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Patent Searching and Data


Title:
MULTILAYER COIL PART AND ITS MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090852
Kind Code:
A1
Abstract:
The misalignment of the inner electrodes caused in compression-bonding can be prevented and a multilayer coil part efficiently manufactured and its manufacturing method are provided. A multilayer coil part (1) comprises a multilayer body (2) where magnetic material layers (4, 5, 6) are formed and a coil (L) composed of inner electrodes (7) and built in the multilayer body (2). The number of magnetic material layers (4, 5, 6) formed in a nonoverlapping region (E) where they do not overlap with the inner electrodes (7) in the stack direction is larger than that of the magnetic material layers (4, 5) formed in the overlapping region (D) where they overlap with the inner electrodes (7) in the stack direction.

Inventors:
IWASAKI TOMOHIDE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050739
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
IWASAKI TOMOHIDE (JP)
International Classes:
H01F17/00; H01F17/04; H01F41/04
Foreign References:
JP2002043163A2002-02-08
JPH1012455A1998-01-16
JPH11176642A1999-07-02
JPH0677074A1994-03-18
JPH0529147A1993-02-05
Attorney, Agent or Firm:
MORISHITA, Takekazu et al. (2-18 Minamihommachi 4-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 54, JP)
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Claims:
 磁性体層が積層された積層体と、該積層体に内蔵された複数の内部電極からなるコイルと、を有する積層コイル部品において、
 前記内部電極と積層方向に重ならない第1の領域に積層された磁性体層の数は、該内部電極と積層方向に重なる第2の領域に積層された磁性体層の数より多いこと、
 を特徴とする積層コイル部品。
 前記積層体は、
  前記内部電極と第1の磁性体層とが積層されて構成されるコイル形成層と、
  積層方向の両側から前記コイル形成層を挟むように配置され、第2の磁性体層により構成されるコイル非形成層と、
 を備え、
 前記第2の領域に積層された第2の磁性体層の数は、前記第1の領域に積層された第2の磁性体層の数より少ないこと、
 を特徴とする請求の範囲第1項に記載の積層コイル部品。
 前記第2の磁性体層は、
  前記第1の磁性体層と略同じ面積を有する面状磁性体層と、
  前記面状磁性体層よりも小さな面積を有する部分磁性体層と、
 からなり、
 前記面状磁性体層の前記第1の領域に、前記部分磁性体層が形成されることにより、該第1の領域に積層された第2の磁性体層の数が、前記第2の領域に積層された第2の磁性体層の数より多くなっていること、
 を特徴とする請求の範囲第2項に記載の積層コイル部品。
 前記部分磁性体層の厚みの合計は、前記内部電極の厚みの合計と略等しいこと、
 を特徴とする請求の範囲第3項に記載の積層コイル部品。
 前記第2の磁性体層は、前記第1の磁性体層と同じ材料により形成されていること、
 を特徴とする請求の範囲第2項ないし請求の範囲第4項のいずれかに記載の積層コイル部品。
 磁性体層が積層された積層体と、該積層体に内蔵された複数の内部電極からなるコイルと、を有する積層コイル部品において、
 前記磁性体層の積層方向を上下方向としたときに、前記積層体の上面及び下面は平坦面であり、
 前記積層体の積層方向に平行な断面において、最も上方に配置された内部電極が上方に突出するように湾曲した形状を有すると共に、最も下方に配置された内部電極が下方に突出するように湾曲した形状を有すること、
 を特徴とする積層コイル部品。
 磁性体層が積層された積層体と、該積層体に内蔵された複数の内部電極からなるコイルと、を有する積層コイル部品において、
 前記磁性体層の積層方向を上下方向としたときに、前記積層体の上面及び下面は平坦面であり、
 前記積層体の積層方向に平行な断面において、最も上方に配置された内部電極の中央部分から該積層体の上面までの距離は、最も上方に配置された該内部電極の端部から該積層体の上面までの距離よりも小さく、
 前記積層体の積層方向に平行な断面において、最も下方に配置された内部電極の中央部分から該積層体の下面までの距離は、最も下方に配置された該内部電極の端部から該積層体の下面までの距離よりも小さいこと、
 を特徴とする積層コイル部品。
 前記積層体の積層方向に平行な断面において、最も上方に配置された内部電極の両端の下面は、最も上方から2番目に配置された内部電極の中央部分の上面よりも下方に位置し、
 前記積層体の積層方向に平行な断面において、最も下方に配置された内部電極の両端の上面は、最も下方から2番目に配置された内部電極の中央部分の下面よりも上方に位置すること、
 を特徴とする請求の範囲第6項又は請求の範囲第7項のいずれかに記載の積層コイル部品。
 前記積層体の積層方向に平行な断面において、最も上方に配置された内部電極の両端の下面は、該最も上方に配置された内部電極の中央部分の下面よりも下方に位置し、
 前記積層体の積層方向に平行な断面において、最も下方に配置された内部電極の両端の上面は、該最も下方に配置された内部電極の中央部分の上面よりも上方に位置すること、
 を特徴とする請求の範囲第6項又は請求の範囲第7項のいずれかに記載の積層コイル部品。
 第1の磁性体層及び第2の磁性体層が積層された積層体と、該積層体に内蔵された複数の内部電極からなるコイルと、を有する積層コイル部品を製造する方法において、
 前記第2の磁性体層は面状磁性体層と部分磁性体層とからなり、
 前記内部電極と前記第1の磁性体層とを積層してコイル形成層を形成する工程と、
 前記面状磁性体層の主面上であって、かつ、前記内部電極と積層方向に重ならない領域に前記部分磁性体層を形成する工程と、
 前記第2の磁性体層を積層してコイル非形成層を形成する工程と、
 前記コイル形成層と前記コイル非形成層とからなる積層体を、前記積層方向から圧着する工程と、
 を備えることを特徴とする積層コイル部品の製造方法。
Description:
積層コイル部品及びその製造方

