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Title:
NITROGEN-CONTAINING HETEROCYCLIC COMPOUND AND PHARMACEUTICAL COMPOSITION CONTAINING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/126901
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a novel compound having a xanthine oxidase inhibitory activity. Also disclosed is a pharmaceutical composition which contains such a compound as an active ingredient. Specifically disclosed is a nitrogen-containing heterocyclic compound represented by the general formula (I) below or the like, a pharmaceutically acceptable salt thereof, or a pharmaceutical composition containing any of them as an active ingredient.(I) (In the formula, Y1 represents N or C(R4); Y2 represents N or C(R5); R4 and R5 independently represent an alkyl group, a hydrogen atom or the like; one of R1 and R2 represents an optionally substituted aryl group, an alkoxy group or an optionally substituted heterocyclic group; the other one of R1 and R2 represents a haloalkyl group, a cyano group, a halogen atom or the like; and R3 represents a 5-tetrazolyl group or a carboxy group.)

Inventors:
KIKUCHI NORIHIKO (JP)
TAKIGAWA YASUSHI (JP)
SHIMIZU KAZUO (JP)
FUJIKURA HIDEKI (JP)
IIZUKA MASATO (JP)
TOYOSHIMA TAKAHIRO (JP)
SASAKI TOSHINOBU (JP)
HOSHINO CHIKARA (JP)
TAKEDA MASAKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057095
Publication Date:
October 23, 2008
Filing Date:
April 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KISSEI PHARMACEUTICAL (JP)
KIKUCHI NORIHIKO (JP)
TAKIGAWA YASUSHI (JP)
SHIMIZU KAZUO (JP)
FUJIKURA HIDEKI (JP)
IIZUKA MASATO (JP)
TOYOSHIMA TAKAHIRO (JP)
SASAKI TOSHINOBU (JP)
HOSHINO CHIKARA (JP)
TAKEDA MASAKAZU (JP)
International Classes:
C07D207/34; A61K31/402; A61K31/4025; A61K31/404; A61K31/407; A61K31/41; A61K31/415; A61K31/4155; A61K31/416; A61K31/4192; A61K31/427; A61K31/437; A61P3/10; A61P9/10; A61P19/06; A61P25/00; A61P29/00; A61P35/00; A61P43/00; C07D209/42; C07D231/14; C07D231/56; C07D249/06; C07D403/10; C07D405/04; C07D409/04; C07D417/04; C07D471/04; C07D491/048
Domestic Patent References:
WO2007043401A12007-04-19
WO2007043400A12007-04-19
Foreign References:
JP2005529850A2005-10-06
JP2000001431A2000-01-07
JP3220987B22001-10-22
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Claims:
 下記一般式(I)
(式中、Y 1 はN又はC(R 4 );Y 2 はN又はC(R 5 );R 4 及びR 5 は独立してハロゲン原子を有していてもよいアルキル基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシ基;
R 1 及びR 2 の一方はハロアルキル基、シアノ基、カルバモイル基又はハロゲン原子;
R 1 及びR 2 の他方はアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選択される置換基を有していてもよいアリール基(複数の置換基により環を形成していてもよい)、アルコキシ基、又はアルキル基もしくはハロゲン原子が置換していてもよいチエニル基、チアゾリル基又はピロリル基からなる群から選択される複素環基;R 3 は5-テトラゾリル基又はカルボキシ基である。但し、Y 2 がCR 5 であるときは、R 2 と共に置換基としてハロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基もしくはアルコキシ基を有していてもよいベンゼン環もしくはピリジン環を形成していてもよく、その環上の隣接する置換基が環を形成していてもよい。)で表される含窒素複素環化合物又はその医薬上許容される塩。
 下記一般式(I-A)又は(I-B)
(式中、R 4a 及びR 5a は独立して水素原子又はアルキル基;
R 1a 及びR 2a の一方はハロアルキル基、シアノ基又はハロゲン原子;
R 1a 及びR 2a の他方はアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選択される置換基を有していてもよいアリール基(複数の置換基により環を形成していてもよい)、アルコキシ基、又はアルキル基もしくはハロゲン原子が置換していてもよいチエニル基、チアゾリル基又はピロリル基からなる群から選択される複素環基;
R 3 は5-テトラゾリル基又はカルボキシ基である)で表される、請求項1記載の含窒素複素環化合物又はその医薬上許容される塩。
 R 1a がシアノ基である、請求項2記載の含窒素複素環化合物又はその医薬上許容される塩。
 R 2a がアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選択される置換基(複数の置換基により環を形成していてもよい)を有していてもよいアリール基;アルコキシ基;又はアルキル基もしくはハロゲン原子が置換していてもよいチエニル基である、請求項3記載の含窒素複素環化合物又はその医薬上許容される塩。
 R 3 がカルボキシ基である請求項2~4のいずれかに記載の含窒素複素環化合物又はその医薬上許容される塩。
 下記一般式(I-C)
(式中、Y 1C はN又はC(R 4C );Y 3 はN又はC(R 9 );R 4C 及びR 9 は独立してアルキル基、ハロアルキル基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシ基;
R 1C はシアノ基又はカルバモイル基;
R 6 、R 7 及びR 8 は独立してアルキル基、ハロアルキル基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシ基;又はR 6 、R 7 及びR 8 はそれぞれ隣接する置換基と環を形成していてもよい;
R 3 は5-テトラゾリル基又はカルボキシ基である)で表される、請求項1記載の含窒素複素環化合物又はその医薬上許容される塩。
 R 1C がシアノ基である請求項6記載の含窒素複素環化合物又はその医薬上許容される塩。
 前記R 3 がカルボキシ基である請求項6又は7に記載の含窒素含窒素複素環化合物又はその医薬上許容される塩。
 請求項1~8のいずれかに記載の含窒素複素環化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有してなることを特徴とする医薬組成物。
 キサンチンオキシダーゼ阻害剤である請求項9記載の医薬組成物。
 尿酸排泄促進剤である請求項9又は10記載の医薬組成物。
 痛風又は高尿酸血症用治療薬である請求項9~11のいずれかに記載の医薬組成物。
 虚血灌流障害、炎症性疾患、糖尿病、がん、動脈硬化又は神経疾患の治療薬である請求項9記載の医薬組成物。
Description:
含窒素複素環化合物およびそれ 含有する医薬組成物

 本発明は含窒素複素環化合物及びそれを 有する医薬組成物に関し、詳しくは、キサ チンオキシダーゼ阻害作用を有する含窒素 素環化合物及びそれを含有する医薬組成物 関する。

 高尿酸血症の主な原因は、尿酸産生の亢 と、尿酸排泄の低下である。前者の主な原 はキサンチンオキシダーゼ(以下、「X.O.」 も称する)による尿酸の過剰産生である。ま 、後者は、尿細管における尿酸再吸収作用 亢進であり、主要メカニズムとしては、ヒ 尿酸トランスポーター(以下、「URAT1」とも する)の亢進作用である。尿酸は水に溶けに くいため、高尿酸血症となり、血中の尿酸が 過剰となると、関節などに尿酸の結晶が析出 し急性関節炎発作(痛風)や慢性の骨・関節に 化をきたす。更に、尿路結石や腎障害(痛風 腎)の合併症が問題となる。

 現在、痛風、高尿酸血症の治療薬として X.O.阻害剤であるアロプリノールがよく用い られている。その他、特許文献1~4には、X.O. 害作用を有する高尿酸血症治療剤が開示さ ている。尿酸再吸収の抑制(尿酸排泄促進)作 用を有するベンズブロマロンも治療薬として 用いられている。この他の薬剤としてプロベ ネシド等が挙げられるが、薬効が弱く頻用さ れるには至っていない。また、特許文献5に 示されているビアリール化合物またはジア ールエーテル化合物は尿酸排泄促進作用を つ薬剤として報告されている。

