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Title:
NON-VOLATILE LATCH CIRCUIT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072511
Kind Code:
A1
Abstract:
A non-volatile latch circuit comprises first and second inverters connected in a cross-coupled configuration so as to hold one-bit data, first and second magnetoresistive elements each having first to third terminals, and a current supply circuit section configured so as to supply, in response to the one bit data, a magnetization reversing current for reversing the magnetization states of the first and second magnetoresistive elements. A power supply terminal of the first inverter is connected to the first terminal of the first magnetoresistive element; a power supply terminal of the second inverter is connected to the first terminal of the second magnetoresistive element. The current supply circuit section is configured so as to supply the magnetization reversing current to the second terminals of the first and second magnetoresistive elements. The third terminals of the first and second magnetoresistive elements are electrically connected to each other.

Inventors:
SAKIMURA NOBORU (JP)
SUGIBAYASHI TADAHIKO (JP)
NEBASHI RYUSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071940
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
December 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NEC CORP (JP)
SAKIMURA NOBORU (JP)
SUGIBAYASHI TADAHIKO (JP)
NEBASHI RYUSUKE (JP)
International Classes:
G11C11/15; H01L29/82; H01L43/08; H03K3/59; H03K3/356
Foreign References:
JP2005166170A2005-06-23
JP2003016773A2003-01-17
JP2007258460A2007-10-04
Attorney, Agent or Firm:
KUDOH, Minoru (24-10Minamiooi 6-chom, Shinagawa-ku Tokyo 13, JP)
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Claims:
 1ビットのデータを保持するようにクロスカップルされた第1及び第2インバータと、
 それぞれが、第1乃至第3端子を有する第1及び第2磁気抵抗素子と、
 前記1ビットのデータに応答して、前記第1及び前記第2磁気抵抗素子の磁化状態を変化させる磁化反転電流を供給するように構成された電流供給回路部
とを具備し、
 前記第1インバータの電源端子が前記第1磁気抵抗素子の前記第1端子に接続され、
 前記第2インバータの電源端子が前記第2磁気抵抗素子の前記第1端子に接続され、
 前記電流供給回路部が、前記第1及び前記第2磁気抵抗素子の前記第2端子に前記磁化反転電流を供給するように構成され、
 前記第1の磁気抵抗素子の前記第3端子と前記第2磁気抵抗素子の前記第3端子とが電気的に接続されている
 不揮発性ラッチ回路。
 請求の範囲1に記載の不揮発性ラッチ回路であって、
 前記第1及び第2磁気抵抗素子のそれぞれは、前記第1端子と前記第2端子の間に磁気トンネル接合を介してトンネル電流が流れ、前記第2端子と前記第3端子の間に前記磁化反転電流が流れるように構成された
 不揮発性ラッチ回路。
 請求の範囲1又は2に記載の不揮発性ラッチ回路であって、
 更に、
 リコール・イネーブル信号に応答して前記第1インバータの出力と前記第2インバータの出力とを電気的に接続し、又は切り離す第1スィッチを具備する
 不揮発性ラッチ回路。
 請求の範囲1乃至3のいずれか1項に記載の不揮発性ラッチ回路であって、
 前記電流供給回路部は、前記第1インバータ及び前記第2インバータの出力の電位に応答して、前記第1磁気抵抗素子の前記第2端子と、前記第2磁気抵抗素子の前記第2端子に相補の電圧を供給するように構成された
 不揮発性ラッチ回路。
 請求の範囲1乃至4のいずれか1項に記載の不揮発性ラッチ回路であって、
 更に、
 クロック信号に応答して、入力データを前記第1インバータの入力に供給する第2スイッチと、
 前記クロック信号に応答して、前記入力データの反転データを前記第2インバータの入力に供給する第3スイッチ
とを具備する
 不揮発性ラッチ回路。
Description:
不揮発性ラッチ回路

 本発明は、不揮発性ラッチ回路に関し、 に、MTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子が記憶素子 として導入されている不揮発性ラッチ回路に 関する。

 大規模集積回路(LSI)には、多数の論理回 が使用されている。LSIに使用されている論 回路は、デジタル論理値を処理するために いられ、インバータやNAND、NORゲートに代表 れる論理ゲートと、デジタル論理値を一時 に保持、保存するために用いられる双安定 理回路に大別される。双安定論理回路は、 種のラッチ回路や、それらを組み合わせた 種のフリップフロップ回路に代表される。 型的なLSIにおいては、多数の論理ゲートと 安定論理回路とが組み合わせられて内蔵さ 、さらにランダムアクセスメモリ(RAM)やリ ドオンリーメモリ(ROM)等のメモリコアも同時 に内蔵されることが増えてきた。

 近年のLSIにおいては、製造プロセスの微 技術の進展により、莫大な数の論理回路が 積されるようになり、高速化による動作電 の増大やリーク電流に代表されるスタンバ 電力の増大が問題となっている。その解決 法の一つとして、使用されていない回路ブ ックへの電源供給、あるいは、LSI全体の電 供給を停止する方法が一般的に知られてい 。しかし、データの初期値や中間処理値、 理後のデータが消失してしまうため、電源 止の直前に処理データを不揮発性のストレ ジデバイスに転送する手順が必要となる。 れは、電源制御を複雑化させ、且つ、シス ムの部品コストを増加させてしまう。また 落雷による停電や不慮の事故等による電源 瞬停では処理データの転送手順が適切に実 できない可能性がある。また、ラッチ回路 フリップフロップにおいては、その初期値 不定であるため、電源投入時に論理回路の 期化動作が必要となり、システムの起動が くなる欠点があった。

