松井大 (())
HASEGAWA, Hiroshi (())
長谷川寛 (())
OKAICHI, Atsuo (())
岡市敦雄 (())
松下電器産業株式会社 (〒01 大阪府門真市大字門真1006番地 Osaka, 5718501, JP)
MATSUI, Masaru (())
松井大 (())
HASEGAWA, Hiroshi (())
長谷川寛 (())
OKAICHI, Atsuo (())
| 第1シリンダと、 前記第1シリンダの内外を貫くシャフトと、 前記シャフトに取り付けられ、前記第1シリンダ内で偏心回転する第1ピストンと、 前記シャフトを共有する形で前記第1シリンダと同心状に配置された第2シリンダと、 前記シャフトに取り付けられ、前記第2シリンダ内で偏心回転する第2ピストンと、 前記第1シリンダに形成された第1溝に装着され、前記第1シリンダと前記第1ピストンとの間の空間を第1吸入側空間と第1吐出側空間とに仕切る第1仕切り部材と、 前記第2シリンダに形成された第2溝に装着され、前記第2シリンダと前記第2ピストンとの間の空間を第2吸入側空間と第2吐出側空間とに仕切る第2仕切り部材と、 前記第1吐出側空間と前記第2吸入側空間とを連通して1つの作動室を形成する連通孔を有するとともに、前記第1シリンダと前記第2シリンダとを隔てる中板と、 前記第1吸入側空間に作動流体を吸入させるための吸入ポートと、 前記第2吐出側空間から前記作動流体を吐出させるための吐出ポートと、を備え、 前記連通孔は、前記吸入ポートから前記吐出ポートへの前記作動流体の直接的な吹き抜けが、前記シャフトの全回転角度で生じえないように、その開口形状および位置が設定されている、多段ロータリ型流体機械。 |
| 前記第2シリンダ側における前記連通孔の開口縁の全部が、前記連通孔と前記第1吸入側空間との連通が開始する瞬間における前記第2ピストンの外形よりも前記シャフトの中心側に位置している、請求項1記載の多段ロータリ型流体機械。 |
| 前記第1シリンダ側において、前記連通孔の開口の位置と前記吸入ポートの位置とが、それぞれ、前記第1仕切り部材の左右に振り分ける形で設定されるとともに、 前記第2シリンダ側において、前記連通孔の開口の位置と前記吐出ポートの位置とが、それぞれ、前記第2仕切り部材の左右に振り分ける形で設定されている、請求項1記載の多段ロータリ型流体機械。 |
| 前記吸入ポートと、前記第1シリンダの前記第1吸入側空間と、前記連通孔とが連通する期間において、前記連通孔と、前記第2シリンダの前記第2吐出側空間と、前記吐出ポートとが連通しないように、前記連通孔の開口形状および位置、ならびに前記第1ピストンおよび前記第2ピストンの位相が設定されている、請求項3記載の多段ロータリ型流体機械。 |
| 前記第2シリンダ側における前記連通孔の開口縁の一部区間が、前記第2ピストンと直径が等しく、かつ前記第2シリンダと内接する仮想円に重なる、請求項1記載の多段ロータリ型流体機械。 |
| 前記第2シリンダ側における前記連通孔の開口縁の一部区間が、当該連通孔と前記第1吐出側空間との連通が遮断する瞬間における前記第2ピストンの外形に沿う円弧状である、請求項1記載の多段ロータリ型流体機械。 |
| 前記第2シリンダ側における前記連通孔の開口縁の全部が、前記第2シリンダの内周面から離間している、請求項1記載の多段ロータリ型流体機械。 |
| 前記連通孔は、前記中板に形成された座ぐりを含み、その座ぐりによって前記第2シリンダ側における前記連通孔の開口縁が形成されている、請求項1記載の多段ロータリ型流体機械。 |
| 前記第1仕切り部材と前記第2仕切り部材とは、前記シャフトの回転軸の周りにおいて互いに所定角度ずれた配置となっており、 前記第1仕切り部材と前記第2仕切り部材とによって挟まれた角度領域内において、前記中板に前記連通孔が形成されている、請求項1記載の多段ロータリ型流体機械。 |
| 前記第1仕切り部材および前記第2仕切り部材は、前記シャフトの回転軸の周りにおいて互いに一致する角度位置に配置され、 前記第1仕切り部材および前記第2仕切り部材の長手方向中心線と、前記シャフトの回転軸とを含む平面を横切り、かつ前記シャフトの回転軸に対して傾いた方向に延びるように、前記連通孔が前記中板に形成されている、請求項1記載の多段ロータリ型流体機械。 |
| 前記第2シリンダ側における前記連通孔の開口縁の一部区間が、前記第2仕切り部材の可動域に沿っている、請求項1記載の多段ロータリ型流体機械。 |
| 冷媒を圧縮する圧縮機と、 前記圧縮機で圧縮された冷媒を放熱させる放熱器と、 前記放熱器で放熱した冷媒を膨張させる膨張機と、 前記膨張機で膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器と、を備え、 前記膨張機が、請求項1記載の多段ロータリ型流体機械によって構成されている、冷凍サイクル装置。 |
本発明は、圧縮機や膨張機に代表される 段ロータリ型流体機械に関する。さらに本 明は、その多段ロータリ型流体機械を用い 冷凍サイクル装置に関する。
冷媒の膨張エネルギーを膨張機で回収し その回収したエネルギーを圧縮機の仕事の 部として利用する動力回収式の冷凍サイク 装置が提案されている。例えば、そうした 凍サイクル装置に適用する膨張機として、 開2005-106046号公報に示すような2段ロータリ 膨張機が検討されている。