 しかし、X.O.阻害剤であるアロプリノールは 、代謝産物のオキシプリノールが体内蓄積性 を有し、更には発疹、腎機能低下、肝炎等の 副作用が報告されており、処方しやすい薬剤 とはいえない。また、尿酸再吸収の抑制(尿 排泄促進)作用を有するベンズブロマロンも 劇症肝炎等の重篤な副作用が報告されてお 、また、結石の原因ともなり、適切な使用 制限が義務付けられており、処方しやすい 剤とはいえない。特許文献1~4記載のX.O.阻害 作用を有する高尿酸血症治療剤は、臨床上の 有用性は未知数である。特許文献5記載のビ リール化合物またはジアリールエーテル化 物は、個々の薬理作用は先行品と比較して いものである。当該分野の治療薬の多くは 市されて数十年経つものが多く、現在、医 現場において、治療の選択肢を広げる意味 ら新しい治療薬が望まれている。

特許第3399559号明細書

特許第3220987号明細書

特開2002-105067号公報

国際公開第03/064410号パンフレット

特開2000-001431号公報

 本発明の目的は、X.O.阻害作用を有する新 規化合物、及びそれを有効成分として含有す る医薬組成物を提供することである。

 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意 究した結果、特定の構造を有する含窒素複 環化合物が、X.O.阻害作用を有していること を見出し、本発明を完成するに至った。

 即ち、本発明は、
〔1〕 下記一般式(I)
(式中、Y 1 はN又はC(R 4 );Y 2 はN又はC(R 5 );R 4 及びR 5 は独立してハロゲン原子を有していてもよい アルキル基、水素原子、ハロゲン原子、シア ノ基又はアルコキシ ;
R 1 及びR 2 の一方はハロアルキル基、シアノ基、カルバ モイル基又はハロゲン原子;
R 1 及びR 2 の他方はアルキル基、ハロアルキル基、アル コキシ基及びハロゲン原子からなる群から選 択される置換基を有していてもよいアリール 基(複数の置換基により環を形成していても い)、アルコキシ基、又はアルキル基もしく ハロゲン原子が置換していてもよいチエニ 基、チアゾリル基又はピロリル基からなる から選択される複素環基;R 3 は5-テトラゾリル基又はカルボキシ基である 但し、Y 2 がCR 5 であるときは、R 2 と共に置換基としてハロアルキル基、ハロゲ ン原子、シアノ基もしくはアルコキシ基を有 していてもよいベンゼン環もしくはピリジン 環を形成していてもよく、その環上の隣接す る置換基が環を形成していてもよい。)で表 れる含窒素複素環化合物又はその医薬上許 される塩;
〔2〕 下記一般式(I-A)又は(I-B)
(式中、R 4a 及びR 5a は独立して水素原子又はアルキル基;
R 1a 及びR 2a の一方はハロアルキル基、シアノ基又はハロ ゲン原子;
R 1a 及びR 2a の他方はアルキル基、ハロアルキル基、アル コキシ基及びハロゲン原子からなる群から選 択される置換基を有していてもよいアリール 基(複数の置換基により環を形成していても い)、アルコキシ基、又はアルキル基もしく ハロゲン原子が置換していてもよいチエニ 基、チアゾリル基又はピロリル基からなる から選択される複素環基;
R 3 は5-テトラゾリル基又はカルボキシ基である) で表される、前記〔1〕記載の含窒素複素環 合物又はその医薬上許容される塩;
〔3〕 R 1a がシアノ基である、前記〔2〕記載の含窒素 素環化合物又はその医薬上許容される塩;
〔4〕 R 2a がアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ 基及びハロゲン原子からなる群から選択され る置換基(複数の置換基により環を形成して てもよい)を有していても
よいアリール基;アルコキシ基;又はアルキル もしくはハロゲン原子が置換していてもよ チエニル基である、前記〔3〕記載の含窒素 複素環化合物又はその医薬上許容される塩;
〔5〕 R 3 がカルボキシ基である前記〔2〕~〔4〕のいず れかに記載の含窒素複素環化合物又はその医 薬上許容される塩;
〔6〕 下記一般式(I-C)
(式中、Y 1C はN又はC(R 4C );Y 3 はN又はC(R 9 );R 4C 及びR 9 は独立してアルキル基、ハロアルキル基、水 素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコ キシ基;
R 1C はシアノ基又はカルバモイル基;
R 6 、R 7 及びR 8 は独立してアルキル基、ハロアルキル基、水 素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコ キシ基;又はR 6 、R 7 及びR 8 はそれぞれ隣接する置換基と環を形成してい てもよい;
R 3 は5-テトラゾリル基又はカルボキシ基である) で表される、前記〔1〕記載の含窒素複素環 合物又はその医薬上許容される塩;
〔7〕 R 1C がシアノ基である前記〔6〕記載の含窒素複 環化合物又はその医薬上許容される塩;
〔8〕 前記R 3 がカルボキシ基である前記〔6〕又は〔7〕に 載の含窒素含窒素複素環化合物又はその医 上許容される塩;
〔9〕 前記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の含 窒素複素環化合物又はその医薬上許容される 塩を有効成分として含有してなることを特徴 とする医薬組成物;
〔10〕 キサンチンオキシダーゼ阻害剤であ 前記〔9〕記載の医薬組成物;
〔11〕 尿酸排泄促進剤である前記〔9〕又は 10〕記載の医薬組成物;
〔12〕 痛風又は高尿酸血症用治療薬である 記〔9〕~〔11〕のいずれかに記載の医薬組成 ;
〔13〕 虚血灌流障害、炎症性疾患、糖尿病 がん、動脈硬化又は神経疾患の治療薬であ 前記〔9〕記載の医薬組成物;等に関する。

 更にまた、本発明の他の医薬組成物は、 記本発明の含窒素複素環化合物またはそれ の医薬上許容される塩を有効成分として含 してなることを特徴とするものである。

 なお、本明細書において使用する各置換 等の定義は次の通りである。「アリール基 とは、フェニル基、ナフチル基、ビフェニ 基等である。「アルキル基」は、直鎖でも 枝してもよく、環状であってもよい。炭素 は特に制限されるものではないが、好まし は1~12である。「アルコキシ基」のアルキル 基部分は、上記アルキル基と同様に、直鎖で も分枝してもよく、環状であってもよく、炭 素数は特に制限されるものではないが、好ま しくは1~12である。

 「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩 原子、臭素原子又はヨウ素原子をいう。「 ロアルキル基」とは、1又は複数個(好まし は1~3個)の上記ハロゲン原子で置換された上 アルキル基をいう。複数個のハロゲン原子 異なっていてもよい。

 本発明の含窒素複素環化合物またはその 薬上許容される塩は、X.O.阻害作用を有して いる化合物である。それらの化合物を有効成 分として含有する本発明の医薬組成物は、痛 風、高尿酸血症の治療薬として、また、虚血 灌流障害、炎症性疾患、糖尿病、がん、動脈 硬化または神経疾患等の種々の疾患の治療薬 として、応用が期待できる。

 本発明の一般式(I)で表される含窒素複素環 合物が、前記一般式(I-A)又は(I-B)で表される 含窒素複素環化合物である場合には、R 1 及びR 2 の一方は、シアノ基が好ましく、R 1 及びR 2 の他方は、アルキル基、ハロアルキル基、ア ルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から 選択される置換基(複数の置換基により環を 成していてもよい)を有していてもよいアリ ル基、又はアルコキシ基、又はアルキル基 しくはハロゲン原子が置換していてもよい エニル基が好ましい。R 1 がシアノ基であるのがより好ましい。上記ア リール基としては、フェニル基がより好まし い。R 3 としてはカルボキシ基が好ましい。

