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Patent Searching and Data


Title:
NERVE TRUNK CELL PROPAGATION ACCELERATOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096445
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are a neural stem cell propagation accelerator which contains a compound produced by Penicillium sp. strain CND1007 (FERM BP-10917) or a pharmacologically acceptable salt thereof, a novel compound produced by Penicillium sp. strain CND1007 or a pharmacologically acceptable salt thereof as an effective component, and a method for the production of neural stem cells in which the neural stem cells are cultured and propagated in the presence of a compound produced by Penicillium sp. CND1007 or a pharmacologically acceptable salt thereof, and the neural stem cells are collected from the culture material.

Inventors:
ONODERA HIDEYUKI
ICHIMURA MICHIO
BABA KOUJI
AGATSUMA TSUTOMU
SASHO SETSUYA
SUZUKI MAKOTO
IWAMOTO SUSUMU
KAKITA SHINGO
Application Number:
PCT/JP2009/051417
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 29, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KYOWA HAKKO KIRIN CO LTD (JP)
ONODERA HIDEYUKI
ICHIMURA MICHIO
BABA KOUJI
AGATSUMA TSUTOMU
SASHO SETSUYA
SUZUKI MAKOTO
IWAMOTO SUSUMU
KAKITA SHINGO
International Classes:
A61K31/122; A61K31/435; A61K31/575; A61K31/58; A61K31/585; A61K35/74; A61P25/00; A61P43/00; C07C49/303; C07D487/22; C07D491/22; C07D519/00; C07J13/00; C07J71/00; C07J73/00; C12N5/0793; C12N5/0797; C12P7/26; C12P17/18; C12P33/00; C12P33/20
Domestic Patent References:
WO2006077954A12006-07-27
Foreign References:
JP2003516141A2003-05-13
JPS63239295A1988-10-05
JPS6429397A1989-01-31
JPH01193229A1989-08-03
JPH03133996A1991-06-07
JP2006076948A2006-03-23
JP2006076948A2006-03-23
JPH0579080B21993-11-01
JPH085909B21996-01-24
Other References:
FRANK-KAMENETSKY M ET AL.: "Small-molecule modulators of Hedgehog signaling: identification and characterization of smoothened anonists and antagonists.", J. BIOL., vol. 1, no. NO. 2, 6 November 2202 (2202-11-06), XP021018007, Retrieved from the Internet [retrieved on 20090304]
See also references of EP 2239320A4
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JOURNAL OF BIOLOGY, vol. 1, 2002, pages 10
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THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY, vol. 281, 2006, pages 12673 - 12681
JOURNAL OF CELL SCIENCE, vol. 120, 2007, pages 1358 - 1370
HETEROCYCLES, vol. 23, 1985, pages 1607 - 1610
TETRAHEDRON LETTERS, vol. 33, 1979, pages 3119 - 3122
AGRICULTURAL AND BIOLOGICAL CHEMISTRY, vol. 28, 1964, pages 788 - 795
JOURNAL OF NATURAL PRODUCTS, vol. 55, 1992, pages 1588 - 1594
TETRAHEDRON LETTERS, vol. 36, 1995, pages 7471 - 7474
JOURNAL OF AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 124, 2002, pages 14556 - 14557
ANGEWANDTE CHEMIE INTERNATIONAL EDITION, vol. 46, 2007, pages 2254 - 2256
JOURNAL OF CHEMICAL SOCIETY PERKIN TRANSACTION, vol. 1, 1995, pages 2345 - 2353
THE JOURNAL OF ANTIBIOTICS, vol. 41, 1988, pages 409 - 410
THE JOURNAL OF NEUROSCIENCE, vol. 19, 1999, pages 8487 - 8497
GENES AND DEVELOPMENT, vol. 10, 1996, pages 3129 - 3140
EXPERIMENTAL CELL RESEARCH, vol. 289, 2003, pages 378 - 383
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Claims:
 ペニシリウム・スピーシーズ(Penicillium sp.)CND1007株(FERM BP-10917)が産生する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する神経幹細胞増殖促進剤。
 Penicillium sp. CND1007株が産生する化合物が下記式(A)~(BB)のいずれかで表される化合物である請求項1記載の神経幹細胞増殖促進剤。
 請求項1または2記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の存在下、神経幹細胞を培養して神経幹細胞を増殖させ、培養物中より神経幹細胞を採取することを特徴とする神経幹細胞の製造方法。
 下記式(B)~(BB)のいずれかで表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
 Penicillium sp.CND1007株が産生する化合物またはその薬学的に許容される塩を神経幹細胞と接触させることを特徴とする神経幹細胞増殖促進方法。
 Penicillium sp. CND1007株が産生する化合物が請求項2記載の式(A)~(BB)のいずれかで表される化合物である請求項5記載の方法。
 神経幹細胞増殖促進剤の製造のためのPenicilliumsp.CND1007株が産生する化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
 Penicillium sp. CND1007株が産生する化合物が請求項2記載の式(A)~(BB)のいずれかで表される化合物である請求項7記載の使用。
Description:
神経幹細胞増殖促進剤

 本発明は、ペニシリウム・スピーシーズ( Penicillium sp.)CND1007株(FERM BP-10917)が産生する 合物またはその関連化合物あるいはそれら 薬学的に許容される塩を有効成分として含 する幹細胞および前駆細胞の増殖促進剤に する。更に、Penicillium sp. CND1007株が産生す 化合物またはその薬学的に許容される塩に する。

 神経変性疾患は、脳や末梢の神経細胞が遺 的要因、環境要因、加齢要因などにより傷 を受ける疾患である。具体的には、パーキ ソン病、アルツハイマー病、トリプレット ピート病、筋萎縮性側索硬化症、多発性ニ ーロパチー、脊髄損傷、脳血管障害などが げられる。
 これら神経変性疾患に対する一般的な治療 は、神経細胞の傷害により失われた神経伝 物質を補充する方法であるが、該治療法が 効な疾患は現在のところ、パーキンソン病 アルツハイマー病などに限られている。ま 神経伝達物質補充療法では神経細胞死の進 を止めることはできない。

 中枢神経系を再生する再生医療は、パー ンソン病で失われたドーパミン作動性ニュ ロンの機能を積極的に回復させる治療法と て移植という観点から検討が進められてき が、中絶胎児脳を用いることに起因する様 な問題があり、一般的な利用には至ってい い。また、胎児脳から取得した神経幹細胞 ヒト受精卵から取得したES細胞を生体外で 量培養した後、目的のニューロンへ分化さ て移植に用いるという治療法(ステム・セル (Stem Cells)2006年、24巻、p.1583-1593;ザ・ジャー ナル・オブ・ニューロサイセンス(The Journal  of Neuroscience)2005年、25巻、p.4694-4705)も検討さ ているが、目的とするニューロンへ正確に 化させる技術はまだ確立されていないこと 未分化の細胞によって奇形腫が形成されて まうこと、また胎児由来の神経幹細胞やヒ ES細胞を用いることに起因する問題もあり 臨床応用は進んでいない。従って、成体由 の神経幹細胞を生体外で培養し、移植に用 る手法が有望視されており、神経幹細胞の 殖を効率良く促進させる因子の探索が望ま ている(ネイチャー・レビューズ・ニューロ イエンス(Nature Reviews Neuroscience)、2006年、7 、p.395-406)。

 神経幹細胞の増殖を促進する低分子化合 としては、例えばサルビアノール酸B(特開20 06-76948)、ヘッジホッグシグナルアゴニスト( ジャーナル・オブ・バイオロジー(Journal of  Biology)」、2002年、1巻、p.10)、選択的セロトニ ン再取り込み阻害薬(「サイエンス(Science)」 2003年、301巻、p.805-809;「プロシーディングス ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ス テイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the Nati onal Academy of Science of the United States of Ame rica)」、2006年、103巻、p.8233-8238)、代謝型グル タミン酸受容体拮抗剤(「バイオケミカル・ ンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミ ニケーションズ(Biochemical and Biophysical Resear ch Communications)」、2004年、315巻、p.493-496)、PPA Rγアゴニスト(「ザ・ジャーナル・オブ・バ オロジカル・ケミストリー(Journal of Biologica l Chemistry)」、2006年、281巻、p.12673-12681)、NMDA ゴニスト(「ジャーナル・オブ・セル・サイ エンス(Journal of Cell Science)」、2007年、120巻 p.1358-1370)などが報告されている。

 一方、ステロール誘導体として、例えば 下の化合物(A)、(A1)および(1)~(6)が知られて る。インドールおよびオキシインドール誘 体として、例えば以下の化合物(7)および(8) 知られている。キナゾリン誘導体として、 えば以下の化合物(9)~(11)が知られている(特 文献1~2および非特許文献1~9参照)。

特公平5-79080号公報

特公平8-5909号公報 「ヘテロサイクルズ(Heterocycles)」、1985年 、23巻、p.1607-1610 「テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron L etters)」、1979年、33巻、p.3119-3122 CASレジストリー・データベース(CAS REGIST RY Database)、レジストリー番号:6048-74-4 「アグリカルチャラル・アンド・バイオ ロジカル・ケミストリー(Agricultural and Biologi cal Chemistry)」、1964年、28巻、p.788-795 「ジャーナル・オブ・ナチュラル・プロ ダクツ(Journal of Natural Products)」、1992年、55 、p.1588-1594 「テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron L etters)」、1995年、36巻、p.7471-7474 「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミ カル・ソサイエティ(Journal of American Chemical Society)」、2002年、124巻、p.14556-14557 「アンゲバンテ・ケミィ・インターナシ ョナル・エディション(Angewandte Chemie Internati onal Edition)」、2007年、46巻、p.2254-2256 「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイ エティ・パーキン・トランザクション I(Journ al of Chemical Society Perkin Transaction I)」、1995 年、p.2345-2353

 本発明の目的は、Penicillium sp. CND1007株が 産生する化合物またはその関連化合物あるい はそれらの薬学的に許容される塩を有効成分 として含有する神経幹細胞増殖促進剤など、 および神経幹細胞増殖促進剤として有用なPen icillium sp. CND1007株が産生する化合物または の薬学的に許容される塩を提供することに る。

 本発明は、以下の(1)~(21)に関する。
(1) Penicillium sp. CND1007株が産生する化合物ま たはその薬学的に許容される塩を有効成分と して含有する神経幹細胞増殖促進剤。
(2)Penicillium sp. CND1007株が産生する化合物が 記式(A)~(BB)のいずれかで表される化合物であ る(1)記載の神経幹細胞増殖促進剤。

(3) 下記式(A1)~(A15)のいずれかで表される化 合物またはその薬学的に許容される塩を有効 成分として含有する神経幹細胞増殖促進剤。

(4) 上記(1)~(3)のいずれかに記載の化合物また はその薬学的に許容される塩の存在下、神経 幹細胞を培養して神経幹細胞を増殖させ、培 養物中より神経幹細胞を採取することを特徴 とする神経幹細胞の製造方法。
(5) 上記(1)~(3)のいずれかに記載の化合物また はその薬学的に許容される塩の存在下、神経 幹細胞を培養して神経幹細胞を増殖させ、培 養物中より神経幹細胞を採取する工程、採取 された神経幹細胞を培養してニューロンへ分 化させ、培養物中よりニューロンを採取する 工程を含むニューロンの製造方法。
(6) 上記(1)~(3)のいずれかに記載の化合物また はその薬学的に許容される塩の存在下、神経 幹細胞を培養して神経幹細胞を増殖させ、培 養物中より神経幹細胞を採取する工程、採取 された神経幹細胞を培養してグリア細胞へ分 化させ、該培養物中よりグリア細胞を採取す る工程を含むグリア細胞の製造方法。
(7) 下記式(B)~(BB)のいずれかで化合物または の薬学的に許容される塩。

