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Patent Searching and Data


Title:
MULTILAYER SHEET FOR LASER MARKING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145059
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a transparent multilayer sheet for laser marking formed by laminating a multilayer sheet (B) in the bottom layer of a multilayer sheet (A). Multilayer sheet (A) is a transparent multilayer sheet for laser marking. The skin layers, which are the two outermost layers, comprise an amorphous aromatic polyester resin composition, and the core layer comprises a polycarbonate resin composition. Multilayer sheet (B) is a colored multilayer sheet for laser marking. The skin layers, which are the two outermost layers, comprise an amorphous aromatic polyester resin composition, and the core layer comprises a polycarbonate resin composition.

Inventors:
SAKAGAMI TOSHINORI (JP)
SHIMIZU AKIRA (JP)
HASHIMOTO AKIRA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/058935
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
JAPAN COLORING CO LTD (JP)
SAKAGAMI TOSHINORI (JP)
SHIMIZU AKIRA (JP)
HASHIMOTO AKIRA (JP)
International Classes:
B32B27/36; B23K26/00; B32B27/00; B32B27/18; B41M5/26; B42D25/23; B42D25/24; B42D25/41
Domestic Patent References:
WO2006087965A12006-08-24
Foreign References:
JP2007210166A2007-08-23
JP2002273832A2002-09-25
JP2003285581A2003-10-07
JP2002273832A2002-09-25
JP3889431B12007-03-07
JPH1071763A1998-03-17
Other References:
See also references of EP 2281685A4
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kazuhira (JP)
Ippei Watanabe (JP)
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Claims:
 多層シートAと多層シートBを積層してなるレーザーマーキング多層シートであって、
 前記多層シートAは、スキン層とコア層を有し、共押出法により積層される少なくとも3層のシートから形成される透明レーザーマーキング多層シートであって、
 前記多層シートAの両最外層であるスキン層が、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位(I)、及び、1,4-シクロヘキサンジメタノール単位(II)を主とするグリコール単位からなるポリエステルであって、かつ、エチレングリコール単位(I)と1,4-シクロヘキサンジメタノール単位(II)とが、(I)/(II)=90~30/10~70モル%である共重合ポリエステル樹脂100質量部に対して、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩から選ばれる少なくとも1種の滑剤を0.01~3質量部含んでなる非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂組成物からなるとともに、
 前記多層シートAのコア層が、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、エネルギー吸収体であるカーボンブラックを0.0001~3質量部、又は、カーボンブラックを0.0001~3質量部と平均粒子径150nm未満の金属酸化物、金属硫化物、金属炭酸塩及び金属ケイ酸塩から選ばれた少なくとも1種を0~6質量部との混合物を含んでなるポリカーボネート系樹脂組成物からなり、
 更に、前記多層シートAの全厚さが50~150μmからなり、かつ、前記コア層の厚さの、前記多層シートAの全厚さに対して占める割合が35%以上、85%未満からなる多層シートであり、
 前記多層シートBは、スキン層とコア層を有し、共押出法により積層される少なくとも3層のシートから形成される着色レーザーマーキング多層シートであって、
 前記多層シートBの両最外層であるスキン層が、テレフタル酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコール単位(I)、及び、1,4-シクロヘキサンジメタノール単位(II)を主とするグリコール単位からなるポリエステルであって、かつ、エチレングリコール単位(I)と1,4-シクロヘキサンジメタノール単位(II)とが、(I)/(II)=90~30/10~70モル%である共重合ポリエステル樹脂100質量部に対して、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩から選ばれる少なくとも1種の滑剤を0~3質量部含んでなる非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂組成物からなるとともに、
 前記多層シートBのコア層が、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、エネルギー吸収体であるカーボンブラックを0.0001~3質量部、又は、カーボンブラックを0.0001~3質量部と金属酸化物、金属硫化物、金属炭酸塩及び金属ケイ酸塩から選ばれた少なくとも1種を0~6質量部との混合物及び着色系無機顔料を1質量部以上含んでなるポリカーボネート系樹脂組成物からなり、
 更に、前記多層シートBの全厚さが50~250μmからなり、かつ、前記コア層の厚さの、前記多層シートBの全厚さに対して占める割合が35%以上、85%未満からなる多層シートであるレーザーマーキング多層シート。
 前記多層シートA及び/又は多層シートBの表面には平均粗さ(Ra)0.1~5μmのマット加工が施されている請求項1に記載のレーザーマーキング多層シート。
 前記多層シートA及び/または多層シートBのコア層及び/又はスキン層が熱可塑性樹脂100質量部に対して、酸化防止剤及び/又は着色防止剤0.1~5質量部、及び紫外線吸収剤及び/又は光安定剤0.1~5質量部含有する請求項1又は2に記載のレーザーマーキング多層シート。
 電子パスポート用である請求項1~3のいずれか1項に記載のレーザーマーキング多層シート。
 プラスチックカード用である請求項1~3のいずれか1項に記載のレーザーマーキング多層シート。
 請求項1~5のいずれか1項に記載のレーザーマーキング多層シートに、レーザーマーキングする方法であって、
 前記レーザーマーキング多層シートに積層した多層シートA側から、レーザー光線を照射して印字するレーザーマーキング方法。
Description:
レーザーマーキング多層シート

 本発明は、レーザーマーキング多層シー に関する。とりわけ、レーザー光線照射に り該多層シートに損傷なくマーキングされ かつ、生地色と印字部とのコントラストが く、鮮明な文字、記号、画像が得られ、耐 性にも優れたレーザーマーキング多層シー に関するものであり、電子パスポートまた プラスチックカード等に好適に用いられる

 国際交流が進展する中で、人材の移動も 発化している昨今、個人を特定し身元を証 する手段として、個人情報を記録したIDカ ド、ICカード、或いはパスポート等のいわゆ る身分証(身元照明証等)、とくに、公的機関 信頼性の高い団体の発行する身分証の重要 が高まっている。

 とりわけ、2001年9月の世界同時多発テロ 件以降、各国の入出国管理を厳しくする等 対応策が講じられている。たとえば、国連 専門機関 ICAO(International Civil Aviation Organiza tion)が標準規格を制定し、個人情報を書き込 、読み取り可能なICチップを組み込んだ電 パスポート導入の取り組みが開始されてい 。また、個人を特定するのに多量な情報を 録したIDカード、ICカード等も登場するに至 ている。これらのIDカード、ICカード、或い はパスポート等のいわゆる身分証では、個人 情報を書き込みしたICチップの他に、カード 体やシート本体等に個人名、記号、文字、 真等の個人情報を表示したものが一般的と っている。

 ところで、このようなIDカード、ICカード 、或いはパスポート等は、個人を特定し証明 し得るものであるから、公的機関や信頼性の 高い団体以外の第三者が、個人情報の改竄や 偽造等を容易に行えるものであれば、身分証 への信頼性は落ち、国際交流の進展や人材の 世界規模での移動に支障を与えることになり かねない。

 そこで、前述の電子パスポート、IDカー 、ICカード等のいわゆる身分証では、如何に 改竄や偽造を防止するがが重要な問題となっ ている。すなわち、軽薄短小な電子パスポー ト、IDカード、ICカード等に如何にしてコン ラストが高く、鮮明な表示が得られるかは 改竄や偽造等防止にも繋がるため重要とな 。

 このような問題に対して、個人名、記号 文字、写真などをレーザーマーキングする 術、具体的にはレーザーマーキング用多層 ートが注目されており、たとえば、以下の 許文献1、2がある。

 特許文献1では、外観の損傷がなく、コン トラストが良好で、表面平滑性の優れたレー ザーマーキングできる多層シートを得ること を目的に、少なくとも表層及び内層からなる 多層シートであって、(A)透明の熱可塑性樹脂 からなる表層と、(B)(b-1)熱可塑性樹脂100重量 に対し、(b-2)レーザー光線を吸収するエネ ギー吸収体0.01~5重量部および(b-3)着色剤0.5~7 量部を含有する熱可塑性樹脂組成物からな 内層とを、溶融共押し出しにて形成したレ ザーマーキング用多層シートが開示されて る。

 特許文献2では、外観の損傷がなく、コン トラストが良好で、表面平滑性の優れたレー ザーマーキングでき、耐熱性の優れた多層シ ートを得ることを目的に、第一の表層/内層/ 二の表層からなる多層シートであって、(A) 明の熱可塑性樹脂100重量部に対し、雲母及 /又はカーボンブラックを0.001~5重量部を含 する熱可塑性樹脂組成物からなる透明な第 及び第二の表層と、(B)熱可塑性樹脂100重量 に対し、レーザー光線を吸収するエネルギ 吸収体0.001~3重量部を含有する熱可塑性樹脂 成物からなる内層とから形成され、第一の 層/内層/第二の表層のシートの厚み構成比 1:4:1~1:10:1であり、第一の表層/内層/第二の表 層を、溶融共押し出しにて形成したレーザー マーキング用多層シートが開示されている。

