岡田 一誠 (〒24 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 Osaka, 5540024, JP)
住友電気工業株式会社 (〒41 大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 Osaka, 5410041, JP)
OKADA, Issei (1-3 Shimaya 1-chome, Konohana-ku, Osaka-sh, Osaka 24, 5540024, JP)
| 球形状を有するとともに、平均粒子径D 50 が10~300nmであり、かつ前記平均粒子径D 50 と粒子径の最大値D max との比(D max /D 50 )が3以下であることを特徴とするニッケル粉末、またはニッケルを主成分とする合金粉末。 |
| ニッケルイオンと、還元剤と、分散剤とを含む反応液中で、前記還元剤により前記ニッケルイオンを還元させて、ニッケル粉末、またはニッケルを主成分とする合金粉末を析出させるニッケル粉末、またはニッケルを主成分とする合金粉末の製造方法であって、 前記分散剤が、分子量が150以下のアンモニア化合物であることを特徴とするニッケル粉末、またはニッケルを主成分とする合金粉末の製造方法。 |
| 前記アンモニア化合物が、塩化アンモニウムであることを特徴とする請求項2に記載のニッケル粉末、またはニッケルを主成分とする合金粉末の製造方法。 |
| 前記還元剤が、三塩化チタンであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のニッケル粉末、またはニッケルを主成分とする合金粉末の製造方法。 |
| 請求項1に記載のニッケル粉末、またはニッケルを主成分とする合金粉末と、有機ビヒクルを主成分とすることを特徴とする導電性ペースト。 |
| 内部電極層および誘電体層を交互に積層して形成されたコンデンサ本体を備える積層セラミックコンデンサであって、 前記内部電極層が、請求項5に記載の導電性ペーストにより形成されていることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。 |
本発明は、金属粉末およびその製造方法 導電性ペースト、並びに積層セラミックコ デンサに関し、特に、積層セラミックコン ンサの内部電極に用いる導電性ペースト用 導電性微粉末として好適な金属粉末、その 造方法、およびそれを用いた導電性ペース 、並びに積層セラミックコンデンサに関す 。
近年、金属粉末は、種々の分野で使用さ ており、厚膜導電体の材料として、積層セ ミック部品の電極等の電気回路の形成に使 されている。例えば、積層セラミックコン ンサ(Multi-LayerCeramic Capacitor:MLCC)の内部電極 、金属粉末を含む導電性ペーストを用いて 成されている。
この積層セラミックコンデンサは、複数 誘電体層と複数の導電層(内部電極層)とを 圧着により交互に積み重ね、これを焼成し 一体化することにより、積層セラミック焼 体としたセラミック本体と、当該セラミッ 本体の両端部に一対の外部電極を形成した のである。
より具体的には、例えば、金属粉末を、 ルロース系樹脂等の有機バインダーをター ネオール等の溶剤に溶解させた有機ビヒク と混合し、三本ロール等によって混練・分 して、内部電極用の導電性ペーストを作製 、この導電性ペーストを、誘電体層を形成 るセラミックグリーンシート上に印刷し、 ラミックグリーンシートと導電性ペースト (内部電極層)とを、圧着により交互に積み ねて積層体を形成する。そして、この積層 を還元雰囲気下において焼成することによ 、積層セラミック焼成体を得ることができ 。
また、この積層セラミックコンデンサの 部電極を形成する導電性ペーストに含有さ る金属粉末として、従来、白金、パラジウ 、銀-パラジウム合金等の金属が用いられて いたが、これらの金属は高価であるため、近 年、低コスト化を図るべく、より安価なニッ ケル等の金属が使用されている。
また、近年、電子部品の高性能化に伴い、
層セラミックコンデンサの小型化、高容量
が要請されており、内部電極の薄層化(内部
電極の層厚が1μm以下)および電極表面の平滑
が求められている。そこで、積層セラミッ
コンデンサの内部電極を形成する導電性ペ
ストに含有される金属粉末として、粗粒が
なく、かつ微粒であるニッケル粉末が提案
