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Title:
NI-ZN-CU FERRITE POWDER, GREEN SHEET AND SINTERED BODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/132834
Kind Code:
A1
Abstract:
A Ni-Zn-Cu ferrite material that by addition of zinc silicate, excels in direct current superposition characteristics. There is provided a Ni-Zn-Cu ferrite powder composed of spinel ferrite and zinc silicate, characterized in that the composition thereof consists of, in terms of oxide, 36.0-48.5 mol% Fe2O3, 7.0-38 mol% NiO, 4.5-40 mol% ZnO, 5.0-17 mol% CuO and 1.0-8.0 mol% SiO2, and that the ratio of X-ray diffraction intensity from face (113) of zinc silicate to X-ray diffraction intensity from face (311) of spinel ferrite is in the range of 0.01 to 0.12. Further, there is provided a green sheet produced by forming the Ni-Zn-Cu ferrite powder into a sheet, and provided a relevant Ni-Zn-Cu ferrite sintered body.

Inventors:
OKANO YOJI (JP)
DOTE TOMOHIRO (JP)
SUGITA NORIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001046
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TODA KOGYO CORP (JP)
OKANO YOJI (JP)
DOTE TOMOHIRO (JP)
SUGITA NORIO (JP)
International Classes:
C04B35/30; H01F1/34; H01F17/04; H01F27/255
Foreign References:
JP2007145703A2007-06-14
JP2004296865A2004-10-21
JP2003112968A2003-04-18
JP2004172396A2004-06-17
JP2005145781A2005-06-09
JPH02137301A1990-05-25
JP2004296865A2004-10-21
Other References:
See also references of EP 2141136A4
Attorney, Agent or Firm:
OKADA, Kazuhiko (6F Kudan Kangyo Bldg.,10-1, Kudan-kita 1-chome,Chiyoda-k, Tokyo 73, JP)
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Claims:
 スピネル型フェライトとケイ酸亜鉛からなるNi-Zn-Cu系フェライト粉末であって、該Ni-Zn-Cu系フェライト粉末の組成は、酸化物換算で、36.0~48.5mol%のFe 2 O 3 、7.0~38mol%のNiO、4.5~40mol%のZnO、5.0~17mol%のCuO、1.0~8.0mol%のSiO 2 からなり、スピネル型フェライトの311面からのX線回折強度に対するケイ酸亜鉛の113面からのX線回折強度の比が0.01~0.12であることを特徴とするNi-Zn-Cu系フェライト粉末。
 請求項1記載のNi-Zn-Cu系フェライト粉末と結合材料とから成るグリーンシート。
 スピネル型フェライトとケイ酸亜鉛からなるNi-Zn-Cu系フェライト焼結体であって、該Ni-Zn-Cu系フェライト焼結体の組成は、酸化物換算で、36.0~48.5mol%のFe 2 O 3 、7.0~38mol%のNiO、4.5~40mol%のZnO、5.0~17mol%のCuO、1.0~8.0mol%のSiO 2 からなり、スピネル型フェライトの311面からのX線回折強度に対するケイ酸亜鉛の113面からのX線回折強度の比が0.005~0.065であることを特徴とするNi-Zn-Cu系フェライト焼結体。
 焼結密度が4.9~5.25g/cm 3 であり、直流重畳磁場を印加しない状態で測定した透磁率の実数部μ 0 ″が20~170、コア損失P 0 が1400kW/m 3 以下であり、直流重畳磁場を1000A/m印加した状態で測定した透磁率の実数部μ 1000 ″とμ 0 ″の比μ 1000 ″/μ 0 ″が0.5以上であり、直流重畳磁場を1000A/m印加した状態で測定したコア損失P 1000 とP 0 の比P 1000 /P 0 が0.7~2.0である請求項3記載のNi-Zn-Cu系フェライト焼結体。
Description:
[規則37.2に基づく発明の名称] Ni -Zn-Cu系フェライトの粉末、グリーンシート及 び焼結体

 本発明は、Ni-Zn-Cu系フェライト材料に関 、更に詳しくは、ケイ酸亜鉛を添加するこ により、直流重畳特性に優れたNi-Zn-Cu系フェ ライト材料を提供するものである。

 近年、携帯機器、情報機器等の電子機器 、急速に小型化、高機能化が求められてお 、これらに使われるインダクタンス素子等 部品に対しても同様に小型化、高機能化が 求されている。特に、電源回路に使われる ンダクタンス素子には、交流電流と直流電 を重ねて流した時の直流重畳特性として、 ンダクタンスの低下とコア損失の増加が出 るだけ少ないことも求められている。

 従来、インダクタンス素子は、材料とし Mn-Zn系フェライト又はNi-Zn系のフェライトを 用いて、その内部に構造的に磁気ギャップを 設けることで直流重畳特性を向上させ、また 、フェライト組成を調整したり添加物を添加 することによりコア損失を低減していた。

