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Patent Searching and Data


Title:
MOTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093443
Kind Code:
A1
Abstract:
A motor exhibiting an excellent calmness by reducing the “beating noise” occurring between a spindle for supporting the rotor and a bearing. An anti-output-side bearing (30) is constituted of a first bearing portion (301) for supporting a rotating member (rotor) (20) rotatably on a spindle (12), and a second bearing portion (302) for supporting the rotor (20) rotatably on the spindle (12) by means of an urging portion (302b) for urging the rotor (20) to the side of the center of rotation. Furthermore, the motor (1) includes a third bearing portion (35) formed at one end of the rotor (20) and supporting the rotor (20) rotatably on the spindle (12), the first bearing portion (301) provided at the other end of the rotor (20), a lubricant filling space (S) formed between the first bearing portion (301) and the third bearing portion (35) and filled with lubricant, and a second bearing portion (302) arranged in the lubricant filling space (S).

Inventors:
FUJIWARA MASASHI (JP)
HARA HIDE (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/000189
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 21, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIDEC SANKYO CORP (JP)
FUJIWARA MASASHI (JP)
HARA HIDE (JP)
International Classes:
H02K5/24; F16C17/02; F16C25/04; F16C33/10; H02K5/167
Foreign References:
JPS55117452A1980-09-09
JP2003324890A2003-11-14
JPS51158948U1976-12-17
JPS54155530U1979-10-29
JPH02127818U1990-10-22
JPH11196552A1999-07-21
JPH11332176A1999-11-30
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Claims:
 回転部材と、該回転部材に固定された軸受と、該軸受を介して前記回転部材が回転可能に支持される支軸とを備えたモータにおいて、前記軸受は、前記回転部材を前記支軸に対し回転可能に支持する第1の軸受部と、前記回転部材を回転中心側に付勢する付勢部によって前記支軸に対し回転可能に支持する第2の軸受部で構成されており、前記回転部材の一方の端部には前記支軸に対し回転可能に前記回転部材を支持する第3の軸受部が形成され、前記回転部材の他方の端部には前記第1の軸受部が設けられ、該第1の軸受部と前記第3の軸受部との間には潤滑剤が充填された潤滑剤充填空間が形成されると共に、該潤滑剤充填空間内に前記第2の軸受部が配設されていることを特徴とするモータ。
 前記付勢部は、前記支軸の周方向に3つ以上形成され、前記支軸を中心とする隣り合う前記付勢部との角度がすべて180度未満に配設されることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
 前記支軸は、モータのロータ軸であることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
 前記支軸は金属で形成され、前記第1の軸受部と前記第2の軸受部は樹脂で一体的に構成されることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
 前記回転部材は、ばね部材により、前記支軸の軸方向において前記第3の軸受部に向かって付勢されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
Description:
モータ

 本発明は、モータに関し、更に詳しくは ロータ(回転部材)を支軸(固定軸)に回転可能 に支持するための軸受を備えたモータに関す るものである。

 一般に、支軸(固定軸)に支承されたロー (回転部材)が、その外周側に配設された駆動 コイルから生じた磁界により回転駆動するよ う構成されたモータが知られている(例えば 特許文献1参照。)。

 このモータの一例(モータ100)を図6に示す モータ100は、モータ本体部100aおよびギヤヘ ッド100bからなる。モータ本体部100aを構成す 駆動コイル106等が収納されたモータケース1 02には、支軸104が固定されている。この支軸1 04に支承されるロータ110には、支軸104に対す 摺動性を向上させるための軸受120が圧入固 されている。

特開平1-152942号公報

 このようなモータ100において、モータ駆 時には、支軸104と軸受120との間の摺動によ 摩擦熱により軸受120が膨張し、支軸104が挿 されている軸受孔120aの内径が大きくなって しまう場合がある。

 その結果、支軸104と軸受孔120aの間のクリ アランスが増大し、支軸104と軸受孔120aの内 面とがぶつかることによって、いわゆる「 き音」と呼ばれるノイズが発生するという 題があった。

