高橋雅信 (())
TASAKI, Keita (())
日本毛織株式会社 (〒37 兵庫県神戸市中央区明石町47番地 Hyogo, 6500037, JP)
TAKAHASHI, Masanobu (())
高橋雅信 (())
| 芯繊維と、その周囲を被覆する被覆繊維からなる多層構造紡績糸であって、 前記芯繊維が20~50重量%の範囲であり、前記被覆繊維が50~80重量%の範囲であり、 前記芯繊維は、パラ系アラミド繊維であり、撚りを有する牽切糸であり、 前記被覆繊維は、難燃アクリル繊維、ポリエーテルイミド繊維、又はメタ系アラミド繊維を含み、 前記牽切糸が持つ撚り方向と、前記多層構造糸の撚り方向が同一方向であり、 前記多層構造糸の撚り数は、前記牽切糸の撚り数の1.2~1.6倍であることを特徴とする多層構造紡績糸。 |
| 前記芯繊維は、メートル番手で算出した撚り係数が30~50の範囲である請求項1に記載の多層構造紡績糸。 |
| 前記被覆繊維は、難燃アクリル繊維及びポリエーテルイミド繊維から選ばれる少なくとも1つの繊維が10重量%以上100重量%以下である請求項1に記載の多層構造紡績糸。 |
| 前記被覆繊維は、メタ系アラミド繊維が0重量%以上90重量%以下である請求項1に記載の多層構造紡績糸。 |
| 前記被覆繊維繊維はバイアスカットされている請求項1に記載の多層構造紡績糸。 |
| 前記被覆繊維繊維には、更に帯電防止繊維が混紡されている請求項1に記載の多層構造紡績糸。 |
| 前記芯繊維は単糸であり、その繊度はメートル番手で50~180番(55.6~200deci tex)の範囲である請求項1に記載の多層構造紡績糸。 |
| 前記芯繊維の繊維長は、30~220mmの範囲に分布しており、平均繊維長は80~120mmの範囲である請求項1に記載の多層構造紡績糸。 |
| 請求項1~8のいずれか1項に記載の多層構造紡績糸を使用した耐熱性布帛。 |
| 請求項9に記載の耐熱性布帛を使用した耐熱性防護服。 |
| 芯繊維と、その周囲を被覆する被覆繊維からなる多層構造紡績糸の製造方法であって、 前記芯繊維を20~50重量%の範囲、前記被覆繊維を50~80重量%の範囲とし、 前記芯繊維として、パラ系アラミド繊維を含み、撚りを有する牽切糸をリング精紡機のフロントニップロールに供給し、 前記被覆繊維をリング精紡機のドラフトゾーンから供給し、 直径の異なるフロントニップロールを有するリング精紡機を使用し、芯繊維の牽切糸よりも被覆繊維の速度を5~9%の範囲高くして送り出し、撚り合わせ、その際に前記牽切糸が持つ撚り方向と、前記多層構造糸の撚り方向を同一方向とし、 前記多層構造糸の撚り数は、前記牽切糸の撚り数の1.2~1.6倍とすることを特徴とする多層構造紡績糸の製造方法。 |
| 前記芯繊維は、メートル番手で算出した撚り係数が30~50の範囲である請求項11に記載の多層構造紡績糸の製造方法。 |
| 前記被覆繊維は、難燃アクリル繊維及びポリエーテルイミド繊維から選ばれる少なくとも1つの繊維が10重量%以上100重量%以下である請求項11に記載の多層構造紡績糸の製造方法。 |
| 前記被覆繊維は、メタ系アラミド繊維が0重量%以上90重量%以下である請求項11に記載の多層構造紡績糸の製造方法。 |
| 前記被覆繊維繊維はバイアスカットされている請求項11に記載の多層構造紡績糸の製造方法。 |
| 前記被覆繊維繊維には、更に帯電防止繊維が混紡されている請求項11に記載の多層構造紡績糸の製造方法。 |
| 前記芯繊維は単糸であり、その繊度はメートル番手で50~180番(55.6~200deci tex)の範囲である請求項11に記載の多層構造紡績糸の製造方法。 |
| 前記芯繊維の繊維長は、30~220mmの範囲に分布しており、平均繊維長は80~120mmの範囲である請求項11に記載の多層構造紡績糸の製造方法。 |