 特に、積層型インダクタンス素子の場合 フェライト材料と磁気ギャップである非磁 材料を積層して同時に焼成することによっ 製造するため、両者の密着性、焼成時の収 率の差、熱膨張率の差により所望の特性が られにくい等の問題点があった。

 これを解決するため、構造的に磁気ギャ プを設けなくても、磁性材料自体に優れた 流重畳特性を持たせたフェライト材料の開 が進められおり、酸化ケイ素と酸化ジルコ を添加したNi-Zn系又はNi-Zn-Cu系フェライト( 許文献1及び特許文献2)、ケイ素を添加したNi -Zn-Cu系フェライト(特許文献3)が知られている 。

 一方、Ni-Zn-Cu系フェライトにZn 2 SiO 4 を含有させることにより、応力変化に起因す るインダクタンスの変化を制御する技術(特 文献4及び特許文献5)が提案されている。

特開2003-112968号公報

特開2004-172396号公報

特開2005-145781号公報

特開平2-137301号公報

特開2004-296865号公報

 前出特許文献1乃至3には、酸化ケイ素、 化ジルコンをNi-Zn系又はNi-Zn-Cu系フェライト 添加することにより、直流電流を重畳させ 際の透磁率の低下を抑制できることが示さ ている。しかしながら、コア損失に関して 考慮されておらず、磁性材料自体が優れた 流重畳特性を有するフェライト材料への適 は困難である。

 前出特許文献4及び5には、応力変化に起 するインダクタンスの変化を制御する技術 記述されているが、直流重畳特性に関して 考慮されておらず、磁性材料自体が優れた 流重畳特性を有するフェライト材料への適 は困難である。

 そこで、本発明は、磁性材料自体が優れ 直流重畳特性を有するフェライト材料を提 することを技術的課題とする。

 前記技術的課題は、次の通りの本発明に って達成できる。

 すなわち、本発明は、スピネル型フェライ とケイ酸亜鉛からなるNi-Zn-Cu系フェライト 末であって、該Ni-Zn-Cu系フェライト粉末の組 成は、酸化物換算で、36.0~48.5mol%のFe 2 O 3 、7.0~38mol%のNiO、4.5~40mol%のZnO、5.0~17mol%のCuO、 1.0~8.0mol%のSiO 2 からなり、スピネル型フェライトの311面から のX線回折強度に対するケイ酸亜鉛の113面か のX線回折強度の比が0.01~0.12であることを特 とするNi-Zn-Cu系フェライト粉末である(本発 1)。

 また、本発明は、本発明1記載のNi-Zn-Cu系 ェライト粉末と結合材料とから成るグリー シートである(本発明2)。

 また、本発明は、スピネル型フェライトと イ酸亜鉛からなるNi-Zn-Cu系フェライト焼結 であって、該Ni-Zn-Cu系フェライト焼結体の組 成は、酸化物換算で、36.0~48.5mol%のFe 2 O 3 、7.0~38mol%のNiO、4.5~40mol%のZnO、5.0~17mol%のCuO、 1.0~8.0mol%のSiO 2 からなり、スピネル型フェライトの311面から のX線回折強度に対するケイ酸亜鉛の113面か のX線回折強度の比が0.005~0.065であることを 徴とするNi-Zn-Cu系フェライト焼結体である( 発明3)。

 また、本発明は、焼結密度が4.9~5.25g/cm 3 であり、直流重畳磁場を印加しない状態で測 定した透磁率の実数部μ 0 ″が20~170、コア損失P 0 が1400kW/m 3 以下であり、直流重畳磁場を1000A/m印加した 態で測定した透磁率の実数部μ 1000 ″とμ 0 ″の比μ 1000 ″/μ 0 ″が0.5以上であり、直流重畳磁場を1000A/m印 した状態で測定したコア損失P 1000 とP 0 の比P 1000 /P 0 が0.7~2.0である本発明3記載のNi-Zn-Cu系フェラ ト焼結体である(本発明4)。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト粉末は これを焼結して得られる焼結体の直流重畳 性が優れているので、インダクタンス素子 のフェライト粉末として好適である。

 本発明に係るグリーンシートは、これを 結して得られる焼結体の直流重畳特性が優 ているので、インダクタンス素子用のグリ ンシートとして好適である。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト焼結体 、直流重畳特性が優れているので、インダ タンス素子用のフェライト焼結体として好 である。