れている。より具体的には、例えば、ニッ
ル塩及びポリオールを含む反応液中に、カ
ボキシル基及び/又はアミノ基を含むカルボ
ン酸類又はアミン類、貴金属触媒を含有させ
た状態で、この反応液中のニッケル塩を還元
することにより製造されたニッケル粉末が開
示されている。そして、このようなニッケル
粉末は、粗粒が少なく、かつ微粒であるとと
もに、粒度分布がシャープであるため、当該
ニッケル粉末を含有する導電性ペーストを用
いて積層セラミックコンデンサの内部電極を
形成することにより、内部電極の薄層化およ
び電極表面の平滑化が可能になると記載され
ている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、一般に、ニッケル粉末は磁性を有 するため、ニッケル粉末を製造する工程にお いて、粒子同士が結合して連鎖状の粉末とな りやすい。従って、上記従来のニッケル粉末 を使用した場合であっても、ニッケル粉末が 連鎖状の粉末であると、導電性ペーストへの 高密度充填が困難になる。その結果、電極表 面の平滑化が困難になるとともに、セラミッ クグリーンシートの焼結に伴う収縮量は、ニ ッケル粉末を含有する導電性ペーストの収縮 量よりも小さいため、焼結の進行に伴って、 導電性ペーストが島状に途切れてしまい、電 極途切れ(内部電極の途切れ)が発生し、積層 ラミックコンデンサの静電容量が低下する いう不都合が生じていた。これらの不都合 、内部電極層の層厚が1μm以下の場合、特に 、顕著になる。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みて されたものであり、内部電極層を薄層化し 場合であっても、表面が平滑化され、さら 電極途切れを確実に防止できる内部電極を える積層セラミックコンデンサ、それに用 られる導電性ペースト、ニッケル粉末、ま はニッケルを主成分とする合金粉末および の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載 の発明では、球形状を有するとともに、平均 粒子径D 50 が10~300nmであり、かつ前記平均粒子径D 50 と粒子径の最大値D max との比(D max /D 50 )が3以下であることを特徴とするニッケル粉 、またはニッケルを主成分とする合金粉末 ある。
同構成によれば、ニッケル粉末、またはニ ケルを主成分とする合金粉末の粒度分布が ャープであるため、ニッケル粉末、または ッケルを主成分とする合金粉末を、積層セ ミックコンデンサの内部電極用の導電性ペ ストに使用する場合に、導電性ペーストへ 高密度充填が容易になる。従って、ニッケ 粉末、またはニッケルを主成分とする合金 末を含有する導電性ペーストにより、層厚 1μm以下の薄層化された内部電極を形成する 場合であっても、電極表面の平滑化が容易に なるとともに、電極途切れの発生を回避する ことが可能になる。平均粒子径D 50 が10nmより小さいと、粒子が小さすぎるため 表面活性が非常に高くなって低温で焼結が 行しやすくなる。このため、導電性ペース は焼結の進行に伴って島状に途切れ、電極 切れが発生しやすくなる。一方、平均粒子 D 50 が300nmより大きいと層厚1μmの約1/3と大きいこ とから、1μm以下の平滑膜が得られにくい。 た、D max /D 50 が3より大きいと粒度分布が広く粗大な粒子 含むため密度の高い層が得られず、電極途 れが発生しやすくなる。
請求項2に記載の発明は、ニッケルイオン と、還元剤と、分散剤とを含む反応液中で、 還元剤によりニッケルイオンを還元させて、 ニッケル粉末、またはニッケルを主成分とす る合金粉末を析出させるニッケル粉末、また はニッケルを主成分とする合金粉末の製造方 法であって、分散剤が、分子量が150以下のア ンモニア化合物であることを特徴とする。
