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Title:
NON-AQUEOUS ELECTROLYTE SECONDARY BATTERY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/174974
Kind Code:
A1
Abstract:
A separator for use in a non-aqueous electrolyte secondary battery according to the present invention comprises a porous substrate and a filler layer disposed upon the substrate. The filler layer includes phosphate particles and inorganic particles having a higher heat resistance than the phosphate particles. The D10 particle size (D10) of the phosphate particles on a volume basis is 0.02 μm to 0.5 μm, inclusive, and is smaller than the average pore size of the pores in the substrate. The BET specific surface area of the phosphate particles is 5 m2/g to 100 m2/g, inclusive, and is greater than the BET specific surface area of the inorganic particles. The D50 particle size (D50) of the inorganic particles on a volume basis is greater than the D50 particle size (D50) of the phosphate particles on a volume basis.

Inventors:
SUGIMORI MASANORI
BABA YASUNORI
YANAGIDA KATSUNORI
HIRANO NOBUHIRO
Application Number:
PCT/JP2020/002827
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
January 27, 2020
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC IP MAN CO LTD (JP)
International Classes:
H01M10/052; H01M50/409; H01M50/443
Foreign References:
JP2017076484A2017-04-20
JP2015060669A2015-03-30
JP2014067693A2014-04-17
JP2016038967A2016-03-22
JP2016072120A2016-05-09
JP2018198218A2018-12-13
JP2015125832A2015-07-06
JP2016040784A2016-03-24
JP2012054229A2012-03-15
JP2006286311A2006-10-19
Attorney, Agent or Firm:
KAMATA Kenji et al. (JP)
Download PDF:
Claims:
\¥0 2020/174974 22 卩(:17 2020 /002827

請求の範囲

[請求項 1 ] 正極と、 負極と、 セパレータとを有する電極体と、

非水電解質と、 を備え、

前記セパレータは、 多孔質の基材と、 前記基材上に配置されたフイ ラー層とを有し、

前記フイラー層は、 リン酸塩粒子と、 前記リン酸塩粒子より耐熱性 の高い無機粒子とを含み、

前記リン酸塩粒子の体積基準の 1 0 %粒径 (口 1。) は、 0 . 0 2 以上〇. 5 以下であり、 且つ前記基材の平均孔径より小さく 前記リン酸塩粒子の巳巳丁比表面積は、

ハ以下であり、 且つ前記無機粒子の巳巳丁比表面積より大きく、 前記無機粒子の体積基準の 5 0 %粒径 (口 5。:) は、 前記リン酸塩 粒子の体積基準の 5 0 %粒径 (0 5。) より大きい、 非水電解質二次 電池。

[請求項 2] 前記リン酸塩粒子の一部は、 前記基材の空孔内に入り込んでおり、 当該粒子の入り込み深さの平均値は 0 . 0 2 以上 2 以下であ る、 請求項 1 に記載の非水電解質二次電池。

[請求項 3] 前記フイラ 層の厚みは、 4 以下である、 請求項 1又は 2に記 載の非水電解質二次電池。

[請求項 4] 前記フイラー層は、 網目状のポリフツ化ビニリデン系樹脂を有し、 前記フイラー層中の前記ポリフツ化ビニリデン系樹脂の含有量は、 1 5質量%以上 4 0質量%以下である、 請求項 1〜 3のいずれか 1項 に記載の非水電解質二次電池。

[請求項 5] 前記リン酸塩粒子の表面全体が前記ポリフツ化ビニリデン系樹脂で 覆われている、 請求項 4に記載の非水電解質二次電池。

[請求項 6] 前記ポリフツ化ビニリデン系樹脂は、 3質量%以上 1 5質量%以下 のヘキサフルオロプロピレンを含む、 請求項 4又は 5に記載の非水電 \¥0 2020/174974 23 卩(:17 2020 /002827

解質二次電池。

Description:
\¥0 2020/174974 1 卩(:17 2020 /002827 明 細 書

発明の名称 : 非水電解質二次電池

技術分野

[0001 ] 本開示は、 非水電解質二次電池に関する。

背景技術

[0002] 非水電解質二次電池は、 過充電、 内部短絡、 外部短絡、 大電流に起因する 過度の抵抗加熱等の異常時に、 発熱する場合がある。 従来、 非水電解質二次 電池の異常時における温度上昇を抑制する技 術の 1つとして、 セパレータの シャッ トダウン機能が知られている。 シャッ トダウン機能は、 セパレータが 熱によって溶融して自身の空孔を塞ぐ機能で ある。 電池の異常時には、 シャ ッ トダウン機能により、 例えば、 正負極間のイオン伝導 (リチウムイオンの 移動) が遮断されるため、 電池温度の上昇が抑制される。

先行技術文献

特許文献

[0003] 特許文献 1 :国際公開第 2 0 1 2 / 1 3 7 3 7 6号

特許文献 2 :中国特許出願公開第 1 0 7 7 3 7 7 0 2号明細書

発明の概要

[0004] ところで、 近年、 電池の高容量化の要求に伴い、 セパレータの薄膜化が検 討されているが、 セパレータの厚みが薄くなると、 電池の異常時に、 セパレ —夕の変形や収縮が起こって、 シャッ トダウン機能を発揮することが難しく なり、 電池温度の上昇を抑制することが困難となる 。

[0005] そこで、 本開示の目的は、 電池の異常時において電池温度の上昇を抑え る ことができる非水電解質二次電池を提供する ことである。

[0006] 本開示の一態様である非水電解質二次電池は 、 正極と、 負極と、 セパレー 夕とを有する電極体と、 非水電解質と、 を備え、 前記セパレータは、 多孔質 の基材と、 前記基材上に配置されたフイラー層とを有し 、 前記フイラー層は 、 リン酸塩粒子と、 前記リン酸塩粒子より耐熱性の高い無機粒子 とを含み、 〇 2020/174974 2 卩(:170? 2020 /002827

前記リン酸塩粒子の体積基準の 1 0 %粒径 (口 1 〇) は、 〇. 0 2 以上 0 . 5 以下であり、 且つ前記基材の平均孔径より小さく、 前記リン酸塩粒 子の巳巳丁比表面積は、 5 01 2 / 9以上 1 〇〇 2/ 9 以下であり、 且つ前記 無機粒子の巳日丁比表面積より大きく、 前記無機粒子の体積基準の 5 0 %粒 径 (口 5 。:) は、 前記リン酸塩粒子の体積基準の 5 0 %粒径 (0 5 。) より大き い。