 本発明の構成をより詳しく説明すれば次 通りである。

 本発明においては、直流重畳特性の指標と て、直流重畳磁場を印加しない状態で測定 た透磁率の実数部μ 0 ″と直流重畳磁場を1000A/m印加した状態で測 した透磁率の実数部μ 1000 ″との比μ 1000 ″/μ 0 ″を用いた。この比μ 1000 ″/μ 0 ″は、直流重畳磁場が0A/mの場合の透磁率を 準として、直流重畳磁場を1000A/mとしたとき 透磁率の低下の程度を示すものである。こ 値は、通常、1以下であるが、この値が1に いほど直流重畳磁場を印加した場合に透磁 の実数部が低下しにくいことを意味し、そ 様な材料は、磁性材料自体が直流重畳特性 優れていることを表している。

 更に、本発明においては、直流重畳特性の 標として、直流重畳磁場を印加しない状態 測定したコア損失P 0 と直流重畳磁場を1000A/m印加した状態で測定 たコア損失P 1000 との比P 1000 /P 0 を用いた。この比P 1000 /P 0 は、直流重畳磁場が0A/mの場合のコア損失を 準として、直流重畳磁場を1000A/mとしたとき コア損失の変化の程度を示すものである。 の値が1より大きくなると、直流重畳磁場を 印加した場合にコア損失が大きくなることを 示している。

 まず、本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト 末について述べる。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト粉末は、 ピネル型フェライトとケイ酸亜鉛からなるNi -Zn-Cu系フェライト粉末であって、酸化物換算 で36.0~48.5mol%のFe 2 O 3 、7.0~38mol%のNiO、4.5~40mol%のZnO、5.0~17mol%のCuO、 1.0~8.0mol%のSiO 2 からなる組成を有し、該Ni-Zn-Cu系フェライト 末のX線回折において、スピネル型フェライ トの311面のX線回折強度に対するケイ酸亜鉛 113面のX線回折強度の比(ケイ酸亜鉛の113面/ ピネル型フェライトの311面)が0.01~0.12である

 Fe 2 O 3 の組成が上記範囲外である場合は、該フェラ イト粉末の焼結性が悪く、焼結密度が低くな る。好ましいFe 2 O 3 の組成は36.0~48.0mol%、より好ましくは37.0~47.5mo l%である。

 NiOの組成が7.0mol%未満の場合は、該フェライ ト粉末を焼結体としたときにμ 1000 ″/μ 0 ″が小さくなり、直流重畳特性が悪くなる。 NiOの組成が38mol%を越える場合には、該フェラ イト粉末を焼結体としたときにμ 0 ″が小さくなるのでインダクタンス素子とし た場合に大きなインダクタンス値を得にくく なる。好ましいNiOの組成は7.0~37mol%、より好 しくは8.0~37mol%である。

 ZnOの組成が4.5mol%未満の場合は、該フェライ ト粉末を焼結体としときにμ 0 ″が小さくなるのでインダクタンス素子とし た時に大きなインダクタンス値を得にくくな る。ZnOの組成が40mol%を越える場合は、該フェ ライト粉末を焼結体としたときにμ 1000 ″/μ 0 ″が小さくなり、直流重畳特性が悪くなる。 好ましいZnOの組成は5.0~39mol%である。

 CuOの組成が5.0mol%未満の場合は、該フェラ イト粉末の焼結性が悪く、焼結密度が低くな る。CuOの組成が17mol%を越える場合には、焼結 体に変形が生じやすくなる為、所望の形状の 焼結体を得ることが困難になる。好ましいCuO の組成は6.0~17mol%、より好ましくは6.0~16mol%で る。

 SiO 2 の組成が1.0mol%未満の場合は、該フェライト 末を焼結体としたときにμ 1000 ″/μ 0 ″が小さくなり、直流重畳特性が悪くなる。 SiO 2 の組成が8.0mol%を越える場合には、該フェラ ト粉末の焼結性が悪く、焼結密度が低くな 。好ましいSiO 2 の組成は1.0~7.0mol%である。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト粉末の組 が、Fe 2 O 3 が36~48mol%、NiOが7.0~25.5mol%、ZnOが16~36mol%、CuOが 7.0~17mol%及びSiO 2 が1.0~8.0mol%の範囲である場合には、950℃以下 の焼結、所謂低温焼結が可能であることか 、Agなどとの同時焼結により、焼結体内部 簡単に回路を形成することが出来る。

 スピネル型フェライトの311面のX線回折強度 に対するケイ酸亜鉛の113のX線回折強度の比 0.01未満の場合は、該フェライト粉末を焼結 としたときにμ 1000 ″/μ 0 ″が小さくなり、直流重畳特性が悪くなる。 スピネル型フェライトの311面からのX線回折 度に対するケイ酸亜鉛の113面からのX線回折 度の比が0.120を越える場合には、該フェラ ト粉末の焼結性が悪く、焼結密度が低くな 。スピネル型フェライトの311面のX線回折強 に対するケイ酸亜鉛の113面のX線回折強度の 比は、好ましくは0.01~0.115である。

