフを制御 るPWM信号Pvrを生成してドライブ回路20vに与 る。ドライブ回路20vが、PWM信号Pvf,Pvrに基づ いて半導体スイッチ26,27をオン,オフする。昇 圧が必要なときにはコンバータ30cの昇圧用ス イッチング素子42のオン/オフをPWM制御し、降 圧が必要なときにはコンバータ30cの回生用ス イッチング素子43のオン/オフをPWM制御する。 これら、昇圧用半導体スイッチ26と回生用半 体スイッチ27は、前者のオン期間に後者は フ、前者のオフ期間に後者がオンとなるよ に、相補的にスイッチングされる。