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Title:
NATURAL GAS LIQUEFACTION PLANT AND METHOD OF OPERATING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139536
Kind Code:
A1
Abstract:
A natural gas liquefaction plant that while effecting cost reduction, can realize over-load driving of gas turbine power generator and attains stabilization of plant power source and accordingly stabilization of plant operation; and a method of operating the same. There is provided a natural gas liquefaction plant including natural gas liquefaction equipment (68) equipped with refrigeration cycle lines (60,61) and adapted to cool purified natural gas to thereby attain liquefaction thereof and power generation equipment (71) for supplying electric power to electric motors (65,5) of the refrigeration cycle lines (60,61), which natural gas liquefaction plant further comprises supply line (85) for supplying nitrogen or carbon dioxide obtained in the purification stage of natural gas through valves (79,79a-79e) to gas turbine power generators (72a-72e); control unit (81) adapted to, for example, when gas turbine power generator (72a) falls into operation stoppage, open valves (79,79b-79d) of the supply line (85) so as to supply nitrogen or carbon dioxide to continuously operating gas turbine power generators (72b-72d), thereby realizing over-load driving of the continuously operating gas turbine power generators (72b-72d); etc.

Inventors:
KOGANEZAWA TOMOMI (JP)
ARAKI HIDEFUMI (JP)
HIGUCHI SHINICHI (JP)
HORIUCHI YASUHIRO (JP)
HORITSUGI MUTSUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/059255
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
April 27, 2007
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI LTD (JP)
KOGANEZAWA TOMOMI (JP)
ARAKI HIDEFUMI (JP)
HIGUCHI SHINICHI (JP)
HORIUCHI YASUHIRO (JP)
HORITSUGI MUTSUMI (JP)
International Classes:
C10L3/06; F02C6/00; F02C6/18; F02C7/18; F02C9/46; F25J1/00
Foreign References:
JP2006501432A2006-01-12
JPH09296736A1997-11-18
JPH08269469A1996-10-15
Attorney, Agent or Firm:
KASUGA, Yuzuru (4-1 Nihonbashi-honcho 3-chome, Chuo-k, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 少なくとも1つの冷凍サイクル系統を有し、精製された天然ガスを前記冷凍サイクル系統の冷媒により冷却して液化する天然ガス液化設備と、前記冷凍サイクル系統の冷媒圧縮機を駆動する電動機に電力を供給する複数のガスタービン発電装置を有する発電設備とを備えた天然ガス液化プラントにおいて、
 天然ガスの精製過程で得られた二酸化炭素又は窒素を前記複数のガスタービン発電装置に弁を介して供給する供給系統と、
 前記複数のガスタービン発電装置のうちのいずれかが稼働停止した場合、前記供給系統の弁を開放する指令信号を出力して稼働継続中の前記ガスタービン発電装置に二酸化炭素又は窒素を供給し、稼働継続中の前記ガスタービン発電装置を過負荷運転させる制御手段とを備えたことを特徴とする天然ガス液化プラント。
 請求項1記載の天然ガス液化プラントにおいて、前記供給系統は、稼働継続中の前記ガスタービン発電装置の高温部に二酸化炭素又は窒素を供給する系統を有することを特徴とする天然ガス液化プラント。
 請求項1記載の天然ガス液化プラントにおいて、前記供給系統は、稼働継続中の前記ガスタービン発電装置の作動流体に混入するように二酸化炭素又は窒素を供給する系統を有することを特徴とする天然ガス液化プラント。
 請求項1記載の天然ガス液化プラントにおいて、前記供給系統は、二酸化炭素又は窒素を液化する冷凍装置と、前記冷凍装置で液化した二酸化炭素又は窒素を貯蔵する貯蔵タンクとを有することを特徴とする天然ガス液化プラント。
 請求項4記載の天然ガス液化プラントにおいて、前記供給系統は、前記貯蔵タンクからの前記二酸化炭素又は窒素を気化する蒸発器を有することを特徴とする天然ガス液化プラント。
 少なくとも1つの冷凍サイクル系統を有し、精製された天然ガスを前記冷凍サイクル系統の冷媒により冷却して液化する天然ガス液化設備と、前記冷凍サイクル系統の冷媒圧縮機を駆動する電動機に電力を供給する複数のガスタービン発電装置を有する発電設備とを備えた天然ガス液化プラントの運転方法において、
 前記複数のガスタービン発電装置のうちのいずれかが稼働停止した場合、稼働継続中の前記ガスタービン発電装置の燃料を増加させるとともに、天然ガスの精製過程で得られた二酸化炭素又は窒素を稼働継続中の前記ガスタービン発電装置の高温部に供給することを特徴とする天然ガス液化プラントの運転方法。
 少なくとも1つの冷凍サイクル系統を有し、精製された天然ガスを前記冷凍サイクル系統の冷媒により冷却して液化する天然ガス液化設備と、前記冷凍サイクル系統の冷媒圧縮機を駆動する電動機に電力を供給する複数のガスタービン発電装置を有する発電設備とを備えた天然ガス液化プラントの運転方法において、
 前記複数のガスタービン発電装置のうちのいずれかが稼働停止した場合、稼働継続中の前記ガスタービン発電装置の燃料を増加させるとともに、天然ガスの精製過程で得られた二酸化炭素又は窒素を稼働継続中の前記ガスタービン発電装置の作動流体に混入するように供給することを特徴とする天然ガス液化プラントの運転方法。
Description:
天然ガス液化プラント及びその 転方法

