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Title:
NOVEL BASE FOR DRY SOLID DISPERSION, SOLID DISPERSION CONTAINING THE BASE, AND COMPOSITION CONTAINING THE DISPERSION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133102
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are a novel base for dry solid dispersions, a solid dispersion containing the base, and a composition containing the dispersion. A solid dispersion, which is extremely excellent in dissolvability of a poorly soluble component, can be obtained by mixing the poorly soluble component with a polyvinyl alcohol copolymer serving as the base for solid dispersion and heating the resulting mixture.

Inventors:
URAMATSU SHUNJI (JP)
KIDA AKANE (JP)
SHINIKE HITOSHI (JP)
UEMURA TOSHINOBU (JP)
FUKUMORI YOSHINOBU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057322
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIDO CHEMICAL CORP (JP)
NISSHIN KASEI CO LTD (JP)
URAMATSU SHUNJI (JP)
KIDA AKANE (JP)
SHINIKE HITOSHI (JP)
UEMURA TOSHINOBU (JP)
FUKUMORI YOSHINOBU (JP)
International Classes:
A61K47/32; A61K9/16; A61K9/20; A61K31/4422
Domestic Patent References:
WO2001077107A12001-10-18
WO2000064894A12000-11-02
WO2002017848A12002-03-07
Foreign References:
JP2004534811A2004-11-18
JP2006500349A2006-01-05
JPH05262642A1993-10-12
Other References:
See also references of EP 2140883A4
JOURNAL OF PHARMACEUTICAL SCIENCE AND TECHNOLOGY, vol. 60, no. 2, 2000, pages 148 - 159
J.ANTIBIOTICS, vol. 38, 1985, pages 877 - 885
CHEM. PHARM. BULL., vol. 38, 1990, pages 2792 - 2796
Attorney, Agent or Firm:
Saegusa & Partners et al. (1-7-1 Doshomachi, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 45, JP)
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Claims:
ポリビニルアルコール系共重合体からなる固体分散体用基剤。
ポリビニルアルコール系共重合体が、ポリビニルアルコール及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの少なくとも1種を重合して得られるものである請求項1に記載の固体分散体用基剤。
重合性ビニルモノマーが少なくともアクリル酸モノマー及びメタクリル酸メチルモノマーを含むものである請求項2に記載の固体分散体用基剤。
ポリビニルアルコール及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの少なくとも1種の合計におけるアクリル酸モノマー及びメタクリル酸メチルモノマーの使用量が、各々、0.5~20重量%及び5~40重量%である請求項3に記載の固体分散体用基剤。
ポリビニルアルコール系共重合体が、ポリビニルアルコール鎖にアクリル酸及びメタクリル酸メチルがグラフト重合した共重合体である請求項1に記載の固体分散体用基剤。
ポリビニルアルコール系共重合体を構成するアクリル酸モノマー残基及びメタクリル酸メチルモノマー残基の含有量が、ポリビニルアルコール系共重合体に対し、それぞれ0.5~20重量%及び5~40重量%である請求項5に記載の固体分散体用基剤。
ポリビニルアルコール系共重合体の重量平均分子量が1万~50万である請求項1~6のいずれかに記載の固体分散体用基剤
難溶性成分及びポリビニルアルコール系共重合体を含有する固体分散体。
難溶性成分及びポリビニルアルコール系共重合体の混合物を加熱処理してなる請求項8に記載の固体分散体。
加熱処理が、超音波処理、二軸式混練処理、溶融処理、単軸及び二軸溶融押出し処理マイクロ波処理、サーマルメカノケミカル処理のいずれか又はこれらの組合わせである請求項9に記載の固体分散体。
難溶性成分に対するポリビニルアルコール系共重合体の重量比が0.5~20倍である請求項8~10のいずれかに記載の固体分散体。
請求項8~11のいずれかに記載された固体分散体を含有する医薬組成物。
難溶性成分及び固体分散体用基剤を含有する混合物を加熱処理する固体分散体の製造方法であって、固体分散体用基剤として請求項1~7のいずれかに記載の固体分散体用基剤を使用することを特徴とする固体分散体の製造方法。
Description:
新規乾式固体分散体用基剤、該 剤を含有する固体分散体及び該分散体を含 する組成物

 本発明は、難溶性成分を固体分散体化す 技術に関し、より詳細には、難溶性成分に 体分散体用基剤としてポリビニルアルコー 系共重合体(好適には、ポリビニルアルコー ル-アクリル酸-メチルメタクリレート共重合 )を配合し、超音波や伝熱等による加熱処理 をすることにより固体分散体を製造する技術 に関する。

 近年、経口用製剤の分野において、固体 散体が注目されている。固体分散体は、一 的に、難溶性の薬物に配合する成分、製剤 製造方法などを工夫することによって製造 れるものであり、難溶性薬物の溶解度を上 、バイオアベイラビリティーを向上させる 剤形態として期待されている。

 固体分散体の製造法としては溶媒法がよ 知られている。例えば、固体分散体用基剤 して用いる高分子素材と薬物の両者を有機 媒で溶解しこれを乾燥することにより難溶 薬物を非晶質化して高分子担体に分散させ ものである。ところが、溶媒法は有機溶媒 よる環境への悪影響が問題となる。このた 、有機溶媒を使用しない方法として乾式法 注目されている。

 乾式法に基づく固体分散体製造法として 代表的には難溶性薬物と固体分散体用基剤( 担体)を加熱し溶融させることにより薬物を 晶質化させる方法が知られている(ホットメ トエクストルーダ法)。また、難溶性薬物と 固体分散体用基剤からなる混合物を成型臼に 充填し、これに超音波照射をおこない、薬物 を非晶質化する方法(例えば、非特許文献1参 )等が知られている。

 前者の方法では、難溶性薬物と固体分散 用基剤担体の混合物に熱を供給する方法は 接加熱方式であり、後者では、超音波照射 より混合物に超音波照射エネルギーが粉体 運動、摩擦を引き起こし結果として混合物 蓄熱し、非晶質化するものであり加熱方式 しては間接加熱方式である。

 また、難溶性薬物(ニルバジピン、ニフェ ジピン)と水溶性高分子基剤(ヒドロキシプロ ルメチルセルロース、ポリビニルピロリド )とを、両者が溶融しない温度で加熱しなが ら混練するサーマルメカノケミカル法により 固体分散体を製造する方法も知られている( えば、特許文献1参照)。

 このような乾式法において使用される固体 散体用基剤としては、従来、ポリビニルピ リドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセ ロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセ ロースフタレート(HPMCP)、ポリビニルアルコ ル(PVA)等が知られている。しかしながら、 熱処理時の温度、難溶性薬物の溶解性の向 の程度、難溶性薬物の溶解性の安定性・再 性等の点において、より乾式法に適した固 分散体用基剤の提供が要望されていた。