(8) Penicillium sp.CND1007株が産生する化合物ま はその薬学的に許容される塩を神経幹細胞 接触させることを特徴とする神経幹細胞増 促進方法。
(9) Penicillium sp. CND1007株が産生する化合物が (2)記載の式(A)~(BB)のいずれかで表される化合 である(8)記載の方法。
(10) (3)記載の式(A1)~(A15)のいずれかで表され 化合物またはその薬学的に許容される塩を 経幹細胞と接触させることを特徴とする神 幹細胞増殖促進方法。
(11) 神経幹細胞増殖促進剤の製造のためのPen icillium sp.CND1007株が産生する化合物またはそ 薬学的に許容される塩の使用。
(12) Penicillium sp. CND1007株が産生する化合物 (2)記載の式(A)~(BB)のいずれかで表される化合 物である(11)記載の使用。
(13) 神経幹細胞増殖促進剤の製造のための(3) 記載の式(A1)~(A15)のいずれかで表される化合 またはその薬学的に許容される塩の使用。
(14) 下記式(C)、(D)、(E)、(F)、(J)、(U)、(V)、(W) 、(X)または(Y)で表される化合物またはその薬 学的に許容される塩。

(15) (14)記載の化合物またはその薬学的に許 される塩を有効成分として含有する神経幹 胞増殖促進剤。
(16) 下記式(A1)~(A3)、(A5)のいずれかで表され 化合物またはその薬学的に許容される塩を 効成分として含有する神経幹細胞増殖促進 。

(17) (14)または(16)記載の化合物またはその薬 的に許容される塩の存在下、神経幹細胞を 養して神経幹細胞を増殖させ、培養物中よ 神経幹細胞を採取することを特徴とする神 幹細胞の製造方法。
(18) (14)または(16)記載の化合物またはその薬 的に許容される塩の存在下、神経幹細胞を 養して神経幹細胞を増殖させ、培養物中よ 神経幹細胞を採取する工程、採取された神 幹細胞を培養してニューロンへ分化させ、 養物中よりニューロンを採取する工程を含 ニューロンの製造方法。
(19) (14)または(16)記載の化合物またはその薬 的に許容される塩の存在下、神経幹細胞を 養して神経幹細胞を増殖させ、培養物中よ 神経幹細胞を採取する工程、採取された神 幹細胞を培養してグリア細胞へ分化させ、 培養物中よりグリア細胞を採取する工程を むグリア細胞の製造方法。
(20) (14)または(16)記載の化合物またはその薬 的に許容される塩を神経幹細胞と接触させ ことを特徴とする神経幹細胞増殖促進方法
(21) 神経幹細胞増殖促進剤の製造のための(14 )または(16)記載の化合物またはその薬学的に 容される塩の使用。

 本発明により、Penicillium sp. CND1007株が産 生する化合物またはその関連化合物あるいは それらの薬学的に許容される塩を有効成分と して含有する神経幹細胞増殖促進剤など、お よび神経幹細胞増殖促進剤として有用なPenici llium sp. CND1007株が産生する化合物またはそ 薬学的に許容される塩が提供される。

 以下、一般式(A)で表される化合物を化合物( A)という。他の式番号の化合物についても同 である。
 本発明の化合物の薬学的に許容される塩は 例えば薬学的に許容される酸付加塩、金属 、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、ア ノ酸付加塩などを包含する。本発明の化合 の薬学的に許容される酸付加塩としては、 えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸 、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、シュ 酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン 塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩など 有機酸塩などがあげられ、薬学的に許容さ る金属塩としては、例えばナトリウム塩、 リウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシ ム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金 塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などがあげら 、薬学的に許容されるアンモニウム塩とし は、例えばアンモニウム、テトラメチルア モニウムなどの塩があげられ、薬学的に許 される有機アミン付加塩としては、例えば ルホリン、ピペリジンなどの付加塩があげ れ、薬学的に許容されるアミノ酸付加塩と ては、例えばリジン、グリシン、フェニル ラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸な の付加塩があげられる。

 次に本発明の化合物の製造法について説明 る。
 本発明の化合物のうち、化合物(A)~(BB)は、 ニシリウム属に属し化合物(A)~(BB)の生産能を 有する微生物を培地に培養し、培養液中に化 合物(A)~(BB)を生成蓄積させ、該培養液から化 物(A)~(BB)を採取することによって製造され 。

 化合物(A)~(BB)の生産能を有する微生物と ては、ペニシリウム属に属し、化合物(A)~(BB) の生産能を有する菌株であればいずれの菌株 でも用いることができる。またこれらの菌株 を人工的変異方法、例えば紫外線照射、X線 射、変異誘起剤処理などによって変異させ 変異株または自然的に変異した変異株でも 化合物(A)~(BB)の生産能を有するものであれば 本発明に用いることができる。具体的には、 例えばPenicillium sp. CND1007株があげられる。

 Penicillium sp. CND1007株は、土壌より分離した ものであり、菌学的性質より、糸状不完全菌 類のペニシリウム(Penicillium)属に所属するこ が明らかとなり、Penicillium sp. CND1007株(FERM  BP-10917)として独立行政法人産業技術総合研究 所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つく ば市東1丁目1番地1 中央第6)に2007年10月11日付 けで寄託されている。その菌学的性質は次の とおりである。
(I)肉眼的観察
 ツァペックイースト寒天培地を用いて25℃ 培養した場合、集落の直径は培養7日目で30~3 5 mmに達する。集落の表面は放射状の溝が認 られ、灰色がかった緑色を呈する。中央部 は黄色の浸出液が生産される。また、集落 裏面は明るい黄色を呈する。寒天培地中に 黄色の色素を分泌する。麦芽エキス寒天培 を用いて25℃で培養した場合、集落の直径 培養7日目で35~40 mmに達する。集落の表面は 坦、明るい灰緑色を呈する。また、集落の 面はくすんだ赤みの黄色を呈する。
(II)顕微鏡的観察
 菌糸は隔壁を有し、良く分岐する。分生子 は基底菌糸あるいは気中菌糸より単生する 分生子柄は平滑で隔壁を有し、長さ250~500  m、幅2.5~3.0 μmである。分生子柄の先端に3~5 のメトレを形成し、各メトレの先端に4~7本 フィアライドを形成する。メトレは無色、 滑、単細胞、長方形、長さ10~12.5 μm、幅3.0~ 4.0 μmである。フィアライドは無色、平滑、 細胞、アンプル形、長さ7~8μm、幅2~2.5 μmで ある。分生子は、フィアライドの先端から内 生出芽型様式で多数生ずる。分生子は単細胞 、球形~亜球形、平滑もしくは微小な刺状を し、直径2.5~3.0 μmである。本菌株は上述し アナモルフのみ観察され、テレオモルフは 察されなかった。

 以上の菌学的性質より、分類学的位置につ ては、本菌は、「ザ・ジェネラ・オブ・フ ンジャイ・スポルレイティング・イン・ピ ア・カルチャー 第2版 (The Genera of Fungi S porulating in Pure Culture, 2nd ed., Cramer Vaduz, J .A. Von Arx, 1974)」に従えば、糸状不完全菌類 のPenicillium属に所属する。
 本発明の化合物の生産菌の培養に際しては 通常の糸状菌の培養方法が適用される。培 としては、微生物の資化し得る炭素源、窒 源、無機塩類などを程よく含有する培地で れば合成培地、天然培地いずれでも使用で る。

 炭素源としては、グルコース、澱粉、デキ トリン、マンノース、フルクトース、シュ ロース、ラクトース、キシロース、アラビ ース、マンニトール、糖蜜などが単独また 組み合わせて用いられる。さらに、菌の資 能によっては炭化水素、アルコール類、有 酸なども用いられる。
 窒素源としては、塩化アンモニウム、硝酸 ンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナト ウム、尿素、ペプトン、肉エキス、酵母エ ス、乾燥酵母、コーン・スティープ・リカ (CSL)、大豆粉、カザミノ酸などが単独また 組み合わせて用いられる。

 そのほか、必要に応じて塩化ナトリウム 塩化カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カ シウム、リン酸二水素カリウム、リン酸マ ネシウム・八水和物、硫酸第一鉄、塩化カ シウム、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅 どの無機塩類を加える。さらに、使用菌の 育や本発明の化合物の生産を促進する成分( 例えば生合成中間体のメバロン酸やラノステ ロールなど)を適当に添加することができる

 培養法としては、例えば液体培養法など あげられ、好ましくは深部撹拌培養法が適 ている。培養は、16~37℃、好ましくは25~32℃ の間の温度で、pH 4~10、好ましくはpH 6~8で行 われ、培地のpH調整にはアンモニア水や炭酸 ンモニウム溶液などが用いられる。培養は 常1~10日で完了するが、本発明の化合物が培 養物中(培養液および菌体中)に生成蓄積され 培養物中の生成量が最大に達したときに培 を停止することが望ましい。

 培養液中に蓄積した本発明の化合物を培 液中から単離精製する方法としては、例え 通常の微生物代謝産物を培養液から単離精 するために常用される方法があげられる。 体的には、培養物に直接メタノール、エタ ール、2-プロパノール、アセトンなどを加 、目的化合物の抽出を行うか、2-ブタノン、 tert-ブタノール、n-ブタノールなどで2層分配 出を行なうことにより目的化合物を抽出す 。または培養物を濾過により培養濾液と菌 とに分け、さらに菌体をクロロホルム、ア トン、メタノールなどの溶媒で菌体成分を 出する。得られた抽出液および/または培養 濾液を、例えばダイヤイオンHP-20、HP-20ss(三 化学社製)などのポリスチレン系吸着剤を充 したカラムに通塔して目的化合物を吸着さ 、次いでメタノール、アセトンなどで溶出 る。そして、例えばセファデックスLH-20、 ヨパールHW40などを用いたゲルろ過、オクタ シル基結合型シリカゲル(ODS)などを用いた ラムクロマトグラフィーや高速液体クロマ グラフィー、シリカゲルカラムクロマトグ フィーなどにより単離精製し、本発明の化 物を得ることができる。

 また、化合物(A)は、例えば特公平5-79080号、 「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティ クス(The Journal of Antibiotics)」、1988年、41巻 p.409-410などに記載の方法によっても得るこ ができる。
 更にその誘導体である化合物(A1)~(A15)は例え ば特公平8-5909号などに記載の方法に準じて得 ることができる。

 本発明の化合物の中には、幾何異性体、光 異性体などの立体異性体、互変異性体など 存在し得るものもあるが、本発明化合物お び神経幹細胞増殖促進剤は、これらを含め 全ての可能な異性体およびそれらの混合物 包含する。
 本発明の化合物の塩を取得したいとき、本 明の化合物が塩の形で得られるときはその ま精製すればよく、また、遊離の形で得ら るときは、本発明の化合物を適当な溶媒に 解または懸濁し、酸または塩基を加えるこ により塩を形成させて単離、精製すればよ 。

 また、本発明の化合物およびその薬学的に 容される塩は、水または各種溶媒との付加 の形で存在することもあるが、これらの付 物も本発明に包含される。
 本発明の神経幹細胞増殖促進剤は、神経幹 胞の増殖を促進する物質を含有し、該神経 細胞の増殖を促進する物質としては、例え Penicillium sp. CND1007株が産生する化合物など があげられ、それらは上記の方法により得る ことができる。より具体的には、例えば、上 記の化合物(A)~(BB)、(A1)~(A15)などがあげられる 。

 本発明の化合物および本発明の神経幹細 増殖促進剤に含有される化合物の具体例を 1表~第5表に示す。ただし、本発明の化合物 どはこれらに限定されるものではない。

 上記第1表~第5表に示された化合物のうち 例えばPenicillium sp. CND1007株が産生する化合 物であり、その化学構造として、下記式(α) 示す基本骨格を有する化合物が好ましく、 記式(α)のA環部分にヒドロキシを有する化合 物がより好ましい。

 より具体的には、例えば、化合物A、B、C、D 、E、F、H、J、L、U、V、W、Xなどが好ましく、 化合物C、D、E、F、U、V、W、Xなどがより好ま い。
 次に、本発明の神経幹細胞増殖促進剤およ 神経幹細胞の製造方法について説明する。
 本発明の神経幹細胞増殖促進剤は、in vitro おいて、神経幹細胞と接触させたとき、該 経幹細胞の増殖を促進することができる。

 幹細胞とは、複数の異なる種類の細胞に 化する多分化能と、対称的または非対称的 分裂によって新たな幹細胞を生み出す自己 製能とを有する細胞をいう。これに対し、 る分化の系譜に入り、限られた回数の分裂 後に分化を遂げるように運命づけられた細 は前駆細胞と呼ばれる。しかし、神経幹細 と神経前駆細胞またはグリア前駆細胞とを 密に区別することは困難であるため、本発 では、神経前駆細胞、およびグリア前駆細 を含めて神経幹細胞と称する。