図10A,図10Bは、従来の2段ロータリ型膨張 200の横断面図である。図10Aが1段目のシリン 205(第1シリンダ205)を示しており、図10Bが2段 目のシリンダ206(第2シリンダ206)を示している 。第1シリンダ205に吸入された冷媒は、第1シ ンダ205の作動室215bと、第2シリンダ206の作 室216aと、両作動室215b,216aを連通する連通孔2 04aとによって構成される膨張室で膨張する。 第1シリンダ205と第2シリンダ206とは、中板に って上下に仕切られており、この中板を厚 方向に貫通するように連通孔204aが形成され ている。このような構造を採用すると、冷媒 を吸入する作動室215aと、冷媒を膨張させる 動室215b,216aと、冷媒を吐出する作動室216bと 簡単に仕切ることができると同時に、吸入 の作動室215aでは360°連続吸入が可能となり 吸入脈動の低減を図ることができる。
上記のような2段ロータリ型膨張機200にお いて、連通孔204aの開口形状は、通常、円形 ある。以下、図11A~図11Dの動作説明図を参照 ながら、連通孔204aの作用について説明する 。図11A~図11Dは、シャフト203(図10A,図10B参照) 反時計回りに回転するときの作動室215a,215b,2 16a,216bと連通孔204aとの連通状態を時系列で表 している。各図は、いずれも上段が第1シリ ダ205側、下段が第2シリンダ206側に対応して る。作動室215a,215b,216a,216bと連通孔204aとの 通部分は、斜線で示している。
図11Aは、第1シリンダ205の作動室215aと連 孔204aとの連通が開始する瞬間を表している 第1シリンダ205の作動室215aと連通孔204aとの 通は、シャフト203の回転に伴って連通孔204a が閉じた状態から徐々に開くことで始まる。 図11Aの例によれば、第1シリンダ205の作動室21 5aと連通孔204aとの連通が開始する瞬間は、連 通孔204aの開口縁と第1シリンダ205の内周面と 接点Q1が、第1ピストン209と第1シリンダ205と の接点P1に一致する瞬間である。この瞬間、 2シリンダ206側において、連通孔204a、作動 216aおよび吐出ポート206bの三者が連通してい る。
図11Bは、第1ピストン209と第2ピストン210 共に上死点にある瞬間、すなわち、第1ベー 211と第2ベーン212とが最も押し込まれた瞬間 を表している。第1シリンダ205および第2シリ ダ206は、いずれも、この瞬間だけ、作動室 2つに仕切られていない。連通孔204aは、第1 リンダ205の作動室215(215a+215b)および第2シリ ダ206の作動室216(216a+216b)と連通している。 ころが、注意深く観察してみると、第1シリ ダ205の作動室215と吸入ポート205bも連通し、 さらに、第2シリンダ206の作動室216と吐出ポ ト206bも連通している。つまり、吸入ポート2 05bから吸入された冷媒が、第1シリンダ205の 動室215、連通孔204aおよび第2シリンダ206の作 動室216をこの順番に通って、吐出ポート206b 直接吹き抜けることができる。
次に、図11Cに示す状態までシャフト203が 転すると、連通孔204aと第2シリンダ206の作 室216a,216bとの連通がいったん終了する。図11 Cの例によれば、連通孔204aと第2シリンダ206の 作動室216aとの連通が開始する瞬間は、連通 204aの開口縁と第2シリンダ206の内周面との接 点Q2が、第2ピストン210と第2シリンダ206との 点P2に一致する瞬間である。
図11Dは、図11Cからシャフト203が20°回転し た状態を表している。第1シリンダ205の作動 215bと、第2シリンダ206の作動室216aと、両作 室215b,216aを連通する連通孔204aとによって膨 室が構成されている。
以上のように、この種の2段ロータリ型膨 張機においては、連通孔204aが開閉する前後 、冷媒が吸入ポートから吐出ポートに直接 き抜けてしまう現象が起こる場合がある。 の現象は、図11Aの状態から図11Cの状態に至 までの期間継続し、膨張機の性能を低下さ る原因となりうる。
さらに、他の1つの問題点を説明する。
図11Bは、ピストン209,210が上死点にある瞬 間を表している。第1シリンダ205および第2シ ンダ206は、いずれも、この瞬間だけ、作動 が2つに仕切られていない。そして、シャフ ト203の回転に伴ってベーン211,212が前進を開 すると、新たに作動室215a,216aが形成され始 る(図11C,図11D参照)。
ところが、図11Bの状態から図11Cの状態に るまでの期間は、その新たに形成される作 室216aに連通孔204aから冷媒が供給されない つまり、第2シリンダ206の作動室216aは、冷媒 がない状態で無理やり体積を増大させており 、このことが原因で、シャフト203の回転方向 とは逆向きにブレーキトルクが発生しうる。
これらの問題は、2段ロータリ型膨張機だ けでなく、2段ロータリ型圧縮機のような他 多段ロータリ型流体機械でも起こる可能性 ある。
上記の問題に鑑み、本発明は、吸入ポー から吸入された作動流体(例えば冷媒)が、 く仕事をすることなく吐出ポートに吹き抜 てしまう現象が発生しえない、高効率の多 ロータリ型流体機械を提供することを目的 する。併せて、ブレーキトルクがなるべく 生しないようにする(発生期間をなるべく短 する)ことを目的とする。
すなわち、本発明は、
第1シリンダと、
第1シリンダの内外を貫くシャフトと、
シャフトに取り付けられ、第1シリンダ内で
偏心回転する第1ピストンと、
シャフトを共有する形で第1シリンダと同心
状に配置された第2シリンダと、
シャフトに取り付けられ、第2シリンダ内で
偏心回転する第2ピストンと、
第1シリンダに形成された第1溝に装着され
第1シリンダと第1ピストンとの間の空間を第
1吸入側空間と第1吐出側空間とに仕切る第1仕
切り部材と、