 本発明が解決しようとする課題は、ロー (回転部材)を支承する支軸と軸受との間に じる「叩き音」を低減した静穏性に優れる ータを提供することにある。

 上記課題を解決するために本発明に係る ータは、回転部材と、該回転部材に固定さ た軸受と、該軸受を介して前記回転部材が 転可能に支持される支軸とを備えたモータ おいて、前記軸受は、前記回転部材を前記 軸に対し回転可能に支持する第1の軸受部と 、前記回転部材を回転中心側に付勢する付勢 部によって前記支軸に対し回転可能に支持す る第2の軸受部で構成されており、前記回転 材の一方の端部には前記支軸に対し回転可 に前記回転部材を支持する第3の軸受部が形 され、前記回転部材の他方の端部には前記 1の軸受部が設けられ、該第1の軸受部と前 第3の軸受部との間には潤滑剤が充填された 滑剤充填空間が形成されると共に、該潤滑 充填空間内に前記第2の軸受部が配設されて いることを要旨とするものである。

 この場合、請求項2に記載のように、前記 付勢部は、前記支軸の周方向に3つ以上形成 れ、前記支軸を中心とする隣り合う前記付 部との角度がすべて180度未満に配設されて ればよい。 

 また、請求項3に記載のように、前記支軸 は、モータのロータ軸であれば好適である。

 さらに、請求項4に記載のように、前記支 軸は金属で形成され、前記第1の軸受部と前 第2の軸受部は樹脂で一体的に構成されてい ばさらに良い。

 また、請求項5に記載のように、回転部材 は、ばね部材により、支軸の軸方向において 前記第3の軸受部に向かって付勢されている とが好適である。

 本発明の請求項1に係るモータによれば、 回転部材に設けられた第2の軸受部の付勢部 より、支軸が回転部材の中心方向に付勢さ ることとなるため、回転部材(軸受)と支軸と の間のがたつきによる叩き音の発生を防止す ることができる。

 この場合、回転部材は、第2の軸受部が支 軸を付勢しながら回転することとなり、第2 軸受部と支軸との間には摩擦熱が発生しや いが、第2の軸受部は、回転部材と第1の軸受 部により形成された潤滑剤充填空間内に配設 されているため、その摩擦熱の発生を低減す ることができる。

 また、上記潤滑剤充填空間内に充填され 潤滑剤は、回転部材に設けられた第1の軸受 部および第3の軸受部の軸受面と、この軸受 と対面する支軸との間に滲出(しんしゅつ)す るため、これらの第1の軸受部及び第3の軸受 と支軸との摩擦抵抗を低減することができ 。

 さらに、本発明の請求項2に係るモータに よれば、互いに180度未満に配設された複数( つ以上)の付勢部によって、支軸に発生する ジアル方向の応力に対抗して、支軸をその 心方向に確実に付勢することができる。

 また、本発明の請求項3に係るモータによ れば、上記支軸が回転速度が高いモータのロ ータ軸であっても、潤滑剤充填空間に充填さ れた潤滑剤により、支軸に発生する摩擦熱お よび支軸の摩耗を抑制することができる。

 さらに、本発明の請求項4に係るモータに よれば、金属製の支軸と、樹脂製の軸受が摺 動するため、両者の間の摩擦抵抗を低減する ことができる。また、第1の軸受部と第2の軸 部が一体的に形成されるため、部品点数が り、部品作成コスト、組立コストの低減に ながる。

 また、本発明の請求項5に係るモータによ れば、モータの駆動時には、第3の軸受部と モータケースとが摺動しながら回転部材が 転することとなる。すなわち、第3の軸受部 モータケースに圧力を掛けられ押し付けら るため、回転部材のラジアル方向への移動 が少なくなり、または、移動速度が小さく る。このため、軸受への叩き量等が少なく り、叩き音を抑制することが可能となる。 れにより、より静穏性に優れたモータとす ことが可能となる。

本発明の第一の実施形態に係るモータ 断面斜視図である。 図1に示したモータのモータ本体部(駆 コイルを除く)を拡大した断面図である。 図3(a)は図1に示したモータに取り付け れる反出力側軸受の外観斜視図であり、図3( b)は断面斜視図(b)である。 本発明の第二の実施形態に係るモータ 断面斜視図である。 図4に示したモータの反出力側軸受を構 成する第1の軸受と第2の軸受の外観斜視図で る。 従来のモータの構成を説明するための 面斜視図である。