特開平05-262642号公報 薬剤学、60巻(第2号)、148-159(2000)

 難溶性薬物をはじめとする難溶性成分の 解性がより向上した固体分散体の提供が求 られている。

 本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑 鋭意検討を重ねた結果、固体分散体用基剤 してポリビニルアルコール系共重合体を難 性成分と混合及び加熱して固体分散体を製 することによって、難溶性成分の溶解性に 常に優れた固体分散体が得られることを見 し、本発明を完成させた。

 すなわち、本発明は、下記の固体分散体用 剤、固体分散体、医薬組成物、製造方法等 提供するものである。
項1.ポリビニルアルコール系共重合体からな 固体分散体用基剤。
項2.ポリビニルアルコール系共重合体が、ポ ビニルアルコール及びその誘導体から選択 れる少なくとも1種と重合性ビニルモノマー の少なくとも1種を重合して得られるもので る項1に記載の固体分散体用基剤。
項3.重合性ビニルモノマーが少なくともアク ル酸モノマー及びメタクリル酸メチルモノ ーを含むものである項2に記載の固体分散体 用基剤。
項4.ポリビニルアルコール及びその誘導体か 選択される少なくとも1種と重合性ビニルモ ノマーの少なくとも1種の合計におけるアク ル酸モノマー及びメタクリル酸メチルモノ ーの使用量が、各々、0.5~20重量%及び5~40重量 %である項3に記載の固体分散体用基剤。
項5.ポリビニルアルコール系共重合体が、ポ ビニルアルコール鎖にアクリル酸及びメタ リル酸メチルがグラフト重合した共重合体 ある項1に記載の固体分散体用基剤。
項6.ポリビニルアルコール系共重合体を構成 るアクリル酸モノマー残基及びメタクリル メチルモノマー残基の含有量が、ポリビニ アルコール系共重合体に対し、それぞれ0.5~ 20重量%及び5~40重量%である項5に記載の固体分 散体用基剤。
項7.ポリビニルアルコール系共重合体の重量 均分子量が1万~50万である項1~6のいずれかに 記載の固体分散体用基剤
項8.難溶性成分及びポリビニルアルコール系 重合体を含有する固体分散体。
項9.難溶性成分及びポリビニルアルコール系 重合体の混合物を加熱処理してなる項8に記 載の固体分散体。
項10.加熱処理が、超音波処理、二軸式混練処 理、溶融処理、単軸及び二軸溶融押出し処理 マイクロ波処理、サーマルメカノケミカル処 理のいずれか又はこれらの組合わせである項 9に記載の固体分散体。
項11.難溶性成分に対するポリビニルアルコー ル系共重合体の重量比が0.5~20倍である項8~10 いずれかに記載の固体分散体。
項12.項8~11のいずれかに記載された固体分散 を含有する医薬組成物。
項13.難溶性成分及び固体分散体用基剤を含有 する混合物を加熱処理する固体分散体の製造 方法であって、固体分散体用基剤として項1~7 のいずれかに記載の固体分散体用基剤を使用 することを特徴とする固体分散体の製造方法 。

 本発明の固体分散体用基剤はポリビニル ルコール系共重合体であって、固体分散体 製造において、難溶性成分と併用されるも であり、難溶性成分とともに加熱されるこ によって難溶性成分が非晶質化し、その結 難溶性成分の溶解性を向上させるものであ 。

 本発明の固体分散体は、難溶性成分及び 記本発明固体分散体用基剤の加熱処理物を 有するものであり、難溶性成分の溶解性が いものである。本発明の固体分散体におい 難溶性成分の一部又は全部が非晶質化して る。また、本発明の固体分散体は、その優 た溶解性を利用し、医薬、農薬、肥料、化 料、香料、食品材料、飼料、殺菌剤、防ば 剤、防虫剤、殺虫剤、防錆剤、吸収剤、塗 などに配合することができる。なお、固体 散体は、示差走査熱量分析(DSC)における融 ピークを観察することによって確認するこ ができる。

 本発明の医薬組成物は、本発明の固体分 体を含有するものであり、難溶性成分(薬物 )の溶解性が高いものであり、バイオアベイ ビリティーの向上した医薬組成物である。

 本発明の固体分散体の製造方法は、難溶 成分、本発明の固体分散体用基剤及び必要 応じて添加剤を含有する混合物を加熱処理 るものであり、難溶性成分が非晶質化し、 溶性成分の溶解性の向上した固体分散体を 造することができる。

 以下、本発明について説明する。

 本発明で用いられる難溶性成分は、医薬 合物(動物薬を含む)、農薬化合物、肥料、 粧料、香料、食品材料、飼料、殺菌剤、防 い剤、防虫剤、殺虫剤、防錆剤、吸収剤、 料など広い分野から選択することができる

 本発明で用いられる難溶性成分は、結晶 形態において水に難溶性のものであり、本 明の固体分散体中では難溶性成分の一部又 全部は非晶質体形態で含まれる。難溶性と 25℃で水に対する溶解度が10mg/mL未満、好ま くは0.1mg/mL未満であることを示す。溶解度 常法にしたがって測定することができる。

 難溶性成分としては、難溶性薬物が包含 れ、難溶性薬物としては以下のものが例示 れる。

(1)解熱、鎮痛、抗炎症薬
サリチル酸、スルピリン、フルフェナム酸、 ジクロフェナック、インドメタシン、アトロ ピン、スコポラミン、モルヒネ、ペチジン、 レボルファイノール、ケトプロフェン、ナプ ロキセン、イブプロフェン、オキシモルフォ ン、アスピリン、アミノピリン、フェナセチ ン、アセトアミノフェノン、フェニルブタゾ ン、ケトフェニルブタゾン、メフェナム酸、 ブコローム、ベンジダミン、メピリゾール、 チアラミド、チノリジン、キシロカイン、ペ ンタゾシン、デキサメタゾン、ハイドロコー チゾン、プレドニゾロン、アズレン、イソプ ロピルアンチピリン、サザピリン、クロフェ ゾン、エトドラッグまたはその塩など。

(2)精神安定薬
ジアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、オ キサゾラム、クロチアゼパム、メダゼパム、 テマゼパム、フルジアゼパム、メプロバメー ト、ニトラゼパム、クロルジアゼボキシドな ど。

(3)抗精神病薬
クロルプロマジン、プロクロルペラジン、ト リフロペラジン、スルピリド、塩酸クロカプ ラミン、ゾテピン、ハロペリドールなど。

(4)抗菌薬
グリセオフルビン、ランカシジン類〔J.Antibio tics,38,877-885(1985)〕、アゾール系化合物〔2-〔( 1R,2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ -1-メチル-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロ ル〕-4-〔4-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキ )フェニル-3-(2H,4H)-1,2,4-トリアゾロン、フル ナゾール、イトラコナゾール等〕、ナリジ ス酸、ピロミド酸、ピペミド酸三水和物、 ノキサシン、シノキサシン、オフロキサシ 、ノルフロキサシン、塩酸シプロキサシン スルファメトキサゾール・トリメトプリム ど。