 確かに、特許文献1、2におけるレーザー ーキング用多層シートでは、これらの多層 ート同士や例えば、PETGシートやABS樹脂シー 等の熱可塑性樹脂シートとの加熱融着性に れ、レーザー光照射によるレーザーマーキ グにより文字、数字を印字するには充分な 字性が得られ、評価に値するものである。 かし、前述のような個人情報を記録したID ード、ICカード、或いはパスポート等のいわ ゆる身分証のように、人の顔などの画像を描 画すると必ずしも十分でないとの問題があっ た。すなわち、個人名、記号、文字、写真等 の個人情報を軽薄短小の規格寸法内に如何に して鮮明に表示するかについては、十分な対 応がなされていない。

特開2002-273832号公報

特許第3889431号公報

 本発明は上記問題点を解決すべくなされ ものであり、レーザーマーキング性に優れ かつ、生地色と印字部とのコントラストが く、鮮明な文字、記号、画像が得られると もに、多層シートの積層工程における加熱 着性に優れ、更には、シートの搬送性、熱 レス後の金型からの離型性、耐熱性、折り げ性を兼ね揃えたレーザーマーキング多層 ートを提供することにある。とりわけ、改 防止、偽造防止に優れている。

 本発明により、以下のレーザーマーキン 多層シートが提供される。

[1] 多層シートAと多層シートBを積層して るレーザーマーキング多層シートであって 前記多層シートAは、スキン層とコア層を有 、共押出法により積層される少なくとも3層 のシートから形成される透明レーザーマーキ ング多層シートであって、前記多層シートA 両最外層であるスキン層が、テレフタル酸 位を主とするジカルボン酸単位とエチレン リコール単位(I)、及び、1,4-シクロヘキサン メタノール単位(II)を主とするグリコール単 位からなるポリエステルであって、かつ、エ チレングリコール単位(I)と1,4-シクロヘキサ ジメタノール単位(II)とが、(I)/(II)=90~30/10~70 ル%である共重合ポリエステル樹脂100質量部 対して、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、 肪酸金属塩から選ばれる少なくとも1種の滑 剤を0.01~3質量部含んでなる非結晶性の芳香族 ポリエステル系樹脂組成物からなるとともに 、前記多層シートAのコア層が、ポリカーボ ート樹脂100質量部に対して、エネルギー吸 体であるカーボンブラックを0.0001~3質量部、 又は、カーボンブラックを0.0001~3質量部と平 粒子径150nm未満の金属酸化物、金属硫化物 金属炭酸塩及び金属ケイ酸塩から選ばれた なくとも1種を0~6質量部との混合物を含んで るポリカーボネート系樹脂組成物からなり 更に、前記多層シートAの全厚さが50~150μmか らなり、かつ、前記コア層の厚さの、前記多 層シートAの全厚さに対して占める割合が35% 上、85%未満からなる多層シートであり、前 多層シートBは、スキン層とコア層を有し、 押出法により積層される少なくとも3層のシ ートから形成される着色レーザーマーキング 多層シートであって、前記多層シートBの両 外層であるスキン層が、テレフタル酸単位 主とするジカルボン酸単位とエチレングリ ール単位(I)、及び、1,4-シクロヘキサンジメ ノール単位(II)を主とするグリコール単位か らなるポリエステルであって、かつ、エチレ ングリコール単位(I)と1,4-シクロヘキサンジ タノール単位(II)とが、(I)/(II)=90~30/10~70モル% ある共重合ポリエステル樹脂100質量部に対 て、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪 金属塩から選ばれる少なくとも1種の滑剤を 0~3質量部含んでなる非結晶性の芳香族ポリエ ステル系樹脂組成物からなるとともに、前記 多層シートBのコア層が、ポリカーボネート 脂100質量部に対して、エネルギー吸収体で るカーボンブラックを0.0001~3質量部、又は、 カーボンブラックを0.0001~3質量部と金属酸化 、金属硫化物、金属炭酸塩及び金属ケイ酸 から選ばれた少なくとも1種を0~6質量部との 混合物及び着色系無機顔料を1質量部以上含 でなるポリカーボネート系樹脂組成物から り、更に、前記多層シートBの全厚さが50~250 mからなり、かつ、前記コア層の厚さの、前 多層シートBの全厚さに対して占める割合が 35%以上、85%未満からなる多層シートであるレ ーザーマーキング多層シート。

[2] 前記多層シートA及び/又は多層シートB 表面には平均粗さ(Ra)0.1~5μmのマット加工が されている[1]に記載のレーザーマーキング 層シート。

[3] 前記多層シートA及び/または多層シー Bのコア層及び/又はスキン層が熱可塑性樹脂 100質量部に対して、酸化防止剤及び/又は着 防止剤0.1~5質量部、及び紫外線吸収剤及び/ は光安定剤0.1~5質量部含有する[1]又は[2]に記 載のレーザーマーキング多層シート。

[4] 電子パスポート用である[1]~[3]のいずれ かに記載のレーザーマーキング多層シート。

[5] プラスチックカード用である[1]~[3]のい ずれかに記載のレーザーマーキング多層シー ト。

[6] [1]~[5]のいずれかに記載のレーザーマー キング多層シートに、レーザーマーキングす る方法であって、前記レーザーマーキング多 層シートに積層した多層シートA側から、レ ザー光線を照射して印字するレーザーマー ング方法。

 本発明によれば、レーザーマーキング性 優れ、かつ、生地色と印字部とのコントラ トが高く、鮮明な文字、記号、画像が得ら るとともに、多層シートの積層工程におけ 加熱融着性に優れ、更には、シートの搬送 、熱プレス後の金型からの離型性、耐熱性 折り曲げ性を兼ね揃えたレーザーマーキン 多層シートを提供できるという優れた効果 奏する。とりわけ、改竄防止、偽造防止に れている。

本発明のレーザーマーキング多層シー の一実施形態を示す模式図であって、断面 である。 本発明のレーザーマーキング多層シー を、電子パスポートに使用する場合の一例 示す模式図である。 本発明のレーザーマーキング多層シー を、電子パスポートに使用する場合の一例 示す模式図である。

 以下、本発明のレーザーマーキング多層 ートを実施するための最良の形態について 体的に説明する。但し、本発明はその発明 定事項を備えるレーザーマーキング多層シ トを広く包含するものであり、以下の実施 態に限定されるものではない。

[1]本発明のレーザーマーキング多層シート は、図1に示されるように、多層シートA(符号 3)と多層シートB(符号5)を積層してなるレーザ ーマーキング多層シート1である。前記多層 ートAは、スキン層3aとコア層3bを有し、共押 出法により積層される少なくとも3層のシー から形成される透明レーザーマーキング多 シートである。前記多層シートAの両最外層 あるスキン層3aが、テレフタル酸単位を主 するジカルボン酸単位とエチレングリコー 単位(I)、及び、1,4-シクロヘキサンジメタノ ル単位(II)を主とするグリコール単位からな るポリエステルであって、かつ、エチレング リコール単位(I)と1,4-シクロヘキサンジメタ ール単位(II)とが、(I)/(II)=90~30/10~70モル%であ 共重合ポリエステル樹脂100質量部に対して 脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸金 塩から選ばれる少なくとも1種の滑剤を0.01~3 質量部含んでなる非結晶性の芳香族ポリエス テル系樹脂組成物からなる。前記多層シート Aのコア層3bが、ポリカーボネート樹脂100質量 部に対して、エネルギー吸収体であるカーボ ンブラックを0.0001~3質量部、又は、カーボン ラックを0.0001~3質量部と平均粒子径150nm未満 の金属酸化物、金属硫化物、金属炭酸塩及び 金属ケイ酸塩から選ばれた少なくとも1種を0~ 6質量部との混合物を含んでなるポリカーボ ート系樹脂組成物からなる。更に、前記多 シートAの全厚さが50~150μmからなり、かつ、 記コア層の厚さの、前記多層シートAの全厚 さに対して占める割合が35%以上、85%未満から なる多層シートである。前記多層シートB(符 5)は、スキン層5aとコア層5bを有し、共押出 により積層される少なくとも3層のシートか ら形成される着色レーザーマーキング多層シ ートである。前記多層シートBの両最外層で るスキン層5aが、テレフタル酸単位を主とす るジカルボン酸単位とエチレングリコール単 位(I)、及び、1,4-シクロヘキサンジメタノー 単位(II)を主とするグリコール単位からなる リエステルであって、かつ、エチレングリ ール単位(I)と1,4-シクロヘキサンジメタノー ル単位(II)とが、(I)/(II)=90~30/10~70モル%である 重合ポリエステル樹脂100質量部に対して、 肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸金属 から選ばれる少なくとも1種の滑剤を0~3質量 含んでなる非結晶性の芳香族ポリエステル 樹脂組成物からなる。前記多層シートBのコ ア層5bが、ポリカーボネート樹脂100質量部に して、エネルギー吸収体であるカーボンブ ックを0.0001~3質量部、又は、カーボンブラ クを0.0001~3質量部と金属酸化物、金属硫化物 、金属炭酸塩及び金属ケイ酸塩から選ばれた 少なくとも1種を0~6質量部との混合物及び着 系無機顔料を1質量部以上含んでなるポリカ ボネート系樹脂組成物からなる。更に、前 多層シートBの全厚さが50~250μmからなり、か つ、前記コア層の厚さの、前記多層シートB 全厚さに対して占める割合が35%以上、85%未 からなる多層シートであるレーザーマーキ グ多層シート1として構成される。

