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Title:
MOTOR DRIVE APPARATUS, HYBRID DRIVE APPARATUS AND METHOD FOR CONTROLLING MOTOR DRIVE APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/101729
Kind Code:
A1
Abstract:
If any short-circuit failure occurs in an inverter (14), then a motor generator (MG2) is used to execute a safety driving. If the rotational speed of a motor generator (MG1) calculated from a detection value of a position sensor (22) exceeds a predetermined reference rotational speed during the safety driving, an MGECU (300) turns on all of the switching elements connected in parallel to a switching element in which a short-circuit failure occurs with respect to a power supply line. If the rotational speed is equal to or less than the reference rotational speed, the MGECU (300) turns on only the switching elements connected in series to the switching element in which the short-circuit failure occurs. In this way, any excessive currents can be prevented from occurring in the inverter (14) without restricting the safety driving.

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Inventors:
SHIMANA TOMOKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068538
Publication Date:
August 20, 2009
Filing Date:
October 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
SHIMANA TOMOKO (JP)
International Classes:
H02P5/74; B60K6/26; B60K6/445; B60L3/00; B60L15/20; B60L50/16; B60W10/08; B60W20/00
Foreign References:
JP2008011683A2008-01-17
JP2007244126A2007-09-20
JP2007245966A2007-09-27
JPH08182105A1996-07-12
JP2002051569A2002-02-15
JP2007028733A2007-02-01
JP2007287333A2007-11-01
JP2006170120A2006-06-29
JP2007245966A2007-09-27
JPH08182105A1996-07-12
JP2007244126A2007-09-20
Other References:
See also references of EP 2244370A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower 22nd Floor,2-7, Nakanoshima 2-chom, Osaka-shi Osaka 05, JP)
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Claims:
 共通の出力軸へ動力を出力可能に連結された複数の多相交流モータ(MG1,MG2)と、
 前記複数の多相交流モータ(MG1,MG2)にそれぞれ接続された複数の電力変換装置(14,31)と、
 前記複数の電力変換装置(14,31)を制御する制御装置(300)とを備え、
 前記複数の電力変換装置(14,31)の各々は、各々が、前記多相交流モータの各相コイルに接続される複数のアーム回路(15,16,17)を含み、
 前記複数のアーム回路(15,16,17)の各々は、第1および第2電源線間に前記各相コイルとの接続点を介して直列接続された第1および第2のスイッチング素子を有し、
 前記制御装置(300)は、
 前記複数の電力変換装置(14,31)のうちの第1の電力変換装置(14)の異常時に、前記第1の電力変換装置(14)と接続された第1の多相交流モータ(MG1)とは異なる第2の多相交流モータ(MG2)を用いた異常時運転を指示する異常制御手段と、
 前記異常時運転において、前記第2の多相交流モータ(MG2)の運転に伴なって、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流に基づいて、短絡故障したスイッチング素子を検出する短絡検出手段と、
 前記異常時運転において、前記短絡故障したスイッチング素子と前記接続点を介して直列接続されるスイッチング素子を導通させることにより、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流を制御する第1のモータ制御手段と、
 前記異常時運転において、電源線に対して前記短絡故障したスイッチング素子と並列接続されるスイッチング素子をすべて導通させることにより、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流を制御する第2のモータ制御手段と、
 前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数に応じて、前記第1のモータ制御手段および前記第2のモータ制御手段を選択的に設定する選択手段とを含む、モータ駆動装置。
 前記選択手段は、前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数が所定の基準回転数以下の場合には、前記第1のモータ制御手段を選択し、前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数が前記所定の基準回転数を超える場合には、前記第2のモータ制御手段を選択する、請求の範囲第1項に記載のモータ駆動装置。
 前記第1のモータ制御手段の実行時において、前記第1の多相交流モータ(MG1)は、前記第2の多相交流モータ(MG2)の運転に伴なって発生する制動トルクが、前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数が高くなるにつれて大きくなる第1の特性を有し、
 前記第2のモータ制御手段の実行時において、前記第1の多相交流モータ(MG1)は、前記第2の多相交流モータ(MG2)の運転に伴なって発生する制動トルクが、前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数が高くなるにつれて小さくなる第2の特性を有し、
 前記選択手段は、前記第1および第2の特性を予め有しており、前記第1の特性と前記第2の特性とで前記第1の多相交流モータに発生する制動トルクが一致するときの前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数を、前記所定の基準回転数に設定する、請求の範囲第2項に記載のモータ駆動装置。
 共通の出力軸へ動力を出力可能に連結された複数の多相交流モータ(MG1,MG2)と、
 前記複数の多相交流モータ(MG1,MG2)にそれぞれ接続された複数の電力変換装置(14,31)と、
 前記複数の電力変換装置(14,31)を制御する制御装置(300)とを備え、
 前記複数の電力変換装置(14,31)の各々は、各々が、前記多相交流モータの各相コイルに接続される複数のアーム回路(15,16,17)を含み、
 前記複数のアーム回路(15,16,17)の各々は、第1および第2電源線間に前記各相コイルとの接続点を介して直列接続された第1および第2のスイッチング素子を有し、
 前記制御装置(300)は、
 前記複数の電力変換装置(14,31)のうちの第1の電力変換装置(14)の異常時に、前記第1の電力変換装置(14)と接続された第1の多相交流モータ(MG1)とは異なる第2の多相交流モータ(MG2)を用いた異常時運転を指示する異常制御部と、
 前記異常時運転において、前記第2の多相交流モータ(MG2)の運転に伴なって、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流に基づいて、短絡故障したスイッチング素子を検出する短絡検出部と、
 前記異常時運転において、前記短絡故障したスイッチング素子と前記接続点を介して直列接続されるスイッチング素子を導通させることにより、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流を制御する第1のモータ制御部と、
 前記異常時運転において、電源線に対して前記短絡故障したスイッチング素子と並列接続されるスイッチング素子をすべて導通させることにより、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流を制御する第2のモータ制御部と、
 前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数に応じて、前記第1のモータ制御部および前記第2のモータ制御部を選択的に設定する選択部とを含む、モータ駆動装置。
 前記選択部は、前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数が所定の基準回転数以下の場合には、前記第1のモータ制御部を選択し、前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数が前記所定の基準回転数を超える場合には、前記第2のモータ制御部を選択する、請求の範囲第4項に記載のモータ駆動装置。
 前記第1のモータ制御部の実行時において、前記第1の多相交流モータ(MG1)は、前記第2の多相交流モータ(MG2)の運転に伴なって発生する制動トルクが、前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数が高くなるにつれて大きくなる第1の特性を有し、
 前記第2のモータ制御部の実行時において、前記第1の多相交流モータ(MG1)は、前記第2の多相交流モータ(MG2)の運転に伴なって発生する制動トルクが、前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数が高くなるにつれて小さくなる第2の特性を有し、
 前記選択部は、前記第1および第2の特性を予め有しており、前記第1の特性と前記第2の特性とで前記第1の多相交流モータに発生する制動トルクが一致するときの前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数を、前記所定の基準回転数に設定する、請求の範囲第5項に記載のモータ駆動装置。
 燃料の燃料によって作動するエンジン(ENG)と、
 第1のモータジェネレータ(MG1)と、
 動力を出力するための出力部材(118)と、
 前記出力部材(118)、前記エンジン(ENG)の出力軸および前記第1のモータジェネレータ(MG1)の出力軸を相互に連結する動力分割機構(PSD)と、
 前記出力部材(118)に連結された第2のモータジェネレータ(MG2)と、
 直流電源(140)と前記第1のモータジェネレータ(MG1)との間に接続されて、前記第1のモータジェネレータ(MG1)を駆動制御する第1のインバータ(14)と、
 前記直流電源(140)と前記第2のモータジェネレータ(MG2)との間に接続されて、前記第2のモータジェネレータ(MG2)を駆動制御する第2のインバータ(31)と、
 前記第1および第2のモータジェネレータ(MG1,MG2)の運転を制御する制御装置(300)とを備え、
 前記第1のインバータ(14)は、各々が、前記第1のモータジェネレータ(MG1)の各相コイルに接続される第1の複数のアーム回路(15,16,17)を含み、
 前記第2のインバータ(31)は、各々が、前記第2のモータジェネレータ(MG2)の各相コイルに接続される第2の複数のアーム回路(15,16,17)を含み、
 前記第1および第2の複数のアーム回路(15,16,17)の各々は、第1および第2電源線間に前記各相コイルとの接続点を介して直列接続された第1および第2のスイッチング素子を有し、
 前記制御装置(300)は、
 前記第1のインバータ(14)の異常時に、前記第2のモータジェネレータ(MG2)を用いた異常時運転を指示する異常制御手段と、
 前記異常時運転において、前記第2のモータジェネレータ(MG2)の運転に伴なって、前記第1のインバータ(14)を流れる電流に基づいて、短絡故障したスイッチング素子を検出する短絡検出手段と、
 前記異常時運転において、前記短絡故障したスイッチング素子と前記接続点を介して直列接続されるスイッチング素子を導通させることにより、前記第1のインバータ(14)を流れる電流を制御する第1のモータ制御手段と、
 前記異常時運転において、電源線に対して前記短絡故障したスイッチング素子と並列接続されるスイッチング素子をすべて導通させることにより、前記第1のインバータ(14)を流れる電流を制御する第2のモータ制御手段と、
 前記第1のモータジェネレータ(MG1)の回転数に応じて、前記第1のモータ制御手段および前記第2のモータ制御手段を選択的に設定する第1の選択手段とを含む、ハイブリッド駆動装置。
 前記第1の選択手段は、前記第1のモータジェネレータ(MG1)の回転数が所定の基準回転数以下の場合には、前記第1のモータ制御手段を選択し、前記第1のモータジェネレータ(MG1)の回転数が前記所定の基準回転数を超える場合には、前記第2のモータ制御手段を選択する、請求の範囲第7項に記載のハイブリッド駆動装置。
 前記異常制御手段は、前記第2のインバータ(31)の異常時に、前記エンジン(ENG)および前記第1のモータジェネレータ(MG1)を用いた異常時運転を指示し、
 前記短絡検出手段は、前記異常時運転において、前記第1のモータジェネレータ(MG1)の運転に伴なって、前記第2のインバータ(31)を流れる電流に基づいて、短絡故障したスイッチング素子を検出し、
 前記制御装置(300)は、
 前記異常時運転において、前記短絡故障したスイッチング素子と前記接続点を介して直列接続されるスイッチング素子を導通させることにより、前記第2のインバータ(31)を流れる電流を制御する第3のモータ制御手段と、
 前記異常時運転において、電源線に対して前記短絡故障したスイッチング素子と並列接続されるスイッチング素子をすべて導通させることにより、前記第2のインバータ(31)を流れる電流を制御する第4のモータ制御手段と、
 前記第2のモータジェネレータ(MG2)の回転数に応じて、前記第3のモータ制御手段および前記第4のモータ制御手段を選択的に設定する第2の選択手段とをさらに含む、請求の範囲第7項に記載のハイブリッド駆動装置。
 前記第2の選択手段は、前記第2のモータジェネレータ(MG2)の回転数が所定の基準回転数以下の場合には、前記第3のモータ制御手段を選択し、前記第2のモータジェネレータ(MG2)の回転数が前記所定の基準回転数を超える場合には、前記第4のモータ制御手段を選択する、請求の範囲第9項に記載のハイブリッド駆動装置。
 共通の出力軸へ動力を出力可能に連結された複数の多相交流モータ(MG1,MG2)と、前記複数の多相交流モータ(MG1,MG2)にそれぞれ接続された複数の電力変換装置(14,31)とを含むモータ駆動装置の制御方法であって、
 前記複数の電力変換装置(14,31)の各々は、各々が、前記多相交流モータの各相コイルに接続される複数のアーム回路(15,16,17)を含み、
 前記複数のアーム回路(15,16,17)の各々は、第1および第2電源線間に前記各相コイルとの接続点を介して直列接続された第1および第2のスイッチング素子を有し、
 前記制御方法は、
 前記複数の電力変換装置(14,31)のうちの第1の電力変換装置(14)の異常時に、前記第1の電力変換装置(14)と接続された第1の多相交流モータ(MG1)とは異なる第2の多相交流モータ(MG2)を用いた異常時運転を指示するステップと、
 前記異常時運転において、前記第2の多相交流モータ(MG2)の運転に伴なって、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流に基づいて、短絡故障したスイッチング素子を検出するステップと、
 前記異常時運転において、前記短絡故障したスイッチング素子と前記接続点を介して直列接続されるスイッチング素子を導通させることにより、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流を制御するステップと、
 前記異常時運転において、電源線に対して前記短絡故障したスイッチング素子と並列接続されるスイッチング素子をすべて導通させることにより、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流を制御するステップと、
 前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数に応じて、前記短絡故障したスイッチング素子と前記接続点を介して直列接続されるスイッチング素子を導通させることにより、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流を制御するステップと、前記電源線に対して前記短絡故障したスイッチング素子と並列接続されるスイッチング素子をすべて導通させることにより、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流を制御するステップとを選択的に設定するステップとを備える、モータ駆動装置の制御方法。
 前記選択的に設定するステップは、前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数が所定の基準回転数以下の場合には、前記短絡故障したスイッチング素子と前記接続点を介して直列接続されるスイッチング素子を導通させることにより、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流を制御するステップを選択し、前記第1の多相交流モータ(MG1)の回転数が前記所定の基準回転数を超える場合には、前記電源線に対して前記短絡故障したスイッチング素子と並列接続されるスイッチング素子をすべて導通させることにより、前記第1の電力変換装置(14)を流れる電流を制御するステップを選択する、請求の範囲第11項に記載のモータ駆動装置の制御方法。
Description:
モータ駆動装置およびハイブリ ド駆動装置ならびにモータ駆動装置の制御 法