 本発明は、複数のガスタービン発電装置 備えた天然ガス液化プラント及びその運転 法に関する。

 天然ガス液化プラントは、少なくとも1つ の冷凍サイクル系統を有し、精製された天然 ガスを冷凍サイクル系統の冷媒により冷却し て液化するものである。例えば冷凍サイクル 系統の冷媒圧縮機は、ガスタービンが直結さ れて駆動するものが知られているが、一般に ガスタービンは作動回転数が限られているた め、冷媒圧縮機の作動条件の自由度が小さく なる。そこで、例えば冷媒圧縮機に電動機を 直結させるとともに、この電動機に電力を供 給するガスタービン発電装置を設けた構成が 開示されている(例えば、特許文献1参照)。

特表2003-515720号公報

 例えば何らかの理由でガスタービン発電 置が故障して稼働停止した場合、冷媒圧縮 を駆動する電動機が電力不足となるため、 転条件の変更が余儀なくされて液化天然ガ の製造量が低下するか、若しくはプラント 止に至る可能性がある。そこで、これに対 するため、予備機を含め複数のガスタービ 発電装置を備えさせ、例えば複数のガスタ ビン発電装置のうちのいずれかが故障して 働停止した場合に、予備機を起動させる方 が考えられる。ところが、この場合でも、 備機が起動するまでに数分から数十分程度 時間を要し、その間は発電量が低下するた 、やはり液化天然ガスの製造量が低下する 能性がある。かといって、予備機を常にス ンバイ状態とすれば、起動時間を無くすこ ができるものの、燃料を無駄に消費し発電 率が低下することとなる。

 本願発明者らは、上述した観点から、予 機が起動するまでの間、稼働継続中のガス ービン発電装置を一時的に過負荷運転させ 発電量を増加させることが望ましいとの考 に至った。しかしながら、ガスタービン発 装置を過負荷運転させる方法として例えば 料を増加させる場合は、ガスタービン発電 置の高温部が通常運転時よりも高温となる め、冷却手段の能力を予め大きくするか新 な冷却手段を設ける必要があり、コスト増 の要因となる。また、ガスタービン発電装 を過負荷運転させる方法として例えば作動 体とは異なる流体を混入させて流量を増加 せる場合は、その流体を新たに用意する必 があり、コスト増大の要因となる。

 本発明の目的は、コスト低減を図りつつ スタービン発電装置を過負荷運転させるこ ができ、プラント電源の安定化しいてはプ ント操業の安定化を図ることができる天然 ス液化プラント及びその運転方法を提供す ことにある。