[A]多層シートAの構成:
 本発明の透明レーザーマーキング多層シー における多層シートAはスキン層とコア層を 有し、共押出法により積層される少なくとも 3層のシートから形成される透明レーザーマ キング多層シートから構成される。

[A-1]3層シート:
 多層シートAは、スキン層とコア層とからな る少なくとも3層構造のシートとして構成さ 、共押出法により積層形成される。なお、 実施形態に係る3層シートは、「少なくとも3 層」であって、3層構造のシートに限られた のではない。すなわち、本実施形態の透明 ーザーマーキング多層シートAにおいて、「3 層シート」と言うのは、説明の便宜を図るも のであり、「3層シート」とは「少なくとも3 以上の層からなるシート」を意味するもの あって、「3層」から成るシートに限定する 趣旨ではない。換言すれば、3層以上の構成 らなれば、5層から構成されても、7層から構 成されても、或いは、それ以上の奇数層から 形成されていても、本実施形態の多層シート Aに含まれる。

 ただし、上述した多層構造から本実施形 の多層シートAが構成される場合にも、後述 するスキン層は、多層構造から構成されるシ ートの最も外側の位置に配されるとともに、 そのシートの両側に配され、さらに、両スキ ン層(の間)に、コア層が挟まれるように配さ ることが必要となる。なお、スキン層の厚 は、特に限定されるものではないが、より ましいのは、後述の所定範囲の厚さに形成 れることである。

 他方、多層シートAが上述の「それ以上の 奇数層」から構成される場合であっても、あ まりに多層構造からなる場合には、配される スキン層とコア層との一層あたりの層厚が薄 くなり過ぎてしまうと、積層時の加熱プレス 工程での、いわゆる金型スティックが発生し てしまうおそれがある。したがって、好まし いのは5層から、より好ましいのは3層から構 される多層シートAである。

 ここで、多層シートAが前述のように奇数 層から構成されるのは、偶数層からなる多層 シートは、必ず奇数層からなる多層シートと 同じ構成となるからである。例えば、4層か なる多層シートでは、スキン層(PETG)/コア層( PC)/コア層(PC)/スキン層(PETG)、といった層の配 置となり、結局のところ、奇数層から構成さ れる多層シートと同様の構成となるからであ る。

 また、たとえば、3層から構成される多層 シートを例にすると、スキン層(PETG)/コア層(P C)/スキン層(PETG)、といった層の配列がなされ るように、一方と他方の両最外側に2つのス ン層が配され、その2つのスキン層に挟まれ ように、コア層が1層配されて多層シートが 形成されることになる。また、5層から構成 れる多層シートを例にすると、スキン層(PETG )/コア層(PC)/スキン層(PETG)/コア層(PC)/スキン (PETG)、といった層の配列がなされるように 一方と他方の両最外側に2つのスキン層が配 れ、かつ、交互にスキン層とコア層を配列 て、多層シートを形成してもよい。このよ に多層構造を有する多層シートを形成する とにより、充分な加熱融着性を確保でき、 層工程におけるシートの搬送性、熱プレス の金型からの離型性、折り曲げ性、透明性 の点で、微調整が可能となる。

 また、3層シートの全厚さ(総厚さ)は、全 さが50~150μmからなるとともに、全厚さに対 て占める前記コア層の厚さの割合が35%以上 85%未満からなることが望ましい。3層シート の全厚さが、50μm未満であると、多層シート 層工程における加熱融着時に金型に多層シ トが貼りつくという、いわゆる金型スティ クの問題が発生しやすくなり、このような 障を取り除くためには、加熱融着温度や、 熱融着時のプレス圧力、加熱融着時間等を 御することが煩雑となり、成形工程に支障 きたしやすいからである。また、3層シート の全厚さが150μmを超えると、その150μmを超え た3層シートを用いて電子パスポート用多層 ートを成型した場合、全厚みが厚くなりす 使いづらくなる。また、プラスチックカー に使用した場合、カードの厚さが、一般的 接触、非接触式カードの規格である全厚さ 最大厚さ800μmを超えることになるため、汎 性がなく、使用困難となるから好ましくな 。さらに、多層シートAは、全厚さに対して める前記コア層の厚さの割合が35%以上、85% 満からなることが望ましい。スキン層の厚 があまりにも薄いと金型スティックの発生 び熱融着性の低下が生じてしまい、他方、 キン層の厚さがあまりにも大きすぎると、 述するコア層の厚さが、必然的に薄くなっ しまい、レーザーマーキング性が劣ったり 多層シート積層後にそりが発生したりする どの問題が生じて望ましくないからである

 このように3層シート全体の厚さを所望の 厚さとすることにより、多層シートAの特性 いった局所的な特性を引き出しやすくなる みならず、本実施形態のレーザーマーキン 多層シート(多層シートA及び多層シートBか なる多層シート)といった本実施形態全体の 性を引き出しやすくなる。さらに、この3層 シート全体の総厚さだけに限らず、3層シー を構成するスキン層及びコア層の3層シート 占める厚さの割合も前述の所望の割合にす ことにより、3層シート全体の厚さを所望範 囲内にすることと相俟って、レーザーマーキ ング性を向上させやすくなる等、本願の効果 をより発揮させるため好ましい。

 なお、多層シートの融着性と金型スティ クの問題は多層シートの実用化や生産性、 場のニーズに応え得るものであるか等極め 重要な要素となるため、さらに後段にて、3 層シート全体の総厚さと、スキン層、及びコ ア層との厚さとの関係について詳述する。

[A-1-1]多層シートAにおけるスキン層:
 多層シートAにおけるスキン層は、3層シー の外側に配される両最外層として構成され 。すなわち、このスキン層は、後述する多 シートAにおけるコア層の両端面側(外側)か 、挟み込むように配される、3層シートの表 (両最外層)としての役割を担っている。

 スキン層の厚さは、それぞれ同一である とが好ましい。それぞれ異なる厚さのスキ 層から多層シートAを構成すると、前述した ように、多層シートのプレス工程等でシート のソリが生じて好ましくないからである。ま た、例えば、スキン層(PETG)/コア層(PC)/スキン 層(PETG)といった3層から多層シートAが構成さ る場合であって、コア層の厚さが35%以上、8 5%未満である場合には、スキン層は両側で15% 上、65%未満となる。スキン層の厚さがあま にも薄いと金型スティックの発生及び熱融 性の低下が生じてしまい、他方、スキン層 厚さがあまりにも大きすぎると、後述する ア層の厚さが、必然的に薄くなってしまい レーザーマーキング性が劣ったり、多層シ ト積層後にそりが発生したりするなどの問 が生じて好ましくないから、所望の厚さに 成されることが望ましい。

 このスキン層を形成する素材としては、 リエステル系樹脂組成物、すなわち、後述 共重合ポリエステル樹脂([A-1-1-1]参照)と、 述の滑剤([A-1-1-2]参照)と、を調製した、後述 する非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂組 成物からなる層として形成される。

[A-1-1-1]共重合ポリエステル樹脂:
 本実施形態に用いられる共重合ポリエステ 樹脂は、非結晶性の芳香族ポリエステル系 脂組成物の主要な成分として配合されてい 。この共重合ポリエステル樹脂としては、 キン層には、テレフタル酸単位を主とする カルボン酸単位とエチレングリコール単位( I)、及び、1,4-シクロヘキサンジメタノール単 位(II)を主とするグリコール単位からなるポ エステルであって、かつ、エチレングリコ ル単位(I)と1,4-シクロヘキサンジメタノール 位(II)とが、(I)/(II)=90~30/10~70モル%である共重 合ポリエステル樹脂が使用される。この共重 合ポリエステル樹脂に含まれる、エチレング リコールと、1,4-シクロヘキサンジメタノー と、の成分量を調製する理由は、共重合ポ エステル樹脂において、エチレングリコー 成分の置換量が10モル%未満で得られる樹脂 は十分な非晶性にならず、熱融着後の冷却 程で再結晶化が進み、熱融着性が劣るから ある。また、70モル%を超えて得られる樹脂 は十分な非晶性にならず、熱融着後の冷却 程で再結晶化が進み、熱融着性が劣るから ある。したがって、本実施形態のように、 チレングリコールと、1,4-シクロヘキサンジ タノールと、の成分量を調製して得られる 脂は、十分な非晶性になり、熱融着性の点 優れているため、望ましい樹脂といえる。

 さらに、この共重合ポリエステル樹脂と ては、例えば、ポリエチレンテレフタレー におけるエチレングリコール成分の約30モ %を1,4-シクロヘキサンジメタノールで置換し た非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂(商 名「PETG」、イーストマンケミカル社製)が商 業的に入手可能なものとして挙げられる。

