CHOWDHURY ALAM FIROZ (JP)
KAZAMA SHINGO (JP)
FUJIOKA YUICHI (JP)
KAI TERUHIKO (JP)
CHOWDHURY ALAM FIROZ (JP)
KAZAMA SHINGO (JP)
FUJIOKA YUICHI (JP)
JP2005270817A | 2005-10-06 | |||
JPH1099664A | 1998-04-21 | |||
JP2006326555A | 2006-12-07 | |||
JPH08243364A | 1996-09-24 | |||
JPH0760078A | 1995-03-07 |
カルド型ポリイミドを原料とするカーボン膜にアルカリ金属、アルカリ土類金属および/またはアミン化合物を担持させてなることを特徴とするガス分離膜。 |
前記カーボン膜の表面および/または内部にアルカリ金属、アルカリ土類金属および/またはアミン化合物を担持させてなる請求の範囲1に記載のガス分離膜。 |
前記カーボン膜が多孔性支持膜の一方の表面に積層されている請求の範囲1または2に記載のガス分離膜。 |
多孔性支持膜が管状である請求の範囲3に記載のガス分離膜。 |
多孔性支持膜がアルミナ多孔膜である請求の範囲3または4に記載のガス分離膜。 |
前記カーボン膜が非対称膜である請求の範囲1~5のいずれかに記載のガス分離膜。 |
アルカリ金属がリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムであり、アルカリ土類金属がカルシウム、ストロンチウムまたはバリウムである請求の範囲1~6のいずれかに記載のガス分離膜。 |
アミン化合物が脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物またはアミノ酸である請求の範囲1~7のいずれかに記載のガス分離膜。 |
膜温度40℃、バブラー温度40℃、供給ガス組成CO 2
/N 2
(5/95vol%)で差圧法(供給側大気圧、透過側減圧)にて測定して得られる分離係数α(P CO2
/P N2
)が式1 |
膜温度40℃、バブラー温度40℃、供給ガス組成CO 2
/N 2
(5/95vol%)で差圧法(供給側大気圧、透過側減圧)にて測定して得られるCO 2
パーミアンス(Q CO2
)が式2 |
カルド型ポリイミド溶液のディップコーティングにより多孔性支持膜の外表面上にコーティング層を形成させたのち、嫌気性雰囲気下に加熱してコーティング層を炭化してカーボン膜を形成させ、ついでアルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の塩および/またはアミン化合物を含有した溶液に浸漬したのち乾燥して前記カーボン膜に前記アルカリ金属、アルカリ土類金属および/またはアミン化合物を担持させることを特徴とするガス分離膜の製造方法。 |
カルド型ポリイミドとアルカリ金属の塩および/またはアルカリ土類金属の塩を含有する溶液のディップコーティングにより多孔性支持膜の外表面上にコーティング層を形成させたのち、嫌気性雰囲気下に加熱してコーティング層を炭化してカーボン膜を形成させると同時に前記カーボン膜に前記アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を担持させることを特徴とするガス分離膜の製造方法。 |
請求の範囲1~10のいずれかに記載のガス分離膜を用いて、CO 2 を含む混合ガスからCO 2 を分離する方法。 |
本発明は新規ガス分離膜およびその製造 法ならびにそれを用いるガス処理方法に関 、さらに詳しくは、二酸化炭素と他の気体 特に窒素を分離するためのガス分離膜とし 有用なアルカリ金属、アルカリ土類金属お び/またはアミン化合物担持カーボン膜、そ の製造方法およびそれを用いるガス処理方法 に関する。