第2シリンダに形成された第2溝に装着され
第2シリンダと第2ピストンとの間の空間を第
2吸入側空間と第2吐出側空間とに仕切る第2仕
切り部材と、
第1吐出側空間と第2吸入側空間とを連通し
1つの作動室を形成する連通孔を有するとと
に、第1シリンダと第2シリンダとを隔てる
板と、
第1吸入側空間に作動流体を吸入させるため
の吸入ポートと、
第2吐出側空間から作動流体を吐出させるた
めの吐出ポートと、を備え、
連通孔は、吸入ポートから吐出ポートへの
動流体の直接的な吹き抜けが、シャフトの
回転角度で生じえないように、その開口形
および位置が設定されている、多段ロータ
型流体機械を提供する。
さらに、本発明は、
冷媒を圧縮する圧縮機と、
圧縮機で圧縮された冷媒を放熱させる放熱
と、
放熱器で放熱した冷媒を膨張させる膨張機
、
膨張機で膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器
、を備え、
膨張機が、上記多段ロータリ型流体機械に
って構成されている、冷凍サイクル装置を
供する。
上記本発明によれば、吸入ポートから吐 ポートに冷媒が直接的な吹き抜ける現象が こらなくなるので、高効率の多段ロータリ 流体機械を提供することが可能となる。本 明にかかる多段ロータリ型流体機械を冷凍 イクル装置の膨張機として用いた場合には 冷媒の膨張エネルギーを無駄なく回収する とが可能となるので、成績係数の向上効果 期待できる。
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の 施形態について説明する。ロータリ型膨張 やロータリ型圧縮機に代表されるロータリ 流体機械は、ローリングピストン方式また スイング方式に細分されるが、本発明はそ いずれに対しても適用可能である。本明細 ではローリングピストン方式の実施形態を 明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態である2段ロー
リ型膨張機の構成を示す縦断面図である。
2Aは、図1の2段ロータリ型膨張機のX1-X1横断
図、図2Bは、X2-X2横断面図である。2段ロータ
リ型膨張機100は、密閉容器102、発電機101およ
び膨張機構120を備えている。
発電機101は、密閉容器102に固定されたス ータ101aと、シャフト103に固定されたロータ 101bとを含む。シャフト103は、発電機101と膨 機構120とに共用されている。
膨張機構120は、上軸受部材107、第1シリン ダ105、中板104、第2シリンダ106、下軸受部材10 8、第1ピストン109、第2ピストン110、第1ベー 111、第2ベーン112、第1バネ113、第2バネ114お びシャフト103を備えており、いわゆる2段ロ タリ型の構成になっている。シャフト103は 中板104によって互いに隔てられた第1シリン ダ105と第2シリンダ106を貫通し、上軸受部材10 7および下軸受部材108によって回転可能に支 されている。シャフト103には、半径方向の 向きに突出する形で、第1偏心部103aと第2偏 部103bとが設けられている。第1偏心部103aに 、第1シリンダ105の内部に配置されたリング の第1ピストン109が嵌合している。第2偏心 103bには、第2シリンダ106の内部に配置された 第2ピストン110が嵌合している。
図2Aに示すごとく、第1シリンダ105には第1 ベーン溝105aが形成されている。第1ベーン溝1 05aには、第1ベーン111がスライド可能、言い えれば、長手方向に進退可能に装着されて る。第1バネ113は、第1ベーン111の背面側に配 置されており、一端が第1シリンダ105に接触 他端が第1ベーン111に接触して第1ベーン111を 第1ピストン109に押し付けている。また、図2B に示すごとく、第2シリンダ106には第2ベーン 106aが形成されている。第2ベーン溝106aには 第2ベーン112がスライド可能、言い換えれば 、長手方向に進退可能に装着されている。第 2バネ114は、第2ベーン112の背面側に配置され おり、一端が第2シリンダ106に接触し他端が 第2ベーン112に接触して第2ベーン112を第2ピス トン110に押し付けている。
なお、同じロータリ型でもスイング方式 場合には、ベーン111,112とピストン109,110と 一部品で構成され、ベーン111,112に相当する 分がピストン109,110に相当する部分とともに 前後左右に揺動する。
第1シリンダ105と第1ピストン109により形 される三日月形状の空間は、仕切り部材で る第1ベーン111により、吸入側の作動室であ 第1吸入側空間115aと、吐出側の作動室であ 第1吐出側空間115bとに仕切られている。また 、第2シリンダ106と第2ピストン110により形成 れる三日月形状の空間は、仕切り部材であ 第2ベーン112により、吸入側の作動室である 第2吸入側空間116aと、吐出側の作動室である 2吐出側空間116bとに仕切られている。
第1シリンダ105に形成されている吸入ポー ト105bは、第1吸入側空間115aに連通している。 吸入ポート105bには、密閉容器102の内外を貫 吸入管117が接続されている。中板104には、 さ方向に貫通する形で連通孔104aが形成され おり、その連通孔104aにより、第1シリンダ10 5の第1吐出側空間115bと第2シリンダ106の第2吸 側空間116aとが連通して1つの作動室(膨張室) を形成している。第2シリンダ106に形成され いる吐出ポート106bは、第2吐出側空間116bに 通している。吐出ポート106bには、密閉容器1 02の内外を貫く吐出管118が接続されている。