(5)抗生物質
ゲンタマイシン、ジペカシン、カネンドマイ シン、リビドマイシン、トプラマイシン、ア ミカシン、ディベカシン、フラジオマイシン 、シソマイシン、テトラサイクリン、オキシ テトラサイクリン、ロリテトラサイクリン、 ドキシサイクリン、アンピシリン、ピペラシ リン、チカルシリン、セファロチン、セファ ロリジン、セフォチアム、セフォチアムヘキ セチル、セフスロジン、セフメノキシム、セ フメタゾール、セファゾリン、セフォタキシ ム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキ サラクタム、チエナマイシン、スルファゼシ ン、アズスレオナム、アモキシリン、セファ レキシン、エリスロマイシン、バカンピシン 、ミノサイクリン、クロラムフェニコールま たはそれらの塩など。

(6)抗腫瘍薬
6-O-(N-クロロアセチルカルバモイル)フマギロ ル、ブレオマイシン、メトトレキサート、 クチノマイシンD、マイトマイシンC、ダウ ルビシン、アドリアマイシン、ネオカルチ スタチン、シトシンアラジノシド、フルオ ウラシル、テトラヒドロフリル-5-フルオロ ラシル、ピシバニール、レンチナン、レバ ゾール、ベスタチン、アジメキソン、グリ ルリチン、HER2阻害剤(WO01/77107等に記載の複 環化合物等)、タキソール、塩酸ドキソルビ ン、エトポシド、ミトキサントロン、メス 、ジメスナ、アミノグルテチミド、タモキ フェン、アクロライン、シスプラチン、カ ボプラチン、シクロフォスファミド、ロム チン(CCNU)、カルムスチン(BCNU)など。

(7)抗高脂血症薬
クロフィブラート、2-クロロ-3-〔4-(2-メチル-2 -フェニルプロポキシ)フェニル〕プロピオン エチル〔Chem. Pharm. Bull.,38,2792-2796(1990)〕、 リノフィブラート、コレスチラミン、ソイ テロール、ニコチン酸トコフェロール、ニ モール、ニセリトロール、プロブコール、 ラスターゼなど。

(8)鎮咳・去痰薬
エフェドリン、メチルエフェドリン、ノスカ ピン、コデイン、ジヒドロコデイン、アロク ラマイド、クロルフェジアノール、ピコペリ ダミン、クロペラスチン、プロトキロール、 イソプロテレノール、サルプタモール、テレ プタリン、ブロムヘキシン、カルボシスティ ン、エチルシスティン、メチルシスティンま たはその塩など。

(9)筋弛緩薬
プリジノール、ツボクラリン、パンクロニウ ム、カルバミン酸クロルフェネシン、塩酸ト ルペリゾン、塩酸エペリゾン、塩酸チザニジ ン、メフェネシン、クロルゾキサゾン、フェ ンプロバメート、メトカルバモール、クロル メザノン、メシル酸プリジノール、アフロク アロン、バクロフェン、ダントロレンナトリ ウムなど。

(10)抗てんかん薬
フェニトイン、エトサクシミド、アセタゾラ ミド、クロルジアゼポキシド、フェノバルビ タール、カルバマゼピン、プリミドンなど。

(11)抗潰瘍薬
ランソプラゾール、メトクロプラミド、ファ モチジン、オメプラゾール、スルピリド、ト レピブトン、塩酸セトラキサート、ゲフェル ナート、マレイン酸イルソグラジン、シメチ ジン、塩酸ラニチジン、ニザチジン、塩酸ロ キサチジンアセテートなど。

(12)抗うつ薬
イミプラミン、クロミプラミン、ノキシプチ リン、フェネルジンなど。

(13)抗アレルギー薬
ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、 トリペレナミン、メトジラミン、クレミゾー ル、ジフェニルピラリン、メトキシフェナミ ン、フマル酸クレマスチン、塩酸シプロヘプ タジン、メキタジン、酒石酸アリメマジンな ど。

(14)強心薬
トランスバイオキソカンファー、テレフィロ ール、アミノフィリン、エチレフリンなど。

(15)不整脈治療薬
プロプラノロール、アルプレノロール、プフ ェトロール、オクスプレノロール、塩酸プロ カインアミド、ジソピラミド、アジマリン、 硫酸キニジン、塩酸アプリンジン、塩酸プロ パフェノン、塩酸メキシレチンなど。

(16)血管拡張薬
オキシフェドリン、ジルチアゼム、トラゾリ ン、ヘキソベンジン、バメタン、ニフェジピ ン、ニルバジピン、二硝酸イソソルビット、 塩酸ジルチアゼム、トラピジル、ジピリダモ ール、塩酸ジラゼプ、ベラパミル、塩酸ニカ ルジピン、酒石酸イフェンプロジル、マレイ ン酸シネパシド、シクランデレート、シンナ リジン、ペントキシフィリンなど。

(17)降圧利尿薬
ヘキサメトニウムブロミド、ペントリニウム 、メカミルアミン、エカラジン、クロニジン 、ジルチアゼム、ニフェジピン、フロセミド 、トリクロルメチアジド、メチクロチアジド 、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチア ジド、エチアジド、シクロペンチアジド、フ ロロチアジド、エタクリン酸など。

(18)糖尿病治療薬
グリミジン、グリプジド、フェンフォルミン 、プフォルミン、メトフォルミン、グリベン クラミド、トルブタミドなど。

(19)抗結核薬
イソニアジド、エタンブトール、パラアミノ サリチル酸など。

(20)麻薬拮抗薬
レバロルファン、ナロルフィン、ナロキソン またはその塩など。

(21)ホルモン薬
ステロイドホルモン類、例えば、デキサメサ ゾン、ヘキセストロール、メチマゾール、ペ タメサゾン、トリアムシノロン、トリアムシ ノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニ ド、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、エ ストリオールなど。

(22)骨・軟骨疾患予防・治療剤
プロスタグランジンA1誘導体、ビタミンD誘導 体、ビタミンK 2 誘導体、エイコサペンタエン酸誘導体、ベン ジルホスホン酸、ビスホスホン酸誘導体、性 ホルモン誘導体、フェノールスルフォフタレ イン誘導体、ベンゾチオピランまたはベンゾ チエピン誘導体、チエノインダゾール誘導体 、メナテトレノン誘導体、ヘリオキサンチン 誘導体などの非ペプチド性骨形成促進作用物 質、ペプチド性骨形成促進物質など。