地球温暖化対策技術として、化石燃料の燃 で排出される二酸化炭素(CO 2 )を分離回収して地中に貯蔵する技術が注目 れている。また、CO 2 の分離コストを大幅に削減する方策として、 膜分離技術に大きな期待が集まっている。さ らに、CO 2 分離回収型の石炭ガス化複合発電(IGCC)プロセ スにおいては、CO 2 とH 2 の高能率な分離膜が必要となる。このように CO 2 を高選択的にN 2 やH 2 などから分離する膜の開発が急務である。
無機膜の一つであるカーボン膜は、その素 に特有の気体透過性があるため、CO 2 /N 2 ガス分離性能を示すことが報告されている。 しかしながら、この分離性能は必ずしも満足 しうるものではなかった。
また、一般にカーボン膜は気体分離能を するものの、水分を含んだ雰囲気下ではガ 分離性能が低下することが知られている(非 特許文献1)。
したがって、水分を含んだ雰囲気下でも優 たCO 2 /N 2 ガス分離性能を示す分離膜の開発が望まれて いる。
一方、ポリビニルアルコール-アクリル酸 共重合体(PVA-PAA)膜にジアミノプロピオン酸お よびセシウムを担持させた分離膜も知られて いる(非特許文献2)。しかしながら、このよう な分離膜は湿度の変化に対して不安定である という難点がある。
本発明の目的は、水分を含んだ雰囲気下で 優れたCO 2 /N 2 ガス分離性能を示す新規分離膜を提供するも のである。
本発明者らは、上記課題を解決するため、
意研究を重ねた結果、カルド型ポリイミド
原料とするカーボン膜にアルカリ金属、ア
カリ土類金属および/またはアミン化合物を
担持させることにより、水分を含んだ雰囲気
下でも優れたCO 2
/N 2
ガス分離性能を示す分離膜が得られることを
見出し、さらに研究を重ねて本発明を完成す
るに至った。
すなわち、本発明は、
[1] カルド型ポリイミドを原料とするカーボ
膜にアルカリ金属、アルカリ土類金属およ
/またはアミン化合物を担持させてなること
を特徴とするガス分離膜、
[2] 前記カーボン膜の表面および/または内部
にアルカリ金属、アルカリ土類金属および/
たはアミン化合物を担持させてなる前記[1]
記載のガス分離膜、
[3] 前記カーボン膜が多孔性支持膜の一方の
面に積層されている前記[1]または[2]に記載
ガス分離膜、
[4] 多孔性支持膜が管状である前記[3]に記載
ガス分離膜、
[5] 多孔性支持膜がアルミナ多孔膜である前
[3]または[4]に記載のガス分離膜、
[6] 前記カーボン膜が非対称膜である前記[1]~
[5]のいずれかに記載のガス分離膜、
[7] アルカリ金属がリチウム、ナトリウム、
リウム、ルビジウムまたはセシウムであり
アルカリ土類金属がカルシウム、ストロン
ウムまたはバリウムである前記[1]~[6]のいず
れかに記載のガス分離膜、
[8] アミン化合物が脂肪族アミン化合物、芳
族アミン化合物またはアミノ酸である前記[
1]~[7]のいずれかに記載のガス分離膜、
[9] 膜温度40℃、バブラー温度40℃、供給ガス
組成CO 2
/N 2
(5/95vol%)で差圧法(供給側大気圧、透過側減圧)
にて測定して得られる分離係数α(P CO2
/P N2
)が式1
[10] 膜温度40℃、バブラー温度40℃、供給ガ
組成CO 2
/N 2
(5/95vol%)で差圧法(供給側大気圧、透過側減圧)
にて測定して得られるCO 2
パーミアンス(Q CO2
)が式2
[11] カルド型ポリイミド溶液のディップコー
ティングにより多孔性支持膜の外表面上にコ
ーティング層を形成させたのち、嫌気性雰囲
気下に加熱してコーティング層を炭化してカ
ーボン膜を形成させ、ついでアルカリ金属の
塩、アルカリ土類金属の塩および/またはア
ン化合物を含有した溶液に浸漬したのち乾
して前記カーボン膜に前記アルカリ金属、
ルカリ土類金属および/またはアミン化合物
担持させることを特徴とするガス分離膜の
造方法、
[12] カルド型ポリイミドとアルカリ金属の塩
および/またはアルカリ土類金属の塩を含有
る溶液のディップコーティングにより多孔
支持膜の外表面上にコーティング層を形成
せたのち、嫌気性雰囲気下に加熱してコー
ィング層を炭化してカーボン膜を形成させ
と同時に前記カーボン膜に前記アルカリ金