 この課題を解決するため、電源供給停止 もラッチ回路やフリップフロップの状態を 持できる回路的工夫が提案されている。例 ば、特開平05-218850号公報では、電源スイッ を介した仮想電源を用いたフリップフロッ 回路が提案されている。このフリップフロ プ回路は、動作時に電源スイッチがオン状 にされ、フリップフロップが主電源と仮想 源の両方で動作して高速性を維持する。ス ンバイ時は、電源スイッチをオフ状態にし 仮想電源が遮断され、主電源でフリップフ ップの状態を保持しつつ電力の削減が期待 きる。

 電源スイッチや仮想電源を利用したラッ 、あるいはフリップフロップによると、メ リ素子のための特殊な製造プロセスが不要 あるが、主電源は停止されないため、ゲー リーク電流やサブスレッショルドリーク電 の増大を防ぐためにしきい値電圧の高いト ンジスタを使用する必要がある。また、主 源線、仮想電源線、接地線の3つの電源線が 必要なためレイアウトが複雑化し、自動レイ アウトツールによる設計が困難である。従っ て、設計コストが増大する問題がある。

 他のアプローチとして、フリップフロッ と不揮発性メモリ素子とを組み合わせて、 記課題を解決する方法も提案されている。 えば、特開2004-88469号公報では、フリップフ ロップの状態を強誘電体キャパシタに記憶す る回路が提案されている。これは、フリップ フロップに用いられるインバータの出力に強 誘電体キャパシタを接続されており、書き込 み手段を別に設ける必要がない。

 強誘電体キャパシタを利用したラッチで 、強誘電体キャパシタが製造時に高温プロ スを必要とするため、配線層に積層するこ が難しい。そのため、フリップフロップの ル面積が増大してしまう。また、ストア動 時に、フリップフロップに用いられる各々 インバータの負荷容量が増大する。また、 誘電体キャパシタへの書き込み時間は数10 ノ秒かかってしまうため、動作速度が低下 てしまう。さらに、強誘電体キャパシタの 方の端子に低インピーダンスのプレート線 配線する必要があるため、自動レイアウト ールによる設計が困難になる可能性がある

 更に他のアプローチとして、特表2002-511631 公報、特開2003-157671号公報、特開2004-206835号 報には、ラッチの状態をMTJ素子に記憶する ッチ回路が提案されている。このラッチ回 では、ラッチを構成するインバータと電源 間にMTJ素子が挿入され、更に、ラッチの状 をMTJ素子にストアするための書き込み手段 設けられている。MTJ素子の書き換え回数は 質的に無限大(10 15 乗回以上)と言われており、常時のストア動 が可能となる。また、書き込み時間が数ナ 秒以下と高速であることも利点である。ま 、MTJ素子は配線プロセスの過程で成膜され ため、MTJ素子をトランジスタの真上に積層 ることが可能である。従って、セルレイア ト面積のオーバヘッドを抑制できる可能性 ある。

 上述の特許文献に開示されたラッチ回路 、MTJ素子の真下、あるいは真上に位置する 線層に磁化反転電流を流し、その磁化反転 流が発生する磁場によるMTJ素子の磁化方向 反転させて書き込みを行う。しかしながら 当該ラッチ回路では、この磁化反転が磁場 発生する効率が低く、大きな磁化反転電流( 典型的には数mA)が必要である。従って、磁化 反転電流を供給する回路に用いられるトラン ジスタのサイズが大きくなり、ラッチ回路の セル面積の増加が免れない。

 従って、本発明の目的は、磁気抵抗素子 備える不揮発性ラッチ回路の磁化反転電流 低減するための技術を提供することにある

 本発明の一の観点においては、不揮発性 ッチ回路が、1ビットのデータを保持するよ うにクロスカップルされた第1及び第2インバ タと、それぞれが、第1乃至第3端子を有す 第1及び第2磁気抵抗素子と、該1ビットのデ タに応答して、第1及び第2磁気抵抗素子の磁 化状態を変化させる磁化反転電流を供給する ように構成された電流供給回路部とを具備す る。第1インバータの電源端子は第1磁気抵抗 子の第1端子に接続され、第2インバータの 源端子は第2磁気抵抗素子の第1端子に接続さ れている。電流供給回路部は、第1及び第2磁 抵抗素子の第2端子に磁化反転電流を供給す るように構成されている。第1の磁気抵抗素 の第3端子と、第2磁気抵抗素子の第3端子が 気的に接続されている。

 本発明によれば、磁気抵抗素子を備える 揮発性ラッチ回路の磁化反転電流を低減す ことができる。

図1は、本発明の第1実施例の不揮発性 ッチ回路の構成を示す回路図である。 図2Aは、MTJ素子の構成の例を示す断面 である。 図2Bは、図2AのMTJ素子の構成を示す平 図である。 図2Cは、MTJ素子の構成の他の例を示す 面図である。 図3Aは、MTJ素子の構成の更に他の例を す断面図である。 図3Bは、図3AのMTJ素子の構成を示す断 図である。 図4は、第1実施例の不揮発性ラッチ回 の等価回路図である。 図5は、第1実施例の不揮発性ラッチ回 の動作を示すタイミング・チャートである 図6は、本発明の第1実施例の不揮発性 ッチ回路の他の構成を示す回路図である。 図7は、本発明の第1実施例の不揮発性 ッチ回路の更に他の構成を示す回路図であ 。 図8は、本発明の第2実施例の不揮発性D リップフロップ回路の構成を示す回路図で る。 図9は、第2実施例の不揮発性Dフリップ ロップ回路の動作を示すタイミング・チャ トである。

