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Title:
MOTORCYCLE CLUTCH DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025150
Kind Code:
A1
Abstract:
A motorcycle clutch device having improved lubrication performance. The clutch device (100) has a clutch housing (1), an output-side rotation body (2), a clutch section (3), a pressure plate (4), and a diaphragm spring (5). The diaphragm spring (5) has a pressing section (51) for pressing the pressure plate (4) to the clutch section (3) side, lever sections (52) extending inward in the radial direction from the pressing section (51) and arranged in the rotation direction with intervals between them, and fins (53) extending from the lever sections (52) in the rotation direction and the axial direction.

Inventors:
IMANISHI YOSHIO (JP)
ABE MINORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063501
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
July 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
EXEDY CORP (JP)
IMANISHI YOSHIO (JP)
ABE MINORU (JP)
International Classes:
F16D13/74; F16D13/52; F16D13/71; F16D13/72
Foreign References:
JP2006214593A2006-08-17
JPS5850231U1983-04-05
JPH1047372A1998-02-17
JPS5566220U1980-05-07
JPS57112133U1982-07-10
JP2004308758A2004-11-04
Attorney, Agent or Firm:
SHINJYU GLOBAL IP (1-4-19Minamimori-machi, Kita-k, Osaka-shi Osaka 54, JP)
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Claims:
 入力側部材からの動力を出力側部材に伝達するとともに、レリーズ機構の作動により動力伝達を遮断するモータサイクル用クラッチ装置であって、
 前記入力側部材および出力側部材のうち一方に連結されたクラッチハウジングと、
 前記クラッチハウジングの内周側に配置され、前記入力側部材および出力側部材のうち他方に連結された回転体と、
 前記クラッチハウジングおよび回転体のうち一方に一体回転可能にかつ軸方向へ移動可能に支持された少なくとも1つのプレート部材と、
 前記プレート部材に近接して配置され、前記クラッチハウジングおよび回転体のうち他方に一体回転可能にかつ軸方向へ移動可能に支持されたプレッシャプレートと、
 前記プレッシャプレートを前記プレート部材側へ押圧する押圧部と、前記押圧部から半径方向内側に延び互いに間隔を空けて回転方向に配置された複数のレバー部と、前記レバー部から回転方向および軸方向に延びる少なくとも1つの突起と、を有する押圧部材と、
を備えたモータサイクル用クラッチ装置。
 前記突起は、前記レバー部の回転方向負側に配置されており、前記レバー部から軸方向の前記回転体側に延びている、
請求項1に記載のモータサイクル用クラッチ装置。
 前記突起は、前記レバー部の回転方向正側に配置されており、前記レバー部から軸方向の前記回転体と反対側に延びている、
請求項1に記載のモータサイクル用クラッチ装置。
 前記突起周辺の空間と前記プレート部材の摩擦面周辺の空間とを接続する流路をさらに備えた、
請求項2または3に記載のモータサイクル用クラッチ装置。
 前記回転体は、前記入力側部材および出力側部材のうち他方に連結された第1部分と、前記本体部から半径方向外側に延びる第2部分と、を有しており、
 前記第2部分は、軸方向に貫通する複数の孔を有しており、
 前記流路は、前記孔を含んでいる、
請求項4に記載のモータサイクル用クラッチ装置。
 前記流路は、前記プレッシャプレートと前記第2部分との軸方向間に形成される環状の空間を含んでいる、
請求項5に記載のモータサイクル用クラッチ装置。
Description:
モータサイクル用クラッチ装置

 本発明は、クラッチ装置、特に、入力側 材からの動力を出力側部材に伝達するとと に、レリーズ機構の作動により動力伝達を 断するモータサイクル用クラッチ装置に関 る

 一般に、自動二輪車やバギー等のモータ イクルには、エンジンからの動力をトラン ミッションに伝達あるいは遮断するために 板クラッチ装置が用いられている。この多 クラッチ装置は、エンジンのクランク軸側 連結されるクラッチハウジングと、トラン ミッション側に連結される出力側回転体と それらの間で動力の伝達、遮断を行うため クラッチ部と、クラッチ部を押圧するため プレッシャプレートとを有している。クラ チ部は、クラッチハウジングに係合する第1 クラッチプレートと出力側回転体に係合する 第2クラッチプレートとが交互に配置されて る。