および/またはアルカリ土類金属を担持させ
ことを特徴とするガス分離膜の製造方法、
よび
[13] 前記[1]~[10]のいずれかに記載のガス分離
を用いて、CO 2
を含む混合ガスからCO 2
を分離する方法、
に関する。
本発明のガス分離膜は、水分含有雰囲気下 も顕著に優れたガス分離能力を示すため、 ガス分離膜にCO 2 とその他の気体との混合ガスを接触させるこ とにより効率よくCO 2 を他の気体と分離することができる。
本発明のガス分離膜は、カルド型ポリイ ドを原料とするカーボン膜にアルカリ金属 アルカリ土類金属および/またはアミン化合 物を担持させてなることを特徴とする。
カルド型ポリイミド
本発明に係るカーボン膜はカルド型ポリイ
ドを原料として製造される。ここでカルド
ポリイミドとは、フルオレン骨格を持つポ
イミドの総称であり、例えば、特開平10-9966
4号公報に記載されている一般式[I]
で示されるポリイミド構造単位を有するカル
ド型ポリイミドが挙げられる。
かかるカルド型ポリイミドは、例えば特 平5-192552号公報に記載の方法に従って、ジ ミン類とテトラカルボン酸二無水物とを反 させることにより得られる。
一般式(1)で示される化合物中のY部分の原 料となるテトラカルボン酸二無水物としては 、例えば例えば無水ピロメリット酸、3,3’,4, 4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水 、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルフォ 二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニ )-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水 、3,3’ ,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸 無水物、3,3’,4’4-ジフェニルエーテルテト ラカルボン酸二無水物等や、これらの混合物 が挙げられる。
これらのうち、好ましいテトラカルボン酸
無水物としては、例えば、下記構造式で示
れる化合物が挙げられる。
上記一般式(I)において、X部分の原料として
は、下記一般式(A-1)
で示されるジアミン類があげられる。このジ
アミン類は単独で使用してもよく、あるいは
このフルオレン骨格を有するジアミン類とそ
の他のジアミン類を併用して使用してもよい
。
このフルオレン骨格を有するジアミン類 しては、例えはビスアニリンフルオレン類 用いられ、具体的には9,9-ビス(4-アミノフェ ニル)フルオレン、9,9-ビス(3-メチル-4-アミノ ェニル)フルオレン、9,9-ビス(3,5-ジメチル-4- アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(3-エチ -4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(3,5- ジエチル-4-アミノフェニル)フルオレン、9,9- ス(3-ブロモ-4-アミノフェニル)フルオレン、 9,9-ビス(3,5-ジブロモ-4-アミノフェニル)フル レン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン -4-カルボン酸、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フ オレン-4-カルボン酸メチル等や、これらの 合物が挙げられる。
また、その他のジアミン類としては、例 ば2,7-ジアミノフルオレン、ナフタレンジア ミン、2,8-ジアミノジベンゾフラン、4,4’-ジ ミノビフェニル、4,4’-ジアミノジフェニル エーテル等の芳香族ジアミン類や、ヘキサメ チレンジアミン、イソプロピルジアミン等の 脂肪族ジアミン類や、ジアミノエチレングリ コール、ジアミノプロピレングリコール等の ジアミノアルキレングリコール類や、ジアミ ノポリエチレングリコール、ジアミノポリプ ロピレングリコール等のジアミノポリアルキ レングリコール類が挙げられる。