 スピネル型フェライトの311面のX線回折強 度に対するケイ酸亜鉛の113面のX線回折強度 比(ケイ酸亜鉛の113面/スピネル型フェライト の311面)を0.01~0.12の範囲にする方法としては 例えば、予め作製したフェライト粉末に、 下で述べるケイ酸亜鉛を2~15重量%添加する方 法が挙げられる。

 ケイ酸亜鉛の組成は、ZnOが55~70mol%であってS iO 2 が30~45mol%の範囲が好ましい。この範囲外の場 合は、該フェライト粉末の焼結性が悪く、焼 結密度が低くなることがある。より好ましい ケイ酸亜鉛の組成は、ZnOが60~67mol%であり、SiO 2 が33~40mol%である。また、ケイ酸亜鉛の化学量 論組成は、ZnOが66.7mol%、SiO 2 が33.3mol%であるが、これから組成がずれるこ によって、ケイ酸亜鉛の中にZnO又はSiO 2 が混在していても良い。

 ケイ酸亜鉛の平均粒子径は0.1~30μmが好ま い。平均粒子径が上記範囲外である場合は 該フェライト粉末の焼結性が悪く、焼結密 が低くなることがある。好ましい平均粒子 は0.2~20μmである。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト粉末のBET 表面積は、4~12m 2 /gが好ましい。BET比表面積が4m 2 /g未満の場合は、該フェライト粉末の焼結性 悪く、焼結密度が低くなる。BET比表面積が1 2m 2 /gを越える場合には、後述するグリーンシー 製造過程において溶剤に該フェライト粉末 均一に分散できない。好ましいBET比表面積 6~11m 2 /gである。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト粉末は 常法により、フェライトを構成する各元素 酸化物、炭酸塩、水酸化物、シュウ酸塩等 原料を混合して得られた原料混合物を、大 中において650~900℃の温度範囲で1~20時間仮焼 成した後、下記の方法で作製したケイ酸亜鉛 を添加した仮焼成物を粉砕することによって 得ることができる。または、仮焼成物を単独 で粉砕した後に、下記の方法で作製したケイ 酸亜鉛を混合することによって得ることがで きる。

 本発明に係るケイ酸亜鉛は、ケイ素と亜 の酸化物、炭酸塩、水酸化物、シュウ酸塩 の原料を混合して得られた原料混合物を、 気中において1000~1300℃の温度範囲で1~20時間 焼成することにより得ることができる。

 次に、本発明に係るグリーンシートにつ て述べる。

 グリーンシートとは、上記Ni-Zn-Cu系フェ イト粉末を結合材料、可塑剤及び溶剤等と 合することによって塗料とし、該塗料をド ターブレード式コーター等で数μmから数百μ mの厚さに成膜した後、乾燥してなるシート ある。このシートを重ねた後、加圧するこ で積層体とし、該積層体を所定の温度で焼 させることでインダクタンス素子などの電 部品を得ることができる。

 本発明に係るグリーンシートは、本発明 係るNi-Zn-Cu系フェライト粉末を100重量部に して結合材料を2~20重量部、可塑剤を0.5~15重 部含有する。好ましくは、結合材料を4~15重 量部、可塑剤を1~10重量部含有する。また、 膜後の乾燥が不十分なことにより溶剤が残 していても良い。更に、必要に応じて粘度 整剤等の公知の添加剤を添加してもよい。

 結合材料の種類は、ポリビニルブチラー 、ポリアクリル酸エステル、ポリメチルメ クリレート、塩化ビニル、ポリメタクリル エステル、エチレンセルロース、アビエチ 酸レジン等である。好ましい結合材料は、 リビニルブチラールである。

 結合材料が2重量部未満の場合はグリーン シートが脆くなり、また、強度を持たす為に は20重量部を越える含有量は必要ない。

 可塑剤の種類は、フタル酸ベンジル-n-ブ ル、ブチルフタリルグリコール酸ブチル、 ブチルフタレート、ジメチルフタレート、 リエチレングリコール、フタル酸エステル ブチルステアレート、メチルアジテート等 ある。

 可塑剤が0.5重量部未満の場合はグリーン ートが固くなり、ひび割れが生じやすくな 。可塑剤が15重量部を越える場合はグリー シートが軟らかくなり、扱いにくくなる。

 本発明に係るグリーンシートの製造にお ては、Ni-Zn-Cu系フェライト粉末100重量部に して15~150重量部の溶剤を使用する。溶剤が 記範囲外である場合は、均一なグリーンシ トが得られないので、これを焼結して得ら るインダクタンス素子は特性にバラツキの るものとなりやすい。

 溶剤の種類は、アセトン、ベンゼン、ブ ノール、エタノール、メチルエチルケトン トルエン、プロピルアルコール、イソプロ ルアルコール、酢酸n-ブチル、3メチル-3メ キシ-1ブタノール等である。

