株式会社村田製作所 (〒55 京都府長岡京市東神足1丁目10番1号 Kyoto, 6178555, JP)
| 低温焼成セラミック材料を含む複数のセラミックグリーン層を積層してなる生のセラミック積層体と、前記セラミック積層体の互いに対向する第1および第2の主面上にそれぞれ配置されかつ前記低温焼成セラミック材料を焼結させ得る焼成条件では焼結しない無機材料の粉末を含む第1および第2の収縮抑制層とを含む、複合積層体を用意する工程と、 前記低温焼成セラミック材料を焼結させ得るとともに、前記セラミックグリーン層と前記第1の収縮抑制層との界面ならびに前記セラミックグリーン層と前記第2の収縮抑制層との界面に沿って、それぞれ、前記低温焼成セラミック材料と前記無機材料とが互いに化学的に反応して第1および第2の反応層を生成させ得るような焼成条件にて、前記複合積層体を焼成する、焼成工程と、 前記焼成工程の後、前記複合積層体から前記第1および第2の収縮抑制層を除去する、除去工程と を備え、 前記除去工程は、前記第1および第2の反応層の少なくとも一方の厚みを減じ、それによって、前記第1および第2の反応層の各々の厚みを互いに異ならせる工程を含む、 多層セラミック基板の製造方法。 |
| 前記セラミック積層体の前記第1および第2の主面上に、それぞれ、第1および第2の表面導体膜を形成する工程をさらに備え、前記第2の表面導体膜の面積は前記第1の表面導体膜の面積より小さくされ、前記除去工程において、前記第2の反応層の厚みが前記第1の反応層の厚みより薄くされる、請求項1に記載の多層セラミック基板の製造方法。 |
| 前記セラミック積層体の前記第1および第2の主面は、それぞれ、前記第1および第2の表面導体膜が形成されない第1および第2の導体非形成領域を有し、前記除去工程において、前記第1および第2の導体非形成領域上にそれぞれ位置する前記第1および第2の反応層の各々の体積が互いに実質的に同じとされる、請求項2に記載の多層セラミック基板の製造方法。 |
| 前記除去工程は、ブラスト処理を前記収縮抑制層に対して施す工程を備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。 |
| 低温焼成セラミック材料の焼結体からなりかつ積層された複数のセラミック層をもって構成されるセラミック積層体を備え、 前記セラミック積層体の互いに対向する第1および第2の主面上に、それぞれ、前記低温焼成セラミック材料と前記低温焼成セラミック材料を焼結させ得る焼成条件では焼結しない無機材料とが互いに化学的に反応して生成された第1および第2の反応層が形成され、 前記第1および第2の反応層の各々の厚みが互いに異なる、 多層セラミック基板。 |
| 前記セラミック積層体の前記第1および第2の主面上に、それぞれ、第1および第2の表面導体膜が形成され、前記第2の表面導体膜の面積は前記第1の表面導体膜の面積より小さくされ、前記第2の反応層の厚みは前記第1の反応層の厚みより薄い、請求項5に記載の多層セラミック基板。 |
| 前記セラミック積層体の前記第1および第2の主面は、それぞれ、前記第1および第2の表面導体膜が形成されない第1および第2の導体非形成領域を有し、前記第1および第2の導体非形成領域上にそれぞれ位置する前記第1および第2の反応層の各々の体積は互いに実質的に同じである、請求項6に記載の多層セラミック基板。 |
| 低温焼成セラミック材料を含む複数のセラミックグリーン層を積層してなる生のセラミック積層体と、前記セラミック積層体の互いに対向する第1および第2の主面上にそれぞれ配置されかつ前記低温焼成セラミック材料を焼結させ得る焼成条件では焼結しない無機材料の粉末を含む第1および第2の収縮抑制層とを含む、複合積層体を用意する工程と、 前記低温焼成セラミック材料を焼結させ得るとともに、前記セラミックグリーン層と前記第1の収縮抑制層との界面ならびに前記セラミックグリーン層と前記第2の収縮抑制層との界面に沿って、それぞれ、前記低温焼成セラミック材料と前記無機材料とが互いに化学的に反応して第1および第2の反応層を生成させ得るような焼成条件にて、前記複合積層体を焼成する、焼成工程と、 前記焼成工程の後、前記複合積層体から前記第1および第2の収縮抑制層を除去する、除去工程と を備える製造方法によって製造される多層セラミック基板の反りを抑制する方法であって、 準備段階において、前記製造方法によって所定の設計を有する多層セラミック基板を先行的に製造する工程と、先行的に製造された前記多層セラミック基板の反り状態を認識する工程と、前記反り状態に応じて、反りを抑制し得る前記第1および第2の反応層の各々の厚みを決定する工程とを備え、 その後の本格的製造段階において、前記製造方法を実施しながら、反りを抑制し得るように決定された前記第1および第2の反応層の各々の厚みを得るため、前記除去工程で、前記第1および第2の反応層の少なくとも一方の厚みを減じるようにする、多層セラミック基板の反り抑制方法。 |