[0007] 本開示の一態様によれば、 電池の異常時において電池温度の上昇を抑え る ことができる非水電解質二次電池を提供する ことができる。

図面の簡単な説明

[0008] [図 1]実施形態の一例である非水電解質二次電 の斜視図である。

[図 2]図 1の非水電解質二次電池に用いられる電極体 一例を示す一部拡大断 面図である。

[図 3]網目状のポリフッ化ビニリデンの状態を 明するためのフイラー層の一 部拡大平面図である。

発明を実施するための形態

[0009] 本開示の一態様である非水電解質二次電池は 、 正極と、 負極と、 セパレー 夕とを有する電極体と、 非水電解質と、 を備え、 前記セパレータは、 多孔質 の基材と、 前記基材上に配置されたフイラー層とを有し 、 前記フイラー層は 、 リン酸塩粒子と、 前記リン酸塩粒子より耐熱性の高い無機粒子 とを含み、 前記リン酸塩粒子の体積基準の 1 0 %粒径 (口 1 〇) は、 〇. 0 2 以上 0 . 5 以下であり、 且つ前記基材の平均孔径より小さく、 前記リン酸塩粒 子の巳巳丁比表面積は、 5 01 2 / 9以上 1 〇〇 2/ 9 以下であり、 且つ前記 無機粒子の巳日丁比表面積より大きく、 前記無機粒子の体積基準の 5 0 %粒 径 (口 5 。:) は、 前記リン酸塩粒子の体積基準の 5 0 %粒径 (0 5 。) より大き い。

[0010] —般的に、 多孔質の基材は、 電池の異常時における熱により、 多孔質の基 材が溶融して自身の空孔を塞ぐシャッ トダウン機能を有するが、 さらに、 本 開示では、 電池の異常時における熱により、 フイラー層に含まれるリン酸塩 〇 2020/174974 3 卩(:170? 2020 /002827

粒子が、 熱を加速因子として溶融、 重合し、 多孔質の基材の空孔を埋めるた め、 セパレータのシャッ トダウン機能が高められている。 特に、 リン酸塩粒 子の粒径及び巳巳丁比表面積を上記範囲とす ることで、 電池の異常時におけ る熱により、 リン酸塩粒子が溶融し易く、 多孔質の基材の空孔を速やかに埋 めることができる。 また、 電池の異常時における熱により、 多孔質の基材が 変形したり収縮したりすると、 セパレータのシャッ トダウン機能が十分に発 揮されない場合がある。 本開示では、 フィラー層にリン酸塩粒子より耐熱性 の高い無機粒子が含まれているため、 当該フィラー層は高い耐熱性を有して いる。 特に、 上記規定した粒径及び巳巳丁比表面積を有す る無機粒子を含む フィラー層は十分に高い耐熱性を有している 。 したがって、 多孔質の基材は 、 耐熱性の高いフィラー層により支持された状 態となっているため、 電池の 異常時において、 多孔質の基材の変形や収縮が抑えられ、 セパレータのシャ ッ トダウン機能が維持される。 これらのことから、 電池の異常時において、 例えば、 正負極間におけるリチウムイオンの移動がセ パレータにより迅速に 遮断され、 発熱反応が十分に抑制されるため、 電池温度の上昇が抑えられる

[001 1 ] 以下、 本開示に係る非水電解質二次電池の実施形態 の一例について詳細に 説明する。

[0012] 図 1は、 実施形態の一例である非水電解質二次電池の 斜視図である。 非水 電解質二次電池 1 〇は、 電極体 1 1 と、 非水電解質と、 これらを収容する角 形の電池ケース 1 4とを備える。 電極体 1 1は、 正極と、 負極と、 セパレー 夕とを有する。 電極体 1 1は、 複数の正極および複数の負極がセパレータを 介して 1枚ずつ交互に積層された積層型の電極体で る。 なお、 積層型の電 極体の代わりに、 正極及び負極がセパレータを介して巻回され てなる卷回型 の電極体等、 他の形態の電極体が適用されてもよい。

[0013] 電池ケース 1 4は、 略箱形状のケース本体 1 5と、 ケース本体 1 5の開口 部を塞ぐ封口体 1 6と、 正極と電気的に接続された正極端子 1 2と、 負極と 電気的に接続された負極端子 1 3とを有する。 ケース本体 1 5および封口体 〇 2020/174974 4 卩(:170? 2020 /002827

1 6は、 例えば、 アルミニウムを主成分とする金属材料で構成 される。 正極 端子 1 2および負極端子 1 3は、 絶縁部材 1 7を介して封口体 1 6に固定さ れている。 一般的に、 封口体 1 6には、 ガス排出機構 (図示せず) が設けら れる。 なお、 電池ケースは角形に限定されず、 例えば、 円筒形、 コイン形、 ボタン形等の金属製ケース、 樹脂フィルムによって構成される樹脂製ケー ス (ラミネート) などであってもよい。

[0014] 図 2は、 図 1の非水電解質二次電池に用いられる電極体 一例を示す一部 拡大断面図である。 以下、 図 2を用いて、 正極、 負極、 セパレータについて 説明する。

[0015] [正極]

正極 1 8は、 正極集電体と、 当該集電体上に形成された正極合材層とを備 える。 正極集電体には、 アルミニウムなどの正極 1 8の電位範囲で安定な金 属の箔、 当該金属を表層に配置したフィルム等を用い ることができる。 正極 合材層は、 例えば、 正極活物質、 導電材、 及び結着材を含み、 正極集電体の 両面に形成されることが好ましい。 正極 1 8は、 正極集電体上に正極活物質 、 導電材、 結着材等を含む正極合材スラリーを塗布し、 塗膜を乾燥させた後 、 圧延して正極合材層を正極集電体の両面に形 成することにより作製できる 。 電池の高容量化の観点から、 正極合材層の密度は、 3. 以上で あり、 好ましくは 3. 69/00以上 4. 以下である。

[0016] 正極活物質としては、 〇〇、 Mn、 1\1 し 八 I等の金属元素を含有するリ チウム金属複合酸化物が例示できる。 リチウム金属複合酸化物としては、 !_ 0〇 0 2 、 1_ 1\1 丨 0 2 、 1_ 1\/^ 0 2 、 1_ 丨 〇 丨 ト 、 1_ し

