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Patent Searching and Data


Title:
MULTILAYER TUBE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093770
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a multilayer tube having a plurality of resin layers, wherein an intermediate layer among the resin layers is composed of an acid-modified resin layer which is modified by introduction of a functional group and at least one of the resin layers is a barrier layer composed of an aromatic polyamide such as PA9T.Consequently, a multilayer tube having good low permeability can be obtained from a low-cost resin material without using an expensive high functional resin such as a fluororesin.

Inventors:
SATO MASATOMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051489
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SANOH IND CO LTD (JP)
SATO MASATOMI (JP)
International Classes:
B32B27/34; B32B1/08; F16L9/12; F16L11/04
Domestic Patent References:
WO2005071301A12005-08-04
Foreign References:
JPH05245988A1993-09-24
JP2006205464A2006-08-10
JP2006266319A2006-10-05
JP2006289964A2006-10-26
Attorney, Agent or Firm:
YOSHITAKE, Kenji et al. (Room 323 Fuji Bldg.,2-3, Marunouchi 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 05, JP)
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Claims:
 熱可塑性樹脂を材料とする複数の樹脂層からなる多層構造を有する多層樹脂チューブにおいて、
 前記複数の樹脂層のうち、中間層が官能基の導入により変性された酸変性樹脂層からなり、かつ隣接する少なくとも一層が芳香族ポリアミドを主成分とするバリア層であることを特徴とする多層チューブ。
 熱可塑性樹脂を材料とする3層以上の樹脂層からなる多層構造を有する多層樹脂チューブにおいて、
 芳香族ポリアミドを主成分とするバリア層を有し、該バリア層の外側層、内側層がいずれも官能基の導入により変性された酸変性樹脂層からなることを特徴とする多層チューブ。
 前記バリア層は、PA9Tからなることを特徴とする請求項2に記載の多層チューブ。
 前記外側層および内側層は、エチレン/GMA(メタクリル酸グリシジル)のコポリマーからなることを特徴とする請求項3に記載の多層チューブ。
 熱可塑性樹脂を材料とする3層以上の樹脂層からなる多層構造を有する多層樹脂チューブにおいて、
 官能基の導入により酸変性された芳香族ポリアミドを主成分とするバリア層と、そのバリア層に隣接する外側樹脂層、内側樹脂層からなることを特徴とする多層チューブ。
 前記バリア層は、酸変性PA9Tからなることを特徴とする請求項5に記載の多層チューブ。
 前記外側層および内側層は、PA6、PA66、PA11、PA12のいずれかの樹脂若しくはこれらの混合物からなることを特徴とする請求項3に記載の多層チューブ。
 前記外側層および内側層は、酸変性PE樹脂からなることを特徴とする請求項6に記載の多層チューブ。
 熱可塑性樹脂を材料とする3層以上の樹脂層からなる多層構造を有する多層樹脂チューブにおいて、
 官能基の導入により変性された酸変性樹脂層を有し、該酸変性樹脂層の内側層が芳香族ポリアミドを主成分とするバリア層であることを特徴とする多層チューブ。
 前記酸変性樹脂層は、酸変性芳香族PA9Tからなり、前記バリア層がPA9Tからなることを特徴とする請求項9に記載の多層チューブ。
 前記酸変性樹脂層は、エチレン/GMA(メタクリル酸グリシジル)のコポリマーからなり、前記バリア層がPA9Tまたは酸変性PA9Tからなることを特徴とする請求項9に記載の多層チューブ。
 前記酸変性樹脂層は、酸変性ポリエチレンからなり、前記バリア層は、酸変性PA9Tからなることを特徴とする請求項9に記載の多層チューブ。
 酸変性樹脂層の外側層は、PA6、PA66、PA11、PA12のいずれかの樹脂若しくは高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレンのいずれかからなることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかの項に記載の多層チューブ。
 熱可塑性樹脂を材料とする3層以上の樹脂層からなる多層構造を有する多層樹脂チューブにおいて、
 最外層の樹脂層の内側が、官能基を導入した酸変性芳香族ポリアミドを主成分とするバリア層であることを特徴とする多層チューブ。
 前記最外層の樹脂層は、PA6、PA66、PA11、PA12のいずれかの樹脂若しくはこれらの混合物からなることを特徴とする請求項10に記載の多層チューブ。
 前記最外層の樹脂層は、エチレン/GMA(メタクリル酸グリシジル)のコポリマーからなることを特徴とする請求項14に記載の多層チューブ。
 前記最外層の樹脂層は、酸変性PE樹脂からなることを特徴とする請求項10に記載の多層チューブ。
 熱可塑性樹脂を材料とする3層以上の樹脂層からなる多層構造を有する多層樹脂チューブにおいて、
 最外層の樹脂層が官能基を導入した酸変性樹脂からなり、その内側が芳香族ポリアミドを主成分とするバリア層であることを特徴とする多層チューブ。
 前記最外層の樹脂層は、エチレン/GMA(メタクリル酸グリシジル)のコポリマーからなることを特徴とする請求項18に記載の多層チューブ。
 熱可塑性樹脂を材料とする5層以上の樹脂層からなる多層構造を有する多層樹脂チューブにおいて、
 前記樹脂層のうち、最外層から内層に向かって第1層がPE(ポリエチレン)樹脂層であり、第2層および第4層が官能基の導入により変性された酸変性PE(ポリエチレン)樹脂層であり、かつ第3層または第5層が芳香族ポリアミドからなるバリア層であることを特徴とする多層チューブ。
 最内層に架橋ポリエチレンからなる樹脂層を有することを特徴とする請求項1、2、5、9、14、18のいずれかの項に記載の多層チューブ。
 チューブを構成する全樹脂中の酸変性樹脂(エチレン/GMAコポリマーを除く)の組成割合は、50重量%未満であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかの項に記載の多層チューブ。
 前記酸変性PE樹脂層は、引張破断強度が12MPa以上であり、かつ破断伸び強度が300%以上であり、MFRが0.5g/min以上であることを特徴とする請求項8、17のいずれかの項に記載の多層チューブ。
 第1層の樹脂(PAを除く)は、密度が0.90~1.5g/cm3、曲げ弾性率850MPa以上で、耐環境応力亀裂が200hr以上耐えうる強度を有することを特徴とする請求項1乃至20のいずれかの項に記載の多層チューブ。
 最内層が導電樹脂層であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかの項に記載の多層チューブ。
Description:
多層チューブ

