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Patent Searching and Data


Title:
NONVOLATILE RECORDING DEVICE AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/122583
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a nonvolatile recording device characterized in that the nonvolatile recording device comprising a laminated structure comprising an electrode and a storage part, and a voltage application part for applying voltage to the storage part to cause a resistance change in the storage part and thus to store information, the electrode on its face opposed to the storage part comprises a first region, which comprises at least one material selected from metallic elements, Si, Ga, and As and a first nonmetallic element and is electrically conductive, and a second region which comprises at least one of the above materials, the difference in electronegativity between at least one of the above elements and a second nonmetallic element in the second region is larger than the difference in electronegativity between at least one of the above elements and the first nonmetallic element, and the content of the second nonmetallic element in the second region is higher than that in the first region, and, in at least one of the first and second regions, the shape within the face of the electrode opposed to the storage part is anisotropic.

Inventors:
ARAKI TAKESHI (JP)
YAMAGUCHI TAKESHI (JP)
HAYASHI MARIKO (JP)
KUBO KOHICHI (JP)
TSUKAMOTO TAKAYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056716
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
April 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOSHIBA KK (JP)
ARAKI TAKESHI (JP)
YAMAGUCHI TAKESHI (JP)
HAYASHI MARIKO (JP)
KUBO KOHICHI (JP)
TSUKAMOTO TAKAYUKI (JP)
International Classes:
H01L27/10; G11B9/04; H01L27/105; H01L45/00
Domestic Patent References:
WO2007125674A12007-11-08
Foreign References:
JP2006203178A2006-08-03
JP2006074028A2006-03-16
JP2007129199A2007-05-24
JP2007129200A2007-05-24
JP2006287222A2006-10-19
JP2007273618A2007-10-18
Attorney, Agent or Firm:
HYUGAJI, MASAHIKO (JP)
Masahiko Hiugaji (JP)
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Claims:
 電極と記憶部とを有する積層構造体と、
 前記記憶部に電圧を印加して前記記憶部に抵抗変化を生じさせて情報を記憶させる電圧印加部と、
 を備え、
 前記電極の前記記憶部に対向する側の面は、
  金属元素、Si、Ga及びAsの少なくともいずれかと第1の非金属元素を含み、導電性を有する第1の領域と、
  前記少なくともいずれかを含み、前記少なくともいずれかとの間の電気陰性度の差が、前記少なくともいずれかと前記第1の非金属元素との間の電気陰性度の差よりも大きい第2の非金属元素の含有比が前記第1の領域より高い第2の領域と、
 を有し、
 前記第1の領域及び前記第2の領域の少なくともいずれかは、前記電極の前記記憶部に対向する側の前記面内の形状が異方性を有することを特徴とする不揮発性記憶装置。
 前記面内の形状は、前記面内において特定の方向に延在する帯状形状であることを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
 前記第2の非金属元素は、窒素、酸素、フッ素及び塩素よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
 前記金属元素は、Ti、Ta、Zr、Hf、W、Mo、W、Ni、Pt、Er、Ni、Ir、Ru、Au、Nb及びSrよりなる群から選ばれた少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
 前記電極は、ワード線及びビット線のいずれか一方であり、
 前記積層構造体は、ワード線及びビット線のいずれか他方をさらに有し、
 前記記憶部は、前記ワード線と前記ビット線との間に挟まれたことを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
 前記第2の領域は、前記ワード線と前記ビット線とが交差する交差部どうしの間に設けられたことを特徴とする請求項5記載の不揮発性記憶装置。
 前記電圧印加部は、前記記憶部に前記電圧を印加するプローブを含むことを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
 電極と記憶部とを有する積層構造体と、
 前記記憶部に電圧を印加して前記記憶部に抵抗変化を生じさせて情報を記憶させる電圧印加部と、
 を備え、
 前記電極の前記記憶部に対向する側の面は、
  金属元素、Si、Ga及びAsの少なくともいずれかと第1の非金属元素を含み、導電性を有する第1の領域と、
  前記少なくともいずれかを含み、前記少なくともいずれかとの間の電気陰性度の差が、前記少なくともいずれかと前記第1の非金属元素との間の電気陰性度の差よりも大きい第2の非金属元素の含有比が前記第1の領域より高い複数の第2の領域と、
 を有し、
 前記複数の第2の領域の配置は、異方性を有することを特徴とする不揮発性記憶装置。
 第1の方向における前記第2の領域の間隔の平均と、前記第1の方向とは異なる第2の方向における前記第2の領域の間隔の平均と、は異なることを特徴とする請求項8記載の不揮発性記憶装置。
 前記第2の非金属元素は、窒素、酸素、フッ素及び塩素よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8記載の不揮発性記憶装置。
 前記金属元素は、Ti、Ta、Zr、Hf、W、Mo、W、Ni、Pt、Er、Ni、Ir、Ru、Au、Nb及びSrよりなる群から選ばれた少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8記載の不揮発性記憶装置。
 前記電極は、ワード線及びビット線のいずれか一方であり、
 前記積層構造体は、ワード線及びビット線のいずれか他方をさらに有し、
 前記記憶部は、前記ワード線と前記ビット線との間に挟まれたことを特徴とする請求項8記載の不揮発性記憶装置。
 前記第2の領域は、前記ワード線と前記ビット線とが交差する交差部どうしの間に設けられたことを特徴とする請求項12記載の不揮発性記憶装置。
 前記電圧印加部は、前記記憶部に前記電圧を印加するプローブを含むことを特徴とする請求項8記載の不揮発性記憶装置。
 電極と記憶部とを有する積層構造体と、
 前記記憶部に電圧を印加して前記記憶部に抵抗変化を生じさせて情報を記憶させる電圧印加部と、
 を備え、
 前記電極の前記記憶部に対向する側の界面は、
  金属元素、Si、Ga及びAsの少なくともいずれかと、
  第1の非金属元素と、
  前記少なくともいずれかとの間の電気陰性度の差が、前記少なくともいずれかと前記第1の非金属元素との間の電気陰性度の差よりも大きい第2の非金属元素と、
 を有し、
 前記界面において隣接する一対の前記少なくともいずれかと前記第2の非金属元素からなる極性対における前記少なくともいずれかと前記第2の非金属元素との間の距離の倍の距離を極性長とし、極性対の端からみて前記極性長の範囲内に存在する他の極性対を含む領域を極性対領域とし、前記界面における前記極性対領域の面積比をR(%)としたとき、 
 前記記憶部は、前記極性対領域の上に設けられ相対的に配向性の高い配向性改善領域を有し、
 前記界面から前記記憶部側に距離T(nm)の面内における前記配向性改善領域の外周は、前記界面における前記極性対領域の外周よりも4.8Tの距離以上外側であり、
 前記距離T(nm)の面内における前記配向性改善領域の面積は、前記界面の面積の{R+(100-R)/2}(%)以上であることを特徴とする不揮発性記憶装置。
 前記Rは、50以下であることを特徴とする請求項15記載の不揮発性記憶装置。
 金属元素、Si、Ga及びAsの少なくともいずれかと第1の非金属元素を含む電極と、記憶部と、を有する積層構造体と、
 前記記憶部に電圧を印加して前記記憶部に抵抗変化を生じさせて情報を記憶させる電圧印加部と、を有する不揮発性記憶装置の製造方法であって、
 前記電極の前記記憶部に対向する側の面の一部に導電性を有する第1の領域を残しつつ、
 前記少なくともいずれかとの間の電気陰性度の差が、前記少なくともいずれかと前記第1の非金属元素との間の電気陰性度の差よりも大きい第2の非金属元素の含有比が、前記第1の領域よりも高く、前記電極の前記記憶部に対向する側の前記面内における形状が異方性を有する第2の領域を形成し、
 前記第1の領域及び前記第2の領域の上に前記記憶部となる層を形成することを特徴とする不揮発性記憶装置の製造方法。
 前記第2の領域の形成は、前記電極の前記記憶部に対向する側の面の一部に異方性を有するパターン形状のマスクを形成した後、前記電極の表面に前記非金属元素を導入する工程を含むことを特徴とする請求項17記載の不揮発性記憶装置の製造方法。
 前記第2の領域の形成は、前記電極の前記記憶部に対向する側の面への、イオンビーム、電子ビーム及び光線の少なくともいずれかの照射を含むことを特徴とする請求項17記載の不揮発性記憶装置の製造方法。
 金属元素、Si、Ga及びAsの少なくともいずれかと第1の非金属元素を含む電極と、記憶部と、を有する積層構造体と、
 前記記憶部に電圧を印加して前記記憶部に抵抗変化を生じさせて情報を記憶させる電圧印加部と、を有する不揮発性記憶装置の製造方法であって、
 前記電極の前記記憶部に対向する側の面の一部に導電性を有する第1の領域を残しつつ、
 前記少なくともいずれかとの間の電気陰性度の差が、前記少なくともいずれかと前記第1の非金属元素との間の電気陰性度の差よりも大きい第2の非金属元素の含有比が、前記第1の領域よりも高く、前記電極の前記記憶部に対向する側の前記面内における配置が異方性を有するように複数の第2の領域を形成し、
 前記第1の領域及び前記第2の領域の上に前記記憶部となる層を形成することを特徴とする不揮発性記憶装置の製造方法。
Description:
不揮発性記憶装置及びその製造 法

 本発明は、不揮発性記憶装置及びその製 方法に関する。

 近年、小型の携帯機器が世界的に普及す と同時に、高速情報伝送網の大幅な進展が られ、小型大容量不揮発性メモリの需要が 速に拡大してきている。その中で、NAND型フ ラッシュメモリ及び小型HDD(hard disk drive)は 特に、急速な記録密度の進化を遂げ、携帯 楽市場や携帯ゲーム記録用メモリ、パソコ の記憶装置等、さまざまな用途に用いられ いる。しかしながら、これらの不揮発性メ リは、高密度化の限界があると言われてい 。

 これに対し、次の不揮発性記憶装置として 相変化を利用するもの、磁気変化を用いる の、強誘電体を利用するもの、抵抗変化を 用いるものなど、さまざまなメモリが提案 れている。このなかで、抵抗変化型のメモ 、いわゆるReRAM(Resistive Random Access Memory)は 、微細加工により消費電力が低減し、書き込 み読み出し速度が従来よりも大幅に改善でき るとして、期待が大きい。
 このReRAMにおいては、2つの電極の間に記憶 となる抵抗変化型材料が設けられる。ReRAM 耐久性や特性向上のためには、記憶部の配 構造を実現することが重要である。 
 電極には、多くの場合、電気的に等方性な 属やSiなどの単結晶、及びそれに近い状態 金属化合物が用いられる。一方、記憶部に 、多くの場合、極性を持つ酸化物層が用い れる。従って、電極と記憶部との間の導電 を保ちつつ、電気的に等方性に近い状態の 極の上に、電気的に極性を持つ金属酸化物 どを配向させることが必要であるが、従来 術においてはこの技術は知られていない。 のため、従来のReRAMでは、記憶部の配向性は 低く、結果として、耐久性や性能が低かった 。

 なお、非特許文献1に、IBAD(Ion Beam Assisted D eposition)法による配向中間層成膜に関する技 が開示されている。この手法はアルゴンイ ンビームを照射しながら金属酸化物成膜を うものであり、膜の成長とともに配向度合 が改善してゆく手法である。しかしながら このIBAD法では、成膜可能な配向中間層が絶 性の金属酸化物であり、ReRAMの電極の上に の手法による配向中間層を設けた場合、電 と記憶部との導通が得られないため、この 法をReRAMに適用することはできない。
Y. Iijima, K. Kakimoto, M. Kimura, K. Takeda,  and T. Saitoh, IEEE. Trans. Appl. Supercond., Vol. 1 1, (2001) 2816-2821.