 上記目的を達成するために、本発明は、 なくとも1つの冷凍サイクル系統を有し、精 製された天然ガスを前記冷凍サイクル系統の 冷媒により冷却して液化する天然ガス液化設 備と、前記冷凍サイクル系統の冷媒圧縮機を 駆動する電動機に電力を供給する複数のガス タービン発電装置を有する発電設備とを備え た天然ガス液化プラントにおいて、天然ガス の精製過程で得られた二酸化炭素又は窒素を 前記複数のガスタービン発電装置に弁を介し て供給する供給系統と、前記複数のガスター ビン発電装置のうちのいずれかが稼働停止し た場合、前記供給系統の弁を開放する指令信 号を出力して稼働継続中の前記ガスタービン 発電装置に二酸化炭素又は窒素を供給し、稼 働継続中の前記ガスタービン発電装置を過負 荷運転させる制御手段とを備える。

 本発明によれば、コスト低減を図りつつ スタービン発電装置を過負荷運転させるこ ができ、プラント電源の安定化しいてはプ ント操業の安定化を図ることができる。

本発明の天然ガス液化プラントの第1の 実施形態の構成を表す概略図である。 本発明の天然ガス液化プラントの第1の 実施形態を構成する天然ガス液化設備の構成 を表す概略図である。 本発明の天然ガス液化プラントの第2の 実施形態の構成を表す概略図である。 本発明の天然ガス液化プラントの第3の 実施形態の構成を表す概略図である。

符号の説明

1   冷媒圧縮機
5   電動機
23  低圧段冷媒圧縮機
24  高圧段冷媒圧縮機
60  第一の冷凍サイクル系統
61  第二の冷凍サイクル系統
65  電動機
68  天然ガス液化設備
71  発電設備
72a~72e ガスタービン発電装置
77  冷凍装置
78  貯蔵タンク
79  遮断弁
79a~79e 弁
80  蒸発器
81  全体制御装置(制御手段)
81a~81e 制御装置(制御手段)
85  供給系統
85A 供給系統
85B 供給系統
86a~86e 分岐系統
87a~87e 分岐系統
88a~88c 注入系統

 以下、本発明の実施形態を、図面を参照 つつ説明する。

 本発明の第1の実施形態を図1及び図2によ 説明する。

 図1は、本実施形態による天然ガス液化プ ラントの構成を表す概略図であり、図2は、 然ガス液化設備の構成を表す概略図である

 これら図1及び図2において、天然ガス液 プラントは、大きく分けて、配管69から導入 した天然ガス原料を精製する天然ガス精製設 備70と、この天然ガス精製設備70で精製した 然ガス(気体状態)を冷却して液化する天然ガ ス液化設備68と、発電設備71とを備えている 天然ガス精製設備70は、天然ガスの液化のた めに必要な例えば酸性ガス除去工程や水分除 去工程等の精製処理(前処理)を行い、天然ガ 原料から二酸化炭素等を含む酸性ガスや水 等を分離するようになっている。

 天然ガス液化設備68は、天然ガス精製設 70から配管20を介して導入した高圧の天然ガ を例えば混合冷媒により冷却して液化する 熱交換器21と、この主熱交換器21に供給する 混合冷媒を作動流体とした冷凍サイクル系統 60と、この冷凍サイクル系統60の混合冷媒を 却する例えばプロパン冷媒を作動流体とし 冷媒サイクル系統61とを備えている。

 冷凍サイクル系統60は、例えばメタン、 タン、及びプロパンからなる混合冷媒を作 流体としており、この混合冷媒を圧縮する 圧段冷媒圧縮機23と、この低圧段冷媒圧縮機 23で圧縮した混合冷媒を冷却する中間冷却器2 5と、この中間冷却器25で冷却した混合冷媒を 圧縮する高圧段冷媒圧縮機24と、この高圧段 媒圧縮機24で圧縮した混合冷媒を冷却する 置冷却器26と、この後置冷却器26で冷却した 合冷媒をさらに段階的に冷却する高圧蒸発 15、中圧蒸発器16、及び低圧蒸発器17と、こ 低圧蒸発器17で例えば-35℃程度まで冷却し 混合冷媒を気液分離する気液分離器27とを有 している。低圧段冷媒圧縮機23及び高圧段冷 圧縮機24は、電動機65に同軸で連結されてお り、電動機65は、発電設備71からの電力が供 されるようになっている。