 この発明は、モータ駆動装置およびハイ リッド駆動装置ならびモータ駆動装置の制 方法に関し、より特定的には、共通の出力 へ動力を出力可能に連結された複数のモー を含んで構成されたモータ駆動装置および イブリッド駆動装置ならびにモータ駆動装 の制御方法に関する。

 最近、環境に配慮した自動車として、ハ ブリッド自動車(Hybrid Vehicle)が注目されて る。ハイブリッド自動車は、従来のエンジ に加え、直流電源とインバータとインバー によって駆動されるモータとを動力源とす 自動車である。つまり、エンジンを駆動す ことにより動力源を得るとともに、直流電 からの直流電圧をインバータによって交流 圧に変換し、その変換した交流電圧により ータを回転することによって動力源を得る のである。

 このようなハイブリッド自動車の一種と て、たとえば特開2007-28733号公報(特許文献1) には、いわゆるパラレルハイブリッド車両が 開示される。パラレルハイブリッド車両では 、エンジンから出力された動力は、第1のモ タジェネレータを有する動力分割機構を介 ることにより、その一部が駆動軸に伝達さ 、残りの動力が第1のモータジェネレータに り電力として回生される。この電力は、バ テリ充電や、エンジン以外の動力源として 第2のモータジェネレータの駆動に用いられ る。

 しかしながら、このようなパラレルハイ リッド車両では、エンジンまたは第1のモー タジェネレータに異常が生じた場合には、エ ンジンを主動力源とした通常の車両走行が不 可能となる。このため、特許文献1には、エ ジンまたは第1のモータジェネレータの異常 に、二次電池の充電量に応じて決定された 能範囲の中で第2のモータジェネレータを用 いた退避運転を行なうことにより、退避運転 による移動距離を延ばす技術が開示されてい る。

 このような退避運転時においては、第1お よび第2のモータジェネレータが同一の出力 に連結されるため、第2のモータジェネレー の回転に伴なって第1のモータジェネレータ も回転する。このため、第1のモータジェネ ータに接続されたインバータ内に短絡故障 発生している場合は、退避運転時に、第1の ータジェネレータに発生した誘起電圧によ 、インバータ内に短絡電流が発生するおそ がある。