㊀、 〇〇、 1\1 し 〇リ、 7.1^ % 八 1、 〇 「、 1〇、 巳のうち少なくと も 1種、 0 95£父£ 1 · 2、 〇. 8<7 £〇. 95、 2. 0£ å £ 2. 3) 等が例示できる。

[0017] 正極合材層に含まれる導電材としては、 力ーボンブラック、 アセチレンブ 〇 2020/174974 5 卩(:170? 2020 /002827

ラック、 ケッチエンブラック、 黒鉛、 力ーボンナノチューブ、 力ーボンナノ ファイバー、 グラフエン等の炭素材料が例示できる。 正極合材層に含まれる 結着材としては、 ポリテトラフルオロエチレン ( 丁 巳) 、 ポリフッ化ビ ニリデン ( V ) 等の含フッ素樹脂、 ポリアクリロニトリル ( 八 1\1)

、 ポリイミ ド、 アクリル樹脂、 ポリオレフィン、 カルボキシメチルセルロー ス (〇1\/1〇) 又はその塩、 スチレンーブタジエンゴム (3巳[¾) 、 ポリアク リル酸 ( 八八) 又はその塩、 ポリビニルアルコール ( 八) 、 ポリエチ レンオキシド ( 巳〇) 等が挙げられる。

[0018] [負極]

負極 2 0は、 負極集電体と、 当該集電体上に形成された負極合材層とを備 える。 負極集電体には、 銅などの負極 2 0の電位範囲で安定な金属の箔、 当 該金属を表層に配置したフィルム等を用いる ことができる。 負極合材層は、 例えば、 負極活物質及び結着材を含み、 負極集電体の両面に形成されること が好ましい。 負極 2 0は、 負極集電体上に負極活物質及び結着材等を含 む負 極合材スラリーを塗布し、 塗膜を乾燥させた後、 圧延して負極合材層を負極 集電体の両面に形成することにより作製でき る。

[0019] 負極活物質としては、 リチウムイオンを可逆的に吸蔵、 放出できるもので あれば特に限定されず、 例えば天然黒鉛、 人造黒鉛等の炭素材料、 ケイ素 ( 3 丨) 、 錫 (3 11) 等の 1_ 丨 と合金化する金属、 3 I % 3 1·!等の金属元素を 含む酸化物、 リチウムチタン複合酸化物等が挙げられる。 なお、 リチウムチ タン複合酸化物を用いる場合には、 負極合材層に力ーボンブラック等の導電 材が含まれることが好ましい。 負極合材層に含まれる結着材は、 正極 1 8の 場合と同様の材料が用いられる。

[0020] [セパレータ]

図 2に例示するように、 セパレータ 2 2は、 多孔質の基材 2 4と、 基材 2 4上に配置されたフィラー層 2 6と、 を有する。 フィラー層 2 6は、 リン酸 塩粒子と、 リン酸塩粒子より耐熱性の高い無機粒子とを 有する。 また、 フィ ラー層 2 6は、 結着材を含むことが好ましい。 〇 2020/174974 6 卩(:170? 2020 /002827

[0021] 図 2に示すセパレータ 22では、 フィラー層 26が基材 24の両面に配置 されているが、 基材 24の両面のうちのいずれか一方に配置されて ればよ い。 但し、 フィラー層 26に含まれるリン酸塩粒子の溶融、 重縮合は、 電池 の異常時における熱だけでなく、 電池の異常時における正極 1 8の電位によ っても引き起こされる場合がある。 したがって、 セパレータ 22のシャツ ト ダウン機能を迅速に作用させる等の点で、 フィラー層 26は、 少なくとも正 極 1 8と対向する基材 24の面に配置されていることが好ましい。

[0022] 基材 24は、 イオン透過性及び絶縁性を有する多孔質シー ト、 例えば微多 孔薄膜、 織布、 不織布等で構成される。 基材 24を構成する樹脂としては、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリエチレンと《オレフィンとの共重合体 等のポリオレフィン、 アクリル樹脂、 ポリスチレン、 ポリエステル、 セルロ —スなどが例示できる。 基材 24は、 例えばポリオレフィンを主成分として 構成され、 実質的にポリオレフィンのみで構成されても よい。 基材 24は、 単層構造であってもよく、 積層構造を有していてもよい。 基材 24の厚みは 、 特に限定されないが、 例えば、 3 以上 20 以下が好ましい。

[0023] 基材 24の空孔率は、 リチウムイオン透過性を確保する等の点で、 例えば 、 30 %以上 70 %以下であることが好ましい。 基材 24の空孔率は、 下記 の方法で測定される。

( 1 ) 基材の 1 0箇所を直径 2〇 の円形に打ち抜き、 打ち抜いた基材の小 片の中心部の厚み II、 質量 をそれぞれ測定する。

(2) 厚み 11、 質量 から、 1 0枚分の小片の体積 V、 質量 \/\/を求め、 以下 の式から空孔率 £を算出する。

[0024] 空孔率 £ (%) = ( ( | 〇 _\^/) / ( | 〇 V) ) X 1 00

1〇 :基材を構成する材料の密度

基材 24の平均孔径は、 例えば〇. 02 以上〇. 5 以下であり、 好ましくは〇. 03 以上〇. 3 以下である。 基材 24の平均孔径は 、 バブルポイント法 (」 1 3 [<3832、 八3丁1\/1 3 1 6-86) に よる細孔径測定ができるパームポロメーター (西華産業製) を用いて測定さ 〇 2020/174974 7 卩(:170? 2020 /002827

れる。 基材 24の最大孔径は、 例えば〇. 05 以上 1 以下であり、 好ましくは 0. 05 以上 0. 5 〇!以下である。

[0025] フイラー層 26に含まれるリン酸塩粒子としては、 1_ 丨 3 4 、 1_ 丨 〇

、 K 2 \-\ P0 4s K\-\ 2 P0 4s C a 3 ( 〇 4 2 、 〇 1 ~ 1 〇 4 、 1\/1 93 ( 〇 4 2 、 1\/1 9 1 ~ 1 〇 4 等が例示できる。 中でも、 副反応抑制等の観点から、 リン 酸リチウム (1 - 丨 3 4 ) 、 リン酸水素ニリチウム (1_ 丨 2 1 ~ 1 ?〇 4 ) 、 リン 酸二水素リチウム (1_ 丨 1 ~ 1 2 ?〇 4 ) から選択される少なくとも 1種が好まし い。