 本発明の一般式(I)で表される含窒素複素環 合物が、前記一般式(I-C)で表される含窒素 素環化合物である場合には、R 1C はシアノ基が好ましい。Y 1C がC(R 4C )であり、かつ、Y 3 がC(R 9 )(このとき、R 4C 及びR 9 は独立してハロアルキル基、水素原子、シア ノ基又はアルコキシ基である)であるのが好 しい。R 3 はカルボキシ基が好ましい。

 本発明の含窒素複素環化合物において、 の医薬上許容される塩とは、特に制限され ものではなく、例えば、塩酸塩、硫酸塩、 ン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩 コハク酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、リ ゴ酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸 、マレイン酸塩、フマール酸塩、メタンス ホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トル ンスルホン酸塩及びアスコルビン酸塩等を げることができる。なお、水和物、溶媒和 等であってもよい。

 本発明の医薬組成物は、含窒素複素環化 物またはその医薬上許容される塩を有効成 として含有してなることを特徴とするもの ある。本発明の医薬組成物は、キサンチン キシダーゼ阻害剤として、又はキサンチン キシダーゼ阻害剤及び尿酸排泄促進剤とし 好適であり、痛風または高尿酸血症用治療 として有用である。

 また、キサンチンオキシダーゼは、活性 素の発生に関与する酵素として注目されて ることから、本発明の医薬組成物は、活性 素の発生が関与する虚血灌流障害、炎症性 患、糖尿病、がん、動脈硬化または神経疾 等の疾患の治療薬としても期待される。

 本発明の医薬組成物の形態は、特に限定 れず、必要に応じて適宜選択することがで る。例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、 粒剤、散剤または液剤のような経口剤、ま は、注射剤、外用剤または坐剤のような非 口剤が挙げられ、定法に従い、製剤とする とができる。

 本発明の医薬組成物を痛風または高尿酸 症用治療薬として、または、虚血灌流障害 炎症性疾患、糖尿病、がん、動脈硬化また 神経疾患等の疾患の治療薬として用いる場 に、患者の年齢、性別、体重または疾患の 度により異なるが、通常、成人に対して、1 日あたり1mg~1gの範囲で、1日1回~複数回投与す る。

 以下、本発明を実施例に基づき説明する なお、実施例を説明するにあたり、仮称(XO- TT53等)を用いる。

1.ピラゾール誘導体の合成
 出発原料のアセトフェノンと、4-ヒドラジ 安息香酸との縮合反応により、ヒドラゾン XO-TT462を得た。次いでメチルエステルにした 後、ビルスマイヤー反応による環化、ホルミ ル化によりXO-TT466を得た。最後にシアノ化、 ステル加水分解によって、最終目的物のXO-T T469を5行程、総収率17%で得ることができた(下 記式)。

 XO-TT469のカルボン酸をテトラゾール基に変 した化合物の合成を行った。基本的な合成 先のXO-TT469と同様であるが、最後のXO-TT472の アノ化に関しては、テトラゾール基を保護 ずに反応を行い、低収率ではあるが目的のX O-TT473を合成することができた(下記式)。

 XO-TT469のピラゾール環の5位にメチル基を導 した化合物の合成を行った。1-フェニル-1,3- ブタンジオンとヒドラジンとの縮合反応によ り、ピラゾールXO-TT485を得た。次に4-フェニ カルボン酸ユニットを導入した(下記式)。

 XO-TT486Aのホルミル化を行い、XO-TT499を得た 更に、引き続き2行程により、最終目的物のX O-TT507を得ることができた(下記式)。

 XO-TT469の末端ベンゼンをチオフェンに変換 た誘導体の合成を行った。まず、2-アセチル チオフェンと4-ヒドラジノ安息香酸との縮合 応をエチルエステル化を伴いながら行い、X O-TT500を得た。次いで定法により最終目的物 XO-TT508を得た(下記式)。

2.XO-TT469タイプ合成法の短縮
 2’-クロロアセトフェノンと4-フェニルカル ボン酸ユニットとの縮合反応に際し、2mol/L塩 酸:エタノール=1:5の条件で反応を行い、目的 カルボン酸ヒドラゾンであるXO-TT520を得た
次いで、カルボン酸を保護することなくビル スマイヤー反応を行った。結果、ピラゾール 環を形成し、且つホルミル化されたXO-TT522を ることができた。次いでシアノ化を行うこ によって、最終目的物のXO-TT524を得ること できた(下記式)。

 4’-メチルアセトフェノンを溶媒のエタノ ルのみで反応を行ったところ、目的のカル ン酸ヒドラゾン(XO-TT534)を得ることができた 引き続き定法により最終目的物のXO-TT537を た(下記式)。

 以下に、上記合成1.の詳細を記載する。
XO-TT462
 アセトフェノン(1.00g、8.32mmol)に酢酸(20mL)、 (2mL)を加え攪拌しながら、4-ヒドラジノ安息 香酸(1.27g、8.32mmol)を加え、100℃で21時間攪拌 た。反応液に水(200mL)を加え、攪拌すること により析出した固体を濾取、80℃で真空乾燥 ることによりXO-TT462を褐色固体として得た(9 00mg、収率43%)。

XO-TT463
 XO-TT462(800mg、3.15mmol)をメタノール(100mL)に溶 し、濃硫酸(1mL)を加え、30時間加熱還流した 。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出し、無 水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した 。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ ー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1~3:1)で精製するこ によりXO-TT463を淡黄色固体として得た(465mg 収率55%)。

XO-TT466
 オキシ塩化リン(0.400mL)、ジメチルホルムア ド(3mL)の混合液を、窒素雰囲気下、0℃で30 間攪拌した後、XO-TT463(460mg、1.72mmol)を加え、 室温で12時間攪拌した。反応液に水(200mL)を加 えて攪拌することにより析出した固体を濾取 、80℃で真空乾燥することによりXO-TT466を淡 色固体として得た(456mg、収率87%)。

XO-TT468
 XO-TT466(400mg、1.31mmol)にギ酸(5.0mL)、ギ酸ナト ウム(177mg、2.61mmol)、ヒドロキシアミン塩酸 (109mg、1.57mmol)を加えて、窒素雰囲気下、45 間加熱還流した。反応液に水(150mL)を加え攪 、酢酸エチル(200mL)で抽出し、無水硫酸ナト リウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ サン:酢酸エチル=5:1~3:1)で精製することによ XO-TT468を淡黄色固体として得た(338mg、収率85 %)。

XO-TT469
 XO-TT468(330mg、1.09mmol)を1,4-ジオキサン(20mL)に 解し、炭酸ナトリウム(577mg、5.45mmol)、水(5mL )を加え、80℃で攪拌した。反応液に水(150mL) 2mol/L塩酸(30mL)を加え攪拌し、析出した固体 濾取、真空乾燥することによりXO-TT469を白色 固体として得た(306mg、収率97%)。

XO-TT485
 1-フェニル-1,3-ブタンジオン(2.00g、12.3mmol)を エタノールに溶解し、ヒドラジン1水和物(1.80 mL、37.0mmol)を加え、80℃で3時間攪拌した。反 液中のエタノールを8割程度減圧留去し、水 (200mL)を加え、析出した固体を濾取し、80℃で 真空乾燥することによりXO-TT485を白色固体と て得た(1.88g、収率97%)。

