SHOJI TOSHIHIKO (JP)
KANDA TOMOMASA (JP)
ZHAO PING (JP)
SHOJI TOSHIHIKO (JP)
KANDA TOMOMASA (JP)
WO2006032572A1 | 2006-03-30 | |||
WO2003024951A1 | 2003-03-27 |
JP2006328025A | 2006-12-07 |
下記式(1)で表されるフラバノール化合物。 |
リンゴ果実由来のプロシアニジン2量体画分と、アセチルシステイン及びその塩からなる群より選ばれる求核剤とを反応させることを含む、請求項1記載のフラバノール化合物の製造方法。 |
リンゴ果実由来のプロシアニジン2量体画分と求核剤との反応を70℃で行う、請求項2記載の製造方法。 |
本発明は、抗酸化活性を有し、医薬品、 粧品、健康食品、食品添加物などとして利 することができる新規フラバノール化合物 関するものである。
抗酸化化合物としては、例えばビタミン- C(アスコルビン酸)などの水溶性抗酸化化合物 、ビタミン-E(α-トコフェロール)などの脂溶 抗酸化化合物が知られているが、ポリフェ ールの中でも幅広い植物に含まれるプロア トシアニジン(PA)の機能性が健康食品分野に いて近年関心を集めている。PAは、フラバ ユニットから構成され、酸性条件下分解し フラバンユニットの4位にカルボカチオンが 成するという化学的性質を持っており、ト エン-α-チオール、フロログルシノールなど の求核剤を共存させると、それらがカチオン をトラップしてフラバンユニットとの結合物 質が生成することが知られている。
本発明は、医薬品、化粧品、健康食品、 品添加物などとして利用することができる 新規化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、リンゴ未熟果実由来のプロ
アニジン2量体画分とSH基を有するアミノ酸
あるアセチルシステインを求核剤として反
させ、新規フラバノール類化合物として4β-
(N-アセチル-S-L-システイニル)-(-)-エピカテキ
(NAC-EPC)を単離し、この化合物がビタミンCを
上回る強い抗酸化活性を有することを見いだ
し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される
ラバノール化合物を提供する。
本発明により、抗酸化作用を有する新規フ
バノール化合物を提供することができる。
この新規フラバノール化合物は、抗酸化作用
を有するので、生体内に生成した活性酸素や
過酸化脂質によって引き起こされる障害を抑
制する能力を有し、健康上の障害、美容上の
障害の予防、治療に有効であり、医薬品、飲
食品、化粧品などに応用、加工ができる。
上記式(1)で表されるフラバノール化合物は
例えばプロシアニジン2量体と、アセチルシ
ステイン及びその塩からなる群より選ばれる
求核剤とを反応させることによって製造する
ことができる。ここで用いるプロシアジンは
、2量体以外にも3~15量体のいずれか、あるい
混合体であってもよい。
プロシアニジン2量体は、例えばリンゴ果実
由来のプロシアニジン2量体画分であっても
く、好ましくはリンゴ未熟果実由来のプロ
アニジン2量体画分である。ここで、「リン
未熟果実」とは、リンゴの果実が成熟する
に人為的に摘果したもの、あるいは落下な
により自然にリンゴ果樹より脱落したもの
いう。
プロシアニジン2量体と、アセチルシステイ
ン及びその塩からなる群より選ばれる求核剤
との反応は、好ましくは酸性条件下で行う。
用いる酸としては、有機酸又は無機酸のいず
れであってもよい。有機酸としては、酢酸、
クエン酸、アスコルビン酸、蓚酸、リンゴ酸
、ギ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、エリソル
ビン酸などが挙げられる。好ましくは、アス
コルビン酸である。無機酸としては、塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。好ま
しくは、塩酸である。これらの酸は、単独で
、又は2種以上混合して用いてもよい。
プロシアニジン2量体と、アセチルシステイ
ン及びその塩からなる群より選ばれる求核剤
との反応は、好ましくは20~95℃、より好まし
は50~90℃、最も好ましくは70℃である。
プロシアニジン2量体と、アセチルシステイ
ン及びその塩からなる群より選ばれる求核剤
との反応に用いられる溶媒としては、好まし
くは水、メタノール、エタノールなどが用い
られる。医薬品、化粧品、健康食品、食品添
加物などに使用することを考えると、溶媒は
、好ましくは水、エタノールである。これら
の溶媒は、単独で、又は2種以上混合して用
てもよい。
前記反応後、残渣を濾別して、濾液を濃縮
たあと常法により精製する。濃縮液の精製
、濃縮液を膜処理(限外濾過や逆浸透など)
は吸着剤処理などにより行うことができる
吸着剤としては、メタクリル酸吸着剤、ポ
アクリルアミドゲル、スチレン-ジビニルベ
ゼン吸着剤、修飾デキストランゲル、親水
ビニルポリマー、逆相シリカゲル、イオン
換樹脂などが挙げられる。これらの吸着剤
用いる場合、本発明の新規フラバノール化
物は、吸着剤に吸着する画分に含まれる。
の画分をメタノールなどのアルコール又は
水アルコール、アセトンなどで溶出させる
とにより、本発明の新規フラバノール化合
を得ることができる。
以下、NAC-EPCの製造方法の例を記載する。こ
れらの実施例は本発明を詳細に説明する目的
で特に好ましい様態を示したものであるが、
本発明はこれらに制限されるものではない。
(実施例1)
リンゴ未熟果実由来のポリフェノールより
られたプロシアニジン2量体画分2.8g、アセ
ルシステイン(還元型)(和光純薬工業(株)製)56
g、アスコルビン酸(和光純薬工業(株)製)0.5g、
1%塩酸300mlを混合し、70℃で1時間反応させた
この反応液を冷水で冷却した後Sephadex LH-20(
ァルマシア(株)製)を充填したカラム(容量約
200ml)に負荷し、非吸着物質を水200mlで洗浄し
後、40%メタノール300mlずつで溶出する画分
それぞれ回収し、ロータリーエバポレータ
を用いて減圧濃縮し、凍結乾燥して褐色粉
の画分1(収量2.48g)を得た。画分1をさらに下
の条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
供し、類白色粉末として下記式のNAC-EPC(収量
0.95g)を分取精製した。
HPLC条件:
装置:Hitachi HPLCシステム(Hitachi Ltd., Tokyo, Jap
an)
カラム:Inertsil ODS-3(φ20×250mm、GL Sciences Inc.,
Tokyo, Japan)
カラム温度:40℃;流速:12ml/min;注入量:50~100mg/ml
タノール;UV検出:280nm
移動相:18%メタノール
(実施例2 DPPHラジカル消去活性)
新規フラバノール化合物であるNAC-EPCのDPPH(1
,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル)ラジカ
消去活性を測定した。すなわち、96穴ウェル
プレート中でサンプルの希釈系列を調製し(1
ェル100μL)、750μMのDPPHのエタノール溶液100μ
Lを加え、暗黒条件下、室温で30分間インキュ
ベーションした後にプレートリーダーを用い
て517nmでの吸光度を測定した。吸光度を半減
せる供試物質の最終濃度(IC 50
)を求め、これを抗酸化活性の指標とした。
照化合物として、ビタミンC(Vc)を用いた。結
果を図1に示す。
図1の結果から、本発明の新規フラバノール
化合物の活性(IC 50
(mM))は、Vcに比べて非常に強いものであった
Next Patent: SUBSTRATE BONDING METHOD, MICROCHIP MANUFACTURING METHOD AND MICROCHIP