 本発明は、電極と記憶部との導通性を維 しつつ、高配向性の記憶部を有する高耐久 で高性能の不揮発性記憶装置及びその製造 法を提供する。

 本発明の一態様によれば、電極と記憶部 を有する積層構造体と、前記記憶部に電圧 印加して前記記憶部に抵抗変化を生じさせ 情報を記憶させる電圧印加部と、を備え、 記電極の前記記憶部に対向する側の面は、 属元素、Si、Ga及びAsの少なくともいずれか 第1の非金属元素を含み、導電性を有する第 1の領域と、前記少なくともいずれかを含み 前記少なくともいずれかとの間の電気陰性 の差が、前記少なくともいずれかと前記第1 非金属元素との間の電気陰性度の差よりも きい第2の非金属元素の含有比が前記第1の 域より高い第2の領域と、を有し、前記第1の 領域及び前記第2の領域の少なくともいずれ は、前記電極の前記記憶部に対向する側の 記面内の形状が異方性を有することを特徴 する不揮発性記憶装置が提供される。

 本発明の他の一態様によれば、電極と記 部とを有する積層構造体と、前記記憶部に 圧を印加して前記記憶部に抵抗変化を生じ せて情報を記憶させる電圧印加部と、を備 、前記電極の前記記憶部に対向する側の面 、金属元素、Si、Ga及びAsの少なくともいず かと第1の非金属元素を含み、導電性を有す る第1の領域と、前記少なくともいずれかを み、前記少なくともいずれかとの間の電気 性度の差が、前記少なくともいずれかと前 第1の非金属元素との間の電気陰性度の差よ も大きい第2の非金属元素の含有比が前記第 1の領域より高い複数の第2の領域と、を有し 前記複数の第2の領域の配置は、異方性を有 することを特徴とする不揮発性記憶装置が提 供される。

 本発明の他の一態様によれば、電極と記 部とを有する積層構造体と、前記記憶部に 圧を印加して前記記憶部に抵抗変化を生じ せて情報を記憶させる電圧印加部と、を備 、前記電極の前記記憶部に対向する側の界 は、金属元素、Si、Ga及びAsの少なくともい れかと、第1の非金属元素と、前記少なくと もいずれかとの間の電気陰性度の差が、前記 少なくともいずれかと前記第1の非金属元素 の間の電気陰性度の差よりも大きい第2の非 属元素と、を有し、前記界面において隣接 る一対の前記少なくともいずれかと前記第2 の非金属元素からなる極性対における前記少 なくともいずれかと前記第2の非金属元素と 間の距離の倍の距離を極性長とし、極性対 端からみて前記極性長の範囲内に存在する の極性対を含む領域を極性対領域とし、前 界面における前記極性対領域の面積比をR(%) したとき、前記記憶部は、前記極性対領域 上に設けられ相対的に配向性の高い配向性 善領域を有し、前記界面から前記記憶部側 距離T(nm)の面内における前記配向性改善領 の外周は、前記界面における前記極性対領 の外周よりも4.8Tの距離以上外側であり、前 距離T(nm)の面内における前記配向性改善領 の面積は、前記界面の面積の{R+(100-R)/2}(%)以 であることを特徴とする不揮発性記憶装置 提供される。

 また、本発明の他の一態様によれば、金 元素、Si、Ga及びAsの少なくともいずれかと 1の非金属元素を含む電極と、記憶部と、を 有する積層構造体と、前記記憶部に電圧を印 加して前記記憶部に抵抗変化を生じさせて情 報を記憶させる電圧印加部と、を有する不揮 発性記憶装置の製造方法であって、前記電極 の前記記憶部に対向する側の面の一部に導電 性を有する第1の領域を残しつつ、前記少な ともいずれかとの間の電気陰性度の差が、 記少なくともいずれかと前記第1の非金属元 との間の電気陰性度の差よりも大きい第2の 非金属元素の含有比が、前記第1の領域より 高く、前記電極の前記記憶部に対向する側 前記面内における形状が異方性を有する第2 領域を形成し、前記第1の領域及び前記第2 領域の上に前記記憶部となる層を形成する とを特徴とする不揮発性記憶装置の製造方 が提供される。

 また、本発明の他の一態様によれば、金 元素、Si、Ga及びAsの少なくともいずれかと 1の非金属元素を含む電極と、記憶部と、を 有する積層構造体と、前記記憶部に電圧を印 加して前記記憶部に抵抗変化を生じさせて情 報を記憶させる電圧印加部と、を有する不揮 発性記憶装置の製造方法であって、前記電極 の前記記憶部に対向する側の面の一部に導電 性を有する第1の領域を残しつつ、前記少な ともいずれかとの間の電気陰性度の差が、 記少なくともいずれかと前記第1の非金属元 との間の電気陰性度の差よりも大きい第2の 非金属元素の含有比が、前記第1の領域より 高く、前記電極の前記記憶部に対向する側 前記面内における配置が異方性を有するよ に複数の第2の領域を形成し、前記第1の領域 及び前記第2の領域の上に前記記憶部となる を形成することを特徴とする不揮発性記憶 置の製造方法が提供される。

本発明の第1の実施形態に係る不揮発性 記憶装置の要部の構成を例示する概念図であ る。 本発明の第1の実施形態に係る不揮発性 記憶装置の構成を例示する模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る不揮発性 記憶装置の構成を例示する模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る別の不揮 発性記憶装置の構成を例示する模式的斜視図 である。 本発明の第1の実施形態に係る不揮発性 記憶装置における配向の様子を例示する断面 模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る不揮発性 記憶装置における極性対の状態を例示する模 式的平面図である。 第1の比較例の不揮発性記憶装置におけ る要部の構成を例示する概念図である。 第2の比較例の不揮発性記憶装置におけ る要部の構成を例示する概念図である。 第3の比較例の不揮発性記憶装置におけ る極性対の状態を例示する模式的平面図であ る。 本発明の第1の実施形態に係る不揮発 記憶装置における電極表面の各種変形例を 示する模式的平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る不揮発 記憶装置における電極表面の各種変形例を 示する模式的平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る不揮発 記憶装置における電極表面の各種変形例を 示する模式的平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る不揮発 記憶装置における電極表面の各種変形例を 示する模式的平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る不揮発 記憶装置の製造方法を例示するフローチャ ト図である。 本発明の第2の実施形態に係る不揮発 記憶装置の製造方法を例示する工程順断面 式図である。 図15に続く工程順断面模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る不揮発 記憶装置の構成を例示する模式的斜視図で る。 本発明の第3の実施形態に係る不揮発 記憶装置の構成を例示する模式的平面図で る。

符号の説明

 10~13、20、21、30 不揮発性記憶装置
 105 基板
 108 電極表面
 110 第1の電極
 111 電極
 117 レジストマスク
 119 第1の導電膜
 120 第2の電極
 121 電圧印加部
 129 第2の導電膜
 130 交差部
 140 記憶部
 149 記憶部膜
 150 スイッチング素子部
 159 スイッチング素子部膜
 160 絶縁部
 169 絶縁部膜
 310 第1の領域
 311 金属元素
 320 第2の領域
 321 第2の非金属元素
 325 第1の非金属元素
 322 極性対領域
 323 極性領域拡大部
 330 極性対
 341 酸化物
 515 ドライバ
 516 スキャナー
 520、523 基板
 521 電極
 522 記憶部
 524 プローブ
 525、526 マルチプレクスドライバ

 以下、本発明の実施の形態について図面を 照して詳細に説明する。
 なお、図面は模式的または概念的なもので り、各部分の厚みと幅との関係、部分間の きさの比率などは、必ずしも現実のものと 一とは限らない。また、同じ部分を表す場 であっても、図面により互いの寸法や比率 異なって表される場合もある。
 なお、本願明細書と各図において、既出の に関して前述したものと同様の要素には同 の符号を付して詳細な説明は適宜省略する

 (第1の実施の形態)
 図1は、本発明の第1の実施形態に係る不揮 性記憶装置の要部の構成を例示する概念図 ある。 
 図2及び図3は、本発明の第1の実施形態に係 不揮発性記憶装置の構成を例示する模式図 ある。 
 すなわち、図2(a)は模式的斜視図、図2(b)は 面図、図3(a)は要部の模式的斜視図、図3(b)は 図2のA-A線断面図、図3(c)は図2のB-B線断面図、 である。 
 図4は、本発明の第1の実施形態に係る別の 揮発性記憶装置の構成を例示する模式的斜 図である。 
 図5は、本発明の第1の実施形態に係る不揮 性記憶装置における配向の様子を例示する 面模式図である。 
 図6は、本発明の第1の実施形態に係る不揮 性記憶装置における極性対の状態を例示す 模式的平面図である。

 第1の実施形態に係る不揮発性記憶装置はク ロスポイント型の不揮発性記憶装置である。  
 まず、図2及び図3により、本実施形態の不 発性記憶装置の構成の概要を説明する。 図 2(a)、(b)に表したように、本発明の第1の実施 態に係る不揮発性記憶装置10においては、 板105の主面の上に、X軸方向に延在する帯状 第1の電極110(電極111)が設けられている。そ て、基板105に平行な面内でX軸と直交するY 方向に延在する帯状の第2の電極120が、第1の 電極110に対向して設けられている。 
 なお、上記では、第1の電極110と第2の電極12 0が直交する例であるが、第1の電極110と第2の 電極120とは交差(非平行)であれば良い。