 そのため、特許文献1では、退避運転中に、 第1のモータジェネレータに接続されたイン ータを流れる電流が過大となった場合には 第2のモータジェネレータによる退避運転を 限する構成とする。これにより、過大な短 電流により、インバータ構成部品の耐熱温 を超える高温の発生によって、さらなる素 損傷が発生するのを防止している。

特開2007-28733号公報

特開2006-170120号公報

特開2007-245966号公報

特開平8-182105号公報

特開2007-244126号公報

 しかしながら、特許文献1のように、第1 モータジェネレータに接続されたインバー を流れる電流に応じて、第2のモータジェネ ータの運転を制限する構成では、過大な短 電流によるさらなる素子損傷の発生を防止 きる一方で、退避運転による移動距離の増 に限界が生じることになる。そのため、車 を安全な場所まで避難させることができな 可能性がある。

 したがって、異常発生時の車両の安全性 保障するフェイルセーフ機能をより一層充 させるためには、インバータの素子保護と 避運転による移動距離の増加との両立が求 られる。

 それゆえ、この発明は、かかる課題を解 するためになされたものであり、その目的 、共通の出力軸へ連結された複数のモータ 備えたモータ駆動装置およびハイブリッド 動装置において、1つのモータの異常発生時 に他のモータを用いた退避運転を実行する場 合において、異常モータに対応するモータ駆 動回路の素子保護と退避運転による移動距離 の増加とを両立することである。

 この発明のある局面に従えば、モータ駆 装置は、共通の出力軸へ動力を出力可能に 結された複数の多相交流モータと、複数の 相交流モータにそれぞれ接続された複数の 力変換装置と、複数の電力変換装置を制御 る制御装置とを備える。複数の電力変換装 の各々は、各々が、多相交流モータの各相 イルに接続される複数のアーム回路を含む 複数のアーム回路の各々は、第1および第2 源線間に各相コイルとの接続点を介して直 接続された第1および第2のスイッチング素子 を有する。制御装置は、複数の電力変換装置 のうちの第1の電力変換装置の異常時に、第1 電力変換装置と接続された第1の多相交流モ ータとは異なる第2の多相交流モータを用い 異常時運転を指示する異常制御部と、異常 運転において、第2の多相交流モータの運転 伴なって、第1の電力変換装置を流れる電流 に基づいて、短絡故障したスイッチング素子 を検出する短絡検出部と、異常時運転におい て、短絡故障したスイッチング素子と接続点 を介して直列接続されるスイッチング素子を 導通させることにより、第1の電力変換装置 流れる電流を制御する第1のモータ制御部と 異常時運転において、電源線に対して短絡 障したスイッチング素子と並列接続される イッチング素子をすべて導通させることに り、第1の電力変換装置を流れる電流を制御 する第2のモータ制御部と、第1の多相交流モ タの回転数に応じて、第1のモータ制御部お よび第2のモータ制御部を選択的に設定する 択部とを含む。

 好ましくは、選択部は、第1の多相交流モ ータの回転数が所定の基準回転数以下の場合 には、第1のモータ制御部を選択し、第1の多 交流モータの回転数が所定の基準回転数を える場合には、第2のモータ制御部を選択す る。

 好ましくは、第1のモータ制御部の実行時 において、第1の多相交流モータは、第2の多 交流モータの運転に伴なって発生する制動 ルクが、第1の多相交流モータの回転数が高 くなるにつれて大きくなる第1の特性を有す 。第2のモータ制御部の実行時において、第1 の多相交流モータは、第2の多相交流モータ 運転に伴なって発生する制動トルクが、第1 多相交流モータの回転数が高くなるにつれ 小さくなる第2の特性を有する。選択部は、 第1および第2の特性を予め有しており、第1の 特性と第2の特性とで第1の多相交流モータに 生する制動トルクが一致するときの第1の多 相交流モータの回転数を、所定の基準回転数 に設定する。

 この発明の別の局面に従えば、ハイブリ ド駆動装置は、燃料の燃料によって作動す エンジンと、第1のモータジェネレータと、 動力を出力するための出力部材と、出力部材 、エンジンの出力軸および第1のモータジェ レータの出力軸を相互に連結する動力分割 構と、出力部材に連結された第2のモータジ ネレータと、直流電源と第1のモータジェネ レータとの間に接続されて、第1のモータジ ネレータを駆動制御する第1のインバータと 直流電源と第2のモータジェネレータとの間 に接続されて、第2のモータジェネレータを 動制御する第2のインバータと、第1および第 2のモータジェネレータの運転を制御する制 装置とを備える。第1のインバータは、各々 、第1のモータジェネレータの各相コイルに 接続される第1の複数のアーム回路を含む。 2のインバータは、各々が、第2のモータジェ ネレータの各相コイルに接続される第2の複 のアーム回路を含む。第1および第2の複数の アーム回路の各々は、第1および第2電源線間 各相コイルとの接続点を介して直列接続さ た第1および第2のスイッチング素子を有す 。制御装置は、第1のインバータの異常時に 第2のモータジェネレータを用いた異常時運 転を指示する異常制御部と、異常時運転にお いて、第2のモータジェネレータの運転に伴 って、第1のインバータを流れる電流に基づ て、短絡故障したスイッチング素子を検出 る短絡検出部と、異常時運転において、短 故障したスイッチング素子と接続点を介し 直列接続されるスイッチング素子を導通さ ることにより、第1のインバータを流れる電 流を制御する第1のモータ制御部と、異常時 転において、電源線に対して短絡故障した イッチング素子と並列接続されるスイッチ グ素子をすべて導通させることにより、第1 インバータを流れる電流を制御する第2のモ ータ制御部と、第1のモータジェネレータの 転数に応じて、第1のモータ制御部および第2 のモータ制御部を選択的に設定する第1の選 部とを含む。

 好ましくは、第1の選択部は、第1のモー ジェネレータの回転数が所定の基準回転数 下の場合には、第1のモータ制御部を選択し 第1のモータジェネレータの回転数が所定の 基準回転数を超える場合には、第2のモータ 御部を選択する。

 好ましくは、異常制御部は、第2のインバ ータの異常時に、エンジンおよび第1のモー ジェネレータを用いた異常時運転を指示す 。短絡検出部は、異常時運転において、第1 モータジェネレータの運転に伴なって、第2 のインバータを流れる電流に基づいて、短絡 故障したスイッチング素子を検出する。制御 装置は、異常時運転において、短絡故障した スイッチング素子と接続点を介して直列接続 されるスイッチング素子を導通させることに より、第2のインバータを流れる電流を制御 る第3のモータ制御部と、異常時運転におい 、電源線に対して短絡故障したスイッチン 素子と並列接続されるスイッチング素子を べて導通させることにより、第2のインバー タを流れる電流を制御する第4のモータ制御 と、第2のモータジェネレータの回転数に応 て、第3のモータ制御部および第4のモータ 御部を選択的に設定する第2の選択部とをさ に含む。

 好ましくは、第2の選択部は、第2のモー ジェネレータの回転数が所定の基準回転数 下の場合には、第3のモータ制御部を選択し 第2のモータジェネレータの回転数が所定の 基準回転数を超える場合には、第4のモータ 御部を選択する。