なお、吸入ポート105bは、中板104の反対側 に位置して第1シリンダ105を閉塞する部材(本 施形態では上軸受部材107)に形成されていて もよい。同様に、吐出ポート106bは、中板104 反対側に位置して第2シリンダ106を閉塞する 材(本実施形態では下軸受部材108)に形成さ ていてもよい。
本実施形態の2段ロータリ型膨張機100は、 第1シリンダ105の内径と第2シリンダ106の内径 が等しく、第1ピストン109の外径と第2ピス ン110の外径とが等しく、第1シリンダ105の高 と第2シリンダ106の高さが相違する。したが って、第2吸入側空間116aと第2吐出側空間116b 合計体積は、第1吸入側空間115aと第1吐出側 間115bの合計体積よりも大であり、第1シリン ダ105側よりも第2シリンダ106側の方が押しの 容積が大である。ただし、押しのけ容積の 小関係が本実施形態のごとく適切である限 、シリンダの内径、シリンダの高さおよび ストンの外径の少なくとも1つが相違してい もよい。
また、第1シリンダ105と第2シリンダ106と 同心状の配置となっているが、第1ベーン111 第2ベーン112とは、シャフト103の回転軸Oの りにおいて互いに所定角度ずれた配置とな ている。第1ベーン111と第2ベーン112のなす角 度は、例えば数十度の鋭角でありうる。さら に、シャフト103の第1偏心部103aと第2偏心部103 bとは、シャフト103の回転軸Oの周りにおいて 出する向き(偏心方向)が相違している。こ 突出向きの相違は、第1ベーン111と第2ベーン 112のなす角度θ(図3B参照)に一致している。つ まり、第1ピストン109が上死点(第1ベーン111を 最も押し上げる位置)に到達するタイミング 、第2ピストン110が上死点(第1ベーン112を最 押し上げる位置)に到達するタイミングとが 致する。このような構成によれば、第1シリ ンダ105の第1吐出側空間115bと第2シリンダ106の 第2吸入側空間116aで形成される膨張室の体積 円滑に増加させることができ、膨張機100の 収動力が最大化する。なお、本明細書では ピストンが上死点に到達するタイミングの とを、「ピストンの上死点のタイミング」 記すことがある。
また、連通孔104aは、第1ベーン111と第2ベ ン112とによって挟まれた角度領域内におい 、第1シリンダ105から第2シリンダ106に向か て延びるように、中板104に形成されている このような構成とすることにより、シャフ 103の回転軸Oに平行な方向(軸方向)に関する 通孔104aの長さを最小とすることができ、連 孔104aを冷媒が通過する際の圧力損失の低減 を図ることができる。
次に、膨張機100の作用について説明する。
高圧の冷媒は、図2Aに示す吸入管117から吸
ポート105bを経て、第1シリンダ105の第1吸入
空間115aに吸入される。シャフト103の回転に
って第1吸入側空間115aの容積が拡大する。
ャフト103がさらに回転すると、第1吸入側空
115aは、第1吐出側空間115bへと移行し、吸入
程が終了する。高圧の冷媒は、連通孔104aを
通じて第1シリンダ105の第1吐出側空間115bから
第2シリンダ106の第2吸入側空間116aに移動する
。そして、第1吐出側空間115b、連通孔104aおよ
び第2吸入側空間116aからなる膨張室全体の容
が増加する方向、すなわち、第1シリンダ105
の第1吐出側空間115bの容積が減少し、第2シリ
ンダ106の第2吸入側空間116aの容積が増加する
向にシャフト103が回転し、発電機101を駆動
る。シャフト103の回転に伴って第1シリンダ
105の第1吐出側空間115bは消滅する。第2シリン
ダ106の第2吸入側空間116aは、吐出ポート106bと
連通する第2吐出作動室116bへと移行し、膨張
程が終了する。そして、低圧となった冷媒
吐出ポート106bから吐出管118に吐出される。
図2Aに示すごとく、第1シリンダ105側にお て、連通孔104aの開口の位置と、吸入ポート 105bの位置とは、それぞれ、第1ベーン111の左 に振り分ける形で設定されている。また、 2シリンダ106側において、連通孔104aの開口 位置と、吐出ポート106bの位置とは、それぞ 、第2ベーン112の左右に振り分ける形で設定 されている。このようにすれば、膨張室とし て使えない空間がシリンダ105,106内に生ずる とを抑制でき、膨張室の容積を大きく確保 ることが可能となる。
本実施形態では、吸入ポート105bにバルブ を設けていないので、吸入管117を通って膨張 機構120に案内された冷媒は、シャフト103の全 回転角度で第1吸入側空間115aに吸入されうる また、吐出ポート106bにもバルブを設けてい ないので、膨張機構120で膨張した冷媒は、シ ャフト103の全回転角度で第2吐出側空間116bか 吐出ポート106bを経由して吐出管118へと吐出 されうる。このように、360°連続吸入および3 60°連続吐出を可能とすれば、騒音や振動の 因となる吸入脈動および吐出脈動を抑制す ことができる。
図11A~図11Dで説明したように、従来の2段 ータリ型膨張機によれば、360°連続吸入およ び360°連続吐出が可能であるものの、冷媒が く膨張することなく吸入ポートから吐出ポ トに吹き抜けることができる期間が存在す 場合がある。これに対し、本実施形態の2段 ロータリ型膨張機100は、そのような吹き抜け 現象が、シャフト103の全回転角度で起こりえ ないように、連通孔104aの開口形状(大きさを む)および位置が設定されている。以下、図 3A~図3Dを用いて説明を行う。図3A~図3Dは、先 示した図11A~図11Dと同様の動作説明図である