同構成によれば、反応液において、アン ニア化合物が析出したニッケル粉末、また ニッケルを主成分とする合金粉末の表面に 着して、ニッケル粉末、またはニッケルを 成分とする合金粉末の凝集を防止するため バリアとして作用するため、反応液中のニ ケル粉末、またはニッケルを主成分とする 金粉末の分散性が向上し、ニッケル粉末、 たはニッケルを主成分とする合金粉末同士 凝集して、連鎖状の粉末となるのを防止す ことが可能になる。従って、反応液におい 、還元反応を均一に起こすことが可能にな ため、球形状を有するとともに、粒度分布 シャープなニッケル粉末、またはニッケル 主成分とする合金粉末を得ることが可能に る。その結果、ニッケル粉末、またはニッ ルを主成分とする合金粉末を、積層セラミ クコンデンサの内部電極用の導電性ペース に使用する場合に、導電性ペーストへの高 度充填が容易になるため、ニッケル粉末、 たはニッケルを主成分とする合金粉末を含 する導電性ペーストにより、層厚が1μm以下 の薄層化された内部電極を形成する場合であ っても、電極表面の平滑化が容易になるとと もに、電極途切れの発生を回避することが可 能になる。アンモニア化合物の分子量は150以 下が必要で、150より大きいとニッケル粉末、 またはニッケルを主成分とする合金粉末の分 散性の向上効果が十分に発揮されない。
請求項3に記載の発明は、請求項3に記載 ニッケル粉末、またはニッケルを主成分と る合金粉末の製造方法であって、アンモニ 化合物が、塩化アンモニウムであることを 徴とする。同構成によれば、反応液中のニ ケル粉末、またはニッケルを主成分とする 金粉末の分散性をより一層向上させること でき、ニッケル粉末、またはニッケルを主 分とする合金粉末同士が凝集して、連鎖状 粉末となるのを確実に防止することが可能 なる。その結果、球形状を有するとともに 粒子径が均一なニッケル粉末、またはニッ ルを主成分とする合金粉末を得ることが可 になる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または 求項3に記載のニッケル粉末、またはニッケ を主成分とする合金粉末の製造方法であっ 、還元剤が、三塩化チタンであることを特 とする。同構成によれば、三塩化チタンは 還元性を有するため、反応液中のニッケル オンを容易に還元することが可能になる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載 ニッケル粉末、またはニッケルを主成分と る合金粉末と、有機ビヒクルを主成分とす ことを特徴とする導電性ペーストである。 構成によれば、球形状を有するとともに、 度分布がシャープなニッケル粉末、または ッケルを主成分とする合金粉末が高密度充 された導電性ペーストを提供することが可 になるため、薄型化、および電極表面の平 化が要請されるとともに、電極途切れのな 積層セラミックコンデンサの内部電極の形 に最適な導電性ペーストを提供することが 能になる。
請求項6に記載の発明は、内部電極層およ び誘電体層を交互に積層して形成されたコン デンサ本体を備える積層セラミックコンデン サであって、内部電極層が、請求項5に記載 導電性ペーストにより形成されていること 特徴とする。
同構成によれば、層厚が1μm以下であり、 かつ電極表面が平滑であり、さらに電極途切 れのない内部電極を備える積層セラミックコ ンデンサを提供することが可能になる。
本発明によれば、ニッケル粉末、または ッケルを主成分とする合金粉末を含有する 電性ペーストにより、層厚が1μm以下の内部 電極を形成する場合であっても、電極表面の 平滑化に優れるとともに、電極途切れの発生 を回避することができる金属粉末を提供でき る。
以下に、本発明の好適な実施形態につい 説明する。本発明に係る金属粉末は、積層 ラミックコンデンサの内部電極に用いる導 性ペースト用の導電性粉末として使用され ものである。本発明に係る金属粉末の製造 法としては、水溶液中の金属イオンを還元 て、金属化合物を湿式還元処理することに り作製することができる。
より具体的には、水もしくは水と低級ア コールの混合物に水溶性の金属化合物を加 て溶解して、金属イオンを含む水溶液を作 し、この水溶液に分散剤を添加した後、還 剤を溶解した水溶液と、錯体イオンを含む 溶液を加えた反応液を作製し、当該反応液 攪拌することにより作製できる。
例えば、金属粉末として、ニッケル粉末 たはニッケルを主成分とする合金粉末を製 する場合は、純水に金属化合物としてのニ ケル塩(例えば、塩化ニッケル)が溶解した 属イオン(ニッケルイオン)を含み、分散剤が 添加された水溶液と、還元剤として作用する 3価のチタンイオンを含むチタンイオン水溶 と、錯体イオンを含む水溶液を、所定の割 で混合して反応液を作製した後、当該反応 にpH調整剤として炭酸ナトリウム水溶液を加 えてpHを調整し、攪拌を行うことにより、ニ ケルイオンを還元して、ニッケル粉末また ニッケルを主成分とする合金粉末を析出さ ることにより製造する。