[0026] フイラー層 26に含まれる無機粒子は、 フイラー層 26に含まれるリン酸 塩粒子より耐熱性の高い無機粒子 (すなわち、 リン酸塩粒子より融点の高い 無機粒子) であれば特に制限されるものではないが、 例えば、 正負極間のシ ョート発生を抑制する点から、 電気絶縁性の高い無機粒子であることが好ま しい。 無機粒子としては、 例えば、 金属酸化物、 金属酸化物水和物、 金属水 酸化物、 金属窒化物、 金属炭化物、 金属硫化物等が挙げられる。

[0027] 金属酸化物、 金属酸化物水和物の例としては、 例えば、 酸化アルミニウム (アルミナ) 、 ベーマイ ト (八 丨 2 3 1 ~ 1 2 〇または八 丨 〇〇 1 ~ 1) 、 酸化マグネ シウム、 酸化チタン、 酸化ジルコニウム、 酸化ケイ素または酸化イッ トリウ ム、 酸化亜鉛等が挙げられる。 金属窒化物の例としては、 窒化ケイ素、 窒化 アルミニウム、 窒化ホウ素または窒化チタン等が挙げられる 。 金属炭化物の 例としては、 炭化ケイ素または炭化ホウ素等が挙げられる 。 金属硫化物の例 としては、 硫酸バリウム等が挙げられる。 金属水酸化物の例としては、 水酸 化アルミニウム等が挙げられる。 なお、 ベーマイ トのようにアルミナに変性 後溶融するような物質の融点は、 変性後の物質の融点がリン酸塩粒子の融点 より高いことが望ましい。

[0028] また、 無機粒子は、 ゼオライ ト

〇、 IV!は金属元素、 父³2、 V ³0) 等の多孔質アルミノケイ酸塩、 タルク 〇 2020/174974 8 卩(:170? 2020 /002827

(1\/1 9 3 3 丨 4 1 0 (〇1 ~ 1) 2 ) 等の層状ケイ酸塩、 チタン酸バリウム (巳 3 丁 I 〇 3 ) 、 チタン酸ストロンチウム (3 「丁 丨 〇 3 ) 等の鉱物を用いてもよい 。 これらの中では、 絶縁性、 耐熱性等の観点から、 酸化アルミニウム、 ベー マイ ト、 タルク、 酸化チタン、 酸化マグネシウムから選択される少なくとも 1種が好適である。

[0029] リン酸塩粒子の巳巳丁比表面積は、 5 2 / 9以上 1 〇〇 2 / 9以下であ り、 且つ無機粒子の巳巳丁比表面積より大きけれ ばよいが、 2 0 01 2 / 9以上 が好ましい。 巳巳丁比表面積は、 」 丨 3 [¾ 1 6 2 6の巳巳 丁法 (窒素吸着法) に従って測定される。 一般的に、 電池製造時にかかる温 度、 通常使用時における電池内温度、 及び異常時における電池内温度を考慮 すれば、 リン酸塩粒子は、 1 4 0 ° 〇~ 1 9 0 ° 〇程度の温度で溶融することが 好ましい。 そして、 上記範囲の巳巳丁比表面積を有するリン酸塩 粒子は 1 4 0 ° 〇~ 1 9 0 ° 〇程度の温度で溶融し易いため、 当該粒子を用いることで、 電 池の異常時における熱により溶融、 重縮合したリン酸塩が基材 2 4の空孔を 迅速に塞ぐことができる。

[0030] 無機粒子の巳巳丁比表面積は、 リン酸塩粒子の巳巳丁比表面積より小さけ ればよいが、 例えば、 3 2 / 9以上 1 2〇1 2 / 9 以下が好ましい。 無機粒子 の巳巳丁比表面積をリン酸塩粒子の巳巳丁比 表面積より小さくすること、 好 ましくは、 3〇! 2 / 9以上 7〇! 2 / 9以下とすることで、 フイラー層 2 6に十 分な耐熱性を付与することができる。

[0031 ] リン酸塩粒子の体積基準の 1 0 %粒径 ( 0 〇) は、 〇. 0 2 以上〇.

5 以下であり、 且つ基材 2 4の平均孔径より小さければよいが、 好まし くは〇. 0 3 以上〇. 3 以下であり、 且つ基材 2 4の平均孔径より 小さいものがよい。 上記範囲を満たすことで、 セパレータ 2 2の製造時にお いてリン酸塩粒子の一部が基材 2 4の空孔内に入り込み易くなる、 又は電池 の異常時にリン酸塩が基材 2 4の空孔を迅速に塞ぐことができるため、 電池 の異常時における電池温度の上昇を効果的に 抑制することができる。 無機粒 子の体積基準の 1 〇%粒径 (口 1 〇) は、 フイラー層 2 6の耐熱性を高める等 〇 2020/174974 9 卩(:170? 2020 /002827

の点で、 例えば、 リン酸塩粒子の体積基準の 1 0%粒径 (口 1 。) より大きい ことが好ましく、 例えば、 〇. 3 以上であることが好ましい。 上限値は 特に限定されるものではないが、 例えば、 1 以下である。

[0032] ここで、 体積基準の 1 0%粒径 (0 10 ) とは、 リン酸塩粒子や無機粒子の 粒子径分布において体積積算値が 1 0%となる粒径を意味する。 なお、 後述 する 50%粒径 (0 50 ) 、 90%粒径 (0 90 ) は、 それぞれ、 粒子径分布に おいて体積積算値が 50%、 90%となる粒径を意味する。 50%粒径 (0 5 〇) は、 メジアン径とも呼ばれる。 リン酸塩粒子や無機粒子の粒子径分布は、 レーザ回折法 (レーザ回折散乱式粒度分布測定装置) によって測定される。 以下、 特に断らない限り、 1 〇 %粒径、 50 %粒径、 及び 90 %粒径は、 体 積基準の粒径を意味するものとする。

[0033] リン酸塩粒子の 50 %粒径 (口 5 〇) は、 例えば〇. 05 以上 1 以 下であることが好ましく、 〇. 1 以上 1 以下であることがより好ま しい。 リン酸塩粒子の 50%粒径 (0 50 ) が当該範囲から外れる場合、 当該 範囲内にある場合と比較して、 電池の異常時における電池温度の上昇を抑制 する効果が減少する場合がある。 なお、 リン酸塩粒子の 50 %粒径 ( 0 5 〇) は、 基材 24の平均孔径より小さくてもよい。 無機粒子の 50 %粒径 ( 0 50 ) は、 リン酸塩粒子の 50 %粒径 ( 0 5 。) より大きければよいが、 例えば、