図3Aは、第1シリンダ105の第1吸 入側空間1 15aと連通孔104aとの連通が開始する瞬間を表 ている。この瞬間は、第1シリンダ105の第1吐 出側空間115bと連通孔104aとの連通が終了する 間でもある。第1吐出側空間115bの容積はゼ に近い。第2シリンダ106側では、連通孔104aが 第2ピストン110によって塞がれて全閉となっ いる。第2吐出側空間116bの容積もゼロに近い 。連通孔104aの開口縁ABCDの一部区間ABが第2ピ トン110の外形に一致している。
図3Bは、第1ピストン109と第2ピストン110が 共に上死点にある瞬間、すなわち、第1ベー 111と第2ベーン112とが最も押し込まれた瞬間 表している。第1ピストン109が上死点にある 瞬間は、第1ピストン109と第1シリンダ105との の空間115が1つにつながっている。同様に、 第2ピストン110が上死点にある瞬間は、第2ピ トン110と第2シリンダ106との間の空間116が1 につながっている。連通孔104aと第1シリンダ 105の空間115(115a+115b)との連通は始まっている 、第2シリンダ106の空間116(116a+116b)との連通 未だ始まっていない。
図3Cは、連通孔104aと第2シリンダ106の第2 入側空間116aとの連通が開始する瞬間を表し いる。
図3Dは、図3Cからシャフト103が20°回転し 瞬間を表している。第1シリンダ105の第1吐出 側空間115bと、第2シリンダ106の第2吸入側空間 116aと、連通孔104aとによって膨張室が構成さ ている。
吹き抜け現象の発生を防ぐには、吸入ポ ト105bと、第1シリンダ105の第1吸入側空間115a と、連通孔104aとが連通する期間において、 通孔104aと、第2シリンダ106の第2吐出側空間11 6bと、吐出ポート106bとが連通していなければ よい。このことが実現されるように、連通孔 104aの開口形状および位置、ならびに、第1ピ トン109および第2ピストン110の位相を設定す ることができる。
吸入ポート105bと連通孔104aとが連通する 間は、図3A~図3Cに相当する期間である。具体 的には、連通孔104aの開口縁と第1シリンダ105 内周面との接点Q1が第1ピストン109と第1シリ ンダ105との接点P1に一致する瞬間から、第1ピ ストン109と第1シリンダ105との接点P1が吸入ポ ート105bの形成されている角度範囲を通り過 るまで、言いかえれば、吸入ポート105bの全 が第1吸入側空間115aに露出するまでである 吸入ポート105bや吐出ポート106bの形成されて いる角度範囲は、吸入管117や吐出管118の内径 に対応する。一方、図3A~図3Cに相当する期間 連通孔104aの第2シリンダ106側の開口は、第2 ストン110で塞がれており、第2シリンダ106の 第2吐出側空間116bと連通孔104aとは連通しない 。したがって、冷媒が吸入ポート105bから吐 ポート106bに直接吹き抜ける現象は起こりえ 、動力回収に寄与しない冷媒が皆無となり 2段ロータリ型膨張機の効率が改善する。
図3Aの上段図に示すごとく、第1シリンダ1 05側における連通孔104aの開口形状は、円形で ある。ただし、円形に限定されるわけではな く、後述する楕円形や扇形など、他の形状も 採用可能である。また、連通孔104aの第1シリ ダ105側の開口縁が、第1シリンダ105の内周面 と、第1ベーン111の可動域との双方に接する うに、連通孔104aの位置を定めることができ 。このようにすれば、膨張室として働かな 空間の削減に有利であり、シャフト103の回 方向と逆方向のブレーキトルクの発生を抑 することができる。
他方、図3Aの下段図に示すごとく、第2シ ンダ106側は、開口縁ABCDの一部区間AB(第1区 )が、第2ピストン110と直径が等しく、かつ第 2シリンダ106と内接する仮想円に重なるよう 、連通孔104aの位置が設定されている。具体 には、連通孔104aの開口縁ABCDの一部区間ABが 、当該連通孔104aと第1吐出側空間115bとの連通 が遮断する瞬間(図3Aの瞬間)における第2ピス ン110の外形に沿った円弧状になっている。 1吐出側空間115bと連通孔104aとの連通が遮断 る瞬間と、第2吸入側空間116aと連通孔104aと 連通が遮断する瞬間とが一致するように、 1ピストン109および第2ピストン110の位相が 定されている。このようにすれば、シャフ 103の全回転角度で、冷媒が吸入ポート105bか 吐出ポート106bに直接吹き抜けてしまうこと を防止できるとともに、冷媒が連通孔104aを 過する際の圧力損失もなるべく小さくする とができる。
ただし、図3Aの瞬間に、連通孔104aの開口 ABCDの一部区間ABが第2ピストン110の外形に重 なっていなくてもよい。すなわち、第2シリ ダ106側における連通孔104aの開口縁ABCDの全部 が、当該連通孔104aと第1吸入側空間115aとの連 通が開始する図3Aの瞬間における第2ピストン 110の外形よりもシャフト103の中心側に位置し ていてもよい。この場合にも、同様の吹き抜 け防止の効果を得ることができる。
また、第2シリンダ106側における連通孔104 aの開口縁ABCDの全部が、第2シリンダ106の内周 面から離間している。このようにすれば、吸 入ポート105bと第1シリンダ105の第1吸入側空間 105aと連通孔104aとの三者が連通している期間 経過するまで、第2シリンダ106側で連通孔104 aが全閉の状態を維持することが可能となる