本発明は、多層構造紡績糸、その製造方 、これを用いた耐熱性布帛及び耐熱性防護 に関する。
消防服、災害救助に使用する服等の耐熱 防護服は、強度と耐熱性が要求され、通常 ラ系アラミド繊維が使用されている。しか 、パラ系アラミド繊維は耐光性が低く、日 に晒すと光分解し、急激に強度低下が起こ 、変色してしまう問題があった。このため メタ系アラミド繊維等を混紡し、耐光性を 持する提案がある(特許文献1)。
しかし、特許文献1で提案されているように
パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維を
混紡しても、表面に露出しているパラ系アラ
ミド繊維は、日光に晒されると光分解し、急
激に強度低下が起こり、変色してしまうとい
う問題が依然として残る。とくに混紡糸の場
合、紡績糸を構成する単繊維は、マイグレー
ションという現象により、糸の外側と内側を
入ったり出たりしているので、露出した部分
で劣化を起こすと糸全体の強度劣化を引き起
こす。また、通常の多層構造紡績糸は、芯繊
維と被覆繊維が剥離して強力の高い糸は得に
くいという問題もあった。
本発明は、前記従来の問題を解決するた 、パラ系アラミド繊維の光劣化を防止し、 繊維と被覆繊維の一体性が高く、染色性も 好で、かつコストの安い多層構造紡績糸、 の製造方法、これを用いた耐熱性布帛及び 熱性防護服を提供する。
本発明の多層構造紡績糸は、芯繊維と、 の周囲を被覆する被覆繊維からなる多層構 紡績糸であって、前記芯繊維が20~50重量%の 囲であり、前記被覆繊維が50~80重量%の範囲 あり、前記芯繊維は、パラ系アラミド繊維 あり、撚りを有する牽切糸であり、前記被 繊維は、難燃アクリル繊維、ポリエーテル ミド繊維、又はメタ系アラミド繊維を含み 前記牽切糸が持つ撚り方向と、前記多層構 糸の撚り方向が同一方向であり、前記多層 造糸の撚り数は、前記牽切糸の撚り数の1.2~ 1.6倍であることを特徴とする。
本発明の多層構造紡績糸の製造方法は、 繊維と、その周囲を被覆する被覆繊維から る多層構造紡績糸の製造方法であって、前 芯繊維を20~50重量%の範囲、前記被覆繊維を5 0~80重量%の範囲とし、前記芯繊維として、パ 系アラミド繊維を含み、撚りを有する牽切 をリング精紡機のフロントニップロールに 給し、前記被覆繊維をリング精紡機のドラ トゾーンから供給し、直径の異なるフロン ニップロールを有するリング精紡機を使用 、芯繊維の牽切糸よりも被覆繊維の速度を5 ~9%の範囲高くして送り出し、撚り合わせ、そ の際に前記牽切糸が持つ撚り方向と、前記多 層構造糸の撚り方向を同一方向とし、前記多 層構造糸の撚り数は、前記牽切糸の撚り数の 1.2~1.6倍とすることを特徴とする。
本発明の耐熱性布帛は、前記の多層構造 績糸を使用したものである。
また本発明の耐熱性防護服は前記の耐熱 布帛を使用したものである。
1 フロントボトムローラ、2 大径円柱体 3 小系円柱体、4、5 フロントトップローラ 、6 アーバー、7 トランペットフィーダー、 8 バックローラ、9 ドラフトエプロン、10 ネルワイヤ、11 アンチノードリング、12 ト ラベラー、13 糸管、14 ヤーンガイド、A 短 維束(芯繊維のパラ系アラミド牽切繊維束) B 短繊維束(被覆繊維束)、C 芯鞘型複合紡績 糸