 主熱交換器21の内部には、天然ガス製造 備70からの配管20が延在しており、主熱交換 21の内部における配管20には伝熱経路31,32が けられている。また、主熱交換器21の内部 は、気液分離器27の液体出口側と接続された 配管43が延在しており、主熱交換器23の内部 おける配管43には伝熱経路28が設けられてい 。配管43の伝熱経路28の下流側は、主熱交換 器23の外部に取り出されて膨張弁33が設けら 、この膨張弁33の下流側には、主熱交換器23 内部に配置されたノズル35が接続されてい 。また、主熱交換器23の内部には、気液分離 器27の気体出口側と接続された配管44が延在 ており、主熱交換器23の内部における配管44 は伝熱経路29,30が設けられている。配管44の 伝熱経路30の下流側は、主熱交換器23の外部 取り出されて膨張弁34が設けられ、この膨張 弁34の下流側には、主熱交換器23の内部に配 されたノズル36が接続されている。

 そして、配管43,44を流通する混合冷媒は 膨張弁33,34で断熱膨張して温度が低下し、ノ ズル35,36から主熱交換器21の内部に散布され ようになっている。これにより、配管43を流 通する液相の混合冷媒は、散布された混合冷 媒と伝熱経路28において熱交換して自冷却さ るようになっている。また、配管44を流通 る気相の混合冷媒は、散布された混合冷媒 伝熱経路29,30において熱交換して自冷却され 、その大部分が凝縮するようになっている。 また、配管20を流通する天然ガスは、散布さ た混合冷媒と伝熱経路31,32において熱交換 て、例えば-150℃程度まで冷却されるように っている。そして、主熱交換器21で冷却さ た天然ガスは、配管22を経由し膨張弁37に導 れ、膨張弁37で断熱膨張して温度が低下す ようになっている。一方、主熱交換器21の内 部に散布された冷媒は、伝熱経路28~32におけ 熱交換により温度上昇して蒸発し、配管40 介し低圧段圧縮機23に供給されるようになっ ている。

 冷凍サイクル系統61は、作動流体である ロパン冷媒を圧縮する冷媒圧縮機1と、この 媒圧縮機1で圧縮したプロパン冷媒を大気又 は海水等に放熱して凝縮させる凝縮器10と、 の凝縮器10で凝縮したプロパン冷媒を受け れる受液器11と、この受液器11からのプロパ 冷媒を段階的に膨張させて温度を低下させ 高圧膨張弁12、中圧膨張弁13、及び低圧膨張 弁14と、これら膨張弁12,13,14で低温となった ロパン冷媒との熱交換により上記冷凍サイ ル系統60の混合冷媒を段階的に冷却する上記 高圧蒸発器15、中圧蒸発器16、及び低圧蒸発 17とで構成されている。冷媒圧縮機1は、低 段冷媒圧縮機2、中圧段冷媒圧縮機3、及び高 圧段冷媒圧縮機4で構成され、これら冷媒圧 機2,3,4は電動機5に同軸で連結されており、 動機5は、発電設備70からの電力が供給され ようになっている。

 高圧蒸発器15は配管51を介し受液器11に接 され、その配管51に高圧膨張弁12が設けられ ている。また、中圧蒸発器16は配管52を介し 圧蒸発器15の液体出口側に接続され、その配 管52に中圧膨張弁13が設けられている。また 低圧蒸発器17は配管53を介し中圧蒸発器16の 体出口側に接続され、その配管53に低圧膨張 弁14が設けられている。