(23)関節疾患治療剤
p38MAPキナーゼ阻害剤(WO 00/64894等に記載のチ ゾール系化合物等)、マトリックスメタロプ テアーゼ阻害剤(MMPI)、プレドニゾロン、ヒ ロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、デ サベタメタゾン、ベタメタゾン等の抗炎症 テロイド剤、インドメタシン、ジクロフェ ク、ロキソプロフェン、イブプロフェン、 ロキシカム、スリンダク等の非ステロイド 消炎鎮痛剤など。

(24)頻尿治療剤塩酸
フラボキサート、塩酸オキシブチニン、塩酸 テロリジンなど。

(25)抗アンドロゲン剤オキセンドロン、ア ルエストレノール、酢酸クロルマジノン、 プロン酸ゲストノロン、酢酸オサプロン、 ルタミド、ビカルタミドなど。

(26)脂溶性ビタミン薬
ビタミンK類:ビタミンK 1 、K 2 、K 3 およびK 4
葉酸(ビタミンM)など

(27)ビタミン誘導体
ビタミンの各種誘導体、例えば、5,6-トラン -コレカルシフェロール、2,5-ヒドロキシコレ カルシフェロール、1-α-ヒドロキシコレカル フェロールなどのビタミンD 3 誘導体、5,6-トランス-エルゴカルシフェロー 等のビタミンD 2 誘導体など。

(28)その他
ヒドロキシカム、ダイアセリン、メゲストロ ール酢酸、ニセロゴリン、プロスタグランジ ン類などさらに、虚血性疾患治療薬、免疫疾 患治療薬、アルツハイマー病治療薬、骨粗鬆 症治療薬、血管新生治療薬、網膜症治療薬、 網膜静脈閉塞症治療薬、老人性円板状黄斑変 性症治療薬、脳血管攣縮治療薬、脳血栓治療 薬、脳梗塞治療薬、脳閉塞症治療薬、脳内出 血治療薬、クモ膜下出血治療薬、高血圧性脳 症治療薬、一過性脳虚血発作治療薬、多発性 梗塞性痴呆治療薬、動脈硬化症治療薬、ハン チントン病治療薬、脳組織障害治療薬、視神 経症治療薬、緑内障治療薬、高眼圧症治療薬 、網膜剥離治療薬関節炎治療薬、抗リウマチ 薬、抗セプシス薬、抗セプティックショック 薬、抗喘息薬、アトピー性皮膚炎治療薬、ア レルギー性鼻炎治療薬など。

 難溶性薬物としては、インドメタシン、 プロキセン、イブプロフェン、フェナセチ 、フェニルブタゾン、グリセオフルビン、 ゾール系化合物、フェニトイン、二硝酸イ ソルビット、ニトロフェニルピリジン系化 物(ニフェジピン、ニルバジピン等)が、溶 性向上の観点から好ましい。ニトロフェニ ピリジン系化合物はニトロフェニル基とピ ジン環構造を有する難溶性化合物を包含す 。ニトロフェニルピリジン系化合物として 、ピリジン環の2位~4位のいずれかにニトロ ェニル基が結合した構造を有する化合物が ましい。具体的な化合物としては、ニフェ ピン、ニルバジピンなどが挙げられる。

 難溶性の農薬化合物としては、以下のもの 挙げられる。
 (1)殺虫剤
(a)カーバメイト系
MIPC;イソプロカルブ(isoprocarb)、BPMC;フェノブ ルブ(fenobucarb)、MPMC;キシリルカルブ(xylylcarb) XMC、NAC;カルバリル(carbaryl)、
ベンダイオカルブ(bendiocarb)、カルボフラン(ca rbofuran)など。
(b)合成ピレスロイド系
シペルメトリン(cypermethrin)、フェンプロパト ン(fenpropathrin)、エトフェン
プロックス(ethofenprox)、レスメトリン(resmethrin )など。
(c)有機リン系
EPN、シアノフェンホス(cyanofenphos)、PAP;フェン トエート(phenthoate)、CVMP;テトラクロルビンホ (tetrachlorvinphos)、モノクロトホス(monocrotophos) 、ホサロン(phosalone)、クロルピリホスメチル( chlorpyrifos-methyl)、クロルピリホス(chlorpyrifos) ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、キナルホ ス(quinalphos)、DMTP;メチダチオン(methidathion)、 リチオン(dioxabenzofos)など。
(d)有機塩素系
ベンゾエピン(endosulfan)など
(e)その他
ベンスルタップ(bensultap)、ブプロフェジン(bup rofezin)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ジ ルベンズロン(diflubenzuron)、クロルフルアズ ン(chlorfluazuron)、イミダクロプリドなど。

 (2)殺菌剤
(a)N-ヘテロ環系エルゴステロール阻害剤
トリフルミゾール(triflumizole)、トリホリン(tri forine)など。
(b)カルボキシアミド系メプロニル(mepronil)、 ルトラニル(flutoluanil)、ペンシクロン(pencycuro n)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)など。
(c)ジカルボキシイミド系
イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinclo zolin)、プロシミドン(procymidone)など。
(d)ベンゾイミダゾール系
ベノミル(benomyl)など。
(e)ポリハロアルキルチオ系
キャプタン(captan)など。
(f)有機塩素系
フサライド(fthalide)、TPN;クロロタロニル(chloro thalonil)など。
(g)硫黄系
ジネブ(zineb)、マンネブ(maneb)など。
(h)その他
ジクロメジン(diclomezin)、トリシクラゾール(tr icyclazole)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、プ ロベナゾール(probenazole)、アニラジン(anilazine) 、オキソリニック酸(oxolinic acid)、フェリム ン(ferimzone)など。

 (3)除草剤
(a)スルホニル尿素系
イマゾスルフロン、ベンスルフロンメチル(be nsulfuron-methyl)など。
(b)トリアジン系
シメトリン(simetryn)、ジメタメトリン(dimethamet ryn)など。
(c)尿素系ダイムロン(dymron)など。
(d)酸アミド系プロパニル(propanil)、メフェナ ット(mefenacet)など。
(e)カルバメート系
スエップ(swep)など。
(f)ダイアゾール系
オキサジアゾン(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazo late)など。
(g)ジニトロアニリン系トリフルラリン(triflura lin)など。
(h)その他
ジチオピル(dithiopyr)など。

 固体分散体では、難溶性成分に併用する 体分散体用基剤として高分子担体(例、高分 子化合物、界面活性剤等)が一般に利用され いるが、本発明においてはこの固体分散体 基剤としてポリビニルアルコール系共重合 が使用される。この共重合体と難溶性成分 を混合した混合物を加熱処理することによ て、難溶性成分の一部又は全部が非晶質化 、難溶性成分の溶解性が向上した固体分散 となる。混合に供される難溶性成分の形態 通常、粉末状であり、また、ポリビニルア コール系共重合体の形態は通常、粉末状で り、好ましくは平均粒子径0.1~2000μm、より好 ましくは0.1~500μmである。両者の混合は適宜 方法を選択すればよく、例えばV型混合機、 器回転型混合機、攪拌翼付き混合機等を用 て混合できる。