 そして、これらのクラッチプレートを、プ ッシャプレートを介してスプリング等の押 部材で圧接させることにより、クランク軸 回転がトランスミッション側に伝達される うになっている。また、クラッチをオフ(動 力の伝達を遮断)する場合は、運転者がクラ チレバーを握ることによってレリーズ機構 作動し、このレリーズ機構によって押圧部 のクラッチプレートに対する押圧が解除さ 、第1および第2クラッチプレート間の動力伝 達が遮断されるようになっている。

特開2003-222159号公報

 従来のクラッチ装置では、クラッチ部が 滑されるのをねらって、潤滑油をミスト状 してクラッチ装置の周辺に漂わせている。

 しかし、クラッチ部周辺は複数の部材が 集して配置されているため、ミスト状の潤 油がクラッチ部に思うように導かれず、所 の潤滑性能が得られない。

 本発明の課題は、モータサイクル用クラ チ装置において、潤滑性能を高めることに る。

 第1の発明に係るクラッチ装置は、入力側 部材からの動力を出力側部材に伝達するとと もに、レリーズ機構の作動により動力伝達を 遮断するモータサイクル用クラッチ装置であ る。このクラッチ装置は、クラッチハウジン グと、回転体と、少なくとも1つのプレート 材と、プレッシャプレートと、押圧部材と を有している。クラッチハウジングは入力 部材および出力側部材のうち一方に連結さ ている。回転体は、クラッチハウジングの 側に配置されており、入力側部材および出 側部材のうち他方に連結されている。プレ ト部材は、クラッチハウジングおよび回転 のうち一方に一体回転可能にかつ軸方向へ 動可能に支持されている。プレッシャプレ トは、プレート部材に近接して配置されて り、クラッチハウジングおよび回転体のう 他方に一体回転可能にかつ軸方向へ移動可 に支持されている。押圧部材は、プレッシ プレートをプレート部材側へ押圧する押圧 と、押圧部から半径方向内側に延び互いに 隔を空けて回転方向に配置された複数のレ ー部と、レバー部から回転方向および軸方 に延びる少なくとも1つの突起と、を有して る。

 このクラッチ装置では、押圧部材のレバ 部に突起が設けられているため、装置全体 回転すると突起周辺の空気が乱れ、レバー 同士の隙間を周辺空気が軸方向に移動する この結果、例えば、装置周辺に漂うミスト の潤滑油が空気とともに装置内部に取り込 れ、プレート部材周辺に導かれる。逆に、 起により、装置内部の空気が外部へ排出さ 、他の開口などから装置内部にミスト状の 滑油が取り込まれる。

 このように、このクラッチ装置では、押 部材に突起を設けることで、装置内に空気 流れを形成し、ミスト状の潤滑油をプレー 部材の摩擦面に導くことができる。これに り、潤滑性能を高めることができる。

 第2の発明に係るクラッチ装置は、第1の 明に係る装置において、突起が、レバー部 回転方向負側に配置されており、レバー部 ら軸方向の回転体側に延びている。

 第3の発明に係るクラッチ装置は、第1の 明に係る装置において、突起が、レバー部 回転方向正側に配置されており、レバー部 ら軸方向の回転体と反対側に延びている。

 第4の発明に係るクラッチ装置は、第2ま は第3の発明に係る装置において、突起周辺 空間とプレート部材の摩擦面周辺の空間と 接続する流路をさらに備えている。

 第5の発明に係るクラッチ装置は、第4の 明に係る装置において、回転体が、入力側 材および出力側部材のうち他方に連結され 第1部分と、本体部から半径方向外側に延び 第2部分と、を有している。第2部分は、軸 向に貫通する複数の孔を有している。流路 孔を含んでいる。