 高圧蒸発器15の気体出口側は配管54を介し 高圧段冷媒圧縮機4の吸込側に接続され、そ 配管54に高圧吸込調整機構62が設けられてい 。また、中圧蒸発器16の気体出口側は配管55 を介し中圧段冷媒圧縮機3の吸込側に接続さ 、その配管55に中圧吸込調整機構63が設けら ている。また、低圧蒸発器17の気体出口側 配管56を介し低圧段冷媒圧縮機2の吸込側に 続され、その配管56に低圧吸込調整機構64が けられている。これら吸込調整機構62,63,64 、運転状態に応じて操作され、冷媒圧縮機1 吸気流量を調整可能としている。

 そして、高圧蒸発器15は、高圧膨張弁12で 断熱膨張されて温度が低下し気液混合状態と なったプロパン冷媒が導入され、プロパン冷 媒の液相の一部が蒸発して、その蒸発潜熱を 奪うことにより後置冷却器26からの混合冷媒 冷却するようになっている。また、高圧蒸 器15は、気相のプロパン冷媒を高圧段冷媒 縮機4に供給し、液相のプロパン冷媒を中圧 発器16に供給するようになっている。中圧 発器16は、中圧膨張弁13で断熱膨張されて温 が低下し気液混合状態となったプロパン冷 が導入され、プロパン冷媒の液相の一部が 発して、その蒸発潜熱を奪うことにより高 蒸発器15からの混合冷媒をさらに冷却する うになっている。また、中圧蒸発器16は、気 相のプロパン冷媒を中圧段冷媒圧縮機3に供 し、液相のプロパン冷媒を低圧蒸発器17に供 給するようになっている。低圧蒸発器17は、 圧膨張弁14で断熱膨張されて温度が低下し 液混合状態となったプロパン冷媒が導入さ 、プロパン冷媒の液相の全部が蒸発し、そ 蒸発潜熱を奪うことにより中圧蒸発器16から の混合冷媒をさらに冷却するようになってい る。また、低圧蒸発器17は、気相のプロパン 媒を低圧段冷媒圧縮機2に供給するようにな っている。

 発電設備71は、例えば5つのガスタービン 電装置72a~72eと、これらガスタービン装置72a ~72eに係わる機器をそれぞれ制御する制御装 81a~81e(制御手段)と、ガスタービン発電装置72 a~72eの運転状態等に係わる情報を取得すると もに、それらの情報に応じて所定の演算処 が行って生成した指令信号を制御装置81a~81e 等に出力する全体制御装置81(制御手段)とを えている。ガスタービン発電装置72a~72eは、 えばこの種のものとして公知のシンプルサ クルガスタービンであり、それぞれ、吸気 クト(図示せず)から外気を吸入して圧縮す 空気圧縮機74と、圧縮した空気と燃料を混合 して燃焼させ高温高圧の燃焼ガスを生成する 燃焼器75と、燃焼ガスを膨張させて運動エネ ギーに変換するタービン76と、このタービ 76の運動エネルギーを電力に変換する発電機 73とを備えている。なお、本実施形態では、 常運転時、4つのガスタービン発電装置72a~72 dを稼働させ、1つのガスタービン発電装置72e 予備機として停止させるものとする。

 ところで、本実施形態の天然ガス精製設 70は、例えばガス田で採掘された天然ガス 料を精製しており、天然ガス原料に多く含 れる二酸化炭素(気体状態)を分離している。 そのため、分離された二酸化炭素を処理する 処理装置83と、天然ガス精製設備70から弁82を 介し処理装置83に二酸化炭素を供給する処理 統84とが設けられている。

 そして、本実施形態の大きな特徴として 処理系統84の弁82の上流側で分岐接続され、 二酸化炭素を発電設備71のガスタービン発電 置72a~72eに供給する供給系統85が設けられて る。供給系統85は、遮断弁79と、この遮断弁 79の下流側で分岐接続され、二酸化炭素をガ タービン発電72a~72dのタービン76の高温部(例 えば動翼や静翼等)を冷却する冷却系統にそ ぞれ注入する分岐系統86a~86eと、これら分岐 統86a~86eにそれぞれ設けた弁79a~79eとを有し いる。そして、通常は、処理系統84の弁82が き状態、供給系統85の遮断弁79が閉じ状態に あり、天然ガス精製設備70で分離された二酸 炭素は、処理系統84を介し処理装置83に供給 されて処理されるようになっている。