なお、一般式(I)において、フルオレン骨 を有するジアミン類とその他のジアミン類 の成分重量比は前者が両者の合計量に対し 10%以上が望ましい。10%より小さいと、前駆 のカルド型ポリマーについて優れた溶剤可 性、熱的安定性が得られない。
上記で得られるカルド型ポリイミドの具体
を一部例示すると、下記構造式のものが挙
られる。
また、フルオレン骨格を有するジアミン類
それ以外のジアミン類(例えば、ヘキサメチ
レンジアミン、ポリ(オキシエチレン)ジプロ
ルアミン 10,000など)を併用して得られるカ
ド型ポリイミドの具体例を挙げると、下記
造式のものが挙げられる。
カーボン膜の形成
上記のカルド型ポリイミドを含有する溶液
ディップコーティングにより多孔性支持膜
外表面にコーティング層を形成させる。こ
で前記カルド型ポリイミドはカーボンに炭
する前の材料であり、本明細書では前駆体
もいう。この前駆体を含有する溶液には、
要により、カーボン膜の特性を向上させる
的で、さらにポリエチレングリコール(PEG)
ポリプロピレングリコール(PPG)等を添加して
もよい。また、後記の担持法1を採用する場
には、前記溶液にアルカリ金属の塩やアル
リ土類金属の塩を加えておく。前記溶液の
媒としては、特に種類を限定しないが、例
ば1-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセ
ミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)等を
げられる。
コーティング層は均質膜、非対称膜、複合
の膜構造を取ることができ、また形状とし
は、平膜、中空糸膜、管状膜などがあり、
的に応じて適宜の膜構造と膜形状を有する
ーティング層を形成することができる。
多孔性支持膜の外表面に形成されたコー ィング層を嫌気性雰囲気下で加熱処理する とにより該前駆体中のカルド型ポリイミド 炭化してカーボン膜が形成される。ここで 気性雰囲気は、窒素、ヘリウム、アルゴン どの酸素を含まない不活性ガスを加熱容器 に充満させるか、または流通させるか、あ いは加熱容器内を減圧にすることにより形 させることができる。カーボン膜前駆体を 熱して炭化させる際の温度(炭化温度)は、 ルド型ポリイミドを含む前駆体の種類にも るが、通常300~2000℃、好ましくは500~1500℃、 に好ましくは、500~900℃である。300℃未満で は炭化が十分に進まず、優れた分離性能を得 ることが困難になり、反対に、2000℃を超え 高温では、カルド型ポリイミドを含む前駆 の分解が多くなり、カーボン膜の収率が低 して、良好なカーボン膜を得ることが出来 い。炭化時間は炭化温度、カルド型ポリイ ドを含む前駆体の種類や量等にもよるが、 常10分から24時間である。かくして、多孔性 持膜の外表面にカーボン膜が形成される。
アルカリ金属、アルカリ土類金属
および/またはアミン化合物の担持
ついで、上記で形成されたカーボン膜にア
カリ金属、アルカリ土類金属および/または
アミン化合物を担持させる。担持方法として
は、カーボン膜の表面および/または内部に
記アルカリ金属、アルカリ土類金属および/
たはアミン化合物を均一にかつ安定に保持
せる方法であれば特に限定されないが、以
の方法を好適に採用することができる。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属は それらの炭酸塩や重炭酸塩の形で用いられ 具体的には、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ 、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セ ウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸カル ウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム のアルカリ土類金属炭酸塩が挙げられる。