この発明は、多層セラミック基板、その 造方法およびその反り抑制方法に関するも で、特に、いわゆる無収縮プロセスを用い 多層セラミック基板の製造方法、この製造 法によって得られた多層セラミック基板、 よびその反り抑制方法に関するものである
いわゆる無収縮プロセスによって多層セ ミック基板を製造する場合、まず、低温焼 セラミック材料を含む複数のセラミックグ ーン層を積層してなる生のセラミック積層 と、このセラミック積層体の互いに対向す 第1および第2の主面上にそれぞれ配置され つ上記低温焼成セラミック材料を焼結させ る焼成条件では焼結しない無機材料の粉末 含む第1および第2の収縮抑制層とを含む、複 合積層体が用意される。
次いで、上記低温焼成セラミック材料を 結させ得る焼成条件にて、複合積層体が焼 される。この焼成工程において、前述した 機材料は実質的に焼結しないため、第1およ び第2の収縮抑制層は実質的に収縮しない。 のため、第1および第2の収縮抑制層は、セラ ミック積層体に対して、その主面方向への収 縮を抑制するように作用し、その結果、セラ ミック積層体、すなわち製造しようとする多 層セラミック基板の寸法精度を高めることが できる。また、焼成工程において、収縮抑制 層とセラミックグリーン層との界面に沿って 、低温焼成セラミック材料と無機材料とが互 いに化学的に反応して反応層が生成されるこ とが知られている。
次に、たとえばブラスト処理が施され、 れによって、複合積層体から第1および第2 収縮抑制層が除去され、目的とする多層セ ミック基板が取り出される。
上述のような無収縮プロセスによる多層 ラミック基板の製造方法によれば、特に主 方向について高い寸法精度をもって多層セ ミック基板を製造することができる。しか ながら、多層セラミック基板となるべき生 セラミック積層体における導体膜やビア導 のような導体部分の分布状況の影響、また セラミックグリーン層の厚み、組成等の影 を向けて焼成工程において、多層セラミッ 基板に反りが生じることがある。特に生の ラミック積層体の主面上に位置する表面導 膜が反りに対して大きな影響を及ぼすこと わかっている。
このような反りを抑制するため、たとえ 特開2001-60767号公報(特許文献1)では、第1お び第2の収縮抑制層の間で厚みを変えること 提案されている。また、WO2002/043455再公表公 報(特許文献2)には、収縮抑制層に含まれる無 機材料粉末の粒径を第1および第2の収縮抑制 の間で変えることが提案されている。
しかしながら、上記の技術を用いて焼成 に生じ得る反りを抑制し得たとしても、収 抑制層を除去したときに、新たな反りが生 たり、反りの度合いが増したりすることが る。このことを、図6を参照して説明する。
図6には、焼成工程を終え、次いで第1の 縮抑制層6(破線で示す。)を除去した後の複 積層体1が断面図で示されている。
複合積層体1は、低温焼成セラミック材料 の焼結体からなりかつ積層された複数のセラ ミック層3をもって構成されるセラミック積 体2を備えている。なお、図6では、セラミッ ク積層体2に関連して設けられる導体膜やビ 導体などの図示が省略されている。セラミ ク積層体2の互いの対向する第1および第2の 面4および5をそれぞれ覆うように、第1およ 第2の収縮抑制層6および7が配置されている また、これら第1および第2の収縮抑制層6お び7とセラミック積層体2との間には第1およ 第2の反応層8および9が形成されている。
まず、第1の収縮抑制層6に向かって、矢 10で示すようなブラスト処理を施し、第1の 縮抑制層6を除去したとき、セラミック積層 2に働いていた圧縮応力が解放されることに より、図6に示すように、第1の主面4側を凸と する反りが生じる。次いで、第2の収縮抑制 7を除去すると、同様の圧縮応力の解放が第2 の主面5側においても生じ、その結果、セラ ック積層体2はほぼ平坦の状態となる。