 次に、本実施形態の動作及び作用効果を 明する。

 例えば何らかの理由でガスタービン発電 置72aが故障して稼働停止した場合、全体制 装置81は、取得した停止情報に応じて制御 置81eに起動指令信号を出力し、これに応じ 制御装置81eは、予備機であるガスタービン 電装置72eを起動させる。しかし、この起動 は数分から数十分程度の時間を要する。そ で、全体制御装置81は、制御装置81b~81dに出 増加指令信号を出力し、これに応じて制御 置81b~81dは、稼働継続中のガスタービン発電 置72b~72dの燃焼器75に供給する燃料を増加さ て、ガスタービン発電装置72b~72dを過負荷運 転させる。これにより、燃焼器75の燃焼ガス 度が上昇し、ガスタービン発電装置72b~72dの 発電量が増加する。本実施形態では、ガスタ ービン発電装置72b~72dのそれぞれの発電量増 分は、通常運転時の1台当たりの発電量の1/3 設定されており、合計すると通常運転時の4 台分の発電量を確保することができ、プラン ト電源の安定化しいてはプラント操業の安定 化を図ることができる。すなわち、天然ガス 液化設備68の運転条件を維持することができ プラント能力を維持することができる。

 また、このガスタービン発電装置72b~72dの 過負荷運転において、全体制御装置81は、処 系統84の弁82に制御信号を出力して閉じ状態 に切換えるとともに、供給系統85の遮断弁79 制御信号を出力して開き状態に切換える。 た、制御装置80b~80dは、供給系統85の弁79b~79d 制御信号を出力して開き状態とする。これ より、天然ガス精製設備70で分離された二 化炭素は、供給系統85を介しガスタービン発 電装置72b~72dのタービン76の高温部を冷却する 冷却系統に供給されて、タービン76の高温部 冷却する。その結果、燃焼ガス温度の増加 伴って通常運転時よりも高温となるタービ 76の高温部の冷却能力を高めることができ 高温部のメタル温度を設計許容値に抑えて 全性を保つことができ、寿命を維持するこ ができる。

 その後、予備機であるガスタービン発電 置72eが定格発電運転に達すると、全体制御 置81は、制御装置81b~81dに出力増加の解除指 信号を出力し、これに応じて制御装置81b~81d は、ガスタービン発電装置72b~72dを通常運転 復帰させる。同時に、全体制御装置81は、供 給系統85の遮断弁79に制御信号を出力して閉 状態に切換えるとともに、処理系統84の弁82 制御信号を出力して開き状態に切換える。 た、制御装置81b~81dは、供給系統85の弁79b~79d に制御信号を出力して閉じ状態とする。

 このようにして本実施形態においては、 スタービン発電装置を過負荷運転させた場 に通常運転時よりも高温となるタービン76 高温部の冷却材として、天然ガスの精製過 で得られ通常処分される二酸化炭素を有効 用することができる。また、ガスタービン 電装置のタービン76の高温部を冷却する冷却 材を新たに用意する必要がないため、コスト の低減を図ることができる。したがって、コ スト低減を図りつつガスタービン発電装置を 過負荷運転させることができ、プラント電源 の安定化しいてはプラント操業の安定化を図 ることができる。

 本発明の第2の実施形態を図3により説明 る。本実施形態は、例えば天然ガス原料に まれる二酸化炭素が少ない場合に適用した のであり、天然ガス精製設備70で分離された 二酸化炭素を液化して貯蔵する実施形態であ る。

 図3は、本実施形態による天然ガス液化プ ラントの構成を表す概略図である。なお、こ の図3において、上記第1の実施形態と同等の 分には同一の符号を付し、適宜説明を省略 る。