 本発明は、積層コイル部品及びその製造 法、より特定的には、導電体と磁性体層と 積層して形成されるコイルを内蔵する積層 イル部品及びその製造方法に関する。

 積層コイル部品は、例えば、コイルの一 を構成する内部電極が形成されたセラミッ グリーンシートを所定枚数ずつ積層する工 と、セラミックグリーンシートの上面を加 して仮圧着を行う工程とが繰り返され、最 に、セラミックグリーンシートが積層され なる積層体が本圧着されることにより作製 れる。

 ところで、前記積層コイル部品では、仮 着あるいは本圧着の際に、内部電極が横に れてしまうという問題があった。以下に図1 6及び図17を参照しながら説明する。図16は、 記積層コイル部品の積層体202の分解図であ 。図17は、圧着後の積層体202の断面構造図 ある。

 図16では、セラミックグリーンシート204 内部電極207とが交互に配置されることによ 、積層体202が構成されている。このように セラミックグリーンシート204と内部電極207 が交互に積層されると、積層方向の上から たときに、内部電極207が形成された領域(以 、形成領域Xと称す)と、内部電極207が形成 れていない領域(以下、非形成領域Yと称す) が形成される。このとき、形成領域Xにおけ 積層方向の厚みは、内部電極207が存在して る分だけ、非形成領域Yにおける積層方向の 厚みよりも厚くなる。

 前記のように形成領域Xの厚みと非形成領 域Yの厚みとの間に差が生じると、セラミッ グリーンシート204の仮圧着あるいは本圧着 際に、形成領域Xにかかる圧力が、非形成領 Yにかかる圧力よりも大きくなってしまう。 その結果、形成領域X内の内部電極207にかか 圧力が横方向に逃げてしまい、図17に示すよ うに、内部電極207が、積層体202内において横 にずれてしまうという問題があった。

 前記問題を解決する積層コイル部品の製 方法として、特許文献1に記載の積層電子部 品の製造方法が出願されている。図18は、該 層電子部品の断面構造図である。該積層電 部品の製造方法では、内部電極207が印刷さ たセラミックグリーンシートを所定枚数重 て得られる積層体202を静水圧により加圧し いる。更に、図18に示すように、この積層 202の上下に可撓性に優れたセラミックグリ ンシート210を工具211により圧着して、積層 子部品の上面及び下面の平坦性を確保して る。

 しかしながら、前記積層電子部品の製造方 では、静水圧プレスにより積層体202の上下 に凹凸ができてしまうので、可撓性に優れ セラミックグリーンシート210を圧着して上 面を平坦化する必要があり、積層電子部品 生産性が悪いという問題が存在する。

特開平6-61079号公報

 そこで、本発明の目的は、圧着時に生じ 内部電極のずれを防止でき、かつ、効率よ 生産できる積層コイル部品及びその製造方 を提供することである。

 第1の発明は、磁性体層が積層された積層 体と、該積層体に内蔵された複数の内部電極 からなるコイルと、を有する積層コイル部品 において、前記内部電極と積層方向に重なら ない第1の領域に積層された磁性体層の数は 該内部電極と積層方向に重なる第2の領域に 層された磁性体層の数より多いこと、を特 とする。

 第1の発明によれば、内部電極が横方向に ずれることを容易に防止できる。以下に説明 する。

 従来、内部電極が形成された領域の積層 向における厚みが、内部電極が形成されて ない領域における厚みよりも大きいために 圧着時に、内部電極が形成された領域に大 な圧力がかかってしまい、この圧力が横方 に逃げてしまって内部電極が横にずれてし うという問題があった。これに対して、例 ば、積層体の圧着時に、静水圧により加圧 て、積層体全体に均等に圧力をかけること 提案されていた。

 しかしながら、このような静水圧による 圧を用いて積層コイル部品を作製すると、 撓性に優れたセラミックグリーンシートを いて積層コイル部品の上下面を平坦化する 要があるため、積層コイル部品の生産性が いという問題があった。そこで、第1の発明 では、内部電極が形成されていない第1の領 に余分に磁性体層を設けて、第1の領域の厚 と第2の領域の厚みとを等しくしている。こ のように、余分に磁性体層を設けることは、 磁性体層を積層する工程を増加させるだけで すむので、静水圧による加圧に比べて簡単に 追加できる工程である。そのため、第1の発 によれば、積層コイル部品において、内部 極が横方向にずれることを容易に防止する とができる。