[A-1-1-2]滑剤:
 本実施形態に用いられる滑剤は、テレフタ 酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチ ングリコール単位(I)、及び、1,4-シクロヘキ サンジメタノール単位(II)を主とするグリコ ル単位からなるポリエステルであって、か 、エチレングリコール単位(I)と1,4-シクロヘ サンジメタノール単位(II)とが、(I)/(II)=90~30/ 10~70モル%である共重合ポリエステル樹脂100質 量部に対して、脂肪酸エステル、脂肪酸アミ ド、脂肪酸金属塩から選ばれる少なくとも1 の滑剤が添加されるように調製されるもの ある。これらの滑剤の添加量としては0.01~3 量部、好ましくは0.05~1.5質量部である。0.01 量部未満では加熱プレス時にプレス板に融 してしまい、3質量部を超えるとカードの熱 着性に問題が生じるため好ましくない。

 脂肪酸エステル系滑剤としては、ブチル テアレート、セチルパルミレート、ステア ン酸モノグリセライド、ステアリン酸ジグ セライド、ステアリン酸トリグリセライド モンタンワックス酸のエステル、ロウエス ル、ジカルボン酸エステル、複合エステル が挙げられ、脂肪酸アマイド系滑剤として 、ステアリン酸アマイド、エチレンビスス アリルアマイド等が挙げられる。また、脂 酸金属塩系滑剤としては、ステアリン酸カ シウム、ステアリン酸マグネシウム、ステ リン酸亜鉛、ステアリン酸アルミウム、ス アリン酸バリウム等が挙げられる。

[A-1-2]多層シートAにおけるコア層:
 コア層は、3層シートの中心に配される、い わゆる核層として構成される。すなわち、こ のコア層は、最外側に配された2つのスキン に挟み込まれるように、3層シートの中核層 して形成されている。このコア層の厚さと ては、全シート中に占める厚さの割合が、3 5%以上、85%未満になるよう形成されることが ましい。好ましいのは、40%以上80%未満であ 。コア層の厚み比率が85%以上となると、透 レーザーマーキング多層シートAの総厚みが 50~150μmと薄いため、相対的にスキン層も薄く なってしまい、仮に、スキン層に滑剤が混合 されていても、積層工程における加熱プレス 工程にて透明レーザーマーキング多層シート Aが金型に貼りつくという金型スティックの 題が発生するので好ましくない。また、コ 層の厚み比率が35%未満では積層工程におい 、スキン層が厚いため金型スティックの問 が発生しないが、レーザーマーキング性が ったり、耐熱性が乏しくなったりするため ートのソリが生じて好ましくない。

 コア層を構成する材料(素材)としては、 リカーボネート樹脂、特に透明なポリカー ネート樹脂が使用される。ただし、使用さ るポリカーボネート樹脂は特に制限はない 、メルトボリュームレイトが4~20のものを好 に使用できる。メルトボリュームレイトが4 未満では、シートのタフネス性が向上すると いう点では意味はあるものの、成形加工性が 劣ることから、実際の使用に難があるため好 ましくない。また、メルトボリュームレイト が20を超えると、シートのタフネス性に劣る とから、好ましくない。

[A-1-3]エネルギー吸収体:
 エネルギー吸収体としては、カーボンブラ ク、金属酸化物、金属硫化物、炭酸塩およ 金属ケイ酸塩の群から選ばれた少なくとも1 種が挙げられる。

 カーボンブラックは、平均粒径が10~90nmで 、ジブチルフタレート(DBT)吸油量60~170ml/100gr カーボンブラックが好ましい。カーボンブ ックの平均粒径が10nm未満ではレーザー発色 が低下すると共に、微細すぎて取扱いに難 あり、90nmを超えるとシートの透明性が低下 したり、シート表面に大きな凹凸が発生した りする事があり好ましくない。また、DBT吸油 量が60ml/100gr未満では分散性が悪く、170ml/100gr を超えると隠蔽性に劣るため好ましくない。

 また、金属酸化物としては、酸化物を形 する金属として、亜鉛、マグネシウム、ア ミニウム、鉄、チタン、珪素、アンチモン 錫、銅、マンガン、コバルト、バナジウム ニオブ、モリブデン、ルテニウム、タング テン、パラジウム、銀、白金などが挙げら る。更に、複合金属酸化物としてITO、ATO、A ZO等が挙げられる。

 また、金属硫化物としては、硫化亜鉛、 化カドミニウムなどが挙げられる。さらに 炭酸塩としては炭酸カルシウムなどが、ま 、金属ケイ酸塩としてはケイ酸アルミナ、 を含むケイ酸アルミナ(マイカ)、含水ケイ アルミナ(カオリン)、ケイ酸マグネシウム( ルク)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシ ムなどが挙げられる。

 また、これらの金属酸化物、複合金属酸 物及び金属硫化物の平均粒子径は150nm未満 好ましく、より好ましくは100nm未満である。

 また、エネルギー吸収体としては、カー ンブラック及び金属酸化物、複合金属酸化 が好適に用いられ、各々単独または併用し 用いられる。

 また、エネルギー吸収体の添加量(配合量 )は、カーボンブラックを0.0001~3質量部添加( 合)され、より好ましくは0.0001~1質量部であ 。また、カーボンブラックと平均粒子径150nm 未満の金属酸化物、金属硫化物、金属炭酸塩 及び金属ケイ酸塩から選ばれた少なくとも1 とを併用する場合にはその混合物の配合量 0.0001~6質量部配合され、より好ましくは0.0001 ~3質量部である。

 このように、エネルギー吸収体の添加量( 配合量)を所望量に調製するのは、多層シー Aは透明であることが好ましいからである。 なわち、多層シートAの下層である多層シー トBは、着色、画像、文字等の印刷を施す場 が多く、その場合に多層シートAの透明性が ると印刷された着色、画像、文字等が不鮮 となり実用上問題となる。そのために平均 子径の小さいカーボンブラックが好ましく いられ、また、カーボンブラックと他の金 酸化物、金属硫化物、金属炭酸塩及び金属 イ酸塩から選ばれた少なくとも1種との混合 物をレーザーエネルギー吸収剤として用いる 場合も、これら金属酸化物、金属硫化物、金 属炭酸塩及び金属ケイ酸塩の平均粒子径が少 なくとも150nm未満、好ましくは100nm未満、更 好ましくは50nm未満とするのである。

 したがって、これらレーザーエネルギー 収体の平均粒子径が150nmを超えると透明レ ザーマーキング多層シートAの透明性が低下 て好ましくない。また、これらレーザーエ ルギー吸収体の配合量も6質量部を超えると 多層シートAの透明性が低下すると共に、吸 エネルギー量が多すぎてしまい、樹脂を劣 させてしまう。その結果、充分なコントラ トが得られない。他方、レーザーエネルギ 吸収体の添加量が0.0001質量部未満では充分 コントラストが得られず好ましくない。

[A-1-4]酸化防止剤及び/または着色防止剤:
 酸化防止剤及び/または着色防止剤は、コア 層及び/またはスキン層におけるコア層の場 はポリカーボネート樹脂、スキン層の場合 共重合ポリエステル樹脂100質量部に対して 0.1~5質量部含有させることが好ましい。酸化 防止剤及び/または着色防止剤の添加(配合)は 成形加工時における分子量低下による物性低 下及び色相安定化に有効に作用する。この酸 化防止剤及び/又は着色防止剤としては、フ ノール系酸化防止剤や亜燐酸エステル系着 防止剤が使用される。

 フェノール系酸化防止剤の例としては、 えば、α-トコフェロール、ブチルヒドロキ トルエン、シナピルアルコール、ビタミンE 、n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ シフェニル)プロピオネート、3-5-ジ-t-ブチル -4-ヒドロキシトルエン;ペンタエリスリチル- トラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフ ェニル)プロピオネート〕、トリエチレング コール-ビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロ キシフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサ ジオール-ビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ シフェニル)プロピオネート〕、2-tert-ブチル -6-(3’-tert-ブチル-5’-メチル-2’-ヒドロキシ ンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2,6 -ジ-tert-ブチル-4-(N,N-ジメチルアミノメチル) ェノール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベ ジルホスホネートジエチルエステル、2,2’- メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノー )、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチル フェノール)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert- チルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチ ル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-ジメ レン-ビス(6-α-メチル-ベンジル-p-クレゾー )、2,2’-エチリデン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフ ェノール)、2,2’-ブチリデン-ビス(4-メチル-6- tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビ (3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、トリエ レングリコール-N-ビス-3-(3-tert-ブチル-4-ヒド ロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート、1, 6-へキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4 -ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス [2-tert-ブチル-4-メチル6-(3-tert-ブチル-5-メチル -2-ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレ ト、3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ- 5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1,- メチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5, 5]ウンデカン、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m- レゾール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-tert-ブ チルフェノール)、2,2’-チオビス(4-メチル-6-t ert-ブチルフェノール)、ビス(3,5-ジ-tert-ブチ -4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’-ジ -チオビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4 -トリ-チオビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール) 、2,2-チオジエチレンビス-[3-(3,5-ジ-tert-ブチ -4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4 -ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3’,5’ -ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、N,N ’-ヘキサメチレンビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4- ドロキシヒドロシンナミド)、N,N’-ビス[3-(3, 5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ オニル]ヒドラジン、1,1,3-トリス(2-メチル-4- ドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5 -トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4- ドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5-ジ-t ert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)イソシアヌ ート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキ ベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5 -ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシ ヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒド キシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレー 、1,3,5-トリス2[3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキ シフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソ アヌレート、およびテトラキス[3-(3,5-ジ-tert -ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル キシメチル]メタンなどが挙げられる。