 神経幹細胞は、特に限定されないが、脳の 体神経幹細胞が好ましい。
 脳は、いずれの動物の脳であってもよいが 好ましくは哺乳動物、より好ましくはラッ 、マウス、サル、ヒトなどの脳をあげるこ ができる。
 動物から成体神経幹細胞を取得する方法と ては、例えば“ザ・ジャーナル・オブ・ニ ーロサイエンス(The Journal of Neuroscience)、19 99年、19巻、p.8487-8497”、“ジーンズ・アンド ・デベロップメント(Genes and Development)、1996 、10巻、p.3129-3140”などに記載の方法に準じ て、外科的手法によって成体動物から脳を摘 出して、脳細胞粗抽出液を調製し、該粗抽出 液から成体幹細胞を濃縮する方法をあげるこ とができる。

 また、ヒトから成体神経幹細胞を取得する 法としては、例えば“エクスペリメンタル セル・リサーチ(Experimental Cell Research)、2003 年、289巻、p.378-383”に記載の方法に準じて、 バイオプシーによって神経疾患患者の側脳室 壁から組織を採取して、脳細胞粗抽出液を調 製し、該抽出液から成体幹細胞を濃縮する方 法をあげることができる。
 本発明の神経幹細胞増殖促進剤は、in vitro おいて神経幹細胞と接触させ、該神経幹細 を培養することにより神経幹細胞の増殖を 進させ、培養物から該神経幹細胞を採取す ことを特徴とする神経幹細胞の製造法に用 ることができる。

 In vitroで本発明の神経幹細胞増殖促進剤 用いる場合、本発明の神経幹細胞の増殖促 作用を有する化合物またはその薬学的に許 される塩を、該化合物またはその薬学的に 容される塩を溶解することができる溶液に 解して用いることが好ましい。該溶液とし は、例えば水、ジメチルスルホキシド(DMSO) どをあげることができる。また、リン酸緩 食塩水(PBS)などの各種緩衝液などに溶解し 用いることもできる。

 本発明の神経幹細胞増殖促進剤存在下で成 神経幹細胞を培養する場合、6.25×10 4 個/cm 2 程度の成体神経幹細胞に対して、該神経幹細 胞増殖促進剤を1 pmol/L~1 mmol/Lの濃度で作用 せることが好ましい。成体神経幹細胞と本 明の神経幹細胞増殖促進剤を接触させ、37℃ で5%CO 2 雰囲気下、1~14日間、2日おきに全量または部 量培地交換しながら静置培養することで神 幹細胞の増殖を促進させることができる。

 該培地は、神経幹細胞の増殖促進を妨げな 培地であればいずれの培地でもよいが、例 ば1%のN-2添加物(インビトロジェン社製)を含 むDMEM/F12培地(インビトロジェン社製)などを いるのが好ましい。
 また、上記培養により取得される神経幹細 を、本発明の神経幹細胞増殖促進剤を含有 ず例えば1 nmol/L~1 mmol/Lのオールトランスレ チノイン酸、1 nmol/L~1 mmol/Lのフォルスコリ 、または0.1 ng/mL~1 mg/mLの血小板由来成長因 (PDGF)などを含有する培地で、37℃で5%CO 2 雰囲気下、1~14日間、2日おきに全量または部 量培地交換しながら静置培養することでニ ーロンへ分化させることができる。

 該培地は、ニューロンへの分化を妨げない 地であればいずれの培地でもよいが、例え 1%のN-2添加物(インビトロジェン社製)を含む DMEM/F12培地(インビトロジェン社製)などを用 るのが好ましい。
 さらに、上記培養により取得される神経幹 胞を、本発明の神経幹細胞増殖促進剤を含 せず、例えば0.1 ng/mL~1 mg/mLの白血病阻止因 子(LIF)、または0.1 ng/mL~1 mg/mLの骨形成因子-2( BMP-2)などを含有する培地で、37℃で5%CO 2 雰囲気下、1~14日間、2日おきに全量または部 量培地交換しながら静置培養することでグ ア細胞へ分化させることができる。

 該培地は、グリア細胞への分化を妨げない 地であればいずれの培地でもよいが、例え 1%のN-2添加物(インビトロジェン社製)を含む DMEM/F12培地(インビトロジェン社製)などを用 るのが好ましい。
 上記培養により取得される神経幹細胞、ニ ーロン、またはグリア細胞は、培地から回 し、神経疾患患者の障害部位へ外科的手法 移植することにより該神経疾患の治療に用 ることができる。該神経疾患としては、例 ばパーキンソン病、アルツハイマー病、ダ ン症、脳血管障害、脳卒中、脊髄損傷、ト プレットリピート病、多発性硬化症、筋萎 性側索硬化症、多発性ニューロパチー、て かん、不安障害、統合失調症、鬱病、躁鬱 などをあげることができる。

 次に、代表的な化合物の増殖促進作用につ て試験例により具体的に説明する。以下の 験例は、例示の目的のみに提供される。従 て、本発明の範囲は、下記試験例に限定さ るものではない。
試験例1:神経幹細胞の増殖促進作 (1)
 下記の参考例1記載の方法で取得したラット 成体神経幹細胞株ANSC-7細胞を、N-2添加物[5 μ g/mLインシュリン(シグマ社製)、100 μg/mLウシ ポトランスフェリン(シグマ社製)、6.3 ng/mL ロゲステロン(シグマ社製)、1.6 μg/mLプトレ シン(シグマ社製)および5.2 ng/mLセレン酸ナト リウム(シグマ社製)]および抗生物質混合液[0. 05 U/mLペニシリン、0.05 μg/mLストレプトマイ ン(インビトロジェン社製)]を添加したDMEM/F1 2培地(インビトロジェン社製)(以下、アッセ 培地と称する)に1.7×10 5  個/mLの濃度で懸濁し、ポリオルニチンおよ ラミニンで表面加工した96穴プレート(コー ター社製)に0.1 mLずつ播種して、37℃で5%CO 2 雰囲気下、一晩培養した。その後、50 μLの 養上清を除去し、アッセイ培地で終濃度の2 になるように段階希釈した試験化合物、ま はDMSO(陰性コントロール)を1ウェルあたり50 μL添加した。96時間培養後、50 μLの培養上 を除去し、4℃に冷却した15%中性緩衝ホルマ ン液(和光純薬工業社製)を1ウェルあたり50  μL加え、1時間静置した。その後、0.3% Triton  X-100(ナカライテスク社製)を含むPBS(以下、TBST )を用いて2回洗浄し、0.5% Triton X-100を含むPBS で希釈した5%スキムミルク溶液で3.3 μmol/Lに 製したヘキスト33342(ナカライテスク社製)を 50 μL/ウェルで添加し、暗所、4℃で一晩、核 を標識した。100 μL/ウェルのTBSTで2回、続い PBSで1回洗浄した後、100 μL/ウェルのPBSに浸 し、核染色された細胞の蛍光強度を蛍光光度 計FDSS6000(浜松ホトニクス社製)で測定した。 胞を播種しないウェルの測定値を0%、陰性コ ントロールの測定値を100%とし、試験化合物 加群における相対値を算出した。

 化合物A、CおよびEは、それぞれ0.32 μmol/Lで 150%以上の増殖促進活性を示した。また、化 物A1、A2、A3およびA5は、それぞれ0.32 μmol/L 160%以上の増殖促進活性を示した。更に、化 物B、DおよびFは、それぞれ1.0 μmol/Lで140%以 上の増殖促進活性を示した。
試験例2:神経幹細胞の増殖促進作 (2)
 下記の参考例1記載の方法で取得したラット 成体神経幹細胞株ANSC-7細胞を、アッセイ培地 に1.7×10 個/mLの濃度で懸濁し、ポリオルニチンおよび ラミニンで表面加工した96穴プレート(コース ター社製)に0.1 mLずつ播種して、37℃で5%CO 2 雰囲気下、一晩培養した。その後、50 μLの 養上清を除去し、アッセイ培地で終濃度の2 になるように段階希釈した試験化合物、ま はDMSO(陰性コントロール)を1ウェルあたり50 μL添加した。96時間培養後、生細胞数測定試 薬SF(ナカライテスク)を該培養液中に1ウェル たり10 μL添加した。37℃で3時間、5%CO 2 インキュベーター内で培養後、1分間撹拌し マイクロプレート分光光度計Emax(モレキュラ ー・デバイス社製)を用いて490 nmの吸光度(対 照波長655 nm)を測定した。細胞を播種しない ェルの測定値を0%、陰性コントロールの測 値を100%とし、試験化合物添加群における相 値を算出した。

 化合物A、C、EおよびLは、それぞれ0.32 μmol/ Lで130%以上の増殖促進活性を示した。また、 合物B、D、F、HおよびKは、それぞれ1.0 μmol/ Lで130%以上の増殖促進活性を示した。更に、 合物Jは、3.2 μmol/Lで125%以上の増殖促進活 を示した。
試験例3:神経幹細胞の増殖促進作 (3)
 試験は、試験例2と同様にして行った。化合 物UおよびVは、それぞれ1nmol/Lで120%以上の増 促進活性を示し、化合物WおよびXは、それぞ れ10 nmol/Lで120%以上の増殖促進活性を示した また、化合物Mは、0.32 μmol/Lで120%の増殖促 活性を示し、化合物Nは1 μmol/Lで120%の増殖 進活性を示した。更に、化合物Y、AAおよびB Bは、それぞれ3.2 μmol/Lで120%の増殖促進活性 示した。
[参考例1]  ラット脳からの成体神経幹細胞の 単離と培養
 7週齢のSprague Dawley ratをエーテル麻酔によ て眠らせた後に断頭し、頭頂部より頭蓋骨 切開して脳を摘出した。摘出した脳から脳 周囲部位を含む組織を顕微鏡下で眼科用の さみとピンセットを用いて分離した。脳室 囲部位を含む組織は眼科用はさみとメスを いて1 mm 3 程度の断片にした後、2.5 U/mLのパパイン、250  U/mLのDNase(いずれもWorthington, Freehold, NJ社製 )および1 U/mLの中性プロテアーゼ(Dispase、ベ リンガー・マンハイム社製)を含む5 mLのハ クス緩衝液(HBSS緩衝液;インビトロジェン社 )中で37℃、30分間消化反応を行なった。該反 応により得られた細胞と組織の混合物を10%の 胎仔牛血清(ハイクローン社製)を含むDMEM(イ ビトロジェン社製)で3回洗浄後、10%の胎仔牛 血清を含むDMEMに溶解し、10 μmのナイロンメ シュを用いて未消化物を除去した。

 得られた細胞粗抽出液を、10 cmの培養皿 で10%の胎仔牛血清を含むDMEM/F12培地(インビ ロジェン社製)を用いて37℃のインキュベー ー中で1晩培養した。翌日、培地を1%のN-2添 物(インビトロジェン社製)と20 ng/mLのFGF2(ペ プロテック社製)を含むDMEM/F12に置換して培養 を開始した。3日に一度、培地の半分を新し 1%のN-2添加物と20 ng/mLのFGF2を含むDMEM/F12に置 換し、培養を継続した。

 小型細胞の小さなコロニーが形成された 1%のトリプシンで30秒から1分間程度処理し 剥がれた細胞を回収した。該細胞は、10 μg/ mLのポリオルニチン(シグマ社製)を用いて室 で一晩、および5 μg/mLのマウスEHS腫瘍由来 ミニン(ベクトン・ディッキンソン社製)を用 いて37℃で一晩コートしたマルチウェルの培 皿(フィッシャー・サイエンティフィク社製 )上に撒き、培養を継続した。

 上記培養を続けることで、小型の突起を有 、厚みのある小型細胞が濃縮された。本細 を成体神経幹細胞として上記の実験(試験例 1~3)に使用した。
 以下、本発明を実施例および参考例により らに具体的に説明するが、本発明の範囲は れらの実施例に限定されることはない。
 なお、下記実施例中の各化合物の物理化学 ータは、以下の機器類によって測定したも である。プロトン核磁気共鳴スペクトルで 、化合物および測定条件によって交換性プ トンが明瞭には観測されないことがある。 グナルの多重度の表記としては通常用いら るものを用いるが、brとは見かけ上幅広い グナルであることを表す。