 本発明において使用されるポリビニルア コール系共重合体は、難溶性成分に対し、 量比で通常0.5~20倍、好ましくは1~10倍、より 好ましくは2~10倍である。また、ポリビニル ルコール系共重合体の質量平均分子量は通 1万~50万、好ましくは3万5千~30万である。

 ポリビニルアルコール系共重合体の製造 法は公知であり、例えば、国際公開02/17848 記載されている、ポリビニルアルコール及 その誘導体から選択される少なくとも1種の 在下で、ポリビニルアルコールと重合性ビ ルモノマーとを重合させる方法が挙げられ 。前記誘導体としては、ポリビニルアルコ ルのアミン変性物、エチレン変性物、末端 オール変性物などの各種変性ポリビニルア コールが例示される。

 ポリビニルアルコール系共重合体の重合 使用される各成分の量は、ポリビニルアル ール及びその誘導体から選択される少なく も1種と重合性ビニルモノマーの総重量に対 して、通常、ポリビニルアルコール及びその 誘導体から選択される少なくとも1種が40~95重 量%、重合性ビニルモノマーが5~60重量%であり 、好ましくはポリビニルアルコール及びその 誘導体から選択される少なくとも1種が60~90重 量%、重合性ビニルモノマーが10~40重量%であ 。

 重合性ビニルモノマーの例としては以下の のが挙げられ、これらは1種単独又は2種以 組み合わせて使用できる。
(1)アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マ レイン酸、イタコン酸
(2)(1)の化合物のナトリウム塩、カリウム塩、 アンモニウム塩又はアルキルアミン塩、
及び
(3)メチルメタクリレート、メチルアクリレー ト、エチルメタクリレート、エチルアクリレ ート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリ レート、イソブチルメタクリレート、イソブ チルアクリレート、シクロヘキシルメタクリ レート、シクロヘキシルアクリレート、2-エ ルヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキ ルアクリレート、ラウリルメタクリレート ラウリルアクリレート、ステアリルメタク レート、ステアリルアクリレート、アクリ ニトリル、アクリルアミド、ジメチルアク ルアミド、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロ シエチルメタクリレート、ヒドロキシエチ アクリレート、ポリエチレングリコールと タクリル酸とのエステル、ポリエチレング コールとアクリル酸とのエステル、ポリプ ピレングリコールとメタクリル酸とのエス ル、ポリプロピレングリコールとアクリル とのエステル、N-ビニルピロリドン、アクリ ロイルモルホリン、N,N-ジメチルアミノエチ メタクリレート、メタクリロイルオキシエ ルトリメチルアンモニウムクロライド。

 好ましい重合性ビニルモノマーは、一般式[ 1]
H 2 C=C(R 1 )-COOR 2       [1]
〔式中、R 1 は水素原子またはメチル基を示し、R 2 は水素原子または1-4個の炭素原子を有するア ルキル基を示す。〕
で表される化合物である。

 好ましい重合性ビニルモノマーの組み合 せは、前記(1)及び(2)のモノマーの少なくと 1種と前記(3)のモノマーの少なくとも1種と 併用である。さらに好ましい重合性ビニル ノマーの組み合わせは、アクリル酸又はメ クリル酸とメタクリル酸メチルとの併用、 なわち、アクリル酸とメタクリル酸メチル 組み合わせ、メタクリル酸とメタクリル酸 チルの組み合わせである。よりいっそう好 しいのはアクリル酸とメタクリル酸メチル の組み合わせである。特に、アクリル酸、 タクリ酸メチル及びポリビニルアルコール 合計量に対し、アクリル酸0.5~20重量%、メタ リル酸メチル5~40重合%、ポリビニルアルコ ル40~94.5重量%で重合させて得られるポリビニ ルアルコール系共重合体が好ましく、アクリ ル酸2.5~5.0重量%、メタクリル酸メチル15~25重 %、ポリビニルアルコール20~70重量%で重合さ て得られるポリビニルアルコール系共重合 がより一層好ましい。ポリビニルアルコー の存在下でアクリル酸とメタクリル酸メチ を重合させた共重合体は市販されており、P OVACOATの名称で大同化成工業株式会社から入 することができ、本発明ではこの市販品を 用することもできる。

 共重合の方法は、公知の方法を使用でき が、例えば、水にポリビニルアルコール及 その誘導体から選択される少なくとも1種を 添加し、加温して溶解し、次いで重合性ビニ ルモノマーの少なくとも1種と重合開始剤と 添加し、重合又は共重合させて樹脂を得る とができる。重合開始剤は、必要に応じて 用され、従来使用されているものを用いる とができる。例えば、2,2'-アゾビス(2-アミジ ノプロパン)ジハイドロクロライド、AIBN(アゾ イソブチロニトリル)などのアゾ化合物、過 酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸ア モニウムなどの過硫酸塩、t-ブチルハイドロ パーオキサイドなどの有機過酸化物、過酸化 水素-酒石酸、過酸化水素-酒石酸ナトリウム どのレドックス開始剤等が使用される。

 本発明の固体分散体を医薬組成物して使 する場合、医薬組成物には、本発明の効果 奏する範囲において、製剤素材として慣用 れている各種の薬学的に許容される担体、 形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、界面活性 、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤など 1種単独で又は2種以上組み合わせて添加す ことができる。また、必要に応じて他の薬 成分を配合することも可能である。医薬組 物は、公知の製剤方法を適宜適用すること よって製造できる。固体分散体に添加剤を 加して製剤化し、医薬組成物とすることも きる。また、難溶性薬物、本発明の固体分 体用基剤及び添加剤を加熱処理して得られ 固体分散体をそのまま或いは該固体分散体 さらに添加剤を添加して製剤化し医薬組成 として使用することもできる。