本発明は、芯繊維のパラ系アラミド繊維 撚りを有する牽切糸であり、牽切糸が持つ り方向と、多層構造糸の撚り方向が同一方 であり、被覆繊維は、難燃アクリル繊維、 リエーテルイミド繊維、又はメタ系アラミ 繊維を含む多層構造紡績糸としたことによ 、パラ系アラミド繊維の光劣化を防止し、 繊維と被覆繊維の一体性が高く、染色性も 好で、かつコストの安い多層構造紡績糸と れを用いた耐熱性布帛及び耐熱性防護服を 現できる。すなわち、芯繊維のパラ系アラ ド繊維自体の高強力に加えて、牽切糸の強 と、牽切糸が持つ撚り方向と多層構造糸の り方向を同一方向とすることにより、芯繊 と被覆繊維との一体化が相俟って、相乗的 高強力の糸とすることができる。また、前 被覆繊維は、難燃アクリル繊維、ポリエー ルイミド繊維、又はメタ系アラミド繊維を む多層構造紡績糸としたことにより、パラ アラミド繊維の光劣化を防止し、染色性も 好で、かつコストの安い多層構造紡績糸と ることができる。
(1)芯繊維
本発明においては、芯繊維としてパラ系ア
ミド繊維を使用する。パラ系アラミド繊維
、引張強度が高く(例えば帝人社製“テクノ
ーラ”:24.7cN/deci tex、デュポン社製“ケブラ
”:20.3~24.7cN/deci tex)、熱分解開始温度も高
(前記製品はいずれも約500℃)、限界酸素指数
(LOI)は25~29で、耐熱性布帛や耐熱性防護服と
て好適だからである。パラ系アラミド繊維
単繊維繊度は、1~6deci texの範囲が好ましく
更に好ましくは2~5deci texの範囲である。
芯繊維のパラ系アラミド繊維は牽切糸(け んせつし)を使用する。ここで牽切糸とは、 繊維束(トウ)をドラフトしてカット(引きち り)し、加撚して紡績糸としたものをいう。 ラフト-加撚を1つの精紡機で行う直紡方式 あっても良いし、一旦スラーバーとし撚り けして2工程以上で紡績糸(パーロック方式又 はコンバータ法)としてもよい。好ましくは 直紡方式である。牽切糸を使用することに り、強力を高く維持でき、被覆繊維との一 性に優れた多層構造紡績糸が得られる。
牽切糸の好ましい繊度は、単糸で200~55.6de ci tex(メートル番手で50~180番)の範囲が好まし く、更に好ましくは167~66.7deci tex(メートル番 手で60~150番)の範囲である。繊度が前記の範 であれば、強力も高く、風合いなどの面か も耐熱性防護服等に好適である。また、撚 数はメートル番手125番単糸で350~550回/mが好 しく、更に好ましくは400~500回/mである。撚 数が前記範囲であれば、被覆繊維との一体 がさらに高いものとなる。また、好ましい 維長は30~220mmの範囲に分布しており、平均繊 維長は80~120mm、好ましくは90~110mmの範囲であ 。この範囲であれば強力をさらに高く維持 きる。
次に本発明の撚り係数について説明する 撚り係数Kは、“撚り数/m=K×√メートル番手 ”の式で算出される。この算出式を用いて前 記芯繊維の牽切糸の撚り数:メートル番手125 単糸で350~550回/mから撚り係数を求めると、 り係数Kは30~50の範囲となる。撚り係数が決 ると、糸の太さ(番手)が異なっても同一の撚 り角となる。
(2)被覆繊維
被覆繊維としては、難燃アクリル繊維、ポ
エーテルイミド繊維、メタ系アラミド繊維
はこれらの繊維を含む混紡品を含む。これ
の繊維は難燃性が高く、耐光性も高いこと
ら、被覆繊維として優れている。メタ系ア
ミド繊維は、例えば帝人社製“コーネック
”(限界酸素指数(LOI)30)とデュポン社製“ノ
メックス”(限界酸素指数(LOI)30)があり、4~7c
N/deci tex程度の引張強度がある。難燃アクリ
繊維としては、例えばカネカ社製モダアク
ル繊維“プロテックスM”(限界酸素指数(LOI)
32)、旧カネボウ・丸竹コーポレーション社製
商品名“ルフネン”等がある。この繊維は2~3
cN/deci tex程度の引張強度がある。ポリエーテ
ルイミド繊維としては、例えばSABIC INNOVATIVE
PLASTICS社製“ULTEM”(限界酸素指数(LOI)32)があ
。この繊維は約3cN/deci tex程度の引張強度が
ある。