しかしながら、このような収縮抑制層6およ
び7の除去工程の場合にも、セラミック積層
2における導体膜やビア導体のような導体部
の分布状況や、セラミック層3の厚み、組成
等の影響を受けて、不均一な圧縮応力が働く
ことがあるため、セラミック積層体2をもっ
構成された多層セラミック基板に反りが残
ことがある。また、このような反りについ
も、セラミック積層体2の主面4および5上に
置する表面導体膜に大きく影響されること
わかっている。
そこで、この発明の目的は、上述したよ な収縮抑制層の除去により発生する反りを 制することができる、多層セラミック基板 製造方法を提供しようとすることである。
この発明の他の目的は、上述した製造方 によって製造される多層セラミック基板を 供しようとすることである。
この発明のさらに他の目的は、多層セラ ック基板の反り抑制方法を提供しようとす ことである。
この発明に係る多層セラミック基板の製 方法は、低温焼成セラミック材料を含む複 のセラミックグリーン層を積層してなる生 セラミック積層体と、このセラミック積層 の互いに対向する第1および第2の主面上に れぞれ配置されかつ低温焼成セラミック材 を焼結させ得る焼成条件では焼結しない無 材料を含む第1および第2の収縮抑制層とを含 む、複合積層体を用意する工程と、上記低温 焼成セラミック材料を焼結させ得るとともに 、セラミックグリーン層と第1の収縮抑制層 の界面ならびにセラミックグリーン層と第2 収縮抑制層との界面に沿って、それぞれ、 温焼成セラミック材料と無機材料とが互い 化学的に反応して第1および第2の反応層を 成させ得るような焼成条件にて、複合積層 を焼成する、焼成工程と、焼成工程の後、 合積層体から第1および第2の収縮抑制層を除 去する、除去工程とを備えている。
このような多層セラミック基板の製造方 において、上述した技術的課題を解決する め、この発明では、除去工程は、第1および 第2の反応層の少なくとも一方の厚みを減じ それによって、第1および第2の反応層の各々 の厚みを互いに異ならせる工程を含むことを 特徴としている。
セラミック積層体の第1および第2の主面 に、それぞれ、第1および第2の表面導体膜を 形成する工程をさらに備え、第2の表面導体 の面積が第1の表面導体膜の面積より小さく れる場合、除去工程において、第2の反応層 の厚みが第1の反応層の厚みより薄くされる とが好ましい。
上述の場合、セラミック積層体の第1およ び第2の主面は、それぞれ、第1および第2の表 面導体膜が形成されない第1および第2の導体 形成領域を有するが、好ましくは、第1およ び第2の導体非形成領域上にそれぞれ位置す 第1および第2の反応層の各々の体積が互いに 実質的に同じとされるように、除去工程が実 施される。
この発明に係る多層セラミック基板の製 方法において、除去工程では、ブラスト処 を収縮抑制層に対して施すようにされるこ が好ましい。
この発明は、また、上述のような製造方 によって製造される多層セラミック基板に 向けられる。
この発明に係る多層セラミック基板は、 温焼成セラミック材料の焼結体からなりか 積層された複数のセラミック層をもって構 されるセラミック積層体を備え、セラミッ 積層体の互いに対向する第1および第2の主 上に、それぞれ、低温焼成セラミック材料 低温焼成セラミック材料を焼結させ得る焼 条件では焼結しない無機材料とが互いに化 的に反応して生成された第1および第2の反応 層が形成され、第1および第2の反応層の各々 厚みが互いに異なることを特徴としている
この発明に係る多層セラミック基板にお て、セラミック積層体の第1および第2の主 上に、それぞれ、第1および第2の表面導体膜 が形成され、第2の表面導体膜の面積が第1の 面導体膜の面積より小さくされる場合、第2 の反応層の厚みは第1の反応層の厚みより薄 ことが好ましい。
上述の場合、セラミック積層体の第1およ び第2の主面は、それぞれ、第1および第2の表 面導体膜が形成されない第1および第2の導体 形成領域を有するが、第1および第2の導体 形成領域上にそれぞれ位置する第1および第2 の反応層の各々の体積は、互いに実質的に同 じであることが好ましい。