符号の説明

 1          モータ
 5          モータケース
 12         支軸
 20         ロータ(回転部材)
 301(601)   第1の軸受部(第1の軸受)      
 302(602)   第2の軸受部(第2の軸受)
 302a(602a) 付勢部
 302ba(602a) 当接部
 35         第3の軸受部

 以下、本発明の実施の形態について図面 参照しつつ詳細に説明する。

 図1は、本発明の第一の実施形態に係るモ ータ1の断面斜視図であり、図2は駆動コイル 除くモータ本体部10を拡大した断面図であ 。

 本実施形態のモータ1は、モータ本体部10 、ギヤヘッド50とから構成される、いわゆ ギヤードモータであり、モータ本体部10から 出力された回転がギアヘッド50内のギア輪列 介して出力軸に伝達されるようになってい 。

 モータ本体部10は、支軸12、この支軸12に 転可能に支持されるロータ20(本発明におけ 回転部材に相当する。)、ロータ20に固定さ た軸受としての反出力側軸受30、およびロ タ20を回転させるための磁界を発生させる駆 動コイル40等がモータケース5内に収納されて 構成されている。

 支軸12は、所定の直径に形成された金属 (好適な材料として、ステンレス等が例示で る。)の棒材であり、第1の支軸固定部56およ び第2の支軸固定部58によって、モータケース 5に固定されている。

 ロータ20は、樹脂製のロータ本体22と、ロ ータ本体22の外周に固定された駆動マグネッ (永久磁石)24とからなる。このロータ20は、 動コイル40への通電により生じた磁界を受 て回転する部材である。

 ロータ本体22は、相対的に大径の大径筒 221と、相対的に小径の小径筒部222とから構 されている。

 大径筒部221の外周面には、駆動マグネッ 24が固定されている。なお、この駆動マグ ット24は所定の隙間を介して駆動コイル40と 向するように配置されている。また、大径 部221の内周面には、図2に示すように、内部 に潤滑剤が充填された潤滑剤充填空間Sが形 されている。この潤滑剤充填空間Sの作用に いての詳細は後述する。潤滑剤充填空間Sの 開口部には、支軸12が挿通される反出力側軸 30が圧入固定されている。つまり、反出力 軸受30は、潤滑剤充填空間Sを封止する蓋の 割も果たし、潤滑剤充填空間Sからの潤滑剤 大量の流出を防止している。より具体的に 、潤滑剤充填空間S内に充填された潤滑剤は 、第1の軸受部301の軸受面301aと、この軸受面3 01aと対面する支軸12との間に滲出(しんしゅつ )するため、第1の軸受部301の軸受面301aと支軸 12との摩擦抵抗を低減することが可能となっ いる。

 図3は、反出力側軸受30の外観斜視図(a)、 よび断面斜視図(b)である。反出力側軸受30 、潤滑剤充填空間Sを封止している第1の軸受 部301と、第2の軸受部302とから構成される。

 第1の軸受部301は、樹脂製(好適な材料と て、ポリオキシメチレン(POM)等が例示できる 。)で円筒状に形成されたラジアル軸受であ 。この第1の軸受部301の軸受孔301aに支軸12が 通され、ロータ20の一端が回転可能に支持 れることとなる。したがって、本実施形態 は、モータ1の駆動時(ロータ20の回転時)には 、金属(ステンレス)製の軸と樹脂製の軸受と 摺動することとなるから、両者の間に生じ 摩擦抵抗を小さいものとすることができる

 また、第1の軸受部301の一方の端面(モー 1の反出力側の端面)には、円環状の突起301b 形成されている。この突起301bがモータケー 5に当接するようになっている。

 一方、第2の軸受部302は、第1の軸受部301 一体に形成された部分であり、第1の軸受部3 01の突起301bが形成された端面の反対面(モー 1の出力側の端面)から突出形成された円筒部 302aと、同一面から突出形成された付勢部302b から構成されている。