〇. 1 01以上 1 以下であることが好ましく、 〇. 2 〇!以上〇. 8 以下であることがより好ましい。 このように、 無機粒子の 50%粒径 (0 5 〇) をリン酸塩粒子の 50%粒径 (0 50 ) より大きくすることにより、 フイラ 一層 26に十分な耐熱性を付与することができ、 熱による基材 24の変形 · 収縮を効果的に抑制できる。

[0034] リン酸塩粒子の 90 %粒径 ( 0 9 。) は、 基材 24の平均孔径より大きいこ とが好適である。 90%粒径 (0 90 ) は、 例えば〇. 2 以上2 以下 であることが好ましく、 〇. 5 以上1. 5 以下であることがより好 ましい。 〇 90 が当該範囲内であれば、 セパレータ 22の製造時において基材 24の空孔内に入り込むリン酸塩粒子の量を適 な範囲に調整でき、 電池の 〇 2020/174974 10 卩(:170? 2020 /002827

異常時における電池温度の上昇をより効果 的に抑制することができる。 無機 粒子の 9 0 %粒径 (0 9 0 ) は、 フイラー層 2 6の耐熱性を高める等の点で、 例えば、 リン酸塩粒子の体積基準の 9 0 %粒径 ( 0 9 〇) より大きいことが好 ましく、 例えば、 〇. 4 以上であることが好ましい。 上限値は特に限定 されるものではないが、 例えば、 1 以下である。

[0035] フイラー層 2 6中のリン酸塩粒子の含有量は、 基材 2 4の空孔を塞ぐのに 十分な量とする点で、 4 0質量%以上 8 0質量%以下が好ましく、 5 0質量 %以上 7 0質量%以下がより好ましい。 フイラー層 2 6中の無機粒子の含有 量は、 フイラー層 2 6の耐熱性を向上させる等の点で、 1 0質量%以上 4 0 質量%以下が好ましく、 2 0質量%以上 4 0質量%以下がより好ましい。

[0036] セパレータ 2 2では、 フイラー層 2 6のリン酸塩粒子の一部が基材 2 4の 空孔内に入り込み、 当該粒子の入り込み深さの平均値が〇. 0 2 以上 2 111以下であることが好ましく、 〇. 1 〇!以上 1 . 5 以下であること がより好ましい。

[0037] ここで、 リン酸塩粒子の入り込み深さとは、 基材 2 4の表面から、 基材 2 4の厚み方向において基材 2 4の内部に入り込んだ粒子の端部までの長さ 意味する。 入り込み深さは、 走査型電子顕微鏡 (3巳1\/1) 又は透過型電子顕 微鏡 (丁巳 IV!) を用いた基材 2 4の断面観察によって計測できる。

[0038] リン酸塩粒子は、 基材 2 4の表面の略全域において空孔内に入り込ん い ることが好ましい。 即ち、 基材 2 4の表面には、 空孔内に入り込んだリン酸 塩粒子が略均一に存在している。 また、 リン酸塩粒子の上記入り込み深さは 、 基材 2 4の表面の略全域において略均一であること 好ましい。

[0039] リン酸塩粒子の上記入り込み深さの平均値は 、 基材 2 4の厚みに対して、 例えば 1 %以上 5 0 %以下であり、 好ましくは 5 %以上 3 0 %以下である。 基材 2 4の平均孔径に応じて、 リン酸塩粒子の 1 0 %粒径 (口!〇) 等を調整 することで、 基材 2 4の内部に入り込むリン酸塩粒子の深さを制 すること が可能となる。

[0040] 基材 2 4の両面にフイラー層 2 6を設ける場合、 フイラー層 2 6の合計厚 〇 2020/174974 1 1 卩(:170? 2020 /002827

み (リン酸塩粒子の入り込み深さを除いた厚み ) は、 例えば、 6 以下で あることが好ましく、 1 以上 6 以下であることがより好ましく、 特 に 1 以上 4 以下であることがより好ましい。 1つのフィラー層 2 6 の厚みは、 例えば、 4 以下であることが好ましく、 〇. 5 〇!以上 2 以下がより好ましい。

[0041 ] フィラー層 2 6の空孔率は、 電池の充放電時において、 良好なイオン透過 性を確保する点、 物理的な強度を確保する点等から、 3 0 %以上 7 0 %以下 が好ましい。 フィラー層 2 6の空孔率は、 下記の式で算出される。

[0042] フィラー層の空孔率 (%) = 1 0 0 - [ [ ÷ (¢1 X | 〇) ] X 1 0 0 ]

¢1 : フィラー層の厚み (〇〇〇

: フィラー層の平均密度 (9 /〇 01 3

フィラー層 2 6は、 層の機械的強度、 接着性等を高める等の点で、 結着材 を含むことが好ましい。 結着材としては、 例えば、 ポリエチレン、 ポリプロ ピレン、 ポリエチレンと《オレフィンとの共重合体等 のポリオレフィン、 、 丁 巳、 ポリフッ化ビニル ( ) 等の含フッ素樹脂、 フッ化 ビニリデンーヘキサフルオロプロピレンーテ トラフルオロエチレン共重合体 、 エチレンーテトラフルオロエチレン共重合体 等の含フッ素ゴム、 スチレン —ブタジエン共重合体及びその水素化物、 アクリロニトリルーブタジエン共 重合体及びその水素化物、 アクリロニトリルーブタジエンースチレン共 重合 体及びその水素化物、 メタクリル酸エステルーアクリル酸エステル 共重合体 、 スチレンーアクリル酸エステル共重合体、 アクリロニトリルーアクリル酸 エステル共重合体、 ポリ酢酸ビニル、 ポリフエニレンエーテル、 ポリスルホ ン、 ポリエーテルスルホン、 ポリフエニレンスルフィ ド、 ポリエーテルイミ ド、 ポリアミ ドイミ ド、 ポリアミ ド、 ポリ 1\1 _ビニルアセトアミ ド、 ポリエ ステル、 ポリアクリロニトリル、 セルロース、 エチレンー酢酸ビニル共重合 体、 ポリ塩化ビニル、 イソプレンゴム、 ブタジエンゴム、 ポリアクリル酸メ チル、 ポリアクリル酸エチル、 ポリビニルアルコール、 アクリルア 〇 2020/174974 12 卩(:170? 2020 /002827