なお、本実施形態では、第1シリンダ105側 と第2シリンダ106側とで、連通孔104aの開口形 を異ならせてあるが、この開口形状の相違 、次のようにして作り出すことができる。 4Aに示すように、まず、中板104を厚さ方向 貫き、横断面形状が円形の貫通孔THを形成す る。次に、その貫通孔THの周りを浅く掘削し 座ぐり104p,104qを設け、その座ぐり104p,104qを む連通孔104aを形成する。このようにすれば 、中板104の裏表で連通孔104aの開口形状を自 に調整することが可能である。第2シリンダ1 06側における連通孔104aの開口縁ABCDは、座ぐ 104qによって形成される。座ぐり104p,104qの加 は比較的容易なのでコスト増の問題もない このような座ぐりは、第2シリンダ106側にの み設けられていてもよいし、第1シリンダ105 にのみ設けられていてもよい。また、図4Bに 示すごとく、中板104に形成する貫通孔THは、 断面形状が楕円を示す斜め孔であっても構 ない。なお、座ぐり104p,104qによって規定さ る開口面積を、第1シリンダ105側と第2シリ ダ106側とで一致させることが、圧力損失の 大を防ぐうえで好ましい。
また、連通孔104aは、第2シリンダ106側の 口縁ABCDの一部区間AD(第2区間)が、第2ベーン1 12の可動域に沿うように、その開口形状およ 位置を設定することができる。つまり、図3 Aに示すように、第2ベーン溝106aの延長線上に 連通孔104aの開口縁ABCDの一部区間ADが重なっ いる。第2ベーン112のなるべく近くに連通孔1 04aを設けることは、膨張室として働かない空 間の削減に有効であり、こうすることにより 、第2吸入側空間116aに冷媒がない状態でシャ ト103が回転することに起因するブレーキト クが低減する。
また、連通孔104aは、開口縁ABCDの全部が 1ベーン溝105aと第2ベーン溝106aとで挟まれる 度範囲内に収まるように、その開口形状お び位置を設定することができる。第1ベーン 溝105aの延長線を中板104に投影し、その投影 れた延長線上に開口縁ABCDの一部区間BC(第3区 間)を定めることができる。開口縁ABCDの一部 間CD(第4区間)を形成する点Cおよび点Dは、連 通孔104aの開口面積が、最終的に、第1シリン 105側と第2シリンダ106側とで等しくなるよう に定めるとよい。本実施形態では、上記区間 CDを曲線としているが、これに限定されるわ ではなく、直線であってもよい。
また、図3Cから分かるように、第2シリン 106の第2吸入側空間116aと連通孔104aとの連通 開始する瞬間に、第1シリンダ105側では、第 1ピストン109の外周面と第1シリンダ105の内周 との接点P1が、吸入ポート105bの縁(シャフト 103の回転方向前方側の縁)に位置しているこ が好ましい。つまり、吸入ポート105bと第1吐 出側空間115bとの連通が絶たれる瞬間と、第1 出側空間115bと連通孔104aと第2吸入側空間116a との連通が開始する瞬間とが一致するように 、第1ピストン109および第2ピストン110の位相 設定することができる。
第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとの 連通が開始するよりも前に、吸入ポート105b 第1吐出側空間115bとの連通が絶たれると、そ の第1吐出側空間115bを満たす冷媒が圧縮作用 受ける可能性がある。また、第1吐出側空間 115bと第2吸入側空間116aとの連通が開始したに も関わらず、吸入ポート105bと第1吐出側空間1 15bとの連通が継続するようだと、吸入過程が 長くなる分、膨張過程が短くなり、シリンダ の大きさの割には膨張比が小さくなってしま う。
なお、(1)吸入ポート105bと第1吐出側空間11 5bとの連通が絶たれた瞬間からシャフト103が 小角度(例えば1度~3度、好ましくは1度~2度) 転したら、第1吐出側空間115bと第2吸入側空 116aとの連通が開始する、(2)第1吐出側空間115 bと第2吸入側空間116aとの連通が開始してから シャフト103が微小角度(例えば1度~3度、好ま くは1度~2度)回転したら、吸入ポート105bと第 1吐出側空間115bとの連通が絶たれる、という 合に、吸入ポート105bと第1吐出側空間115bと 連通が絶たれる瞬間(吸入完了タイミング) 、第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとの 通が開始する瞬間(膨張開始タイミング)と 多少前後していたとしてもよい。冷媒の吹 抜け現象が起こりうるわけではなく、両タ ミングのズレがごく短い期間であれば、効 的な膨張エネルギーの回収にほとんど影響 及ばないと考えられるからである。
(第2実施形態)
図5A~図5Dに示すごとく、この第2実施形態で
、第1ベーン111および第2ベーン112は、シャ
ト103の回転軸Oの周りにおいて、互いに一致
る角度位置に配置されている。そして、第1
ベーン111および第2ベーン112の長手方向中心
と、シャフト103の回転軸Oとを含む平面を一
側から他方側に横切り、シャフト103の回転
Oに対して傾いた方向に延びるように、連通
孔104bが中板104に形成される。2つのベーン111,
112が軸方向の上下で重なり合うこのような配
置は、膨張機構120(図1参照)の全体的な寸法を
小さくするのに有利である。中板104の板厚方
向を斜めに貫く連通孔104b(例えば図4Bで説明
たような連通孔)を採用することにより、第1
実施形態とほぼ同じ構造の膨張機構を採用で
きる。