 第6の発明に係るクラッチ装置は、第5の 明に係る装置において、流路が、プレッシ プレートと第2部分との軸方向間に形成され 環状の空間を含んでいる。

モータサイクル用クラッチ装置の縦断 図。 クラッチ装置の部分断面図。 クラッチ装置の部分平面図。 ダイヤフラムスプリングの部分断面図( 図3のV-V断面図)。 ダイヤフラムスプリングの部分断面図( 他の実施形態)。 ダイヤフラムスプリングの部分断面図( 他の実施形態)。 ダイヤフラムスプリングの部分断面図( 他の実施形態)。

符号の説明

100 クラッチ装置
1 クラッチハウジング
2 出力側回転体(回転体)
21 ボス部
22 フランジ部
27 孔
3 クラッチ部
31 第1クラッチプレート(プレート部材)
32 第2クラッチプレート(プレート部材)
4 プレッシャプレート
5 ダイヤフラムスプリング(押圧部材)
51 押圧部
52 レバー部
53 フィン(突起)
6 支持プレート
P 流路
S1 開口

 <全体構成>
 図1~図3に示すモータサイクル用クラッチ装 100は、エンジンのクランク軸からの動力を ランスミッションに伝達するとともに、レ ーズ機構の作動により動力伝達を遮断する めの装置である。このクラッチ装置100は、 リーズベアリングを軸方向内側(図1の左側) 押すことにより動力伝達が解除される構成 あり、主に、クラッチハウジング1と、出力 側回転体2(回転体)と、クラッチ部3と、プレ シャプレート4(押圧部材)と、ダイヤフラム プリング5と、支持プレート6と、から構成さ れている。

 <クラッチハウジング>
 クラッチハウジング1は、エンジンからの動 力が入力される部材であり、他の部材を内側 に収容している。具体的には、クラッチハウ ジング1は、円板部10と、この円板部10の外周 から軸方向外側(図1の右方)に延びる筒状部1 1と、を有している。円板部10には複数の環状 のゴム部材12を介して入力ギア13(入力側部材) が装着されている。この入力ギア13は、エン ンのクランク軸に固定された駆動ギア(図示 せず)に噛み合っている。なお、ゴム部材12は 、エンジンから伝達される振動を吸収するた めに設けられており、例えば、コイルスプリ ング等の弾性部材でもよい。

 図2に示すように、筒状部11は、軸方向外 に延びる複数の突出部14を有している。突 部14は後述する第1クラッチプレート31を支持 している。突出部14同士の回転方向間には切 き15が形成されている。切欠き15は、クラッ チハウジング1内の潤滑油を外周側に逃がす 能、あるいはクラッチハウジング1内に潤滑 を受け入れる機能を有しており、ミスト状 潤滑油が流れる流路Pに含まれている。

 <出力側回転体>
 出力側回転体2は、クラッチハウジング1の 周側に配置されており、円筒状のボス部21と 、ボス部21から半径方向外側に延びる円板状 フランジ部22と、フランジ部22から軸方向内 側に延びる筒状部23と、を有している。

 ボス部21は、トランスミッションの入力 17(出力側部材)に噛み合うスプライン部29を している。ボス部21は、ナット17aにより入力 軸17の端部に固定されている。

 フランジ部22は、後述する第1クラッチプ ート31と摺動するとともに、ダイヤフラム プリング5を支持している。具体的には、フ ンジ部22の外周部には、軸方向外側に延び 複数の第1突出部25と、第1突出部25の半径方 内側に配置された複数の第2突出部26と、が 成されている。隣り合う第1突出部25の間に 、ダイヤフラムスプリング5の爪54が挿入さ ている。第2突出部26はダイヤフラムスプリ グ5の押圧部51を軸方向に支持している。