被覆繊維は、難燃アクリル繊維又はポリ ーテルイミド繊維から選ばれる少なくとも1 つの繊維が10重量%以上100重量%以下であるこ が一例として好ましい。難燃アクリル繊維 はポリエーテルイミド繊維は染色性が良い とから100重量%であっても差し支えない。他 例としては、メタ系アラミド繊維が0重量% 上90重量%以下であることが好ましい。さら 好ましくは、難燃アクリル繊維及びポリエ テルイミド繊維から選ばれる少なくとも1つ 繊維が30重量%以上85重量%以下であり、メタ アラミド繊維が15重量%以上70重量%以下であ 、特に好ましくは難燃アクリル繊維及びポ エーテルイミド繊維から選ばれる少なくと 1つの繊維が40重量%以上60重量%以下であり、 メタ系アラミド繊維が40重量%以上60重量%以下 である。前記範囲であれば、強力と難燃性及 び耐光性を更に高くできる。
前記被覆繊維はバイアスカットされてい ことが好ましい。バイアスカットとは、長 維束(トウ)を斜めにカットすることをいう 好ましい繊維長は50~180mmの範囲、更に好まし くは60~150mm、特に好ましくは70~125mmの範囲で る。この範囲であればさらに強力を高く維 できる。また、単繊維繊度は1~6deci texの範 が好ましく、更に好ましくは2~5deci texの範 である。
前記被覆繊維には、更に帯電防止繊維を 紡することが好ましい。活動時に帯電させ いためである。帯電防止繊維としては、金 繊維、炭素繊維、金属粒子や炭素粒子を練 こんだ繊維などがある。帯電防止繊維は、 層構造紡績糸に対して0.1~1重量%の範囲加え ことが好ましく、更に好ましくは0.3~0.7重量 %の範囲である。
さらに被覆繊維には、ウール、難燃性レ ヨン、難燃性コットン等を任意の割合で混 することもできる。
(3)多層構造紡績糸
多層構造紡績糸とするには、リング精紡機
使用する。このときに、芯繊維の牽切糸が
つ撚り方向と、多層構造糸の撚り方向とを
一方向とする。例えば、芯繊維の牽切糸がZ
方向の撚りが掛かっていた場合、多層構造糸
にもZ方向の撚り掛けをする。これにより、
繊維と被覆繊維の一体化を強くし、糸強力
高くすることができる。多層構造糸の撚り
は、牽切糸の撚り数の1.2~1.6倍の範囲であり
好ましくは1.3~1.5倍である。前記撚り数であ
れば、さらに糸の強力を高くできる。
本発明の多層構造糸においては、芯繊維 20~50重量%の範囲であり、被覆繊維が50~80重 %の範囲であることが好ましい。更に好まし は、芯繊維が25~40重量%の範囲であり、被覆 維が60~75重量%の範囲である。前記の範囲で れば、さらに強力を高く維持し、被覆性を め、耐光性を高く維持できる。
(4)多層構造紡績糸の製造装置と方法
次に本発明の多層構造糸を製造するための
置と方法について説明する。
図1は本発明の一実施例におけるリング精 紡機の要部を示す斜視図である。積極回転駆 動するフロントボトムローラ1に、直径の異 る2つの大小の円柱体2,3を錘ごとに設ける。2 つの円柱体2,3は軸方向に同軸に直結する。2 の円柱体2,3の上に、2つの直径の異なる円筒 のフロントトップローラ4,5をのせる。2つの フロントトップローラ4,5の直径差は下側の2 の円柱体2,3の直径差と略同じであるが、大 は下側の2つの円柱体2,3とは逆である。2つの フロントトップローラ4,5はゴムコットで被覆 され、荷重を掛けた共通のアーバー6にそれ れ独立に転動可能に外嵌する。粗糸ボビンB ら引き出した短繊維束Bは、ガイドバーから トランペットフィーダー7を介してバックロ ラ8に供給する。