さらに、この発明は、低温焼成セラミッ 材料を含む複数のセラミックグリーン層を 層してなる生のセラミック積層体と、セラ ック積層体の互いに対向する第1および第2 主面上にそれぞれ配置されかつ低温焼成セ ミック材料を焼結させ得る焼成条件では焼 しない無機材料を含む第1および第2の収縮抑 制層とを含む、複合積層体を用意する工程と 、低温焼成セラミック材料を焼結させ得ると ともに、セラミックグリーン層と第1の収縮 制層との界面ならびにセラミックグリーン と第2の収縮抑制層との界面に沿って、それ れ、低温焼成セラミック材料と無機材料と 互いに化学的に反応して第1および第2の反 層を生成させ得るような焼成条件にて、複 積層体を焼成する、焼成工程と、焼成工程 後、複合積層体から第1および第2の収縮抑制 層を除去する、除去工程とを備える製造方法 によって製造される多層セラミック基板の反 りを抑制する方法にも向けられる。
この発明に係る多層セラミック基板の反 抑制方法は、準備段階において、上記製造 法によって所定の設計を有する多層セラミ ク基板を先行的に製造する工程と、先行的 製造された多層セラミック基板の反り状態 認識する工程と、この反り状態に応じて、 りを抑制し得る第1および第2の反応層の各 の厚みを決定する工程とを備え、その後の 格的製造段階において、上記製造方法を実 しながら、反りを抑制し得るように決定さ た第1および第2の反応層の各々の厚みを得る ため、上記除去工程で、第1および第2の反応 の少なくとも一方の厚みを減じるようにす ことを特徴としている。
焼成工程において生成される反応層は、 ラミック積層体に対して圧縮応力を及ぼす のであるが、この発明によれば、第1および 第2の反応層の少なくとも一方の厚みを減じ それによって、第1および第2の反応層の各々 からセラミック積層体に及ぼされる圧縮応力 のバランスを取ることができるため、多層セ ラミック基板の反りを抑制することができる 。したがって、多層セラミック基板の製造に おける歩留まりを向上させることができると ともに、多層セラミック基板の大面積化を図 ることができ、これらのことから、多層セラ ミック基板の生産効率を高めることができる 。
この発明において、セラミック積層体の 1および第2の主面上に、それぞれ、第1およ 第2の表面導体膜が形成される場合、これら 表面導体膜上においては、表面導体膜が形成 されない導体非形成領域上に比べて、反応層 が薄くしか形成されないか、あるいは反応層 がほとんどまたは全く形成されない。したが って、表面導体膜が形成された領域では、導 体非形成領域に比べて、反応層から及ぼされ る圧縮応力が小さい。そのため、第2の表面 体膜の面積が第1の表面導体膜の面積より小 い場合、第2の反応層の厚みが第1の反応層 厚みより薄くされると、より適正に多層セ ミック基板の反りを抑制することができる
また、上述のように第2の表面導体膜の面 積が第1の表面導体膜の面積より小さい場合 セラミック積層体の第1の主面における第1の 表面導体膜が形成されない第1の導体非形成 域上に位置する第1の反応層の体積が、第2の 主面における第2の表面導体膜が形成されな 第2の導体非形成領域上に位置する第2の反応 層の体積と実質的に同じとされると、より適 正に多層セラミック基板の反りを抑制するこ とができる。
この発明に係る多層セラミック基板の製 方法において、除去工程を実施するにあた 、ブラスト処理を適用すると、ブラスト材 吐出圧力や吐出時間またはブラスト材の粒 などを調整することにより、反応層の厚み 容易に制御することができる。
この発明に係る多層セラミック基板の反 抑制方法によれば、準備段階において、反 を抑制し得る第1および第2の反応層の各々 厚みを決定し、その後の本格的製造段階に いて、反りを抑制し得るように決定された 1および第2の反応層の各々の厚みを得るため 、除去工程で、第1および第2の反応層の少な とも一方の厚みを減じるようにしているの 、量産性に優れた反り抑制方法とすること できる。また、収縮抑制層の厚みを調整し り、収縮抑制層に含まれる無機材料粉末の 径を調整したりする必要がないため、工程 理の煩雑さを避けることができる。
11 多層セラミック基板
14 セラミック層
15 セラミック積層体
16 第1の主面
17 第2の主面
18 第1の表面導体膜
19 第2の表面導体膜
22 第1の反応層
23 第2の反応層
31 複合積層体
32 セラミックグリーン層
33 生のセラミック積層体
34 第1の収縮抑制層
35 第2の収縮抑制層