 積層圧力は、0.2×10 4 ~0.6×10 4 t/m 2 が好ましい。

 次に、本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト 結体について述べる。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト焼結体は スピネル型フェライトとケイ酸亜鉛からな Ni-Zn-Cu系フェライト焼結体であって、酸化物 換算で36~48.5mol%のFe 2 O 3 、7~38mol%のNiO、4.5~40mol%のZnO、5~17mol%のCuO、1~8m ol%のSiO 2 からなる組成を有し、スピネル型フェライト の311面のX線回折強度に対するケイ酸亜鉛の11 3面のX線回折強度の比(ケイ酸亜鉛の113面/ス ネル型フェライトの311面)が0.005~0.065である

 Fe 2 O 3 の組成が上記範囲外である場合は、焼結密度 が低くなる。好ましいFe 2 O 3 の組成は37~47.5mol%である。

 NiOの組成が7mol%未満の場合は、μ 1000 ″/μ 0 ″が小さくなり、直流重畳特性が悪くなる。 NiOの組成が38mol%を越える場合には、μ 0 ″が小さくなるのでインダクタンス素子とし たときに大きなインダクタンス値を得にくく なる。好ましいNiOの組成は8~37mol%である。

 ZnOの組成が4.5mol%未満の場合は、μ 0 ″が小さくなるのでインダクタンス素子とし た時に大きなインダクタンス値を得にくくな る。ZnOの組成が40mol%を越える場合には、μ 1000 ″/μ 0 ″が小さくなり、直流重畳特性が悪くなる。 好ましいZnOの組成は5~39mol%である。

 CuOの組成が5mol%未満の場合は、焼結密度 低くなる。CuOの組成が17mol%を越える場合に 、焼結体に変形が生じやすくなる為、所望 形状の焼結体を得ることが困難になる。好 しいCuOの組成は6~16mol%である。

 SiO 2 の組成が1mol%未満の場合は、μ 1000 ″/μ 0 ″が小さくなり、直流重畳特性が悪くなる。 SiO 2 の組成が8mol%を越える場合には、焼結密度が くなる。好ましいSiO 2 の組成は1~7mol%である。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト焼結体の 成が、Fe 2 O 3 が36~48mol%、NiOが7~25.5mol%、ZnOが16~36mol%、CuOが7~ 17mol%及びSiO 2 が1~8mol%の範囲である場合には、950℃以下で 焼結、所謂低温焼結が可能であることから Ag等との同時焼結により、焼結体内部に簡単 に回路を形成することが出来る。

 スピネル型フェライトの311面のX線回折強度 に対するケイ酸亜鉛の113面のX線回折強度の が0.005未満の場合は、μ 1000 ″/μ 0 ″が小さくなり、直流重畳特性が悪くなる。 スピネル型フェライトの311面からのX線回折 度に対するケイ酸亜鉛の113面からのX線回折 度の比が0.065を越える場合には、焼結密度 低くなる。スピネル型フェライトの311面のX 回折強度に対するケイ酸亜鉛の113面のX線回 折強度の比は、好ましくは0.005~0.06である。 お、X線回折強度の比を上記範囲にする方法 例は、上述した通りである。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト焼結体の 結密度は、4.9~5.25g/cm 3 である。焼結密度が4.9g/cm 3 未満の場合は、焼結体の機械的強度が低い為 、使用時に破損する可能性がある。焼結密度 は高い方が良いが、本発明で得られる焼結密 度の上限は5.25g/cm 3 である。好ましい焼結密度は4.95~5.2g/cm 3 である。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト焼結体の 磁率の実数部μ 0 ″は、20~170である。透磁率の実数部μ 0 ″が20未満の場合は、インダクタンス素子と た場合に大きなインダクタンス値を得にく なる。透磁率の実数部μ 0 ″が170を超える場合には、直流重畳特性が劣 化する。好ましい透磁率の実数部μ 0 ″は30~160である。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト焼結体のμ 1000 ″/μ 0 ″は0.5以上である。μ 1000 ″/μ 0 ″が0.5未満であると、直流重畳特性の劣るイ ンダクタンス素子しか得られない。上限値は 1.0である。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト焼結体の ア損失P 0 は、1400kW/m 3 以下である。コア損失P 0 が1400kW/m 3 を越える場合は、焼結体としての損失が大き くなることから、効率の悪いインダクタンス 素子しか得られない。好ましいコア損失P 0 は1300kW/m 3 以下であり、より好ましくは1200kW/m 3 以下であり、更により好ましくは1000kW/m 3 以下である。下限値は100kW/m 3 程度である。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト焼結体のP 1000 /P 0 は、0.7~2.0である。この範囲を外れる場合に 、直流重畳特性が悪くなる。好ましいP 1000 /P 0 は、0.8~1.9である。