本発明に係る金属粉末としては、特に限 されないが、ニッケル粉末、ニッケルを主 分とする合金粉末が好適に使用される。こ は、ニッケル粉末、またはニッケルを主成 とする合金粉末は、導電性に優れるととも 、銅等の他の金属に比し耐酸化性に優れる め、酸化による導電性の低下も生じにくく 導電性材料として好適だからである。ニッ ルの合金粉末としては、例えば、マンガン クロム、コバルト、アルミニウム、鉄、銅 亜鉛、銀、およびパラジウムからなる群よ 選択される少なくとも1種以上の元素とニッ ケルとの合金粉末が使用できる。また、ニッ ケルを主成分とする合金粉末におけるニッケ ルの含有量は、60重量%以上、好ましくは80重 %以上であることが好ましい。これは、ニッ ケルの含有量が少なくなると、焼成時に酸化 されやすくなるため、電極途切れや静電容量 の低下等が起こりやすくなるためである。
また、使用するニッケル塩は、特に限定 れないが、例えば、塩化ニッケル、硝酸ニ ケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル、スル ァミン酸ニッケル、および水酸化ニッケル らなる群より選ばれる少なくとも1種類を含 むものが使用できる。また、これらのニッケ ル塩のうち、還元剤である三塩化チタンと同 じ塩素イオンを含むとの観点から、塩化ニッ ケルを使用することが好ましい。
また、反応液中のニッケル塩の濃度は、5 g/l以上100g/l以下が好ましい。これは、ニッケ ル塩の濃度が5g/l未満の場合は、十分な量の ッケル粉末を還元析出させることが困難に るため、生産性が低下し、また、ニッケル の濃度が100g/lより大きい場合は、ニッケル 子同士の衝突確率が増すため粒子が凝集し すく、粒子径の制御が困難になるという不 合が生じる場合があるためである。
また、使用する還元剤としては、例えば 三塩化チタン、水素化ホウ素ナトリウム、 ドラジン等が使用できる。このうち、金属 オンに対する強還元性を有する三塩化チタ を使用し、3価のチタンイオンを含むチタン イオン水溶液を用いて金属イオンを還元する ことが好ましい。
また、錯体を形成する錯体イオンはニッ ルイオンと錯体を形成し安定化させること 、反応速度を制御できる。この錯体を形成 る錯体イオン、およびpH調整剤は、従来、 ッケル粉末の還元析出工程において使用さ ているものであれば、特に限定されない。 り具体的には、pH調整剤としては、例えば、 炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アンモ ニア等を使用することができ、錯体イオンと しては、例えば、クエン酸イオン、酒石酸イ オン、酢酸イオン、グルコン酸イオン、アン モニウムイオン等を使用することができる。
また、本実施形態においては、ニッケル 末の製造工程において、反応液における還 反応により析出したニッケル粉末の凝集を 止するとともに、ニッケル粉末の粒度分布 シャープにするための分散剤を使用する構 としている。そして、本実施形態において 、この分散剤として、低分子量(分子量が150 以下)のアンモニア化合物を使用する構成と ている。
このような構成により、反応液において アンモニア化合物が、還元析出したニッケ 粉末の表面に吸着して、ニッケル粉末の凝 を防止するためのバリアとして作用するた 、反応液中のニッケル粉末の分散性が向上 、ニッケル粒子同士が凝集して、連鎖状の 末となるのを防止することが可能になる。 の結果、反応液において、還元反応を均一 起こすことが可能になるため、球形状を有 るとともに、粒度分布がシャープなニッケ 粉末を得ることが可能になる。
より具体的には、本発明の製造方法を使用 ることにより、球形状を有するとともに、 均粒子径D 50 が10~300nmであって、粒子径の最大値D max との比(D max /D 50 )が3以下であるニッケル粉末、またはニッケ を主成分とする合金粉末を得ることが可能 なる。そして、このような球形状を有する ともに、粒度分布がシャープなニッケル粉 、またはニッケルを主成分とする合金粉末 、導電性ペーストへの高密度充填が容易に るため、ニッケル粉末、またはニッケルを 成分とする合金粉末を含有する導電性ペー トにより、層厚が1μm以下の内部電極を形成 する場合であっても、電極表面の平滑化が容 易になるとともに、電極途切れの発生を回避 することが可能になる。