図1ないし図5は、この発明の一実施形態 説明するためのものである。より詳細には 図1は、この発明の一実施形態による多層セ ミック基板11を、その上に実装された実装 品12および13とともに示す断面図である。図2 ないし図4は、図1に示した多層セラミック基 11の製造方法を説明するためのものである 図5(A)および(B)は、それぞれ、図4に示した部 分AおよびBを拡大して示す図である。
図1を参照して、多層セラミック基板11は 低温焼成セラミック材料の焼結体からなり つ積層された複数のセラミック層14をもっ 構成されるセラミック積層体15を備えている 。セラミック積層体15の互いに対向する第1お よび第2の主面16および17上には、それぞれ、 くつかの第1および第2の表面導体膜18および 19が形成されている。この実施形態では、第2 の表面導体膜19の面積(合計面積)は第1の表面 体膜18の面積(合計面積)より小さくされてい る。セラミック積層体15の内部には、いくつ の内部導体膜20およびいくつかのビア導体21 が形成されている。
また、セラミック積層体15の第1および第2 の主面16および17上には、それぞれ、第1およ 第2の反応層22および23が形成されている。 れら反応層22および23は、後述する製造方法 説明から明らかになるように、低温焼成セ ミック材料とこの低温焼成セラミック材料 焼結させ得る焼成条件では焼結しない無機 料とが互いに化学的に反応して生成された のである。この実施形態では、第2の反応層 23の厚みは第1の反応層22の厚みより薄くされ また、第1の主面16における第1の表面導体膜 18が形成されない第1の導体非形成領域上に位 置する第1の反応層22の体積は、第2の主面17に おける第2の表面導体膜19が形成されない第2 導体非形成領域上に位置する第1の反応層23 体積と実質的に同じとされている。これら 理由については後述する。
また、セラミック積層体15の第1の主面16 に形成された第1の表面導体膜18のうちの特 のものと電気的に接続されるようにして、 装部品12および13が多層セラミック基板11上 実装されている。
次に、図2ないし図5を参照して、多層セ ミック基板11の製造方法について説明する。
まず、図2に示すような複合積層体31が用 される。複合積層体31は、低温焼成セラミ ク材料を含む複数のセラミックグリーン層32 を積層してなる生のセラミック積層体33を備 ている。生のセラミック積層体33は、後述 る焼成工程を実施したとき、セラミック積 体15となるべきものである。生のセラミック 積層体33には、第1および第2の表面導体膜18お よび19、内部導体膜20ならびにビア導体21が形 成されている。なお、図2に示した段階では これら導体膜18~20およびビア導体21は導電性 ーストから構成されている。
上述の生のセラミック積層体33の互いに 向する第1および第2の主面16および17上には それぞれ、第1および第2の収縮抑制層34およ 35が配置されている。これら収縮抑制層34お よび35は、前述した低温焼成セラミック材料 焼結させ得る焼成条件では焼結しない無機 料の粉末を含んでいる。
次に、複合積層体31が焼成される。この 成後の状態が図3に示されている。焼成工程 、セラミックグリーン層32に含まれる低温 成セラミック材料を焼結させ得る焼成条件 て実施される。したがって、この焼成工程 結果、生のセラミック積層体33は、焼結した セラミック積層体15となる。このとき、導体 18~20およびビア導体21を形成する導電性ペー ストも焼結する。
この焼成工程において、第1および第2の 縮抑制層34および35に含まれる無機材料は実 的に焼結しないため、第1および第2の収縮 制層34および35は実質的に収縮しない。その め、第1および第2の収縮抑制層34および35は 生のセラミック積層体33に対して、その主 方向への収縮を抑制するように作用し、そ 結果、焼結後のセラミック積層体15の寸法精 度を高めることができる。
また、上述の焼成工程において、セラミ クグリーン層32と第1の収縮抑制層34との界 ならびにセラミックグリーン層32と第2の収 抑制層35との界面に沿って、ぞれぞれ、第1 よび第2の反応層22および23が生成する。これ ら反応層22および23は、焼成工程において、 ラミックグリーン層32に含まれる低温焼成セ ラミック材料と収縮抑制層34および35に含ま る無機材料とが互いに化学的に反応して形 されたものである。この段階において、第1 よび第2の反応層22および23は、実質的に互 に同じ厚みを有している。