 付勢部302bは、所定の大きさの円周上におい て互いに等間隔に形成されている。本実施の 形態では、図3に示すように、支軸12の周方向 に3分割されている。また、各付勢部302bの先 部には、支軸12の外周面に当接する当接部30 2baが形成されている。さらに、付勢部302bは 当接部302ba以外の内周は第1の軸受部301に接 ることはなく、隙間が設けられている。
 このように、この付勢部302bにより、支軸12 、第1の軸受部301に挿通された際、第1の軸 部301の中心方向(ロータ20の中心方向)に付勢 れるようになっている。
 また、当接部302baが、軸方向において支軸12 に当接して付勢する位置は、付勢部302bが支 12と軸受孔301aの内周面との間のガタツキを 制するに必要な付勢力を有するように、付 部302bの厚みやその材質等に基づいて設計さ ている。さらに、モータ駆動時には、付勢 302bも、他の軸受部と同様に、膨張するため 、支軸12を付勢する付勢力は弱まるが本発明 効果を逸脱する範囲ではない。すなわち、 ータ駆動時において、付勢部302bにより、支 軸12がロータ20の中心方向に付勢されるため ロータ20(軸受)と支軸12との間のがたつきに る叩き音の発生を防止することができる。 らに、当接部302baが支軸12に当接して付勢す 位置は、駆動マグネット24の中心位置と同 位置あるいはその近傍となるように配置す 場合には、当接部302baが支軸12を付勢する付 力が小さくする等ガタツキをより効率良く 制することができるようになっている。
 また、三分割された当接部302baは支軸12の外 周をほぼ均等した位置で当接して保持するよ うになっているので、支軸12のラジアル方向 おいていかなる方向からの外力に対して、 接部302baで受けることができるようになっ いる。このため、ガタツキを防止すること できる。

 ここで、モータ1が駆動すると、支軸12と 1の軸受部301の摺動により、両者の間には摩 擦熱が生じる。これにより、第1の軸受部301 熱膨張することで軸受孔301aが大きくなり、 軸と軸受孔の内周面とがぶつかることによ て、いわゆる「叩き音」が発生する。

 これに対し、本実施形態に係るモータ1で は、第1の軸受部301の付勢部302bが常に支軸12 ロータ20の中心方向に付勢しているため、こ の「叩き音」を低減することができる。

 また、ロータ20は、ばね部材としてのコイ ばね37により、反出力側方向に付勢されてい る。このコイルばね37は、小径筒部222の端部 凹設された第1のばね保持部222bと、第2の支 固定部58の端部に凹設された第2のばね保持 581の間に保持されている。図2に示すように 、第二さらに、上述のように、第1の軸受部30 1の反出力側端面には、円環状の突起301bが形 されている。したがって、モータ1の駆動時 には、突起301bと、モータケース5とが摺動し がらロータ20が回転することとなる。この うに、本実施形態では、突起301bとモータケ ス5との間に生じる摩擦力によっても叩き音 が防止される。すなわち、突起301bは、コイ ばね37の付勢力によって、モータケース5の 面に圧力を掛けられ押し付けられる。この め、突起301bがモータケース5壁面を摺動する 際、ある程度の摩擦が生じ、これによりロー タ20のラジアル方向への移動量が少なくなり また、移動速度が少なくなる。このため、 受への叩き量やスピード等が少なくなり、 き音を抑制することが可能となる。これに り、より静穏性に優れたモータとすること 可能となる。
 なお、潤滑剤充填空間S内に充填された潤滑 剤は、第1の軸受部301の軸受面301aと、この軸 面301aと対面する支軸12との間に滲出(しんし ゅつ)する。さらに、軸受面301aと支軸12との から滲出した潤滑剤は、モータケース5壁面 突起部301bまで達することがあり、これによ り、モータケース5壁面と突起部301bとの摩擦 抗をある程度低減することが可能となって る。
 また、本実施の形態では、ばね部材として イルばね37を用いたが、これに限定される とはなく、例えば、板バネ等のバネ部材を いてもよい。

 一方、ロータ20の小径筒部222の外周面には 出力歯車222aが形成されている。また、小径 部222の内周面には、第3の軸受部35が形成さ ている。この第3の軸受部35には、支軸12が 通される。つまり、ロータ20は、その一端( 出力側)が第1の軸受部301および第2の軸受部30 2からなる反出力側軸受30を介して支軸12に支 され、他端(出力側)が第3の軸受部35を介し 支軸12に支持されることとなる。
 さらに、本実施の形態では、潤滑剤充填空 S内に充填された潤滑剤は、第3の軸受部35の 軸受面と、この軸受面と対面する支軸12との に滲出(しんしゅつ)するため、第1の軸受部3 01と同様に、第3の軸受部35の軸受面と支軸12 の摩擦抵抗を低減することが可能となって る。