  1 H NMRおよび 13 C NMR:Bruker DMX500 (500 および125 MHz)、JEOL Alph a400 (400および100 MHz)またはJEOL Lambda 300 (300 および75 MHz)
 FAB-MS:JEOL JMS-HX/HX110A
 ESI-MS:Micromass ZMD

化合物A~G、IおよびK~Tの製造
 第一種培地および第二種培地として、グル ース(20 g/L)、マッシュポテト(30 g/L)、およ 乾燥酵母エキス(5 g/L)を組成とする培地(pH  6.5)を用い、主発酵培地として、スクロース(3 0 g/L)、可溶性デンプン(20 g/L)、Corn Steep Liqu or(CSL)(30 g/L)、および炭酸カルシウム(5 g/L)を 組成とする培地(pH 5.0)を用いた。Penicillium sp . CND1007株を含む寒天一片を、70 mL容試験管 入れた第一種培地(10 mL)に植菌し、28℃で72 間振盪培養を行った。次に第一種培養液を 2 L容三角フラスコに入れた第二種培地(475 m L)に1本あたり25 mLずつ植菌し、同様に72時間 盪した。続いて第二種培養液を、30 L容ジ ーファーメンター3基に分注した主発酵培地( 約54 L)に1基あたり900 mLずつ植菌し、25℃で8 間攪拌培養(回転数250 rpm)を行った。また、 第二種培養液を、2 L容三角フラスコ20本に分 注した主発酵培地(約10 L)に1本あたり25 mLず 植菌し、25℃で8日間攪拌培養(回転数220 rpm) を行った。

 得られた発酵培養液(64 L)に濾過助剤(ラ オライト#600、昭和化学工業社)を10重量%の割 合で添加後、吸引ろ過により培養濾液と菌体 とに分けた。分別した菌体に15 Lのメタノー を加え、室温で2回抽出した。抽出液(30 L) 10 Lまで減圧濃縮し、2 LのダイヤイオンHP20( 三菱化学社製)を充填したカラムに通塔して 的化合物を吸着させた。水、40%メタノール よび70%メタノールで洗浄した後、100%メタノ ルおよび30%アセトン/メタノールで目的化合 物を溶出させた。溶出液(6 L)を1 Lまで減圧 縮した後、クロロホルム(1 L)で3回抽出した 抽出液を減圧濃縮して得られた残渣(15 g)を 500 mLのシリカゲルを充填したカラムに通塔 、n-ヘキサン、酢酸エチル、メタノールおよ びそれらの混合溶媒を用いて段階的に溶出さ せた。各溶出液は、薄層クロマトグラフィー によって含有成分の検出を行ない、同一成分 を含む溶出液を合一することにより、20~40%  酸エチル/n-ヘキサン溶出区(画分1)、60% 酢 エチル/n-ヘキサン溶出区(画分2)、60~80% 酢酸 エチル/n-ヘキサン溶出区(画分3)、80%酢酸エチ ル/n-ヘキサン~酢酸エチル溶出区(画分4)、酢 エチル~25%メタノール/酢酸エチル溶出区(画 5)、25%メタノール/酢酸エチル溶出区(画分6) 分画した。

 画分1(2.3 g)を、中性アルミナ(50 mL)を充填 たカラムに通塔し、酢酸エチルで溶出させ ことにより、混在する高級脂肪酸類を除去 た。溶出液を濃縮して得られた残渣(502 mg) 分取高速液体クロマトグラフィー[カラムSunF ire TM  Prep C18 OBD 10 μm(Waters社), φ19×250 mm、カ ム温度 40℃、流速 10 mL/min、85~100%メタノー ル水溶液で段階的に溶出]で分離精製するこ により、化合物C(57.0 mg)、化合物G(12.6 mg)お び化合物K(36.0 mg)をそれぞれ得た。

 画分2(300 mg)を、20 mLのシリカゲルを充填し たカラムに通塔し、n-ヘキサンと酢酸エチル 混合溶媒で溶出させた。目的化合物を含む 分を集めて濃縮し、得られた残渣(200 mg)を 取高速液体クロマトグラフィー[カラムSunFir e TM  Prep C18 OBD 10 μm, φ19×250 mm、カラム温度 40℃、流速 10 mL/min、85~100%メタノール水溶 で段階的に溶出]により分離精製し、化合物L (15.4 mg)、化合物B(21.1 mg)、化合物D(40.0 mg)、 よび化合物E(44.6 mg)をそれぞれ得た。

 画分3(1.5 g)を、分取高速液体クロマトグラ ィー[カラムSunFire TM  Prep C18 OBD 10 μm, φ19×250 mm、カラム温度 4 0℃、流速 10 mL/min、85~100%メタノール水溶液 段階的に溶出]により分離精製し、化合物B(9 .2 mg)および化合物F(23.3 mg)をそれぞれ得た。
 画分4(4.95 g)を、メタノールから再結晶する ことにより、化合物A(4.0 g)を得た。

 画分5(1.17 g)を、シリカゲルカラムクロマト グラフィー(メタノール/クロロホルムおよび タノール/酢酸エチル)、次いで分取高速液 クロマトグラフィー[カラムSunFire TM  Prep C18 OBD 10 μm, φ19×250 mm、カラム温度 40℃、流速 10 mL/min、40~100%メタノール水溶 で段階的に溶出]により分離精製し、化合物R (5.3 mg)、化合物S(4.5 mg)および化合物T(10.4 mg) をそれぞれ得た。

 画分6(4.01 g)を、シリカゲルカラムクロマト グラフィー(メタノール/酢酸エチル)、アルミ ナカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)お び分取高速液体クロマトグラフィー[カラム SunFire TM  Prep C18 OBD 10 μm, φ19×250 mm、カラム温度 室温、流速 10 mL/min、45~95%アセトニトリル 溶液で段階的に溶出]により分離精製し、化 物I(113.0 mg)、化合物M(3.4 mg)、化合物N(0.7 mg )、化合物O(2.0 mg)、化合物P(6.1 mg)および化合 物Q(7.1 mg)をそれぞれ得た。

化合物H、Jの製造
 Penicillium sp. CND1007株を含む寒天一片を、70 mL容試験管に入れた実施例1に記載の第一種 地(10 mL)に植菌し、28℃で72時間振盪培養を った。この第一種培養液を70 mL容試験管に れた実施例1に記載の第二種培地(10 mL)に0.5  mLずつ植菌し、同様に72時間振盪した。得ら た第二種培養液を300 mL容三角フラスコに入 た実施例1に記載の主発酵培地(50 mL)に5 mL つ60本(合計3 L)植菌し、25℃で5日間攪拌培養 (回転数220 rpm)を行った。

 得られた発酵培養液(3 L)に濾過助剤を10重 %の割合で添加後、吸引濾過を行って培養濾 と菌体とを分けた。分別した菌体にメタノ ル(2 L)を加えて充分に攪拌抽出し、吸引濾 機により濾過した。残渣にメタノール/アセ トン(1/1)を2 L加え、再度、抽出操作を行った 。抽出液を併合して、減圧下で濃縮後、450 m LのダイヤイオンHP-20を充填したカラムに通塔 して目的化合物を吸着させた。30%メタノール 水溶液(0.9 L)および70%メタノール水溶液(1.35  L)で洗浄後、メタノールおよびメタノール/ア セトン(7/3)各1.35 Lで目的化合物を溶出させた 。それぞれの溶出液を減圧下で濃縮し、250 m Lの80%メタノール水溶液および250 mLの70%メタ ール水溶液とした。それぞれを100 mLのヘキ サンで2回洗浄し、合一後、水を加えて40%メ ノール水溶液(900 mL)とした。次いで、得ら た水溶液をクロロホルムで抽出し2.21 gの粗 出物を得た。得られた粗抽出物をメタノー に溶解し、そこに少量のシリカゲルを加え タノールを留去することにより粗抽出物を リカゲルに吸着させた。200 mLのシリカゲル を充填したカラムの上に、上記のシリカゲル に吸着させた粗抽出物を重層し、ヘキサン/ 酸エチル(9/1)およびクロロホルム各500 mLで 浄後、メタノール/クロロホルムの混合溶媒 展開した。0.67%メタノールおよび1.0%メタノ ルで溶出される画分を濃縮して得られた600. 3 mgの褐色物質をメタノールに溶解し、生じ 結晶を除去した母液について、同様に分取 速液体クロマトグラフィー[カラムSunFire TM  Prep C18 OBD 10 μm, φ19×250 mm、カラム温度 4 0℃、流速 10 mL/min、メタノール/アセトニト ル/水(30/40/30)で溶出]で分離精製し、保持時 26.5分に溶出する化合物H(2.1 mg)を得た。さ に、同様に分取高速液体クロマトグラフィ [カラムSunFire TM  Prep C18 OBD 10 μm, φ19×250 mm、カラム温度 4 0℃、流速 10 mL/min、メタノール/アセトニト ル/水(40/40/20)で溶出]で分離精製し、保持時 11.5分に溶出する化合物J(1.0 mg)を得た。