なお、分散剤として使用する分子量が150 下のアンモニア化合物としては、反応液中 ニッケル粉末の分散性を向上させて、ニッ ル粉末同士の凝集を防止できるものであれ 、特に限定はされない。例えば、分子量が1 50以下の塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ 、酢酸アンモニウム等が使用できる。この ち、還元剤である三塩化チタンと同じ塩素 オンを含むとの観点から、アンモニア化合 として、塩化アンモニウムを使用すること 特に好ましい。この他、高分子分散剤と併 する構成としても良く、例えば、ポリビニ ピロリドン、ポリカルボン酸型アニオン系 散剤等を使用することができる。
また、反応液中のアンモニア化合物の濃 は、50g/l以上300g/l以下が好ましい。これは アンモニア化合物の濃度が50g/l未満の場合は 、上述したニッケル粉末の分散性の向上効果 が十分に発揮されない場合があり、また、ア ンモニア化合物の濃度が300g/lより大きい場合 は、溶解度を超えるため、溶け残りが発生し て、反応液の均一性が乱れるという不都合が 生じる場合があるためである。
次に、積層セラミックコンデンサの内部 極用の導電性ペーストについて説明する。 発明の導電ペーストとしては、上述の本発 のニッケル粉末、またはニッケルを主成分 する合金粉末と、有機ビヒクルを主成分と ている。本発明において使用される有機ビ クルは、樹脂と溶剤との混合物であり、樹 としては、メチルセルロース、エチルセル ース、ニトロセルロース、酢酸セルロース プロピオン酸セルロース等のセルロース系 脂、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ ル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル等の クリル酸エステル類、アルキッド樹脂、お びポリビニルアルコール等が使用でき、安 性、安定性等の観点から、エチルセルロー が特に好ましく使用される。また、有機ビ クルを構成する溶剤としては、ターピネオ ル、テトラリン、ブチルカルビトール、カ ビトールアセテート等を単独でまたは混合 て使用することができる。
導電性ペーストを作製する際には、例え 、セルロース系樹脂の有機バインダーをタ ピネオールに溶解させた有機ビヒクルを作 し、次いで、本発明のニッケル粉末、また ニッケルを主成分とする合金粉末と有機ビ クルを混合し、三本ロールやボールミル等 よって混練・分散することにより、本発明 積層セラミックコンデンサの内部電極用の 電性ペーストを得ることができる。なお、 電性ペーストには、誘電体材料や焼結調整 の添加剤等を加えることもできる。
次に、上述の導電性ペーストを使用した 層セラミックコンデンサの製造方法につい 説明する。積層セラミックコンデンサは、 ラミックグリーンシートからなる複数の誘 体層と、導電性ペーストからなる複数の内 電極層とを、圧着により交互に積層させて 層体を得た後、当該積層体を焼成して一体 することにより。セラミック本体となる積 セラミック焼成体を作製したのち、当該セ ミック本体の両端部に一対の外部電極を形 することにより製造される。
より具体的には、まず、未焼成のセラミ クシートであるセラミックグリーンシート 用意する。このセラミックグリーンシート しては、例えば、チタン酸バリウム等の所 のセラミックの原料粉末に、ポリビニルブ ラール等の有機バインダーとターピネオー 等の溶剤とを加えて得た誘電体層用ペース を、PETフィルム等の支持フィルム上にシー 状に塗布し、乾燥させて溶剤を除去したも 等が挙げられる。なお、セラミックグリー シートからなる誘電体層の厚みは、特に限 されないが、積層セラミックコンデンサの 型化の要請の観点から、0.05μm~3μmが好まし 。
次いで、このセラミックグリーンシート 片面に、スクリーン印刷法等の公知の方法 よって、上述の導電性ペーストを印刷して 布し、導電性ペーストからなる内部電極層 形成したものを複数枚、用意する。なお、 電性ペーストからなる内部電極層の厚みは 当該内部電極層の薄層化の要請の観点から 1μm以下とすることが好ましい。
次いで、支持フィルムから、セラミック リーンシートを剥離するとともに、セラミ クグリーンシートからなる誘電体層とその 面に形成された導電性ペーストからなる内 電極層とが交互に配置されるように、加熱 加圧処理により積層して、積層体を得る。 お、当該積層体の両面に、導電性ペースト 塗布していない保護用のセラミックグリー シートを配置する構成としても良い。