 この発明の別の局面に従えば、共通の出 軸へ動力を出力可能に連結された複数の多 交流モータと、複数の多相交流モータにそ ぞれ接続された複数の電力変換装置とを含 モータ駆動装置の制御方法であって、複数 電力変換装置の各々は、各々が、多相交流 ータの各相コイルに接続される複数のアー 回路を含み、複数のアーム回路の各々は、 1および第2電源線間に各相コイルとの接続 を介して直列接続された第1および第2のスイ ッチング素子を有する。制御方法は、複数の 電力変換装置のうちの第1の電力変換装置の 常時に、第1の電力変換装置と接続された第1 の多相交流モータとは異なる第2の多相交流 ータを用いた異常時運転を指示するステッ と、異常時運転において、第2の多相交流モ タの運転に伴なって、第1の電力変換装置を 流れる電流に基づいて、短絡故障したスイッ チング素子を検出するステップと、異常時運 転において、短絡故障したスイッチング素子 と接続点を介して直列接続されるスイッチン グ素子を導通させることにより、第1の電力 換装置を流れる電流を制御するステップと 異常時運転において、電源線に対して短絡 障したスイッチング素子と並列接続される イッチング素子をすべて導通させることに り、第1の電力変換装置を流れる電流を制御 るステップと、第1の多相交流モータの回転 数に応じて、短絡故障したスイッチング素子 と接続点を介して直列接続されるスイッチン グ素子を導通させることにより、第1の電力 換装置を流れる電流を制御するステップと 電源線に対して短絡故障したスイッチング 子と並列接続されるスイッチング素子をす て導通させることにより、第1の電力変換装 を流れる電流を制御するステップとを選択 に設定するステップとを備える。

 好ましくは、選択的に設定するステップ 、第1の多相交流モータの回転数が所定の基 準回転数以下の場合には、短絡故障したスイ ッチング素子と接続点を介して直列接続され るスイッチング素子を導通させることにより 、第1の電力変換装置を流れる電流を制御す ステップを選択し、第1の多相交流モータの 転数が所定の基準回転数を超える場合には 電源線に対して短絡故障したスイッチング 子と並列接続されるスイッチング素子をす て導通させることにより、第1の電力変換装 置を流れる電流を制御するステップを選択す る。

 この発明によれば、共通の出力軸へ連結 れた複数のモータを備えたモータ駆動装置 よびハイブリッド駆動装置において、1つの モータの異常発生時に他のモータを用いた退 避運転を実行する場合において、異常モータ に対応するモータ駆動回路の素子保護と退避 運転による移動距離の増加とを両立すること ができる。

この発明の実施の形態に従うハイブリ ド駆動装置を備えたハイブリッド自動車10 概略構成を示すブロック図である。 図1に示したハイブリッド駆動装置の構 成を詳細に説明するブロック図である。 図2に示されたハイブリッド駆動装置電 気的な構成を示す回路図である。 短絡故障発生時に発生するインバータ 部の短絡電流を説明する図である。 この発明の実施の形態に従うMGECUにお る制御構造を示すブロック図である。 一相短絡制御の実行時に発生するイン ータ内部の短絡電流を説明する図である。 三相オン制御の実行時に発生するイン ータ内部の短絡電流を説明する図である。 三相オン制御の実行時に発生するモー 電流の出力波形を示す図である。 一相短絡制御および三相オン制御の実 時に発生するインバータ内部の短絡電流と ータジェネレータMG1の回転数との関係を示 図である。 一相短絡制御および三相オン制御の実 行時にモータジェネレータMG1に発生する引き ずりトルクとモータジェネレータMG1の回転数 との関係を示す図である。 この発明の実施の形態に従うハイブリ ッド駆動装置におけるMG1異常時の退避運転を 説明するフローチャートである。

符号の説明

 10 ハイブリッド自動車、13 電圧センサ 14,31 インバータ、15 U相アーム、16 V相アー ム、17 W相アーム、18~20 導電線、22,26 位置 ンサ、24,28 電流センサ、30 ディファレンシ ャルギヤ、32 モータ制御用相電圧演算部、34  インバータ用駆動信号変換部、36 インバー タ異常検出部、38 短絡素子検出部、40 駆動 、50 駆動輪、100 ハイブリッド駆動装置、1 14 ダンパ装置、118 出力部材、120c キャリア 、120s サンギヤ、120r リングギヤ、122r ロー タ、124 モータ軸、126 出力歯車、128 中間軸 、130 大歯車、132 小歯車、140 直流電源、200  HVECU、300 MGECU、C2 平滑用コンデンサ、D1~D6 ダイオード、ENG エンジン、MG1,MG2 モータジ ェネレータ、PM 磁石、PSD 動力分割機構、Q1~ Q6 スイッチング素子、SL アースライン、SR1, SR2 システムリレー、VL 電源ライン。

 以下、この発明の実施の形態について図 を参照して詳しく説明する。なお、図中同 符号は同一または相当部分を示す。

 図1は、この発明の実施の形態に従うハイ ブリッド駆動装置100を備えたハイブリッド自 動車10の概略構成を示すブロック図である。 お、ハイブリッド駆動装置100は、共通の出 軸へ動力を出力可能に連結された複数のモ タと、これら複数のモータにそれぞれ接続 れた複数のモータ駆動回路とを備えたモー 駆動回路の代表例として示されるものであ 。

 図1を参照して、ハイブリッド自動車10は ハイブリッド駆動装置100と、ディファレン ャルギヤ30と、駆動軸40と、駆動輪50とを備 る。

 ハイブリッド駆動装置100は、内部にエン ン(内燃機関)および2つのモータジェネレー を内蔵し、エンジンおよびモータジェネレ タの協調制御により出力を発生する。ハイ リッド駆動装置100の出力は、ディファレン ャルギヤ30を介して駆動軸40に伝達されて、 駆動輪50の回転駆動に用いられる。ディファ ンシャルギヤ30は、路面からの抵抗の差を 用して駆動輪50の左右間の回転差を吸収する 。

 図2は、図1に示したハイブリッド駆動装 100の構成を詳細に説明するブロック図であ 。

 図2を参照して、ハイブリッド駆動装置100 は、燃料の燃焼によって作動する内燃機関な どのエンジンENGと、そのエンジンENGの回転変 動を吸収するスプリング式のダンパ装置114と 、そのダンパ装置114を介して伝達されるエン ジンENGの出力をモータジェネレータMG1および 出力部材118に機械的に分配する遊星歯車式の 動力分割機構PSDと、出力部材118に回転力を加 えるモータジェネレータMG2とを備えている。

 エンジンENG、ダンパ装置114、動力分割機 PSD、およびモータジェネレータMG1は同軸上 おいて軸方向に並んで配置されており、モ タジェネレータMG2は、ダンパ装置114および 力分割機構PSDの外周側に同心に配設されて る。

 動力分割機構PSDは、シングルピニオン型 遊星歯車装置で、3つの回転要素としてモー タジェネレータMG1のモータ軸124に連結された サンギヤ120sと、ダンパ装置114に連結された ャリア120cと、モータジェネレータMG2のロー 122rと連結されたリングギヤ120rとを含む。

 出力部材118は、モータジェネレータMG2の ータ122rとボルトなどによって一体的に固設 されており、そのロータ122rを介して動力分 機構PSDのリングギヤ120rに連結されている。 力部材118には出力歯車126が設けられており 中間軸128の大歯車130および小歯車132を介し 傘歯車式のディファレンシャルギヤ30が減 回転させられて、図1に示した駆動輪50に動 が分配される。

 出力歯車126には、出力部材118からの出力 ロックするためのパーキングロックブレー 機構(図示せず)が設けられる。パーキング ックブレーキ機構は、運転者によるパーキ グポジション(Pポジション)選択時に、出力 車126をロックすることにより、ハイブリッ 駆動装置100からの駆動力出力を制限する。

 モータジェネレータMG1およびモータジェ レータMG2は、それぞれ、インバータ14およ インバータ31を介して、直流電源140に電気的 に接続されている。

 これらのモータジェネレータMG1,MG2は、直 流電源140からの電気エネルギーが供給されて 所定のトルクで回転駆動される回転駆動状態 と、回転制動(モータジェネレータ自体の電 的な制動トルク)により発電機として機能し 直流電源140に電気エネルギーを充電する充 状態と、モータ軸124やロータ122rが自由回転 することを許容する無負荷状態との間で動作 を切換えられる。

 HVECU(Electronic Control Unit)200は、予め設定 れたプログラムに従って信号処理を行なう とにより、運転状況に応じて、モータジェ レータMG1,MG2による走行モードを、モータ走 、充電走行やエンジン・モータ走行等の間 切換える。