 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト焼結体は 本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト粉末を金型 を用いて、0.3~3.0×10 4 t/m 2 の圧力で加圧する、所謂、粉末加圧成型法に より得られた成型体、又は、本発明に係るNi- Zn-Cu系フェライト粉末を含有するグリーンシ トを積層して得られた、所謂、グリーンシ ト法により得られた積層体を880~1050℃で1~20 間、好ましくは1~10時間焼結することによっ て得ることができる。成型方法としては、公 知の方法を使用できるが、上記粉末加圧成型 法やグリーンシート法が好ましい。

 焼結温度が880℃未満であると、焼結密度 低下する為、焼結体の機械的強度が低くな 。焼結温度が1050℃を越える場合には、焼結 体に変形が生じやすくなる為、所望の形状の 焼結体を得ることが困難になる。

<作用>
 本発明において最も重要な点は、スピネル フェライトとケイ酸亜鉛からなり、Fe 2 O 3 、NiO、ZnO、CuO及びSiO 2 が特定の組成範囲にあるNi-Zn-Cu系フェライト 末を焼結して得られるNi-Zn-Cu系フェライト 結体は、磁性材料自体が優れた直流重畳特 を有するという事実である。この直流重畳 性が向上する理由は、未だ明らかではない 、ケイ酸亜鉛が特定のフェライト組成範囲 Ni-Zn-Cu系フェライトの粒界に存在することに より、Ni-Zn-Cu系フェライト焼結体の磁化曲線 、緩やかな傾斜で直線的な変化をすること 起因するものであると本発明者は推定して る。

 本発明の代表的な実施の形態は、次の通 である。

 Ni-Zn-Cu系フェライト粉末、Ni-Zn-Cu系フェラ イト焼結体の組成は、蛍光X線分析装置RIX2100( 理学電機工業(株)製)を用いて測定した。

 Ni-Zn-Cu系フェライト粉末及び焼結体を構 する結晶相と、スピネル型フェライトの311 からのX線回折強度に対するケイ酸亜鉛の113 からのX線回折強度の比は、X線回折装置RINT2 500(理学電機工業(株)製)を用いて測定した。

 BET比表面積はモノソーブMS-21(ユアサアイ ニクス(株)製)で測定した。

 Ni-Zn-Cu系フェライト焼結体の焼結密度は 試料の外径寸法から求めた体積と重量から 出した。

 Ni-Zn-Cu系フェライト焼結体の透磁率μ 0 ″は、リング状焼結体に巻線を施し、周波数 を1MHz、磁束密度を25mTとし、直流重畳磁場を 加しない状態でB-H/ZアナライザーE5060A(アジ ントテクノロジー(株)製)を用いて測定した 磁率の実数部の値とした。

 Ni-Zn-Cu系フェライト焼結体の透磁率μ 1000 ″は、リング状焼結体に巻線を施し、周波数 を1MHz、磁束密度を25mT、直流重畳磁場を1000A/m 印加した状態でB-H/ZアナライザーE5060A(アジレ ントテクノロジー(株)製)を用いて測定した透 磁率の実数部の値とした。μ 1000 ″/μ 0 ″は、μ 0 ″とμ 1000 ″から計算で求めた。

 Ni-Zn-Cu系フェライト焼結体のコア損失P 0 は、リング状焼結体に巻線を施し、周波数を 1MHz、磁束密度を25mTとし、直流重畳磁場を印 しない状態でB-H/ZアナライザーE5060A(アジレ トテクノロジー(株)製)を用いて測定したP cv の値とした。

 Ni-Zn-Cu系フェライト焼結体のコア損失P 1000 は、リング状焼結体に巻線を施し、周波数を 1MHz、磁束密度を25mT、直流重畳磁場を1000A/m印 加した状態でB-H/ZアナライザーE5060A(アジレン トテクノロジー(株)製)を用いて測定したP cv の値とした。P 1000 /P 0 は、P 0 とP 1000 から計算で求めた。

 実施例1:
<Ni-Zn-Cu系フェライト粉末の製造>
 Ni-Zn-Cu系フェライトの組成が、所定の組成 なるように各酸化物原料を秤量し、ボール ルを用いて20時間湿式混合を行った後、混合 スラリーを濾別・乾燥して原料混合粉末を得 た。該原料混合粉末を720℃で4時間仮焼成し 得られた仮焼成物をアトマイザーで粉砕し フェライト粉砕粉末を得た。

 一方、ケイ酸亜鉛の組成が、所定の組成に るように酸化亜鉛と酸化ケイ素を秤量し、 ールミルを用いて20時間湿式混合を行った 混合スラリーを濾別・乾燥した後、1200℃で3 時間焼成してケイ酸亜鉛を得た。得られたケ イ酸亜鉛の組成は、ZnO=66.5mol%、SiO 2 =33.5mol%であり、平均粒径は、5.2μmであった。