(第1実施例)
 図1は、本発明の第1実施例の不揮発性ラッ 回路1の基本構成図を示す。不揮発性ラッチ 路1は、2つのMTJ素子Jt、Jnと、NMOSトランジス タM1、M2、M4、M6、M7と、PMOSトランジスタM3、M5 と、NORゲートNR1、NR2と、インバータIV3、IV4と を備えている。

 MTJ素子Jt、Jnは、不揮発性ラッチ回路1へ 電源供給が行われないときに不揮発性ラッ 回路1のデータを記憶するために使用される 本実施例では、MTJ素子Jt、Jnは、3端子素子 して構成されている。具体的には、MTJ素子Jt は、上部端子n2と、2つの下部端子n3、n4とを えており、MTJ素子Jnは、上部端子/n2と、2つ 下部端子n3’、n4’とを備えている。MTJ素子J t、Jnの下部端子n4、n4’は、配線を介して接 されている。後述されるように、MTJ素子Jtに 形成されているMTJを通過するトンネル電流It 、上部端子n2から下部端子n3に流され、MTJ素 子Jnに形成されているMTJを通過するトンネル 流/Itは、上部端子/n2から下部端子n3’に流 れる。一方、磁化反転電流Iwは、MTJ素子Jtの 部端子n3と、MTJ素子Jtの下部端子n3’の間で される。

 MOSトランジスタM3~M6は、クロスカップル れた(即ち、一方の出力が他方の入力に接続 れた)2つのインバータIV1、IV2を構成してい 。この2つのインバータIV1、IV2により、ラッ が構成されている。インバータIV1、IV2の電 側の電源端子(即ち、PMOSトランジスタM3、M5 ソース)は、電源電位Vddを有する電源線に接 続されている。一方、インバータIV1、IV2の接 地側の電源端子(即ち、NMOSトランジスタM4、M6 のソース)は、それぞれ、MTJ素子Jt、Jnの上部 子n2、/n2に接続されている。PMOSトランジス M3及びNMOSトランジスタM4のドレインは、ノ ドn1に接続されており、PMOSトランジスタM5及 びNMOSトランジスタM6のドレインは、ノード/n1 に接続されている。更に、ノードn1は、PMOSト ランジスタM5、NMOSトランジスタM6のゲートに 通に接続され、ノード/n1は、PMOSトランジス タM3、NMOSトランジスタM4のゲートに共通に接 されている。ノードn1は、インバータIV1の 力として機能すると共に、インバータIV2の 力としても機能する。同様に、ノード/n1は インバータIV2の出力として機能すると共に インバータIV1の入力としても機能する。

 NMOSトランジスタM7は、インバータIV1、IV2 出力(即ち、ノードn1、/n1)の間に接続されて おり、リコール・イネーブル信号REに応じて インバータIV1、IV2の出力を短絡する。リコ ル・イネーブル信号REが活性化されると(即 、ハイレベルにプルアップされると)、ノー ドn1、/n1が電気的に接続される。一方、リコ ル・イネーブル信号REが非活性化されると ードn1、/n1が電気的に切り離される。

 NORゲートNR1、NR2は、MTJ素子Jt、Jnに相補の データを書き込む磁化反転電流Iwを供給する めの電流供給回路部として機能する。詳細 は、NORゲートNR1は、インバータIV1のノードn 1に接続された第1の入力と、ストア・イネー ル信号/WEを受け取る第2の入力とを有してお り、NORゲートNR1の出力は、MTJ素子Jtの下部端 n3に接続されている。同様に、NORゲートNR2 、インバータIV2のノード/n1に接続された第1 入力と、ストア・イネーブル信号/WEを受け る第2の入力とを有しており、NORゲートNR2の 出力は、MTJ素子Jnの下部端子n3に接続されて る。ストア・イネーブル信号/WEが活性化さ ると(即ち、”Low”レベルにプルダウンされ と)、NORゲートNR1、NR2は、ノードn1、/n1に保 されているデータに応答して、その一方の 力がHighレベルに、他方の出力がLowレベルに なる。これにより、ノードn1、/n1に保持され いるデータに応じた向きに磁化反転電流Iw 流れ、MTJ素子Jt、Jnに相補のデータが書き込 れる。

 NMOSトランジスタM1、M2は、インバータIV1 IV2からなるラッチに入力データD、/Dを供給 、ラッチに書き込まれたデータを書き換え 役割をする。ここで入力データD、/Dは、互 に相補のデータである。詳細には、NMOSトラ ジスタM1は、クロック信号CLKを受け取るゲ トと、ノードn1に接続された第1のソース/ド インと、入力データDを受け取る第2のソー /ドレインとを有している。同様に、NMOSトラ ンジスタM2は、クロック信号CLKを受け取るゲ トと、ノード/n1に接続された第1のソース/ レインと、入力データ/Dを受け取る第2のソ ス/ドレインとを有している。

 インバータIV3、IV4は、外部に出力データQ 、/Qを出力する役割をする。ここで出力デー Q、/Qは、互いに相補のデータである。詳細 は、インバータIV3は、その入力がインバー IV1のノードn1に接続されており、その出力 ら出力データQを出力する。一方、インバー IV4は、その入力がインバータIV2のノード/n1 接続されており、その出力から出力データ/ Qを出力する。