 なお、図2(a)、(b)においては、第1の電極11 0と第2の電極120とは、それぞれ4本ずつ設けら れている例が示されているが、これには限ら ず、第1の電極110と第2の電極120の数は任意で る。そして、例えば、第1の電極110をビット 配線(BL)、第2の電極120をワード線(WL)と、それ ぞれ言う。ただし、この場合、第1の電極110 ワード線(WL)、第2の電極120をビット線(BL)と ても良い。

 そして、第1の電極110と第2の電極120の間 記憶部140が挟まれている。すなわち、不揮 性記憶装置10では、ビット配線とワード配線 が3次元的に交差して形成される交差部130(ク スポイント)に記憶部140が設けられている。 そして、第1の電極110に与える電位と第2の電 120に与える電位の組み合わせによって、各 憶部140に印加される電圧が変化し、その時 記憶部140の特性によって、情報を記憶する とができる。この時、記憶部140に印加され 電圧の極性に方向性を持たせるために、例 ば整流特性を有するスイッチング素子部150 設けることができる。スイッチング素子部1 50には、例えば、PINダイオードやMIM(Metal-Insula tor-Metal)素子などを用いることができる。な 、スイッチング素子部150は、第1の電極110と 2の電極120とが対向する領域以外の領域に設 けても良い。

 基板105には、例えばシリコン基板を用いる とができ、不揮発性記憶装置を駆動する駆 回路を設けることもできる。 
 第1の電極110及び第2の電極120には、金属元 を含む各種の導電性材料を用いることがで る。これらの電極の材料に関しては後述す 。 
 また、記憶部140には、例えば、印加する電 または電流によって電気抵抗値が変化する 酸化ニッケル(NiO x )、酸化チタン(TiO x )、ZnMn 2 O 4 、Pr x Ca 1-x MnO 3 等を用いることができる。ただし、本発明は これに限らず、記憶部140には、抵抗変化を示 す全ての材料を用いることができる。

 上記のように、本実施形態に係る不揮発 記憶装置10は、電極111(第1の電極110)と、電 111の上に設けられた記憶部140と、を有する 層構造体と、記憶部140に電圧を印加して記 部140に抵抗変化を発させて情報を記憶させ 電圧印加部121(第2の電極120)電圧と、を備え 。

 図2(b)及び図3(a)に表したように、第1の電 110と第2の電極120とが、3次元的に交差して 成される両者間の領域に、記憶部140は設け れ、この1つの記憶部140が1つの要素であり、 セルと言う。そして、記憶部140は、第1の電 110の記憶部140に対向する側の面、すなわち 電極表面108に接して設けられている。

 また、図3(b)、(c)に表したように、第1の電 110と、第2の電極120と、記憶部140は、間隔を いて設けられた複数の領域を有しており、 の複数の領域に挟まれるように、絶縁部160 設けられている。なお、図2(a)、(b)及び図3(a )においては、絶縁部160は省略されて描かれ いる。 
 これら、絶縁部160には、例えば、電気抵抗 高い酸化珪素(SiO 2 )等を用いることができる。ただし、これに らず、絶縁部160には、記憶部140の電気抵抗 り高い各種の材料を用いることができる。

 また、図3(b)に表したように、第1の電極11 0の記憶部140に対向する側の面(電極表面108)に は、後述する第1の領域310と第2の領域320が設 られている。なお、これら第1の領域310及び 第2の領域320は、図2(a)、(b)及び図3(a)では省略 されている。

 なお、以上の図2~図3においては、第1の電極 110、第2の電極120及びその間の記憶部140が積 された1層の積層構造体のみを例示している 、この積層構造体を多数積層することで、 密度の記憶装置が構成できる。 
 すなわち、図4(a)に例示した不揮発性記憶装 置20のような2層の積層構造体、図4(b)に例示 た不揮発性記憶装置21のような4層構造の他 それ以上の数の層構造とすることができる

 そして、図1に表したように、本実施形態 の不揮発性記憶装置10においては、第1の電極 110の記憶部140に対向する側の面、すなわち、 電極表面108は、導電性を発現する元素(すな ち、金属元、Si、Ga及びAsの少なくともいず かの元素)及び第1の非金属元素325を含み、導 電性を有する第1の領域310を有する。以下で 、説明を簡単にするために、この導電性を 現する元素を、単に金属元素311ということ する。

 この金属元素311は、第1の電極110の少なくと も電極表面108に導電性を付与するものであり 、Ti、Ta、Zr、Hf、W、Mo、W、Ni、Pt、Er、Ni、Ir Ru、Au、Nb、Sr、Si、Ga及びAsよりなる群から選 ばれた少なくとも1つを用いることができる さらに、この群から選ばれた少なくとも2つ 含む合金を用いることができる。 
 また、第1の非金属元素325には、全ての元素 を使用できる。ただし、上記の金属元素311と 混合され、または、化合物を形成した際に、 導電性を有する元素、及び、混合比とされる 。すなわち、金属元素311と第1の非金属元素32 5との比率は、化学量論的な比率だけでなく 導電性を有する任意の比率とすることがで る。 
 例えば、図1の例では、金属元素311はチタン (Ti)であり、第1の非金属元素325は窒素(N)であ 。そして、金属元素311と第1の非金属元素325 とは、化合物であるTiNを形成する。なお、こ のTiNは導電性を有する。 
 すなわち、第1の電極110は、TiN、TiAlN、TaN、T aSiN、TaAlN、ZrN、HfN、WN、TiC、TaC、TaCN、ZrC、HfC 、HfCN、MoC、WC、TiB、TaB、ZrB、HfB、MoB、WB、TiSi 、ZrSi、HfSi、TaSi、WSi、HfSi、TaSi、MoSi、NiSi、Pt Si、ErSi、NiGe、PtGe、TaGe、TaGe、ZrGe、ErGe、RuO、 SrO及びIrOよりなる群から選ばれた少なくとも 1つを含む。

 そして、電極表面108は、金属元素311を含み 第2の非金属元素321の含有比が第1の領域310 り高い第2の領域320を有している。 
 ここで、第2の非金属元素321とは、金属元素 311との間の電気陰性度の差が、第1の非金属 素325と金属元素311との間の電気陰性度の差 りも大きい元素である。
 図1の例では、第2の非金属元素321は酸素の である。すなわち、酸素とTiとの間の電気陰 性度の差は、窒素とTiとの間の電気陰性度の 異より大きい。すなわち、第1の領域310(の なくとも最表面)はTiNであり、第2の領域320( 少なくとも最表面)はTiOである。 
 すなわち、第2の領域320は、電極表面108にお いて局部的に酸化された領域である。ただし 、本発明は、これに限らず、この第2の非金 元素321としては、金属元素311との間の電気 性度の差が第1の非金属元素325よりも大きい ての元素を用いることができる。第2の非金 属元素325としては、窒素、酸素、フッ素及び 塩素よりなる群から選ばれた少なくとも1つ 用いることができる。

 なお、第1の領域310は、第2の非金属元素32 1を含んでいてもよい。ただし、第2の領域320 、第1の領域310に比べて第2の非金属元素321 含有比が高い。なお、第1の領域310が第2の非 金属元素321を含まない場合も含めて、第2の 域320は、第1の領域310よりも、第2の非金属元 素321の含有比が高い。

 また、第2の領域320における第2の非金属 素321の含有比率は、1atom%以上であることが ましい。

 そして、第1の領域310及び第2の領域320の なくともいずれかが、電極表面108の面内に いて異方性を有する形状を有する。

 例えば、図1に例示した電極表面108では、 第1の領域310及び第2の領域320は、X軸方向に延 在する帯状の形状をしている。なお、この例 では、第1の電極110の延在方向もX軸方向の例 あるが、後述するように、第1の電極110の延 在方向とは独立して、第1の領域310及び第2の 域320の延在方向、すなわち、異方性の方向 設定することが可能である。

 金属元素311と第2の非金属元素321との間には 、電気陰性度の差があるので、両者の間に極 性が発生する。このとき、金属元素311と第1 非金属元素325との間にも電気陰性度の差が り、両者の間にも極性が発生するが、金属 素325と第1の金属元素325との間の電気陰性度 差は、金属元素311と第2の非金属元素321との 間の電気陰性度の差より小さいので実用的に は無視でき、以下では、金属元素311と第2の 金属元素321との間の極性に着目する。 
 第2の領域320においては、金属元素311との電 気陰性度の差が大きい第2の非金属元素321の 有比が、第1の領域310よりも高いので、第2の 領域320は、第1の領域よりも極性が高い領域 なる。 
 すなわち、第2の領域320においては、金属元 素311と第2の非金属元素321との間に極性の差 異方的に発生し、極性対330が発生する。こ により、電極表面108の上に堆積して形成さ る記憶部140となる膜の配向性を高めること できる。

 第2の領域320は、例えば、第1の電極110と る膜の上にリソグラフィー法によって所定 形状のレジストマスクを設けた後、例えば 気相中や液相中での表面酸化によって電極 面108に酸化膜を所定の形状で形成すること よって設けることができる。また、第1の電 110となる膜に、狭いライン幅で走査したイ ン注入を行うことによっても設けることが きる。さらに、第1の電極110となる膜に対し て、例えば、酸化雰囲気中で光線や電子ビー ム等を異方的に照射することによって、酸化 する手法でもよい。すなわち、電極表面108に 、異方性のある形状、として、例えば、幅の 狭い帯状の酸化物等の層を形成すればよい。

 これにより、第1の電極110の少なくとも最表 面に、極性対層が形成される。 
 なお、この極性対層は、上記のような異方 のある酸化物層などを指すものであり、異 性のない、例えば自然酸化層を含まない。
 すなわち、本実施形態に係る不揮発性記憶 置10の場合は、電極表面108に、人工的に例 ば、100nmピッチで10nm幅の酸化層を形成する これにより、記憶部140となるCeO 2 層などを数nm積層しただけで、記憶部の全面 全層厚にかけて配向性を持つ層が得られる

 すなわち、本実施形態に係る不揮発性記憶 置10においては、例えば、電極表面108に、 1の電極110の少なくとも表面近傍領域を構成 る金属元素311及び第1の非金属元素325とに対 して、第1の非金属元素325よりも金属元素311 の電気陰性度の差が大きい第2の非金属元素3 21(窒素、酸素、フッ素、塩素などの物質)を イオン注入や、酸化(窒素化、フッ素化など) により導入する。なお、第2の非金属元素325 、第1の非金属元素325よりも金属元素311との 気陰性度の差が大きいので、比較的容易に 第1の非金属元素325を第2の非金属元素321で 換することができる。 
 すなわち、酸化、窒素化、フッ素化、塩素 等、非金属化合物を形成する手法であれば 性対を形成するどのような元素でも使用す ことが可能である。