次いで、積層体を所定サイズに切断してグ ーンチップを形成した後、当該グリーンチ プに対して脱バインダー処理を施し、還元 囲気下において焼成することにより、積層 ラミック焼成体を製造する。なお、脱バイ ダー処理における雰囲気は、大気またはN 2 雰囲気にすることが好ましく、脱バインダー 処理を行う際の温度を200℃~400℃とすること 好ましい。また、脱バインダー処理を行う の、上記温度の保持時間を0.5時間~24時間と ることが好ましい。また、焼成は、内部電 層に用いる金属の酸化を抑制するために還 雰囲気で行われ、焼成を行う際の雰囲気は N 2 またはN 2 とH 2 との混合ガスの雰囲気にすることが好ましく 、また、積層体の焼成を行う際の温度を1250 ~1350℃とすることが好ましい。また、焼成を 行う際の、上記温度の保持時間を0.5時間~8時 とすることが好ましい。
グリーンチップの焼成を行うことにより グリーンシート中の有機バインダーが除去 れるとともに、セラミックの原料粉末が焼 されて、セラッミック製の誘電体層が形成 れる。また内部電極層中の有機ビヒクルが 去されるとともに、ニッケル粉末、または ッケルを主成分とする合金粉末が焼結もし は溶融、一体化されて、内部電極が形成さ 、誘電体層と内部電極層とが複数枚、交互 積層された積層セラミック焼成体が形成さ る。
なお、酸素を誘電体層の内部に取り込んで 気的特性を高めるとともに、内部電極の再 化を抑制するとの観点から、焼成後のグリ ンチップに対して、アニール処理を施すこ が好ましい。なお、アニール処理における 囲気は、N 2 雰囲気にすることが好ましく、アニール処理 を行う際の温度を800℃~950℃とすることが好 しい。また、アニール処理を行う際の、上 温度の保持時間を2時間~10時間とすることが ましい。
そして、作製した積層セラミック焼成体 対して、一対の外部電極を設けることによ 、積層セラミックコンデンサが製造される なお、外部電極の材料としては、例えば、 やニッケル、またはこれらの合金が好適に 用できる。
以上に説明した本実施形態によれば、以下
効果を得ることができる。
(1)本実施形態においては、ニッケル粉末、
たはニッケルを主成分とする合金粉末が、
形状を有するとともに、平均粒子径D 50
が10~300nmであり、かつ平均粒子径D 50
と粒子径の最大値D max
との比(D max
/D 50
)が3以下である構成としている。従って、金
粉末であるニッケル粉末、またはニッケル
主成分とする合金粉末の粒度分布がシャー
であるため、ニッケル粉末、またはニッケ
を主成分とする合金粉末を、積層セラミッ
コンデンサの内部電極用の導電性ペースト
使用する場合に、導電性ペーストへの高密
充填が容易になる。従って、ニッケル粉末
またはニッケルを主成分とする合金粉末を
有する導電性ペーストにより、層厚が1μm以
下の薄層化された内部電極を形成する場合で
あっても、電極表面の平滑化が容易になると
ともに、電極途切れの発生を回避することが
可能になる。
(2)本実施形態においては、ニッケル粉末 またはニッケルを主成分とする合金粉末を 造する際に、ニッケルイオンと、還元剤と 分散剤とを含む反応液中で、還元剤により ッケルイオンを還元させて、ニッケル粉末 またはニッケルを主成分とする合金粉末を 出させる構成としている。そして、分散剤 して、分子量が150以下のアンモニア化合物 使用する構成としている。従って、反応液 おいて、アンモニア化合物が還元析出した ッケル粉末、またはニッケルを主成分とす 合金粉末の表面に吸着して、ニッケル粉末 またはニッケルを主成分とする合金粉末の 集を防止するためのバリアとして作用する め、反応液中のニッケル粉末、またはニッ ルを主成分とする合金粉末の分散性が向上 、ニッケル粉末、またはニッケルを主成分 する合金粉末同士が凝集して、連鎖状の粉 となるのを防止することが可能になる。従 て、反応液において、還元反応を均一に起 すことが可能になるため、球形状を有する ともに、粒度分布がシャープなニッケル粉 、またはニッケルを主成分とする合金粉末 得ることが可能になる。その結果、ニッケ 粉末、またはニッケルを主成分とする合金 末を、積層セラミックコンデンサの内部電 用の導電性ペーストに使用する場合に、導 性ペーストへの高密度充填が容易になるた 、ニッケル粉末、またはニッケルを主成分 する合金粉末を含有する導電性ペーストに り、層厚が1μm以下の内部電極を形成する場 合であっても、電極表面の平滑化が容易にな るとともに、電極途切れの発生を回避するこ とが可能になる。