 更に、第1の発明によれば、第1の領域に える圧力を第2の領域に加える圧力に近づけ ことが可能であるので、積層コイル部品の 着時において、第1の領域における磁性体層 の圧着不足が発生しにくくなる。その結果、 第1の領域における磁性体層のデラミネーシ ンを防止することができる。

 更に、第1の領域に積層された磁性体層の 数が、第2の領域に積層された磁性体層の数 りも多いので、第1の領域に積層された磁性 層の数を、第2の領域に積層された磁性体層 の数と内部電極の数との合計に近づけること ができる。その結果、積層コイル部品の上面 と下面とを平坦に近づけることができ、該積 層コイル部品の実装の際に生じる実装ミスを 防止できる。

 第1の発明において、前記積層体は、前記 内部電極と第1の磁性体層とが積層されて構 されるコイル形成層と、積層方向の両側か 前記コイル形成層を挟むように配置され、 2の磁性体層により構成されるコイル非形成 と、を備え、前記第2の領域に積層された第 2の磁性体層の数は、前記第1の領域に積層さ た第2の磁性体層の数より少なくてもよい。 更に、第1の発明において、前記第2の磁性体 は、前記第1の磁性体層と略同じ面積を有す る面状磁性体層と、前記面状磁性体層よりも 小さな面積を有する部分磁性体層と、からな り、前記面状磁性体層の前記第1の領域に、 記部分磁性体層が形成されることにより、 第1の領域に積層された第2の磁性体層の数が 、前記第2の領域に積層された第2の磁性体層 数より多くなっていてもよい。

 第1の発明において、前記部分磁性体層の 厚みの合計は、前記内部電極の厚みの合計と 略等しくてもよい。部分磁性体層の厚みの合 計が内部電極の厚みの合計と等しくなること により、第1の領域の厚みと第2の領域の厚み を等しくすることができる。その結果、積 コイル部品の上面及び下面を平坦に近づけ ことができる。

 第1の発明において、前記第2の磁性体層 、前記第1の磁性体層と同じ材料により形成 れていてもよい。第1の磁性体層と第2の磁 体層とが同じ材料により形成されているこ により、これらの層の接着性を向上させる とができ、より効果的にデラミネーション 発生を抑制することができる。

 第2の発明は、磁性体層が積層された積層 体と、該積層体に内蔵された複数の内部電極 からなるコイルと、を有する積層コイル部品 において、前記磁性体層の積層方向を上下方 向としたときに、前記積層体の上面及び下面 は平坦面であり、前記積層体の積層方向に平 行な断面において、最も上方に配置された内 部電極が上方に突出するように湾曲した形状 を有すると共に、最も下方に配置された内部 電極が下方に突出するように湾曲した形状を 有すること、を特徴とする。

 第2の発明によれば、第1の発明と同様に 内部電極が横方向にずれることを容易に防 することができる。更に、圧着不足による 性体層間におけるデラミネーションを防止 きると共に、積層コイル部品の実装時にお る実装ミスを防止できる。更に、第2の発明 よれば、内部電極が湾曲しているので、該 部電極が上方あるいは下方に存在する磁性 層に食い込むようになる。その結果、内部 極と磁性体層との間でのデラミネーション 防止される。

 更に、最も上方に配置された内部電極が 方に突出すると共に、最も下方に配置され 内部電極が下方に突出している。そのため 内部電極が湾曲していない場合に比べて、 部電極が湾曲している場合の方が、コイル 形成される磁路を短くできる。その結果、 イルに発生する磁束密度を高めることがで 、大きなインダクタを得ることが可能とな 。

 第3の発明は、磁性体層が積層された積層 体と、該積層体に内蔵された複数の内部電極 からなるコイルと、を有する積層コイル部品 において、前記磁性体層の積層方向を上下方 向としたときに、前記積層体の上面及び下面 は平坦面であり、前記積層体の積層方向に平 行な断面において、最も上方に配置された内 部電極の中央部分から該積層体の上面までの 距離は、最も上方に配置された該内部電極の 端部から該積層体の上面までの距離よりも小 さく、前記積層体の積層方向に平行な断面に おいて、最も下方に配置された内部電極の中 央部分から該積層体の下面までの距離は、最 も下方に配置された該内部電極の端部から該 積層体の下面までの距離よりも小さいこと、 を特徴とする。

 第3の発明によれば、第1の発明と同様に 内部電極が横方向にずれることを容易に防 することができる。更に、圧着不足による 性体層間におけるデラミネーションを防止 きると共に、積層コイル部品の実装時にお る実装ミスを防止できる。

 第2の発明又は第3の発明において、前記 層体の積層方向に平行な断面において、最 上方に配置された内部電極の両端の下面は 最も上方から2番目に配置された内部電極の 央部分の上面よりも下方に位置し、前記積 体の積層方向に平行な断面において、最も 方に配置された内部電極の両端の上面は、 も下方から2番目に配置された内部電極の中 央部分の下面よりも上方に位置していてもよ い。或いは、第2の発明又は第3の発明におい 、前記積層体の積層方向に平行な断面にお て、最も上方に配置された内部電極の両端 下面は、該最も上方に配置された内部電極 中央部分の下面よりも下方に位置し、前記 層体の積層方向に平行な断面において、最 下方に配置された内部電極の両端の上面は 該最も下方に配置された内部電極の中央部 の上面よりも上方に位置していてもよい。