 添加剤としては以下のものを例示できる。
糖アルコール類(マルチトール、キシリトー 、ソルビトール、エリスリトールなど)、乳 、白糖、ショ糖、塩化ナトリウム、ブドウ 、デンプン、シュクロース、マンニトール 還元パラチノーム、炭酸塩類(炭酸カルシウ ムなど)、カオリン、結晶セルロース、ケイ 、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウ 、アラビアゴム、タルク、リン酸塩類(リン 水素カリウム、リン酸水素カルシウム、リ 酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リ 酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、 ン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナト ウムなど)、硫酸カルシウム、乳酸カルシウ ム、オリゴ糖類(ラクチュロース、ラフィノ ス、ラクトスクロースなど)等の賦形剤。
次の可塑剤。グリセリン、エチレングリコー ル、プロピレングリコール等の多価アルコー ル;モノステアリン、PEG4000、PEG6000、PEG20000等 各種ワックス類;ステアリン酸、ステアリン 酸マグネシウム等の有機脂肪酸類。
クエン酸トリエチル、ツイーン80、HCO60、ト アセチン等の界面活性剤。
単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラ チン溶液等の粘度調整剤。
ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニル アルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニ ルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセ ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カ ルボキシビニルポリマー、結晶セルロース、 粉末セルロース、結晶セルロース・カルメロ ースナトリウム、セラック、メチルセルロー ス、エチルセルロース、リン酸カリウム、ア ラビアゴム末、プルラン、ペクチン、デキス トリン、トウモロコシデンプン、アルファー 化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、 ゼラチン、キサンタンガム、カラギーナン、 トラガント、トラガント末、ポリエチレング リコール等の結合剤。
デンプン、乾燥デンプン、カルボキシメチル セルロースナトリウム、カルボキシメチルセ ルロースカルシウム、クロスカルメロースナ トリウム、カルボキシメチルスターチナトリ ウム、メチルセルロース、カルメロースカル シウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロ ース、デンプングリコール酸ナトリウム、部 分アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリ ウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭 酸カルシウム等の崩壊剤。
第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリ ム等の吸収促進剤。
デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、 コロイド状ケイ酸等の吸着剤。
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カ ルシウム、タルク、酸化マグネシウム、コロ イドシリカ、ホウ酸末、ポリエチレングリコ ール等の滑沢剤。
ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ ステル、サポニン等の分散剤。
アスコルビン酸、トコフェロール等の抗酸化 剤。
乳酸、クエン酸、グルコン酸、グルタミン酸 等の酸味料。
二酸化ケイ素等の流動化剤。
スクラロース、アセスルファムカリウム、ア スパルテーム、グリチルリチン等の甘味料。 ハッカ油、ユーカリ油、ケイヒ油、ウイキョ ウ油、チョウジ油、オレンジ油、レモン油、 ローズ油、フルーツフレーバー、ミントフレ ーバー、ペパーミントパウダー、dl-メントー ル、l-メントール等の香料。

 難溶性薬物の溶出速度の制御を容易にす ため、崩壊剤、結合剤等を配合することが ましい。固体分散体製造時の加熱温度をな べく低くするため、可塑剤等を配合するこ が好ましい(特に溶融法の場合)。また、押 及び射出成形の場合には、押出抵抗を低下 せるため、可塑剤、滑沢剤を配合すること 好ましい。また、製造時の静電気を抑制す ため、タルク、シリカ等の静電気防止剤を 合することが好ましい。

 本発明の固体分散体は、それ自体を経口 与用医薬組成物として好ましく使用するこ ができる。また、必要に応じて添加剤を添 し、常法により細粒剤、微細顆粒、顆粒、 剤、カプセル剤、座剤、軟膏剤、硬膏剤、 ップ剤、エアゾール剤等の剤型で使用する ともできる。好ましい剤型は、錠剤、細粒 、微細顆粒剤、顆粒剤、カプセル剤である

 医薬組成物における本発明の固体分散体 含有量は通常0.1~100重量%である。本発明の 体分散体を含む医薬組成物の投与量は薬効 分の含有量とバイオアベイラビリティーに じて適宜選択できる。

 本発明の固体分散体の製造方法は、難溶 成分及び本発明の固体分散体用基剤、すな ちポリビニルアルコール系共重合体の混合 を加熱処理し、必要に応じて加熱処理物の 態を調整(粉砕、粉末化、成形等)すること よって得ることができる。

 難溶性成分及びポリビニルアルコール系 重合体の混合物の加熱処理は、混合物全て 溶融する温度としてもよいし、両者の一部 溶融する温度としてもよいし、溶融に至ら い場合でもその特性に応じて、難溶性成分 一部又は全部が非晶質化する温度条件を選 することが出来る。該混合物における難溶 成分及びポリビニルアルコール系共重合体 平均粒子径、混合割合等は上述のとおりで る。

 加熱処理に使用される加熱手段は特に限 されるものではなく、当業者により利用可 な適宜の加熱手段手法を採用することがで 、より具体的には、乾燥器、オイルバス、 気炉等による加熱、超音波照射による加熱 二軸式混練処理による加熱、単軸及び二軸 融押出し処理(エクストルーダ)による加熱 マイクロ波照射による加熱などである。

 加熱処理物の形態を調整する手段は特に 定されるものではなく、当業者により利用 能な適宜の手段を粉砕手段、成形手段等を 用することができる。成形手段としては、 出成形(単軸押出、二軸押出、多軸押出、ホ ットメルトカレンダー法)、射出成形(例えば 二軸エクストルーダー)、圧縮成形(例えば 打錠、造粒)などが例示される。

 加熱処理による固体分散体の製造と固体 散体の形態の調整を同時に行う場合には、 熱手段を備えた加熱処理物の形態を調整す 方法を採用すればよい。

 加熱処理の温度は必ずしも加熱対象が溶 する温度は必要ではない。溶融温度よりも い加熱温度で固体分散体を製造できること 知られており、本発明においても、なるべ 低い温度で固体分散体を製造することによ て、高温で分解、劣化等が起こる難溶性成 も固体分散体とすることができる。通常、1 30~200℃、好ましくは140~190℃、より好ましく 150~180℃である。なお、超音波照射は超音波 粉体混合物に当てるものであり、超音波照 による加熱の場合、超音波照射エネルギー 通常600~2000J、好ましくは700~1800J、より好ま くは800~1300Jである。このような装置として 、テクネア・エンジニアリング社製の超音 成形機USTM/L20などを使用することができる 本装置は、難溶性成分、固体分散体用基剤 び必要に応じ添加剤の粉体混合物を本装置 備えられた臼内に充填し、この混合物に超 波を照射しつつ圧縮成形するものである。

 また、二軸押出成形機、二軸エクストル ダー等には加熱手段を備えたものがあり、 発明における加熱処理としては、超音波照 しつつ圧縮成形する手段、加熱手段を備え 二軸押出成形機、加熱手段を備えた二軸エ ストルーダーによる処理が好ましい。

 本発明によれば、難溶性成分の溶解性に 常に優れた固体分散体、該固体分散体に有 な固体分散体用基剤及び該固体分散体を含 する医薬組成物を提供することができる。

試験例1において算出されたニフェジピ ン濃度(μg/mL)(縦軸)と溶出時間(分)(横軸)を表 グラフである。 試験例2において算出されたニフェジピ ン濃度(μg/mL)(縦軸)と溶出時間(分)(横軸)を表 グラフである。 試験例3において測定された示唆走査熱 量計(DSC)のチャートを示す(NIF/POVA=1/5の超音波 処理品のDSC)。本図中、NIFはニフェジピンを 味し、POVAはPOVACOAT Type Fを意味する。 試験例4において算出されたニフェジピ ン濃度(μg/mL)(縦軸)と溶出時間(分)(横軸)を表 グラフである。 試験例5において算出されたニフェジピ ン濃度(μg/mL)(縦軸)と溶出時間(分)(横軸)を表 グラフである。 試験例6において算出されたニフェジピ ン濃度(μg/mL)(縦軸)と溶出時間(分)(横軸)を表 グラフである。 試験例7において算出されたニフェジピ ン濃度(μg/mL)(縦軸)と溶出時間(分)(横軸)を表 グラフである。