 上記実施例1および2で得られる化合物A~Tの 理化学的データは以下の通りである。
化合物Aの物理化学的データ
FAB マススペクトル(m/z):443 [M+H] + , 465 [M+Na] + .
1 H-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  0.85 (3H, s), 1.00 (1H, ddd, J = 13.4, 13.4,  3.7 Hz), 1.03 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.03 (3H, d,  J = 6.8 Hz), 1.15 (1H, m), 1.28 (1H, dddd, J = 12.7, 12.7, 5.3, 3.3 Hz), 1.33 (1H, m), 1.35 (3H, s), 1.37 (1H, m), 1.57 (1H, dd, J = 15.3, 12.8 H z), 1.58 (1H, m), 1.60 (1H, m), 1.69 (1H, m), 1.74  (1H, m), 1.75 (2H, m), 1.78 (1H, m), 1.79 (1H, m ), 1.85 (1H, m), 1.87 (1H, m), 1.93 (1H, d, J =  13.3 Hz), 1.95 (1H, m), 2.00 (1H, m), 2.17 (1H, d,  J = 9.3 Hz), 2.25 (1H, m), 2.28 (1H, s), 2.32 ( 1H, m), 3.30 (1H, m), 3.47 (1H, m), 3.93 (1H, br.s ), 4.69 (1H, d, J = 1.3 Hz), 4.75 (1H, s), 5.36  (1H, s).
13 C-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  13.21, 22.31, 22.31, 22.64, 27.63, 29.19, 29.71 , 30.39, 31.43, 34.88, 35.16, 36.07, 38.19, 39.01, 4 0.69, 41.07, 49.56, 50.14, 55.40, 57.96, 60.04, 62.07 , 71.47, 74.54, 86.95, 106.98, 107.96, 157.09.
化合物Bの物理化学的データ
FAB マススペクトル(m/z):427 [M+H] + , 409 [M‐H 2 O+H] + .
高分解能FAB マススペクトル(m/z):
  実測値 427.3185
  理論値 427.3212 (C 28 H 43 O 3 として).
1 H-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  0.78 (3H, s), 1.04 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.0 4 (3H, d, J = 6.9 Hz), 1.12 (1H, ddd, J = 13.7, 13.7, 3.6 Hz), 1.25 (1H, m), 1.35 (3H, s), 1.37 ( 1H, m), 1.39 (1H, m), 1.40 (1H, m), 1.69 (1H, m), 1.71 (1H, m), 1.76 (1H, m), 1.78 (2H, m), 1.78 (2 H, m), 1.83 (1H, m), 1.84 (1H, m), 1.84 (1H, m),  1.88 (1H, m), 2.00 (2H, m), 2.01 (1H, m), 2.18 (1H , d, J= 9.4 Hz), 2.25 (1H, m), 2.26 (1H, m), 2.32  (1H, br.s), 3.51 (1H, m), 4.40 (1H, s), 4.71 (1H,  d, J = 1.3 Hz), 4.76 (1H, s), 5.17 (1H, s), 5.5 9 (1H, m).
13 C-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  13.57, 22.33, 22.33, 24.21, 27.79, 28.17, 30.39 ,30.60, 32.00, 35.19, 35.19, 35.29, 38.26, 38.48, 41. 18, 41.20, 49.77, 49.84, 57.33, 60.40, 71.47, 75.52, 87.64, 106.99, 107.03, 120.45, 135.06, 157.11.
化合物Cの物理化学的データ
FAB マススペクトル(m/z):437 [M+Na] + , 397 [M‐H 2 O+H] + .
高分解能FAB マススペクトル(m/z):
  実測値 397.3475
  理論値 397.3471 (C 28 H 45 Oとして)
  実測値 437.3334
  理論値 437.3395 (C 28 H 46 O 2 Naとして)
1 H-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  0.70 (3H, s), 0.81 (3H, s), 1.03 (3H, d, J  = 6.9 Hz), 1.03 (3H, d, J = 6.9 Hz), 1.09 (1H, m ), 1.25 (1H, m), 1.26 (3H, s), 1.29 (1H, m), 1.36 (1H, m), 1.37 (1H, m), 1.47 (1H, m), 1.51 (1H, m) , 1.54 (1H, m), 1.58 (1H, m), 1.61 (1H, m), 1.62  (1H, m), 1.63 (1H, m), 1.65 (1H, m), 1.66 (1H, m),  1.74 (1H, m), 1.74 (1H, m), 1.76 (2H, m), 1.78 ( 1H, m), 1.83 (1H, m), 1.84 (1H, m), 2.05 (1H, m), 2.11 (1H, m), 2.11 (1H, m), 2.25 (1H, m), 3.50 (1 H, m), 4.67 (1H, d, J = 1.4 Hz), 4.73 (1H, s), 5 .18 (1H, m).
13 C-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  13.43, 14.10, 22.41, 22.41, 22.57, 23.30, 23.63 , 25.96, 29.97, 30.83, 32.12, 35.24, 35.34, 38.35, 3 8.70, 41.28, 41.63, 43.64, 44.65, 50.83, 56.58, 59.69 , 71.58, 75.90, 106.76, 118.96, 140.51, 157.76.
化合物Dの物理化学的データ
FAB マススペクトル(m/z):395 [M‐H 2 O+H] + .
高分解能FAB マススペクトル(m/z):
  実測値 395.3316
  理論値 395.3314 (C 28 H 43 Oとして)
1 H-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  0.76 (3H, s), 0.85 (3H, s), 1.03 (3H, d, J  = 6.9 Hz), 1.03 (3H, d, J = 6.9 Hz), 1.09 (1H, m ), 1.24 (1H, m), 1.25 (1H, m), 1.38 (1H, m), 1.41 (1H, m), 1.48 (1H, m), 1.62 (1H, m), 1.67 (1H, m) , 1.70 (1H, m), 1.75 (1H, m), 1.77 (1H, m), 1.80  (2H, m), 1.81 (1H, m), 1.83 (1H, m), 1.85 (1H, m),  2.12 (1H, m), 2.14 (1H, m), 2.14 (1H, m), 2.21 ( 1H, m), 2.22 (1H, m), 2.25 (1H, m), 2.28 (1H, m), 3.51 (1H, m), 4.48 (1H, m), 4.68 (1H, d, J = 1.2  Hz), 4.75 (1H, s), 4.88 (1H, s), 4.92 (1H, d, J = 0.7 Hz), 5.86 (1H, m).
13 C-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  13.28, 16.73, 22.30, 22.35, 22.53, 31.00, 32.20 , 34.73, 35.08, 35.44, 37.73, 38.28, 38.75, 40.86, 4 1.46, 41.61, 44.85, 51.44, 56.90, 59.87, 71.55, 72.15 , 107.19, 110.75, 120.48, 137.17, 150.20, 157.03.
化合物Eの物理化学的データ
FAB マススペクトル(m/z):415 [M+H] + 、413 [M‐H] .
1 H-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  0.72 (3H, s), 0.94 (3H, s), 0.99 (3H, d, J  = 6.5 Hz), 1.02 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.03 (3H, d , J = 6.8 Hz), 1.17 (1H, dddd, J = 13.5, 10.7, 8 .6, 4.8 Hz), 1.31 (1H, t, J= 9.5 Hz), 1.41 (1H, m ), 1.43 (1H, m), 1.43 (1H, m), 1.46 (1H, m), 1.46 (1H, m), 1.46 (1H, m), 1.48 (1H, m), 1.59 (1H, dd dd, J = 13.5, 10.9, 5.9, 2.7 Hz), 1.71 (1H, m), 1 .73 (1H, m), 1.84 (1H, m), 1.93 (1H, ddd, J = 14. 8, 10.2, 5.9 Hz), 2.03 (1H, m), 2.09 (1H, m), 2.13  (1H, m), 2.19 (1H, m), 2.21 (1H, m), 2.24 (1H, m ), 2.30 (1H, m), 2.41 (1H, m), 2.50 (1H, dd, J = 12.8, 3.4 Hz), 3.56 (1H, m), 4.66 (1H, d, J = 1. 3 Hz), 4.72 (1H, s).
13 C-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  11.48, 17.11, 19.13, 22.27, 22.27, 22.44, 22.81 , 30.00, 30.88, 31.39, 32.07, 33.92, 34.93, 35.16, 3 5.90, 36.98, 37.22, 45.55, 47.13, 50.10, 55.52, 70.68 , 106.96, 119.65, 146.22, 157.67, 173.11.
化合物Fの物理化学的データ
FAB マススペクトル(m/z):413 [M+H] + , 395 [M‐H 2 O+H] + .
高分解能FAB マススペクトル(m/z):
  実測値 413.3389
  理論値 413.3419 (C 28 H 45 O 2 として)
1 H-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  0.63 (3H, s), 1.00 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.0 2 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.03 (3H, d, J = 6.8 Hz) , 1.15 (1H, m), 1.18 (1H, m), 1.20 (3H, s), 1.33  (1H, m), 1.33 (1H, m), 1.40 (1H, m), 1.43 (1H, m),  1.43 (1H, m), 1.43 (1H, m), 1.52 (1H, m), 1.59 ( 1H, m), 1.63 (1H, m), 1.88 (1H, m), 1.89 (1H, m), 1.93 (1H, m), 1.95 (1H, m), 1.95 (1H, m), 2.09 (1 H, dd, J= 16.2, 3.7 Hz), 2.10 (1H, m), 2.12 (1H,  m), 2.14 (1H, m), 2.23 (1H, m), 2.38 (1H, m), 2.42  (1H, m), 2.42 (1H, m), 2.51 (1H, m), 3.56 (1H, m ), 4.65 (1H, d, J = 1.5 Hz), 4.72 (1H, s).
13 C-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  11.75, 17.49, 19.28, 22.28, 22.44, 26.00, 26.51 , 30.23, 32.00, 32.10, 34.92, 35.49, 35.92, 36.94, 3 7.24, 38.21, 39.65, 42.53, 43.46, 43.73, 49.57, 54.74 , 70.58, 106.93, 134.04, 157.74, 168.71, 201.45.
化合物Gの物理化学的データ
1 H-NMR:δ(ppm, CDCl 3 )  4.72 (1H, s), 4.66 (1H, s), 2.50 (1H, m), 2.46  (1H, m), 2.43 (1H, m), 2.41 (1H, m), 2.39 (1H, m ), 2.37 (1H, m), 2.23 (2H, m), 2.21 (1H, m), 2.17 (1H, m), 2.15 (1H, m), 2.11 (1H, m), 2.09 (1H, m) , 1.98 (1H, m), 1.89 (1H, m), 1.74 (1H, ddd, J = 13.1, 13.1, 5.8 Hz), 1.58 (1H, m), 1.46 (1H, m),  1.45 (1H, m), 1.37 (3H, s), 1.35 (2H, m), 1.18 (1H , m), 1.17 (1H, m), 1.03 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1. 02 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.98 (3H, d, J = 6.6 Hz ), 0.63 (3H, s).
13 C-NMR:δ(ppm, CDCl 3 )  208.9 (s), 197.5 (s), 163.0 (s), 156.7 (s), 134 .0 (s), 106.1 (t), 53.5 (d), 48.3 (d), 43.7 (t), 4 2.52 (s), 42.46 (d), 42.3 (t), 38.2 (s), 37.9 (t), 36.1 (d), 35.8 (t), 35.7 (t), 34.6 (t), 33.8 (d), 31.1 (t), 29.2 (t), 25.7 (t), 24.8 (t), 22.0 (q), 21.9 (q), 18.9 (q), 16.4 (q), 11.5 (q).
化合物Hの物理化学的データ
FAB マススペクトル(m/z):481 [M+Na] + , 459 [M+H] + , 341 [M‐H 2 O+H] +  , 457 [M‐H] .
高分解能FAB マススペクトル(m/z):
  実測値 459.3080
  理論値 459.3110 (C 28 H 43 O 5 として)
1 H-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  0.95 (3H, s), 1.02 (1H, m), 1.04 (3H, d, J  = 6.8 Hz), 1.04 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.15 (1H, m ), 1.33 (1H, m), 1.38 (1H, m), 1.47 (3H, s), 1.53 (1H, dd, J = 13.0, 3.9 Hz), 1.59 (1H, m), 1.64 ( 1H, dd, J = 15.4, 12.9 Hz), 1.72 (1H, m), 1.74 (1 H, m), 1.79 (1H, m), 1.84 (1H, m), 1.85 (1H, m),  1.89 (1H, m), 1.89 (2H, m), 1.90 (1H, m), 2.01 (1H , m), 2.08 (1H, m), 2.18 (1H, d, J = 2.5 Hz), 2. 28 (1H, m), 2.36 (1H, m), 2.40 (1H, m), 2.44 (1H, dd, J =7.5, 6.3 Hz), 3.36 (1H, d, J=5.8 Hz), 3.47  (1H, m), 4.12 (1H, dd, J = 4.4, 2.2 Hz), 4.74 ( 1H, d, J= 1.2 Hz), 4.79 (1H, s).
13 C-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  12.98, 20.95, 22.29, 22.29, 27.69, 29.68, 29.83 , 31.49, 35.14, 35.53, 35.93, 36.87, 38.28, 38.57, 3 9.01, 41.21, 50.69, 53.52, 54.92, 54.98, 55.50, 63.93 , 71.42, 71.47, 85.84, 107.33, 156.54, 180.61.
化合物Iの物理化学的データ
ESI-MS m/z 435 [M+H] +
1 H NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 400 MHz)  9.72 (1H, br.s), 7.52 (1H, d, J = 8. 5Hz), 6.66 (1H, d, J = 8.5Hz), 5.62 (1H, br.s), 3. 19 (1H, d, J = 10.2Hz), 3.14 (1H, ddd, J = 8.4,  8.4, 3.5Hz), 2.93 (1H, d, J = 17.2Hz), 2.78 (1H, d , J = 17.4Hz), 2.77 (2H, s), 2.69 (1H, d, J = 10 .2Hz), 2.61 (1H, ddd, J = 12.2, 9.1, 4.7Hz), 2.39  (1H, dd, J = 17.2, 8.6Hz), 2.17 (1H, m), 2.16 (1H,  m), 1.98 (1H, dd, J = 11.8, 2.6Hz), 1.95 (2H, m) , 1.50 (3H, s), 1.50 (3H, s), 1.47 (1H, ddd, J = 12.2, 11.0, 7.0Hz), 1.31 (3H, s), 1.23 (3H, s).
13 C NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 100 MHz)  194.15 (s), 173.69 (s), 157.60(s), 141. 45 (s), 134.29 (s), 126.85 (d), 121.38 (s), 109.83  (d), 105.31 (s), 103.19 (s), 79.61 (s), 65.34 (s),  62.46 (t), 55.95 (s), 53.50 (t), 48.81 (t), 46.18 ( d), 34.31 (s), 31.96 (t), 29.24 (t), 27.91 (q), 27. 33 (t), 26.70 (q), 26.64 (q), 24.73(q), 22.89 (t).
化合物Jの物理化学的データ
FAB マススペクトル(m/z):413 [M‐H 2 O+H] +  , 395 [M‐2H 2 O+H] + .
高分解能FAB マススペクトル(m/z):
  実測値 413.3422
  理論値 413.3419 (C 28 H 45 O 2 として)
1 H-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  0.85 (3H, s), 1.01 (3H, s), 1.03 (3H, d, J  = 6.8 Hz), 1.04 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.09 (1H, m ), 1.24 (1H, m), 1.24 (1H, m), 1.28 (3H, s), 1.38 (1H, m), 1.40 (1H, m), 1.51 (1H, m), 1.56 (1H, m) , 1.56 (1H, m), 1.57 (1H, m), 1.62 (1H, m), 1.66  (1H, m), 1.67 (1H, m), 1.68 (1H, m), 1.75 (1H, m),  1.79 (2H, m), 1.80 (1H, m), 1.83 (1H, m), 2.05 ( 1H, m), 2.06 (1H, m), 2.10 (1H, m), 2.25 (1H, m), 2.25 (1H, m), 3.50 (1H, m), 4.43 (1H, m), 4.67 (1 H, d, J = 1.2 Hz), 4.73 (1H, s), 5.84 (1H, m).
13 C-NMR:δ(ppm, CD 3 OD)  13.26, 17.36, 22.32, 22.41, 22.41, 25.76, 29.80 , 31.04, 32.19, 35.28, 35.38, 37.53, 38.26, 38.75, 4 1.44, 42.88, 43.47, 44.27, 51.26, 59.79, 60.50, 71.56 , 71.56, 75.68, 106.76, 120.74, 137.10, 157.76.
化合物Kの物理化学的データ
ESI マススペクトル(m/z):393.4 [M‐H 2 O+H] + .
1 H-NMR:δ(ppm, CDCl 3 )  0.82 (3H, s), 1.04 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.06 (3H, s), 1.29 (1H, ddd, J = 12.7, 12.7, 4.2 Hz), 1.47 (1H, ddd, J = 14.4, 14.4, 4.4 Hz), 1.53 (1H,  m), 1.68 (1H, m), 1.93‐1.82 (7H, m), 2.37‐2.12 (11H, m), 4.53 (1H, m), 4.68 (1H, s), 4.76(1H, s),  4.91 (1H, s), 4.96 (1H, s), 5.83 (1H, m).
13 C-NMR:δ(ppm, CDCl 3 )  12.3, 16.5, 21.5, 21.9, 22.0, 30.2, 33.4, 34.1, 34.5, 36.4, 38.2, 38.8, 39.5, 40.1, 42.8, 43.6, 44. 2, 49.5, 58.8, 71.6, 106.5, 110.4, 118.9, 136.3, 148 .4, 155.8, 211.6.
化合物Lの物理化学的データ
ESI マススペクトル(m/z):425.4 [M +H] +  , 407.4 [M‐H 2 O+H] + .
1 H-NMR:δ(ppm, CDCl 3 )  0.92 (3H, s), 1.03 (6H, d, J=6.8 Hz), 1.30 (1H , m), 1.38 (3H, s), 1.52 (1H, m), 2.12‐1.72 (13H,  m), 2.34‐2.21 (4H, m), 2.47 (1H, ddd, J = 14.2,  4.6, 2.2 Hz), 3.64 (1H, m), 4.37 (1H, s), 4.72 ( 1H, s), 4.76 (1H, s), 5.33 (1H, s), 5.59 (1H, dd, J = 5.6, 2.4 Hz), 5.76 (1H, m).
13 C-NMR:δ(ppm, CDCl 3 )  16.3, 21.9, 21.9, 22.2, 26.7, 27.5, 29.5, 32.0, 34.0, 34.7, 37.2, 38.5, 39.8, 40.9, 45.9, 48.4, 55. 2, 58.8, 70.7, 74.4, 86.0, 105.9, 106.5, 118.3, 119. 3, 133.6, 140.9, 155.7.
化合物Mの物理化学的データ
1 H-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 400 MHz)  7.97 (1H, br s), 7.33 (1H, d, J = 7 .8 Hz), 7.25 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.09 (1H, t, J  = 7.8 Hz), 6.77 (1H, d, J = 16.4 Hz), 6.26 (1H,  d, J = 16.4 Hz), 5.69 (1H, br s), 3.28 (3H, s),  3.21 (1H, d, J = 10.0 Hz), 3.15 (1H, m), 2.96 ( 1H, d, J= 17.3 Hz), 2.81 (1H, d, J = 17.3 Hz), 2 .69 (1H, d, J = 10.0 Hz), 2.62 (1H, m), 2.40 (1H,  m), 2.19 (2H, m), 1.98 (1H, m), 1.95 (2H, m), 1. 50 (1H, m), 1.440 (3H, s), 1.436 (3H, s), 1.33 (3H , s), 1.25 (3H, s).
13 C-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 100 MHz)  173.7 (s), 141.7 (s), 136.6 (d), 134.2  (s), 127.7 (s), 124.6 (d), 120.6 (s), 120.0 (d),  119.9 (d), 117.3 (d), 103.8 (s), 75.4 (s), 65.4 (s) , 62.4 (t), 55.9 (s), 53.5 (t), 50.6 (q), 46.2 (d) , 34.3 (s), 32.0 (t), 29.4 (t), 27.9 (q), 27.3 (t) , 26.2 (q), 26.1 (q), 24.9 (q), 22.9 (t).
化合物Nの物理化学的データ
1 H-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 500 MHz)  10.31 (1H, br s), 7.77 (1H, d, J= 7. 6 Hz), 7.64 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.14 (1H, t, J = 7.6 Hz), 6.93 (1H, t, J = 1.2 Hz), 5.68 (1H,  br s), 3.22 (1H, d, J = 10.1 Hz), 3.15 (1H, m),  2.99 (1H, d, J = 17.2 Hz), 2.84 (1H, d, J = 17.2  Hz), 2.71 (1H, d, J = 10.1 Hz), 2.62 (1H, m), 2 .38 (1H, m), 2.25 (3H, d, J = 1.2 Hz), 2.21 (1H, m), 2.15 (1H, m), 2.05 (3H, d, J = 1.2 Hz), 2.00  (1H, m), 1.95 (2H, m), 1.46 (1H, m), 1.36 (3H, s ), 1.26 (3H, s).
13 C-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 125 MHz)  193.3 (s), 173.6 (s), 155.3 (s), 143.3  (s), 136.1 (s), 128.6 (s), 123.8 (d), 123.6 (d),  121.2 (s), 121.0 (d), 118.5 (d), 102.8 (s), 65.4 (s ), 62.5 (t), 56.0 (s), 53.5 (t), 46.2 (d), 34.4 (s ), 32.0 (t), 29.3 (t), 28.0 (q), 27.9 (q), 27.3 (t ), 24.8 (q), 22.9 (t), 21.1 (q).
化合物Oの物理化学的データ
1 H-NMR:δ(ppm,CDCl 3 , 400 MHz)  7.83 (1H, br s), 7.29 (1H, d, J= 7.3  Hz), 7.05 (1H, t, J = 7.3 Hz), 6.98 (1H, d, J  = 7.3 Hz), 5.67 (1H, br s), 5.42 (1H, m), 3.57 (2 H, m), 3.21 (1H, d, J = 10.3 Hz), 3.15 (1H, m),  2.96 (1H, d, J = 17.1 Hz), 2.81 (1H, d, J = 17.1  Hz), 2.69 (1H, d, J = 10.3 Hz), 2.62 (1H, m), 2 .40 (1H, m), 2.19 (2H, m), 1.97 (3H, m), 1.86 (3H,  s), 1.79 (3H, d, J = 1.2 Hz), 1.48 (1H, m), 1.2 7 (3H, s), 1.21 (3H, s).
13 C-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 100 MHz)  174.0 (s), 141.1 (s), 135.6 (s), 133.2  (s), 127.0 (s), 123.6 (s), 122.5 (d), 121.7 (d),  119.9 (d), 115.9 (d), 103.5 (s), 65.5 (s), 62.4 (t) , 56.0 (s), 53.5 (t), 46.1 (d), 34.3 (s), 32.0 (t) , 30.9 (t), 29.5 (t), 27.9 (q), 27.3 (t), 25.7 (q) , 25.0 (q), 22.9 (t), 18.0 (q).
化合物Pの物理化学的データ
ESI-MS m/z 450.2 [M+H] + , 448.1 [M‐H] - .
1 H-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 400 MHz)  9.20 (1H, br s), 7.54 (1H, br s), 7. 42 (1H, d, J = 8.3 Hz), 6.54 (1H, d, J = 8.3 Hz ), 3.62 (1H, d, J = 8.8 Hz), 3.32 (1H, t, J = 8 .8 Hz), 3.14 (1H, m), 2.74 (1H, d, J = 16.6 Hz), 2.68 (1H, d, J = 16.6 Hz), 2.64 (1H, m), 2.48 (1 H, d, J = 8.8 Hz), 2.32 (1H, d, J = 15.1 Hz), 2 .21 (1H, m), 2.07 (1H, d, J = 15.1 Hz), 1.97 (3H,  m), 1.67 (1H, dd, J= 12.7, 8.8 Hz), 1.50 (1H, m) , 1.49 (3H, s), 1.47 (3H, s), 0.98 (3H, s), 0.78  (3H, s).
13 C-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 100 MHz)  193.7 (s), 183.3 (s), 174.6 (s), 159.3  (s), 142.9 (s), 133.0 (d), 121.5 (s), 109.6 (d),  104.9 (s), 79.4 (s), 66.9 (s), 63.3 (s), 63.0 (t), 61.7 (s), 53.6 (t), 48.8 (t), 48.6 (d), 47.1 (s), 40.2 (t), 32.0 (t), 26.8 (q), 26.74 (q), 26.70 (t) , 23.9 (t), 22.9 (q), 21.1 (q).
化合物Qの物理化学的データ
ESI-MS m/z450.2 [M+H] + .
1 H-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 400 MHz)  10.54 (1H, s), 7.67 (1H, br s), 7.43 (1H, d, J = 8.3 Hz), 6.49 (1H, d, J = 8.3 Hz), 3.60 (1H, d, J= 8.8 Hz), 3.16 (1H, t, J = 7.8 H Z), 3.11 (1H, m), 2.86 (1H, d, J= 16.8 Hz), 2.63  (1H, m), 2.55 (1H, d, J = 16.8 Hz), 2.48 (1H, d, J= 8.8 Hz), 2.29 (1H, d, J = 15.4 Hz), 2.20 (1H,  m), 2.08 (1H, d, J= 15.4 Hz), 1.96 (3H, m), 1.76  (3H, s), 1.65 (1H, dd, J = 12.7, 7.8 Hz), 1.50  (1H, m), 1.44 (3H, s), 0.94 (3H, s), 0.81 (3H, s).
13 C-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 100 MHz)  196.7 (s), 182.3 (s), 174.8 (s), 159.5  (s), 147.0 (s), 134.2 (d), 118.3 (s), 108.3 (d),  103.9 (s), 66.8 (s), 64.2 (s), 63.2 (s), 62.9 (t), 56.9 (s), 53.5 (t), 51.5 (t), 48.7 (d), 47.2 (s), 40.2 (t), 32.1 (t), 26.73 (t), 26.68 (q), 23.92 (t ), 23.88 (q), 23.1 (q), 21.0 (q).
化合物Rの物理化学的データ
ESI-MS m/z 442.2 [M-H 2 O+H] + , 458.2 [M‐H] - .
1 H-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 400 MHz)  8.33 (1H, dd, J = 8.1, 1.5 Hz), 7.79  (1H, ddd, J = 8.3, 7.1, 1.5 Hz), 7.71 (1H, d, J  = 8.3 Hz), 7.54 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.53 (1H, ddd, J = 8.1, 7.1, 1.5 Hz), 7.33 (1H, ddd, J =  7.8, 7.6, 1.2 Hz), 7.30 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.10  (1H, ddd, J = 7.6, 7.6, 1.2 Hz), 6.06 (1H, br s ), 5.88 (1H, m), 5.28 (1H, s), 4.91 (1H, br s), 4 .80 (1H, q, J = 6.6 Hz), 2.76 (1H, dd, J= 14.7,  3.7 Hz), 2.45 (1H, dd, J = 14.7, 9.0 Hz), 1.81 (3 H, d, J= 6.6 Hz), 1.53 (3H, s), 1.42 (3H, s).
13 C-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 125 MHz)  175.2 (s), 169.6 (s), 160.4 (s), 150.7  (s), 146.9 (s), 138.0 (s), 137.5 (s), 134.8 (d),  130.2 (d), 127.6 (d), 127.2 (d), 125.2 (d), 124.0 ( d), 120.5 (s), 115.8 (d), 78.4 (d), 74.1 (s), 64.8 (s), 52.0 (d), 49.5 (d), 39.5 (t), 26.4 (q), 25.4 (q), 17.4 (q).
化合物Sの物理化学的データ
ESI-MS m/z 458.2 [M+H] + , 456.2 [M‐H] - .
1 H-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 500 MHz)  8.29 (1H, dd, J = 7.9. 1.1 Hz), 7.79  (1H, ddd, J = 8.3, 7.1, 1.2 Hz), 7.73 (1H, dd,  J = 8.3, 1.2 Hz), 7.50 (1H, ddd, J = 7.9, 7.1, 1 .2 Hz), 7.49 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.34 (1H, d, J  = 7.6 Hz), 7.28 (1H, ddd, J = 7.9, 7.7, 1.2 Hz) , 7.20 (1H, br s), 7.06 (1H, ddd, J = 7.7, 7.6,  1.0 Hz), 5.74 (1H, dd, J = 8.0, 3.3 Hz), 5.21 (1H , s), 2.95 (1H, dd, J = 15.2, 3.3 Hz), 2.90 (1H, dd, J = 15.2, 8.0 Hz), 2.08 (3H, s), 1.39 (3H, s ), 136 (3H, s).
13 C-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 100 MHz)  175.4 (s), 170.6 (s), 160.9 (s), 150.2  (s), 146.7 (s), 137.8 (s), 137.5 (s), 135.0 (d),  130.2 (d), 128.0 (d), 127.8 (d), 127.0 (d), 125.2 ( d), 124.3 (d), 120.7 (s), 115.6 (d), 81.2 (s), 79.1  (d), 74.8 (s), 65.1 (s), 52.8 (d), 42.1 (t), 27.3  (q), 26.0 (q), 25.0 (q).
化合物Tの物理化学的データ
ESI-MS m/z 444.2 [M+H] + , 442.1 [M‐H] - .
1 H-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 400 MHz)  8.20 (1H, dd, J = 8.1, 1.2 Hz), 7.77  (1H, ddd, J = 7.1, 7.1, 1.5 Hz), 7.72 (1H, br s ), 7.71 (1H, d, J= 7.1 Hz), 7.50 (1H, ddd, J = 8 .1, 7.1, 1.2 Hz), 7.36 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.30 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.24 (1H, ddd, J = 7.6, 7. 6, 1.2 Hz), 7.08 (1H, ddd, J = 7.6, 7.3, 1.0 Hz),  5.61 (1H, dd, J = 4.9, 2.2 Hz), 4.79 (1H, d, J = 1.2 Hz), 4.49 (1H, br s), 4.40 (1H, q, J= 6.8 Hz), 3.34 (1H, dd, J = 15.4, 4.9 Hz), 2.56 (1H,  dd, J = 15.4, 2.2 Hz), 2.11 (3H, s), 1.59 (3H, d J = 6.8 Hz).
13 C-NMR:δ(ppm, CDCl 3 , 100 MHz)  170.2 (s), 169.0(s), 160.1 (s), 149.7  (s), 146.8 (s), 138.7 (s), 136.3 (s), 135.1 (d), 13 0.2 (d), 127.9 (d), 127.8 (d), 126.9 (d), 125.8 (d) , 123.4 (d), 120.3 (s), 116.4 (d), 82.6 (d), 77.3  (s), 71.6 (s), 63.2 (d), 54.1 (d), 37.4 (t), 24.8  (q), 17.3 (q).