 第4の発明は、第1の磁性体層及び第2の磁 体層が積層された積層体と、該積層体に内 された複数の内部電極からなるコイルと、 有する積層コイル部品を製造する方法にお て、前記第2の磁性体層は面状磁性体層と部 分磁性体層とからなり、前記内部電極と前記 第1の磁性体層とを積層してコイル形成層を 成する工程と、前記面状磁性体層の主面上 あって、かつ、前記内部電極と積層方向に ならない領域に前記部分磁性体層を形成す 工程と、前記第2の磁性体層を積層してコイ 非形成層を形成する工程と、前記コイル形 層と前記コイル非形成層とからなる積層体 、前記積層方向から圧着する工程と、を備 ることを特徴とする。

 第4の発明によれば、第1の発明と同様に 内部電極が横方向にずれることを容易に防 することができる。更に、圧着不足による 性体層間におけるデラミネーションを防止 きると共に、積層コイル部品の実装時にお る実装ミスを防止できる。

 本発明によれば、内部電極が形成されて ない第1の領域に余分に磁性体層を設けて、 第1の領域の厚みと第2の領域の厚みとを等し しているので、積層コイル部品において、 部電極が横方向にずれることを容易に防止 ることができる。

積層コイル部品の外観斜視図である。 積層体の分解斜視図である。 積層方向に平行な方向における積層コ ル部品の断面構造図である。 セラミックグリーンシートの外観斜視 である。 セラミックグリーンシートの外観斜視 である。 セラミックグリーンシートの外観斜視 である。 未焼成のマザー積層体の外観斜視図で る。 積層コイル部品の工程断面図である。 積層コイル部品の工程断面図である。 未焼成のマザー積層体の外観斜視図で ある。 積層体の外観斜視図である。 積層コイル部品内での磁路の様子を示 した図である。 その他の実施形態に係る積層コイル部 品の積層体の分解斜視図である。 その他の実施形態に係る積層コイル部 品の積層体の分解斜視図である。 その他の実施形態に係る積層コイル部 品の断面構造図である。 従来の積層コイル部品の積層体の分解 図である。 従来の積層コイル部品の圧着後の積層 体の断面構造図である。 従来の積層電子部品の積層体の断面構 造図である。

 以下に、本発明の一実施形態に係る積層 イル部品について説明する。図1は、積層コ イル部品1の外観斜視図である。図2は、積層 2の分解斜視図である。図3は、積層方向に 行な方向における積層コイル部品1の断面構 図である。なお、図3では、図面の理解を容 易とするためにハッチングを省略している。 更に、電極の線幅は、説明の便宜上実際の比 率より大きく図示している。また、以下、説 明の簡略のため、積層コイル部品1の積層方 を上下方向と定義する。

(積層コイル部品の構成について)
 積層コイル部品1は、図1に示すように、内 にコイルを含む直方体状の積層体2と、積層 2の対向する側面に形成される2つの外部電 3とを備える。

 積層体2は、図2に示すように、強透磁率 フェライト(例えば、Ni-Zn-Cuフェライト又はNi -Znフェライト等)からなる磁性体層4,5が積層 れることにより構成される。磁性体層4,5は 共に略同じ面積及び形状を有する。磁性体 4の主面上には、コイルLを構成する内部電極 7及びビアホール導体8が形成される。また、 状磁性体層としての磁性体層5の主面上の一 部分には、磁性体層4,5と同じ強透磁率のフェ ライトからなり、磁性体層4,5よりも面積が小 さな部分磁性体層としての磁性体層6が形成 れる。以下では、内部電極7が形成された磁 体層4が積層されてなる層をコイル形成層A 称し、内部電極7が形成されていない磁性体 5が積層されてなる層のうち、コイル形成層 Aの上側に配置された層をコイル非形成層Bと し、コイル形成層Aの下側に配置された層を コイル非形成層Cと称す。すなわち、図2に示 ように、コイル非形成層B,Cは、コイル形成 Aを上下方向から挟むように配置されている 。

 内部電極7は、Agからなる導電性材料から り、環の一部が切り欠かれた形状を有する 本実施形態では、内部電極7は、「コ」の字 の形状を有する。これにより、一つの内部電 極7が3/4巻き分に相当するコイルLの一部分を 成する。なお、内部電極7は、Pd,Au,Pt等を主 分とする貴金属やこれらの合金などの導電 材料からなっていてもよい。また、内部電 7は、円又は楕円の一部が切り欠かれた形状 であってもよい。

 更に、各内部電極7の一端には磁性体層4 上下方向に貫通するビアホール導体8が設け れている。このビアホール導体8により互い に隣接する内部電極7同士が接続されること より、螺旋状のコイルLが形成される。更に 最も上方及び最も下方に形成された内部電 7にはそれぞれ、引き出し電極7a,7bが設けら ている。この引き出し電極7a,7bは、コイルL 外部電極3とを接続する役割を果たす。