 図2Aは、MTJ素子Jt、Jnの構成の一例を示す 面図であり、図2Bは、その平面図である。 2A、図2BのMTJ素子Jt、Jnは、磁化反転電流Iwが 生する磁場により磁化自由層の磁化状態を 転させる構成を有している。一実施例では 図2Aの断面図に示されているように、MTJ素 Jt、Jnは、導電層11と、磁化固定層12と、トン ネルバリア層13と、磁化自由層14とを備えて 成される。磁化固定層12は、導電層11の上面 直接に形成され、トンネルバリア層13は、 化固定層12の上面に形成されている。磁化自 由層14は、トンネルバリア層13の上面に形成 れている。磁化固定層12は、磁化が固定され た強磁性体膜で形成され、磁化自由層14は、 化が反転可能な強磁性体膜で形成されてい 。MTJ素子Jt、Jnの下部端子n3、n3’は、導電 11の一方の端の付近に設けられ、下部端子n4 n4’は、導電層11の他方の端の付近に設けら れている。一方、MTJ素子Jt、Jnの上部端子n2、 /n2は、磁化自由層14の上面に設けられている 下部端子n3、n3’、n4、n4’、及び上部端子n2 、/n2は、典型的には、ビアコンタクトとして 形成される。図2Bに示されているように、磁 固定層12及び磁化自由層14の容易軸の方向は 、X軸方向(導電層11の延伸方向)から45°傾けら れている。ただし、磁化固定層12及び磁化自 層14の容易軸の方向は、X軸方向と平行でな 限り自由に選択できることに留意されたい 磁化固定層12及び磁化自由層14の容易軸の方 向と、X軸方向がなす角度は、例えば、30°、4 5°、60°、90°に設定され得る。図2Bでは、磁 固定層12の磁化が+X方向、+Y方向のいずれに 45°をなす方向(右上方向)に向けられている して示されている。

 図2A、図2Bの構成のMTJ素子Jt、Jnでは、磁 反転電流Iwが導電層11に+X方向に流されると 磁化自由層14に+Y方向に磁界が印加される。 れにより、磁化固定層12及び磁化自由層14の 磁化方向が平行になり、MTJ素子Jt、Jnは低抵 状態(データ”0”)になる。一方、磁化反転 流Iwが導電層11に-X方向に流されると、磁化 由層14に-Y方向に磁界が印加される。これに り、磁化固定層12及び磁化自由層14の磁化方 向が反平行になり、MTJ素子Jt、Jnは高抵抗状 (データ”1”)になる。図2A、図2Bの構成によ ば、導電層11と磁化自由層14との距離を極め て小さく(例えば、数10nm)に小さくできるので 、磁化反転電流Iwを低減する、例えば、1mA以 にすることができる。

 図2Cに示されているように、導電層11の上 面に磁化自由層14が直接に積層され、磁化自 層14の上面にトンネルバリア層13が積層され 、トンネルバリア層13の上面に磁化固定層12 積層されることも可能である。このような 成によれば、導電層11と磁化自由層14の距離 限界まで近づけられるため、磁化反転電流I wを更に低減することができる。

 図3Aは、MTJ素子Jt、Jnの構成の他の例を示 断面図であり、図3Bは、その平面図である 図3A、図3BのMTJ素子Jt、Jnは、磁化反転電流の 電子に与えられたスピンによって磁化自由層 の磁化を反転させる磁壁移動型のMTJ素子とし て構成されている。

 一実施例では図3Aに示されているように MTJ素子Jt、Jnは、スピン源21a、21bと、磁化自 層22と、トンネルバリア層23と、磁化固定層 24とを備えて構成されている。スピン源21a、2 1bは、磁化自由層22の両端付近の下面に接合 れている。トンネルバリア層23は、磁化自由 層22の上面に積層され、磁化固定層24はトン ルバリア層23の上面に積層されている。スピ ン源21a、21b、磁化自由層22、磁化固定層24は いずれも、その磁化方向が垂直方向(Z軸方向 )である。磁化固定層24の磁化は+Z方向に固定 れる。スピン源21aの磁化は-Z方向に固定さ 、スピン源21bの磁化は+Z方向に固定されてい る。磁化自由層22は、スピン源21aとスピン源2 1bの間に発生する磁壁27を境界として磁化が 方向に向く領域と下方向に向く領域とに分 れる。

 図3A、図3BのMTJ素子Jt、Jnでは、磁化反転 流Iwを+X方向に流すと、スピン源21bによって ピン偏極された電子が磁化自由層22に注入 れる。この注入されたスピン偏極電子のス ントルク作用によって磁壁27が-X方向に移動 、スピン源21aの近傍に到達する。その結果 磁化固定層24直下における磁化自由層22の磁 化方向は磁化固定層24と平行になり、MTJ素子J t、Jnは低抵抗状態(データ“0”)となる。一方 、磁化反転電流Iwを-X方向に流すと、スピン 21a近傍にあった磁壁27が+X方向へ移動し、ス ン源21bの近傍に到達する。その結果、磁化 定層24直下における磁化自由層22の磁化方向 は磁化固定層24と反平行になり、MTJ素子Jt、Jn は高抵抗状態(データ“1”)となる。

 図3A、図3BのMTJ素子の構成によると、磁化 反転電流Iwを数100μA程度に低減でき、その結 、電流供給回路部(本実施例では、NORゲート NR1、NR2)の面積オーバヘッドを抑制できる。