XO-TT486A
 XO-TT485(300mg、1.90mmol)をジメチルスルホキシ (10mL)に溶解し、これに40%フッ化カリウム-ア ミナ(600mg)、4-フルオロ安息香酸メチル(492mL 3.80mmol)、18-クラウン-6(100mg、0.380mmol)を加え 120℃で2日間攪拌した。反応液に水を加え、 酢酸エチルで抽出し、残渣をシリカゲルカラ ムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 10:1~5:1)で精製することによりXO-TT486Aを白色固 体として得た(64.9mg、収率12%)。

XO-TT500
 2-アセチルチオフェン(1.00g、7.93mmol)をエタ ール(30mL)に溶解し、4-ヒドラジノ安息香酸(1. 21g、7.93mmol)、5mol/L塩酸(2mL)を加えて、100℃で2 3時間攪拌した。反応液に水(200mL)を加え、酢 エチル(200mL)で抽出し、溶媒を減圧留去した 。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ ー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製すること よりXO-TT500を黄色固体として得た(781mg、収率 34%)。

1.XO-B327の合成
 α-シアノケイ皮酸とトシルメチルイソシア ドを反応させてピロール体であるXO-B315を得 た(収率88%)後、4-フルオロ安息香酸メチルと ップリングすることによりXO-B321を得た(収率 41%)。引き続きエステルの加水分解を行って 終目的物であるXO-B327を合成した(収率94%、下 記式)。
 

2.XO-B366の合成
 トルイジンをジアゾ化し、ベンゾイル酢酸 チルと反応させてXO-B348を得た(収率定量的) 、塩化銅を用いてトリアゾール体であるXO-B 351を得た(収率89%)。続いてエトキシカルボニ 基をアミドに変換し(収率92%)、脱水してシ ノ基に変換してXO-B358を得た(収率88%)。引き きメチル基を臭素化し、ブロマイドの混合 を得た(XO-B362収率5%、XO-B362-2収率8%)。そのま 加水分解を行うことにより最終目的物であ XO-B366を合成した(収率19%、下記式)。

 以下に、上記合成の詳細を記載する。
1)XO-B315の合成
 水酸化カリウム2.96g(45mmol)をメタノール30mL 溶解し、氷冷した。α-シアノケイ皮酸1.73g(10 mmol)を加え、氷冷下30分間撹拌した。トシル チルイソシアニド2.05g(10.5mmol)のジクロロメ ン溶液15mLを5℃以下で17分間かけて滴下し、 に氷冷下1時間撹拌した。反応液に水(10mL)を 加えて不溶物を溶解し、10%塩酸を加えてpH8に 調整した。減圧下で有機溶媒を留去し、残渣 に水(20mL)を加えて室温で30分間撹拌した。生 た固体を濾取した後に水洗し、減圧下60℃ 乾燥することにより淡褐色板状結晶としてXO -B315を得た(1.48g、収率88.1%)。

1.末端にカルボン酸を有する3-シ ノインドール誘導体の合成
 末端にカルボン酸を有する誘導体の基本的 合成法を下記式に示す。

 対応するインドールを(1)ジメチルホルム ミド存在下、オキシ塩化リンで3位をホルミ ル化(Vilsmeier法)した後、(2)ギ酸ナトリウム、 酸中、ヒドロキシルアミンとの脱水反応に りシアノ化し、(3)ジメチルスルホキシド中 フッ化カリウム(アルミナに吸着)、18-クラ ン-6-エーテルの存在下、4-フルオロ安息香酸 エチルをカップリングさせ、最後に(4)水酸化 リチウムで加水分解し、計4工程で目的物を た。結果を下記表1に示す。なお、XO-CH146(R=H) に関しては、3-シアノインドールを購入した め、3工程目より合成した。

2.XO-CH150の合成
 インドール-3-カルボアルデヒドと4-フルオ ベンゾニトリルとを上記1.の3工程目と同様 カップリングし、XO-CH145を合成した。それを アジ化ナトリウムでテトラゾール化し、XO-CH1 47を合成後、ヒドロキシルアミンによりシア 化し、XO-CH150を得た(下記式)。

3.XO-CH151の合成
 インドール-3-カルボン酸を塩化チオニルで クロリドにし、アンモニア水でアミド化し 後、テトラゾール化までXO-CH150と同様に合 した(下記式)。

 以下に、上記合成1.~3.の詳細を記載する。
1.XO-CH164の合成
XO-CH155
 アルゴン雰囲気下、5-メチルインドール(1.04 g、7.93mmol)をジメチルホルムアミド(10mL)に溶 し、氷冷下オキシ塩化リン(2mL)を添加した後 、室温にて1.5時間撹拌した。氷冷下水酸化ナ トリウム水溶液(5g/15mL)を滴下し、1時間加熱 流した。反応混合物を氷冷下濃塩酸でpH2-3に 調整した後、固体をろ取し、60℃で減圧乾燥 ることによりXO-CH155を淡桃色固体として得 (1.13g、収率90%)。

XO-CH158
 XO-CH155(0.600g、3.77mmol)をギ酸(6mL)に溶解し、 こへ塩酸ヒドロキシルアミン(0.31g、4.5mmol)、 ギ酸ナトリウム(0.47g、6.9mmol)を加え、1時間加 熱還流した。氷冷下反応混合物に水を加え、 1.5時間撹拌した後、固体をろ取し、60℃で減 乾燥することによりXO-CH158を紫色固体とし 得た(0.397g、収率67%)。

XO-CH161
 XO-CH158(0.387g、2.48mmol)をジメチルスルホキシ (20mL)に溶解し、そこへ4-フルオロ安息香酸 チル(0.36mL、2.5mmol)、40%フッ化カリウム(アル ナ吸着)(0.38g)及び18-クラウン-6-エーテル(0.07 g、0.3mmol)を加え、120℃で一晩撹拌した。反応 混合物をろ過後、ろ液に水を加え、酢酸エチ ルで抽出した。有機層を水(3回)、飽和食塩水 で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した 後ろ過し、ろ液を濃縮、減圧乾燥した。残渣 をシルカゲルカラムクロマトグラフィー(シ カゲル50g、酢酸エチル/ヘキサン(1:6))で精製 ることにより、XO-CH161を白色固体として得 (0.186g、収率25%)。また、カラム精製で高極性 成分が含まれたフラクションを酢酸エチル/ キサンより再結晶することにより、XO-CH161を さらに白色固体として得た(0.165g、収率22%)。

XO-CH164
 XO-CH161(0.186g、0.611mmol)をテトラヒドロフラン (10mL)に溶解し、そこへ水酸化リチウム一水和 物(0.042g、0.99mmol)水(5mL)溶液を加え、室温で6 間撹拌した。氷水下反応混合物に水を加え 2mol/L塩酸でpH1に調整した後、固体をろ取し 60℃で減圧乾燥することによりXO-CH164を白色 体として得た(0.154g、収率91%)。