 筒状部23は、後述する第2クラッチプレー 32を一体回転可能にかつ軸方向に移動可能 支持しており、半径方向外側に延びる複数 外歯24を有している。隣り合う外歯24の間に 、第2クラッチプレート32の第2突起32bが挿入 されている。

 また、フランジ部22には複数の孔27が形成 されている。孔27には後述するプレッシャプ ート4のボス部43が隙間を介して挿入されて る。この隙間は後述する流路Pに含まれてい る。

 <クラッチ部>
 図1および図2に示すように、クラッチ部3は 2枚の第1クラッチプレート31と、第1クラッ プレート31の軸方向間に配置された第2クラ チプレート32と、を有している。

 第1クラッチプレート31は、入力側の摩擦 材であり、クラッチハウジング1により一体 回転可能にかつ軸方向に移動可能に支持され ている。具体的には、第1クラッチプレート31 は、摩擦面を有する第1環状部31aと、第1環状 31aから半径方向外側に延びる複数の第1突起 31bと、を有している。第1突起31bはクラッチ ウジング1の突出部14同士の間に挿入されて る。これにより、第1クラッチプレート31は ラッチハウジング1からの動力を伝達するこ ができる。

 第2クラッチプレート32は、出力側の摩擦 材であり、出力側回転体2により一体回転可 能にかつ軸方向に移動可能に支持されている 。具体的には、第2クラッチプレート32は、摩 擦面を有する第2環状部32aと、第2環状部32aか 半径方向内側に延びる複数の第2突起32bと、 を有している。第2突起32bは出力側回転体2の 歯24同士の間に挿入されている。これによ 、第2クラッチプレート32は出力側回転体2へ 力を伝達することができる。

 動力伝達が遮断されている状態では、第1 クラッチプレート31と第2クラッチプレート32 の間にはわずかな隙間が確保されている。 の隙間は後述する流路Pに含まれている。

 <プレッシャプレート>
 図1および図2に示すように、プレッシャプ ート4は、出力側回転体2と対向するように配 置された環状の部材であり、出力側回転体2 ボス部21の外周側に配置されている。具体的 には、プレッシャプレート4は、円板状のプ ッシャプレート本体41と、プレッシャプレー ト本体41から軸方向外側に延びる複数のボス 43と、を有している。

 プレッシャプレート本体41は、出力側回 体2のボス部21に軸方向に移動可能に支持さ ている。プレッシャプレート本体41の外周部 42は第1クラッチプレート31と摺動する。外周 42の内周部には、軸方向外側に延びる複数 歯45が設けられている。歯45が出力側回転体2 の外歯24と回転方向に当接可能であるため、 レッシャプレート4は出力側回転体2と一体 転する。

 ボス部43は出力側回転体2の孔27内に隙間 介して挿入されている。ボス部43の端部には 支持プレート6がボルト44により固定されてい る。後述するように、支持プレート6はダイ フラムスプリング5のレバー部52の先端を軸 向に支持している。

 <ダイヤフラムスプリング>
 ダイヤフラムスプリング5は、出力側回転体 2と支持プレート6との軸方向間に圧縮された 態で配置されている。ダイヤフラムスプリ グ5の弾性力により、出力側回転体2とプレ シャプレート4との間にクラッチ部3が挟み込 まれている。

 ダイヤフラムスプリング5は、皿ばねとし て機能する環状の押圧部51と、押圧部51から 径方向内側に延びる複数のレバー部52と、を 有している。

 押圧部51の外周部は、出力側回転体2の第2 突出部26により軸方向に支持されている。押 部51の外周部には、半径方向外側へ延びる 数の爪54が形成されている。爪54は第1突出部 25と回転方向に当接している。このため、押 部51は出力側回転体2と一体回転する。

 複数のレバー部52は回転方向に互いに間 を空けて配置されている。レバー部52の先端 は支持プレート6の外周部に形成された支持 起61により軸方向に支持されている。押圧部 51およびレバー部52は回転軸に対して概ね垂 に配置されている。