 以下では、第1実施例の不揮発性ラッチ回 路1の動作を詳細に説明する。図4は、図1に示 した第1実施例の不揮発性ラッチ回路1の等価 路を示す図であり、図4では、MTJ素子Jt、Jn 可変抵抗として図示されている。以下、図4 その動作タイミング・チャートを示した図5 を用いて、第1実施例の不揮発性ラッチ回路1 動作を説明する。

 図5を参照して、通常のラッチ動作が行われ る場合(図5のサイクルT 1 )、ストア・イネーブル信号(/WE)は非活性化さ れる、即ち、ハイレベルにプルアップされる 。MTJ素子Jt、Jnの下部端子n3、n3’はNORゲートN R1、NR2のNMOSトランジスタ(プルダウントラン スタ)を介して接地される。また、リコール イネーブル信号REも非活性化され(即ち、ロ レベルにプルダウンされ)、NMOSトランジス M7がオフ状態にされる。クロック信号CLKがハ イレベルにプルアップされると、NMOSトラン スタM1、M2がオン状態となってノードn1、/n1 保持データが入力データD、/Dに書き換えら 、そのまま出力データQ、/Qとして出力され (スルー動作)。この時、MTJ素子Jt、Jnの上部 子n2、/n2は接地電位とほぼ同電位である。ク ロック信号CLKがローレベルになると、NMOSト ンジスタM1、M2がオフ状態となり、クロスカ プルされたインバータIV1、IV2の作用により データが保持される(保持動作)。第1実施例 不揮発性ラッチ回路1は、原理的には、通常 のラッチ回路よりもMTJ素子Jt、Jnの抵抗が増 するため動作速度が劣化する。しかしなが 、MTJ素子Jt、Jnの抵抗値をNMOSトランジスタM4 M6のオン抵抗よりも小さい抵抗値(数100ω~数k ω程度)に設定すれば、その影響は低減できる 。すなわち、第1実施例の不揮発性ラッチ回 1は、一般的なラッチ回路とほぼ同性能で動 させることが可能である。

 ストア動作時(図5のサイクルT 2 、T 3 )では、ストア・イネーブル信号/WEが活性化 れる、即ち、ローレベルにされる。ストア イネーブル信号/WEの活性化に応答して、電 供給回路部として機能するNORゲートNR1、NR2 、磁化反転電流IwをMTJ素子Jtの下部端子n3と MTJ素子Jnの下部端子n3’の間に供給し、MTJ素 Jt、Jnの磁化状態を変更する。磁化反転電流 Iwの向きは、ノードn1、/n1の保持データに応 て決定される。例えば、ノードn1がハイレベ ル、ノード/n1がローレベルの時、MTJ素子Jnの 部端子n3’からMTJ素子Jtの下部端子n3に向け 磁化反転電流Iwが流れ、MTJ素子Jtが高抵抗状 態(Rhigh)、MTJ素子Jnが低抵抗状態(Rlow)となるよ うにそれぞれの磁化自由層の磁化方向が設定 される。一方、ノードn1がローレベル、ノー /n1がハイレベルの時、MTJ素子Jtの下部端子n3 からMTJ素子Jnの下部端子n3’に向けて磁化反 電流Iwが流れ、MTJ素子Jtが低抵抗状態、MTJ素 Jtが高抵抗状態となるようにそれぞれの磁 自由層の磁化方向が設定される。磁化反転 流Iwが供給されている時、下部端子n3、n3’ 一時的に接地電圧よりも高い電圧になるが その電圧上昇をインバータIV1、IV2の静的ノ ズマージン以下にすることは容易に可能で る。例えば、一般的なNORゲートは出力ノー と電源側の電源端子との間に直列に接続さ た2つのPMOSトランジスタと、出力ノードと接 地側の電源端子との間に並列に接続された2 のNMOSトランジスタで構成される。ストア動 時は、NORゲートNR1、NR2の一方のNORゲートの 列接続PMOSトランジスタと、他方のNORゲート の並列接続NMOSトランジスタが同時にオン状 となっている。直列接続PMOSトランジスタの ン抵抗は並列接続NMOSトランジスタのオン抵 抗よりも5~6倍に高くなるため、MTJ素子Jtの下 端子n3と、MTJ素子Jnの下部端子n3’の電位はV dd/5程度以下にできる。従って、ラッチとし 機能するクロスカップルのインバータIV1、IV 2は、ノードn1と/n1に保持されているデータを そのまま保持できる。

 図5において、ストア・イネーブル信号/WE は、クロック信号CLKの立ち下がり時(即ち、 持動作時)に活性化されていることに留意さ たい。このようなタイミングで磁化反転電 Iwを供給することで、ラッチされたデータ 変化しないのでMTJ素子Jt、Jnの磁化を所望の 向に確実に設定することができる。しかし ストア・イネーブル信号/WEの活性化タイミ グは図5に図示されているタイミングに限定 されず、任意である。例えば、クロック信号 CLKの立ち上がり時、すなわち、不揮発性ラッ チ回路1がスルー動作しているタイミングでMT J素子Jt、Jnに磁化反転電流Iwを供給すること 可能である。