2.XO-CH146の合成
XO-CH144
 XO-CH161と同様の方法によりXO-CH144を淡褐色固 体として得た(0.123g、収率60%)。

XO-CH146
 XO-CH164と同様の方法によりXO-CH146を白色固体 として得た(0.082g、収率81%)。

3.XO-CH160の合成
XO-CH154
 XO-CH155と同様の方法によりXO-CH154を淡黄色固 体として得た(2.34g、収率97%)。

XO-CH156
 XO-CH158と同様の方法によりXO-CH156を緑灰色固 体として得た(0.96g)。

XO-CH159
 XO-CH161と同様の方法によりXO-CH159を白色結晶 として得た(0.57g、収率32%(2工程))。

XO-CH160
 XO-CH164と同様の方法によりXO-CH160を白色固体 として得た(0.453g、収率85%)。

4.XO-CH168の合成
XO-CH157
 XO-CH155と同様の方法によりXO-CH157を淡黄色固 体として得た(2.30g、収率95%)。

XO-CH163
 XO-CH158と同様の方法によりXO-CH163を緑褐色固 体として得た(0.354g、収率71%)。

XO-CH167
 XO-CH161と同様の方法によりXO-CH167を淡黄色固 体として得た(0.373g、収率55%)。

XO-CH168
 XO-CH164と同様の方法によりXO-CH168を淡黄色固 体として得た(0.235g、収率69%)。

5.XO-CH150の合成
XO-CH145
 XO-CH161と同様の方法によりXO-CH145を淡褐色結 晶として得た(0.608g、収率72%)。

XO-CH147
 XO-CH145(0.200g、0.811mmol)を1-メチル-2-ピロリド
ン(6mL)に溶解し、アジ化ナトリウム(0.17g、2.6m mol)、トリエチルアミン塩酸塩(0.23g、1.7mmol)を 加え、120℃で14時間攪拌した。反応混合物に を加え、氷水下2mol/L塩酸でpH3に調整した後 30分間撹拌した。固体をろ取し、60℃で減圧 乾燥することによりXO-CH147を褐色固体として た(0.248g、収率定量的)。

XO-CH150
 XO-CH158と同様の方法によりXO-CH150を赤褐色固 体として得た(0.147g、収率69%)。

6.XO-CH151の合成
XO-CH148
 インドール-3-カルボン酸(0.494g、3.07mmol)をジ クロロメタン(10mL)に懸濁し、塩化チオニル(0. 27mL、3.7mmol)、アセトニトリル(5mL)を加え、60 で1時間撹拌した後、さらに塩化チオニル(0.2 7mL、3.7mmol)を加え、1時間撹拌した。反応液を 乾固した後、アセトニトリル(5mL)に溶解し、 水下28%アンモニア水(2mL)を加え、30分間撹拌 した。その反応液に水を加え、酢酸エチルで 抽出した。有機層を水(2回)、飽和食塩水で洗 浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後ろ過 し、ろ液を濃縮、減圧乾燥することによりXO- CH148を淡黄色固体として得た(0.252g、収率51%)

XO-CH149
 XO-CH161と同様の方法によりXO-CH149を淡黄色結 晶として得た(0.102g、収率61%)。

XO-CH151
 XO-CH147と同様の方法によりXO-CH151を淡黄色固 体として得た(0.018g、収率19%)。

1.インドール誘導体の合成
(1)3-シアノインドール誘導体の合
 対応するインドールを(1)ジメチルホルムア ド存在下、オキシ塩化リンで3位をホルミル 化(Vilsmeier法)した後、(2)ギ酸ナトリウム、ギ 中、ヒドロキシルアミンとの脱水反応によ シアノ化し、(3)ジメチルスルホキシド中、 ッ化カリウム(アルミナに吸着)、18-クラウ -6-エーテルの存在下、4-フルオロ安息香酸エ チルをカップリングさせ、最後に(4)水酸化リ チウムで加水分解し、計4工程で目的物(9化合 物)を得た(下記表2)。なお、XO-CH172及びXO-CH183( それぞれR=2-メチル基及び5-メトキシ基)に関 ては、対応するアルデヒドを購入し、工程(2 )より合成した。

(2)XO-CH211の合成
 ホルミル化、カップリングを行い、XO-CH208 得た後にシアノ化を行い、目的物(XO-CH210)を た。その後加水分解し、目的物(XO-CH211)を得 た(下記式)。

2.7-アザインドール誘導体の合成
(1)XO-KT10の合成
 4-フルオロ安息香酸エチルとのカップリン を行い、XO-KT2を合成した。このXO-KT2にオキ 塩化リンを用い、XO-KT5-2を合成した。続いて 、定法によりXO-KT5-2のアルデヒドをシアノ化 、さらに加水分解することによって、XO-KT10 を合成した(下記式)。

(2)XO-KT16の合成
 上記(1)に示す合成法を参考に、XO-KT10の5-ブ モ誘導体を5-ブロモ-7-アザインドールより 成した(下記式)。

(3)XO-KT18の合成
 同様に、XO-KT10の6-クロロ誘導体を6-クロロ-7 -アザインドールより合成した(下記式)。

(4)XO-KT20の合成
 5-シアノ誘導体(XO-KT20)については、XO-KT14を アン化亜鉛にてシアノ化した後、加水分解 より合成した(下記式)。

3.インダゾール誘導体の合成
 インダゾール環の3位にヨウ素を導入し(下 式)、それをシアン化亜鉛を用いてシアノ基 変換した後、定法によりカップリングし、 後に加水分解することにより目的化合物で るXO-KT30を合成した。

 以下に、上記合成1.~3.の詳細を記載する。
(1)XO-CH200の合成
XO-CH180
 アルゴン雰囲気下、6-メチルインドール(1.00 4g、7.62mmol)をジメチルホルムアミド(10mL)に溶 し、氷冷下オキシ塩化リン(2mL)を添加した 、室温にて1.5時間撹拌した。氷冷下水酸化 トリウム水溶液(5g/15mL)を滴下し、1.5時間加 還流した。氷冷下、反応混合物に水を加え さらに濃塩酸でpH3に調整した後、固体をろ し、60℃で減圧乾燥することによりXO-CH180を 褐色固体として得た(1.14g、収率94%)。

XO-CH186
 XO-CH180(1.14g、7.16mmol)をギ酸(11mL)に溶解し、 こへ塩酸ヒドロキシルアミン(0.63g、9.1mmol)、 ギ酸ナトリウム(0.90g、13mmol)を加え、1時間加 還流した。氷冷下反応混合物に水を加え、 く撹拌した後、固体をろ取し、60℃で減圧 燥することによりXO-CH186を赤黒色固体として 得た(0.85g、収率76%)。

XO-CH192
 XO-CH186(0.502g、3.21mmol)をジメチルスルホキシ (25mL)に溶解し、そこへ4-フルオロ安息香酸 チル(0.47mL、3.2mmol)、40%フッ化カリウム(アル ナ吸着)(0.48g)及び18-クラウン-6-エーテル(0.10 g、0.38mmol)を加え、120℃で16時間撹拌した。反 応混合物をろ過後、ろ液に水を加え、酢酸エ チルで抽出(2回)した。有機層を水(2回)、飽和 食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾 燥した後ろ過し、ろ液を濃縮、減圧乾燥した 。残渣をシルカゲルカラムクロマトグラフィ ー(シリカゲル50g、クロロホルム)で精製する とにより、XO-CH192を淡橙色固体として得た(0 .589g、収率60%)。

XO-CH200
 XO-CH192(0.298g、0.978mmol)をテトラヒドロフラン に溶解し、そこへ水酸化リチウム一水和物(0. 0702g、1.67mmol)水溶液、さらにエタノールを加 、室温で5時間撹拌した。氷水下反応混合物 に水を加え、2mol/L塩酸でpH1に調整した後、固 体をろ取し、60℃で減圧乾燥することによりX O-CH200を淡桃色固体として得た(0.260g、収率96%) 。