 磁性体層6は、内部電極7と上下方向に重 らない領域(図2の斜線部分)にペースト状のNi -Zn-Cuフェライト又はNi-Znフェライト等が印刷 れることにより形成される。具体的には、 内部電極7が環の一部が切り欠かれた形状を 有し、内部電極7が上下方向に重なることに り環を形成するので、少なくとも、この環 対応する部分が空白部分(磁性体層が形成さ ない部分)となるように、該磁性体層6が形 される。本実施形態では、複数の「コ」の を有する内部電極7は、それぞれが重なるこ により形成される「ロ」の字の形状を構成 る。そこで、該「ロ」の字の形状に対応す 空白部分を有するように、磁性体層6が形成 される。これにより、磁性体層5の表面は、 性体層6の存在により、凹凸を有するように る。

 更に、磁性体層6の厚みの合計(磁性体層6 枚数×磁性体層6の1枚当りの厚み)は、内部 極7の厚みの合計(内部電極7の枚数×内部電極 7の1枚当りの厚み)と略等しくなるように形成 される。本実施形態では、内部電極7を7枚形 し、磁性体層6を7枚形成するので、磁性体 6の厚みの合計を内部電極7の厚みの合計と等 しくするために、内部電極7の厚みと磁性体 6の厚みとを等しくしている。

 図2に示す分解斜視図の積層体2を上下方 から圧着し、積層体2の表面に外部電極3を形 成すると、図3に示すような断面構造を有す 積層コイル部品1が得られる。具体的には、 部電極7と上下方向に重ならない領域(以下 非重畳領域E)に積層された磁性体層4,5,6の枚 は、内部電極7と上下方向に重なる領域(以 、重畳領域D)に積層された磁性体層4,5の枚数 より多くなる。より具体的には、非重畳領域 Eに積層された磁性体層5,6の枚数は、重畳領 Dに積層された磁性体層5の枚数より多くなる 。これにより、重畳領域Dにおける磁性体層4, 5及び内部電極7の上下方向における厚みの合 と、非重畳領域Eにおける磁性体層4,5,6の厚 の合計とが略等しくなり、該積層コイル部 1の上面及び下面が平坦になる。

 更に、図3に示すように、積層体2の積層 向を含む断面において、複数の内部電極7の 、少なくとも、最も上方に配置された内部 極7が上方に突出するように湾曲した形状を 有すると共に、少なくとも、最も下方に配置 された内部電極7が下方に突出するように湾 した形状を有する。より好ましくは、積層 2の積層方向に平行な断面において、最も上 に配置された内部電極7の両端の下面Pが、 最も上方に配置された内部電極7の中央部分 下面Qよりも下方に位置すると共に、最も下 方に配置された内部電極7の両端の上面P'が、 該最も下方に配置された内部電極7の中央部 の上面Q'よりも上方に位置する程度に、各内 部電極7が湾曲していることが好ましい。

 更に、図3に示すように、積層体2の積層 向に平行な断面において、最も上方に配置 れた内部電極7の両端の下面Pは、最も上方か ら2番目に配置された内部電極7の中央部分の 面Rよりも下方に位置すると共に、最も下方 に配置された内部電極7の両端の上面P'は、最 も下方から2番目に配置された内部電極7の中 部分の下面R'よりも上方に位置しているこ が好ましい。

 なお、前記内部電極7の形状について換言 すれば、最も上方に配置された内部電極7の 央部分から積層体2の上面までの距離mは、最 も上方に配置された該内部電極7の両端部か 該積層体2の上面までの距離Mよりも小さく、 かつ、最も下方に配置された内部電極7の中 部分から積層体2の下面までの距離m'は、最 下方に配置された該内部電極7の両端部から 積層体2の下面までの距離M'よりも小さくな ているとも言える。

 更に、内部電極7は、図3に示すように、 層体2の積層方向に平行な断面において、中 部分の厚みよりも両端の厚みの方が薄い断 形状を有する。

(積層コイル部品の製造方法について)
 以下に図4~図11を参照しながら積層コイル部 品1の製造方法について説明する。以下に説 する製造方法では、シート積層法により積 コイル部品1を作製するものとする。図4~図11 は、積層コイル部品1の製造工程を示した図 ある。なお、図4、図5、図6、図8及び図9にお けるセラミックグリーンシート14,15はそれぞ 、図2及び図3における磁性体層4,5の未焼成 状態の層あるいはシートを指す。同様に、 6、図8及び図9におけるフェライト印刷層16は 、図2及び図3における磁性体層6の未焼成の状 態の層を指す。

 セラミックグリーンシート14,15は、以下の うにして作製される。酸化第二鉄(Fe 2 O 3 )を48.0mol%、酸化亜鉛(ZnO)を25.0mol%、酸化ニッ ル(NiO)を18.0mol%、酸化銅(CuO)を9.0mol%の比率で 量したそれぞれの材料を原材料としてボー ミルに投入し、湿式調合を行う。得られた 合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末 750℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末を ボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してか ら解砕し、フェライトセラミック粉末を得る 。

 このフェライトセラミック粉末に対して 合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可 剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで 合を行い、その後、減圧により脱泡を行う 得られたセラミックスラリーをドクターブ ード法により、シート状に形成して乾燥さ 、所望の膜厚のセラミックグリーンシート14 ,15を作製する。