また、アミン化合物としては、例えばメタ
ールアミン、モノエタノールアミン、ジエ
ノールアミン、トリエタノールアミン、3-
メチルアミノプロピルアミンなどの脂肪族
ミン化合物、アニリン、メチルアニリン、
メチルアニリン、ベンジルアミンなどの芳
族アミン化合物、2,3-ジアミノプロピオン酸
グリシンなどのアミノ酸等が挙げられる。
上記のようなアルカリ金属、アルカリ土類
属およびアミン化合物はそれぞれ単独であ
いは2種以上を併用して用いてもよい。
カーボン膜にアルカリ金属、アルカリ土 金属および/またはアミン化合物を担持させ る方法としては、アルカリ金属および/また アルカリ土類金属を前駆体中に混合して炭 する方法(担持法1)とカーボン膜を作製後に ルカリ金属、アルカリ土類金属および/また アミン化合物を担持させる方法(担持法2)が る。
担持法1:
1つ目の担持方法は、アルカリ金属および/
たはアルカリ土類金属を前駆体に加えた後
炭化する方法である。アルカリ金属および/
たはアルカリ土類金属はその炭酸塩や重炭
塩の形態で前駆体溶液に加えられる。
アルカリ金属および/またはアルカリ土類 金属を前駆体に加える方法には、適当な溶媒 にカルド型ポリイミド等とアルカリ金属の塩 および/またはアルカリ土類金属の塩を溶解 混合させる方法がある。その溶媒としては 前駆体を構成する化合物を溶解するもので れば、特に種類を限定しないが、例えば1-メ チル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセタミド( DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)等を挙げら る。
また、前駆体を構成する化合物の溶解性 向上させる目的で、第3成分として水、メタ ノール、エタノール、1-プロパノール、2-プ パノール等を添加することが可能である。
上記方法を用いてアルカリ金属および/ま たはアルカリ土類金属を前駆体に加える過程 で沈殿を生じた場合、上澄み液をコーティン グ液として使用することが可能である。
担持法2:
2つ目の担持方法は、カーボン膜を作製後に
アルカリ金属、アルカリ土類金属および/ま
はアミン化合物を担持する方法であり、ア
カリ金属、アルカリ土類金属アルカリ金属
よびアミン化合物のうち一つまたは二つ以
を担持させることができる。
この方法によりアルカリ金属、アルカリ 類金属および/またはアミン化合物をカーボ ン膜に担持させるには、アルカリ金属の塩、 アルカリ土類金属の塩および/またはアミン 合物を含む処理溶液中にカーボン膜を浸漬 せることにより行うことができる。この処 液中のアルカリ金属、アルカリ土類金属お び/またはアミン化合物の濃度は、飽和濃度 下であれば良い。処理液の溶媒としては、 ルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の塩お び/またはアミン化合物を溶解するものであ れば、特に種類を限定しないが、例えば水、 メタノール水溶液、エタノール水溶液等が挙 げられる。浸漬する際の処理温度は特に限定 されないが、10~60℃が好ましい。また、浸漬 間は0.1~48時間が好ましい。
かくして得られるガス分離膜は、膜温度40
、バブラー温度40℃、供給ガス組成CO 2
/N 2
(5/95vol%)で差圧法(供給側大気圧、透過側減圧)
にて測定して得られる分離係数α(P CO2
/P N2
)が式(1):
CO 2 分離方法
本発明の他の一つは、上記で得られたガス
離膜を用いて、二酸化炭素(CO 2
)を含む混合ガスから、CO 2
を分離する方法である。すなわち、本発明の
ガス分離方法は、CO 2
を含む混合ガスを上記で得られたガス分離膜
に接触させて該混合ガス中のCO 2
を選択的に透過させる工程を含むことを特徴
とする。