 本実施形態では、天然ガス精製設備70で 離された二酸化炭素を発電設備71のガスター ビン発電装置72a~72eに供給する供給系統85Aが けられている。供給系統85Aは、天然ガス精 設備70で分離された二酸化炭素(気体状態)を 化する冷凍装置77と、この冷凍装置77で液化 した二酸化炭素を貯蔵する貯蔵タンク78と、 の貯蔵タンク78から遮断弁79を介し供給され た二酸化炭素を気化する蒸発器80と、この蒸 器80からの二酸化炭素(気体状態)をガスター ビン発電装置72a~72eのタービン76の高温部(例 ばタービン76の動翼や静翼等)を冷却する冷 系統にそれぞれ注入する分岐系統86a~86eと、 れら分岐系統86a~86eにそれぞれ設けた弁79a~79 eとを有している。

 冷凍装置77は、詳細を図示しないが、例 ば天然ガス液化設備68の冷凍サイクル系統60 は61の冷媒の一部を用いて、二酸化炭素を 却するようになっている。貯蔵タンク78の容 量は、予備機であるガスタービン発電装置72e が起動した際の定格発電運転に達するまでの 時間に基づいて決められている。また、貯蔵 タンク78は、ガスタービン発電装置72a~72eのタ ービン76の高温部への注入に十分な内部圧力 確保できるように設定されている。なお、 蔵タンク78の出口側に加圧ポンプを設ける とにより、貯蔵タンク78の内部圧力を低くし て壁厚みを小さくすることも可能である。

 以上のように構成された本実施形態にお ても、上記第1の実施形態と同様、コスト低 減を図りつつガスタービン発電装置を過負荷 運転させることができ、プラント電源の安定 化しいてはプラント操業の安定化を図ること ができる。また本実施形態においては、二酸 化炭素を液化して貯蔵するので、例えば二酸 化炭素を気相のまま貯蔵する場合に比べ、貯 蔵タンク78の内部圧力が低くなり、その壁厚 を小さくしコスト低減を図ることができる また、貯蔵タンク78の容積が減少し、スペ ス低減を図ることができる。

 なお、上記第1及び第2の実施形態におい は、特に説明しなかったが、全体制御装置81 及び制御装置81a~81eは、ガスタービン発電装 を過負荷運転させる場合に燃料の増加量が れぞれ異なるように制御してもよく、燃料 増加量に応じて弁79a~79eの開度をそれぞれ制 してもよい。このような場合も、上記同様 効果を得ることができる。

 また、上記第1及び第2の実施形態におい は、供給系統85,85Aは、ガスタービン発電装 のタービン76の高温部(例えば動翼や静翼等) 冷却する冷却系統に二酸化炭素を供給して 却させる場合を例にとって説明したが、こ に限られない。すなわち、他の高温部とし 、例えば燃焼器ライナ、燃焼器とタービン を接続するダクト、及びタービン排気ディ ューザ等に供給して冷却させてもよい。こ 場合も、上記同様の効果を得ることができ 。

 また、上記第1及び第2の実施形態におい は、特に説明しなかったが、例えばタービ 76の高温部を冷却した後の二酸化炭素を、タ ービン76のガス流路に流出させてもよい。ま 、例えば供給系統85,85Aの分岐系統86a~86bはそ れぞれ、圧縮機74の出口又は燃焼器75の入口 二酸化炭素を注入する注入系統を設けても い。これらの場合には、作動流体の流量が 加し、ガスタービン発電装置の発電量をさ に増加させることができる。

 本発明の第3の実施形態を図4により説明 る。本実施形態は、貯蔵タンク78で貯蔵した 液相の二酸化炭素をそのままガスタービン発 電装置72a~72eに供給する実施形態である。

 図4は、本実施形態による天然ガス液化プ ラントの構成を表す概略図である。なお、こ の図4において、上記第2の実施形態と同等の 分には同一の符号を付し、適宜説明を省略 る。