ミ ド、 八、 メチルセルロース、 グアーガム、 アルギン酸ナトリウム、 力 ラギーナン、 キサンタンガム及びこれらの塩などが挙げら れる。 これらの中 では、 接着性等の点で、 ポリ —ビニルアセトアミ ドやポリフッ化ビニリデ ン系樹脂が好ましく、 電極との接着性、 イオン透過性等の点で、 網目状のポ リフッ化ビニリデン系樹脂がより好ましい。

[0043] 図 3は、 網目状のポリフッ化ビニリデンの状態を説明 するためのフイラー 層の一部拡大平面図である。 図 3に示すように、 フイラー層 2 6に含まれる 網目状のポリフッ化ビニリデン系樹脂 2 8は、 繊維状となって相互に三次元 的に連結して、 網目状のネッ トワークを形成している。 なお、 繊維状とは、 径 (繊維径) に対する長さ (繊維長) の比 (アスペクト比) が 3以上の状態 を示す。 そして、 フイラー層 2 6内の粒子 3 0 (リン酸塩粒子や無機粒子) は、 ポリフッ化ビニリデン系樹脂 2 8の網目状のネッ トワークにより固定さ れている。 このようなフイラー層 2 6は、 多数の細孔 3 2を有し、 これら細 孔 3 2が連結した構造となっている。 そのため、 フイラー層 2 6は、 一方の 面から他方の面へとリチウムイオンが通過し 易い構造となっている。 また、 フイラー層 2 6は、 表面の網目状のポリフッ化ビニリデン系樹脂 2 8のアン 力一効果により、 電極 (正極 1 8や負極 2 0) に対して接着性を有する。 電 極とフイラー層 2 6との接着の際には、 例えば、 常温又は温感で電極体 1 1 の積層方向にプレスすることが望ましい。 図 3に示すフイラー層 2 6では、 粒子 3 0 (リン酸塩粒子や無機粒子) の表面の一部がポリフッ化ビニリデン 系樹脂 2 8で覆われているが、 電極との接着性等の点では、 リン酸塩粒子の 表面全体が、 ポリフッ化ビニリデン系樹脂 2 8で覆われていることが好まし く、 リン酸塩粒子の表面全体及び無機粒子の表面 全体が、 ポリフッ化ビニリ デン系樹脂 2 8で覆われていることがより好ましい。

[0044] ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、 フッ化ビニリデンの単独重合体 (すなわ ちポリフッ化ビニリデン) 、 フッ化ビニリデンと他の共重合可能なモノマ ー との共重合体、 あるいはこれらの混合物が好適に用いられる 。 フッ化ビニリ デンと共重合可能なモノマーは、 テトラフルオロエチレン、 ヘキサフルオロ 〇 2020/174974 13 卩(:170? 2020 /002827

プロピレン、 トリフルオロエチレン、 フッ化ビニル等の一種類又は二種類以 上を用いることができる。 ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、 電極との接着性 等の点で、 構成単位としてのフッ化ビニリデンを 7 0質量%以上含有するこ とが好ましく、 8 0質量%以上含有することがより好ましい。 また、 ポリフ ッ化ビニリデン系樹脂は、 電極との接着性等の点で、 構成単位としてへキサ フルオロプロピレンを 3質量%以上 1 5質量%以下含有することが好ましい

[0045] フィラー層 2 6中の結着材は、 例えば 2質量%以上 8質量%以下である。

[0046] 結着材として網目状のポリフッ化ビニリデン 系樹脂を用いる場合、 フィラ 一層 2 6中のポリフッ化ビニリデン系樹脂の含有量 、 電極との接着性等を 考慮すると、 1 5質量%以上 4 0質量%以下であることが好ましく、 1 5質 量%以上 2 5質量%以下であることがより好ましい。 フィラー層 2 6中のポ リフッ化ビニリデン系樹脂の含有量が 1 5質量%未満であると、 電極との接 着性が低下し、 正極と負極の対向がずれる恐れが生じる。 また、 フィラー層 2 6中のポリフッ化ビニリデン系樹脂の含有量 4 0質量%を超えると、 例 えば、 フィラー層 2 6のフィラーの減少により、 セパレータの耐熱性や強度 が低下する場合がある。

[0047] フィラー層 2 6は、 さらに、 ヘテロポリ酸を含んでいてもよい。 ヘテロポ リ酸を添加することで、 溶融したリン酸塩の重縮合が促進されると考 えられ る。 ヘテロポリ酸としては、 リンモリブデン酸、 リンタングステン酸、 リン モリブドタングステン酸、 リンモリブドバナジン酸、 リンモリブドタングス トバナジン酸、 リンタングストバナジン酸、 ケイタングステン酸、 ケイモリ ブデン酸、 ケイモリブドタングステン酸、 ケイモリブドタングステントバナ ジン酸等が例示できる。

[0048] フィラー層 2 6は、 例えば、 基材 2 4の表面に、 リン酸塩粒子、 無機粒子 、 任意の結着材等を含むスラリーを塗布、 乾燥することにより形成される。 また、 例えば、 基材 2 4の表面に、 リン酸塩粒子、 無機粒子、 ポリフッ化ビ ニリデン系樹脂、 及び分散媒を含むスラリーを塗布し、 非溶媒中、 又は非溶 〇 2020/174974 14 卩(:170? 2020 /002827

媒及び分散媒の混合溶媒中を通過させて分 散媒を抽出し (相分離) 、 その後 、 乾燥させる相分離法等により形成してもよい 。 このような相分離法により 、 リン酸塩粒子、 無機粒子及び網目状のポリフッ化ビニリデン 系樹脂を含む フィラー層 2 6が形成される。 スラリーの塗布方法は、 例えば、 グラビア印 刷法等の従来公知の方法でよい。

[0049] 相分離法で用いる非溶媒は、 ポリフッ化ビニリデン系樹脂がほとんど溶解 しない溶媒であり、 例えば水、 アルコール類、 エーテル類等が挙げられる。 分散媒は、 ポリフッ化ビニリデン系樹脂が溶解する溶媒 であり、 例えば、 —メチルー 2—ピロリ ドン、 1\1 , 1\1 _ジメチルホルムアミ ド、 1\1 , 1\1 _ジメ チルアセトアミ ド等が挙げられる。 非溶媒として水を使用する場合、 分散媒 の抽出速度の速さから、 1\1 , 1\1—ジメチルアセトアミ ドを使用することが好 ましい。