 なお、これらの例示の中でも、とりわけ n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-ヒドロ シフェニル)プロピオネート、1,3,5-トリメチ -2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ ンジル)ベンゼン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブ ル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート 、テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキ フェニル)プロピオニルオキシメチル]メタ が好適であり、特にn-オクタデシル-3-(3,5-ジ- tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ ートが好適である。上記ヒンダードフェノー ル系酸化防止剤は、単独でまたは2種以上を 合せて使用することができる。

 亜燐酸エステル系着色防止剤としては、 えば、トリフェニルホスファイト、トリス( ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシル スファイト、トリオクチルホスファイト、 リオクタデシルホスファイト、ジデシルモ フェニルホスファイト、ジオクチルモノフ ニルホスファイト、ジイソプロピルモノフ ニルホスファイト、モノブチルジフェニル スファイト、モノデシルジフェニルホスフ イト、モノオクチルジフェニルホスファイ 、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニ )オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフ ェニル)ホスファイト、トリス(ジ-iso-プロピ フェニル)ホスファイト、トリス(ジ-n-ブチル フェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブ チルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6-ジ-te rt-ブチルフェニル)ホスファイト、ジステア ルペンタエリスリトールジホスファイト、 ス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリス トールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチ ル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチ ルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ イト、フェニルビスフェノールAペンタエリ リトールジホスファイト、ビス(ノニルフェ ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジ スファイトなどが挙げられる。

 さらに、他のホスファイト化合物として 二価フェノール類と反応し環状構造を有す ものも使用できる。例えば、2,2’-メチレン ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)(2,4-ジ-tert-ブ ルフェニル)ホスファイト、2,2’-メチレン ス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)(2-tert-ブチル-4- メチルフェニル)ホスファイト、2,2’-メチレ ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェニル)(2-tert- チル-4-メチルフェニル)ホスファイト、2,2’- エチリデンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェニ )(2-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ホスファイ トなどを挙げることができる。

 上記の中でもトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフ ニル)ホスファイトが特に好ましい。亜燐酸 ステル系着色防止剤は、1種もしくは2種以 を混合して用いてもよい。また、フェノー 系酸化防止剤と併用してもよい。

 さらに、コア層及び/またはスキン層にお けるコア層の場合はポリカーボネート樹脂、 スキン層の場合は共重合ポリエステル樹脂100 質量部に対して、紫外線吸収剤及び/又は光 定剤0.1~5質量部含有させることが好ましい。 また、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤の添 (配合)は透明レーザーマーキング多層シート Aの保管時及び最終製品である電子パスポー またはプラスチックカードの実際の使用時 おける耐光劣化性の抑制に有効に作用する

 紫外線吸収剤としては、例えば2-(2’-ヒ ロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾ ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミル フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロ キシ-3’,5’-ビス(α,α’-ジメチルベンジル) ェニルベンゾトリアゾール、2,2’メチレン ス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾ トリアゾール-2-イル)フェノール]、メチル-3-[ 3-tert-ブチル-5-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル) -4-ヒドロキシフェニルプロピオネート-ポリ チレングリコールとの縮合物に代表される ンゾトリアゾール系化合物を挙げることが きる。

 更に、紫外線吸収剤としては、例えば、2 -(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘ シルオキシフェノール、2-(4,6-ビス(2,4-ジメ ルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキ ルオキシフェノールなどのヒドロキシフェ ルトリアジン系化合物を挙げることができ 。

 さらに、紫外線吸収剤としては、例えば 2,2’-p-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジ -4-オン)、2,2’-m-フェニレンビス(3,1-ベンゾ キサジン-4-オン)、および2,2’-p,p’-ジフェ レンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)など 環状イミノエステル系化合物を挙げること できる。

 また、光安定剤としては、ビス(2,2,6,6-テ ラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1, 2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート 、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジ ル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、 トラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル )-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ポ {[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5- リアジン-2,4-ジイル][(2,2,6,6-テトラメチルピ リジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6-テト メチルピペリジル)イミノ]}、ポリメチルプ ピル3-オキシ-[4-(2,2,6,6-テトラメチル)ピペリ ジニル]シロキサンなどに代表されるヒンダ ドアミン系のも含むことができ、かかる光 定剤は前記紫外線吸収剤や場合によっては 種酸化防止剤との併用において、耐候性な の点においてより良好な性能を発揮する。

[A-1-5]マット加工:
 また、多層シートAの両面には、マット加工 が施され、平均粗さ(Ra)0.1~5μmであることが好 ましい。このように、多層シートAの表面に ット加工を形成する理由は、例えば、本実 形態のレーザーマーキング多層シートの構 が、多層シートA/多層シートBにて加熱プレ 成形した場合、多層シートAと多層シートBの 間の空気が抜けやすくなり、これら多層シー トを積層工程に搬送する場合に、吸引・吸着 して搬送した後、これら多層シートを位置合 わせして積層した後、空気を注入して多層シ ートを脱着する際、マット加工していないと 脱着困難であったり、脱着できても積層位置 がずれたりするなどの問題が生じやすい傾向 がある。また、マット加工の平均粗さ(Ra)が5 mを超えると、透明レーザーマーキング多層 ートA/着色レーザーマーキング多層シート 熱融着性が低下しやすくなる傾向がある。

 さらに、表面の平均粗さ(Ra)が0.1μm未満で は前述したようにシート搬送時・積層時に、 シートが搬送機に貼りつくという問題等が発 生しやすい傾向がある。

[B]多層シートBの構成:
 本発明の透明レーザーマーキング多層シー Bはスキン層とコア層を有し、共押出法によ り積層される少なくとも3層のシートから形 されるレーザーマーキング多層シートとし 構成される。

 なお、説明の便宜を図るため、前段の多 シートAと構成が同一であるものについては 、その旨を記載するに留め可能な限り説明を 省略し、次項以下では、多層シートAと構成 相違するものについて詳述することとする したがって、多層シートAと構成が同一であ ものについては、多層シートAの説明を参照 されたい。

[B-1]3層シート:
 多層シートBは、スキン層とコア層とからな る少なくとも3層構造のシートとして構成さ 、共押出法により積層形成される。なお、 の3層シート定義は多層シートAと同じである ため、多層シートAの3層シート[A-1]の説明を 照されたい。

 また、3層シートの全厚さ(総厚さ)は、全 さが50~250μmからなるとともに、全厚さに対 て占めるコア層の厚さの割合が35%以上、85% 満からなることが望ましい。3層シートの全 厚さが、50μm未満であると、多層シート積層 程における加熱融着時に金型に多層シート 貼りつくという、いわゆる金型スティック 問題が発生しやすくなり、このような支障 取り除くには、融着温度や、融着時のプレ 圧力、融着時間等を制御することが必要と るが、この制御が煩雑となり、成形工程に 障をきたしやすいからである。また、3層シ ートの全厚さが250μmを超えると、その250μmを 超えた3層シートを用いて電子パスポート用 層シートを成型した場合、全厚みが厚くな すぎ使いづらくなる。また、プラスチック ードに使用した場合、カードの厚さが、一 的な接触、非接触式カードの規格である全 さの最大厚さ800μmを超えることになるため 汎用性がなく、使用困難となるから好まし ない。さらに、多層シートBは、全厚さに対 て占める前記コア層の厚さの割合が35%以上 85%未満からなることが望ましい。スキン層 厚さがあまりにも薄いと金型スティックの 生及び熱融着性の低下が生じてしまい、他 、スキン層の厚さがあまりにも大きすぎる 、後述するコア層の厚さが、必然的に薄く ってしまい、レーザーマーキング性が劣っ り、多層シート積層後にそりが発生したり るなどの問題が生じて好ましくないからで る。

 このように3層シート全体の厚さを所望の 厚さとすることにより、多層シートBの特性 いった局所的な特性を引き出しやすくなる みならず、本実施形態のレーザーマーキン 多層シート(多層シートA及び多層シートBか なる多層シート)といった本実施形態全体の 性を引き出しやすくなる。さらに、この3層 シート全体の総厚さだけに限らず、3層シー を構成するスキン層及びコア層の3層シート 占める厚さの割合も前述の所望の割合にす ことにより、3層シート全体の厚さを所望範 囲内にすることと相俟って、レーザーマーキ ング性を向上させやすくなる等、本願の効果 をより発揮させるため好ましい。

 なお、多層シートの融着性と金型スティ クの問題は、多層シートBにおいても多層シ ートAと同様に本実施形態の実用化や生産性 市場のニーズに応え得るものであるか等極 て重要な要素となるため、多層シートAと重 しない範囲で、さらに後段にて、3層シート 全体の総厚さと、スキン層、及びコア層との 厚さとの関係について詳述する。

[B-1-1]多層シートBにおけるスキン層の構成:
 多層シートBにおけるスキン層は、多層シー トAと同様に、3層シートの外側に配される両 外層として構成される。すなわち、このス ン層は、後述する多層シートBにおけるコア 層の両端面側(外側)から、挟み込むように配 れる、3層シートの表層(両最外層)としての 割を担っている。