当該ガス分離方法は、分離膜のガス供給 とガス透過側との間に圧力差を設けておく 要がある。この圧力差は、ガス透過側を減 にするか、供給側を加圧にするか、この双 を併用することにより設けられる。また、 分離方法の使用温度は、分離膜がその温度 耐え、また、供給ガス、透過ガス中の水蒸 が氷結しない条件であれば好ましく用いる とができる。より好ましくは25~180℃、更に ましくは25~150℃の温度条件下で実施するの 望ましい。
本発明の分離方法に適用できる混合ガスは CO 2 を含む混合ガスであれば特に制限されないが 、CO 2 と他のガスとの分離性能を向上させるために は、混合ガスの相対湿度を30%以上、好ましく は60~100%、さらに好ましくは80~100%に調製して くのが好ましい。
上記ガス分離方法は、例えば、火力発電所 鉄鋼プラントなどで発生する燃焼排ガスか CO 2 を分離するのに適用することができる。
以下に合成例、実施例、試験例をあげて 発明を説明するが、本発明はこれら合成例 実施例、試験例に制限されるものではない なお、合成例および実施例において、“PI-c o-PEG10000”は、ビスアミノフェニルフルオレ 、ポリ(オキシエチレン)ジプロピルアミン10, 000、ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水 から合成されるカルド型ポリイミドの略称 あり、“PI-BTCOOMe”はビスアニリン-フルオレ ン-4-カルボン酸メチルエステルとベンゾフェ ノンテトラカルボン酸2無水物とから合成さ るカルド型ポリイミドの略称である。
[合成例1]
(PI-co-PEG10000の合成)
窒素気流下、セパラブルフラスコ中にて、
アミンとしてビスアミノフェニルフルオレ
(すなわち、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フル
レン)4.8g及びポリ(オキシエチレン)ジプロピ
ルアミン10,000(平均分子量1万)8.5gと、酸無水
としてベンゾフェノンテトラカルボン酸2無
物(すなわち、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテ
ラカルボン酸二無水物)4.7gを、溶媒1-メチル
-2-ピロリドン(NMP)に溶解させ、その後溶液温
を180℃に保持し、生成する水を除去しなが
重合した。得られた溶液を大量のメタノー
中に滴下して、沈殿、濾別、乾燥して、カ
ド型ポリイミド樹脂を得た。得られたカル
型ポリイミド樹脂PI-co-PEG10000の構造式を次
示す。
[合成例2]
(PI-BTCOOMeの合成)
窒素気流下、セパラブルフラスコ中にて、
アミンとしてビスアニリン-フルオレン-4-カ
ルボン酸メチルエステル(すなわち、9,9-ビス(
4-アミノフェニル)フルオレン-4-カルボン酸メ
チル)と、酸無水物としてベンゾフェノンテ
ラカルボン酸2無水物(すなわち、3,3’,4,4’-
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物)を
、溶媒NMPに溶解させ、その後溶液温度を180℃
に保持し、生成する水を除去しながら重合し
た。得られた溶液を大量のメタノール中に滴
下して、沈殿、濾別、乾燥して、カルド型ポ
リイミド樹脂を得た。得られたカルド型ポリ
イミド樹脂PI-BTCOOMeの構造式を次に示す。
[実施例1]
合成例1で合成したPI-co-PEG10000を5重量パーセ
ント含むNMP溶液を調製した。この前駆体溶液
(5wt%PI-co-PEG10000/NMP)36gをビーカー中で撹拌しな
がらパスツールピペットを使用して1N K 2
CO 3
水溶液(和光純薬)4gを滴下し、そのまま一晩
拌を続けた。前駆体溶液中で沈殿(固形物)を
生じたため、上澄み液をディップコーティン
グ用のメスシリンダーに注ぎ、チューブ状の
アルミナ多孔質支持膜(ノリタケカンパニー
ミテド、外径10mm、細孔径150nm)(下端をテフロ
ンシールでシール)を用い、ディッピング装
(フィルジェン株式会社)を使用してディップ
コーティングを行った(浸漬時間1分、昇降速
1cm/s)。ディップコーティング後のサンプル