 導入する手法としては材料濃度に傾斜が じるイオン注入でもよく、リソグラフィー 術により雰囲気を用い部分的に酸化(広義の 意味での酸化であり、窒素化やフッ素化など を含む)を行う手法でもよく、常圧酸素雰囲 中でAFMに用いられる探針を使って電流を流 酸化方法でもよい。

 上記の、第2の領域320(例えば、酸化を行 領域)は、表面近傍のみで十分であり、第1の 電極110の厚み方向の全てを酸化した場合は体 積膨張などにより、酸化を行う基板の下に設 置された基板との密着性が悪化するために、 はがれの原因となる。表面近傍領域のみの酸 化であれば、局部的な膨張を十分吸収できる ため、大きな影響も無く配向起源層を提供す ることが可能である。

 上記の、第2の領域320の導電性が第1の領 310に比べて劣る場合、第2の領域320は抵抗層 なる。不揮発性記憶装置10においては、こ 抵抗層に電界が集中するため、素子として 機能が損なわれる。この時、本実施形態に る不揮発性記憶装置10においては、導電性の ある第1の領域310を電極表面108に露出して設 ている(残存させている)ので、導電性を維持 したまま、記憶部140の配向性を第2の領域320 よって向上させることができる。

 なお、ここで言う配向性とは、完全な2軸 配向に近いδφが4度以下の単結晶に近い配向 示すのではなく、δφが20度近辺の配向性の がかりとなる程度の配向性も含める。

 電極111と記憶部140との間の導電性の確保 、配向性の改善とを同時に実現するには、 然酸化のような連続する大きな領域の酸化 はなく、例えばアスペクト比の大きな長方 や線状等の酸化領域のように、面積が小さ 、一定の方向に延在する配向性の足がかり 提供できる極性領域が必要である。極性領 (第2の領域320)が完全な絶縁体であったとし も、膜全面に線状の極性領域を散在させ、 の合計面積が50%に達したとしても全抵抗値 2倍となるだけであり、電極111と記憶部140と の間の導電性は確保できる。

 なお、本実施形態に係る不揮発性記憶装置1 0においては、その電極111(第1の電極110)は、 体金属でも合金でもよい。 
 なお、異種の金属元素の間において、金属 素どうしの間の極性は、金属と非金属との ほどの極性に比べて小さい。すなわち、金 と非金属との間の電気陰性度の違いから明 かである。例えば、CuとYとの間の電気陰性 の差は0.3しかない。一方、CuとOとの間の電 陰性度の差は2.3であり、CuとYとの間の電気 性度の差に比べて著しく大きい。すなわち 本実施形態の不揮発性記憶装置10において 、記憶部140にとして形成される窒化物、酸 物、フッ化物及び塩化物等に比べ、電極111 用いられる金属元素311どうし間の極性は、 種金属元素の場合においても無視できるほ 小さい。すなわち、電極111の表面には極性 は実質的には形成されていない。

 次に極性領域による、記憶部140の配向性の 善について説明する。 
 配向性の改善は、極性領域と非極性領域の 界長にほぼ比例する。例えば、極性領域と て、TiC上にOを部分的に導入した場合、Niは +に帯電し、Oはδ-に帯電する。

 その極性対が、次に積層される層へと影 を及ぼす範囲は、物理蒸着法の場合に飛来 た粒子の平均自由行程や基板が粒子の極性 構造に依存する。例えば、Ti-Oの極性対の上 にNi-Oの粒子がやってくると、上部のNiと下部 のOが引き合い、上部のNiの隣にOが結合して るため、積層数が1つだけ増大した面内にお ては少なくとも極性対の1倍分だけ領域が広 がることになる。

 これは最低限の広がりを示したものであ 、PLD(Pulsed Laser Deposition)法における成膜に いては、粒子が基板表面で持っているエネ ギーに応じて平均自由行程を歩き回ること なるため、1層上部の層での極性対領域は、 極性対のZ倍もの距離だけ広がったものとな 。ここで、Zは、化合物によるが4.8~8.0の値で あり、化合物間の差は小さい。なお、極性対 の長さとは、1つの極性対において、δ+の部 とδ-の部位の両端部の距離を示すものとす 。

 前記極性対やその集合体である極性対領域 形成方法であるが、フォトリソグラフィー などにより部分酸化を行う方法でもよく、 オン注入により窒素、酸素、フッ素、塩素 オンなど表面を構成する以外の元素を叩き む方法でもよい。 
 この時、自然酸化で得られる場合と異なり 性領域をそうでない領域に可能な限り混在 せることが重要である。それは、この界面 基点にして、その上部に記憶部を成膜する 合において配向性が生じ、その配向性は成 時の膜厚増加に伴い上部記憶部となる物質 自己配向性により周囲に伝播する形で面内 極性領域を広げるためである。

 前記の人工的な極性領域形成と、自然酸 により得られる極性領域は、境界領域の合 長さに大きな違いが生じる。自然酸化の場 、まずどこかに酸化された領域が出現する それにより隣接する領域の極性が乱れて酸 が容易になり、結果として極性領域は平面 では集合体となり一部に偏在する。つまり 界領域の合計長さは小さくなるように極性 域が形成されることになる。この極性領域 に記憶部物質を成膜した場合、その部分に 向性を付与することが可能となるが、その 性領域境界長が短く成膜による極性領域の 内広がりが遅い。また偏在する極性領域は からあった材質との密度の差などが生じる 合にマイクロクラックが入り、割れの原因 なりやすい。さらに前述のような極性領域 導電性が劣る場合、連続した極性領域では の部分が絶縁体かそれに近い場合が多く、 電性は低くなる。

 一方、人工的に作成された極性領域であ が、その領域が細くて長い、すなわちアス クト比が大きな長方形状かそれに近い状態 表面に形成するものとする。TiNのNをOに変 ると密度が変化するが、その物質が少量で れば、ひずみとして吸収され、配向性を提 する部位にマイクロクラックや割れは生じ い。しかも、TiN部が残るために導電性は維 される。その部位である極性対領域を全面 散在させることにより以下に述べる成膜時 配向性向上につなげることが可能となる。

 極性対が存在するとその上部に極性を持 物質、すなわち金属酸化物のようなイオン 合を持つ物質を成膜した場合に配向性を付 することが可能である。その配向性は基板 垂直方向に成膜されると共に隣接する領域 も配向性が改善されることになる。これは 向領域の周辺に、例えばパルスレーザー蒸 法の場合であるが、粒子が成膜面に着地し ときに運動エネルギーを持って動き回るこ になる。それにより自由に動き回れる平均 由行程の範囲内に、完全でなくとも配向性 持つ粒子が存在すればそこを基点に成長し すくなる、つまり新しく配向性を持つ粒子 形成されることになる。これにより配向性 付与した面では粒子の成長に伴い面全体と て配向性が改善し、また次の面が成長する 配向性が改善すると言うことを繰り返し、 己配向性が実現する。

 自己配向性に関して、SiやGaAsなど、半導 関連の元素に関しては幅広く計算が行われ 許や報告書なども多数報告されているが、 化物に関しては2軸配向膜を成膜する超電導 関連で多少報告がある程度であり、計算例な どもほとんど存在しない。酸化物は極性を持 ったユニットセルが配向組織を形成していく ため半導体周辺の自己配向とはやや趣が異な るが、計算式や計算結果が報告されないのは 境界条件の難しさにあると考えられる。

 酸化物の場合、自己配向性を決めるのは 粒子やユニットセルのエネルギーだけでな 、金属と非金属元素の電気陰性度差やその 離、格子の構造や不純物量などさまざまな 子が関係してくる。加えて配向しやすさに 連する格子長の差異なども配向性制御に深 関わってくる。そのためその計算が非常に 難であることが容易に想像できる。ただし 属と無機物の化合物が異なっても自己配向 が大きく変化することはない。それは金属 非金属の電気陰性度差が非常に大きく、ど 組み合わせであっても大きな極性を持つユ ットセルが形成されるためである。この時 非金属元素としては特に電気陰性度の大き 窒素、酸素、フッ素及び塩素が有利である

 図5は、本発明に係る不揮発性記憶装置にお ける第1の電極110の上に記憶部140となる膜を 膜したときの様子を例示している。 
 図5に表したように、記憶部140となる膜(例 ば酸化物)の膜厚の増加と共に配向性が改善 れ、膜厚と記憶部140となる膜の材料につい 一定の条件を満たせば全ての表面で配向層 得られる。なお、記憶部140となる膜の材料 配向性であるが、どれも同じように強く極 を持つために知られている最小の配向性を つ金属酸化物が配向する条件を選べば、ほ 全ての化合物に配向性を持たせることが可 となる。

 配向性に関してはδφというPhiスキャンの FWHM(半値全幅)が用いられ、δφ=90度が等方的 無配向状態を示している。前述の説明のと り自己配向性のある材料では、それを成膜 た場合、膜厚と共に配向度であるδφは改善( 数値は低下)していく。この場合のδφは、90 におけるδφ/δT(膜厚の微分)が物質固有の自 配向性を示すと考えられる。実験データか は90度の傾きを計算するのは難しく、δφ=45 (理想的には粒界幅の半分だけが配向粒子で 埋まった状態)付近のデータから、膜厚に対 る自己配向性が計算可能となる。

 現在知られているものの中で、TiN膜の上で 膜厚の増加に対して一番早く配向する酸化 はCeO 2 であり、1nmの成膜厚みあたり基板水平方向に 8.00nmの領域で配向性が改善する効果を持つ。 この配向改善指数を、自己配向度αとここで ぶことにすると、α(CeO 2 )=8.00である。

 また、Gd 2 Zr 2 O 7 、Y 2 O 3 、Y 2 Zr 2 O 7 、8%Gd 2 O 3 添加ZrO 2 、12%Y 2 O 3 添加ZrO 2 及びTiNのαは、それぞれ、6.48、5.23、5.74、4.95 、4.80及び6.23である。酸化物間でも差異が小 く、窒化物でもあまり差が無い傾向を示し いる。