ここで、化学的に反応するとは、低温焼 セラミック材料に含まれる成分元素と無機 料に含まれる成分元素とが互いに原子レベ で混じり合うことをいう。この原子レベル の混じり合いには、低温焼成セラミック材 に含まれる成分元素と無機材料に含まれる 分元素とから新たな結晶相を形成する場合 、そうでない場合とがある。結晶相を形成 ない場合としては、低温焼成セラミック材 および無機材料のいずれか一方に含まれる ラス相、アモルファス相または結晶相に、 ずれか他方に含まれる成分元素が拡散、溶 または固溶する場合がある。
上述の反応層22および23は、表面導体膜18 よび19上にも形成されることがあるが、そ 厚みは、表面導体膜18および19が形成されな 導体非形成領域上での厚みに比べて薄い。 お、表面導体膜18および19上に形成される反 応層22および23は、導電性ペーストに含まれ ガラス成分と収縮抑制層34および35に含まれ 無機材料とが互いに化学的に反応して形成 れたものである。
次に、複合積層体31から第1および第2の収 縮抑制層34および35を除去する、除去工程が 施され、それによって、図4に示すように、 層セラミック基板11が取り出される。この 去工程において、第1および第2の反応層22お び23の少なくとも一方の厚みを減じ、それ よって、第1および第2の反応層22および23の 々の厚みを互いに異ならせる、といったこ 発明の特徴的な工程が実施される。
この実施形態では、前述したように、セ ミック積層体15の第2の主面17上の第2の表面 体膜19の面積が第1の主面16上の第1の表面導 膜18の面積より小さいため、図5によく示さ ているように、除去工程において、第2の反 応層23の厚みT2が第1の反応層22の厚みT1より薄 くされる。これは、次の理由による。
反応層22および23は、前述したように、表 面導体膜18および19上にも形成されることが るが、表面導体膜18および19上に形成される 応層22および23は厚みが薄いため、圧縮応力 をそれほど大きく及ぼすものではない。した がって、表面導体膜18および19が形成されな 導体非形成領域上に位置する反応層22および 23に働く圧縮応力が多層セラミック基板11の りに大きく影響を及ぼす。
その結果、第1の反応層22によって及ぼさ る圧縮応力と第2の反応層23によって及ぼさ る圧縮応力とを比較したとき、より面積の さい第2の表面導体膜19が形成された、すな ち、より面積の大きい導体非形成領域を有 る、第2の主面17側に働く第2の反応層23によ 圧縮応力が、より面積の大きい第1の表面導 体膜18が形成された、すなわち、より面積の さい導体非形成領域を有する、第1の主面16 に働く第1の反応層22による圧縮応力より大 くなってしまう。
そこで、これら圧縮応力のバランスを取 ため、この実施形態では、図5(B)において破 線および実線で示すように、主として第2の 応層23の厚みが減じられ、それによって、第 2の反応層23の厚みT2が第1の反応層22の厚みT1 り薄くされる。その結果、第1の主面16にお る第1の表面導体膜18が形成されない第1の導 非形成領域上に位置する第1の反応層22の体 は、第2の主面17における第2の表面導体膜19 形成されない第2の導体非形成領域上に位置 する第2の反応層23の体積と実質的に同じとさ れることが好ましい。
除去工程では、ブラスト処理を適用する とが好ましい。ブラスト処理によれば、ブ スト材の粒径またはブラスト材の吐出圧力 吐出時間などを調整することにより、第1お よび第2の反応層22および23の各々の厚みT1お びT2を容易に制御することができるからであ る。より具体的には、たとえば、圧縮空気と ともに吹き付けるアルミナ粉末などのブラス ト材の粒径を異ならせることにより、反応層 22および23の厚みT1およびT2の調整を行なうこ ができる。また、アルミナ粉末などのブラ ト材を吹き付けるエネルギーを与える圧縮 気の圧力を異ならせることにより、反応層2 2および23の厚みT1およびT2を調整することも きる。圧縮空気は、好ましくは、98~343kPaの 囲の圧力でアルミナ粉末などのブラスト材 ともに吹き付けられる。98kPa未満の圧縮空気 で処理すると、吹き付け圧力が低すぎて、収 縮抑制層34および35の除去能力が劣り、生産 の低下につながる。他方、343kPaを超える圧 空気で処理すると、圧力によりノズルの劣 が早まり、また、圧縮空気の消費量が多く り、ランニングコストが高くなるとともに 多層セラミック基板11を損傷することがある 。なお、圧縮空気の圧力とは、吹き付け前の 配管内での圧力のことである。