 本発明は、自動車の燃料配管に用いられ 多層チューブに関する。

 近年、自動車の燃料配管には、樹脂チュ ブが多く用いられるようになってきている 樹脂チューブは、金属チューブと違って錆 ることがなく、また、加工が容易である上 設計上の自由度が大きく、軽量であるなど 数々の利点がある。

 他方、樹脂チューブを燃料配管に用いる 合に問題となる点は、ガソリンがチューブ 透過して外部に放出されるということであ 。近時、欧米では、環境問題から、燃料配 に用いられる樹脂チューブについて燃料透 規制がますます強化されてきている。

 燃料配管用の樹脂チューブの場合、SHED試 験機を用いて行うCARB DBL法により透過量を測 定した結果、ハイドロカーボンの透過量が50m g/m・Day以下であれば、低透過性であるとされ ている。

 そこで、燃料配管に用いる樹脂チューブ 燃料が透過し難い性質(以下、低透過性とい う)を付加することが急務の課題となってお 、低透過性を向上させるため、ガソリンに 触する最内層を低透過性の樹脂から形成し その外側に接着層を介して最外層にポリア ド樹脂などを用いた樹脂チューブがある。 透過性の樹脂としては、フッ素樹脂(ETFE)が 低透過性に非常に優れた樹脂であることが られており、このフッ素樹脂からバリア層 構成した樹脂チューブの開発が進められて る。

 この種のフッ素樹脂をバリア層とする樹 チューブの問題点は、バリア層としての低 過性向上には有意であるが、フッ素樹脂が 価な樹脂であることにある。

 このため、低透過性が比較的良好で、し も比較的安価な樹脂を用いて多層樹脂チュ ブを構成することが考えられる。実際、例 ば、廉価なポリエチレン(PE)と他の樹脂を組 み合わせて共押出成形法によりチューブを構 成することが試みられている。しかし、PEと 着し合わないことが多く、自動車の燃料配 用の樹脂チューブとして実用にならないと う問題が顕在化する。