 たとえばモータ走行では、ハイブリッド 動車10は、モータジェネレータMG1を無負荷 態とするとともにモータジェネレータMG2を 転駆動状態とし、そのモータジェネレータMG 2のみを動力源として走行する。また、充電 行では、モータジェネレータMG1を発電機と て機能させるとともにモータジェネレータMG 2を無負荷状態としてエンジンENGのみを駆動 源として走行しながら、モータジェネレー MG1によって直流電源140が充電される。

 あるいは、エンジン・モータ走行では、 ータジェネレータMG1を発電機として機能さ る一方で、エンジンENGおよびモータジェネ ータMG2の両方を動力源として走行しながら ータジェネレータMG1によって直流電源140が 電される。

 また、上記モータ走行時にモータジェネ ータMG2を発電機として機能させて回生制動 る回生制動制御や、車両停止時にモータジ ネレータMG1を発電機として機能させるとと にエンジンENGを作動させ、もっぱらモータ ェネレータMG1によって直流電源140を充電す 充電制御などもHVECU200によって行なわれる

 HVECU200は、各走行モードにおいて、所望 駆動力発生や発電が行なわれるように、各 ータジェネレータMG1,MG2のトルク指令値を発 する。また、エンジンENGは、車両停止時に 自動的に停止される一方で、その始動タイ ングは、運転状況に応じてHVECU200によって 御される。

 具体的には、発進時ならびに低速走行時 るいは緩やかな坂を下るとき等の軽負荷時 は、エンジン効率の悪い領域を避けるため 、エンジンENGを起動させることなく、モー ジェネレータMG2による駆動力で走行する。 して、一定以上の駆動力が必要な運転状態 なったときには、エンジンENGが始動される 但し、暖気等のためにエンジンENGの駆動が 要な場合には、エンジンENGは発進時に無負 状態で始動されて、所望の暖機が実現する でアイドリング回転数で駆動される。また 車両駐車時に上記充電制御を行なう場合に 、エンジンENGが始動される。

 図3は、図2に示されたハイブリッド駆動 置100の電気的な構成を示す回路図である。

 図3を参照して、ハイブリッド駆動装置100 は、直流電源140と、電圧センサ13と、システ リレーSR1,SR2と、平滑用コンデンサC2と、イ バータ14,31と、電流センサ24,28と、位置セン サ22,26と、MGECU300とをさらに備えている。

 直流電源140は、蓄電装置(図示せず)を含 で構成され、電源ラインVLおよびアースライ ンSLの間に直流電圧を出力する。たとえば、 流電源140を、二次電池および昇降圧コンバ タの組合せにより、二次電池の出力電圧を 換して電源ラインVLおよびアースラインSLに 出力する構成とすることが可能である。この 場合には、昇降圧コンバータを双方向の電力 変換可能なように構成して、電源ラインVLお びアースラインSL間の直流電圧を二次電池 充電電圧に変換する。

 システムリレーSR1は、直流電源140の正極 電源ラインVLとの間に接続され、システム レーSR2は、直流電源140の負極とアースライ SLとの間に接続される。システムリレーSR1,SR 2は、MGECU300からの信号SEによりオン/オフされ る。

 電源ラインVLおよびアースラインSLの間に は、平滑用コンデンサC2が接続されている。 圧センサ13は、平滑用コンデンサC2の両端の 電圧Vm(インバータ14,31の入力電圧に相当する 以下同じ。)を検出してMGECU300へ出力する。

 モータジェネレータMG1と接続されるイン ータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W アーム17とからなる。U相アーム15、V相アー 16およびW相アーム17は、電源ラインVLとアー スラインSLとの間に並列に設けられる。

 U相アーム15は、直列接続された電力用半 体スイッチング素子(以下、単にスイッチン グ素子とも称する)Q1,Q2からなる。V相アーム16 は、直列接続されたスイッチング素子Q3,Q4か なる。W相アーム17は、直列接続されたスイ チング素子Q5,Q6からなる。また、各スイッ ング素子Q1~Q6のコレクタ-エミッタ間には、 ミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイ ードD1~D6がそれぞれ接続されている。この実 施の形態におけるスイッチング素子としては 、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が 適用される。スイッチング素子Q1~Q6は、MGECU30 0からのスイッチング制御信号PWMI1に対応して オン・オフ制御、すなわちスイッチング制御 される。

 各相アームの中間点は、導電線(ワイヤハ ーネス)を介してモータジェネレータMG1の各 コイルの各相端に接続されている。すなわ 、モータジェネレータMG1は、3相の永久磁石 ータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が 性点に共通に接続されて構成される。U相コ イルの他端が導電線18を介してIGBT素子Q1,Q2の 間点に、V相コイルの他端が導電線19を介し IGBT素子Q3,Q4の中間点に、W相コイルの他端が 導電線20を介してIGBT素子Q5,Q6の中間点にそれ れ接続されている。

 導電線18~20の各々には、電流センサ24が介 挿されている。電流センサ24は、モータジェ レータMG1に流れる電流MCRT1を検出する。な 、U相、V相、W相のモータ電流Iu,Iv,Iw(瞬時値) 和は零であることから、2相に電流センサ24 配置することによって各相のモータ電流を 出する構成としてもよい。電流センサ24に る電流検出値MCRT1は、MGECU300へ送出される。

 モータジェネレータMG1には、回転子(図示 せず)の回転角を検出する位置センサ22がさら に配置される。位置センサ22によって検出さ た回転角は、MGECU300へ送出される。

 モータジェネレータMG2と接続されるイン ータ31は、インバータ14と同様の構成からな る。すなわち、インバータ31は、スイッチン 素子Q1~Q6と、ダイオードD1~D6とを含む。スイ ッチング素子Q1~Q6は、MGECU300からのスイッチ グ制御信号PWMI2に対応してオン・オフ制御( イッチング制御)される。

 モータジェネレータMG2は、モータジェネ ータMG1と同様に、U,V,W相の3つのコイルの一 が中性点に共通接続されて構成された3相の 永久磁石モータである。インバータ31の各相 ームの中間点は、導電線を介してモータジ ネレータMG2のU相コイル、V相コイルおよびW コイルとそれぞれ電気的に接続される。

 そして、インバータ31とモータジェネレ タMG2の各相コイルとを結ぶ導電線には、電 センサ24と同様の電流センサ28が介挿されて る。さらに、モータジェネレータMG2にも、 置センサ22と同様の位置センサ26が配置され る。電流センサ28による電流検出値MCRT2およ 位置センサによる検出値は、MGECU300へ送出さ れる。

 なお、MGECU300へは、電流センサ24,28および 位置センサ22,26の検出値の他にも、電圧セン 13によって検出された、各インバータ14,31へ の入力電圧Vm、および適宜設けられたセンサ( 図示せず)によって検出されたモータジェネ ータMG1,MG2のコイル端子間電圧等が入力され モータ駆動制御に用いられる。

 MGECU300は、図示しないHVECU200からモータジ ェネレータMG1の運転指令を受ける。この運転 指令には、モータジェネレータMG1の運転許可 /禁止指示や、トルク指令値TR1、回転数指令MR N1等が含まれる。MGECU300は、電流センサ24およ び位置センサ22の検出値に基づくフィードバ ク制御により、HVECU200からの運転指令に従 てモータジェネレータMG1が動作するように スイッチング素子Q1~Q6のスイッチング動作を 制御するスイッチング制御信号PWMI1を発生す 。

 たとえば、HVECU200によりモータジェネレ タMG1の運転指示が発せられている場合には MGECU300は、モータジェネレータMG1のトルク指 令値TR1に応じた各相モータ電流が供給される ように、電源ラインVLおよびアースラインSL の直流電圧をモータジェネレータMG1の各相 イルに印加される交流電圧に変換するため スイッチング制御信号PWMI1を発生する。