 セラミックグリーンシート14には、図4に すように、隣接する層の内部電極7同士を接 続するためのビアホール導体8が形成される ビアホール導体8は、セラミックグリーンシ ト14にレーザビームなどを用いて貫通孔を 成し、この貫通孔にAg,Pd,Cu,Auやこれらの合金 などの導電性ペーストを印刷塗布などの方法 により充填することによって形成される。

 ビアホール導体8が形成されたセラミック グリーンシート14上には、図5に示すように、 導電性ペーストがスクリーン印刷法やフォト リソグラフィ法などの方法で塗布されること により、内部電極7が形成される。これらの 部電極7は、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などに り、「コ」の字の形状となるように形成さ る。

 一方、面状磁性体層としてのセラミック リーンシート15上には、図6に示すように、 ェライトのペーストがスクリーン印刷法に り印刷されることにより、部分磁性体層と るフェライト印刷層16が形成される。この ェライトのペーストは、セラミックグリー シート14,15と同じ材料により構成される。な お、図6では、理解の容易のために、フェラ ト印刷層16を斜線でハッチングしてある。こ のフェライト印刷層16は、積層コイル部品1が 完成したときに、図5に示す内部電極7と上下 向に重ならない領域に形成される。したが て、該フェライト印刷層16は、「ロ」の字 形状の空白部分を有するように形成される

 次に、セラミックグリーンシート14,15を から順に積層して、図7に示すような未焼成 マザー積層体12を形成する。以下に図8及び 9を用いて詳しく説明する。

 まず、セラミックグリーンシート15の配 及び圧着を繰り返して、図2に示すコイル非 成層Cを形成する。具体的には、図8(a)に示 ように、フェライト印刷層16が形成されたセ ラミックグリーンシート15上に、更に、フェ イト印刷層16が形成された新たなセラミッ グリーンシート15を配置する。そして、図8(b )に示すように、該新たなセラミックグリー シート15の上面を圧着金型Tにより、所定の 件で加圧して仮圧着を行う。圧着金型Tの下 には弾性体からなるラバーシートが形成さ ている。この図8(a),(b)に示す工程を繰り返 て、フェライト印刷層16が形成されたセラミ ックグリーンシート15を4層積層する。これに より、コイル非形成層Cを得る。

 なお、非重畳領域Eにはフェライト印刷層 16が存在し、重畳領域Dにはフェライト印刷層 16は存在しない。そのため、これらのフェラ ト印刷層16の分だけ、セラミックグリーン ート15の積層時には、重畳領域Dを構成する 性体層の数の方が、非重畳領域Eを構成する 性体層の数よりも少なくなる。その結果、 8に示すように、コイル非形成層Cの重畳領 Dの上面は、コイル非形成層Cの非重畳領域E 上面に対して窪んだ状態となる。

 次に、コイル非形成層C上において、セラ ミックグリーンシート14の配置及び仮圧着を り返して、図2に示すコイル形成層Aを形成 る。具体的には、図9(a)に示すように、セラ ックグリーンシート14の上に、内部電極7が 成された新たなセラミックグリーンシート1 4を配置する。次に、図9(b)に示すように、該 たなセラミックグリーンシート14の上面を 着金型Tにより加圧して仮圧着を行う。ラバ シートを設けている点については、前記図8 の場合と同じである。この図9(a),(b)に示す工 を繰り返して、内部電極7が形成されたセラ ミックグリーンシート14を7層積層する。

 ここで、セラミックグリーンシート14の 層時における内部電極7の変形の様子につい 説明する。まず、下の3層のセラミックグリ ーンシート14では、仮圧着のための加圧の際 、内部電極7は、コイル非形成層Cの重畳領 Dの上面に形成された窪みの形状に倣って下 向に突出するように湾曲させられる。そし 、セラミックグリーンシート14には、フェ イト印刷層16が存在しないので、セラミック グリーンシート14が積層される毎に、コイル 形成層Cの重畳領域Dの上面に形成された窪 が内部電極7により埋まっていく。その結果 下の3層のセラミックグリーンシート14上の 部電極7は、上に行くにしたって湾曲の度合 いが小さくなる。そして、図3に示すように 真ん中のセラミックグリーンシート14では、 内部電極7は、平坦な形状を取るようになる

 更に、仮圧着のための加圧の際に、上の3 層のセラミックグリーンシート14では、内部 極7は、下層に存在する内部電極7により中 部が上方向に押し上げられて、上方向に突 するように湾曲させられる。そして、湾曲 せられる際に、内部電極7の両端は、下に存 するセラミックグリーンシート14に食い込 ようになる。なお、セラミックグリーンシ ト14には、内部電極7が形成されているので セラミックグリーンシート14が積層されるに したがって、内部電極7が形成された部分が 方に突出するようになる。その結果、上の3 のセラミックグリーンシート14上の内部電 7は、上にいくにしたがって湾曲の度合いが きくなる。

 更に、各内部電極7は、湾曲する際に引き 伸ばされて、両端が中央部分より薄い形状を 取るようになる。これにより、セラミックグ リーンシート14と内部電極7とが交互に積層さ れたコイル形成層Aを得る。