 スキン層の厚さは、それぞれ同一である とが好ましい。それぞれ異なる厚さのスキ 層から多層シートBを構成すると、前述した ように、多層シートのプレス工程等でシート のソリが生じて好ましくないからである。ま た、例えば、スキン層(PETG)/コア層(PC)/スキン 層(PETG)といった3層から多層シートBが構成さ る場合であって、コア層の厚さが35%以上、8 5%未満である場合には、スキン層は両側で15% 上、65%未満となる。スキン層の厚さがあま にも薄いと金型スティックの発生及び熱融 性の低下が生じてしまい、他方、スキン層 厚さがあまりにも大きすぎると、後述する ア層の厚さが、必然的に薄くなってしまい レーザーマーキング性が劣ったり、多層シ ト積層後にそりが発生したりするなどの問 が生じて好ましくないから、所望の厚さに 成されることが望ましい。

[B-1-1-1]共重合ポリエステル樹脂:
 多層シートBにおける共重合ポリエステル樹 脂の定義は透明レーザーマーキング多層シー トAと同じである。したがって、多層シートA( [A-1-1-1])の共重合ポリエステル樹脂の説明を 照されたい。

[B-1-1-2]滑剤:
 多層シートBにおいては、滑剤の添加量は、 前述の共重合ポリエステル樹脂100質量部に対 して0~3質量部である。このように、0質量部 含めるのは、たとえば、レーザーマーキン 多層シートが、多層シートA/多層シートB/多 シートAと積層する場合には、多層シートB この積層体の最表面にでないため、多層シ トBに滑剤を添加する必要がないからである 他方、多層シートA/多層シートB、または多 シートB/他のシート/多層シートBの積層体シ ートを加熱融着させて、この積層体シート表 面に印刷等をした後、更に多層シートA/該積 体シート/多層シートAを積層して加熱融着 せる場合には、この前半の工程にて多層シ トBが積層体シートの最表面を形成するため 滑剤を添加する必要がある。したがって、 層シートBにおいては、その使用方法、積層 パターンによって滑剤の必要の有無が異なる ため、添加量を0~3質量部として必要に応じて 添加させることにした。

 なお、多層シートBに滑剤を添加させる場 合に用いる滑剤の定義は、多層シートAに用 る滑剤と同じである。したがって、多層シ トAにおける滑剤([A-1-1-2])の説明を参照され い。

[B-1-2]多層シートBにおけるコア層の構成:
 多層シートBにおけるコア層は、多層シート Aと同様に3層シートの中心に配される、いわ る核層として構成される。すなわち、この ア層は、最外側に配された2つのスキン層に 挟み込まれるように、3層シートの中核層と て形成されている。

 コア層の厚さとしては、全シート中に占 る厚さの割合が、35%以上、85%未満になるよ 形成されることが望ましい。好ましいのは 40%以上80%未満、である。コア層の厚み比率 85%以上となると、透明レーザーマーキング 層シートBの総厚みが50~250μmであるため、相 対的にスキン層も薄くなってしまい、仮に、 スキン層に滑剤が混合されていても、積層工 程における加熱プレス工程にて透明レーザー マーキング多層シートAが金型に貼りつくと う金型スティックの問題が発生するので好 しくない。また、コア層の厚み比率が35%未 では積層工程において、スキン層が厚いた 金型スティックの問題が発生しないが、レ ザーマーキング性が劣ったり、耐熱性が乏 くなったりするためシートのソリが生じて ましくない。

 コア層を構成する材料(素材)としては、 層シートAと同じであるため、多層シートAの 説明を参照されたい。

[B-1-2-1]着色系無機顔料:
 多層シートBは、着色レーザーマーキング多 層シートであり、多層シートBのコア層には ポリカーボネート樹脂100質量部に対して着 系無機顔料を1質量部以上配合される。この で、多層シートAと異なる。このように着色 系無機顔料を1質量部以上配合するのは、後 するように、透明レーザーマーキング多層 ートAと着色レーザーマーキング多層シートB の積層体シートにレーザー光を照射してマー キングする場合にコントラストが良好になる ため、文字、数字及び画像の鮮明性が良くな るからである。

 この着色系無機顔料としては、白色顔料 して酸化チタン、酸化バリウム、酸化亜鉛 黄色顔料として酸化鉄、チタンイエロー、 色顔料として、酸化鉄、青色顔料としてコ ルトブルー群青などが挙げられる。ただし コントラスト性を高めるため、薄い色付、 彩色系となるものが好ましい。

 より好ましいのは、コントラスト性の際 つ、白色系無機顔料が添加されることであ 。

[B-1-3]エネルギー吸収体:
 多層シートBにおけるエネルギー吸収体の種 類、配合量は多層シートAと同じである。し がって、多層シートAの説明を参照されたい

[B-1-4]酸化防止剤及び/または着色防止剤:
 多層シートBにおける酸化防止剤及び/また 着色防止剤は透明レーザーマーキング多層 ートAと同じである。また、多層シートBにお ける紫外線吸収剤及び/または光安定剤は透 レーザーマーキング多層シートAと同じであ 。したがって、多層シートAの説明を参照さ れたい。

[B-1-5]マット加工:
 多層シートBにおけるマット加工は透明レー ザーマーキング多層シートAと同じである。 たがって、多層シートAの説明を参照された 。

[C]多層シートAと多層シートBの関係:
 前述のように、多層シートAと多層シートB 積層することにより、本願の効果を奏する とができる。すなわち、多層シートAは、PETG /PC(レーザーマーク)/PETG からなる透明なレー ザーマーク3層シートとして構成される。さ に、その多層シートAのレーザーを照射する と反対の面には、PETG/PC(着色レーザーマー )/PETG、からなる着色レーザーマーク多層シ トBを積層することにより、上層(多層シート A)にレーザー照射してコア層PCが黒発色して 、レーザー光は更に通過して下層(多層シー B)のコア層PCも黒発色を生成する。これによ り、レーザー光で発色した部分の黒化度が向 上する。

 ここで、レーザーマーキングによる画像( ex.人の顔)の鮮明性を十分に引き出すには、 射率やコントラストを制御することが重要 なる。たとえば、反射率が不十分であった 、コントラストが低かったりすると、画像 鮮明性が低下してしまうためである。また たとえば、前述の多層シートA(PETG/PC(レーザ マーク)/PETG(透明なレーザーマーク3層シー )に、レーザーマーク対応でないPETG/PC(白)/PET G 3層シートを加熱融着させて積層体シート 形成する場合には、下層の3層シートにPETG透 明層があるため反射率が不十分となってしま い好ましくない。さらに、反射率やコントラ ストを考慮し、PC(白)シートを前述のPETG/PC(白 )/PETG 3層シートに代えて、多層シートAの下 に用いると、反射率がPETG/PC(白)/PETG 3層シー トより向上するとともに、上層(多層シートA) のレーザーマーキングによる黒発色と下層(PC シート)の白とのコントラストが向上する事 画像の鮮明性がよくなる。しかし、下層がPC (白)シートでは上層との加熱融着性の問題が 生し、120~150℃程度の低温での加熱融着性が 悪い。210~240℃に温度を上げれば加熱融着す が、これでは上層のPETG層が軟化、溶融して まい積層体シートを得ることができない。

 したがって、PETG/PC(レーザーマーク)/PETG  からなる透明なレーザーマーク3層シートの 層にPETG/PC(着色レーザーマーク)/PETG、からな る着色レーザーマーク多層シートBを積層す 事で、上層にレーザー照射してコア層PCが黒 発色しても、レーザー光は更に通過して下層 のコア層PCも黒発色を生成する。これにより レーザー光で発色した部分の黒化度が向上 ることにより、下層にPC(白)シートを使用し た場合の同等のコントラストが得られること により、画像を鮮明にでき、しかも、加熱融 着性における問題も生じさせないようにした 。このように、本願は所望の多層シートAと 層シートBとの組み合わせにより、相乗的に 願の効果を発揮するものである。

 なお、前述では、本実施形態体における ーザーマーキング多層シートを、多層シー Aの下層に多層シートBを積層する配置パタ ンついて説明したが、このような配置に限 れるものではない。すなわち、必ずしも上 に多層シートAを配置し、下層に多層シートB を配置するものに限定されるものではない。 たとえば、多層シートAを下層に配置し、多 シートBを上層に配置してもよい。このよう 、多層シートA(多層シートB)を、上層又は下 層に配置してもよいのは、レーザーマークし た画像等を目視する位置(方向)が、上下方向 限られないからである。換言すれば、たと ば、パスポーのように冊子形式で、本実施 態体におけるレーザーマーキング多層シー を使用する場合には、見開き状にして平面 した場合に、上層に多層シートAを配置し下 層に多層シートBを配置しても、次ページを いて平面視した場合には、その多層シートA 多層シートBの配置位置は、丁度、上層に多 層シートBを配置し下層に多層シートAを配置 たことになってしまうからである。したが て、ここでの上層、下層は、説明の便宜を るために用いたものであって、レーザー照 する側に多層シートAが配置され、多層シー トBは多層シートAを介して(透過して)レーザ 照射されるように、配置されることを意味 る。このように配置されることにより、レ ザーマークされた後の多層シートAと多層シ トBとの、画像等の鮮明さや高コントラスト を得ることができ、本願の効果を奏すること できるのである。