 次に、所定の組成となるように、前記フ ライト粉砕粉末に前記ケイ酸亜鉛を2重量% 加し、ボールミルで混合及び粉砕すること よって本発明に係るNi-Zn-Cu系フェライト粉末 を得た。

 得られたNi-Zn-Cu系フェライト粉末の組成は Fe 2 O 3 =47.5mol%、NiO=14.0mol%、ZnO=27.0mol%、CuO=10.5mol%及び SiO 2 =1.0mol%であった。スピネル型フェライトの311 からのX線回折強度に対するケイ酸亜鉛の113 面からのX線回折強度の比は0.010であった。BET 比表面積は8.8m 2 /gであった。

<グリーンシートの製造>
 得られたNi-Zn-Cu系フェライト粉末100重量部 対して結合材料としてポリビニルブチラー 8重量部、可塑剤としてフタル酸ベンジル-n- チル3重量部、溶剤として3メチル-3メトキシ -1ブタノール50重量部を加えた後、十分混合 てスラリーを得た。このスラリーをドクタ ブレード式コーターによってPETフィルム上 塗布して塗膜を形成した後、乾燥すること より厚さ73μmのグリーンシートを得た。これ を縦100mm×横100mmの大きさに切断して8枚を積 した後、0.35×10 4 t/m 2 の圧力で加圧して、厚さ0.58mmのグリーンシー ト積層体を得た。

<Ni-Zn-Cu系フェライト焼結体の製造>
 得られたグリーンシート積層体を890℃、2時 間で焼結し、厚さ0.48μmのNi-Zn-Cu系フェライト 焼結体を得た。得られたNi-Zn-Cu系フェライト 結体の組成は、Fe 2 O 3 =47.5mol%、NiO=14.2mol%、ZnO=27.1mol%、CuO=10.2mol%及び SiO 2 =1.0mol%であった。該Ni-Zn-Cu系フェライト焼結 におけるスピネル型フェライトの311面から X線回折強度に対するケイ酸亜鉛の113面から X線回折強度の比は0.005であった。また、焼 密度は5.01g/cm 3 であった。更に、該Ni-Zn-Cu系フェライト焼結 から超音波加工機により外径14mm、内径8mm、 厚さ0.48mmのリング状焼結体を切り出し、磁気 特性を評価した。この焼結体のμ 0 ″は152、μ 1000 ″/μ 0 ″は0.50、コア損失P 0 は380kW/m 3 、P 1000 /P 0 は1.88であった。

 実施例2~実施例7:
 実施例1と同様の方法で、Ni-Zn-Cu系フェライ 焼結体を得た。このときの製造条件及び得 れたNi-Zn-Cu系フェライト焼結体の諸特性を 1、2、3に示す。

 実施例8:
 実施例1と同様のNi-Zn-Cu系フェライト粉末を 製し、該Ni-Zn-Cu系フェライト粉末100重量部 対してポリビニルアルコール6%水溶液10重量 を混合して得られた混合粉末7.0gを金型を用 いて1.0×10 4 t/m 2 の成型圧力で外径30mm、厚さ2.9mmの円盤状に成 型した。この成型体を焼結温度900℃、5時間 焼結し、Ni-Zn-Cu系フェライト焼結体を得た。

 得られたNi-Zn-Cu系フェライト焼結体の組 、X線回折強度比、焼結密度を測定した後、 音波加工機により外径14mm、内径8mm、厚さ2mm のリング状焼結体を切り出し、磁気特性を評 価した。

 このときの製造条件及び得られたNi-Zn-Cu フェライト焼結体の諸特性を表1、2、3に示 。

 実施例9~実施例10:
 実施例8と同様の方法で、Ni-Zn-Cu系フェライ 焼結体を得た。このときの製造条件及び得 れたNi-Zn-Cu系フェライト焼結体の諸特性を 1、2、3に示す。

 比較例1~比較例5:
 実施例1又は実施例8と同様の方法で、Ni-Zn系 -Cuフェライト焼結体を得た。このときの製造 条件及び得られたNi-Zn-Cu系フェライト焼結体 諸特性を表1、2、3に示す。

 比較例6:
 フェライトの組成が、Fe 2 O 3 =49.5mol%、NiO=20.7mol%、ZnO=22.8mol%、CuO=7mol%となる ように各酸化物原料を秤量し、ボールミルを 用いて20時間湿式混合を行った後、混合スラ ーを濾別・乾燥して原料混合粉末を得た。 原料混合粉末を750℃で4時間仮焼成して得ら れた仮焼成物をアトマイザーで粉砕し、フェ ライト粉砕粉末を得た。