 次に、コイル形成層Aの上において、3層 のセラミックグリーンシート15の積層及び仮 圧着を繰り返して、図2に示すコイル非形成 Bを形成する。コイル形成層Aの上面は、図9 示すように、重畳領域Dに対応する部分が上 突出し、非重畳領域Eに対応する部分が窪ん だ形状を取っている。そこで、フェライト印 刷層16が形成されたセラミックグリーンシー 15を積層して、コイル非形成層Bを形成する とにより、コイル非形成層Bの上面を概ね平 坦なものにしている。なお、該コイル非形成 層Bの形成工程は、コイル非形成層Cの形成工 と同様であるので、詳細な説明を省略する

 次に、所定の条件で積層方向の上方向か 圧着金型Tを、コイル形成層A及びコイル非 成層B,Cからなる未焼成のマザー積層体12に押 し当てることによって、上下方向から圧力を 加えて本圧着を行う。これにより、図7に示 未焼成のマザー積層体12が完成する。

 次に、未焼成のマザー積層体12を図10に示 すように、個々の積層体2にダイサー等によ カットする。これにより、図11に示すような 、直方体状の積層体2を得る。

 次に、この積層体2には、脱バインダー処 理及び焼成がなされる。これにより、焼成さ れた積層体2が得られる。

 次に、積層体2の表面には、例えば、浸漬 法などの公知の方法により主成分が銀である 電極ペーストが塗布及び焼き付けされること により、外部電極3が形成される。外部電極3 、図1に示すように、積層体2の左右の端面 形成される。コイルLの引き出し電極7a,7bは 外部電極3に電気的に接続されている。

 最後に、外部電極3の表面に、Niめっき/Sn っき又はNiめっき/半田めっきを施す。以上 工程を経て、図1に示すような積層コイル部 品1が完成する。

(効果)
 以上のように本実施形態に係る積層コイル 品1及び積層コイル部品1の製造方法によれ 、積層体2の圧着時において重畳領域Dと非重 畳領域Eとにかかる圧力が均一になるので、 部電極7が上下方向において直線に並ばずに れてしまうことを防止できる。より詳細に 、従来の積層コイル部品では、非重畳領域 上下方向の厚さは、重畳領域の上下方向の さよりも薄くなっていた。そのため、圧着 に重畳領域にかかる圧力が非重畳領域にか る圧力よりも大きくなり、内部電極にかか 圧力が横方向に逃げてしまうことで、該内 電極が横方向にずれてしまうという問題が った。

 これに対して、本実施形態に係る積層コ ル部品1及び積層コイル部品1の製造方法に れば、重畳領域Dの上下方向の厚みと非重畳 域Eの上下方向の厚みとが略等しいので、積 層体2の圧着時に重畳領域Dと非重畳領域Eとに 均等に圧力がかかるようになる。その結果、 積層コイル部品1において内部電極7が直線に ばずにずれてしまうことを防止でき、積層 イル部品1毎の電気特性のばらつきを抑制で きる。

 更に、本実施形態に係る積層コイル部品1 及び積層コイル部品1の製造方法によれば、 性体層5上に磁性体層6を形成するという比較 的簡単な工程により、前記内部電極7が直線 並ばずにずれてしまうことを防止できる。 り詳細には、磁性体層6を形成する工程には 例えばスクリーン印刷法等のように、積層 イル部品において一般的に行われる工程を 用できるので、本実施形態に係る積層コイ 部品1を製造するために、特許文献1に記載 従来の積層コイル部品のように、静水圧に り圧着した後、可撓性に優れたセラミック リーンシートを積層圧着するような特殊な 程を行う必要がない。その結果、積層コイ 部品1の生産性が向上する。

 また、本実施形態に係る積層コイル部品1 及び積層コイル部品1の製造方法によれば、 層体2の圧着時において重畳領域Dと非重畳領 域Eとにかかる圧力が略均一になるので、非 畳領域Eにおけるデラミネーションが発生す ことを抑制できる。より詳細には、従来の 層コイル部品では、非重畳領域には内部電 が存在しないので、非重畳領域の上下方向 厚さは、重畳領域の上下方向の厚さよりも くなっていた。そのため、圧着時において 重畳領域に応力が集中し、非重畳領域に十 な圧力がかからなかった。このように非重 領域に十分な圧力がかからない場合、非重 領域の磁性体層間においてデラミネーショ が発生しやすくなっていた。

 これに対して、積層コイル部品1及び積層 コイル部品1の製造方法によれば、非重畳領 Eに磁性体層6を形成して、重畳領域Dの上下 向の厚みと非重畳領域Eの上下方向の厚みと 略等しくしているので、積層体2の圧着時に 重畳領域Dと非重畳領域Eとに略均等に圧力が かるようになる。その結果、積層コイル部 1の非重畳領域Eの磁性体層4,5,6間におけるデ ラミネーションの発生を抑制できる。

 また、本実施形態に係る積層コイル部品1 及び積層コイル部品1の製造方法によれば、 性体層6を、内部電極7が形成されていない領 域に設けて、重畳領域Dにおける上下方向の みと、非重畳領域Eにおける上下方向の厚み を略等しくしている。そのため、積層コイ 部品1の上面及び下面を平坦にすることがで き、基板上に該積層コイル部品1を実装する の実装ミスを低減できる。