空気中、60℃のオーブン中で一昼夜乾燥し
。このようにして、前駆体をコーティング
たアルミナ支持膜が得られる。その後、窒
雰囲気、200℃で2時間保持、600℃で3時間保持
、昇温、冷却速度5℃/分の条件で炭化を行っ
。このようにしてアルミナ多孔質支持膜の
面にカーボン膜を形成させると同時に該カ
ボン膜にカリウム(K)を担持させたガス分離
を作製した。
[実施例2]
1N K 2
CO 3
水溶液の代わりに10wt%K 2
CO 3
水溶液1gを滴下した以外は、実施例1と同様に
処理することにより、アルミナ多孔質支持膜
の表面にカーボン膜を形成させると同時に該
カーボン膜にカリウム(K)を担持させたガス分
離膜を作製した。
[実施例3]
1N K 2
CO 3
水溶液の代わりに10wt%K 2
CO 3
水溶液0.5gを滴下した以外は、実施例1と同様
処理することにより、アルミナ多孔質支持
の表面にカーボン膜を形成させると同時に
カーボン膜にカリウム(K)を担持させたガス
離膜を作製した。
[実施例4]
合成例1で合成したPI-co-PEG10000を5重量パーセ
ント含むNMP溶液を調製し、前駆体溶液(5wt%PI-c
o-PEG10000/NMP)とした。チューブ状のアルミナ多
孔質支持膜(ノリタケカンパニーリミテド、
径10mm、細孔径150nm)(下端をテフロンシールで
シール)を用い、ディッピング装置(フィルジ
ン株式会社)を使用してディップコーティン
グを行った(浸漬時間1分、昇降速度1cm/s)。デ
ップコーティング後のサンプルを空気中、6
0℃のオーブン中で一昼夜乾燥した。このよ
にして、前駆体を支持膜表面上にコーティ
グした複合膜が得られた。その後、窒素雰
気、200℃で2時間保持、600℃で3時間保持、昇
温、冷却速度5℃/分の条件で炭化を行った。
化後のカーボン膜の一端を接着剤で封止し
もう一端に外径10mm、長さ50mmのステンレス
を接着する。膜外側を室温で12時間、10wt%K 2
CO 3
(和光純薬)水溶液に浸漬し、K 2
CO 3
の担持処理を行った。かくしてカーボン膜に
カリウム(K)を担持させたガス分離膜を作製し
た。
[実施例5]
合成例2で合成したPI-BTCOOMeを7重量パーセン
含むNMP溶液を調製した。この前駆体溶液(7wt
%PI-BTCOOMe/NMP)を用い、1N K 2
CO 3
水溶液の代わりに10wt%CsCO 3
水溶液4gを滴下した以外は、実施例1と同様に
処理することにより、アルミナ多孔質支持膜
の表面にカーボン膜を形成させると同時に該
カーボン膜にセシウム(Cs)を担持させたガス
離膜を作製した。
[実施例6]
合成例2で合成したPI-BTCOOMeを7重量パーセン
含むNMP溶液を調製し、前駆体溶液(7wt%PI-BTCOO
Me/NMP)とした。チューブ状のアルミナ多孔質
持膜(ノリタケカンパニーリミテド、外径10mm
、細孔径150nm)(下端をテフロンシールでシー
)を用い、ディッピング装置(フィルジェン株
式会社)を使用してディップコーティングを
った(浸漬時間1分、昇降速度1cm/s)。ディップ
コーティング後のサンプルを空気中、60℃の
ーブン中で一昼夜乾燥した。このようにし
、前駆体を支持膜表面上にコーティングし
複合膜が得られた。その後、窒素雰囲気、2
00℃で2時間保持、600℃で3時間保持、昇温、
却速度5℃/分の条件で炭化を行った。炭化後
のカーボン膜の一端を接着剤で封止し、もう
一端に外径10mm、長さ50mmのステンレス管を接
する。接着したステンレス管を真空ポンプ
接続し、膜内側を減圧にした状態で膜外側
室温で1時間、Li 2
CO 3
溶液(組成:1.5g-Li 2
CO 3
/100g-H 2
O)に浸漬し、Li 2
CO 3
の担持処理を行った。かくしてカーボン膜に
リチウム(Li)を担持させたガス分離膜を作製
た。
[実施例7]
Li 2
CO 3
溶液の代わりにNa 2
CO 3
溶液(29.4g-Na 2
CO 3
/100g-H 2
O)を用いる以外は、実施例6と同様に処理して