化合物U、V、WおよびXの製造
 フラスコ種培地としては、グルコース(20 g/ L)、マッシュポテト(30 g/L)、および乾燥酵母 キス(5 g/L)を組成とする培地(pH 6.5)を用い 発酵培地としては、スクロース(30 g/L)、可 性デンプン(20 g/L)、Corn Steep Liquor(CSL)(30 g/L )、麦芽エキス(20 g/L)、および炭酸カルシウ (5 g/L)を組成とする培地(pH 5.0)を用いた。Pen icillium sp. CND1007株の胞子懸濁液(3 x 10 8 個/mL)約2 mLを、250 mL容三角フラスコに入れ 第一種培地(50 mL)に植菌し、25℃で48時間振 培養(撹拌数:220 rpm)を行った。次に第一種培 養液の全量(約50 mL)を2 L容三角フラスコに入 れた第二種培地(400 mL)に植菌し、同様に25℃ 24時間振盪培養(撹拌数:220 rpm)を行った。続 いて第二種培養液の全量(約390 mL)を30 L容ジ ーファーメンターに入れた発酵培地(15 L)に 植菌し、25℃で24時間通気攪拌培養(撹拌数:100  rpm; 通気流量:10L/min)を行った。続いて第三 培養液(約3.9 L)を200 L容ジャーファーメン ーに入れた主発酵培地(130 L)に植菌し、25℃ 144時間通気攪拌培養(回転:150 rpm; 通気流量 :75L/min)を行った。