(2)XO-CH172の合成
XO-CH169
 XO-CH186と同様の方法によりXO-CH169を黒褐色固 体として得た(1.45g、収率74%)。

XO-CH170
 XO-CH192と同様の方法によりXO-CH170を淡黄色固 体として得た。

XO-CH172
 XO-CH200と同様の方法によりXO-CH172を淡黄色固 体として得た(0.107g、収率74%)。

(3)XO-CH201の合成
XO-CH184
 XO-CH180と同様の方法によりXO-CH184を淡橙色固 体として得た(1.20g、収率定量的)。

XO-CH189
 XO-CH186と同様の方法によりXO-CH189を緑褐色固 体として得た(0.805g、収率75%)。

XO-CH195
 XO-CH192と同様の方法によりXO-CH195を淡黄緑色 固体として得た(0.304g、収率32%)。

XO-CH201
 XO-CH200と同様の方法によりXO-CH201を淡黄色固 体として得た(0.261g、収率96%)。

(4)XO-CH183の合成
XO-CH171
 XO-CH186と同様の方法によりXO-CH171を黒褐色固 体として得た(0.790g、収率69%)。

XO-CH173
 XO-CH192と同様の方法によりXO-CH173を白色固体 として得た(0.689g、収率75%)。

XO-CH183
 XO-CH200と同様の方法によりXO-CH183を白色結晶 として得た(0.496g、収率79%)。

(5)XO-CH199の合成
XO-CH178
 XO-CH180と同様の方法によりXO-CH178を淡褐色固 体として得た(1.22g、収率92%)。

XO-CH179
 XO-CH186と同様の方法によりXO-CH179を黒褐色固 体として得た(1.05g、収率87%)。

XO-CH190
 XO-CH192と同様の方法によりXO-CH190を白色固体 として得た(0.468g、収率52%)。

XO-CH199
 XO-CH200と同様の方法によりXO-CH199を白色固体 として得た(0.234g、収率86%)。

(6)XO-CH207の合成
XO-CH187
 XO-CH180と同様の方法によりXO-CH187を褐色固体 として得た(1.22g、収率92%)。

XO-CH193
 XO-CH186と同様の方法によりXO-CH193を緑褐色固 体として得た(0.413g、収率77%)。

XO-CH203
 XO-CH192と同様の方法によりXO-CH203を淡黄色固 体として得た(0.410g、収率53%)。

XO-CH207
 XO-CH200と同様の方法によりXO-CH207を淡黄色固 体として得た(0.346g、収率92%)。

(7)XO-CH209の合成
XO-CH182
 XO-CH180と同様の方法によりXO-CH182を淡黄色固 体として得た(1.20g、収率99%)。

XO-CH188
 XO-CH186と同様の方法によりXO-CH188を淡緑色固 体として得た(1.03g、収率88%)。

XO-CH194
 XO-CH192と同様の方法によりXO-CH194を淡黄色固 体として得た(0.810g、収率89%)。

XO-CH209
 XO-CH200と同様の方法によりXO-CH209を白色結晶 として得た(0.206g、収率74%)。

(8)XO-CH206の合成
XO-CH185
 XO-CH180と同様の方法によりXO-CH185を淡黄色固 体として得た(0.268g、収率92%)。

XO-CH191
 XO-CH186と同様の方法によりXO-CH191を淡青緑色 固体として得た(0
.213g、収率82%)。

XO-CH202
 XO-CH192と同様の方法によりXO-CH202を淡黄色固 体として得た(0.191g、収率53%)。

XO-CH206
 XO-CH200と同様の方法によりXO-CH206を淡黄色固 体として得た(0.155g、収率88%)。

(9)XO-CH205の合成
XO-CH175
 XO-CH180と同様の方法によりXO-CH175を黄色固体 として得た(1.15g、収率95%)。

XO-CH176
 XO-CH186と同様の方法によりXO-CH176を黒褐色固 体として得た(0.762g、収率78%)。

XO-CH196
 XO-CH192と同様の方法によりXO-CH196を淡黄色固 体として得た(0.095g、収率10%)。

XO-CH205
 XO-CH200と同様の方法によりXO-CH205を白色固体 として得た(0.075g、収率87%)。

(10)XO-CH211の合成
XO-CH174
 XO-CH180と同様の方法によりXO-CH174を淡桃色固 体として得た(0.549g、収率46%)。

XO-CH208
 XO-CH192と同様の方法によりXO-CH208を黄色固体 として得た(0.598g、収率59%)。

XO-CH210
 XO-CH186と同様の方法によりXO-CH210を淡黄色固 体として得た(0.162g、収率27%)。

XO-CH211
 XO-CH200と同様の方法によりXO-CH211を淡黄色固 体として得た(0.130g、収率88%)。

(11)XO-KT10の合成
XO-KT2
 XO-CH192と同様の方法によりXO-KT2を得た(1.32g 収率50%)。

XO-KT5-2
 XO-KT2(560mg、2.1mmol)をジメチルホルムアミド(4 .3mL)に溶解し、オキシ塩化リン(0.8mL)を加え、 室温で2時間反応した。反応後、水酸化ナト ウム水溶液(2.7g/8mL)を加え、1時間還流した。 反応後、室温にし、反応液に酢酸エチルと水 を加えて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗 浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒 を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで 精製(ジクロロメタン:メタノール=5:1)するこ により、XO-KT5-2を得た(374mg、収率61%)。

XO-KT9
 XO-CH186と同様の方法によりXO-KT9を得た(0.354g 収率87%)。

XO-KT10
 XO-KT2(266mg、1mmol)をメタノール(4mL)及び水(4mL) の混合溶液に溶解し、水酸化ナトリウム(80mg) を加え、0.5時間還流した。反応後、室温にし 、反応液に酢酸(0.5mL)を加え、沈殿物を濾取 洗浄及び乾燥することにより、XO-KT6(230mg、 率97%)を得た。

(12)XO-KT16の合成
XO-KT3
 XO-CH192と同様の方法によりXO-KT3を得た(収率5 7%)。

XO-KT7
 XO-KT3(3.45g、10mmol)をジメチルホルムアミド(30 .5mL)に溶解し、オキシ塩化リン(3.8mL)を加え、 室温で72時間反応した。反応後、水酸化ナト ウム水溶液(12.9g/38mL)をゆっくり加え、更に (200mL)を加え、沈殿物を濾取、洗浄及び乾燥 することにより、XO-KT7を得た(3.42g、収率92%)

XO-KT14
 XO-CH186と同様の方法によりXO-KT3を得た(収率 量的)。

XO-KT16
 XO-CH200と同様の方法によりXO-KT16を得た(0.333g 、収率97%)。

(13)XO-KT18の合成
XO-KT4
 XO-CH192と同様の方法によりXO-KT4を得た(収率7 7%)。

XO-KT8
 XO-KT7と同様の方法によりXO-KT8を得た(収率74% )。

XO-KT15
 XO-CH186と同様の方法によりXO-KT15を得た(収率 99%)。

XO-KT18
 XO-CH200と同様の方法によりXO-KT18を得た(収率 95%)。

(14)XO-KT20の合成
XO-KT19
 アルゴン雰囲気下、XO-KT14(0.370g、1mmol)及び アン化亜鉛(0.235g、2mmol)をジメチルホルムア ド(12mL)に溶解し、テトラキス(トリフェニル ホスフィン)パラジウム(0)(0.166g、0.1mmol)を加 、120℃で終夜攪拌した。反応後室温に戻し 酢酸エチル-水を加えて抽出し、抽出液を飽 食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾 後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキ サンの混合溶媒から再結晶することにより、 XO-KT19を得た(0.281g、89%)。

XO-KT20
 XO-CH200と同様の方法によりXO-KT20を得た(収率 79%)。

(15)XO-KT30の合成
XO-KT13
 インダゾール(1.18g、10mmol)をジメチルホルム アミド(6mL)に溶解し、ヨウ素(2.8g、11mmol)及び 酸化カリウム(2.8g、50mmol)を加え、室温で0.5 間反応した。反応後、反応液に酢酸エチル 水を加えて抽出し、有機層を飽和食塩水に 洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、 媒を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキ サンの混合溶媒から再結晶することにより、 XO-KT13を得た(1.55g、収率64%)。