 また、積層コイル部品1によれば、内部電 極7が湾曲した形状を有するので、内部電極7 磁性体層4に食い込んだ状態となる。その結 果、内部電極7と磁性体層4との間には、これ が剥離しようとすることを妨げる力が働き デラミネーションの発生を抑制できる。更 、内部電極7の端部が中央部よりも細くとが ったような形状となっているので、内部電極 7の端部が磁性体層4により食い込むようにな 。

 更に、積層コイル部品1によれば、磁性体 層4,5,6が同じ材料により形成されているので これらの間における接着性が高い。その結 、積層コイル部品1においてデラミネーショ ンが発生することを防止できる。なお、磁性 体層4,5,6が、焼成時における収縮率が同等の 料により形成されていれば、効果的にデラ ネーションの発生を防止できる。

 更に、積層コイル部品1によれば、積層方 向の最も上に位置する内部電極7が上方向に 出し、かつ、積層方向の最も下に位置する 部電極7が下方向に突出しているので、該積 コイル部品1のインダクタンスを大きくする ことが可能である。以下に図12を参照しなが 説明する。図12(a)は、比較例の積層コイル 品101の断面図であり、図12(b)は、本実施形態 に係る積層コイル部品1の断面図である。

 図12(a)に示す積層コイル部品101は、内部 極107が湾曲していない構造を有する。一方 図12(b)に示す積層コイル部品1は、積層方向 最も上に位置する内部電極7が上方向に突出 、かつ、積層方向の最も下に位置する内部 極7が下方向に突出した構造を有している。 積層コイル部品1では、最も上に位置する内 電極7及び最も下に位置する内部電極7の角が なくなっている分だけ内部電極7列の外周が くなる。そのため、積層コイル部品1の磁路 1は、比較例の積層コイル部品101の磁路φ2に べて短くなる。その結果、積層コイル部品1 の磁束を増加させることができ、該積層コイ ル部品1のインダクタンスを増加させること 可能となる。

(その他の実施形態)
 なお、積層コイル部品1において、磁性体層 6は、図2に示すように、内部電極7に対応する 環状の空白部分を有するように形成されるも のとしたが、該磁性体層6の形状はこれに限 ない。図13に示すように、内部電極7の周囲 領域を取り囲む領域のみに磁性体層56が形成 された磁性体層55と、内部電極7の内側の領域 のみに磁性体層56'が形成された磁性体層55と 交互に積層されてもよい。この場合、磁性 層56,56'のそれぞれは、内部電極7の2倍の厚 を有することが好ましい。

 なお、積層コイル部品1において、磁性体 層6は、コイル非形成層B,Cの磁性体層5上に形 されるものとしたが、該磁性体層6及び磁性 体層5が設けられる場所は、これに限らない 例えば、図14に示すように、磁性体層6が形 された磁性体層5は、コイル形成層Aの上下方 向の中央近傍に設けられてもよい。この場合 、磁性体層5には、上層と下層に設けられた 部電極7を接続するためのビアホール導体8が 形成される。

 なお、積層コイル部品1の磁性体層4は、 て同じ材料にて作製されるものとしたが、 ずしも全て同じ材料で作製される必要はな 。例えば、図15に示す積層コイル部品1'のよ に、積層体2の中に低透磁率材料からなる低 透磁率層4'が設けられていてもよい。この場 、コイルLの周りに形成される磁路の低透磁 率層4'における磁気抵抗が大きくなり、該低 磁率層4'において磁束が漏れる。そのため 磁気飽和が発生しにくくなり、磁気飽和の 生によるインダクタンスの急激な低下が抑 される。すなわち、直流重畳特性に優れた 層コイル部品1'を得ることができる。なお、 この低透磁率層4'は、磁性体層4に比べて透磁 率の低い材料或いは非磁性の材料で構成され ていればよい。

 なお、積層コイル部品1の製造方法として 、シート積層法について説明を行ったが、該 積層コイル部品1の製造方法はこれに限らな 。例えば、逐次印刷積層法や転写積層法に って積層コイル部品1を製造してもよい。

 なお、積層コイル部品1では、内部電極7 数と磁性体層6の数とを等しくしているが、 ずしも、これらの数は一致している必要は い。磁性体層6の厚みの合計は、前記内部電 極7の厚みの合計と略等しくさえなっていれ よい。したがって、例えば、磁性体層6の厚 が内部電極7の厚みの半分である場合には、 磁性体層6の数は、内部電極7の数の2倍となる 。また、磁性体層6の厚みの合計と内部電極7 厚みの合計とが略等しいことが好ましいが 必ずしもこれに拘る必要はない。重畳領域D の厚みと非重畳領域Eの厚みとの差に起因す 不都合が生じない程度の差が存在していて かまわない。

 なお、本発明に係る積層コイル部品は前 各実施形態に限定するものではなく、その 旨の範囲内で変更することができる。

 以上のように、本発明は、積層コイル部 及びその製造方法に有用であり、特に、圧 時に生じる内部電極のずれを防止でき、か 、効率よく生産できる点で優れている。