 以下、実施例、比較例及び試験例を挙げ 本発明をさらに詳細に説明するが、本発明 これらに限定されるものではない。

以下の実施例及び比較例では下記の材料、 装置、方法、条件及び手順にて、製造、試験 、測定等を行った。

<1.材料>
POVACOAT Type F;大同化成工業社のポリビニルア ルコール系共重合体(アクリル酸、メタクリ 酸メチル及びポリビニルアルコールを重合 た共重合体)
ニフェジピン(NIF);粉砕品
ポリビニルアルコール(PVA)
ポリビニルピロリドン(PVP)

<2.超音波成形条件>
装置:
 超音波製錠機;USTM-L20(Tecnea Engineering社)
装置条件:
 臼径;25mm
 空気圧;0.4MPa
 照射熱量;670J~1200J
操作手順:
1. NIF(ニフェジピン)と固体分散体用基剤を所 定の配合比になるよう量り取り、手混合によ り均一な混合粉末とする。
2. 混合粉末を1g、量り取り臼に入れる。
3. 照射熱量を設定し、装置を起動する。

<3.DSC測定条件>
装置:
 DSC6220(SIIナノテクノロジー株式会社製)
装置条件:
 昇温速度;10℃/分
 測定範囲;30~220℃
 キャリアガス;窒素、40mL/分
 パン;オープン

<4.溶出試験測定条件>
日本薬局方第二法パドル法にて測定
攪拌速度;50rpm
試験液;精製水、900mL
測定温度;37±0.5℃
試料量;NIF含量90mg相当量
測定時間;0~180分

<5.メルトインデクサー溶出試験測定条件> ;
装置:
 MELT INDEXER P101(TOYOSEIKI社)
装置条件:
 注入シリンダー径;φ9mm
 オリフィス経;φ2mm
 サンプル量;混合粉末 3g
操作手順:
1. 装置の電気炉内に備えられたシリンダー( 9mm)を所定温度に加熱する。
2. 所定温度に達したシリンダー内にサンプ 粉末を充填し、シリンダー上部に備えられ ピストンにより上部から加重する。
3. サンプル粉末が溶融され、シリンダー下 に備えられたオリフィス(φ2mm)から押し出さ る。

<実施例1~3:ポリビニルアルコール系共重合 を用いた難溶性薬物ニフェジピン製剤の超 波成形>
 以下の実施例及び比較例における超音波成 では、成形機としてテクネア・エンジニア ング社製の超音波成形機USTM/L-20を使用した この成形機は、中央部(φ25.0mm)が上下貫通し た円板状の臼、該中央部に整合した形状の下 杵と上杵、さらに該上杵上部に、該上杵を介 して該中央部に超音波照射可能に設置された 超音波発振装置を備えている。臼の中央部下 部に下杵をセットし、臼と下杵との空間に成 形材料を投入後、超音波発振装置から上杵を 介して成形材料に超音波をあてつつ下杵を空 気圧により上方に押し上げることによって成 形するものである。

 ニフェジピンは抗高血圧薬であり、その物 は、黄色の結晶性粉末、融点172~175℃、水溶 解度7~8μg/mL(難溶性)である。また、結晶のニ ェジピンは示差走査熱量計(DSC)による測定 は174℃付近に融解ピークが確認される。
このニフェジピンを、固体分散体用基剤とし てポリビニルアルコール系粉体を使用し超音 波成形機で成形した。
固体分散体用基剤としてはPOVACOAT TypeF(大同 成工業社製;平均分子量約40,000;平均粒子径125 μm;以下、POVAと称することがある)を使用した 。

 ニフェジピンにその5重量倍の固体分散体用 基剤を混合して、混合物の1gを成形材料とし これを超音波成形機に供して、25mm径の錠剤 (厚さ;約1mm)を成形した。一錠(1g)あたりのニ ェジピン含有量は167mgである。
下杵の押し上げ圧は0.4MPaとし、超音波の照射 エネルギーは、670J(実施例1)、1000J(実施例2)及 び1200J(実施例3)とした。

<比較例1:乳糖とニフェジピン混合物への超 音波成形>
固体分散体用基剤としてニフェジピンと同重 量の乳糖を使用した以外は実施例2と同様に て超音波成形を行った。なお、超音波照射 ネルギー量は1000Jである。しかし、超音波照 射によって得られた物は非常に脆いため成形 されず、粉末状であった。

<比較例2:PVAを用いたニフェジピン製剤の超 音波成形>
固体分散体用基剤をポリビニルアルコール(PV A)とした以外は実施例2と同様にして超音波成 形を行いニフェジピン製剤を製造した。なお 、超音波照射エネルギー量は1000Jである。

<比較例3:PVPを用いたニフェジピン製剤の超 音波成形>
固体分散体用基剤をポリビニルピロリドン(PV P)とした以外は実施例2と同様にして超音波成 形を行いニフェジピン製剤を製造した。なお 、超音波照射エネルギー量は1000Jである。

<試験例1:有効成分ニフェジピンの水への溶 出試験1>
実施例1~3にて成形した錠剤をコーヒーミルを 用いて粉砕し、得られた粉砕物を試料とし、 水中における有効成分ニフェジピンの溶出性 を試験した。また、比較例1にて得られた粉 をそのまま試料とし、同様にしてニフェジ ンの溶出性を試験した。
溶解試験は日本薬局方における一般試験法の 「溶出試験法」に準じて行った。溶出試験法 は、固形製剤からの主成分の溶出を試験する 方法であり、本試験法その概要は次のとおり である。溶出試験法の第1法(回転バスケット )を採用した。実施例1~3にて成形された錠剤 及び比較例1にて得られた粉末のニフェジピ 含有量90mgに相当する量を試料とし、この試 と精製水900mLを使用した。所定時間(0,5,10,15, 20,30,60,120,180分)毎に試験液を採取し、0.45μmの フィルターでろ過し、ろ液を分光光度計に供 し、235nmの吸光度を測定し、ニフェジピン濃 (μg/mL)を算出した。結果を図1に示す。
180分の時点で、実施例1の試料は比較例1の試 の約2.5倍のニフェジピン溶出性を示した。 施例2及び3の試料は比較例1の試料の約4.4~4.5 倍のニフェジピン溶出性を示した。実施例1~3 の試料は有効成分溶出性の点でバイオアベイ ラビリティーに優れたものであった。なお、 比較例1の試料の示した溶出性能は、乳糖と フェジピンとを重量比1:1で物理的に混合し 混合物(加熱等の化学変化を生じる他の処理 加えていない混合物)の溶出性能(7~8μg/mL)と 程度であった。