 そこで、本発明の目的は、前記従来技術 有する問題点を解消し、フッ素樹脂のよう 高価でかつ高機能樹脂を用いることなく、 価な樹脂材料から良好な低透過性を得られ しかも、樹脂層に接着性を付与することに り、十分な強度を確保できるようにした多 チューブを提供することにある。

 前記の目的を達成するために、本発明は 熱可塑性樹脂を材料とする複数の樹脂層か なる多層構造を有する多層樹脂チューブに いて、前記複数の樹脂層のうち、中間層が 能基の導入により変性された酸変性樹脂層 らなり、かつ隣接する少なくとも一層が芳 族ポリアミドを主成分とするバリア層であ ことを特徴とするものである。

 また、本発明は、熱可塑性樹脂を材料と る3層以上の樹脂層からなる多層構造を有す る多層樹脂チューブにおいて、芳香族ポリア ミドを主成分とするバリア層を有し、該バリ ア層の外側層、内側層がいずれも官能基の導 入により変性された酸変性樹脂層からなるこ とを特徴とするものである。

 さらに、本発明は、熱可塑性樹脂を材料 する3層以上の樹脂層からなる多層構造を有 する多層樹脂チューブにおいて、官能基の導 入により酸変性された芳香族ポリアミドを主 成分とするバリア層と、そのバリア層に隣接 する外側樹脂層、内側樹脂層からなることを 特徴とするものである。

 さらに、また本発明は、熱可塑性樹脂を 料とする3層以上の樹脂層からなる多層構造 を有する多層樹脂チューブにおいて、官能基 の導入により変性された酸変性樹脂層を有し 、該酸変性樹脂層の内側層が芳香族ポリアミ ドを主成分とするバリア層であることを特徴 とするものである。

 また、本発明は、熱可塑性樹脂を材料と る3層以上の樹脂層からなる多層構造を有す る多層樹脂チューブにおいて、最外層の樹脂 層の内側が、官能基を導入した酸変性芳香族 ポリアミドを主成分とするバリア層であるこ とを特徴とするものである。

 また、本発明は、熱可塑性樹脂を材料と る3層以上の樹脂層からなる多層構造を有す る多層樹脂チューブにおいて、最外層の樹脂 層が官能基を導入した酸変性樹脂からなり、 その内側が芳香族ポリアミドを主成分とする バリア層であることを特徴とするものである 。

 さらに、本発明は、熱可塑性樹脂を材料 する5層以上の樹脂層からなる多層構造を有 する多層樹脂チューブにおいて、前記樹脂層 のうち、最外層から内層に向かって第1層がPE (ポリエチレン)樹脂層であり、第2層および第 4層が官能基の導入により変性された酸変性PE (ポリエチレン)樹脂層であり、かつ第3層また は第5層が芳香族ポリアミドからなるバリア であることを特徴とするものである。

 本発明によれば、フッ素樹脂のような高 でかつ高機能樹脂を用いることなく、廉価 樹脂材料から良好な低透過性を得られ、し も、樹脂層に接着性を付与することにより 十分な強度を確保できるようにした多層チ ーブを構成できる。

図1は、本発明の第1実施形態による多 チューブを示す横断面図である。 図2は、本発明の第2実施形態による多 チューブを示す横断面図である。 図3は、本発明の第3実施形態による多 チューブを示す横断面図である。 図4は、本発明の第4実施形態による多 チューブを示す横断面図である。

 以下、本発明による多層チューブの実施形 について、添付の図面を参照しながら説明 る。 
    第1実施形態 
 図1は、本発明の第1実施形態による多層樹 チューブの横断面を示す。この多層樹脂チ ーブは、共押出成形法により外側から順に 1層から第3層まで全部で3層の樹脂層で構成 れている。外側の第1層は、チューブの強度 保持し、低温での耐衝撃性を高めるための 脂層である。中間の第2層は、樹脂チューブ に燃料に対する低透過性を付加するための芳 香族ポリアミド(好ましくはポリアミド9T、6T )からなるバリア層である。第1層と第3層は ともに官能基の導入により変性された酸変 樹脂層から構成されている。中間の第2層は 、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナフタレ ン酸、カルボン酸等により酸変性させたPA9T 好適である。