(3)本実施形態においては、アンモニア化 物として、塩化アンモニウムを使用する構 としている。従って、反応液中のニッケル 末、またはニッケルを主成分とする合金粉 の分散性をより一層向上させることができ ニッケル粉末、またはニッケルを主成分と る合金粉末同士が凝集して、連鎖状の粉末 なるのを確実に防止することが可能になる その結果、球形状を有するとともに、粒子 が均一なニッケル粉末、またはニッケルを 成分とする合金粉末を得ることが可能にな 。
(4)本実施形態においては、還元剤として 強還元性を有する三塩化チタンを使用する 成としている。従って、反応液中のニッケ イオンを容易に還元することが可能になる
以下に、本発明を実施例、比較例に基づ て説明する。なお、本発明は、これらの実 例に限定されるものではなく、これらの実 例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更す ことが可能であり、それらを本発明の範囲 ら除外するものではない。
(実施例1)
(ニッケル粉末の作製)
金属化合物としての塩化ニッケル六水和物
、80g/lの濃度となるように純水に溶解させ
ニッケルイオンを含む水溶液を作製し、こ
水溶液に分散剤として塩化アンモニウム(分
量53.5)を、250g/lの濃度となるように添加し
。次いで、還元剤としての塩化チタンを、80
g/lの濃度となるように添加した。また、錯化
剤としてのクエン酸ナトリウムを、92g/lの濃
となるように添加した。さらに、第二の分
剤として、高分子分散剤であるポリビニル
ロリドンを1g/lの濃度となるように添加した
。そして、これらの水溶液を混合して、反応
液を作製し、この反応液に、pH調整剤として
炭酸ナトリウムを、50g/lの濃度となるよう
純水に溶解させた炭酸ナトリウム水溶液を
えて、反応液のpHが9となるように調整した
次いで、この反応液を、30℃の反応温度で12 0分間、500rpmの速度で攪拌しながら反応させ 、ニッケル粉末を還元析出させた。そして 析出したニッケル粉末において、走査型電 顕微鏡を使用して倍率30000倍にて観察したと ころ、ニッケル粉末は、球形状を有すること が確認され、また、電子顕微鏡の画像から粒 子をカウントすることにより、粒度分布を測 定したところ、100nmの位置に鋭いピークが見 れた。また、測定した粒度分布から、平均 子径D 50 、および最大粒子径D max を求めたところ、平均粒子径D 50 が104nm、最大粒子径D max が280nmであった。ここで平均粒子径D 50 は、倍率30000倍の走査型電子顕微鏡写真の視 3.3×4.0μm範囲の全粒子を対象に、各粒子の 径(長軸、短軸の平均値)を求め、体積換算し たときの平均値であり、最大粒子径D max は、同対象の中での最大粒子径の値である。 次いで、この反応液に対して吸引ろ過を行い 、純水で洗浄を繰り返しながら不純物を除去 して、水を分散媒とするニッケル分散液を得 た。そして、このニッケル分散液を乾燥させ ることにより、ニッケル粉末を作製した。な お、本実施例で得られたニッケル粉末の電子 顕微鏡写真を図1に示す。
(導電性ペーストの作製)
次いで、有機バインダーであるエチルセル
ース10重量部をターピネオール90重量部に溶
解させた有機ビヒクルを作製し、上述の作製
したニッケル粉末100重量部と有機ビヒクル40
量部を混合し、三本ロールによって混練・
散することにより、積層セラミックコンデ
サの内部電極用の導電性ペーストを作製し
。
(内部電極の作製、積層体の作製)
まず、誘電体層用ペースト(セラミックの原
料粉末であるチタン酸バリウムに、有機バイ
ンダーであるエチルセルロースと溶剤である
ターピネオールとを加えたもの)を支持フィ
ムであるPETフィルム上にシート状に塗布し
次いで、乾燥させて溶剤を除去することに
り、厚みが2μmであるセラミックグリーンシ
トを作製した。次いで、このセラミックグ
ーンシートの片面に、スクリーン印刷法に
り、上述の作製した導電性ペーストを印刷
て塗布し、導電性ペーストからなる厚みが0