短繊維束Aは芯繊維のパラ系アラミド牽切 繊維束とし、短繊維束Bは被覆繊維束とする 図示していないが、トランペットフィーダ 7はフロントボトムローラ1の軸方向に揺動さ せることが可能であり、その揺動幅は調節す ることができる。バックローラ8から送出さ てドラフトエプロン9を経た短繊維束Bは、大 径側円柱体3と小径側の円筒形フロントトッ ローラ5に把持されて紡出される。短繊維束A は、ヤーンガイド14を介して、小径の円柱体2 と大径の円筒形フロントトップローラ4に供 して紡出される。
小径側円柱体2から紡出される短繊維束A 紡出速度よりも、大径側円柱体3から紡出さ る短繊維束Bの送出速度の方が速いから、ス ネルワイヤ10を介して2本の紡出された短繊維 束A、Bを撚り合わせると、短繊維束Aの周りに 短繊維束Bが絡み、短繊維束Aを芯とし短繊維 Bが鞘となる芯鞘型の多層構造紡績糸Cが形 される。
短繊維束Aに対する短繊維束Bのオーバー ィード率は5~9%が好ましく、更に好ましくは6 ~8%である。オーバーフィード率が前記の範囲 であると、短繊維束Bは短繊維束Aを「こより 」に包み込み、ほぼ100%の被覆率で芯繊維を 被覆できる。
形成された紡績糸Cは、アンチノードリン グ11とトラベラ12を介して錘上の糸管13に巻き 取られる。短繊維束A,Bの円柱体2,3上の把時位 置が錘ごとに多少のばらつきがあっても、両 者の送出速度比は常に一定であるから、製造 した芯鞘型複合紡績糸Cの性状が錘ごとにば つくおそれはない。又、トランペットフィ ダー7をフロントボトムローラ1の軸方向に可 能な範囲で揺動させると、フロントトップロ ーラ5のゴムコット被覆の短繊維束Bとの摩擦 域が分散し、ゴムコット被覆の早期摩耗を 止することができる。図示していないが、 ーンガイド14は、フロントボトムローラ1の 方向に揺動させて円筒形フロントトップロ ラ4のゴムコット被覆の摩耗を軽減すること が望ましい。
(5)用途
本発明の多層構造紡績糸は単糸で使用して
良いし、複数本撚り合わせても良い。これ
の糸を経糸と緯糸に使用して織物とする。
本発明の多層構造紡績糸を使用した耐熱性 帛としては、例えば織物又は編み物である 織物としては、織物組織は平織(plain weave) 斜文織(綾織,twill weave)、朱子織(satin weave)な ど任意の織組織を使用できる。織物の場合、 好ましい目付けは160~300g/cm 2 の範囲であり、さらに好ましくは180~250g/cm 2 の範囲である。この織物から作業服に縫製す るのも常法の縫製手段を使用できる。この耐 熱性布帛を使用した耐熱性防護服としては、 消防服、災害救助に使用する服等の耐熱性防 護服、警護用衣服、自衛隊などで使用する戦 闘服や作業服、炉前作業服等がある。
以下、実施例を用いてさらに具体的に説明
る。本発明の実施例、比較例における測定
法は次のとおりとした。
(1)燃焼試験
JIS L1091A-4法で規定される、垂直に配置した
織物試料の下端にブンゼンバーナーで12秒間
炎したときの炭化長、炎を外したときの残
時間、及び残塵時間を測定した。
(2)帯電圧試験
JIS L1094 5.4法で規定される摩擦帯電減衰測
法により、帯電直後と半減期を測定した。
(実施例1)
1.芯繊維
パラ系アラミド繊維として帝人社製“テク
ーラ”、単繊維繊度1.7deci tex(1.5デニール)
繊維長37~195mm(平均繊維長:106mm)、メートル番
:125番単糸、Z撚り450T/m(Tは撚り数、撚り係数
Kは90)、黒色原着品からなる牽切糸を用いた
この牽切糸は、フランス国アンサン ランベ
ル アン ビユゲイに存在するシャッペ社製
品を使用した。
2.被覆繊維
(1)メタ系アラミド繊維は、帝人社製“コーネ
ックス”、単繊維繊度2.2deci tex(2デニール)、
繊維長76/102mmバイアスカット品(平均繊維長:89
mm)を用いた。
(2)難燃アクリル繊維は、カネカ社製モダアク
リル繊維“プロテックスM”、単繊維繊度3.3de
ci tex(3デニール)、繊維長82/120mmバイアスカッ