 また、モータジェネレータMG1の回生制動 には、MGECU300は、モータジェネレータMG1に って発電された交流電圧を電源ラインVLおよ びアースラインSL間の直流電圧に変換するよ に、スイッチング制御信号PWMI1を発生する これらの際に、スイッチング制御信号PWMI1は 、たとえば周知のPWM制御方式に従う、センサ 検出値を用いたフィードバック制御により生 成される。

 一方、MGECU300は、HVECU200からモータジェネ レータMG1の運転禁止指示が発せられた場合に は、インバータ14を構成するスイッチング素 Q1~Q6の各々がスイッチング動作を停止(すべ オフ)するように、スイッチング制御信号STP を生成する。

 さらに、MGECU300は、HVECU200からモータジェ ネレータMG2の運転指令を受けると、上述した モータジェネレータMG1の制御と同様に、電流 センサ28および位置センサ26の検出値に基づ フィードバック制御により、HVECU200からの運 転指令に従ってモータジェネレータMG2が動作 するように、スイッチング素子Q1~Q6のスイッ ング動作を制御するスイッチング制御信号P WMI2を発生する。

 また、MGECU300によって検知された、イン ータ14,31の異常に関する情報は、HVECU200に対 て送出される。HVECU200は、これらの異常情 をモータジェネレータMG1,MG2の運転指令へ反 することが可能なように構成されている。

 図2および図3に示した構成において、モ タジェネレータMG1,MG2は、本発明における「 数の多相交流モータ」に対応し、インバー 14,31は、本発明における「複数の電力変換 置」に対応する。また、MGECU300およびHVECU200 、本発明における「制御装置」に対応する

 (ハイブリッド自動車の退避運転)
 以上の構成からなるハイブリッド自動車10 おいて、モータジェネレータMG1に接続され インバータ14の異常によりモータジェネレー タMG1が使用不能である場合には、特許文献1 も記載されるように、エンジンENGおよびモ タジェネレータMG1の動作を停止して、モー ジェネレータMG2による動力を用いた「異常 運転」によってハイブリッド自動車10の「退 避運転」が実行可能である。

 このような退避運転時には、モータジェ レータMG1およびモータジェネレータMG2が動 分割機構PSDを介して互いに連結されている で、モータジェネレータMG2を運転(回転)す のに伴なって、モータジェネレータMG1も回 される。

 そして、図4に示すように、このような退 避運転時のモータジェネレータMG1の回転に伴 なって、その回転子に装着された磁石PMが回 する。これにより、モータジェネレータMG1 各相コイルに誘起電圧が発生する。

 図4には、オン状態を維持して制御不能と なる短絡故障がスイッチング素子Q1に発生し ケースが、インバータ14中の短絡故障の一 として示される。

 このようなケースでは、スイッチング制 信号STPにより、各スイッチング素子Q1~Q6の イッチング動作を停止(オフ状態)するように 制御しても、短絡故障したスイッチング素子 Q1を介した短絡経路が形成される。具体的に 、電源ラインVL~スイッチング素子Q1(短絡故 )~U相コイルを経由してU相モータ電流Iuが流 る。そして、U相モータ電流Iuは、モータジ ネレータMG1の中性点において、V相コイル~V アーム16の中間点~ダイオードD3~電源ラインV Lに至る経路Rt1と、W相コイル~W相アーム17の中 間点~ダイオードD5~電源ラインVLに至る経路Rt2 とに分岐される。このため、誘起電圧および 当該短絡経路の電気抵抗に応じた短絡電流が 発生する。

 ここで、モータジェネレータMG1の各相コ ルに発生する誘起電圧は、モータジェネレ タMG1の回転数に比例するので、退避運転時 おけるモータジェネレータMG2の回転数が上 すれば、モータジェネレータMG1に発生する 起電圧も高くなり、インバータ14中の短絡 流も増大する。短絡電流が過大となると、 ンバータ14の構成部品の耐熱温度を超える高 温の発生によって、さらなる素子損傷を発生 してしまう可能性がある。

 そのため、上述したように特許文献1では 、インバータ14内を流れる短絡電流のレベル 監視することによって、インバータ14内に 大な短絡電流が流れる場合には、モータジ ネレータMG2による退避運転を制限する制御 成とする。これにより、退避運転の実行に ってインバータ内にさらなる素子損傷が発 するのを防止する。

 しかしながら、このような制御構成では インバータの素子保護を図ることができる 方で、退避運転による移動距離の増加には 界が生じてしまう。そのため、車両を安全 場所まで避難させることができない可能性 ある。

 そこで、本実施の形態に従うハイブリッ 駆動装置100では、モータジェネレータMG1の 転数に応じて、インバータ14を構成するス ッチング素子Q1~Q6をスイッチング制御する構 成とする。かかる構成によれば、回転数の上 昇による短絡電流の増大が抑えられる。その 結果、インバータの素子保護と退避運転時の 移動距離の増加とを両立させることが可能と なる。

 以下に、本実施の形態に従うハイブリッ 駆動装置100における退避運転時のインバー のスイッチング制御を実現するための制御 造について説明する。

 (制御構造)
 図5は、この発明の実施の形態に従うMGECU300 おける制御構造を示すブロック図である。 5に示す各機能ブロックは、代表的にMGECU300 予め格納されたプログラムを実行すること 実現されるが、その機能の一部または全部 専用のハードウェアとして実装してもよい

 図5を参照して、MGECU300は、インバータ14 制御手段として、モータ制御用相電圧演算 32と、インバータ用駆動信号変換部34と、イ バータ異常検出部36と、短絡素子検出部38と を含む。なお、図示は省略するが、MGECU300は 図5と同様の構成からなるインバータ31の制 手段をさらに含む。

 モータ制御用相電圧演算部32は、HVECU200か らモータジェネレータMG1の運転指令としての トルク指令値TR1および回転数指令MRN1を受け 電圧センサ13からインバータ14の入力電圧Vm 受け、電流センサ24からモータジェネレータ MG1の各相に流れるモータ電流Iu,Iv,Iwを受ける そして、モータ制御用相電圧演算部32は、 れらの入力信号に基づいて、モータジェネ ータMG1の各相コイルに印加する電圧の操作 (以下、電圧指令とも称する)Vu*,Vv*,Vw*を演算 、その演算結果をインバータ用駆動信号変 部34へ出力する。

 インバータ用駆動信号変換部34は、モー 制御用相電圧演算部32からの各相コイルの電 圧指令Vu*,Vv*,Vw*に基づいて、実際にインバー 14のスイッチング素子Q1~Q6をオン・オフする ためのスイッチング制御信号PWMI1を生成し、 の生成したスイッチング制御信号PWMI1をイ バータ14へ送出する。

 これにより、各スイッチング素子Q1~Q6は スイッチング制御され、モータジェネレー MG1が指令されたトルクを出力するようにモ タジェネレータMG1の各相に流す電流を制御 る。このようにして、モータ電流MCRT1が制御 され、トルク指令値TR1に応じたモータトルク が出力される。

 インバータ異常検出部36は、モータジェ レータMG1の運転時においてインバータ14に発 生した異常を検知する。インバータ14の異常 知は、インバータ14のスイッチング素子Q1~Q6 に内蔵された自己保護回路からの過電流検知 信号OVCに基づいて行なわれる。

 具体的には、自己保護回路は、電流セン (または温度センサ)を含んで構成され、セ サ出力に過電流(または過熱)が検出されたこ とに応じて過電流検知信号OVCを出力する。イ ンバータ異常検出部36は、インバータ14から 電流検知信号OVCを受けると、スイッチング 子Q1~Q6の短絡故障による異常と判定し、その 判定した結果を示す異常信号FINVを生成する そして、インバータ異常検出部36は、その生 成した異常信号FINVをHVECU200および短絡素子検 出部38へ送出する。

 HVECU200は、異常信号FINVを受けると、モー ジェネレータMG2による退避運転を指示する このとき、HVECU200は、インバータ用駆動信 変換部34に対して、インバータ14を構成する イッチング素子Q1~Q6のスイッチング動作の 止指示を発する。