 一方、ケイ酸亜鉛の組成が、Zn 2 SiO 4 となるように酸化亜鉛と酸化ケイ素を秤量し 、ボールミルを用いて20時間湿式混合を行っ 。混合スラリーを濾別・乾燥した後、1200℃ で3時間焼成してケイ酸亜鉛を得た。得られ ケイ酸亜鉛の組成は、ZnO=66.7mol%、SiO 2 =33.3mol%であり、平均粒径は5.0μmであった。

 次に、前記フェライト粉砕粉末に前記ケ 酸亜鉛を1.5wt%添加し、ボールミルで混合及 粉砕することによって本発明に係るNi-Zn-Cu フェライト粉末を得た。

 得られたNi-Zn-Cu系フェライト粉末の組成は Fe 2 O 3 =48.4mol%、NiO=20.4mol%、ZnO=23.6mol%、CuO=6.8mol%及びS iO 2 =0.8mol%であった。スピネル型フェライトの311 からのX線回折強度に対するケイ酸亜鉛の113 面からのX線回折強度の比は、0.006であった。 BET比表面積は、7.5m 2 /gであった。

 得られたNi-Zn-Cu系フェライト粉末100重量部 対してポリビニルアルコール6%水溶液10重量 を混合して得られた混合粉末7.0gを金型を用 いて1.0×10 4 t/m 2 の成型圧力で外径30mm、厚さ2.9mmの円盤状に成 型した。この成型体を焼結温度1000℃、2時間 焼結し、Ni-Zn-Cu系フェライト焼結体を得た

 得られたNi-Zn-Cu系フェライト焼結体の組成 、Fe 2 O 3 =48.5mol%、NiO=20.5mol%、ZnO=23.3mol%、CuO=6.9mol%及びS iO 2 =0.8mol%であった。該Ni-Zn-Cu系フェライト焼結 におけるスピネル型フェライトの311面から X線回折強度に対するケイ酸亜鉛の113面から X線回折強度の比は0.003であった。また、焼 密度は5.19g/cm 3 であった。更に、該Ni-Zn-Cu系フェライト焼結 から超音波加工機により外径14mm、内径8mm、 厚さ2mmのリング状焼結体を切り出し、磁気特 性を評価した。この焼結体のμ 0 ″は242、μ 1000 ″/μ 0 ″は0.28、コア損失P 0 は198kW/m 3 、P 1000 /P 0 は2.97であった。

 比較例6では、スピネル型フェライトに対 するケイ酸亜鉛の添加量が少量であるため、 Ni-Zn-Cu系フェライト粉末におけるスピネル型 ェライトの311面のX線回折強度に対するケイ 酸亜鉛の113面のX線回折強度の比が小さくな 、該Ni-Zn-Cu系フェライト粉末を用いて作成し た焼結体は、優れた直流重畳特性を有すると は言い難いものであった。

 前記実施例から明らかな通り、スピネル型 ェライトとケイ酸亜鉛からなるNi-Zn-Cu系フ ライト焼結体であって、酸化物換算で36~48.5m ol%のFe 2 O 3 、7~38mol%のNiO、4.5~40mol%のZnO、5~17mol%のCuO、1~8m ol%のSiO 2 からなる組成を有し、スピネル型フェライト の311面からのX線回折強度に対するケイ酸亜 の113面からのX線回折強度の比が0.005~0.065で ることを特徴とするNi-Zn-Cu系フェライト焼結 体は、材料自体に優れた直流重畳特性を有す ることから、インダクタンス素子用の磁性材 料として好適である。

 また、スピネル型フェライトとケイ酸亜鉛 らなるNi-Zn-Cu系フェライト粉末であって、 化物換算で36~48.5mol%のFe 2 O 3 、7~38mol%のNiO、4.5~40mol%のZnO、5~17mol%のCuO、1~8m ol%のSiO 2 からなる組成を有し、スピネル型フェライト の311面からのX線回折強度に対するケイ酸亜 の113面からのX線回折強度の比が0.01~0.12であ ことを特徴とするNi-Zn-Cu系フェライト粉末 、これを焼結して得られるNi-Zn-Cu系フェライ ト焼結体が材料自体に優れた直流重畳特性を 有することから、インダクタンス素子用の磁 性材料として好適である。

 また、該Ni-Zn-Cu系フェライト粉末と結合 料とを用いてシート状に成膜してなるグリ ンシートは、これを焼結して得られるNi-Zn-Cu 系フェライト焼結体が材料自体に優れた直流 重畳特性を有することから、インダクタンス 素子用の磁性材料として好適である。

 以上、実施例を使用して本発明を更に詳 く説明したが、本発明における数値範囲の 定は、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお て、上記の任意の実施例の数値を臨界値と て使用したすべての範囲規定も、当然のこ ながら含まれるものであり、本明細書に記 されていると考えるべきである。