 本実施形態に係る不揮発性記憶装置におい 、例えば、CeO 2 層を用いる場合、100nmピッチで、幅10nm、長さ が基板両端部に達する酸化物層を、金属上に 形成した場合、隣接する端部である極性対形 成サイトまでは(100-10)/2=45nmまでしか距離が離 れていないため、45nm/4.80=9.3nm以上の厚さでCeO 2 を積層すると、全面で一定の配向性を持つ組 織が得られる。

 図6は、本発明の第1の実施形態に係る不 発性記憶装置における極性対の状態を例示 ており、同図(a)は、第1の電極110の表面(電極 表面108)に第1の領域310と第2の領域320が形成さ れ、これにより、極性領域322が人工的に形成 された状態を例示している。そして、同図(b) は、電極表面108の上に、記憶部140となる膜を 積層した時の極性領域拡大部323を例示してい る。

 同図に表したように、電極表面108の上に 膜を行い極性領域322が拡大した場合、極性 域322の拡大は領域が重ならない限り、同じ うに外周部合計値に極性領域322の広がりを じた値となる。すなわち、極性領域322が同 に例示するような細線の集合体であれば、 性領域322が大きく拡大されることとなる。 かも電極表面108と記憶部140との導電性は維 される。すなわち、本実施形態は、導電性 維持しながら金属と非金属からなる電極の に、記憶層140となる化合物を配向させる。

 そして、図6に表したように、例えば、極性 領域322(第2の領域320)が、300nm毎に並んでいる 造で配向性改善が早いCeO 2 を用いた場合、300(nm)/2/8.0=18.8nmの厚さの記憶 140となる抵抗可変層の積層によって、半分 領域が極性領域とすることが可能である。 のように、本実施形態に係る不揮発性記憶 置によれば、厚みTの積層を行った場合に元 の極性領域Rと、残りの極性領域(100-R)の半分 極性領域とすることができる。

 すなわち、本実施形態に係る不揮発性記憶 置10において、電極表面108(第1の電極110の記 憶部140に対向する側の面)は、第1の非金属元 325を含む金属元素311から構成され、金属元 311と任意の第2の非金属元素321が隣接する部 位を極性対330とし、金属元素311の中心と第2 非金属元素321の中心との間の距離の倍の距 を極性長とし、極性対330の端からみて極性 の距離以内に存在する他の極性対を含む領 を極性対領域とする。 
 このとき、記憶部140と第1の電極110(電極)と 界面から記憶部140側にT(nm)の距離の、第1の 極110に平行な面内における極性対領域の外 は、第1電極110の記憶部140に対向する面にお ける極性対領域の外周より4.8Tの距離以上外 とすることができる。 
 そして、第1の電極110の記憶部140に対向する 側の面における極性対領域の面積の、第1の 極110の記憶部に対向する側の面に対する面 比をR(%)としたとき、Rは50以下とすることが きる。 
 そして、極性対領域の端から4.8Tの距離まで の範囲の領域の面積の総和の、第1の電極110 記憶部140に対向する側の面の面積に対する が、R+(100-R)/2(%)まで拡大する。
 記憶部140の内部における極性対領域は、相 的に配向性の高い配向性改善領域とするこ ができる。 
 そして、本実施形態に係る不揮発性記憶装 10においては、第1の電極110(電極105)と記憶 140を有する積層構造体と、記憶部140に電圧 印加して記憶部140に抵抗変化を生じさせて 報を記憶させる電圧印加部(この例では第2の 電極120)と、を備え、第1電極110の記憶部140に 向する側の界面は、金属元素、Si、Ga及びAs 少なくともいずれか(すなわち、金属元素311 )と、第1の非金属元素325と、金属元素311との の電気陰性度の差が、金属元素311と第1の非 金属元素325との間の電気陰性度の差よりも大 きい第2の非金属元素321と、を有している。 して、その界面において隣接する一対の前 金属元素311と第2の非金属元素321からなる極 対における金属元素311と第2の非金属元素321 との間の距離の倍の距離を極性長とし、極性 対の端からみて極性長の範囲内に存在する他 の極性対を含む領域を極性対領域とし、その 界面における極性対領域の面積比をR(%)とす 。このとき、記憶部140は、極性対領域の上 設けられ相対的に配向性の高い配向性改善 域を有し、その界面から記憶部140側に距離T( nm)の面内における配向性改善領域の外周は、 その界面における極性対領域の外周よりも4.8 Tの距離以上外側であり、距離T(nm)の面内にお ける配向性改善領域の面積は、その界面の面 積の{R+(100-R)/2}(%)以上とすることができる。

 以上のように、本実施形態に係る不揮発 記憶装置によれば、電極と記憶部との導通 を維持しつつ、高配向性の記憶部を有する 耐久性で高性能の不揮発性記憶装置が提供 れる。

 (第1の比較例)
 図7は、第1の比較例の不揮発性記憶装置に ける要部の構成を例示する概念図である。 
 すなわち、同図は、第1の比較例の場合の電 極表面108の状態を例示している。 
 図7に表したように、第1の比較例の第1の電 110の電極表面108は、酸化層(本実施形態にお ける第2の領域320)を持たない金属表面であり 金属元素311のみで構成されている。金属は 方的な電荷の金属結合であるため、電極表 108には極性対が形成されず、この上に記憶 140となる極性を有する酸化物341を成膜した 合、酸化物341は配向しない。結果として、 向性の良好な記憶部は得られない。

 (第2の比較例)
 図8は、第2の比較例の不揮発性記憶装置に ける要部の構成を例示する概念図である。 
 図8に表したように、第2の比較例では、電 が酸化物単結晶であり、電極表面108には金 元素311と第1の非金属元素325とが存在する。 えば、金属元素311はTiであり、第1の非金属 素325は、金属元素311との電気陰性度の差が さいNやCである。すなわち、第2の比較例の 揮発性記憶装置の電極は、TiNやTiCである。 して、本実施形態に係る不揮発性記憶装置 は異なり、第1の非金属元素325の含有比は電 極表面108において一定であり、すなわち、非 金属元素の含有比が異なる領域を持たない状 態である。

 この場合、電極表面108は、極性対を持って るものの、記憶部140となる酸化物341のベー 電極として導電性の酸化物を用いる場合、 部の物質(酸化物341)との格子整合性が問題 なり、上下の組み合わせが限定されてしま ことがわかっている。なお格子整合性に関 ては格子長の7%までが良好な配向を生み出す とされているが、それ以上の格子ミスマッチ があっても配向性は改善する。 
 そして、金属酸化物はそのほとんどが導電 に劣るため、抵抗変化型の不揮発性記憶装 に用いる配向層としては、フォーミング電 上昇や、他の部品の高電圧による破壊を引 起こすため、問題が多い。

 (第3の比較例)
 図9は、第3の比較例の不揮発性記憶装置に ける極性対の状態を例示する模式的平面図 ある。 
 すなわち、同図(a)は、自然酸化により得ら た極性領域の状態を例示し、同図(b)は、そ 上に記憶部140となる膜を1層成膜したときの 極性領域拡大部の状態を例示している。 
 図9に表したように、極性領域322の広がりは 、広がった極性領域322が重なり合わない限り 、ほぼ極性領域322の外周合計値に広がりを掛 け合わせた値の面積が広がることとなる。そ のため、配向性の改善は遅い。

 そして、この自然酸化状態からの極性領域3 22の広がりは、配向性の改善が早いCeO 2 を用いた場合でも、厚み方向に膜が積層され ても外周部の合計長さに増加膜厚δTに8.0を乗 じた値にしかならない。極性領域322が連続し ている自然酸化の場合、全面積中に極性領域 322が占める割合をRとした場合、残りの(100-R) 半分を極性領域322とするには、極性領域端 と成膜端部の距離の半分を、極性領域322の 厚に対する拡大速度である8.0を乗じた値で ければならない。つまり、端部まで1mmの距 があれば、1(mm)/2/8.0=62.5マイクロメートルも の膜厚の積層が必要ということになる。この ような厚膜は、通常の方法では到底実現でき ない。

 すなわち、自然酸化層はその面内において 方性がなく、金属表面で酸化された領域に 接して酸化層が広がることが多く、その場 金属表面の一部に局所的に酸化領域が広が こととなる。 
 この場合、その上に記憶部140となる膜を成 した場合に配向性が得られるのは酸化領域 端部、すなわち極性対が存在する領域のみ あるため、自然酸化で表面に酸化層が形成 れた電極の上に記憶部140となる膜の成膜を っても配向層は得られない。

 これに対し、図6によって説明したように 、本実施形態に係る不揮発性記憶装置10のよ に、例えば、極性領域322(第2の領域320)が、3 00nm毎に並んでいる構造の場合、300(nm)/2/8.0=18. 8nmの厚さの記憶部となる抵抗可変層の積層に よって、半分の領域が極性領域とすることが 可能である。すなわち、本実施形態に係る不 揮発性記憶装置10における配向性の改善は、 3の比較例と比べて、1/3,000の厚みで実現で る。このように、本実施形態に係る不揮発 記憶装置10によれば、厚みTの積層を行った 合に元の極性領域Rと、残りの極性領域(100-R) の半分を極性領域とすることができる。

 以上のように、本実施形態に係る不揮発 記憶装置によれば、電極と記憶部との導通 を維持しつつ、高配向性の記憶部を有する 耐久性で高性能の不揮発性記憶装置が提供 れる。

 図10及び図11は、本発明の第1の実施形態に る不揮発性記憶装置における電極表面の各 変形例を例示する模式的平面図である。 
 図10(a)に例示したように、電極表面108の上 は、第1の領域310と第2の領域320とがあり、第 2の領域320は、1方向に延在する帯状の形状を している。すなわち、第2の領域320は、異方 性のある形状を有している。そして、導電性 のある第1の領域310は、電極表面108において 出している。これにより、この電極表面108 上に記憶部140となる膜を成膜したときに配 性が高まり、また、導電性も確保できる。

 図10(b)に例示したように、電極表面108の には、第1の領域310と第2の領域320とがあり、 第2の領域320は、細長い長方形の形状を有し おり、長方形の長辺は一定の方向に向いて んでいる。このように、第2の領域320は、異 性のある形状を有しており、その形状が異 的に配列している。そして、導電性のある 1の領域310は、電極表面108において露出して いる。このように、第2の領域320が独立した 状を有していても、異方性を有する形状で り、異方的に配列をしていることにより、 の電極表面108の上に記憶部140となる膜を成 したときに配向性が高まり、また、導電性 確保できる。