 リコール動作時(サイクルT 4 )では、クロック信号(CLK)をローレベルにした 状態で、リコール・イネーブル信号(RE)を活 化(ハイレベル)され、NMOSトランジスタM7がオ ン状態、すなわち、クロスカップルされたイ ンバータIV1、IV2の入出力が互いに短絡される 。この時、ノードn1、/n1の電位は、電源電位V ddと接地電位の中間の電位となる。ノードn1 /n1の電位V(n1)、V(/n1)は、MTJ素子Jt、Jnの抵抗 尾(即ち、磁化状態)に応じて以下のように変 化する。
(i)MTJ素子Jtが高抵抗状態、Jnが低抵抗状態の
   V(n1)>V(/n1) ・・・(1)
(ii)Jtが低抵抗状態、Jnが高抵抗状態の時
   V(n1)<V(/n1) (2)
従って、MTJ素子Jt、Jnの磁化状態として保存 れた1ビットのデータを相補の電圧としてノ ドn1、/n1に呼び出すことができる。リコー ・イネーブル信号REをローレベルにすると、 NMOSトランジスタM7はオフ状態となり、ノード n1、/n1の電位差は、クロスカップルされたイ バータIV1、IV2の正転増幅作用により論理振 まで増幅される。即ち、ノードn1、/n1の一 がハイレベルに、他方がローレベルになる 以上説明したリコール動作は多くの場合、 源投入時に実行される。これにより、MTJ素 Jt、Jnに保存した1ビットのデータがインバー タIV1、IV2で構成されるラッチへ転送され、電 源遮断直前の状態を呼び出すことが可能とな る。

 本実施例の不揮発性ラッチ回路1の一つの 特徴は、MTJ素子Jt、Jnの下部端子n4、n4’が配 によって接続された回路構成にある。この うな構成によれば、MTJ素子Jt、Jnの下部端子 n3、n3’に接続される配線、及び、下部端子n4 、n4’を接続する配線が、ノードn1、/n1をプ ダウンする電源線(接地線)、及び、磁化反転 電流Iwを流すための配線として兼用される。 4の回路構成では、MTJ素子Jt、Jnの下部端子n3 、n3’に接続される配線、及び、下部端子n4 n4’を接続する配線は、ストア動作が行われ ないときには接地され、ストア動作が行われ 、磁化反転電流Iwが流されるときには、接地 位に近い電位(例えば、0.1V程度)になる。従 て、いずれの場合においても、インバータI V1、IV2は、ラッチとして正常に機能する。そ 一方で、磁化反転電流Iwが流される導体をMT J素子Jt、Jnに組み込むことが可能になる。従 て、磁化反転電流Iwが流される導体とMTJ素 Jt、Jnの磁化自由層との距離を限界まで近づ ることができ、磁化反転電流Iwを低減する とができる。これにより、磁化反転電流Iwを 供給する電流供給回路部(本実施例では、NOR ートNR1、NR2)を構成するトランジスタのサイ を低減し、面積オーバヘッドを有効に軽減 ることができる。

 不揮発性ラッチ回路1の回路構成は、図4 示したものに限定されない。例えば、図6は 磁化反転電流Iwを供給する電流供給回路部 インバータIV5、IV6と、電流スィッチとして 能するNMOSトランジスタM8、M9と、プルダウン トランジスタとして機能するNMOSトランジス M10とで構成した不揮発性ラッチ回路1Aの構成 を示している。図6の回路構成によれば、図4 回路構成に比べて、下部端子n3、n3’、や上 部端子n2、/n2の電位をより接地電位に近づけ がら不揮発性ラッチ回路1Aを動作させるこ ができる。例えば、ストア動作時は、NMOSト ンジスタM8、M9がオン状態、NMOSトランジス M10がオフ状態となり、MTJ素子Jtの下部端子n3 MTJ素子Jnの下部端子n3’の間にはノードn1、/ n1に保持されるデータに応じた向きに磁化反 電流Iwが流される。この時、NMOSトランジス M8、M9のうち、一方は線形領域でオン状態と なり、もう一方は飽和領域に近い領域でオン 状態となる。飽和領域でのオン抵抗は線形領 域でのオン抵抗よりも1桁程度大きいためMTJ 子Jtの下部端子n3とMTJ素子Jnの下部端子n3’の 電位はほぼ接地電位に等しくなる。一方、通 常動作時やリコール動作時(ストア動作時以 )では、NMOSトランジスタM10がオン状態となる ので、MTJ素子Jtの下部端子n3とMTJ素子Jnの下部 端子n3’は接地電位にプルダウンされる。

 図7は、クロックト・インバータを用いた ラッチ回路として構成された不揮発性ラッチ 回路1Bの回路構成を示している。クロックト インバータCIVは、PMOSトランジスタM11、M12と 、NMOSトランジスタM13、M14とで構成される。 ンバータIV1にはPMOSトランジスタM16、NMOSトラ ンジスタM17が追加され、インバータIV1は、ク ロックト・インバータとして機能する。イン バータIV2には、PMOSトランジスタM18とNMOSトラ ジスタM19が追加される。PMOSトランジスタM18 とNMOSトランジスタM19とは常時オン状態であ 、インバータIV1を構成するMOSトランジスタM3 、M4、M16、M17の合成オン抵抗と、インバータI V2を構成するMOSトランジスタM5、M6、M18、M19の 合成オン抵抗の整合をとるために使用されて いる。