ト品(平均繊維長:101mm)を用いた。
(3)ポリエーテルイミド繊維は、SABIC INNOVATIVE
PLASTICS社製“ULTEM”、単繊維繊度3.3deci tex(3
ニール)、繊維長76/102mmバイアスカット品(平
繊維長:89mm)を用いた。
(4)帯電防止繊維として、KBセーレン社製“ベ
トロン”、単繊維繊度5.5deci tex(5デニール)
平均繊維長:89mmを用いた。
各々の繊維の混紡率は表1に示すとおりで ある。
3.多層構造紡績糸の製造装置と方法
図1に示すリング精紡機を用いて紡績糸とし
た。芯繊維束に対する被覆繊維束のオーバー
フィード率は7%とした。撚り方向と撚り数は
Z方向に630T/mとした。得られた紡績糸は、メ
ートル番手:32番であった。以上の条件で得ら
れた結果を表1に示す。
被覆性(視覚評価)は、多層構造紡績糸の 面から観察して、芯繊維の黒色が見えない 合を合格とし、見える場合は不合格とした 視覚評価で芯繊維が見えなければ耐光性が いことは経験的にわかっている。以上から 実験番号A1~A7の多層構造紡績糸は、破断強力 が高く、かつ被覆性に優れていた。
(実施例2)
実施例1、実験番号A1で得られた多層構造紡
糸を双糸とし、その際にS撚り方向に600T/mの
撚りを掛けた(番手、撚り数表示:2/32)。この
糸を用いて、経糸密度196本/10cm、緯糸密度164
本/10cmとし、目付け229.5g/m 2
の平組織の織物を得た。
得られた織物の物性は次のとおりであった
(1)JIS L1091 A-4法(1992年接炎12秒、垂直法)によ
炭化長タテ:2.9cm、ヨコ:3.7cm、残炎時間タテ:
0.0秒、ヨコ:0.0秒、残塵時間タテ:1.5秒、ヨコ:
1.3秒
(2)JIS L1094 5.4(摩擦帯電減衰測定法)による直
タテ:-310V、ヨコ:-380V、半減期タテ:12.5V、ヨ
:13.8V
(3)JIS1096A法(ラベルドストリップ法)による引
強力:タテ1960N,ヨコ1940N,引張伸度は、タテ15.1
%,ヨコ7.8%
(4)JIS1096A-2法による引裂強力:タテ173.5N,ヨコ169
.5N
(5)染色試験
染色機としてニッセン社製高圧染色機を使
し、染料、その他の添加物としてはNICHILON
GOLDEN YELLOW GL(日成化成) 1 o.w.f(o.w.fはon the
weight of fiberの略)、NICHIRONN RED GRL(日成化成)
0.02%o.w.f.,AIZEN CATHILON NAVY BLUE FRL 200%(保土ヶ
谷化学) 0.13 o.w.f、無水芒硝3 o.w.fを加え、10
2℃で30分間、染色処理をした。
染色堅牢度は次のとおりであった。
JIS L 0848による汗(酸)(アルカリ)は、変褪色
布汚染ともに5級であった。
JIS L 0849による摩擦(乾)は4-5級、同(湿)は4級
あった。
JIS L 0842による耐光は、40時間、80時間とも
5級であった。
(6)洗濯試験
ISO6330 2A-Eによる洗濯試験5回後の寸法変化
タテ:-1.0%、ヨコ:-1.5%、外観は5級(外観変化な
し)であった。
(比較例1)
実施例1において、多層構造紡績糸を製造す
る際に、撚り方向をSとし、撚り数は、1080T/m(
Tは撚り数)とした以外は実施例1の実験番号1
同一の条件で多層構造紡績糸を得た。得ら
た多層構造紡績糸の破断強力は758(N)であり
実施例1の紡績糸に比べて低いものであった
また、被覆性は不合格であった。
(比較例2)
実施例1において、多層構造紡績糸を製造す
る際に、牽切糸に代えて、繊維長76/102mmバイ
スカット品(平均繊維長:89mm)のステープル繊