<試験例2:有効成分ニフェジピンの水への溶 出試験2>
実施例2及び比較例2,3にて成形された錠剤と 較例1にて得られた粉末の水中における有効 分ニフェジピンの溶出性を試験例1と同様に して試験した。なお、実施例2及び比較例1~3 は成形時の超音波照射エネルギーは全て1000J である。結果を図2に示す。
180分の時点で、比較例2(PVA)及び3(PVP)の試料は 比較例1(乳糖)の試料の約2.7倍のニフェジピン 溶出性を示し、実施例2(POVA)の試料は約4.5倍 ニフェジピン溶出性を示した。実施例2の試 は有効成分溶出性の点でバイオアベイラビ ティーに優れたものであった。

<試験例3:ニフェジピンの結晶性の確認>
試験例1及び2にて示されたニフェジピンの溶 性は、ニフェジピンが非晶質化することに って溶出しやすくなっている可能性がある 考えられたことから、これを確認するため 示差走査熱量計(DSC)にてニフェジピンの融 温度を確認した。なお、ニフェジピン結晶 融解ピークは174℃付近に現れる。
確認に供されたサンプル(10mg)は実施例1~3にて 成形された錠剤と比較例1にて得られた粉末 した。測定結果を図3に示す。
実施例1のサンプル(POVA;670J)では174℃付近にご く弱いピークが確認され、実施例2及び3のサ プル(POVA;1000J及び1200J)では174℃付近にピー が確認されなかった。このため、実施例1の ンプルにおいてはニフェジピンの大部分が 実施例2及び3のサンプルにおいてはニフェ ピンの全てが非晶質化していることが示唆 れた。
一方、比較例1のサンプル(乳糖)では174℃付近 にニフェジピン結晶に特有の融解ピークが確 認されたため、ニフェジピンは結晶であるこ とが示唆された。

<実施例4~5:固体分散体用基剤配合量を変更 たニフェジピン製剤の超音波成形>
固体分散体用基剤の使用量をニフェジピンの 3重量倍(実施例4)、7重量倍(実施例5)とした以 は実施例2(5重量倍;1000J)と同様にして超音波 成形を行いニフェジピン製剤を製造した。な お、超音波照射エネルギー量は1000Jである。

<試験例4:有効成分ニフェジピンの水への溶 出試験3>
実施例2,4,5にて成形された錠剤と比較例1にて 得られた粉末の水中における有効成分ニフェ ジピンの溶出性を試験例1と同様にして試験 た。なお、実施例2,4,5及び比較例1では成形 の超音波照射エネルギーは全て1000Jである。 結果を図4に示す。
180分の時点で、実施例4(賦形剤が有効成分の3 重量倍)の試料は比較例1の試料の約3.4倍のニ ェジピン溶出性を示した。実施例5の試料は 比較例1の試料の約4.8倍のニフェジピン溶出 を示した。固体分散体用基剤であるPOVAの配 量を増やすにつれてニフェジピン溶出性が 上することが示された。

<実施例6:POVAを用いたニフェジピン製剤の 音波成形>
HPC-SL;2.5重量部、グリセリン;1重量部、L-HPC;2 量部、ニフェジピン1重量部、固体分散体用 剤としてのPOVA;2.5重量部を混合した混合物 成形材料とした以外は実施例2と同様にして 音波成形を行いニフェジピン製剤を製造し 。なお、超音波照射エネルギー量は1000Jで る。

<試験例5:有効成分ニフェジピンの水への溶 出試験4>
実施例6、実施例2にて成形された錠剤と比較 1にて得られた粉末の水中における有効成分 ニフェジピンの溶出性を試験した。結果を図 5に示す。
180分の時点で、実施例6の試料(賦形剤が有効 分の2.5重量倍で他の添加成分を含む)は比較 例1に対して約4.2倍のニフェジピン溶出性を した。

<実施例7~9:POVAを用いた溶融押出による固体 分散体の調製>
 MELT INDEXER P101(TOYOSEIKI社)を使用し、固体分 体を調製した。
先ず、POVA(8g)及びグリセリン(2g)を混合し、次 いでニフェジピン(2g)を添加してよく混合し サンプル粉末とした。このサンプル粉末の3g を量り取り、これを装置に備えられた160℃に 加熱されたシリンダー(φ9mm)内に充填した後 シリンダー上部のピ
ストンに加重(2160g)し、溶融したサンプルを リンダー下部のオリフィス(φ2mm)から押し出 、溶融押出成形により紐状の固体分散体を 造した。(実施例7)
また、シリンダー加熱温度を170℃(実施例8)と 代えた以外は同様にして溶融押出成形により 固体分散体を製造した。
さらに、シリンダー加熱温度を190℃(実施例9) と代えて同様にして製造しようとすると、216 0gの加重が大きすぎたため、1325gの加重で押 成形し、固体分散体を製造した。

<試験例6:有効成分ニフェジピンの水への溶 出試験5>
実施例7~9にて成形された固体分散体及び比較 例1にて得られた粉末の水中における有効成 ニフェジピンの溶出性を試験例1と同様にし 試験した。結果を図6に示す。
180分の時点で、実施例7(160℃)の試料は比較例 1の試料の約3.4倍のニフェジピン溶出性を示 た。実施例8(170℃)及び実施例9(190℃)の試料 、ともに、比較例1の試料の約4.1倍のニフェ ピン溶出性を示した。溶融押出成形により 造された本発明の固体分散体もニフェジピ 溶出性に優れることが示された。

<比較例5:PVAを用いた溶融押出による固体分 散体の調製>
 POVAをPVAに代えた以外は実施例8(170℃)と同様 にして溶融押出成形により固体分散体を製造 した。

<比較例6:PVPを用いた溶融押出による固体分 散体の調製>
 POVAをPVPに代えた以外は実施例8(170℃)と同様 にして溶融押出成形により固体分散体を製造 した。

<試験例7:有効成分ニフェジピンの水への溶 出試験6>
実施例8,比較例5~6にて成形された固体分散体 び比較例1にて得られた粉末の水中における 有効成分ニフェジピンの溶出性を試験例1と 様にして試験した。結果を図7に示す。
180分の時点で、実施例8(170℃)の試料は比較例 1の試料の約4.1倍のニフェジピン溶出性を示 た。一方、比較例5(PVA,170℃)の試料及び比較 6(PVP,170℃)の試料は、各々、比較例1の試料 約2.6倍及び約1.9倍のニフェジピン溶出性に ぎなかった。

 本発明は難溶性成分の非晶質化、溶解性 上に関する技術において利用できる。