 駆動コイル40は、2つのコイルボビン401そ ぞれに電線が所定回数巻回されて構成され 部材である。本実施の形態では、2つのコイ ルボビン401は、モータケース5に固定されて 支軸12の軸線方向に二つ重ねて配置されてい る。この駆動コイル40への通電により、ロー 20を回転させるための磁界が生ずる。

 一方、モータ本体部10の出力側には複数 ギヤからなる減速ギヤ輪列52が形成されたギ ヤヘッド50が取り付けられている。モータ本 部10から出力された回転動力は、これらの 速ギヤによって減速され、モータ1の出力と て出力軸54に伝達されることとなる。

 次に、このように構成されるモータ1(ロ タ20)に形成された、上記潤滑剤充填空間Sの 用について、以下説明する。

 上述のように、本実施形態に係るモータ1 では、第2の軸受部302に設けられた付勢部302b より、支軸12をロータ20の中心方向に付勢す ることで叩き音を防止している。これに加え 、本実施形態では、ロータ20に形成された潤 剤充填空間S内に充填された潤滑剤の粘性に より、モータ1駆動時における支軸12の振動が 防止されるため、さらに叩き音を低減させる ことができる。

 また、モータ1を駆動させると、付勢部302 bにより支軸12が付勢されながらロータ20が回 するため、付勢部302bと支軸12との間には摺 による摩擦熱が発生しやすい。摩擦熱が発 すると、反出力側軸受30が膨張し、支軸12が 挿通された第1の軸受部301の軸受孔301aが大き なってしまうという問題が生ずる。例えば 反出力側軸受30がポリオキシメチレン(POM)で 形成されており、軸受孔301aの孔径がφ1.6mmの 合、標準状態(20度)では、支軸12と軸受孔301a とのクリアランスは0.0250mmであるのに対し、 ータ駆動時(90度)では、0.0362mmとなり、約1.5 となる。したがって、反出力側軸受の温度 昇を極力抑える必要がある。

 本実施形態では、この摺動個所を潤滑剤 填空間S内に位置させたため、両者の間の摩 擦抵抗が大幅に低減され、摩擦熱の発生を抑 制することができる。したがって、付勢部302 bおよび支軸12の摩耗を抑制することができ、 モータ1の高寿命化につながる。さらには、 般的にグリスや潤滑油などの潤滑剤の熱伝 率は空気より大きいため、摺動により生じ 摩擦熱の放熱がスムーズに行われることと る。

 さらに、潤滑剤充填空間内S内に充填され た潤滑剤は、第1の軸受部301および第3の軸受 35と支軸12との摺動面に滲出する。したがっ て、第1の軸受部301および第3の軸受部35と、 軸12との間の摩擦抵抗を低減することができ る。また、摺動面に潤滑剤が常に供給される こととなるため、摺動面における潤滑剤の蒸 発等によって生じる劣化や、トルクロスの発 生も防止される。特に、本実施形態のモータ 1のように、モータ本体部10から出力された回 転動力が、減速ギヤにより減速されて出力さ れるモータの場合、ロータ20の回転速度が高 、第1の軸受部301および第3の軸受部35と、支 軸12の間に生じる摩擦力が大きいため、より 果的である。

 潤滑剤充填空間S内に充填された潤滑剤は 、このような様々な作用を生じさせる。した がって、充填される潤滑剤は、モータ1の特 、使用環境等に応じて選定される。例えば 好適に適用できる潤滑剤(グリス)として、高 温条件下における蒸発量が少なく、滴点が200 度以上である住鉱潤滑剤株式会社製のスミテ ック(登録商標)L39S等が挙げられる。

 次に、本発明の第二の実施形態について 明する。図4は、第二の実施形態に係るモー タ2の断面斜視図である。

 モータ2は、反出力側軸受60の構成のみが第 の実施形態に係るモータ1と異なる。
なお、その他の部材は、上記第一の実施形態 と同様の構成であるため、同一の符号を付し 、その説明を省略する。

 反出力側軸受60は、第1の軸受部601と第2の 軸受部602とから構成されている。これらの外 観斜視図を図5に示す。

 第1の軸受部601は、円筒状のラジアル軸受 であり、その中央には支軸12が挿通される軸 孔601aが形成されている。また、第一の実施 形態と同様に、第1の軸受部601は、金属製の 軸12との間に生じる摩擦抵抗を小さいものと するため、例えば、ポリオキシメチレン(POM) の樹脂により形成されている。