 さらに、このダイヤフラムスプリング5は 、周辺の空気に対して軸方向の流れを発生さ せる機能を有している。具体的には、ダイヤ フラムスプリング5は、レバー部52に設けられ た複数のフィン53(突起)を有している。

 図3および図4に示すように、フィン53は、 レバー部52から回転方向負側(図3においてR2側 )に延びた板状の部分である。なお、クラッ 装置100が回転する方向が回転方向正側(R1側) あり、その反対側が回転方向負側(R2側)であ る。

 図4に示すように、フィン53は、レバー部5 2に対して傾斜しており、レバー部52からR2側 つ軸方向内側へ延びている。このため、フ ン53の先端は隣接するレバー部52よりも軸方 向内側に入り込んでいる。隣接するレバー部 52同士の間には開口S1が形成されている。本 施形態では、この開口S1は、空気の取り入れ 口であり、後述する流路Pに含まれている。

 <支持プレート>
 支持プレート6は、レリーズベアリング(図 せず)を保持する環状の部材である。具体的 は、支持プレート6の内周部にレリーズベア リングのアウタレース(図示せず)が嵌め込ま ている。レリーズベアリングの軸方向の移 はクラッチレバー(図示せず)により操作さ る。

 <流路>
 前述のように、このクラッチ装置100には、 スト状の潤滑油を外部からクラッチ部3へ導 くために、流路Pが形成されている。具体的 は図1~図4に示すように、流路Pは主に、ダイ フラムスプリング5の開口S1、孔27とボス部43 との間の空間、フランジ部22とプレッシャプ ート4との軸方向間に形成される空間、歯45 よび外歯24の回転方向間の空間、第1クラッ プレート31および第2クラッチプレート32の 方向間の空間、そして切欠き15により形成さ れている。すなわち、クラッチ装置100の軸方 向外側の空間SAと外周側の空間SBとが流路Pに り接続されている。

 <クラッチ装置の基本動作>
 図1に示す状態では、ダイヤフラムスプリン グ5によってプレッシャプレート4が軸方向内 に所定の押圧力で押圧され、クラッチ部3の 第1および第2クラッチプレート31,32は出力側 転体2のフランジ部22とプレッシャプレート4 外周部42との間に挟み込まれている(クラッ オン状態)。この状態では、クランク軸から 入力ギア13およびゴム部材12を介して入力さ た動力は、クラッチハウジング1を介して第1 クラッチプレート31に伝達され、さらに第2ク ラッチプレート32および出力側回転体2を介し て、トランスミッションの入力軸17に伝達さ る。

 一方、運転者がクラッチレバーを握ると その操作力はクラッチワイヤ等を介してレ ーズベアリング(図示せず)に伝達され、レ ーズベアリングは軸方向内側に移動する。 のレリーズベアリングの移動は、支持プレ ト6を介してプレッシャプレート4に伝達され 、プレッシャプレート4が軸方向内側へ移動 る。この結果、プレッシャプレート4の押圧 が解除され、出力側回転体2とプレッシャプ レート4との間で第1クラッチプレート31およ 第2クラッチプレート32が相対回転可能とな 。これにより、クラッチハウジング1から出 側回転体2への動力の伝達が遮断される(ク ッチオフ状態)。

 <空気の流れ>
 このクラッチ装置100では、ダイヤフラムス リング5のレバー部52およびフィン53により ダイヤフラムスプリング5の軸方向外側の空 が軸方向内側へ導かれる。具体的には図4に 示すように、ダイヤフラムスプリング5がR1側 へ回転すると、ダイヤフラムスプリング5の 方向外側周辺(空間SA)の空気とダイヤフラム プリング5とが相対回転する。このとき、軸 方向内側へ傾斜しているフィン53により、周 の空気が軸方向内側へ引っ張りこまれる。 のため、ダイヤフラムスプリング5の開口S1 ら周辺空気がダイヤフラムスプリング5と出 力側回転体2との間に形成された空間に取り まれる。