 外側の第1層および内側の第3層は、エチ ン/GMA(メタクリル酸グリシジル)のコポリマ または無水フタル酸、無水マレイン酸、ナ タレン酸、カルボン酸等により酸変性せせ PE(ポリエチレン)が好ましい。特に、酸変性 リエチレンは、粘度がMFR値で0.03~5.0g/10minを つものが好ましい。

 以上のような第1実施形態によれば、比較 的安価なPA9Tのような芳香族ポリアミドを材 にして中間の第2層を燃料の透過性が低いバ ア層として機能させることができるととも 、第1層と第3層を酸変性樹脂から構成し、 れぞれ第1層と第2層、第2層と第3層が熱変性 脂の官能基によって接着反応が起こり、よ 強固に接着させることができる。したがっ 、第1層と第3層に安価なエチレン系樹脂を いた上で燃料に対するバリア機能および接 機能が付加されるので、高価なフッ素樹脂 ような高機能樹脂を用いたのと同様のバリ 性能を得られる一方で、安価な樹脂材料に る量産による大きなコスト低減効果が得ら る。

 次に、以上の第1実施形態の変形例として は、中間の第2層を酸変性PA9Tにしてもよい。 の場合、第1層と第3層は、ポリアミド6、ポ アミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、あ いはポリアミド6とポリアミド12のコポリマ から構成してもよい。あるいは、第1層と第 3層は、エチレン/GMA(メタクリル酸グリシジル )のコポリマーまたは無水フタル酸、無水マ イン酸、ナフタレン酸、カルボン酸等によ 酸変性させたPE(ポリエチレン)が好ましい。

 以上のような構成によれば、第2層に酸変 性PA9Tを用いているので、第1層と第2層、第2 と第3層はそれぞれお互いに官能基で引き付 合うので、より一層接着強度を高めること できる。

    第2実施形態 
 図2は、本発明の第2実施形態による多層チ ーブを示す。 
 この第2実施形態では、3層の樹脂層のうち 中間の第2層が官能基の導入により変性され 酸変性樹脂層からなり、かつ内側の第3層が 芳香族ポリアミド(好ましくは、ポリアミド9T 、6T)からなるバリア層である。

 この場合、中間の第2層は、無水フタル酸 、無水マレイン酸、ナフタレン酸、カルボン 酸等により酸変性させた酸変性PA9T(ポリアミ 9T)、またはエチレン/GMA(メタクリル酸グリ ジル)のコポリマー、あるいは酸変性PE(ポリ チレン)(MFR値:0.03~5.0g/10min)から構成すること ができる。

 外側の第1層は、PE(ポリエチレン)樹脂層 るいはポリアミド(PA)樹脂層から構成される この第1層のポリエチレンは、高密度ポリエ チレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖 状低密度ポリエチレンのいずれかが好適であ る。

 以上のような第2実施形態によれば、比較 的安価な芳香族ポリアミドを材料にして内層 の第3層を燃料の透過性が低いバリア層とし 機能させることができるとともに、中間の 2層を酸変性樹脂から構成し、それぞれ第1層 と第2層、第2層と第3層が熱変性樹脂の官能基 によって接着反応が起こり、より強固に接着 させることができる。したがって、第1層と 2層に安価なエチレン系樹脂等を用いた上で 料に対するバリア機能および接着機能が付 されるので、高価なフッ素樹脂のような高 能樹脂を用いたのと同様のバリア性能を得 れる一方で、安価な樹脂材料による量産に る大きなコスト低減効果が得られる。さら 、第3層に酸変性PA9Tを用いれば、第2層と第3 層はそれぞれお互いに官能基で引き付け合う ので、より一層接着強度を高めることができ る。