[0050] なお、 基材 2 4の空孔内へのリン酸塩粒子の入り込み深さ 、 リン酸塩粒 子の粒径、 スラリーの塗膜の乾燥条件、 スラリーの塗布方法等によって制御 できる。 例えば、 リン酸塩粒子の 1 0 %粒径 (口 1 0 ) を小さく したり、 塗膜 の乾燥条件を緩やかにしたりすると、 リン酸塩粒子が基材 2 4の内部に入り 込み易くなる。 また、 スラリーの塗布に用いるグラビアロールの回 転速度を 遅くすると、 リン酸塩粒子が基材 2 4の内部に入り込み易くなる。

[0051 ] [非水電解質]

非水電解質は、 非水溶媒と、 非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む。 非水 電解質は、 液体電解質 (非水電解液) に限定されず、 ゲル状ポリマー等を用 いた固体電解質であってもよい。 非水溶媒には、 例えばエステル類、 エーテ ル類、 アセトニトリル等の二トリル類、 ジメチルホルムアミ ド等のアミ ド類 、 及びこれらの 2種以上の混合溶媒等を用いることができる 非水溶媒は、 これら溶媒の水素の少なくとも一部をフッ素 等のハロゲン原子で置換したハ ロゲン置換体を含有していてもよい。

[0052] 上記エステル類の例としては、 エチレンカーボネート (巳〇) 、 プロピレ ンカーボネート ( 〇) 、 ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル 、 ジ 〇 2020/174974 1 5 卩(:170? 2020 /002827

メチルカーボネート (口1\/1〇) 、 ェチルメチルカーボネート (巳1\/1〇) 、 ジ ェチルカーボネート (口巳〇) 、 メチルプロピルカーボネート、 ェチルプロ ピルカーボネート、 メチルイソプロピルカーボネート等の鎖状炭 酸ェステル 、 アーブチロラクトン (◦巳 1_) 、 アーバレロラクトン (◦ V 1_) 等の環状 カルボン酸ェステル、 酢酸メチル、 酢酸ェチル、 酢酸プロピル、 プロピオン 酸メチル (1\/1 ) 、 プロピオン酸ェチル、 アーブチロラクトン等の鎖状カル ボン酸ェステルなどが挙げられる。

[0053] 上記ェーテル類の例としては、 1 , 3—ジオキソラン、 4—メチルー 1 ,

3 -ジオキソラン、 テトラヒドロフラン、 2 -メチルテトラヒドロフラン、 プロピレンオキシド、 1 , 2—ブチレンオキシド、 1 , 3—ジオキサン、 1 , 4—ジオキサン、 1 , 3 , 5—トリオキサン、 フラン、 2—メチルフラン 、 1 , 8 -シネオール、 クラウンェーテル等の環状ェーテル、 1 , 2 -ジメ トキシェタン、 ジェチルェーテル、 ジプロピルェーテル、 ジイソプロピルェ —テル、 ジブチルェーテル、 ジヘキシルェーテル、 ェチルビニルェーテル、 プチルビニルェーテル、 メチルフェニルェーテル、 ェチルフェニルェーテル 、 プチルフェニルェーテル、 ペンチルフェニルェーテル、 メ トキシトルェン 、 ベンジルェチルェーテル、 ジフェニルェーテル、 ジベンジルェーテル、 〇 —ジメ トキシベンゼン、 1 , 2—ジェトキシェタン、 1 , 2—ジブトキシェ タン、 ジェチレングリコールジメチルェーテル、 ジェチレングリコールジェ チルェーテル、 ジェチレングリコールジブチルェーテル、 1 , 1 —ジメ トキ シメタン、 1 , 1 —ジェトキシェタン、 トリェチレングリコールジメチルェ —テル、 テトラェチレングリコールジメチルェーテル 等の鎖状ェーテル類な どが挙げられる。

[0054] 上記ハロゲン置換体としては、 フルオロェチレンカーボネート ( 巳〇) 等のフッ素化環状炭酸ェステル、 フッ素化鎖状炭酸ェステル、 フルオロプロ ピオン酸メチル ( 1\/1 ) 等のフッ素化鎖状カルボン酸ェステル等を用 いる ことが好ましい。

[0055] 電解質塩は、 リチウム塩であることが好ましい。 リチウム塩の例としては 〇 2020/174974 16 卩(:170? 2020 /002827

、 L \ B F 1_ 丨 〇 丨 〇 4 、 1_ 丨 6 、 1_ 丨 八 3 6 、 1_ 丨 3匕 6 、 1_ 1 八

I 〇 丨 4 、 1_ 1 3〇1\1、 1_ 1 〇 3 3〇 3 、 1_ 1 〇 3 〇〇 2 、 1_ 1 (9 (〇 2 〇 4) 4 ) 、 1_ 1 (0^ 2 + 1 ) , (1 <父<6, 门は 1又は 2) 、 !_

1 巳 10 〇 I 10 、 1_ 1 〇 I、 1_ 1 巳 「、 1_ 1 I、 クロロボランリチウム、 低級 脂肪族カルボン酸リチウム、 1- 1 2 4 7 、 1_ 1 (巳 (〇 2 4 2 ) 等のホ ウ酸塩類、 1- 1 (3〇 2 3 ) し 1 (〇 2 | +1 3〇 2 ) (0^ 2 , + ! 30 2 ) { I , は 0以上の整数} 等のイミ ド塩類などが挙げられる。 リチ ウム塩は、 これらを 1種単独で用いてもよいし、 複数種を混合して用いても よい。 これらのうち、 イオン伝導性、 電気化学的安定性等の観点から、 !_ I ^を用いることが好ましい。 リチウム塩の濃度は、 非水溶媒 1 !_当り 0. 8~ 1. 8 〇 丨 とすることが好ましい。

実施例

[0056] 以下、 実施例により本開示をさらに説明するが、 本開示はこれらの実施例 に限定されるものではない。

[0057] <実施例 1 >

[セパレータの作製]

下記の手順で、 フイラー層/ポリエチレン製の多孔質基材/フ ラー層か らなる 3層構造を有するセパレータを作製した。

(1) スラリーの調製

巳巳丁比表面積が 6 1. 3 2 / 9、 0 10 が0. 09 1 、 0 50 が 0. 1 7 のリン酸リチウム粒子 (!_ 丨 3 4 ) と、 巳巳丁比表面積が 4. /9、 口 10 が 0 35 01、 0 5 〇が 0 46 〇!のアルミナ (八 丨 2 3 ) と 、 ポリフッ化ビニリデン系樹脂 (5質量%のヘキサフルオロプロピレンを含 む) とを、 46 : 46 : 8の質量比で混合し、 1\1—メチルー 2—ピロリ ドン ( 1\/1?) を加えることにより、 スラリーを調製した。