、カーボン膜にナトリウム(Na)を担持させた
ス分離膜を作製した。
[実施例8]
Li 2
CO 3
溶液の代わりにK 2
CO 3
溶液(112.1g-K 2
CO 3
/100g-H 2
O)を用いる以外は、実施例6と同様に処理して
、カーボン膜にカリウム(K)を担持させたガス
分離膜を作製した。
[実施例9]
Li 2
CO 3
溶液の代わりにRb 2
CO 3
溶液(225g-Rb 2
CO 3
/100g-H 2
O)を用いる以外は、実施例6と同様に処理して
、カーボン膜にルビジウム(Rb)を担持させた
ス分離膜を作製した。
[実施例10]
Li 2
CO 3
溶液の代わりにCs 2
CO 3
溶液(260.5g-Cs 2
CO 3
/100g-H 2
O)を用いる以外は、実施例6と同様に処理して
、カーボン膜にセシウム(Cs)を担持させたガ
分離膜を作製した。
[実施例11]
Li 2
CO 3
溶液の代わりにCs 2
CO 3
+2,3-ジアミノプロピオン酸(DAPA)溶液(260.5g-Cs 2
CO 3
/50g-DAPA/100g-H 2
O)を用いる以外は、実施例6と同様に処理して
、カーボン膜にセシウム(Cs)と2,3-ジアミノプ
ピオン酸(DAPA)を担持させたガス分離膜を作
した。
[比較例1]
前駆体溶液(5wt%PI-co-PEG10000/NMP(アルドリッチ)
溶液)40gを調製した。これをディップコーテ
ング用のメスシリンダーに注ぎ、チューブ
のアルミナ多孔質支持膜(ノリタケカンパニ
リミテド、外径10mm、細孔径150nm)(下端をテ
ロンシールでシール)を用い、ディッピング
置(フィルジェン株式会社)を使用してディ
プコーティングを行った(浸漬時間1分、昇降
速度1cm/s)。ディップコーティング後のサンプ
ルを空気中、60℃のオーブン中で一昼夜乾燥
た。このようにして、前駆体を支持膜表面
にコーティングした複合膜が得られた。そ
後、窒素雰囲気、200℃で2時間保持、600℃で
3時間保持、昇温、冷却速度5℃/分の条件で炭
化を行った。このようにしてアルミナ多孔質
支持膜の表面にカーボン膜を作製した。
[比較例2]
前駆体溶液として、7wt%PI-BTCOOMe/NMP(アルドリ
ッチ)溶液を用いる以外は比較例1と同様に処
して、アルミナ多孔質支持膜の表面にカー
ン膜を作製した。
前記実施例および比較例において用いた担
物質、前駆体および処理法をまとめると下
表1の通りである。
[試験例]CO 2
とN 2
の分離試験
実施例1~11および比較例1~2で得たガス分離膜
を用いてCO 2
分離能を測定した。すなわち、膜温度40℃、
ブラー温度40℃、差圧法(供給側大気圧、透
側減圧)にて、相対湿度0%または100%の混合ガ
ス(CO 2
ガス5%、N 2
ガス95%)をガス分離膜に供給し、分離膜を透
したガスの透過速度Q CO2
およびQ N2
(m 3
(STP)m -2
s -1
Pa -1
)をガスクロマトグラフィーと流量計を用い
測定し、Q CO2
/Q N2
選択性(P CO2
/P N2
)を算出した。その結果は表2の通りである。
上記表から明らかなように、アルカリ金属 アルカリ土類金属および/またはアミン化合 物を担持させたカーボン膜(実施例1~11)は担持 させていないカーボン膜(比較例1~2)に比べて 顕著に優れたQ CO2 /Q N2 選択性を示した。また、アルカリ金属、アル カリ土類金属および/またはアミン化合物を 持させたカーボン膜(実施例1~11)は、混合ガ 中に水分を含んでいる場合(相対湿度100%)の が水分を含んでいない場合(相対湿度0%)よりQ CO2 /Q N2 選択性が優れていた。
本発明のガス分離膜は、CO 2 と他のガス(例えばN 2 )を分離するための用途に使用されるもので り、例えば、火力発電所、鉄鋼プラントな で発生する燃焼排ガスからのCO 2 分離などにおいて有用である。
Next Patent: HIERARCHICAL LOAD ESTIMATION SYSTEM, METHOD, AND PROGRAM