 図7の不揮発性ラッチ回路1Bは、ラッチ動 を以下のようにして行う。クロック信号CLK ハイレベルにプルアップされ、クロック信 /CLKがローレベルにプルダウンされると、PMO SトランジスタM12及びNMOSトランジスタM13がオ 状態になると共にPMOSトランジスタM16及びNMO SトランジスタM17がオフ状態になり、入力デ タDの反転データがノードn1に、非反転デー が/n1に伝送される。インバータIV3は、ノー n1に設定されたデータの反転データ(即ち、 力データDの非反転データ)を出力データQと て出力する。クロック信号CLKがローレベル プルダウンされ、クロック信号/CLKがハイレ ルにプルアップされると、MOSトランジスタM 12、M13がオフ状態に、MOSトランジスタM16、M17 オン状態となり、ノードn1、/n1にデータが 持される。図4の回路構成と同様に、磁化反 電流Iwは、NORゲートNR1、NR2によって生成さ る。

 不揮発性ラッチ回路1Bのストア動作は、 4の不揮発性ラッチ回路1と同様である。

 不揮発性ラッチ回路1Bのリコール動作は クロック信号CLKをローレベル、クロック信 /CLKをハイレベル、リコール・イネーブル信 REをハイレベルにした状態で実行される。 の状態では、NMOSトランジスタM7がオン状態 あり、クロスカップルされたインバータIV1 IV2の出力が互いに短絡される。これにより MTJ素子Jt、Jnの磁化状態として保存された1ビ ットのデータは相補の電位としてノードn1、/ n1に呼び出される。ここで、リコール・イネ ブル信号REをローレベルにすると、NMOSトラ ジスタM7はオフ状態となり、ノードn1、/n1に リコールされた電位差は、クロスカップルさ れたインバータIV1、IV2の正転増幅作用により 論理振幅まで増幅され、出力される。

 以上、本発明の第1実施例について詳述し たが、本発明は、以上に例示した回路(図1、 4、図6、図7)に限定されず、本発明の技術思 想の範囲内において適宜変更され得る。例え ば、上述の不揮発性ラッチ回路は、ハイスル ー型の不揮発性ラッチ回路として構成されて いるが、ロースルー型の不揮発性ラッチに回 路構成を変更することができる。また、例え ば、不揮発性ラッチ回路のレイアウト及びセ ルの配置や磁化固定層の磁化方向等に応じて 、セルレイアウトや配線接続を最適に変更し ても構わない。

 さらに、MTJ素子Jt、Jnの構造は図2A~図2C、 3A、図3Bに図示された構造に限定されず、磁 化反転電流を流す導電層(あるいは配線層)がM TJ素子の平面方向と水平に、MTJ素子の上面、 るいは下面に具備されており、さらにその 電層とMTJ素子の一端子が電気的に接続され 構造を本実施例に適用してもよい。

 さらに、MTJ素子Jt、Jnは、インバータIV1、 IV2の電源側の電源端子に接続されていてもよ い。即ち、図4において、NMOSトランジスタM4 M6のソースが接地線に接続され、PMOSトラン スタM3のソースにMTJ素子Jtの上部端子n2が接 され、PMOSトランジスタM4のソースにMTJ素子Jn の上部端子/n2が接続される。MTJ素子Jt、Jnの 部端子n3、n3’は電気的に接続される。この き、NORゲートNR1、NR2の代わりに、NANDゲート が用いられることが望ましい。

(第2実施例)
 本発明の第2実施例では、本発明の不揮発性 ラッチ回路が、遅延型フリップフロップ(D-FF) として動作するように構成されている。第2 施例の不揮発性Dフリップフロップ回路1Cは 一般的に用いられるマスター・スレーブ方 のD-FFにおいて、図4で示したハイスルー型の 不揮発性ラッチ回路1をスレーブ・ラッチと て用いた構成を有している。

 詳細には、第2実施例の不揮発性Dフリッ フロップ回路1Cは、マスター・ラッチ31と、 レーブ・ラッチ32と、インバータIV22~IV24と 備えている。マスター・ラッチ31は、クロッ クト・インバータCI1、CI2と、インバータIV21 で構成されている。

 クロックト・インバータCI1は、PMOSトラン ジスタM21、M22と、NMOSトランジスタM23、M24と 備えている。PMOSトランジスタM21及びNMOSトラ ンジスタM24のゲートには、入力データDが供 される。PMOSトランジスタM22のゲートには、 ロック信号CLKの非反転信号p1が入力され、NM OSトランジスタM23のゲートには、クロック信 CLKの反転信号/p1が入力される。クロックト インバータCI1の出力は、ノードn5に接続さ る。

 クロックト・インバータCI2は、PMOSトラン ジスタM25、M26と、NMOSトランジスタM27、M28と 備えている。PMOSトランジスタM25及びNMOSトラ ンジスタM28のゲートには、入力データDが供 される。PMOSトランジスタM26のゲートには、 ロック信号CLKの反転信号/p1が入力され、NMOS トランジスタM27のゲートには、クロック信号 CLKの非反転信号p1が入力される。クロックト インバータCI2は、その入力がノードn6に接 され、出力がノードn5に接続されている。ク ロックト・インバータCI2は、インバータIV21 クロスカップルされている;即ち、インバー IV21は、その入力がノードn5に接続され、出 がノードn6に接続されている。ノードn6は、 マスター・ラッチ31の出力端子として機能す 。

 スレーブ・ラッチ32は、図4で図示した不 発性ラッチ回路1と同様の構成を有している 。マスター・ラッチ31のノードn6から出力さ た出力信号は、NMOSトランジスタM1を介して ードn1に供給されると共に、インバータIV7及 びNMOSトランジスタM2を介してノード/n1に供給 される。NMOSトランジスタM1、M2のゲートには クロック信号CLKの非反転信号p1が供給され 。NMOSトランジスタM7には、(ローアクティブ ある)リコール・イネーブル信号/REの反転信 号p2が供給される。