 本実施形態では、供給系統85Bは、天然ガ 精製設備70で分離された二酸化炭素(気体状 )を液化する冷凍装置77と、この冷凍装置77 液化した二酸化炭素を貯蔵する貯蔵タンク78 と、この貯蔵タンク78からの二酸化炭素(液体 状態)を遮断弁79を介しガスタービン発電装置 72a~72eにそれぞれ供給する分岐系統87a~87eと、 れら分岐系統87a~87eにそれぞれ設けた弁79a~79 eとを有している。分岐系統87aの弁79aの下流 には、圧縮機の73の吸気側に二酸化炭素を注 入する注入系統88aと、圧縮機73の中間段に二 化炭素を注入する注入系統88bと、圧縮機73 出口又は燃焼器の入口に二酸化炭素を注入 る注入系統88cとが分岐して設けられている また、分岐系統87b~87eにも、同様の注入系統8 8a~88cがそれぞれ設けられている。

 次に、本実施形態の動作及び作用効果を 明する。

 例えば何らかの理由でガスタービン発電 置72aが故障して稼働停止した場合、全体制 装置81は、取得した停止情報に応じて制御 置81eに起動指令信号を出力し、制御装置81e 、予備機であるガスタービン発電装置72eを 動させる。また、全体制御装置81は、供給系 統85Bの遮断弁79に制御信号を出力して開き状 に切換えるとともに、制御装置81b~81dに出力 増加指令信号を出力する。これに応じて、制 御装置81a~81dは、供給系統85の弁79b~79dに制御 号を出力して開き状態とする。そして、注 系統88aから注入した二酸化炭素が蒸発し、 の蒸発潜熱を奪うことにより圧縮機73の吸気 が冷却されて密度が大きくなり、かつ蒸発し た二酸化炭素が混入することによって作動流 体の流量が増加する。また、注入系統88bから 注入した二酸化炭素が蒸発し、その蒸発潜熱 を奪うことにより圧縮機73の圧縮過程の空気 冷却されて後段の圧縮動力が低減する。ま 、注入系統88cから注入した二酸化炭素が混 することによって作動流体の流量が増加す 。その結果、燃焼ガス温度が通常時と同じ あっても、ガスタービン発電装置72a~72dの発 電量を増加させることができる。

 このように本実施形態においては、ガス ービン発電装置を過負荷運転させるために 動流体に混入させる流体として、天然ガス 精製過程で得られて通常処分される二酸化 素を有効利用することができる。また、作 流体に混入させる流体を新たに用意する必 がないため、コストの低減を図ることがで る。したがって、コスト低減を図りつつ、 スタービン発電装置を過負荷運転させるこ ができる。

 なお、上記第3の実施形態においては、供 給系統85Bは、液体状態の二酸化炭素を圧縮機 74の吸気側、圧縮機74の中間段、圧縮機74の出 口又は燃焼器75の入口に注入する場合を例に って説明したが、これに限られない。すな ち、例えば液体状態の二酸化炭素をガスタ ビン発電装置の高温部(例えばタービン動翼 や静翼、燃焼器ライナ、燃焼器とタービンと を接続するダクト、及びタービン排気ディフ ューザ等)に供給してもよい。但し、この場 、注入部の低温側メタル温度が低下しすぎ 熱応力が増加する可能性があるため、注入 位及び注入量の設計には細心の注意を払う 要がある。

 なお、以上においては、天然ガスの精製 程で得られた二酸化炭素をガスタービン発 装置に供給する場合を例にとって説明した 、これに限られない。すなわち、例えば天 ガスの精製過程で得られた窒素をガスター ン発電装置に供給するようにしてもよく、 の場合も上記同様の効果を得ることができ 。但し、窒素に比べて二酸化炭素は、液化 度が低いので液化しやすく、蒸発潜熱が大 いので冷却効果が高いため、好ましい。

 また、ガスタービン発電装置72a~72eは、シ ンプルサイクルガスタービンの構成とする場 合を例にとって説明したが、これに限られず 、例えば蒸気タービン等と組み合わせたコン バインドサイクルガスタービンの構成として もよいことは言うまでもない。