 図10(c)、(d)に例示したように、電極表面10 8の上には、第1の領域310と第2の領域320とがあ り、第2の領域320は、細長い長方形の形状を しており、長方形の長辺は一定の方向に向 て並んでいる。図10(c)の場合は、第2の領域32 0の重心の位置は、配列のピッチごとに位相 ずれた規則性で配列している。また、図10(d) の場合は、第2の領域320の形状の重心の位置 ランダムである。これら両方の場合も、第2 領域320は、異方性のある形状を有しており 異方的に配列している。この場合も、導電 のある第1の領域310は、電極表面108において 露出している。このように、第2の領域320が 方性のある形状であり、異方的に配列をし いることにより、この電極表面108の上に記 部140となる膜を成膜したときに配向性が高 り、また、導電性も確保できる。

 また、図10(e)に例示したように、電極表 108の上には、第1の領域310と第2の領域320とが あり、第2の領域320は、1方向に延在する波状 連続した形状を有している。これにより、 2の領域320は、異方性のある形状を有してい る。そして、導電性のある第1の領域310は、 極表面108において露出している。このよう 、第2の領域320は、直線的な形状をしている けではなく、波状等の各種の曲線を境界線 する形状をしていても、形状や配置に異方 があればよく、これにより、この電極表面1 08の上に記憶部140となる膜を成膜したときに 向性が高まり、また、導電性も確保できる

 また、図10(f)に例示したように、電極表 108の上には、第1の領域310と第2の領域320とが あり、第2の領域320は、不定形ではあるが細 い独立した島状の形状をしており、その長 方向が1方向に並んだ配列をしている。そし 、導電性のある第1の領域310は、電極表面108 において露出している。このように、第2の 域320は、各種の曲線を境界線とする独立し 島状の形状をしていても、形状や配置に異 性があればよく、これにより、この電極表 108の上に記憶部140となる膜を成膜したとき 配向性が高まり、また、導電性も確保でき 。

 また、図11(a)に例示したように、電極表面10 8の上には、第1の領域310と第2の領域320とがあ り、第2の領域320は略円形であり、すなわち 方性のない形状をしているが、その配列方 に異方性がある。すなわち、第2の領域320が ぼ一直線上に整列して配置されている。 
 すなわち、第2の領域320の配置が、電極表面 108の面内において、異方性を有する。すなわ ち第1の方向(この図では例えばX軸方向)にお る第2の領域320の配置間隔の平均と、それと なる第2の方向(この図では例えばY軸方向)に おける第2の領域320の配置間隔の平均とが異 っている。この図の場合は、X軸方向におけ 配置間隔の平均が、Y軸方向における配置間 隔の平均より小さい。 
 そして、導電性のある第1の領域310は、電極 表面108において露出している。このように、 第2の領域320のそれぞれが、異方性のない平 形状であっても、その配置に異方性がある これにより、電極表面108の上に記憶部140と る膜を成膜したときに配向性が高まり、ま 、導電性も確保できる。

 また、図11(b)に例示したように、電極表面10 8の上には、第1の領域310と第2の領域320とがあ り、第2の領域320は、略円形の異方性のない 状をしているが、その配列方向に異方性が る。すなわち、第2の領域320は、直線状に配 はされていないが、全体の平均として一定 方向(X軸方向)に配置されている。 
 この場合も、第2の領域320の配置が、電極表 面108の面内において、異方性を有し、第1の 向(この図では例えばX軸方向)における第2の 域320の配置間隔の平均と、それと異なる第2 の方向(この図では例えばY軸方向)における第 2の領域320の配置間隔の平均とが異なってい 。この図の場合は、X軸方向における配置間 の平均が、Y軸方向における配置間隔の平均 より小さい。 
 そして、導電性のある第1の領域310は、電極 表面108において露出している。このように、 第2の領域320のそれぞれが、異方性のない平 形状であっても、その配置に異方性がある これにより、電極表面108の上に記憶部140と る膜を成膜したときに配向性が高まり、ま 、導電性も確保できる。

 このように、本実施形態に係る不揮発性 憶装置10においては、電極表面108において 第2の領域320(及び第1の領域310の少なくとも ずれか)は、異方性を有した形状、及び、配 の少なくともいずれかを有しており、これ より、記憶部140となる膜を成膜したときに 向性が高まり、また、導電性も確保でき、 極と記憶部との導通性を維持しつつ、高配 性の記憶部を有する高耐久性で高性能の不 発性記憶装置が提供できる。

 図12及び図13は、本発明の第1の実施形態に る不揮発性記憶装置における電極表面の各 変形例を例示する模式的平面図である。 
 図12(a)は、図1~図3に例示した本実施形態に る不揮発性記憶装置10の第1の領域310及び第2 領域320の平面配置を例示している。 
 図12(a)に表したように、不揮発性記憶装置10 においては、第1の電極110の延在方向に沿っ 、第1の電極110のそれぞれの両方の側部に第2 の領域320が設けられている。不揮発性記憶装 置10においては、第1の電極110(及び第2の電極1 20)は、加工可能な最も狭い、幅と間隔で形成 されることが多い。この場合、後述するよう に、第2の領域320は、例えば、フォトリソグ フィー工程におけるレジストマスクのスリ ングによって、第1の電極110となるべき幅よ 狭い幅で第1の電極110となる導電膜の上にレ ジストマスクを形成し、この後に、酸化処理 を行うことで、図12(a)に例示した、第1の電極 110の側部に沿った第2の領域320を形成するこ ができる。これにより、電気抵抗に対する 質的な悪影響が低減された状態で、第1の電 110と記憶部140との導通を確保し、この上に 成される記憶部140となる膜の配向性を高め ことができる。

 図12(b)は、本実施形態に係る別の不揮発性 憶装置11の第1の領域310及び第2の領域320の平 配置を例示している。 
 図12(b)に表したように、不揮発性記憶装置11 においては、第1の電極110と第2の電極120とが 差する交差部のそれぞれの間の第1の電極110 に、第2の領域320が設けられている。そして 第2の領域320は、長方形の形状をしており、 の長辺を第1の電極110の延在方向に向けて、 第1の電極110の延在方向に沿って、第1の電極1 10のほぼ中心位置に配置されている。このよ に、第2の領域320を、第1の電極110と第2の電 120とが交差する記憶セル部分以外に設ける とで、第1の電極110と記憶部140との界面にお ける電気抵抗への悪影響がなく、第1の電極11 0と記憶部140との導通を確保し、この上に形 される記憶部140となる膜の配向性を高める とができる。

 なお、図12(a)に例示したように、第2の領 320が第1の電極110の両方の側面に沿って設け られ、図12(b)に例示したように、第1の電極110 と第2の電極120との交差部のそれぞれの間の 1の電極110に、第2の領域320が設けられても良 い。この場合も、第1の電極110と記憶部140と 界面における電気抵抗への悪影響がなく、 1の電極110と記憶部140との導通を確保し、こ 上に形成される記憶部140となる膜の配向性 高めることができる。

 図13(a)は、本実施形態に係る別の不揮発性 憶装置12の第1の領域310及び第2の領域320の平 配置を例示している。 
 図13(a)に表したように、不揮発性記憶装置11 においては、第1の電極110と第2の電極120とが 差する交差部のそれぞれの間の第1の電極110 に、第2の領域320が設けられている。そして 第2の領域320は、長方形の形状をしており、 の長辺を第2の電極120の延在方向に向けて( 1の電極110の延在方向と直交方向に向けて)、 第1の電極110のほぼ中心位置に配置されてい 。このように、第2の領域320を、第1の電極110 と第2の電極120とが交差する記憶セル部分以 に設けることで、第1の電極110と記憶部140と 界面における電気抵抗への悪影響がなく、 1の電極110と記憶部140との導通を確保し、こ の上に形成される記憶部140となる膜の配向性 を高めることができる。このように、第2の 域320の配置は、第1の電極110の延在方向と平 にしても良く、また、直交させても良い。

 図13(b)は、本実施形態に係る別の不揮発性 憶装置12の第1の領域310及び第2の領域320の平 配置を例示している。 
 図13(b)に表したように、不揮発性記憶装置13 においては、第1の電極110と第2の電極120との 差部のそれぞれの間の第1の電極110に、第2 領域320が設けられている。そして、第2の領 320は、長方形の形状をしており、その長辺 第1の電極120の延在方向と45度をなす方向に 置されている。このように、第2の領域320を 、第1の電極110と第2の電極120とが交差する記 セル部分以外に設けることで、第1の電極110 と記憶部140との界面における電気抵抗への悪 影響がなく、第1の電極110と記憶部140との導 を確保し、この上に形成される記憶部140と る膜の配向性を高めることができる。 
 なお上記において、その長辺が第1の電極120 の延在方向と135度をなす方向に配置しても良 く、さらには、第2の領域320の第1の電極110の 在方向に対する配置角度は任意に設定する とができる。

 以下、本実施形態に係る実施例を説明する  
 (第1の実施例)
 表面を研磨した10mm角のTiN基板の表面に、フ ォトリソグラフィー法により、所定のパター ンを有するレジストマスクを形成する。 
 パターンは、開口部の幅が40nmで、幅方向の ピッチが200nmの複数の帯状パターンとし、そ 帯が、基板の両端まで延在するパターンで る。 
 この基板を、10×10 5 Paの純酸素雰囲気で酸化する。この時、酸化 間を1秒、10秒及び100秒と変え、酸化時間が1 秒、10秒、100秒の基板を、それぞれ、試料A1 試料A2及び試料A3とする。 
 この後、レジストマスクを溶解除去し、レ ストマスクが残らぬように洗浄を行い、ア トン中で2分間の超音波洗浄を2回行い、そ 後、無水メタノール中にて同じく2分間の超 波洗浄を2回実施し、60℃のガラス乾燥庫を いて完全に乾くまで3時間保管する。

 その後、試料A1~A3の上に、PLD法により、基 温度を500℃とし、10×10 -2 Paの酸素雰囲気下、レーザー光出力を130mJ/mm 2 として、記憶部となる膜の成膜を行う。ター ゲットには、ZnMn 2 O 4 を用い、試料A1~A3の全てに対して膜厚が50nmと なるように成膜を行う。

 試料A1~A3の上に成膜された膜の面内配向 を、極図形測定により測定し、半値全幅で るδφを求める。その結果は、試料A1~A3の上 膜のδφが、それぞれ18.3度、17.1度、16.7度で る。このように、上記の条件のいずれの膜 、配向性を持つ。