 第2の軸受部602は、三つの付勢部602bが等 隔に形成された金属板のプレス加工品であ 、ロータ20に形成された潤滑剤充填空間Sの 口部と、第1の軸受部601に挾持されて取り付 られる。さらに、付勢部602bは、当接部602ba 外の内周は第1の軸受部601に接することはな く、隙間が設けられている。この第2の軸受 602の付勢部602bによって、支軸12がロータ20の 中心方向に付勢されることとなる。これによ り、支軸12と第1の軸受部601との間に生じる叩 き音を低減することができる。

 また、第2の軸受部602は、潤滑剤が充填さ れた潤滑剤充填空間S内に取り付けられるた 、第一の実施形態と同様に、付勢部602b(当接 部602ba)と支軸12との摩擦抵抗が潤滑剤により 減される。また、空気より熱伝導性に優れ 潤滑剤によって摩擦熱の放熱効果が高めら る。さらに、滲出する潤滑剤により第1の軸 受部301および第3の軸受部35と、支軸12との間 摩擦抵抗を低減することができる。

 このように、本発明の第二の実施形態に るモータ2のように、反出力側軸受60を、支 12を支承するためのラジアル軸受である第1 軸受部601と、支軸12をロータ20の中心方向に 付勢するための第2の軸受部602の二部品で構 しても、上記第一の実施形態と同様の効果 得られる。

 以上、本発明の実施形態に係るモータ1(2) によれば、ロータ(回転部材)20に設けられた 出力側軸受30(60)の第2の軸受部302(第2の軸受 602)の付勢部302b(602b)により、支軸12がロータ2 0の中心方向に付勢されることとなるため、 1の軸受部301(第1の軸受部601)の軸受孔301a(601a) と支軸12との間のがたつきによる叩き音の発 を防止することができる。

 この場合、ロータ20は、第2の軸受部302(第 2の軸受部602)が支軸12を付勢しながら回転す こととなり、第2の軸受部302(第2の軸受部602) 支軸12との間には、摩擦熱が発生しやすい 、第2の軸受部302(第2の軸受部602)は、ロータ2 0と第1の軸受部301(第1の軸受部601)により形成 れた潤滑剤充填空間S内に配設されているた め、その摩擦熱の発生を低減することができ る。

 また、上記潤滑剤充填空間S内に充填され た潤滑剤は、ロータ20に設けられた第1の軸受 部301(第1の軸受部601)および第3の軸受部35と、 支軸12との間の摺動面に滲出するため、これ の軸受と支軸12との摩擦抵抗を低減するこ ができる。

 さらに、第2の軸受部302(第2の軸受部602)に は、互いに等間隔に配設された三つの付勢部 302b(602b)が設けられているため、支軸12に発生 するラジアル方向の応力に対抗して、支軸12 その中心方向に確実に付勢することができ 。

 また、本実施形態に係るモータ1(2)は、モ ータ本体部10から出力された回転動力が、減 ギヤにより減速されて出力されるモータで り、ロータ20の回転速度が高い。つまり、 1の軸受部301(第1の軸受部601)および第3の軸受 部35と、支軸12との間の摩擦力が大きい(摩擦 よる発熱量が大きい)モータであるが、潤滑 剤充填空間Sに充填された潤滑剤により、支 12に発生する摩擦熱および支軸12の摩耗等を 果的に抑制することができる。

 さらに、モータ1においては、金属製の支 軸12と、樹脂製の反出力側軸受30が摺動する ととため、両者の間の摩擦抵抗を大きく低 することができる。また、反出力側軸受30を 構成する第1の軸受部301と第2の軸受部302とが 体的に形成されているため、部品点数が減 、部品作成コストおよび組立コストの低減 つながる。

 以上、本発明の実施の形態について詳細 説明したが、本発明は上記実施の形態に何 限定されるものではなく、本発明の要旨を 脱しない範囲で種々の改変が可能である。

 例えば、上記実施形態では、モータ本体 10から出力された回転動力が、減速ギヤに り減速されて出力されるいわゆるギヤード ータであることを説明したが、本発明の技 的思想の適用対象は、このようなギヤード ータに限定されるものではない。