XO-KT23
 XO-KT19と同様の方法によりXO-KT23を得た(収率4 1%)。

XO-KT30
 XO-KT192と同様の方法によりXO-KT24を得た後、X O-CH200と同様の方法によりXO-KT30を得た(2工程 率59%)。

 下記の反応式に従い、種々の目的とする誘 体を合成した。各合成工程の結果を下記の 3に示す。

 以下に、上記合成の詳細を記載する。
XO-TT538
 4’-メトキシアセトフェノン(1.00g、6.66mmol) エタノール(20mL)に溶解し、4-ヒドラジノ安息 香酸(1.06g、6.99mmol)を加えて、100℃で46時間攪 した。反応液に水(250mL)を加え、酢酸エチル (200mL×2)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾 後、溶媒を減圧留去した。残渣をアセトン- で再結晶することによりXO-TT538を淡黄色固 として得た(1.26g、収率67%)。

XO-TT539
 オキシ塩化リン(0.988mL)、ジメチルホルムア ド(10mL)の混合液を、窒素雰囲気下、0℃で30 間攪拌した後、XO-TT538(1.00g、3.52mmol)を加え 室温で21時間攪拌した。反応液に水(500mL)を えて攪拌することにより析出した固体を濾 、80℃で真空乾燥することによりXO-TT539を白 固体として得た(646mg、収率57%)。

XO-TT544
 XO-TT539(300mg、0.932mmol)にギ酸(10mL)、ギ酸ナト ウム(126mg、1.86mmol)、ヒドロキシアミン塩酸 (77.8mg、1.12mmol)を加えて、窒素雰囲気下、80 で32時間攪拌した。反応液に水(100mL)を加え 拌することにより析出した固体を濾取し、 セトン-水で再結晶することによりXO-TT544を 色固体として得た(176mg、収率59%)。

1.α-シアノアクリル酸エチル誘導 の合成
 アルデヒドとシアノ酢酸エチルを原料にKnoe venagel縮合によりα-シアノアクリル酸エチル 導体を合成した(下記式)。結果を下記表4に した。

 尚、表4中の各化合物名の構造は下記の通り である。

2.3-シアノピロール誘導体の合成
 α-シアノアクリル酸エチル誘導体とトシル チルイソシアニドを反応させて3-シアノピ ール誘導体を合成した(下記式)。後処理で中 和した後に有機溶媒を留去し、水を加えた際 に生じた固体を濾取した。必要に応じて再結 晶を行った。XO-B376の場合は抽出後にカラム ロマトグラフィー及び再結晶により精製を った。結果を下記の表5に示した。

 尚、表5中の各化合物名の構造は下記の通り である。

3.4-(3-シアノ-1-ピロリル)安息香酸 チル誘導体の合成
 3-シアノピロール誘導体と4-フルオロ安息香 酸メチルをカップリングすることにより4-(3- アノ-1-ピロリル)安息香酸メチル誘導体を合 成した(下記式)。反応液を1mol/L塩酸で処理し 生じた固体を濾取し、再結晶により精製を った。結果を表6に示した。

 尚、表6中の各化合物名の構造は下記の通り である。

4.4-(3-シアノ-1-ピロリル)安息香酸 導体の合成
 4-(3-シアノ-1-ピロリル)安息香酸メチル誘導 のエステルを加水分解することにより最終 的物である4-(3-シアノ-1-ピロリル)安息香酸 導体を合成した(下記式)。結果を下記の表7 示した。

 尚、表7中の各化合物名の構造は下記の通り である。

5.XO-B440の合成
 トシルメチルイソシアニドをメチル化してX O-B435を得た(収率定量的)後、ピロール化してX O-B437を合成した(収率71%)。引き続き4-フルオ 安息香酸メチルとカップリングし、得られ XO-B439のエステルを加水分解することにより 終目的物であるXO-B440を合成した(2工程収率4 2%、下記式)。

 以下に、上記合成1.~5.の詳細を記載する。
1)XO-B363の合成
 2-クロロベンズアルデヒド2.81g(20mmol)とシア 酢酸エチル2.26g(20mmol)をエタノール30mLと混 し、ピペリジン2、3滴を加えて室温で7時間 拌した。反応液を減圧下で濃縮し、残渣を リカゲルカラムクロマトグラフィー(130g、ジ クロロメタン-ヘキサン1:1)で分離することに り白色針状結晶としてXO-B363を得た(4.53g、収 率96.24%)。

2)XO-B368の合成
 XO-B363(2.36g、10mmol)をエタノール20mLに懸濁し 氷冷した。ナトリウムエトキシドエタノー 溶液(21%wt)4.5 mL(12.1mmol)をゆっくり加えた後 トシルメチルイソシアニド2.05g(10.5mmol)のジ ロロメタン溶液15mLを5℃以下で16分間かけて 滴下し、更に氷冷下30分間撹拌した。反応液 水(10mL)を加えて不溶物を溶解し、10%塩酸を えてpH8に調整した。減圧下で有機溶媒を留 し、残渣に水(20mL)を加えて室温で30分間撹 した。生じた固体を濾取した後に水洗し、 圧下60℃で乾燥した。得られた粗生成物をジ クロロメタン-ヘキサンから再結晶すること より淡褐色針状結晶としてXO-B368を得た(1.86g 収率91.51%)。

3)XO-B392の合成
 XO-B368(1.22g、6mmol)をジメチルホルムアミド15m Lに溶解し、氷冷した。水素化ナトリウム(55% 性)315mg(7.2mmol)を少量ずつ加えた後、4-フル ロ安息香酸メチル780μL(6mmol)を加え、アルゴ 雰囲気下にて150℃で2時間撹拌した。反応液 を冷却後、冷1mol/L塩酸(45mL)に注ぎ、生じた固 体を濾取した後に水洗し、減圧下60℃で乾燥 た。得られた粗生成物を酢酸エチルから再 晶することにより淡褐色針状結晶としてXO-B 392を得た(1.43g、収率70.7%)。

4)XO-B397の合成
 XO-B392(673mg、2mmol)をジオキサン10mLに加熱溶 し、炭酸ナトリウム636mg(6mmol)と水1mLを加え 還流した。14時間後にジオキサン(10mL)と水(3m L)を加え、更に72時間撹拌した。反応液を減 下で濃縮した後、残渣に水(30mL)を加え、加 して溶解し、2mol/L塩酸を加えてpH2に調整し 。生じた固体を濾取し、水洗後、減圧下60℃ で乾燥した。得られた粗生成物をテトラヒド ロフラン-水から再結晶し、減圧下60℃で乾燥 することにより白色針状結晶としてXO-B397を た(595mg、収率92.2%)。

5)XO-B435の合成
 トシルメチルイソシアニド2.93g(15mmol)をジク ロロメタン30mLに溶解し、0℃に冷却した。塩 ベンジルトリエチルアンモニウム683mg(3mmol) ヨウ化メチル1.85mL(30mmol)と30%水酸化ナトリ ム水溶液30mLを加え、栓をして0℃で3時間撹 した。反応液に水(150mL)を加え、ジクロロメ ン(75mL×2)で抽出した。有機層を硫酸ナトリ ムで乾燥し、減圧下で濃縮した。塩化ベン ルトリエチルアンモニウムが残存していた で残渣をジクロロメタン(100mL)に溶解し、水 (30mL×2)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム で乾燥し、減圧下で濃縮することにより褐色 オイルとしてXO-B435を得た(3.26g、収率定量的)