先の第1実施形態では、第1ピストン109の 心方向(=第1偏心部103aの偏心方向に一致する) と、第2ピストン110の偏心方向(=第2偏心部103b 偏心方向に一致する)とが相違し、この結果 、両ピストン109,110の上死点のタイミングが 致する。これに対し、本実施形態では、第1 ーン111の配置角度と第2ベーン112の配置角度 とが一致し、第1ピストン109の偏心方向(位相) と第2ピストン110の偏心方向とが一致し、こ により、両ピストン109,110の上死点のタイミ グが一致することとなる。
図5Aは、第1シリンダ105の第1吸入側空間115 aと連通孔104bとの連通が開始する瞬間を表し いる。この瞬間は、連通孔104bが第2ピスト 110によって塞がれた瞬間でもある。すなわ 、第2シリンダ106側では、連通孔104bが第2ピ トン110によって塞がれて全閉となっている 連通孔104bの開口縁ABCDの一部区間ABが第2ピス トン110の外形に一致している。中板104を斜め に穿孔することにより、第1シリンダ105側に れる開口形状が楕円の連通孔104bが形成され 。ただし、図4Aで説明したような座ぐりを 成することにより、開口形状は自由に調整 きる。
図5Bは、第1ピストン109と第2ピストン110が 共に上死点にある瞬間、すなわち、第1ベー 111と第2ベーン112とが最も押し込まれた瞬間 表している。連通孔104bと第1シリンダ105の 間115(115a+115b)との連通は始まっているが、第 2シリンダ106の空間116(116a+116b)との連通は未だ 始まっていない。
図5Cは、連通孔104bと第2シリンダ106の第2 入側空間116aとの連通が開始する瞬間を表し いる。この瞬間になって初めて、連通孔104b から第2シリンダ106の第2吸入側空間116aへの冷 媒の供給が開始される。
図5Dは、図5Cからシャフト103が20°回転し 瞬間を表している。第1シリンダ105の第1吐出 側空間115bと、第2シリンダ106の第2吸入側空間 116aと、連通孔104cとによって膨張室が構成さ ている。
図5A~図5Dから分かるように、本実施形態 おいても、吸入ポート105bから吐出ポート106b に冷媒が吹き抜けることができる期間は存在 しない。
(第3実施形態)
第1実施形態では、第2シリンダ106の内周面
ら開口縁ABCDが離間するように、連通孔104aの
開口形状および位置が設定されている。これ
に対し、本実施形態では、図6A~図6Dに示すご
く、第2シリンダ106の内周面に開口縁ABCDが
するように、連通孔104cの開口形状および位
が設定されている。具体的には、開口縁ABCD
上の1点である点Aが第2シリンダ106の内周面上
かつ第2ベーン溝106b(図2B参照)の縁に設定され
ている。開口縁ABCDの第1区間ABは、第1実施形
と同様の円弧状である。残りの区間AD,BC,CD
ついても、第1実施形態と同様に定めること
できる。
本実施形態では、第1ベーン111および第2 ーン112が平面視で略V字型を示す配置になっ いる。この点は、第1実施形態と共通である 。しかしながら、第1ピストン109が上死点に 達するタイミングと、第2ピストン110が上死 に到達するタイミングとが一致していない
第1実施形態の連通孔104a(図3A参照)と、本 施形態の連通孔104cとの相違は、開口縁ABCD 第2シリンダ106の内周面に接しているか、そ とも離間しているかという点にある。視点 全体に移してみると、第1ピストン109の上死 点のタイミングと、第2ピストン110の上死点 タイミングとが相違している、という構成 の違いがある。
具体的には、図6Bに示すごとく、第2ピス ン110の上死点のタイミングが、第1ピストン 109の上死点のタイミングよりも早く到来する ように、各ピストン109,110の偏心方向が設定 れている。第1ベーン111と第2ベーン112がなす 角度θと、第1偏心部103aの偏心方向と第2偏心 103bの偏心方向とのなす角度αとが異なる。 2ピストン106の上死点のタイミングは、第1 ストン105の上死点のタイミングよりも(θ-α) 進んでいる。つまり、第2ピストン106の位相 は、第1ピストン105の位相よりも(θ-α)度進ん いる。
図6Aは、第1シリンダ105の第1吸入側空間115 aと連通孔104cとの連通が開始する瞬間を表し いる。第2シリンダ106側では、連通孔104cが 2ピストン110によって塞がれて全閉となって る。連通孔104cの開口縁ABCDの一部区間ABが第 2ピストン110の外形に一致している。第1シリ ダ105と第1ピストン109との接点P1は、第1シリ ンダ105の内周面と連通孔104cとの接点Q1にあり 、第1ピストン109はあと少しで上死点に到達 る。一方、第2シリンダ106と第2ピストン110と の接点P2は、連通孔104cの開口縁ABCD上の点Aに り、第2ピストン110は既に上死点を通り越し ている。また、図6Aの瞬間は、第2シリンダ106 の第2吸入側空間116aと連通孔104cとの連通が始 まる瞬間でもある。連通孔104cは、第1シリン 105の第1吸入側空間115aと、第2シリンダ106の 2吸入側空間116aとの双方に、同時に連通を 始する。
図6Bは、第1ピストン109が上死点に到達し 瞬間を表している。連通孔104cは、第1シリ ダ105の空間115と第2シリンダ106の第2吸入側空 間116aとの双方に連通しているが、第2シリン 106と第2ピストン110との接点P2が、吐出ポー 106bへの経路を遮断しているので、吹き抜け 現象は起こりえない。第2シリンダ106の第2吸 側空間116aに冷媒がない状態でシャフト103が 回転する期間、すなわち、ブレーキトルクの 発生する期間は、ほとんど存在しない。