 この空気の取り込み作用は、クラッチ装 100が回転している間は継続される。このた 、取り込まれた空気は、出力側回転体2の孔 27を通って、出力側回転体2とプレッシャプレ ート4との軸方向間に形成された空間に導か 、クラッチ部3へ流れ込む。

 クラッチ部3では、第1クラッチプレート31 および第2クラッチプレート32が摺動しておら ず、両プレート31,32の軸方向間には隙間が形 されている。このため、クラッチ部3に流れ 込んだ空気は、第1クラッチプレート31および 第2クラッチプレート32の間の隙間を半径方向 外側へ流れ、切欠き15を通って外周側の空間S Bへ排出される。

 クラッチ装置100周辺を漂う空気にはミス 状の潤滑油が含まれているため、流路Pを通 って空気とともにミスト状の潤滑油が第1お び第2クラッチプレート31,32の摩擦面に供給 れる。

 <特徴>
 以上に述べたように、このクラッチ装置100 は、ダイヤフラムスプリング5がフィン53を しているため、周辺の空気に軸方向の流れ 発生させることができ、流路Pを介して周辺 の空気をクラッチハウジング1内へ導くこと できる。これにより、クラッチ装置100周辺 漂うミスト状の潤滑油をクラッチ部3へ導く とができ、簡素な構造によりクラッチ装置1 00の潤滑性能を高めることができる。

 <他の実施形態>
 本発明の具体的構成は、前述の実施形態に 定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲 種々の変形および修正が可能である。

 (1)
 ダイヤフラムスプリング5のフィン53の形状 よび配置は、前述の実施形態に限定されな 。例えば図5に示すダイヤフラムスプリング 105のように、レバー部152のR1側にフィン153が けられていてもよい。このフィン153は、レ ー部152に対して軸方向内側に傾斜しており レバー部152から軸方向内側へ延びている。

 この場合、前述の実施形態とは逆に、ダ ヤフラムスプリング105の軸方向内側の空気 フィン153の作用により軸方向外側に排出さ る。この結果、クラッチオフ状態で、前述 実施形態とは逆方向に空気の流れが生じる より詳細には、切欠き15から空間SBの空気が 取り込まれ、流路Pを介して空間SAに排出され る。この場合であっても、ミスト状の潤滑油 が切欠き15を介してクラッチ部3に導かれる。 このため、前述の実施形態と同様の効果が得 られる。

 (2)
 図6に示すようなダイヤフラムスプリング205 も考えられる。この場合、レバー部252のR1側 フィン253が設けられており、フィン253はレ ー部252から軸方向外側に延びている。フィ 253はレバー部252に対して傾斜している。

 この場合、前述の実施形態と同様に、フ ン253により空間SAの空気がダイヤフラムス リング205の軸方向内側に取り込まれ、流路P 介してクラッチ部3にミスト状の潤滑油が導 かれる。

 (3)
 図7に示すようなダイヤフラムスプリング305 も考えられる。この場合、レバー部352のR2側 フィン353が設けられており、フィン353はレ ー部352から軸方向外側に延びている。フィ 353はレバー部352に対して傾斜している。

 この場合、前述の実施形態と同様に、フ ン353によりダイヤフラムスプリング305の軸 向内側の空気が空間SAへ排出されるため、 間SBの空気が切欠き15を介してクラッチ部3に 導かれる。

 (4)
 なお、前述の実施形態では、入力ギアから 転が入力されて出力側回転体2に出力される 場合について説明したが、回転の伝達経路が 逆の場合でも、本発明を適用することができ る。

 また、流路Pに対応する空間を内部に有し ていれば、クラッチ装置100の構成は前述の実 施形態に限定されない。

 (5)
 フィン53の数量や形状は前述の実施形態に 定されない。例えば、一部のレバー部52にフ ィン53が設けられていてもよいし、フィン53 湾曲する板状部材であってもよい。

 本発明に係るモータサイクル用クラッチ 置では、上記の構成を有しているため、潤 性能を高めることができる。したがって、 発明はクラッチ装置の分野において有用で る。