XO-K01の合成
4-[3-シアノ-4-(3-フルオロフェニル)ピロール-1- イル]安息香酸
 4-(3-フルオロフェニル)-1H-ピロール-3-カルボ ニトリル(0.37g)
のN, N-ジメチルホルムアミド(10mL)溶液に、4- ルオロ安息香酸エチル(0.37g)および炭酸セシ ウム(1.36g)を室温にて加え、80℃にて5時間撹 した。反応混合物に水を加え、析出した結 をろ取し、メタノールで洗浄することによ 、4-[3-シアノ-4-(3-フルオロフェニル)ピロー -1-イル]安息香酸エチル(0.5g)を得た。4-[3-シ ノ-4-(3-フルオロフェニル)ピロール-1-イル]安 息香酸エチル(0.17g)のテトラヒドロフラン(10mL )、エタノール(5mL)及び水(5mL)の混合溶媒に水 化リチウム・1水和物(0.06g)を加え、5時間撹 した。反応混合物に1mol/L塩酸を加え、析出 た固体をろ取し、メタノールで洗浄するこ により、標記化合物(0.09g)を得た。

XO-K02~XO-K37の合成
 XO-K01と同様の方法により、対応する原料を いて、標記化合物を得た。

 上記合成した化合物を用い、以下の薬理試 を行った。
(1)キサンチンオキシダーゼ阻害作用
 キサンチンオキシダーゼ(xanthine oxidase:butter milk由来;biozyme laboratories)、キサンチン(xanthine :Sigma社製)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用い 、基質濃度を100μmol/L(終濃度)、酵素濃度を5mU /mL(終濃度)とし、本発明の化合物を被験物質 して、キサンチンオキシダーゼ阻害試験を った。なお、被験物質はすべて20mmol/L DMSO 液として凍結保存し、用時融解した上で希 して実験に供した。方法は、11.1mU/mLの酵素 液90μLに、被験物質の希釈溶液を添加して混 和後、10分間インキュベートした。ここに、2 00μmol/Lの基質溶液100μLを添加して反応を開始 し、10分後0.5mol/L硫酸、500μL添加で反応を停 、283nmの吸光度を測定した。被験物質の終濃 度は、初期スクリーニングでは10μmol/Lの1濃 をsingle wellで、50%阻害濃度(IC 50 )の算出のための試験では10、1μmol/L、100、10 1nmol/L、100pmol/Lの6濃度をduplicateで実施した。 阻害率は下記計算式により算出した。
阻害率(%)=(A-B)/(A-C)×100
(式中、Aは被験物質非添加ウェルの吸光度、B は被験物質添加ウェルの吸光度、Cはブラン ウェルの吸光度である)
各々の濃度での阻害率より、非線形回帰法に よりIC 50 を算出した。

(2)URAT1阻害作用
 10%FBS含有DMEM(0.05% geneticin含有、日水製薬製) 、URAT1強制発現HEK293(HCS(ヒューマンセルシス ムズ社)製(富士バイオメディックス))、洗浄 としてHBSS、assay bufferとしてNa-gluconate置換HB SS(HBSS中のNaClをNa-gluconate置換)を用いた。尿酸 試薬は、[8- 14 C]尿酸(moravek)を用い、assay buffer中に添加し、 尿酸の終濃度を20μmol/Lとした。本発明の化合 物を被験物質とし、20mmol/Lのストック溶液(DMS O溶液)を適宜希釈し、DMSOの終濃度0.5%、被験 質の終濃度100μmol/Lとなるようにassay bufferに 添加した。

 アッセイプレートの調製は、まず、継代シ ーレ上の細胞を0.05%トリプシン-EDTA溶液処理 ではがし、Biocoat Poly-D-Lysine Cellware 24well Pla te(BECTON DICKINSON)に2×10 5 個/wellの密度で播種し、2日間培養した。

 取込み試験は、まず、培地を吸引除去し HBSS(37℃)で2回洗浄後、assay buffer 1mL(37℃)と 置き換え、10分間プレインキュベートした。 の後Bufferを吸引除去し、37℃でインキュベ トしておいた放射性リガント溶液を0.5mL添加 し5分間インキュベートした。取込み後、RI溶 液は吸引除去し、直ちに氷冷したHBSSで細胞 3回洗浄、0.5mLの0.5mol/LのNaOHを0.5mL添加して細 胞を溶解した。細胞融解液はBetaplate用のバイ アルか24well plateに移し、0.5mLの液体シンチレ ータ(OptiPhase ‘Super Mix’; Perkin Elmer)と混和 して放射活性を測定した(Betaplate 1450使用)。 験物質を含まないコントロール溶液におけ カウントの平均値を100%とし、被験物質を添 加した際のカウントのコントロール平均値か らの低下量の割合を算出し、阻害率(%)を算出 した。

(3)血中尿酸値低下作用
 7週齢SD系雄性ラット(日本チャールス・リバ ー製)、1%アラビアゴム溶液に懸濁したpotassium  oxonate(Aldrich製)を用い、本発明の化合物を被 験物質として、potassium oxonate誘発高尿酸血症 に対する作用の検討を行った。被験物質は0.5 %CMC-Na溶液に懸濁して経口投与した。用量は10 mg/kgまたは50mg/kgとした。投与液量はすべて10m L/kgとした。ラットの背部皮下にpotassium oxonat e 250mg/kgを投与し、1時間後に各被験物質を経 口投与した。対照群には溶媒である0.5%CMC-Na 液のみを投与した。被験物質または溶媒投 2時間後にエーテル麻酔下で採血し、定法に り血清を分取した。例数はすべて1群5例と た。

 尿酸濃度測定は以下の調整試薬を使用し 行った。除タンパク試薬は、タングステン ナトリウム100gを2Lのフラスコにとり、正確 85%リン酸75mLを加え、水500mLを加えて約1時間 、還流冷却器をフラスコに付けて加熱した。 冷却後、薄い黄緑色の液を正確に1Lに希釈し 整した。炭酸ナトリウム・尿素試薬は、無 炭酸ナトリウム14g、尿素14gを水に正確に溶 して100mLとし、調整した。リンタングステ 酸発色試薬は、前記除タンパク試薬を水で4 に希釈し、調整した。尿酸標準液としてUA 準液(10mg/dL:極東製薬株式会社)を使用し、精 水で段階希釈し、検量線作成に用いた。

 精製水2.1mLに血清またはスタンダード300μL 添加し、これに除タンパク試薬150μLを添加 て混和、20分放置し、3000rpmで10分間遠心した 。上清1.5mLを分取し、炭酸ナトリウム・尿素 薬0.5mLを添加、20分放置した。次に、発色試 薬250μLを添加して15分以上放置した。660nmの 光度を測定し、検量線から尿酸濃度を算出 た。尿酸濃度低下率は下記計算式により算 した。
尿酸濃度低下率(%)= (A-B)/A×100
(式中、Aは対照群の血中尿酸濃度の平均値、B は被験物質投与群の血中尿酸濃度の平均値で ある)

 合成した本発明の化合物の構造式、NMR,MS ータ及び薬理試験結果を下記表8~15に示す。 合成した本発明の化合物(XO-K01~XO-K37)の構造式 及びNMRデータ(一部、MSデータを含む)を下記 16~21に示す(表中の略号は、No.は化合物番号 Strc.は構造式を表す)。

 本発明の含窒素複素環化合物またはその 薬上許容される塩は、X.O.阻害作用を有して いる化合物である。それらの化合物を有効成 分として含有する本発明の医薬組成物は、痛 風、高尿酸血症の治療薬として、また、虚血 灌流障害、炎症性疾患、糖尿病、がん、動脈 硬化または神経疾患等の種々の疾患の治療薬 として、応用が期待できる。