 本実施例の試料A1~A3において、酸化時間 異なるために酸化時にガスに露出している 分の酸化度合いが異なることが想定され得 が、短時間の酸化で、酸化が不完全であっ も、配向性の向上に効果がある。これは、 化が部分的であっても極性対が形成され、 膜時に膜厚が増大すると、その部分から配 層が広がるために面内配向度が改善された ためと考えられる。

 (第2の実施例)
 第1の実施例と同様に、TiN基板の表面に、所 定のパターンを有するレジストマスクを形成 する。 
 パターンは、開口部の幅と長さがそれぞれ4 0nmと2,000nmで、幅方向のピッチが200nmで、長さ 方向のピッチが2,200nmの、細長いスリットが 方向に配列したメッシュ状のパターンであ 。

 この基板を第1の実施例と同様に酸化する。 酸化時間が1秒、10秒及び100秒の試料を、それ ぞれ、試料B1、試料B2及び試料B3とする。 
 この後、第1の実施例と同様にして、レジス トマスクの除去と洗浄、乾燥を行い、記憶部 となるZnMn 2 O 4 膜を膜厚50nmで成膜する。

 そして、第1の実施例と同様にして、試料B1~ B3の上のZnMn 2 O 4 膜のδφを求めると、18.5度、17.2度、17.0度で る。このように、本実施例の条件でも、高 向性の記憶部が形成される。 
 このように、本実施例の試料のδφは、第1 実施例の結果とほとんど差が無い。これは 極性対から形成される配向性が、縦横方向 に等方的に伝播するために配向度に大きな 異が見られないためだと考えられる。

 (第3の実施例)
 第1の実施例と同様に、TiN基板上に所定パタ ーンのレジストマスクを形成する。 パター は、開口部の幅と長さが40nmと400nmとし、幅 向のピッチが200nmで、長さ方向のピッチが44 0nmの、細長いスリットが一方向に配列したメ ッシュ状のパターンである。 
 この基板を第1の実施例と同様に酸化し、酸 化時間を1秒、10秒及び100秒として得られる試 料を、それぞれ、試料C1、試料C2及び試料C3と する。 
 この後、第1の実施例と同様にして、レジス トマスクの除去と洗浄、乾燥の後、記憶部と なるZnMn 2 O 4 膜を膜厚50nmで成膜する。

 そして、第1の実施例と同様にして、試料C1~ C3の上のZnMn 2 O 4 膜のδφを求めると、それぞれ、18.3度、17.0度 、16.4度である。このように、本実施例の条 でも、高配向性の記憶部が形成される。 
 このように、本実施例の試料のδφは、第1 第2の実施例の結果とほとんど差が無い。こ ように、基板上に形成する極性対がどれだ 分割されていたとしても、同様に配向した 憶部がその上に形成される。

 (第4の実施例)
 第1の実施例と同様に、TiN基板上に、第1の 施例と同じパターンのレジストマスクを形 する。 
 この基板を第1の実施例と同様に、酸化時間 100秒で酸化して得られる基板をH1とする。 
 一方、比較例として、上記の処理を施さな 、表面を研磨した10mm角のTiN基板を基板H2と る。 
 これら基板H1及び基板H2の上に、パルスレー ザー堆積法(PLD法)により、記憶部となる膜を 膜する。それに用いるターゲットは、ZnとMn の組成比が異なるターゲットであり、Zn:Mnの 計組成が3となるよう、原料粉末をそれぞれ 調合し、各組成における焼結最適温度で十分 な保持時間を保って、一般的な焼結法により 作製される。

 ターゲットは、Zn量が0~3の範囲であり、 えば、Zn量が0.3であるターゲットは以下、Tz( 0.30)と表記する。そして、ターゲットとして Tz(0.00)、Tz(0.10)、Tz(0.30)、Tz(0.50)、Tz(0.70)、Tz( 1.00)、Tz(2.00)及びTz(3.00)の8種のターゲットが いられる。

 TiN/W/Si層を成膜した上記の基板H1及び基板H2 上に、第1の実施例と同様の方法で、上記の 8種のターゲットを用い、記憶部となる膜を 厚20nmで成膜を行う。 
 この後、記憶部となる膜の上に、適当なマ クを介して、スパッタ法によりPt膜を成膜 、直径50マイクロメートルの円柱状のPtパッ を形成する。このようにして得られる試料 、例えば、試料H1(0.30)と表記する。すなわ 、「基板H1の上に、Zn量が0.30のターゲットを 用いて成膜された試料」の意味である。

 その後、それぞれのPtパッドの表面に微 領域の切り込みを入れ、TiN膜に導通するよ にプローブを接触させ、もう片方のプロー をPtパッドに当てて導通を行った後、ReRAM素 としてのスイッチング試験を行う。

 Ptプローブ側を正極とし、TiN膜側を負極 して、最大3Vまでのパルス電圧を印加し、TiN 膜に電流を流し、それぞれの試料に対し、最 大5万回の電圧印加を行う。この時、スイッ ングに関するオン状態及びオフ状態の電位 が、100回のスイッチングで、平均1V以上とな る状態を、良好なスイッチング状態とし、良 好なスイッチング状態を維持する電圧印加回 数を求める。

 この試験において、良好なスイッチング状 が維持できる電圧印加回数が5万回に達する 試料は、H1(0.00)、H1(0.10)、H1(0.30)、H1(0.50)、H1(0 .70)である。 
 一方、基板H2に成膜した膜は、どのターゲ トを用いた場合も、電圧印加回数が5万回に たない。 
 このように、ZnとMnの合計数を3とした組成 場合、Znの組成が、0.00~0.70が特に良好なスイ ッチング特性が得られる。その中でも、本実 施例のH1基板を用い配向性を高めた試料が、 り良好なスイッチング特性を実現する。

 (第2の実施の形態)
 図14は、本発明の第2の実施形態に係る不揮 性記憶装置の製造方法を例示するフローチ ート図である。 
 本実施形態に係る不揮発性記憶装置の製造 法は、金属元素311(金属元素、Si、Ga及びAsの 少なくともいずれか)と第1の非金属元素325と 含む電極111(第1の電極110)と、電極111の上に けられた記憶部140と、を有する積層構造体 、記憶部140に電圧を印加して記憶部140に抵 変化を発生させて情報を記憶させる電圧印 部121(第2の電極120)と、を有する不揮発性記 装置の製造方法である。

 そして、図14に表したように、まず、電 111の記憶部140に対向する側の面(電極表面108) の一部に、導電性を有する第1の領域310を残 つつ、第1の領域310よりも第2の非金属元素321 の含有比が高く、電極表面108において異方性 のある形状を有する第2の領域320を形成する( テップS110)。

 または、電極111の記憶部140に対向する側の (電極表面108)の一部に、導電性を有する第1 領域310を残しつつ、第1の領域310よりも第2 非金属元素321の含有比が高く、配置間隔が 前記電極の前記記憶部に対向する前記面内 おいて異方性を有する第2の領域320を形成す 。 
 上記において、第2の非金属元素321は、金属 元素311との電気陰性度の差が第1の非金属元 325よりも大きい元素である。

 既に説明したように、この第2の領域320の 形成は、例えば、所定の形状のレジストマス クを設けた後の局所的な表面酸化や、狭いラ イン幅の走査イオン注入、酸化雰囲気中での 光線や電子ビーム等の異方的な照射等によっ て形成することができる。また、酸化だけで なく、電極表面108に、電極111の少なくとも表 面近傍領域に含まれる金属元素311との電気陰 性度が、第1の非金属元素325より大きい、窒 、酸素、フッ素、塩素などの物質(第2の非金 属元素321)をイオン注入や、酸化(窒素化、フ 素化など)により、異方的に導入すればよい 。

 そして、第1の領域310及び第2の領域320の上 、記憶部140となる膜を形成する(ステップS120 )。 
 これにより、電極と記憶部との導通性を維 しつつ、高配向性の記憶部を有する高耐久 で高性能の不揮発性記憶装置の製造方法が 供される。

 以下、クロスポイント型不揮発性記憶装置 関して、本実施形態に係る不揮発性記憶装 の製造方法について説明する。そして、以 は、図12(a)に例示した形状の第2の領域320を する不揮発性記憶装置の製造方法の例であ 。 
 図15は、本発明の第2の実施形態に係る不揮 性記憶装置の製造方法を例示する工程順断 模式図である。 
 図16は、図15に続く工程順断面模式図である 。 
 また、図15と図16において、左側の図はY軸 平行な断面図(図2のA-A方向断面図)、右側の はX軸に平行な断面図(図2のB-B方向断面図)で る。

 図15(a)に表したように、まず、シリコン らなる基板105の上に、第1の電極110となる膜( 第1の導電膜119)を成膜し、その上に、第1の電 極110のピッチと同じで、線幅は第1の電極110 りも狭い帯状パターン形状のレジストマス 117を形成する。第1の導電膜119は、第1の電極 110の少なくとも表面に導電性を付与するもの であり、金属元素311として、Ti、Ta、Zr、Hf、W 、Mo、W、Ni、Pt、Er、Ni、Ir、Ru、Au、Nb、Sr、Si Ga及びAsよりなる群から選ばれた少なくとも 1つ、さらに、この群から選ばれた少なくと 2つを含む合金を用いることができ、そして 第1の非金属元素325として各種の元素を含む ことができる。第1の導電膜には例えば、TiN 用いることができる。

 そして、図15(b)に表したように、例えば、 1の実施例で説明したように、10×10 5 Paの純酸素雰囲気で酸化し、その後、レジス マスクを剥離することで、第1の導電膜119の 表面に、第1の領域310を残しつつ、異方性の る形状で選択的に、第2の領域320が形成され (図14のステップS110)。この第2の領域320は、 1の領域310よりも第2の非金属元素321(この場 は酸素)の含有比が高い。

 そして、この上に、例えば、第1の実施例で 説明したように、PLD法により、記憶部140とな る記憶部膜149を成膜する(図14のステップS120) 記憶部膜149は、例えば、ZnMn 2 O 4 であり、成膜温度を例えば500℃とし、10×10 -2 Paの酸素雰囲気下、レーザー光出力を130mJ/mm 2 で成膜する。膜厚は例えば20nmである。ただ 、本発明は、これに限らず、記憶部140とな 記憶部膜149には、酸化ニッケル(NiO x )、酸化チタン(TiO x )、Pr x Ca 1-x MnO 3 等、抵抗変化を示す全ての材料を用いること ができる。これにより、記憶部膜149は配向し ながら成膜され、記憶部140の配向性は高まる 。なお、記憶部膜149の成膜に引き続いて、ス イッチング素子部150となる膜(スイッチング 子膜159)がされる。