 図9は、第2実施例の不揮発性Dフリップフロ プ回路1Cの動作を示すタイミング・チャー である。図9のサイクルT 1 -T 2 は、不揮発性Dフリップフロップ回路1Cの通常 動作を示し、サイクルT 3 -T 5 は、ストア動作を示しており、サイクルT 6 は、リコール動作を示している。

 通常動作時(サイクルT 1 -T 2 )では、ストア・イネーブル信号/WEとリコー ・イネーブル信号/REは共に非活性状態(共に イレベル)に設定される。これにより、NORゲ ートNR1、NR2の出力は共にローレベルにプルダ ウンされ、NMOSトランジスタM7はオフ状態で動 作する。

 クロック信号CLKがローレベルの時、マス ー・ラッチ31のクロックト・インバータCI1 活性化され、入力データDはノードn6まで伝 される。一方、クロックト・インバータCI2 非活性状態になると共に、NMOSトランジスタM 1、M2がオフ状態となるから、スレーブ・ラッ チ32には入力データDは伝送されない;出力デ タQと等価なデータは、ノードn1と/n1の状態 して保持される。

 クロック信号CLKがハイレベルになると、 ロックト・インバータCI1がオフ状態に、ク ックト・インバータCI2がオン状態となって ノードn5、n6の状態が保持される。同時に、 NMOSトランジスタM1、M2がオンとなって、マス ー・ラッチ31の状態がノードn1、/n1に伝送、 更新され、出力データ/Qとして外部に出力さ る。

 ストア動作時(サイクルT 3 -T 5 )では、ストア・イネーブル信号/WEが活性化 れる(即ち、ローレベルに設定される)。スト ア・イネーブル信号/WEの活性化に応答して、 NORゲートNR1、NR2は、ノードn1、/n1の状態に応 て、その一方の出力がローレベルに、他方 出力がハイレベルになる。すなわち、スレ ブ・ラッチ32の状態(保持データ)に応じて、 MTJ素子Jt、Jnの磁化を相補に変化させるよう 磁化反転電流IwがMTJ素子Jtの下部端子n3と、MT J素子Jnの下部端子n3’の間に流れる。図9のタ イミング・チャートでは、ストア・イネーブ ル信号/WEがクロック信号CLKに同期している; ち、図9では、ストア・イネーブル信号/WE信 はCLKがローレベルの時に活性化されている して図示されている。しかし、本実施例に いて、ストア・イネーブル/WE信号が活性化 れるタイミングは任意である。ノードn1、/n 1の電位はクロック信号CLKの立ち上がりでし 遷移しないため、ストア・イネーブル/WE信 の活性化がクロック周期内であれば安定し MTJ素子Jt、Jnに保持データをストアすること 可能である。

 リコール動作時(サイクルT 6 )では、第1実施例と同様に、クロック信号CLK ローレベルに、ストア・イネーブル信号/WE 非活性状態(ハイレベル)にした状態で、リ ール・イネーブル信号/REが活性化状態(ロー ベル)に設定される。この時、スレーブ・ラ ッチ32においては、NMOSトランジスタM1とM2が フ状態になり、MTJ素子Jt、Jnの下部端子n3、n3 ’は接地され、NMOSトランジスタM7がオンの状 態となる。この時、クロスカップルされたイ ンバータIV1、IV2の入力及び出力は短絡され、 ノードn1、/n1の電圧は式(1)、式(2)で表された 間電位となる。すなわち、MTJ素子Jt、Jnの磁 化状態に保存された1ビットのデータを相補 電位としてノードn1、/n1に呼び出すことがで きる。リコール・イネーブル信号/REを非活性 状態(ハイレベル)にすると、NMOSトランジスタ M7はオフ状態となり、ノードn1、/n1にリコー された電位差が論理振幅まで増幅される。 ードn1、/n1にリコールされたデータは、出力 データ/Qとして外部に出力される。以上説明 たリコール動作は多くの場合、電源投入時 実行される。これにより、MTJ素子Jt、Jnに保 存されていた1ビットのデータが、初期値と てスレーブ・ラッチ32に転送され、電源遮断 直前の状態を呼び出すことが可能となる。

 以上、本発明の第2実施例について詳述し たが、これは図8に示す回路に限定されず、 発明の技術思想の範囲内において適宜変更 れ得る。例えば、第1実施例の不揮発性ラッ 回路をロースルー・ラッチに構成を変更し 上でマスター・ラッチ31に適用することも 能である。また、第1実施例の不揮発性ラッ 回路をロースルー・ラッチに構成を変更し 上でマスター・ラッチ31に適用し、さらに 1実施例のハイスルー型の不揮発性ラッチ回 をスレーブ・ラッチ32に適用することも可 である。このような構成によれば、マスタ ・ラッチ31とスレーブ・ラッチ32の両方が不 発性になり、任意のクロック・タイミング 電源を遮断することが可能な不揮発性Dフリ ップフロップ回路を構成することができる。

 以上、実施形態を参照して本願発明を説 したが、本願発明は上記実施形態に限定さ るものではない。本願発明の構成や詳細に 、本願発明のスコープ内で当業者が理解し る様々な変更をすることができる。

 この出願は、2007年12月6日に出願された日 本出願特願2007-316397を基礎とする優先権を主 し、その開示の全てをここに取り込む。




 
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