維を用いて梳毛工程-リング精紡機により得
れた、メートル番手:125番単糸、Z撚り450T/m(T
撚り数)、黒色原着品からなる紡績糸を用い
た以外は実施例1の実験番号1と同一の条件と
た。得られた多層構造紡績糸の破断強力は7
25(N)であり、実施例1の紡績糸に比べて低いも
のであった。また、被覆性は合格であった。
(実施例3)
1.芯繊維
パラ系アラミド繊維として帝人社製“テク
ーラ”、単繊維繊度1.7deci tex(1.5デニール)
繊維長37~195mm(平均繊維長:106mm)、メートル番
:125番単糸、Z撚り450T/m(Tは撚り数、撚り係数
Kは90)、黒色原着品からなる牽切糸を用いた
この牽切糸は、フランス国アンサン ランベ
ル アン ビユゲイに存在するシャッペ社製
品を使用した。
2.被覆繊維
(1)メタ系アラミド繊維は、帝人社製“コーネ
ックス”、単繊維繊度2.2deci tex(2デニール)、
繊維長76/102mmバイアスカット品(平均繊維長:89
mm)を用いた。
(2)ポリエーテルイミド繊維は、SABIC INNOVATIVE
PLASTICS社製“ULTEM”、単繊維繊度3.3deci tex(3
ニール)、繊維長76/102mmバイアスカット品(平
繊維長:89mm)を用いた。
(3)帯電防止繊維として、KBセーレン社製“ベ
トロン”、単繊維繊度5.5deci tex(5デニール)
平均繊維長:89mmを用いた。
各々の繊維の混紡率は表2に示すとおりで ある。
3.多層構造紡績糸の製造装置と方法
図1に示すリング精紡機を用いて紡績糸とし
た。芯繊維束に対する被覆繊維束のオーバー
フィード率は7%とした。撚り方向と撚り数は
Z方向に630T/m(牽切糸の撚り数の1.4倍)とした
以上の条件で得られた結果を表2に示す。
被覆性(視覚評価)は、多層構造紡績糸の 面から観察して、芯繊維の黒色が見えない 合を合格とし、見える場合は不合格とした
以上から、実験番号B1~B5の多層構造紡績 は、破断強力が高く、かつ被覆性に優れて た。これに対して実験番号B6は、芯繊維のパ ラメタ系アラミドが少なく、番手が太いにも かかわらず破断強力が低く好ましくなかった 。また実験番号B7は、被覆繊維の割合が低く 被覆性が不合格であった。
(実施例4)
芯繊維をパラ系アラミド繊維(混率25.6wt%)と
、被覆繊維をメタ系アラミド繊維(混率54.0
wt%)とポリエーテルイミド繊維(20wt%)と帯電防
繊維(混率0.4 wt%)とした。芯繊維は、パラ系
アラミド繊維である帝人社製“テクノーラ”
、単繊維繊度1.7deci tex(1.5デニール)、繊維長3
7~195mm(平均繊維長:106mm)、メートル番手:125番
糸(撚り係数Kは表3に示す)、黒色原着品から
る牽切糸を用いた。被覆繊維はメタ系アラ
ド繊維である帝人社製“コーネックス”、
繊維繊度2.2deci tex(2デニール)、繊維長76/102m
mバイアスカット品(平均繊維長:89mm)とポリエ
テルイミド繊維は、SABIC INNOVATIVE PLASTICS社
“ULTEM”、単繊維繊度3.3deci tex(3デニール)
繊維長76/102mmバイアスカット品(平均繊維長:8
9mm)と、帯電防止繊維として、KBセーレン社製
“ベルトロン”、単繊維繊度5.5deci tex(5デニ
ル)、平均繊維長:89mmを混紡した。
図1に示すリング精紡機を用いて紡績糸と した。芯繊維束に対する被覆繊維束のオーバ ーフィード率は7%とした。撚り方向は牽切糸 同じ方向とし、撚り数は表3に示したとおり とした。得られた紡績糸はメートル番手:32番 であった。以上の条件で得られた結果を表3 示す。