 さらに、本実施形態体におけるレーザー ーキング多層シートでは、多層シートA/多 シートBと積層させる場合に限らず、たとえ 、多層シートA/多層シートB/多層シートAと 層する場合、多層シートB/他のシート/多層 ートBの積層体シートを加熱融着させた後、 の積層体シート表面に印刷等をした後、更 多層シートA/該積層体シート/多層シートAを 積層させる場合なども広く含まれる。使用目 的や使用方法に応じて柔軟に対応可能となり 、本願の効果を奏することができる。

[2]用途:
 また、本実施形態におけるレーザーマーキ グ多層シートは、電子パスポート用、プラ チックカード用に好適に用いることができ 。

 たとえば、電子パスポート用として用い 場合には、図2に示されるように、本実施形 態におけるレーザーマーキング多層シートを 2つ用意し、その間にレーザーマーキング多 シートを綴じやすくするための、ポリエス ル樹脂フィルム、熱可塑性ウレタン樹脂フ ルムまたはナイロン樹脂フィルムの1種類、 たは、ポリエステルクロス、ナイロンクロ から選ばれる1種のクロスなどからなる、い わゆるラミフィルムC等を配置し、必要に応 てミシン綴じ部17等を形成するとともに、さ らに図3に示されるような、表紙9、本実施形 を用いた積層体11、ビザシート13、ICチップ1 5等を配置し、電子パスポートを作成しても い。ただし、これは一例であって、必ずし このような構成に限られるものではない。

[3]多層シートA及び多層シートBの成形方法:
 本発明において、3層の透明レーザーマーキ ング多層シートA及び着色レーザーマーキン 多層シートBを得るには、例えば、各層の樹 組成物を共押出して積層する共押出法、各 をフィルム状に形成し、これをラミネート る方法、2層を共押出法で形成し、これに別 途形成したフィルムをラミネートする方法等 があるが、生産性、コストの面から共押出法 により積層することが好ましい。

 具体的には、各層の樹脂組成物をそれぞ 配合し、あるいは必要に応じてペレット状 して、Tダイを共有連結した3層Tダイ押出機 各ホッパーにそれぞれ投入し、温度200℃~280 ℃の範囲で溶融して3層Tダイ共押出し、冷却 ール等で冷却固化して、3層積層体を形成す ることができる。なお、本発明の透明レーザ ーマーキング多層シートA及び着色レーザー ーキング多層シートBは、上記方法に限定さ ることなく、公知の方法により形成するこ ができ、例えば、特開平10-71763号公報第(6)~( 7)頁の記載に従って得ることができる。

 上述のようにして得られた多層シートA、 多層シートBを積層し、所望時間、所望圧力 、所望温度で加熱融着等によって接合して レーザーマーキング多層シートを得ること できる。より具体的には、多層シートAおよ Bを各々溶融共押出成形にて2種3層シートを 出した後、ロール状に巻き取りしたロール シートを所定温度に加熱した加熱ローラー に、例えば、多層シートA/多層シートB/多層 シートA、または多層シートB/他のシート/多 シートBを通して加熱ローラーにて加熱、加 により長尺の積層体シートを製造した後所 の寸法にカットする方法などによって製造 るとよい。更に、前記多層シートAおよびB 所定の寸法にカットした後、加熱プレス機 より、前述同様、例えば、多層シートA/多層 シートB/多層シートA、または多層シートB/他 シート/多層シートBの枚葉積層体シートを 造することもできる。

 ここで、所望時間、所望圧力、所望温度 、特に限定されるものではない。所望時間 所望圧力、所望温度は、必要に応じて適宜 択されることが好ましい。なお、一般的な のとして、所望時間は10秒~6分程度、所望圧 力1~20MPa、所望温度100~160℃を一例として挙げ ことができる。

[4]レーザーマーキング方法:
 本実施形態におけるレーザーマーキング多 シートは、レーザー光線を照射して発色さ るものであるが、レーザー光としては、He-N eレーザー、Arレーザー、Co 2 レーザー、エキシマレーザー等の気体レーザ ー、YAGレーザー、Nd・YVO 4 レーザー等の固体レーザー、半導体レーザー 、色素レーザー等が挙げられる。これらのう ち、YAGレーザー、Nd・YVO 4 レーザーが好ましい。

 なお、前述したように、上記樹脂組成物 は、必要に応じて、その特性を損なわない 囲で、他の添加剤、例えば離型剤、安定剤 酸化防止剤、紫外線吸収剤、強化剤などを 加することができる。

 本実施形態のレーザーマーキング方法に いて、レーザー光線としては、レーザビー は、シングルモードでもマルチモードでも く、また、ビーム径が20~40μmのように絞っ もののほか、ビーム径が80~100μmのごとく広 ものについても用いることができるが、シ グルモードで、ビーム径が20~40μmの方が、印 字発色部と下地のコントラストを3以上とし コントラストが良好な印字品質を得る点で ましい。

 このように本実施形態のレーザーマーキ グ多層シートに、レーザー光線を照射する 、レーザーマーキング多層シートを構成す 多層シートA、及び多層シートBが、それぞ 発色することによって、相乗効果的に容易 つ鮮明に画像等を描くことができる。した って、本実施形態のレーザーマーキング多 シートは、レーザーマーク性に優れ、その 面、又は支持体と被覆体の界面部にレーザ 光線で黒下地に白文字、白色記号及び白色 柄などを、容易かつ鮮明に描くことが出来 特に、バーコード等の情報コードを解像度 くマーキングすることが可能となる。

 より好ましいのは、前述のレーザーマー ング多層シートに、レーザーマーキングす 方法であって、図1に示されるようにレーザ ーマーキング多層シートに積層した多層シー トA側から、レーザー光線7を照射して印字す ことである。このように本実施形態のレー ーマーキング多層シート側から、所望のレ ザー光線を照射すると、より相乗効果的に 易かつ鮮明に画像等を描くことができる。 たがって、本実施形態のレーザーマーキン 多層シートは、レーザーマーク性に優れ、 の表面、又は支持体と被覆体の界面部にレ ザー光線で黒下地に白文字、白色記号及び 色図柄などを、容易かつ鮮明に描くことが 来、特に、バーコード等の情報コードを解 度よくマーキングすることが可能となる。

 以下、本発明を実施例によってさらに具 的に説明するが、本発明はこれによって限 されるものではない。また、実施例におけ 各種の評価、測定は、下記方法により実施 た。

[1]シートの搬送性:
 製造例1~7の透明レーザーマーキング多層シ トA及び着色レーザーマーキング多層シート Bを100×300mmにカットした後、シート搬送機で 送し、透明レーザーマーキング多層シートA /着色レーザーマーキング多層シートと積層 た際、以下の判定基準にてシート搬送性を 価した。
  ○:問題なし、△:シート積層時吸着部から 脱着しにくくシートがずれる、
  ×:シート積層時吸着部から脱着困難。

[2]積層加熱プレス成形後の離型性:
 前記のように積層したシートを2枚のクロム メッキ鋼板で挟み、プレス温度130℃、圧力50k gf/cm 2 にて10分間保持した。その後、室温まで冷却 た後、クロムメッキ鋼板で挟んだ試料をク ムメッキ鋼板ごと取り出し、試料からクロ メッキ鋼板を引き剥がした際の金型からの 型性を以下のように評価した。
  ○:容易にはくり可、△:金型にわずかに付 着し、剥がす事は可能であるがシート表面に 傷が生じて使用不可、×:金型に付着。

[3-1]気泡抜け性:
 前記のように加熱プレス後の積層体中の残 気泡状態を観察して、気泡抜け性を以下の うに評価した。
  ○:積層体中に気泡なし、×:積層体中に気 残存。

[3-2]熱融着性:
 熱融着性を観察するために、積層体を構成 るシート間にカッター刃を軽く差し入れる とにより密着力を以下のように観察した。
  ○:はくりなし、×:はくりが一部、又は、 面にわたって発生。

[4]レーザーマーク性:
 Nd・YVO 4 レーザー(商品名「LT-100SA」、レーザーテクノ ロジー社製及び、商品名「RSM103D」、ロフィ シナール社製)を使用して、レーザーマーク を評価した。具体的には、レーザーマーク は400mm/secのレーザー照射速度にてマーキン を行い、コントラストの良否、表面層破壊 ど異常の有無から以下のように判定した。
  ○:コントラスト比3以上、表面層破壊、樹 脂焼けなし、
  △:コントラスト比2~3未満、表面層破壊、 脂焼けなし、
  ×:コントラスト比2未満及びまたは表面層 壊、樹脂焼けあり。

[5]透明レーザーマーキング多層シートAの透 性:
 透明レーザーマーキング多層シートAの全光 線透過率を、分光光度計(商品名「EYE7000」マ ベス社製)を用いて測定した。
  ○:全光線透過率80%以上、△:全光線透過率 60%以上80%未満、
  ×:全光線透過率60%未満。