 得られた発酵培養液(約120 L)に濾過助剤(ラ オライト#600、昭和化学工業社)を10重量%の 合で添加後、吸引ろ過により培養濾液と菌 とに分けた。分別した菌体に30 Lのメタノー ルを加え、室温で2回抽出した。抽出液(60 L) 水(120 L)を加えて希釈し、5 Lのダイヤイオ HP20(三菱化学社製)を充填したカラムに通塔 て目的化合物を吸着させた。33%メタノール( 2 L x 4)および66%メタノール(2 L x 4)で洗浄 た後、100%メタノール(2 L x 4)、33%アセトン /メタノール(2 L x 4)および100%アセトン(2 L) 目的化合物を溶出させた。溶出液(約18 L)を 約5 Lまで減圧濃縮した後、水(約5 L)を加え 希釈し、クロロホルム(10 L)で2回抽出した。 抽出液を減圧濃縮して得られた残渣(138 g)を2  Lのシリカゲルを充填したカラムに通塔し、 n-ヘキサン(2 L x 2)、25% 酢酸エチル/n-ヘキ ン(2 L x 2)、50% 酢酸エチル/n-ヘキサン(2 L x 2)、75% 酢酸エチル/n-ヘキサン(2 L x 2)、 酸エチル(2 L x 2)、25% メタノール/酢酸エ ル(2 L x 2)、および50% メタノール/酢酸エ ル(2 L x 2)を用いて段階的に溶出させた。5 0%および75%酢酸エチル/n-ヘキサン溶出液を減 濃縮して得られる残渣(16.6 g)をシリカゲル ラムクロマトグラフィー(500 mL容; 0~100%酢 エチル/n-ヘキサン)によって分画し、化合物U 、V、WおよびXを含む画分(4.88 g)を得た。化合 物U、V、WおよびXを含む画分(4.88 g)を分取高 液体クロマトグラフィー[カラムSunFire TM  Prep C18 OBD 10 μm(Waters社), φ19×250 mm、カ ム温度 40℃、流速 10 mL/min、85~100%メタノー ル水溶液またはアセトニトリル水溶液で段階 的に溶出]によって分離精製することにより 化合物U(1.7 mg)、化合物V(2.9 mg)、化合物W(10.7  mg)、および化合物X(3.4 mg)をそれぞれ得た。

化合物E、Y、Z、AA、およびBBの製
 実施例3記載の方法に順じて得られた発酵培 養液(120 L)を吸引ろ過により培養濾液と菌体 に分けた。分別した菌体に30 Lのメタノー を加え、室温で2回抽出した。抽出液(60 L)に 水(120 L)を加えて希釈し、5 Lのダイヤイオン HP20(三菱化学社製)を充填したカラムに通塔し て目的化合物を吸着させた。33%メタノール(2 L x 4)および66%メタノール(2 L x 4)で洗浄し た後、100%メタノール(2 L x 4)、33%アセトン/ タノール(2 L x 4)および100%アセトン(2 L x 3)で目的化合物を溶出させた。溶出液(約22 L )を約8 Lまで減圧濃縮した後、水(約7 L)を加 て希釈し、クロロホルム(10 L)で3回抽出し 。抽出液を減圧濃縮して得られた残渣(81.3 g )を2.5 Lのシリカゲルを充填したカラムに通 し、n-ヘキサン(2 L x 3)、25% 酢酸エチル/n- キサン(2 L x 2)、50% 酢酸エチル/n-ヘキサ (2 L x 2)、75% 酢酸エチル/n-ヘキサン(2 L x 2)、酢酸エチル(2 L x 2)、25% メタノール/酢 酸エチル(2 L x 2)、および50% メタノール/酢 酸エチル(2 L x 2)を用いて段階的に溶出させ た。50%酢酸エチル/n-ヘキサン溶出液を減圧濃 縮して得られる残渣(2.4 g)にメタノールを添 し、析出した固体をろ取して、化合物E(約40 0 mg)を得た。次いで、ろ液を分取高速液体ク ロマトグラフィー[カラムSunFire TM  Prep C18 OBD 10 μm(Waters社), φ19×250 mm、カ ム温度 40℃、流速 10 mL/min、85~100%アセトニ トリル水溶液で段階的に溶出]によって分離 製することにより、化合物Y(38.8 mg)、化合物 Z(12.1 mg)、化合物AA (23.4 mg)、および化合物BB  (9.4 mg)をそれぞれ得た。