 これに応答して、インバータ用駆動信号 換部34は、スイッチング素子Q1~Q6のスイッチ ング動作を停止(オフ状態)するためのスイッ ング制御信号STPを生成してインバータ14へ 力する。これにより、インバータ14は運転停 止状態となる。

 短絡素子検出部38は、インバータ異常検 部36から異常信号FINVを受けると、電流セン 24によるインバータ14およびモータジェネレ タMG1間の各相電流の検出値Iu,Iv,Iwに基づき 異常が発生したインバータから短絡故障し スイッチング素子を検出する。このとき、 例として、短絡素子検出部38は、モータ電流 Iu,Iv,Iwの電流波形の各々について、定常運転 からのオフセット値を検出し、その検出し オフセット値の大きさと極性とに基づいて 短絡故障したスイッチング素子を検出する そして、短絡素子検出部38は、検出した短 故障したスイッチング素子を示す信号DEを生 成してインバータ用駆動信号変換部34へ送出 る。

 インバータ用駆動信号変換部34は、短絡 子検出部38から信号DEを受けると、位置セン 22の検出値から導出されるモータジェネレ タMG1の回転数Nmg1に応じて、スイッチング制 信号Ton1およびスイッチング制御信号Ton2の ずれか一方を発生する。

 詳細には、スイッチング制御信号Ton1は、 インバータ14を構成するスイッチング素子Q1~Q 6のうち、短絡故障したスイッチング素子と 列接続されるスイッチング素子のみをオン るように、スイッチング動作を制御する信 である。これにより、短絡故障したスイッ ング素子とこれに直列接続されるスイッチ グ素子とがオンされるため、これら2つのス ッチング素子により構成される相が短絡す 。以下では、このように短絡故障したスイ チング素子が所属する相を短絡させるため スイッチング制御を、単に「一相短絡制御 とも称する。

 これに対して、スイッチング制御信号Ton2 は、インバータ14を構成するスイッチング素 Q1~Q6のうち、短絡故障したスイッチング素 と電源ライン(またはアースライン)に対して 並列接続される全てのスイッチング素子をオ ンするように、スイッチング動作を制御する 信号である。これにより、電源ライン(また アースライン)に対して並列接続される三相 べてのスイッチング素子がオンされる。以 では、このように電源線に対して短絡故障 たスイッチング素子と並列接続されるスイ チング素子をオンさせるためのスイッチン 制御を、単に「三相オン制御」とも称する

 そして、インバータ用駆動信号変換部34 、位置センサ22の検出値から導出したモータ ジェネレータMG1の回転数Nmg1に応じて、一相 絡制御および三相オン制御を切り換えて実 する。以下に、各々のスイッチング制御の 細について説明する。

 図6は、一相短絡制御の実行時に発生する インバータ内部の短絡電流を説明する図であ る。

 図6を参照して、短絡故障がスイッチング 素子Q1に発生している場合には、スイッチン 制御信号Ton1により、スイッチング素子Q1と 列接続されるスイッチング素子Q2のみがオ される。その結果、U相アーム15が短絡され ため、U相モータ電流Iuの経路は、図4で述べ 経路Rt1,Rt2に加えて、電源ラインVL~U相アー 15の中間点~アースラインSLに至る新たな経路 Rt3が形成されることになる。これにより、短 絡故障したスイッチング素子Q1とダイオードD 3,D5との間で形成される短絡経路を流れる電 が低減される。このとき、各相モータ電流Iu ,Iv,Iwは、モータジェネレータMG1の正常運転時 と同様に、略同じ振幅からなる交流波形とな る。なお、後述するように、各相モータ電流 の振幅は、モータジェネレータMG1の回転数を 上昇させることによって大きくなる。

 図7は、三相オン制御の実行時に発生する インバータ内部の短絡電流を説明する図であ る。

 図7を参照して、図6と同様に短絡故障が イッチング素子Q1に発生している場合には、 スイッチング制御信号Ton2により、電源ライ VLに対してスイッチング素子Q1と並列接続さ るスイッチング素子Q3,Q5のみがオンされる これにより、短絡故障したスイッチング素 Q1とダイオードD3,D5との間で形成される短絡 路に加えて、スイッチング素子Q3とダイオ ドD1,D5との間で形成される経路、およびスイ ッチング素子Q5とダイオードD1,D3との間で形 される経路が新たに形成されることになる

 図8は、三相オン制御の実行時に発生する モータ電流の出力波形を示す図である。なお 、図8の出力波形は、図7に示す回路構成にお てモータジェネレータMG1を所定の回転数で 転させたときに誘起されるモータ電流Iu,Iv,I wをシミュレーションすることにより得られ ものである。

 図8から明らかなように、モータ電流Iu,Iv, Iwは、略同じ振幅の交流波形を示している。 お、後述するように、モータ電流の振幅は モータジェネレータMG1の回転数を上昇させ ことによってもほとんど変化しないことが ミュレーション結果から得られている。

 図9は、一相短絡制御および三相オン制御 の実行時に発生するインバータ内部の短絡電 流とモータジェネレータMG1の回転数との関係 を示す図である。図9に示す関係は、図6およ 図7に示す回路構成において、それぞれ、モ ータジェネレータMG1を様々な回転数で回転さ せたときに、各回転数において誘起されるモ ータ電流Iu,Iv,Iwをシミュレーションすること より得られたものである。なお、図9におい て、ラインLN1は一相短絡制御を行なったとき の短絡電流を示し、ラインLN2は三相オン制御 を行なったときの短絡電流を示す。

 図9を参照して、一相短絡制御の実行時に は、インバータ14内を流れる短絡電流は、モ タジェネレータMG1の回転数が上昇するにつ て増大する。これに対して、三相オン制御 実行時には、インバータ14内を流れる短絡 流は、相対的に低い回転数域では、モータ ェネレータMG1の回転数の上昇に伴なって増 するが、相対的に高い回転数域では、回転 の上昇によってもほとんど変化していない

 なお、三相オン制御の実行時において、 転数の上昇によっても短絡電流が増大しな のは、三相オン制御によって形成される短 経路の電気抵抗のうち、モータジェネレー MG1の各相コイルのインダクタンス成分が回 数の上昇に伴なって高くなることが一因と て挙げられる。

 さらに、図9からは、一相短絡制御の実行 時の短絡電流と三相オン制御の実行時の短絡 電流とは、相対的に低い所定の回転数におい て交差しており、当該所定の回転数を境とし て大小関係が反転していることが分かる。し たがって、図9に示した短絡電流とモータジ ネレータMG1の回転数との関係によれば、低 数域においては一相短絡制御を実行する一 で、高回転数域においては三相オン制御を 行する構成とすれば、インバータ14内を流れ る短絡電流が増大するのを効果的に抑制でき ることが分かる。

 その一方で、モータジェネレータMG1にお ては、モータジェネレータMG2の回転に伴な て回転することにより制動トルクが発生す 。この制動トルクは、モータジェネレータM G1の回転抵抗によって車両に作用する制動ト クであることから、以下では、「引きずり ルク」とも称する。そして、この引きずり ルクは、モータジェネレータMG1の回転数と 間に図10に示すような関係が成立する。

 図10は、一相短絡制御および三相オン制 の実行時にモータジェネレータMG1に発生す 引きずりトルクとモータジェネレータMG1の 転数との関係を示す図である。図10に示す関 係は、一相短絡制御および三相オン制御の各 々について、図9の短絡電流が流れていると にモータジェネレータMG1に発生する引きず トルクを、磁場解析を用いたシミュレーシ ンすることによって得られたものである。 お、引きずりトルクは、モータジェネレー MG1の力行制御時に生じるトルクと区別する めに負の値で表わされている。

 図10において、ラインLN3は一相短絡制御 行なったときの引きずりトルクを示し、ラ ンLN4は三相オン制御を行なったときの引き りトルクを示す。

 図10からは、一相短絡制御の実行時には モータジェネレータMG1の回転数が上昇する つれて、引きずりトルク(絶対値)が大きくな ることが分かる。これに対して、三相オン制 御の実行時には、引きずりトルクは、低回転 数域の所定の回転数において極値を有してお り、この所定の回転数から回転数が上昇する につれて、小さくなる傾向を示している。