 そして、図15(c)に表したように、スイッ ング素子膜159、記憶部膜149及び第1の導電膜1 19を、例えば、フォトリソグラフィーとドラ エッチング法を用いてパターニングし、絶 部160となる膜(絶縁部膜169)をCVD(Chemical Vapor Deposition)または塗布法により成膜(形成)し、 要に応じてCMP(Chemical Mechanical Polishing)法に り表面を平坦化する。なお、上記において 第1の電極110が、X軸に平行な方向に延在す ように、パターニングする。

 そして、図16(a)に表したように、第2の電 120用の膜(第2の導電膜129)をスパッタまたはC VD法により成膜し、例えばフォトリソグラフ ー法とドライエッチング法により、第2の導 電膜129、スイッチング素子膜159、記憶部膜149 、絶縁部膜169をパターニングする。なお、第 2の電極120の材料には、例えば、タングステ 、タングステンシリサイド、タングステン イトライド等を用いることができる。また この時、これらの膜は、第1の電極110のパタ ニング方向と直交するように、すなわち、 2の電極120がY軸方向に延在するようにパタ ニングする。

 そして、図16(b)に表したように、絶縁部160 なる膜(絶縁部膜169)として、例えばSiO 2 膜をCVD法や塗布法により、記憶部140等の間を 埋め込むようにして成膜し、必要に応じてCMP 法により表面を平坦化する。

 これにより、図2、図3、図12(a)に例示した 不揮発性記憶装置10が形成できる。この時、 2の領域320は、図12(a)に例示したように、第1 の電極110の両方の側面側に沿った帯状の形状 をしている。そして、第1の電極110の中心側 は、導電性のある第1の領域310が残存してお 、第1の電極110と記憶部140は電気的に接触で きる。

 このように、本実施形態に不揮発性記憶 置の製造方法によって、電極と記憶部との 通性を維持しつつ、高配向性の記憶部を有 る高耐久性で高性能の不揮発性記憶装置の 造方法が提供される。

 (第3の実施の形態)
 第3の実施の形態は、プローブメモリ型の不 揮発性記憶装置である。 
 図17、図18は、本発明の第3の実施形態に係 不揮発性記憶装置の構成を例示する模式的 視図及び平面図である。 
 図17及び図18に表したように、本発明の第3 実施形態に係る不揮発性記憶装置30では、XY キャナー516の上には、電極521の上に設けら た記憶部522が配置されている。そして、こ 記憶部522に対向する形で、プローブアレイ 配置される。

 プローブアレイは、基板523と、基板523の一 側にアレイ状に配置される複数のプローブ( ヘッド)524と、を有する。複数のプローブ524 各々は、例えば、カンチレバーから構成さ 、マルチプレクスドライバ525、526により駆 される。 
 複数のプローブ524は、それぞれ、基板523内 マイクロアクチュエータを用いて個別に動 可能であるが、全てをまとめて同じ動作を せて記憶媒体のデータエリアに対してアク スを行うこともできる。

 まず、マルチプレクスドライバ525、526を用 て、全てのプローブ524をX方向に一定周期で 往復動作させ、記憶媒体のサーボエリアから Y方向の位置情報を読み出す。Y方向の位置情 は、ドライバ515に転送される。
 ドライバ515は、この位置情報に基づいてXY キャナー516を駆動し、記憶媒体をY方向に移 させ、記憶媒体とプローブとの位置決めを う。
 両者の位置決めが完了したら、データエリ 上のプローブ524の全てに対して、同時、か 、連続的に、データの読み出し又は書き込 を行う。
 データの読み出し及び書き込みは、プロー 524がX方向に往復動作していることから連続 的に行われる。また、データの読み出し及び 書き込みは、記憶部522のY方向の位置を順次 えることにより、データエリアに対して、 行ずつ、実施される。
 なお、記憶部522をX方向に一定周期で往復運 動させて記憶媒体から位置情報を読み出し、 プローブ524をY方向に移動させるようにして よい。

 記憶部522は、例えば、基板520に設けられた 極521の上に設けられる。 
 記憶部522は、複数のデータエリア、並びに 複数のデータエリアのX方向の両端にそれぞ れ配置されるサーボエリアを有する。複数の データエリアは、記憶部522の主要部を占める 。

 サーボエリア内には、サーボバースト信 が記憶される。サーボバースト信号は、デ タエリア内のY方向の位置情報を示している 。

 記憶部522内には、これらの情報の他に、さ に、アドレスデータが記憶されるアドレス リア及び同期をとるためのプリアンブルエ アが配置される。 
 データ及びサーボバースト信号は、記憶ビ ト(電気抵抗変動)として記憶部522に記憶さ る。記憶ビットの“1”及び“0”情報は、記 憶部522の電気抵抗を検出することにより読み 出す。

 本例では、1つのデータエリアに対応して1 のプローブ(ヘッド)が設けられ、1つのサー エリアに対して1つのプローブが設けられる  
 データエリアは、複数のトラックから構成 れる。アドレスエリアから読み出されるア レス信号によりデータエリアのトラックが 定される。また、サーボエリアから読み出 れるサーボバースト信号は、プローブ524を ラックの中心に移動させ、記憶ビットの読 取り誤差をなくすためのものである。 
 ここで、X方向をダウントラック方向、Y方 をトラック方向に対応させることにより、HD Dのヘッド位置制御技術を利用することが可 になる。

 このような構成の不揮発性記憶装置30は、 極521と、電極521の上に設けられた記憶部522 有する積層構造体と、記憶部140に電圧を印 して記憶部140に抵抗変化を発生して情報を 憶させる電圧印加部となるプローブ524と、 備える。 
 そして、電極521の記憶部522に対向する側の (電極表面108)は、金属元素311(金属元素、Si Ga及びAsの少なくともいずれか)と第1の非金 元素325を含み、導電性を有する複数の第1の 域310を有する。そして、電極表面108は、金 元素311を含み、第2の非金属元素321の含有比 が第1の領域310より高い第2の領域320を有して る。 
 上記において、第2の非金属元素321は、金属 元素311との電気陰性度の差が第1の非金属元 325よりも大きい元素である。

 そして、既に説明したように、第1の領域310 及び第2の領域320の少なくともいずれかが、 極表面108の面内において異方性のある形状 有する。 
 または、第1の領域310及び第2の領域320のい れかが、異方的に配置されている。例えば 第2の領域320の配置間隔が、電極表面108の面 において、異方性を有して配置されており すなわち、第1の方向(例えばX軸方向)におけ る第2の領域320の配置間隔の平均と、それと なる第2の方向(例えばY軸方向)における第2の 領域320の配置間隔の平均とが異なる。

 これにより、第2の領域320においては、金 属元素311と第2の非金属元素321との間に極性 差が発生し、極性対330が発生する。これに り、電極表面108の上に堆積して形成される 憶部140となる膜の配向性を高めることがで る。また、導電性のある第1の領域310が記憶 140と接触できるので、導電性も確保できる このように、本実施形態に係る不揮発性記 装置30も、電極と記憶部との導通性を維持 つつ、高配向性の記憶部を有する高耐久性 高性能の不揮発性記憶装置が提供できる。

 本実施形態に係る不揮発性記憶装置30に いても、第1の実施形態と同様に、第2の領域 320は、所定の形状のレジストマスクを設けた 後の局所的な表面酸化や、狭いライン幅の走 査イオン注入、酸化雰囲気中での光線や電子 ビーム等の異方的な照射等によって形成する ことができる。また、酸化だけでなく、第1 実施形態と同様に、電極表面108に、電極521 少なくとも表面近傍領域に含まれる金属元 311との間の電気陰性度の差は、第1の非金属 素325より大きい、窒素、酸素、フッ素、塩 などの物質(第2の非金属元素321)をイオン注 や、酸化(窒素化、フッ素化など)により、 方的に導入すればよい。すなわち、酸化、 素化、フッ素化、塩素化等、非金属化合物 形成する手法であれば極性対の形成が可能 なるためにどのような元素でも使用するこ が可能である。

 なお、本実施形態に係るプローブメモリ の不揮発性記憶装置30においても、既に説 した第2の実施形態に係る不揮発性記憶装置 製造方法が適用できる。

 以上のように本発明の実施形態によれば 等方的な金属上に人工的な酸化物層などを 成することにより配向性の起源を付与し、 の上に酸化物層を成膜する場合において、 化物が持つ自己配向性を利用して最表面層 配向性を付与した層を形成することが可能 ある。

 その配向性は、下地の金属によらず、ま 成膜する側の物質であれば金属と非金属の み合わせである極性を持つ物質であれば配 性を持たせることが可能である。また下地 金属には複数の金属を用いても同様の効果 得られることがわかっている。

 この技術は、ポストNANDメモリとして利用 が考えられている微細加工が必要な記憶部に 有用であると考えられ、従来のNANDでは不要 あった配向層形成技術を通じて特性の安定 はもちろん、粒界数の減少などを通してス ッチング回数の増大など、さまざまなプラ の効果をもたらすものと期待される。

 また、それだけでなく下地のTi層に人工 にTiN層などを特定の方向に配向させること 可能であり、その用途が広く拡大すること 期待される技術の1つであると考えられる。

 このように、本発明の実施形態によれば 金属と非金属の化合物からなる材料を用い 、高記憶密度の不揮発性情報記憶再生装置 おいてスイッチング回数改善につながる配 層を金属基材上に実現可能となり、電極と 憶部との導通性を維持しつつ、高配向性の 憶部を有する高耐久性で高性能の不揮発性 憶装置及びその製造方法が提供される。

 以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施 形態について説明した。しかし、本発明は これらの具体例に限定されるものではない 例えば、不揮発性記憶装置及びその製造方 を構成する各要素の具体的な構成に関して 、当業者が公知の範囲から適宜選択するこ により本発明を同様に実施し、同様の効果 得ることができる限り、本発明の範囲に包 される。 
 また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を 技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、 本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に 含まれる。

 その他、本発明の実施の形態として上述 た不揮発性記憶装置及びその製造方法を基 して、当業者が適宜設計変更して実施し得 全ての不揮発性記憶装置及びその製造方法 、本発明の要旨を包含する限り、本発明の 囲に属する。

 その他、本発明の思想の範疇において、 業者であれば、各種の変更例及び修正例に 到し得るものであり、それら変更例及び修 例についても本発明の範囲に属するものと 解される。

 本発明によれば、電極と記憶部との導通 を維持しつつ、高配向性の記憶部を有する 耐久性で高性能の不揮発性記憶装置及びそ 製造方法が提供される。