.8μmである内部電極層を形成した。次いで、P
ETフィルムからセラミックグリーンシートを
離するとともに、剥離したセラミックグリ
ンシートの内部電極層の表面上に保護用の
ラミックグリーンシートを積層、圧着して
セラミックグリーンシートからなる誘電体
と導電性ペーストからなる内部電極層とが
互に積層された積層体を作製した。
(積層セラミック焼成体の作製)
製作した積層体を所定サイズ0.6mm×0.3mmに切
してグリーンチップを形成後、当該グリー
チップに対して脱バインダー処理、焼成、
よびアニール処理を行い、コンデンサ本体
ある積層セラミック焼成体を作製した。な
、脱バインダー処理は、大気雰囲気におい
、300℃の温度で、保持時間を1時間として行
った。また、焼成は、N 2
ガス雰囲気において、1300℃の温度で、保持
間を2時間として行った。また、アニール処
は、N 2
ガス雰囲気において、900℃の温度で、保持時
間を1時間として行った。
(電極表面の平滑性評価、および電極途切れ
評価)
次いで、製作した積層セラミック焼成体を
断し、その断面を、走査型電子顕微鏡を使
して観察(倍率:2000倍、視野:50μm×60μm)して
電極の平滑性、および電極途切れの有無を
視により判断した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
分散剤である塩化アンモニウムを使用しな
ったこと以外は、上述の実施例1と同様にし
て、ニッケル粉末を作製し、導電性ペースト
、内部電極、積層体、および積層セラミック
焼成体を得た。その後、上述の実施例1と同
条件により、電極表面の平滑性評価、およ
電極途切れ評価を行った、以上の結果を表1
示す。なお、本比較例で得られたニッケル
末の電子顕微鏡写真を図2に示す。
(比較例2)
分散剤として塩化アンモニウムの代わりに
オ尿素を使用し、このチオ尿素を、10g/lの
度となるように添加したこと以外は、上述
実施例1と同様にして、ニッケル粉末を作製
、導電性ペースト、内部電極、積層体、お
び積層セラミック焼成体を得た。その後、
述の実施例1と同一条件により、電極表面の
平滑性評価、および電極途切れ評価を行った
、以上の結果を表1に示す。なお、本比較例
得られたニッケル粉末の電子顕微鏡写真を
3に示す。
表1、図1に示すように、実施例1のニッケル 末は、球形状を有しており、連鎖状の粉末 なっていないことが判る。また、平均粒子 D 50 が10~300nmの範囲内であり、かつ平均粒子径D 50 と粒子径の最大値D max との比(D max /D 50 )が3以下であることが判る。また、実施例1の ニッケル粉末を含有する導電性ペーストによ り形成された内部電極は、薄層化した場合で あっても、表面の平滑性に優れるとともに、 電極途切れが発生していないことが判る。以 上より、実施例1のニッケル粉末を含有する 電性ペーストは、積層セラミックコンデン の内部電極の形成に優れていると言える。
一方、表1、図2,3に示すように、比較例1,2の ニッケル粉末は、連鎖状の粉末となっている ことが判る。なお、比較例1,2のニッケル粉末 は、連鎖状の粉末となっていたため、平均粒 子径D 50 、および平均粒子径D 50 と粒子径の最大値D max との比(D max /D 50 )を測定することができなかったが、比較例1 ニッケル粉末は、短径が1000nm、長径が20000nm である連鎖状の粉末であり、比較例2のニッ ル粉末は、短径が500nm、長径が10000nmである 鎖状の粉末であった。また、比較例1,2のニ ケル粉末を含有する導電性ペーストにより 成された内部電極は、薄層化した場合、表 の平滑性が不良であるとともに、電極途切 が発生していることが判る。これは、比較 1,2においては、反応液中の分散剤の有無に かわらず、ニッケル粒子同士が結合して連 状の粉末となったため、導電性ペーストへ 高密度充填が困難になったためであると考 られる。
本発明の活用例としては、ニッケル粉末 またはニッケルを主成分とする合金粉末お びその製造方法、導電性ペースト、並びに 層セラミックコンデンサに関し、特に、積 セラミックコンデンサの内部電極に用いる 電性ペースト用の導電性微粉末として好適 ニッケル粉末、またはニッケルを主成分と る合金粉末、その製造方法、およびそれを いた導電性ペースト、並びに積層セラミッ コンデンサが挙げられる。