 すなわち、一相短絡制御の実行時と三相 ン制御の実行時とでは、引きずりトルクは いに異なる特性を示しており、図中の所定 基準回転数Nthを境として、大小関係が反転 ている。これによれば、所定の基準回転数N thよりも低い回転数においては、三相オン制 を行なうことで、却って一相短絡制御の実 時よりも引きずりトルクを増加させてしま こととなる。特に、ハイブリッド自動車10 発進時には、引きずりトルクがモータジェ レータMG2の発生するトルクを上回ることに って、運転性が低下する可能性がある。

 したがって、モータジェネレータMG1の回 数が所定の基準回転数Nth以下となる場合に 、一相短絡制御を行なう一方で、回転数Nmg1 が所定の基準回転数Nthよりも高い場合には、 三相オン制御を行なう構成とすれば、モータ ジェネレータMG1の回転数に拘らず、引きずり トルクを小さく抑えることができる。

 さらに、図9に示した短絡電流とモータジ ェネレータMG1の回転数との関係に照らせば、 所定の基準回転数Nthよりも高い回転数域にお いては、過大な短絡電流の発生を防止するこ とが可能となる。

 実際には、再び図5を参照して、インバー タ用駆動信号変換部34は、短絡素子検出部38 ら信号DEを受けると、位置センサ22の検出値 らモータジェネレータMG1の回転数Nmg1を導出 し、その導出した回転数Nmg1が所定の基準回 数Nthを超えるか否かを判定する。このとき 回転数Nmg1が所定の基準回転数Nth以下である 合には、インバータ用駆動信号変換部34は 一相短絡制御を行なうためのスイッチング 御信号Ton1を発生する。その一方で、回転数N mg1が所定の基準回転数Nthを超える場合には、 インバータ用駆動信号変換部34は、三相オン 御を行なうためのスイッチング制御信号Ton2 を発生する。なお、所定の基準回転数Nthにつ いては、予め図10に示す関係をシミュレーシ ンすることで求めておくことができる。

 図11は、本発明の実施の形態に従うハイ リッド駆動装置におけるMG1異常時の退避運 を説明するフローチャートである。なお、 11に示す各ステップの処理は、MGECU300およびH VECU200が図5に示す各機能ブロックとして機能 ることで実現される。

 図11を参照して、インバータ異常検出部36 (図5)として機能するMGECU300は、モータジェネ ータMG1と接続されたインバータ14に異常が 生しているか否かを判定する(ステップS01)。 このとき、MGECU300は、スイッチング素子Q1~Q6 内蔵された自己保護回路からの過電流検知 号OCVを受けているか否かを判定する。イン ータ14から過電流検知信号OCVを受けていない 場合には、MGECU300は、インバータ14に異常が 生していないと判定し(ステップS01でNO判定) 退避運転を指示することなく(ステップS02) 退避運転に関する制御処理を終了する。

 一方、インバータ14から過電流検知信号OC Vを受けている場合には、MGECU300は、インバー タ14に異常が発生していると判定し(ステップ S01でYES判定)、異常信号FINVを発する。これに り、HVECU200は、モータジェネレータMG2によ 退避運転を指示する(ステップS03)。このとき 、HVECU200は、MGECU300に対して、インバータ14を 構成する各スイッチング素子Q1~Q6のスイッチ グ動作の停止指示を発する。これに応答し 、MGECU300からのスイッチング制御信号PWMI1は オフ状態とされる。

 さらに、短絡素子検出部38として機能す MGECU300は、異常信号FINVを受けると、電流セ サ24によるインバータ14およびモータジェネ ータMG1間の各相電流の検出値Iu,Iv,Iwに基づ 、異常が発生したインバータから短絡故障 たスイッチング素子を検出する(ステップS04) 。そして、短絡素子検出部38として機能するM GECU300は、検出した短絡故障したスイッチン 素子を示す信号DEを生成してインバータ用駆 動信号変換部34として機能するMGECU300へ送出 る。

 次に、インバータ用駆動信号変換部34と て機能するMGECU300は、短絡素子検出部38から 号DEを受けると、位置センサ22の検出値に基 づいてモータジェネレータMG1の回転数Nmg1を 得する(ステップS05)。そして、インバータ用 駆動信号変換部34として機能するMGECU300は、 転数Nmg1が所定の基準回転数Nthを超えるか否 を判定する(ステップS06)。

 回転数Nmg1が所定の基準回転数Nthを超える 場合(ステップS06においてYESの場合)には、イ バータ用駆動信号変換部34として機能するMG ECU300は、三相オン制御を実行する(ステップS0 7)。具体的には、MGECU300は、スイッチング制 信号Ton2を生成してインバータ14を構成する イッチング素子Q1~Q6へ出力する。これにより 、電源ライン(またはアースライン)に対して 絡故障したスイッチング素子と並列接続さ たスイッチング素子が全てオン状態とされ 。

 一方、回転数Nmg1が所定の基準回転数Nth以 下となる場合(ステップS06においてNOの場合) は、インバータ用駆動信号変換部34として機 能するMGECU300は、一相短絡制御を実行する(ス テップS08)。具体的には、MGECU300は、スイッチ ング制御信号Ton1を生成してインバータ14を構 成するスイッチング素子Q1~Q6へ出力する。こ により、短絡故障したスイッチング素子と 列接続されたスイッチング素子がオン状態 される。

 そして、インバータ用駆動信号変換部34 して機能するMGECU300は、モータジェネレータ MG2による退避運転が継続されているか否かを 判定する(ステップS09)。退避運転が継続され いる場合(ステップS09においてYESの場合)に 、処理はステップS05に戻される。

 一方、退避運転が継続されていない場合( ステップS09においてNOの場合)には、MGECU300は 退避運転に関する制御処理を終了する。

 このような制御構成とすることにより、 避運転時におけるモータジェネレータMG2の 転数が上昇する場面においても、インバー 14内に過大な短絡電流が流れるのを防止す ことができる。これにより、インバータ内 素子損傷を発生させることなく、退避運転 よる移動距離を延ばすことができる。

 また、退避運転時におけるモータジェネ ータMG2の回転数が低い場面においては、モ タジェネレータMG2の回転に伴なってモータ ェネレータMG1に発生する引きずりトルクを さくすることができる。これにより、ハイ リッド自動車10の発進時において、引きず トルクがモータジェネレータMG2の発生する ルクを上回り、運転性の低下を抑制するこ ができる。

 なお、本実施の形態では、モータジェネ ータMG1と接続された電力変換装置であるイ バータ14に異常が発生したことにより、モ タジェネレータMG2を用いた退避運転を行な 場合について説明したが、モータジェネレ タMG2と接続された電力変換装置であるイン ータ31に異常が発生した場合においても、図 11に示したフローチャートと同様の処理を行 うことによって、エンジンENGおよびモータ ェネレータMG1を用いた退避運転の実行によ て、インバータ31内に過大な短絡電流が流 るのを防止しながら、退避運転による移動 離を延ばすことができる。

 また、本実施の形態では、動力分割機構 よって相互に連結された2つのモータを備え るハイブリッド自動車におけるモータ駆動装 置を例示したが、本発明の適用はこのような 形式に限定されるものでなく、退避運転に1 のモータを運転することによって他のモー がこれに伴なって回転される構成であれば いわゆる電気分配式等の任意の形式のハイ リッド駆動装置、ならびに、複数モータを えて構成されるハイブリッド駆動装置以外 モータ駆動装置に対しても適用可能である

 今回開示された実施の形態はすべての点 例示であって制限的なものではないと考え れるべきである。本発明の範囲は上記した 明ではなく、請求の範囲によって示され、 求の範囲と均等の意味および範囲内でのす ての変更が含まれることが意図される。

 この発明は、共通の出力軸へ動力を出力 能に連結された複数のモータを含んで構成 れたモータ駆動装置およびハイブリッド駆 装置に適用することができる。




 
Previous Patent: WO/2009/101696

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