以上のようにして、図4に示すような多層 セラミック基板11が得られる。
このような多層セラミック基板を量産す にあたっては、まず、準備段階として、通 の製造方法に従って、複合積層体を用意し この複合積層体を焼成し、次いで、複合積 体から第1および第2の収縮抑制層を除去す ことによって、所定の設計を有する多層セ ミック基板を先行的に製造した後、この先 的に製造された多層セラミック基板の反り 態を認識し、この反り状態に応じて、反り 抑制し得る第1および第2の反応層の各々の厚 みを決定することが行われる。
そして、その後の本格的製造段階におい 、上述した製造方法を実施しながら、反り 抑制し得るように決定された第1および第2 反応層の各々の厚みを得るため、収縮抑制 を除去する工程で、第1および第2の反応層の 少なくとも一方の厚みを減じるようにされる 。このようにして、反りが抑制された状態で 、多層セラミック基板を量産することができ る。
次に、この発明による効果を確認するた の実施した実験例について説明する。
SiO 2 、Al 2 O 3 、B 2 O 3 およびCaOを混合した結晶化ガラス粉末とアル ミナ粉末とを等重量比率で混合した。そして 、この混合粉末100重量部に対して、ポリビニ ルブチラール15重量部、イソプロピルアルコ ル40重量部およびトロール20重量部を加え、 ボールミルで24時間混合してスラリーを得た 次いで、このスラリーを、ドクターブレー 法によってシート状に成形し、厚さ120μmの ラミックグリーンシートを得た。そして、 のセラミックグリーンシートを、平面寸法 135mm角となるようにカットし、セラミック 用グリーンシートとした。
他方、平均粒径が1.0μmのアルミナ粉末100 量部に対して、ポリビニルブチラール15重 部、イソプロピルアルコール40重量部および トロール20重量部を加え、ボールミルで24時 混合してスラリーを得た。次いで、このス リーを、ドクターブレード法によりシート に成形し、厚さ120μmのセラミックグリーン ートを得た。そして、このセラミックグリ ンシートを、平面寸法が135mm角となるように カットし、収縮抑制層用グリーンシートとし た。
次に、セラミック層用グリーンシートを 表1の「セラミック層積層数」に示した積層 数をもって積層することにより、生のセラミ ック積層体を得るとともに、生のセラミック 積層体の第1および第2の主面上に、表1の「導 体膜の面積比率」に示す面積比率となるよう に表面導体膜をそれぞれ形成した。そして、 この生のセラミック積層体の第1および第2の 面の各々上に、収縮抑制層用グリーンシー を3枚ずつ積層し、圧力50MPaおよび温度60℃ 条件で加圧し、グリーンシート同士を加圧 着させることによって、複合積層体を得た
次に、面方向における単位長さあたりの り量が0.05%以下の平坦度を有する気孔率70% アルミナ板よりなるトレー上に上記複合積 体を置き、温度600℃で3時間加熱した後、温 900℃で1時間焼成することにより、セラミッ ク積層体のみを焼結させた。
次に、反応層をも含む収縮抑制層を除去 るため、水を147kPaの圧縮空気とともに120秒 吹き付けを行なった。引き続き、平均粒径3 0μmのアルミナ粉末を30%の濃度で含むように 整したスラリーを、表1の「反応層の厚み比 に示すような反応層の厚みが得られるよう 、98~343kPaの範囲で圧力調整された圧縮空気 ともに120秒間吹き付けた。そして、このよ に反応層の厚みが調整された後の多層セラ ック基板の反り量を評価した。その結果が 1の「基板反り量」に示されている。
なお、表1の「反応層の厚み比が1:1の場合 の基板反り量」は、反応層の厚み比が1:1の場 合の比較例に係る多層セラミック基板の反り 量を示している。
表1から、反応層の厚み比を調整すること により、基板反り量0.1%未満とすることがで 、反応層の厚み比が1:1の場合の基板反り量 比べて大幅に反り量を低減できることがわ る。
Next Patent: EXHAUST SECTION STRUCTURE OF GAS TURBINE AND GAS TURBINE