(製造例1)透明レーザーマーキング多層シート A〈1〉:
 スキン層として非結晶性ポリエステル(商品 名「イースターGN071」イーストマンケミカル 製、EG/CHDM=70/30モル%)を、コア層としてポリ ーボネート(商品名「タフロンFN2500A」出光 産製、メルトボリュームレイト=8cm 3 /10min)を用い、かつ、非結晶性ポリエステル 滑剤としてステアリン酸カルシウム0.3質量 を配合した。さらに、上記ポリカーボネー に、レーザー光線を吸収するエネルギー吸 体としてカーボンブラック(三菱化学製#10、 均粒子径75nm、DBP吸油量86ml/100gr)を0.001質量 を配合すると共に、フェノール系酸化防止 として、n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4- ドロキシフェニル)プロピオネート(商品名 イルガノックス1076」、チバ・スペシャルテ ・ケミカルズ社製))を0.1部、及び、紫外線 収剤として、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t- チルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール (商品名「チヌビン327」、チバ・スペシャル ィ・ケミカルズ社製)を、0.2部配合して、Tダ イ共押出法によりスキン層/コア層/スキン層 3層のカード用コアシートを得た。シートの 総厚さは100μmであり、表裏のスキン層の厚さ を同じ厚さとするとともに、層の構成をスキ ン層(27μm)/コア層(46μm)/スキン層(27μm)の構成 して、コア層の厚さ比率を46%にした。さら 、両面の平均表面粗さ(Ra)については、0.5~1. 8μm、になるようマット加工が施された3層透 レーザーマーキング多層シートA〈1〉を得 。

(製造例2)透明レーザーマーキング多層シート A〈2〉:
 製造例1と同様にして、シートの総厚さを100 μmにするとともに、表裏のスキン層の厚さを 同じ厚さとして、層の構成をスキン層(40μm)/ ア層(20μm)/スキン層(40μm)に構成するととも 、コア層の厚さを比率20%にした。さらに、 面の平均表面粗さ(Ra)については、0.5~1.8μm になるようマット加工が施された3層透明レ ザーマーキング多層シートA〈2〉を得た。

(製造例3)透明レーザーマーキング多層シート A〈3〉:
 製造例1において、層の構成をスキン層(5μm) /コア層(90μm)/スキン層(5μm)に構成するととも に、コア層の厚さを比率90%にした他は、製造 例1と同様にして透明レーザーマーキング多 シートA〈3〉を得た。

(製造例4)透明レーザーマーキング多層シート A〈4〉:
 製造例1において、非結晶性ポリエステルに 滑剤を加えなかった他は、製造例1と同様に て透明レーザーマーキング多層シートA〈4〉 を得た。

(製造例5)透明レーザーマーキング多層シート A〈5〉:
 製造例1において、3層シートのコア層にレ ザー光エネルギー吸収剤 カーボンブラック を配合しなかった他は製造例1と同様にして 透明レーザーマーキング多層シートA〈5〉を 得た。

(製造例6)透明レーザーマーキング多層シート A〈6〉:
 製造例1において、3層シートのコア層にレ ザー光エネルギー吸収剤 カーボンブラック 5質量部配合した他は製造例1と同様にして、 明レーザーマーキング多層シートA〈6〉を た。

(製造例7)着色レーザーマーキング多層シート B〈1〉:
 スキン層として非結晶性ポリエステル(商品 名「イースターGN071」イーストマンケミカル 製、EG/CHDM=70/30モル%)を、コア層としてポリ ーボネート(商品名「タフロンFN2500A」出光 産製、メルトボリュームレイト=8cm 3 /10min)を用い、かつ、非結晶性ポリエステル 滑剤としてステアリン酸カルシウム0.3質量 を配合した。さらに、上記ポリカーボネー に、レーザー光線を吸収するエネルギー吸 体としてカーボンブラックを0.001質量部を配 合すると共に、フェノール系酸化防止剤とし て、(n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド キシフェニル)プロピオネート(「イルガノ クス1076」チバ・スペシャルティ・ケミカル 社製)を0.1部、及び、紫外線吸収剤として、 2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニ )-5-クロロベンゾトリアゾール(商品名「チヌ ビン327」、チバ・スペシャルティ・ケミカル ズ社製)0.2部、及び酸化チタン5部を配合して Tダイ共押出法によりスキン層/コア層/スキ 層の3層の着色レーザーマーキング多層シー トB〈1〉を得た。さらに、シートの総厚さ150 mにするとともに、表裏のスキン層の厚さを じ厚さとし、層の構成をスキン層(20μm)/コ 層(110μm)/スキン層(20μm)の構成にするととも 、コア層の厚さを比率73%にした。さらに、 面の平均表面粗さ(Ra)については、0.5~1.8μm になるようマット加工が施された3層着色レ ザーマーキング多層シートB〈1〉を得た。

(製造例8)着色レーザーマーキング多層シート B〈2〉:
 製造例7において、層の構成をスキン層(60μm )/コア層(30μm)/スキン層(60μm)の構成にすると もに、コア層の厚さを比率20%にした他は製 例8と同様にして、着色レーザーマーキング 多層シートB〈2〉を得た。

(製造例9)着色レーザーマーキング多層シート B〈3〉:
 製造例7において、層の構成をスキン層(7.5μ m)/コア層(135μm)/スキン層(7.5μm)の構成にする ともに、コア層の厚さを比率90%にした他は 造例8と同様にして、着色レーザーマーキン グ多層シートB〈3〉を得た。

(製造例10)着色レーザーマーキング多層シー B〈4〉:
 製造例7において、3層シートのコア層にレ ザー光エネルギー吸収剤 カーボンブラック を配合しなかった他は製造例8と同様にして 着色レーザーマーキング多層シートB〈4〉を 得た。

(製造例11)着色レーザーマーキング多層シー B〈5〉:
 製造例7において、3層シートのコア層に酸 チタンを配合しなかった他は製造例8と同様 して、着色レーザーマーキング多層シートB 〈5〉を得た。

 上述の製造例1~11を、表1~表3に示す構成に より、実施例1及び、比較例1~9として、各種 価を行った。その結果を表1~3に示す。

(考察)
 表1~3に示すように、実施例1では、いずれも シートの搬送性、積層加熱プレス後の離型性 、気泡抜け性及び熱融着性に優れ、かつ、優 れたレーザーマーキング性を有するものであ った。なお、マット加工がないという点以外 で実施例1と同様に製造したシートを用いて 実験を行ったが使用に関しては問題はなか た。ただし、歩留まり率の向上という点で 、実施例1に見られるようにマット加工した のの方が好ましいことが裏づけられた。

 これに対して、比較例1では透明レーザー マーキング多層シートA〈2〉のコア層の厚み 率が20%であったため、レーザーマーキング に劣るものであった。比較例2は透明レーザ ーマーキング多層シートA〈3〉のコア層の厚 比率が90%であったため、スキン層が薄いた 積層加熱プレス後の離型性と熱融着性に問 が生じた。比較例3では透明レーザーマーキ ング多層シートA〈4〉のスキン層に滑剤を加 なかったため、加熱プレス工程にて離型性 悪く実用困難である。

 また、比較例4では透明レーザーマーキン グ多層シートA〈5〉のコア層にレーザー光エ ルギー吸収材であるカーボンブラックを配 しなかったため、レーザーマーク性に劣る のであった。比較例5では透明レーザーマー キング多層シートA〈6〉のコア層にレーザー エネルギー吸収材であるカーボンブラック 5質量部と多くしたため、透明レーザーマー キング多層シートA〈6〉透明性に劣り、かつ レーザーマーク性に劣るものであった。

 さらに、比較例6では着色レーザーマーキ ング多層シートB〈2〉のコア層の厚み比率が2 0%であったため、レーザーマーキング性に劣 ものであった。比較例7では着色レーザーマ ーキング多層シートB〈3〉のコア層の厚み比 が90%であったため、スキン層が薄いため熱 着性に問題が生じた。比較例8では着色レー ザーマーキング多層シートB〈4〉のコア層に ーザー光エネルギー吸収材であるカーボン ラックを配合しなかったため、レーザーマ ク性に劣るものであった。比較例9は着色レ ーザーマーキング多層シートB〈5〉のコア層 酸化チタンを配合しなかったため、レーザ マーク性に劣るものであった。

 本発明の透明レーザーマーキング多層シ トA及び着色レーザーマーキング多層シート Bは非PVC系の多層シートであり、多層シートA/ 多層シートBの積層体構造とすることにより レーザー光照射により文字、数字のみなら 画像についても鮮明で優れたレーザーマー ング性を有し、多層シートの積層、加熱プ ス工程においても、シートの搬送性、積層 、加熱融着性及び積層体シートの変形“ソ ”もなく耐熱性に優れた多層シートであり 電子パスポート用多層シートやプラスチッ カードとして好適に使用できるものである

1:レーザーマーキング多層シート、3:多層 ートA、3a:(多層シートAの)スキン層、3b:(多層 シートAの)コア層、5:多層シートB、5a:(多層シ ートBの)スキン層、5b:(多層シートBの)コア層 7:レーザー光線、9:表紙、11;積層体、13:ビザ シート、15:ICチップ、17:ミシン綴じ部、C:ラ フィルム。