 上記実施例3および4で得られる化合物U~BBの 理化学的データは以下の通りである。
化合物Uの物理化学的データ
1 H NMRδ(ppm, CDCl 3 , 500 MHz)  4.73 (1H, s), 4.66 (1H, d, J = 1.4  Hz), 3.63 (1H, m), 2.49 (1H, m), 2.40 (1H, m), 2.2 6 (1H, m), 2.23 (1H, m), 2.21 (1H, m), 2.20 (1H,  m), 2.09 (1H, m), 2.00 (1H, ddd, J= 13.1, 3.3, 3.3  Hz), 1.95 (1H, m), 1.91 (1H, m), 1.90 (1H, m), 1 .74 (1H, m), 1.72 (1H, m), 1.63 (1H, m), 1.58 (1H,  m), 1.51 (1H, m), 1.49 (1H, m), 1.47 (1H, m), 1. 44 (1H, m), 1.34 (1H, ddd, J = 13.1, 2.9, 2.9 Hz) , 1.28 (1H, m), 1.21 (1H, m), 1.20 (1H, m), 1.03  (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.02 (3H, d, J= 6.9 Hz), 0. 97 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.93 (3H, s), 0.85 (3H,  s).
13 C NMRδ(ppm, CDCl 3 , 125 MHz)  169.4 (s), 156.6 (s), 140.3 (s), 129.9  (s), 106.2 (t), 70.6 (d), 56.7 (d), 49.8 (d), 47. 0 (d), 44.3 (s), 36.4 (t), 34.8 (d), 34.42 (t), 34 .40 (t), 33.9 (2C, d & s), 31.4 (t), 30.9 (t),  30.3 (t), 27.8 (t), 22.6 (t), 22.0 (q), 21.9 (q),  20.7 (t), 19.0 (q), 18.8 (q), 13.2 (q).
化合物Vの物理化学的データ
1 H NMRδ(ppm, CDCl 3 , 500 MHz)  5.76 (1H, m), 4.74 (1H, s), 4.67 (1H,  d, J = 1.4 Hz), 3.64 (1H, m), 2.48 (1H, m), 2.4 3 (1H, dd, J = 12.7, 3.4 Hz), 2.35 (1H, m), 2.30 (2H, m), 2.24 (1H, m), 2.16 (1H, m), 2.12 (1H, m) , 2.08 (1H, m), 1.94 (1H, m), 1.93 (1H, m), 1.76  (1H, m), 1.67 (1H, m), 1.63 (1H, m), 1.60 (1H, m),  1.59 (1H, m), 1.49 (1H, m), 1.47 (1H, m), 1.45 ( 1H, m), 1.23 (1H, m), 1.04 (3H, d, J = 6.7 Hz),  1.031 (3H, d, J= 6.8 Hz), 1.030 (3H, s), 0.98 (3H,  d, J = 6.2 Hz), 0.87 (3H, s).
13 C NMRδ(ppm, CDCl 3 , 125 MHz)  170.1 (s), 156.6 (s), 141.6 (s), 140.7  (s), 121.9 (s), 121.1 (d), 106.2 (t), 70.2 (d), 5 7.1 (d), 46.9 (s), 46.1 (d), 36.4 (t), 35.8 (t), 3 4.7 (s), 34.6 (t), 33.9 (2C, d), 33.4 (t), 30.9 (t ), 30.8 (t), 30.1 (t), 22.0 (q), 21.9 (q), 21.2 (t ), 18.9 (q), 17.5 (q), 15.6 (q).
化合物Wの物理化学的データ
1 H NMRδ(ppm, CDCl 3 , 500 MHz)  4.71 (1H, s), 4.65 (1H, d, J = 1.4  Hz), 3.61 (1H, m), 2.36 (1H, t, J = 12.7 Hz), 2.3 5 (1H, t, J = 11.2 Hz), 2.22 (1H, m), 2.20 (1H,  m), 2.09 (1H, m), 2.03 (1H, dd, J = 12.7, 3.4 Hz) , 1.99 (1H, m), 1.92 (1H, m), 1.88 (1H, m), 1.87  (1H, m), 1.77 (1H, m), 1.62 (1H, m), 1.56 (1H, m),  1.55 (1H, m), 1.53 (1H, m), 1.50 (1H, m), 1.48 ( 1H, m), 1.44 (1H, m), 1.42 (1H, m), 1.41 (1H, m), 1.27 (1H, m), 1.17 (1H, m), 1.14 (1H, m), 1.11 (1 H, m), 1.10 (1H, m), 1.08 (3H, s), 1.03 (3H, d, J  = 6.8 Hz), 1.02 (1H, m), 1.01 (3H, d, J = 6.9  Hz), 0.96 (1H, m), 0.94 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.66  (3H, s).
13 C NMRδ(ppm, CDCl 3 , 125 MHz)  212.1 (s), 156.8 (s), 106.1 (t), 70.8 (d), 55.3 (d), 54.9 (d), 50.0 (d), 48.9 (d), 46.9 (d), 46.1 (t), 42.6 (s), 38.8 (t), 38.0 (t), 36.1 (t), 36.0 (s), 35.6 (d), 34.7 (t), 33.8 (d), 31.1 (t), 31.0 (t), 28.4 (t), 25.0 (t), 22.0 (q), 21.91  (t), 21.89 (q), 18.8 (q), 12.1 (q), 11.9 (q).
化合物Xの物理化学的データ
1 H NMRδ(ppm, CDCl 3 , 500 MHz)  5.92 (1H, d, J= 15.8 Hz), 5.58 (1H,  dd, J = 15.8, 8.8 Hz), 4.84 (1H, s), 4.82 (1H, s) , 3.61 (1H, m), 2.54 (1H, m), 2.35 (2H, t, J = 1 2.2 Hz), 2.18 (1H, m), 2.12 (1H, m), 2.03 (1H, dd,  J = 12.2, 3.2 Hz), 1.97 (1H, m), 1.85 (1H, m),  1.77 (1H, m), 1.73 (1H, m), 1.63 (1H, m), 1.58 (1H , m), 1.52 (1H, m), 1.51 (1H, m), 1.50 (1H, m), 1 .47 (1H, m), 1.46 (1H, m), 1.27 (1H, m), 1.21 (1H,  m), 1.12 (1H, m), 1.10 (1H, m), 1.09 (3H, s), 1. 08 (6H, d, J = 6.4 Hz), 1.06 (3H, d, J = 6.5 Hz ), 1.02 (1H, m), 0.96 (1H, m), 0.69 (3H, s).
13 C NMRδ(ppm, CDCl 3 , 125 MHz)  211.9 (s), 153.1 (s), 135.9 (d), 129.4  (d), 109.7 (t), 70.8 (d), 55.3 (d), 55.0 (d), 50. 0 (d), 49.0 (d), 46.8 (d), 46.1 (t), 42.6 (s), 40. 2 (d), 38.7 (t), 38.0 (t), 36.2 (t), 36.0 (s), 31. 1 (t), 29.5 (d), 28.5 (t), 25.0 (t), 22.4 (q), 22. 1 (q), 21.9 (t), 20.7 (q), 12.4 (q), 11.9 (q).
化合物Yの物理化学的データ
1 H NMRδ(ppm, CDCl 3 , 500 MHz)  4.87 (1H, t, J= 2.7 Hz), 4.79 (1H, t , J = 6.8 Hz), 4.75 (1H, s), 4.68 (1H, d, J= 1.2  Hz), 3.67 (1H, m), 2.29 (1H, m), 2.24 (1H, m), 2 .18 (1H, dd, J = 10.9, 7.7 Hz), 2.06 (1H, m), 2.0 1 (2H, m), 1.90 (1H, ddd, J = 13.3, 13.3, 5.9 Hz) , 1.84 (1H, m), 1.83 (1H, m), 1.71 (1H, m), 1.67  (1H, m), 1.63 (1H, m), 1.61 (1H, m), 1.59 (2H, m),  1.53 (1H, m), 1.52 (1H, m), 1.41 (1H, dd, J= 13. 1, 7.2 Hz), 1.37 (1H, m), 1.32 (3H, s), 1.26 (1H, m), 1.22 (3H, s), 1.19 (1H, m), 1.16 (1H, m), 1.0 34 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.032 (3H, d, J= 6.9 Hz) , 0.71 (3H, s).
13 C NMRδ(ppm, CDCl 3 , 125 MHz)  156.0 (s), 149.2 (s), 134.8 (s), 106.5  (t), 74.6 (s), 71.0 (d), 69.0 (d), 65.2 (d), 56.3  (d), 43.8 (d), 42.5 (s), 42.3 (t), 37.7 (t), 37.6  (t), 37.2 (s), 37.1 (d), 36.3 (t), 36.2 (t), 34.0  (d), 33.8 (t), 31.4 (t), 28.9 (t), 26.5 (q), 22.0  (q), 21.9 (q), 20.9 (q), 19.2 (t), 11.9 (q).
化合物Zの物理化学的データ
1 H NMRδ(ppm, CDCl 3 , 500 MHz)  7.87 (1H, br s), 7.43 (1H, d, J = 7 .7 Hz), 7.33 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.17 (1H, dd,  J = 8.0, 7.2 Hz), 7.11 (1H, dd, J = 7.7, 7.2 Hz) , 5.68 (1H, br s), 3.21 (1H, d, J = 10.3 Hz), 3. 15 (1H, m), 2.96 (1H, d, J = 17.2 Hz), 2.81 (1H, d, J = 17.2 Hz), 2.70 (1H, d, J = 10.3 Hz), 2.6 2 (1H, m), 2.40 (1H, dd, J = 17.2, 8.6 Hz), 2.19 (1H, m), 2.16 (1H, m), 1.97 (1H, dd, J = 12.4, 3 .2 Hz), 1.94 (2H, m), 1.48 (1H, m), 1.29 (3H, s), 1.22 (3H, s).
13 C NMRδ(ppm, CDCl 3 , 125 MHz)  174.8 (s), 141.5 (s), 136.3 (s), 127.0  (s), 122.0 (d), 119.7 (d), 117.9 (d), 110.8 (d),  103.2 (s), 65.4 (s), 62.4 (t), 55.9 (s), 53.5 (t), 46.1 (d), 34.3 (s), 31.8 (t), 29.3 (t), 27.9 (q), 27.3 (t), 24.9 (q), 22.8 (t).
化合物AAの物理化学データ
1 H NMRδ(ppm, CDCl 3 , 500 MHz)  5.57(1H, d, J = 2.5 Hz), 5.27 (1H, d d, J = 15.3, 7.8 Hz), 5.16 (1H, dd, J = 15.3, 8. 4 Hz), 3.94 (1H, m), 2.87 (1H, dd, J = 12.9, 9.0 Hz), 2.70 (1H, m), 2.68 (1H, m), 2.52 (1H, m), 2. 50 (1H, m), 2.33 (1H, m), 2.23 (1H, m), 2.09 (1H, m), 1.93 (2H, m), 1.90 (1H, m), 1.87 (1H, m), 1.7 1 (1H, ddd, J = 13.1, 13.1, 5.3 Hz), 1.62 (1H, m) , 1.54 (1H, m), 1.51 (1H, m), 1.49 (1H, m), 1.48  (1H, m), 1.44 (3H, s), 1.43 (1H, m), 1.04 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.92 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.88 (3H , s), 0.84 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.83 (3H, d, J  = 6.8 Hz).
13 C NMRδ(ppm, CDCl 3 , 125 MHz)  204.6 (s), 203.6 (s), 165.3 (s), 156.0  (s), 134.5 (d), 133.0 (d), 117.4 (d), 82.7 (s), 7 0.2 (d), 57.5 (d), 55.4 (d), 47.8 (t), 46.2 (s), 4 2.9 (d), 40.1 (d), 38.8 (t), 37.7 (t), 33.3 (t), 3 3.1 (d), 29.6 (t), 29.0 (t), 22.0 (t), 21.0 (q), 2 0.2 (q), 20.0 (q), 19.7 (q), 17.6 (q), 12.1 (q).
化合物BBの物理化学データ
1 H NMRδ(ppm, CDCl 3 , 500 MHz)  5.52(1H, d, J = 2.5 Hz), 5.27 (1H, d d, J = 15.3, 7.8 Hz), 5.16 (1H, dd, J = 15.3, 8. 6 Hz), 4.47 (1H, m), 3.12 (1H, dd, J = 13.6, 3.7 Hz), 2.69 (1H, m), 2.52 (2H, m), 2.40 (1H, ddd, J  = 13.6, 4.8, 1.6 Hz), 2.24 (1H, m), 2.18 (1H, m) , 2.10 (1H, m), 2.06 (1H, m), 2.02 (1H, m), 1.90  (1H, m), 1.87 (1H, m), 1.72 (1H, m), 1.68 (1H, m),  1.61 (1H, m), 1.51 (1H, m), 1.49 (1H, m), 1.48 ( 1H, m), 1.46 (3H, s), 1.45 (1H, m), 1.04 (3H, d,  J = 6.6 Hz), 0.92 (3H, d, J= 6.9 Hz), 0.89 (3H,  s), 0.84 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.83 (3H, d, J= 6. 8 Hz).
13 C NMRδ(ppm, CDCl 3 , 125 MHz)  205.4 (s), 203.7 (s), 165.4 (s), 154.6  (s), 134.5 (d), 133.0 (d), 117.5 (d), 84.4 (s), 7 0.4 (d), 57.4 (d), 55.5 (d), 46.5 (t), 46.1 (s), 4 2.9 (d), 40.1 (d), 38.7 (t), 37.7 (t), 34.6 (t), 3 3.1 (d), 29.0 (t), 28.1 (t), 22.0 (t), 21.1 (q), 2 0.4 (q), 20.0 (q), 19.7 (q), 17.6 (q), 12.2 (q).

神経幹細胞の増殖促進剤
 常法により、化合物AのDMSO溶液(0.1 mmol/L)を 製し、化合物Aを含む神経幹細胞の増殖促進 剤を得る。

神経幹細胞の増殖促進剤
 常法により、化合物CのDMSO溶液(0.5 mmol/L)を 製し、化合物Cを含む神経幹細胞の増殖促進 剤を得る。

神経幹細胞の増殖促進剤
 常法により、化合物EのDMSO溶液(0.1 mmol/L)を 製し、化合物Eを含む神経幹細胞の増殖促進 剤を得る。
[参考例2]  化合物A1~A15およびAの製造
 化合物A1~A15は特公平8-5909に記載の方法によ 製造した。
[参考例3]  化合物Aの製造
 化合物Aは実施例1記載の方法により、該化 物の生産能を有するペニシリウム属に属す 糸状菌(ペニシリウム・パキシリKAC-1843(微工 菌寄第8581号))を培養し、培養液から単離精 することにより得られた。

 本発明により、神経幹細胞および神経前 細胞の増殖促進剤として有用なPenicillium sp.  CND1007株が産生する化合物またはその関連化 合物あるいはそれらの薬学的に許容される塩 およびそれらを含有する神経幹細胞増殖促進 剤などを提供することができる。