(2) フイラー層の形成

厚みが 1 2 の単層のポリエチレン製多孔質基材の一方の 面に、 上記ス ラリーを塗布した後、 60 ° 〇で 6分間乾燥させることにより、 基材の一方の 〇 2020/174974 17 卩(:170? 2020 /002827

面にフイラー層を形成した。 また、 上記同様の操作を行い、 基材の他方の面 にもフイラー層を形成した。 ポリエチレン製多孔質基材の平均孔径は 0 . 5 ^ 111であつた。

[0058] [正極の作製]

正極活物質として、

チウム複合酸化物粒子を用いた。 正極活物質と、 力ーボンブラックと、

とを、 1\/1 ?中で 1 0 0 : 1 : 1の質量比で混合して正極合材スラリー を調製した。 次に、 当該正極合材スラリーを、 アルミニウム箔からなる正極 集電体の両面に塗布し、 塗膜を乾燥させた後、 圧延口ーラーにより圧延し、 さらにアルミニウム製の集電タブを取り付け て、 正極集電体の両面に正極合 材層が形成された正極を作製した。 なお、 正極合材の充填密度は 3 . 7 0 9 /。 01 3 であった。

[0059] [負極の作製]

人造黒鉛と、 カルボキシメチルセルロースナトリウム (〇1\/1〇 - 3 ) と 、 スチレンーブタジエンゴム (3巳[¾) のデイスパージョンとを、 水中で 9 8 : 1 : 1の固形分質量比で混合して負極合材スラリ を調製した。 次に、 当該負極合材スラリーを銅箔からなる負極集 電体の両面に塗布し、 塗膜を乾 燥させた後、 圧延口ーラーにより圧延し、 さらにニッケル製の集電タブを取 り付けて、 負極集電体の両面に負極合材層が形成された 負極を作製した。 な お、 負極合材の充填密度は 1 . であった。

[0060] [非水電解質の調製]

エチレンカーボネート (巳〇) と、 エチルメチルカーボネート (巳1\/1〇) と、 ジメチルカーボネート (口1\/1〇) とを、 3 : 3 : 4の体積比で混合した 混合溶媒に対して、 六フッ化リン酸リチウム (1- 丨 P F 6 ) を 1モル/リッ ト ルの濃度になるように溶解した。 さらに、 ビニレンカーボネート ( 〇) を 上記混合溶媒に対して 1質量%の濃度で溶解させて、 非水電解質を調製した

[0061] [非水電解質二次電池の作製] 〇 2020/174974 18 卩(:170? 2020 /002827

上記セパレータを介して上記負極及び上記 正極を交互に積層することによ り、 積層型の電極体を作製した。 この電極体を積層方向にプレスした後、 上 記非水電解質と共に、 角形の電池ケースに収容して、 75〇 八 IIの角形試 験セルを作製した。

[0062] <実施例 2 >

スラリーの調製において、 巳巳丁比表面積が 1 0. 3 2 /9、 0 10 が〇.

1 5 〇1、 0 50 が 0. 2 〇!のアルミナ (八 丨 2 3 ) を用いたこと以外は、 実施例 1 と同様に非水電解質二次電池を作製した。

[0063] <実施例 3>

スラリーの調製において、 巳巳丁比表面積が 6. 5〇^/9、 0 10 が0. 4 2 、 口 50 が〇. 7 のリン酸リチウム粒子 (1_ 1 3 4 ) を用いたこ と以外は、 実施例 1 と同様に非水電解質二次電池を作製した。

[0064] <比較例 1 >

スラリーの調製において、 巳巳丁比表面積が 3. 301 2 /9、 〇 10 が0. 6 8 、 0 50 が1 · 1 5 のリン酸リチウム粒子 (!_ 丨 3 4 ) を用いた こと以外は、 実施例 1 と同様に非水電解質二次電池を作製した。

[0065] <比較例 2 >

フィラー層の形成において、 巳巳丁比表面積が 801 2 /9、 〇 1 〇が 0. 52 、 口 50 が〇. 72 のリン酸リチウム粒子 (1_ 1 3 4 ) を用いたこ と以外は、 実施例 1 と同様に非水電解質二次電池を作製した。

[0066] <比較例 3 >

フィラー層の形成において、 巳巳丁比表面積が 5. 2 0 10 が0.

36 、 口 50 が〇. 65 のリン酸リチウム粒子 (1_ 1 3 4 ) を用い たこと以外は、 実施例 1 と同様に非水電解質二次電池を作製した。

[0067] [釘刺し試験]

各実施例及び各比較例の電池を、 25 ° 〇の環境下で、 225 八の定電流 で電池電圧が 4. 2 Vになるまで充電を行い、 その後、 4. 2 Vの定電圧で 電流値が 37. 5 八になるまで充電を行った。 25 °0の環境下で上記充電 〇 2020/174974 19 卩(:170? 2020 /002827

状態の電池の側面中央部に、 1 111 01 øの大きさの丸釘を、 〇. 1 111 111 /秒の 速度で、 電極体の積層方向に突き刺し、 電池を完全に貫通した時点で、 釘の 突刺しを停止させた。 丸釘を突き刺した電池側面部から 離れた位置の 電池温度を測定して、 最高到達温度を求めた。 その結果を表 1 に示す。

[0068]

〇 2020/174974 21 卩(:170? 2020 /002827

[0069] 実施例 1〜 3はいずれも、 比較例 1〜 3と比べて、 釘刺し試験における最 高到達温度が低い結果、 すなわち、 電池の異常時における電池温度の上昇が 抑制された結果となった。 なお、 ここではテスト用電池での試験であるため 、 積層型の電池であるにも係らず、 セパレータと電極との接着性を付与せず に実施した。 製品として量産する場合は、 接着が必要である。 この場合、 先 述したように、 別途接着機能層を設けるか、 網目状のポリフッ化ビニリデン 系樹脂を含むフィラー層の利用が望ましい。

符号の説明

[0070] 1 0 非水電解質二次電池

1 1 電極体

1 2 正極端子

1 3 負極端子

1 4 電池ケース

1 5 ケース本体

1 6 封口体

1 7 絶縁部材

1 8 正極

20 負極

22 セパレータ

24 基材

26 フィラー層

28 ポリフッ化ビニリデン系樹脂

30 粒子

32 細孔