図6Cは図6Bからシャフト103が20°回転した 間を表し、図6Dは図6Cからシャフト103が20°回 転した瞬間を表している。連通孔104cは、第1 リンダ105の第1吐出側空間115bと第2シリンダ1 06の第2吸入側空間116aとの双方と連通してお 、その連通面積が拡大しつつある。第1シリ ダ105と第1ピストン109との接点P1が、シャフ 103の回転方向における吸入ポート105bの縁に 到達した時点から冷媒の膨張が始まる。
図6A~図6Dから分かるように、本実施形態 おいても、吸入ポート105bから吐出ポート106b に冷媒が吹き抜けることができる期間は存在 しない。
このように、連通孔104cの開口形状および 位置の設定と併せて、ピストン109,110の偏心 向の調整を行うことより、冷媒の吹き抜け 象が起こりえず、かつブレーキトルクの発 期間が極めて短い2段ロータリ型膨張機を提 できる。
(第4実施形態)
図7A~図7Dに示す第4実施形態は、(i)第1ベーン
111および第2ベーン112が互いに一致する角度
配置されている第2実施形態と、(ii)第2シリ
ダ106の内周面に開口縁ABCDが接するように、
通孔104cの開口形状および位置が設定されて
いる第3実施形態と、を組み合わせた実施形
と考えることができる。上死点のタイミン
は、第3実施形態と同様、第1ピストン109と第
2ピストン110とで相違している。
図7Aは、第1シリンダ105の第1吸入側空間115 aと連通孔104dとの連通が開始する瞬間を表し いる。第2シリンダ106側では、連通孔104dが 2ピストン110によって塞がれて全閉となって る。連通孔104dの開口縁ABCDの一部区間ABが第 2ピストン110の外形に一致している。第1シリ ダ105と第1ピストン109との接点P1は、第1シリ ンダ105の内周面と連通孔104dとの接点Q1にあり 、第1ピストン109はあと少しで上死点に到達 る。一方、第2シリンダ106と第2ピストン110と の接点P2は、連通孔104dの開口縁ABCD上の点Aに り、第2ピストン110は既に上死点を通り越し ている。また、図7Aの瞬間は、第2シリンダ106 の第2吸入側空間116aと連通孔104dとの連通が始 まる瞬間でもある。連通孔104dは、第1シリン 105の第1吸入側空間115aと、第2シリンダ106の 2吸入側空間116aとの双方に、同時に連通を 始する。
図7Bは、第1ピストン109が上死点に到達し 瞬間を表している。連通孔104dは、第1シリ ダ105の空間115と第2シリンダ106の第2吸入側空 間116aとの双方に連通しているが、第2シリン 106と第2ピストン110との接点P2が、吐出ポー 106bへの経路を遮断しているので、吹き抜け 現象は起こりえない。
図7Cは図7Bからシャフト103が20°回転した 間を表し、図7Dは図7Cからシャフト103が20°回 転した瞬間を表している。連通孔104dは、第1 リンダ105の第1吐出側空間115bと第2シリンダ1 06の第2吸入側空間116aの双方と連通しており その連通面積が拡大しつつある。第1シリン 105と第1ピストン109との接点P1が、シャフト1 03の回転方向における吸入ポート105bの縁に到 達した時点から冷媒の膨張が始まる。
図7A~図7Dから分かるように、本実施形態 おいても、吸入ポート105bから吐出ポート106b に冷媒が吹き抜けることができる期間は存在 しない。
(第5実施形態)
第1~第4実施形態は、第1シリンダと第2シリ
ダの内径が等しく、かつ第1ピストンと第2ピ
ストンの外径が等しい構成であったが、そう
した構成は本発明に必須ではない。図8A~図8D
示すごとく、本実施形態では、大径の第1シ
リンダ105’と小径の第2シリンダ106とが採用
れている。第1ピストン109と第2ピストン110の
外径は等しいので、第2シリンダ106側の押し
け容積が大きくなるように、第2シリンダ106
高さは、第1シリンダ105’の高さよりも大き
く設定されている。
シリンダの内径が相違するという点を除 、本実施形態は、第3実施形態と共通の構成 となっている。すなわち、図8A~図8Dは、図6A~ 6Dに対応している。本実施形態においても 吸入ポート105bから吐出ポート106bに冷媒が吹 き抜けることができる期間は存在しない。
なお、第2シリンダの内径を第1シリンダ 内径よりも大きくしたり、ピストンの外径 異ならせたりしてもよい。場合によっては 第1シリンダの高さと第2シリンダの高さとが 一致していてもよい。
本実施形態の2段ロータリ型膨張機100は、 冷凍サイクルにおける冷媒のような圧縮性流 体から膨張エネルギーを回収する動力回収装 置として有用である。
2段ロータリ型膨張機100は、例えば、空調 機や給湯機の主要部を構成する冷凍サイクル 装置に適用することができる。図9に示すよ に、冷凍サイクル装置500は、冷媒を圧縮す 圧縮機501と、圧縮機501で圧縮された冷媒を 熱させる放熱器502と、放熱器502で放熱した 媒を膨張させる2段ロータリ型膨張機100と、2 段ロータリ型膨張機100で膨張した冷媒を蒸発 させる蒸発器504とを備えている。2段ロータ 型膨張機100は、冷媒の膨張エネルギーを電 の形で回収する。回収された電力は、圧縮 501を作動させるために必要な電力の一部と て使用される。ただし、2段ロータリ型膨張 100のシャフトと、圧縮機501のシャフトとを 結することにより、冷媒の膨張エネルギー 電力に変換せずに、機械力の形で圧縮機501 直接伝達する形態も採用することができる
なお、本明細書ではシリンダが2段のロー タリ型流体機械(膨張機)を例示したが、シリ ダが3段またはそれ以上であっても、本発明 による効果を同様に享受することができる。