以上から、実験番号C1,C3~C6の多層構造紡 糸は、破断強力が高く、かつ被覆性に優れ いた。これに対して実験番号C2(比較例)は、 り数B/Aの値が本発明の範囲より低かったの 、破断強力は低く、かつ被覆性は不合格で った。また、実験番号C7(比較例)は、撚り数 B/Aの値が本発明の範囲より高かったので、や はり破断強力は低かった。
(実施例5)
実施例3、実験番号B3で得られた多層構造紡
糸を双糸とし、その際にS撚り方向に600T/mの
撚りを掛けた(番手、撚り数表示:2/32)。この
糸を用いて、経糸密度196本/10cm、緯糸密度168
本/10cmとし、目付け234.4g/m 2
の平組織の織物を得た。
得られた織物の物性は次のとおりであった
(1)JIS L1091 A-4法(1992年接炎12秒、垂直法)によ
炭化長タテ:2.0cm、ヨコ:2.0cm、残炎時間タテ:
0.0秒、ヨコ:0.0秒、残塵時間タテ:0.9秒、ヨコ:
0.8秒
(2)JIS L1094 5.4(摩擦帯電減衰測定法)による直
タテ:-260V、ヨコ:-250V、半減期タテ:20秒、ヨ
:13.9秒
(3)JIS1096A法(ラベルドストリップ法)による引
強力:タテ1980N,ヨコ1980N,引張伸度は、タテ16.2
%,ヨコ8.4%
(4)JIS1096A-2法による引裂強力:タテ180.3N,ヨコ186
.2N
(5)洗濯試験
ISO6330 2A-Eによる洗濯試験5回後の寸法変化
タテ:-1.0%、ヨコ:-1.5%、外観は5級(外観変化な
し)であった。
(比較例3)
実施例3において、多層構造紡績糸を製造す
る際に、撚り方向をSとし、撚り数は、1080T/m
した以外は実施例3の実験番号B1と同一の条
で多層構造紡績糸を得た。得られた多層構
紡績糸の破断強力は758(N)であり、実施例3の
実験番号B1の紡績糸に比べて低いものであっ
。また、被覆性は不合格であった。
(実施例6)
実施例1、実験番号A7で得られた多層構造紡
糸を双糸とし、その際にS撚り方向に600T/mの
撚りを掛けた(番手、撚り数表示:2/32)。この
糸を用いて、経糸密度198本/10cm、緯糸密度166
本/10cmとし、目付け237g/m 2
の平組織の織物を得た。
得られた織物の物性は次のとおりであった
(1)JIS L1091 A-4法(1992年接炎12秒、垂直法)によ
炭化長タテ:3.3cm、ヨコ:3.7cm、残炎時間タテ:
0.0秒、ヨコ:0.0秒、残塵時間タテ:0.9秒、ヨコ:
0.8秒
(2)JIS L1094 5.4(摩擦帯電減衰測定法)による直
タテ:-340V、ヨコ:-390V、半減期タテ:16.1秒、
コ:16.5秒
(3)JIS L1096A法(ラベルドストリップ法)による
張強力:タテ1790N,ヨコ1650N,引張伸度:タテ19.5%,
ヨコ11.5%
(4)JIS1096A-2法による引裂強力:タテ164N,ヨコ166N
(5)染色試験
染色機としてニッセン社製高圧染色機を使
し,染料,その他の添加物としてはKAYARON POLYE
STER YELLOW FSL(日本化薬)3.60%o.w.f.、KAYARON RED S
SL(日本化薬)0.36%o.w.f.、KAYARON POLYESTER BLUE SSL(
日本化薬)1.24%o.w.f.、酢酸(68wt%)0.0036%o.w.f.、酢
ソーダ0.0067%o.w.f.を加え、135℃で60分間染色
理をした。染色堅牢度は次のとおりであっ
。
JIS L 0848による汗(酸)(アルカリ)は、変褪色
布汚染ともに5級であった。
JIS L 0849による摩擦(乾)は5級、同(湿)は4-5級
あった。
JIS L 0842による耐光は、40時間、80時間とも
4級であった。
(6)洗濯試験
ISO6330 2A-Eによる洗濯試験5回後の寸法変化
タテ:-1.0%、ヨコ:-1.0%、外観は5級(外観変化な
し)であった。