    第3実施形態 
 図3は、本発明の第3実施形態による多層チ ーブを示す。 
 この第2実施形態では、3層の樹脂層のうち 中間の第2層が芳香族ポリアミド(好ましくは 、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナフタレ ン酸、カルボン酸等により酸変性させた酸変 性PA9T(ポリアミド9T))からなるバリア層である 。

 この場合、最外層の第1層は、またはエチ レン/GMA(メタクリル酸グリシジル)のコポリマ ー、あるいは酸変性PE(ポリエチレン)(MFR値:0.0 3~5.0g/10min)から構成することができる。

 また、最外側の第1層は、PE(ポリエチレン )樹脂層あるいはポリアミド(ポリアミド6、ポ リアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、あ るいはポリアミド6とポリアミド12のコポリマ ー)樹脂層から構成してもよい。この第1層の リエチレンは、高密度ポリエチレン(HDPE)、 密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリ チレンのいずれかが好適である。

 以上のような第3実施形態によれば、比較 的安価な芳香族ポリアミドを材料にして中間 の第2層を燃料の透過性が低いバリア層とし 機能させることができるとともに、最外層 第1層を酸変性樹脂から構成し、第1層と第2 が熱変性樹脂の官能基によって接着反応が こり、より強固に接着させることができる したがって、第2層に安価なエチレン系樹脂 を用いた上で燃料に対するバリア機能およ 接着機能が付加されるので、高価なフッ素 脂のような高機能樹脂を用いたのと同様の リア性能を得られる一方で、安価な樹脂材 による量産による大きなコスト低減効果が られる。

    第4実施形態 
 図4は、本発明の第4実施形態による多層チ ーブを示す。 
 前記5層の樹脂層のうち、最外層から内層に 向かって第1層がPE(ポリエチレン)樹脂層であ 、第2層および第4層が官能基の導入により 性された酸変性PE(ポリエチレン)樹脂層であ 。芳香族ポリアミド(好ましくは、ポリアミ ド9T、6T)からなるバリア層は、第3層または第 5層である。

 以上のような第4実施形態によれば、比較 的安価な芳香族ポリアミドを材料にして第3 または第5層を燃料の透過性が低いバリア層 して機能させることができるとともに、そ ぞれ第1層と第3層、第3層と第5層の間に熱変 性PE樹脂を介在させることにより、3層以上の PE層を持ちながらPA9Tと官能基によって接着反 応が起こり、より強固に接着させることがで きる。したがって、安価なエチレン系樹脂等 を用いた上で燃料に対するバリア機能および 接着機能が付加されるので、高価なフッ素樹 脂のような高機能樹脂を用いたのと同様のバ リア性能を得られる一方で、安価な樹脂材料 による量産による大きなコスト低減効果が得 られる。

 以上の第1実施形態乃至第4実施形態にお て、最内層には、導電フィラーを添加する とにより、導電性を付加するようにしても い。この場合、導電フィラーとしては、カ ボンナノチューブ、カーボンブラック、長 維カーボンファイラーが好適である。これ の導電フィラーの配合量は、原材料100重量 中5~30重量%である。導電フィラーが5%以下で ると、燃料配管として必要な表面抵抗値が1 0E6ω/sq以下の抵抗値を得ることが難しくなり 30%以上であると、強度が著しく低下してし うからである。

実施例 
 次に、表1に本発明の多層樹脂チューブの実 施例1~4(第1実施形態に対応)、実施例5~8(第2実 形態に対応)、実施例9、10(第4実施形態に対 )の各層を構成する樹脂の具体例を示す。 

 実施例1、3、4、7~10では、チューブを構成す る全樹脂中の酸変性樹脂(エチレン/GMAコポリ ーを除く)の組成割合は、50重量%未満である
 実施例4、9、10において、変性PE樹脂は、引 破断強度が12MPa以上であり、かつ破断伸び 度が300%以上であり、MFRが0.5g/min以上のPE樹脂 を使用した。

 実施例1~10(実施例1、5を除く)の第1層には 密度が0.90~1.5g/cm3、曲げ弾性率850MPa以上で、 耐環境応力亀裂が200hr以上耐えうる強度を有 る樹脂を用いた。